JP2002338245A - 濃厚微粒子酸化チタンディスパージョン - Google Patents

濃厚微粒子酸化チタンディスパージョン

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JP2002338245A
JP2002338245A JP2001145804A JP2001145804A JP2002338245A JP 2002338245 A JP2002338245 A JP 2002338245A JP 2001145804 A JP2001145804 A JP 2001145804A JP 2001145804 A JP2001145804 A JP 2001145804A JP 2002338245 A JP2002338245 A JP 2002338245A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日焼け止めクリームのような化粧品へ配合す
るとき高い紫外線遮蔽能と高い可視光透過性を維持しな
がら青白さを呈しない濃縮微粒子酸化チタンディスパー
ジョンを提供する。 【解決手段】 媒体中に分散している微粒子酸化チタン
の分散粒子の1μm以下の粒子の粒度分布が80%以上
であることを特徴とする濃厚微粒子酸化チタンディスパ
ージョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、例えば紫外線遮蔽効果を有する
化粧品に配合される濃厚微粒子酸化チタンディスパージ
ョンに関する。
【0002】
【背景技術および課題】結晶粒子径(一次粒子径)が1
00nm以下の酸化チタン(微粒子酸化チタンもしくは
超微粒子酸化チタンと一般に呼ばれている)は、顔料級
酸化チタンと異なって紫外域の光線の高割合を遮蔽する
が可視光線の高割合を透過させる光学的性質を持ってい
る。この性質を利用して微粒子酸化チタンは日焼け止め
クリームなどの化粧品の紫外線遮蔽材料として使用され
ている。
【0003】微細な酸化チタン結晶粒子(一次粒子)は
凝集力が非常に強く、粉体とする製造工程で一次粒子が
クラスター状に凝集した二次粒子に凝集する。このため
微粒子酸化チタンの本来の光学的性質を取り戻すため化
粧品基材への粉体の分散は高い剪断応力を利用する高エ
ネルギーミルを必要とする。この処理により紫外線遮蔽
率はかなり向上するが可視光線の透過率すなわち透明性
の向上は緩慢である一方で、透明性の向上に伴って青白
い色彩感が出現するようになる。これは可視光線全体の
反射あるいは散乱総量は小さくなるものの短波長領域の
可視光の反射あるいは散乱量が相対的に高くなるためで
あると考えられている。
【0004】青白さは使用者が不健康に見える等の理由
によりそのような化粧品は消費者に好まれないので、こ
れを改善する課題が存在する。
【0005】選択的な紫外線遮蔽能を有する微粒子を化
粧品基材に配合するに当っては、粉体を水性もしくは油
性の媒体にあらかじめ分散し、これを残った基材成分に
混合して最終製品とするのが普通である。そのため最終
製品に配合した時青白さを呈しない紫外線遮蔽能を有す
る化粧品配合用の濃厚微粒子酸化チタンディスパージョ
ンの提供は、その最終化粧品への分散に高エネルギーミ
ルの使用を要せず簡単に行うことができるので有益であ
る。
【0006】
【本発明の開示】本発明は、油性または水性の媒体中に
分散している微粒子酸化チタンの分散粒子の1μm以下
の粒子の粒度分布が80%以上であることを特徴とする
濃厚微粒子酸化チタンディスパージョンを提供する。
【0007】本発明の濃厚微粒子酸化チタンディスパー
ジョンは、そのまま最終化粧品へ配合することができ、
高い紫外線遮蔽率および可視光透過率を維持しつつ青白
さを実質上持たない化粧品、特に日焼け止めクリームを
提供可能とする。
【0008】本発明はまた、前記濃厚微粒子酸化チタン
ディスパージョンの製造法にも関する。この製造法は湿
式法で合成したチタニアゾルを酸化チタンの表面活性を
抑制する表面処理を行った後、濾過、洗浄して得られた
ケーキ、または該ケーキを乾燥、粉砕して得られた粉体
を、油性または水性媒体液に分散することを含む。この
方法の特徴は、 a)表面処理前のチタニアゾルの機械的解砕、 b)表面処理前のチタニアゾルの高度な化学的解膠、 c)前記ケーキの機械的解砕、および d)チタニアゾルの表面処理からケーキの媒体液中への
分散までのすべての工程を液相で実施するプロセスの少
なくとも一つを含んでいることである。
【0009】
【詳論】本発明者らは、微粒子酸化チタンを配合したこ
れまでの化粧品の紫外線遮蔽率、透明感および青白さ
は、微粒子酸化チタンの結晶一次粒子の粒度分布よりも
分散状態にある媒体中の分散粒子の粒度分布が大きく関
係していることを発見した。ここで「分散粒子」とは、
一次粒子がクラスター状に凝集した二次粒子または二次
粒子がさらに小さい二次粒子へ解砕された粒子を意味す
る。この分散粒子の1μm以下の粒子の粒度分布が80
%以上のとき、最終化粧品の持つ紫外線遮蔽効果および
透明感に悪影響することなく青白さを実質的になくすこ
とができる。同時に最終化粧品の光安定性も高まる。
【0010】本発明の濃厚微粒子酸化チタンディスパー
ジョンは、好ましくは酸化チタンの表面活性を抑制する
表面処理を行った微粒子酸化チタンの粉体を油性または
水性の媒体液中に分散する(乾式法)か、または粉体へ
乾燥する前の含水ケーキを媒体中に分散する(湿式法)
によって調製することができる。ここで「濃厚」とはデ
ィスパージョン中のTiO2 濃度が最終化粧品のTiO
2 濃度より相対的に高いことを意味する。
【0011】酸化チタンの表面活性を抑制する表面処理
は酸化チタン工業において周知である。この表面処理は
ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムなどの水和酸化物
で表面を被覆し、さらに媒体への分散性を改善するため
高級脂肪酸石鹸、シリコーンなどで被覆することを意味
する。本発明で用いる微粒子酸化チタンもこのような表
面処理を行ったものであることが好ましい。
【0012】乾式法によって媒体液中に分散される微粒
子酸化チタン粉体は、好ましくは以下の方法によって得
ることができる。
【0013】1)X線回折による結晶粒子径が約20n
mのルチル型チタニアゾルを常法に従って湿式合成し、
このゾルを機械的に解砕(前解砕)した後に表面処理
し、濾過、洗浄、乾燥、粉砕して粉体とする方法。 2)X線回折による結晶粒子径が約20nmのルチル型
チタニアゾルを常法に従って湿式合成する際に高度な化
学的解膠によって結晶粒子径を約10nmとした後に表
面処理し、上と同様の操作を経て粉体とする方法。 3)X線回折による結晶粒子径が約20nmのルチル型
チタニアゾルを湿式合成し、このゾルを直接表面処理
し、濾過、洗浄し得られた含水ケーキを乾燥することな
く界面活性剤および場合によりシリコーンを含む水混和
性有機溶媒例えばイソプロピルアルコール中に再分散
し、解砕(後解砕)した後有機溶媒を留去し、乾燥、粉
砕して粉体とする方法。
【0014】1)または2)を3)と組合わせて実施し
てもよい。
【0015】前解砕および後解砕はサンドグランダーの
ような慣用の微粉砕装置を使用して行うことができ、乾
燥したケーキの粉体への粉砕はサンプルミル等の慣用の
粉砕装置を使用して実施し得る。
【0016】前解砕に代わって粒子径約10nmのルチ
ル型チアニアゾルを使用する方法は、水和酸化チタンの
チタニアゾルへの解膠の程度を粒子径20nmのチタニ
アゾルを得る場合よりも高くすればよい。これは例えば
解膠に使用する塩酸濃度を高くすることなどによって達
成することができる。
【0017】全工程を液相系で行う方法でも1μm以下
の分散粒子の分布が80%以上である濃厚微粒子酸化チ
タンディスパージョンを得ることができる。これは酸化
チタンはその粒子径が小さくなるにつれ乾燥時の凝集が
強く、解砕するのに非常に大きいエネルギーが必要であ
るが、チタニアゾルの作成から表面処理、媒体への分散
に至る全工程を液相系で行えば乾燥による再凝集が少な
くなるからである。なおここでは含水ケーキの状態にあ
る酸化チタンおよびその中間生成物は液相系に含める。
この方法を行うには、まずX線回折により結晶粒子径約
20nmのルチル型チタニアゾルを公知の方法で製造
し、次に表面処理し、濾過、洗浄により水溶性夾雑物を
除去したケーキを得る。このケーキを乾燥することなく
媒体中に分散する。
【0018】液相法と前記した前解砕したまたは通常の
ものより粒子径の小さいチアニアゾルを使用する方法、
および/または後解砕プロセスを組合せることもでき
る。
【0019】本発明の濃厚微粒子酸化チタンディスパー
ジョンの分散媒体は水性でも油性でもよい。油性媒体は
好ましくはシリコーンオイルである。分散剤を使用する
場合はポリエーテル変性シリコーンのようなシリコーン
系界面活性剤が好ましい。水性媒体は純水(脱イオン
水、蒸留水)である。場合により分散安定性を高める界
面活性剤や他の分散剤を使用してもよい。最終ディスパ
ージョン中の微粒子酸化チタン濃度は、先に述べたよう
に配合される化粧品中の濃度より高ければよいが、あま
り高濃度のものは取扱いが困難で、貯蔵安定性が低いの
で一般に10〜50%,好ましくは20〜30%であ
る。
【0020】これらの方法によって得たディスパージョ
ンは、後述する粒度分布測定方法によって測定した場
合、媒体中に分散している微粒子酸化チタン分散粒子の
80%以上が1μm以下となり、そして、この分散媒体
を化粧料に配合することにより、青白さの無い高透明性
と優れた紫外線遮蔽能と光安定性を備えた化粧料が得ら
れる。
【0021】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに詳しく説
明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。
【0022】実施例1チタニアゾル製造 硫酸チタニルを公知の方法で加水分解、ろ過、レパルプ
し、TiO2 濃度400g/リットル、硫酸濃度40g
/リットルの水和酸化チタンスラリー、4リットル(T
iO2 換算で1600g)を作成する。このスラリーに
48wt.%の苛性ソーダ水溶液と水とを添加し、Ti
2 濃度150g/リットル、苛性ソーダ濃度300g
/リットルになるように調整し、撹拌しながら2時間沸
騰させる。冷却後ろ過、水洗し、35wt.%の塩酸と
水を添加することにより、TiO 2 濃度150g/リッ
トル、塩酸濃度50g/リットルに調整し、撹拌しなが
ら2時間沸騰させ、最終的に、TiO2 濃度70g/リ
ットルに濃度調整する。これはX線回折による結晶子径
が20nmのルチル形結晶構造を含有するゾル状の液体
(酸性チタニアゾル)である。
【0023】前解砕工程 上記で得たゾル20リットル(TiO2 換算で1400
g)を、φ0.8mmのジルコンビーズを45vol.
%充填した周速5.8m/sの状態のたて型サンドグラ
インダーに、21リットル/時間の速度で通過させる。
【0024】表面処理工程 前解砕工程を経たゾルを50g/リットルに濃度調整
し、その10リットル(TiO2 換算で500g)を撹
拌しながらポリ塩化アルミニウム、650g(TiO2
に対しAl2 3 として13%)添加する。これを苛性
ソーダでpHを5.5に中和し、30分間熟成する。更
にステアリン酸ソーダを、有効成分として70g添加
し、苛性ソーダでpHを7.0に調整する。上記工程の
後、公知の方法でろ過、洗浄、更に再度レパルプ、ろ
過、洗浄し、そのろ過ケーキを乾燥し、サンプルミル等
の粉砕機にて粉砕する。
【0025】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られた粉体を、後述の分散方法Iにて分散し、分散媒
体中の分散粒子の粒度分布を、Honeywell社製
粒度分布測定装置Microtrac HRAにて測定
した。粒度分布より求められる1μm以下の分散粒子径
の重量%を表1に記載した。さらに、得られたディスパ
ージョンを後述の化粧料作成方法Iによって化粧料に配
合し、その透明性、青白さ、紫外線遮蔽能、光安定性を
評価し、併せて表1に記載した。
【0026】実施例2チタニアゾルの製造 硫酸チタニルを公知の方法で加水分解、ろ過、レパルプ
し、TiO2 濃度400g/リットル、硫酸濃度40g
/リットルの水和酸化チタンスラリー、4リットル(T
iO2 換算で1600g)を作成する。このスラリーに
48wt.%の苛性ソーダ水溶液と水とを添加し、Ti
2 濃度100g/リットル、苛性ソーダ濃度500g
/リットルになるように調整し、撹拌しながら2時間沸
騰させる。冷却後、ろ過、水洗し、35wt.%の塩酸
と水を添加し、TiO2 濃度150g/リットル、塩酸
濃度70g/リットルに調整し、撹拌しながら2時間沸
騰させ、TiO2 濃度70g/リットルに濃度調整す
る。これはX線回折による結晶子径が10nmのルチル
形の結晶構造を有する酸性チタニアゾルであり、作成し
たゾルを50g/リットルに濃度調整する。
【0027】表面処理工程 上記酸性チタニアゾルに、実施例1記載の表面処理工程
を行う。
【0028】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られた粉体を、実施例1の場合と同様に分散し、その
粒度分布を測定した。粒度分布より求められる1μm以
下の分散粒子径の重量%を表1に記載した。さらに、得
られたディスパージョンについて、実施例1と同様に化
粧料に配合し、測定した特性も併せて表1に記載した。
【0029】実施例3チタニアゾルの製造 実施例2記載の合成工程に基づき、X線回折による結晶
子径が10nmのルチル形の結晶構造を有する酸性チタ
ニアゾルを作成する。作成したゾルを70g/リットル
に濃度調整する。
【0030】前解砕工程 上記酸性チタニアゾルに、実施例1記載の前解砕工程を
行う。
【0031】表面処理工程 前解砕工程を経たゾルに、実施例1記載の表面処理工程
を行う。
【0032】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られた粉体を、実施例1の場合と同様に分散し、その
粒度分布を測定した。粒度分布より求められる1μm以
下の分散粒子径の重量%を表1に記載した。さらに、得
られたディスパージョンについて、実施例1と同様に化
粧料に配合し、測定した特性も併せて表1に記載した。
【0033】実施例4チタニアゾルの製造 実施例1記載の合成工程に基づき、X線回折による結晶
子径が20nmのルチル形の結晶構造を有する酸性チタ
ニアゾルを作成する。作成したゾルを50g/リットル
に濃度調整する。
【0034】表面処理工程 上記酸性チタニアゾル、10リットル(TiO2 換算で
500g)を、撹拌しながら苛性ソーダを用いてpH
9.0以上とし、そこに200g/リットルのケイ酸ソ
ーダ水溶液を、125ml(TiO2 に対してSiO2
として5%)添加し、80℃に昇温したのち、硫酸を用
いて150分かけてpH6.5となるように徐々に中和
する。30分間熟成した後、250g/リットルのアル
ミン酸ソーダ水溶液200ml(TiO2 に対してAl
2 3 として10%)と50重量%硫酸とを用いて、p
H5.5〜6.5を保ちながら20分間で添加する。3
0分間熟成後、公知の方法でろ過、洗浄、更に再度レパ
ルプ、ろ過、洗浄し、固形分35重量%のろ過ケーキを
得る。
【0035】後解砕工程 上記ろ過ケーキにヘキサメタリン酸ソーダ、2.5g
(TiO2 に対して0.5%)、イソプロピルアルコー
ル3リットル、ポリエーテル変性シリコーン25g(T
iO2 に対して5%)、メチコン25g(TiO2 に対
して5%)を入れてスラリー化する。そのスラリー4リ
ットル(TiO2 換算で500g)を、φ0.5mmの
ジルコニアビーズ80vol.%充填した周速10m/
sの状態の横型サンドグラインダーに、200ml/分
の速度で通過させる。その後、公知の方法で溶媒を真空
蒸留にて留去し、乾燥、サンプルミル等で粉砕を行う。
【0036】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られた粉体を、実施例1の場合と同様に分散し、その
粒度分布を測定した。粒度分布より求められる1μm以
下の分散粒子径の重量%を表1に記載した。さらに、得
られたディスパージョンについて、実施例1と同様に化
粧料に配合し、測定した特性も併せて表1に記載した。
【0037】実施例5チタニアゾルの製造 実施例1記載の合成工程に基づき、X線回折による結晶
子径が20nmのルチル形の結晶構造を有する酸性チタ
ニアゾルを作成する。作成したゾルを50g/リットル
に濃度調整する。
【0038】前解砕工程 上記酸性チタニアゾルに、実施例1記載の前解砕工程を
行う。
【0039】表面処理工程 前解砕工程を経たゾルを50g/リットルに濃度調整
し、その10リットル(TiO2 換算で500g)を撹
拌しながら、ポリ塩化アルミニウム650g(TiO2
に対しAl2 3 として13%)添加する。これを苛性
ソーダでpHを5.5に中和し、30分間熟成する。そ
こへ更にステアリン酸ソーダを有効成分として70g添
加し、苛性ソーダでpHを7.0に調整する。pH調整
後、公知の方法でろ過、洗浄、更に再度レパルプ、ろ
過、洗浄し、乾燥固形分40重量%のろ過ケーキを得
る。
【0040】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られたろ過ケーキは、後述の分散方法IIにて分散し、
分散媒体中の分散粒子の粒度分布を、Honeywel
l社製粒度分布測定装置MicrotracHRAにて
測定した。粒度分布より求められる1μm以下の分散粒
子径の重量%を表1に記載した。更に、得られたディス
パージョンを後述の化粧料作成方法IIによって化粧料に
配合し、その透明性、青白さ、紫外線遮蔽能、光安定性
を評価し、併せて表1に記載した。
【0041】実施例6チタニアゾルの作成 実施例1記載の酸化チタン合成工程に基づき、X線回折
による結晶子径が20nmのルチル形の結晶構造を有す
る酸性チタニアゾルを作成する。作成したゾルを50g
/リットルに濃度調整する。
【0042】表面処理工程 上記酸性チタニアゾル10リットル(TiO2 換算で5
00g)を、撹拌しながら苛性ソーダを用いてpH9.
0以上にし、そこに200g/リットルのケイ酸ソーダ
水溶液を125ml(TiO2 に対してSiO2 として
5%)添加し、80℃に昇温する。昇温後、硫酸を用い
て150分かけてpH6.5となるように徐々に中和す
る。30分間熟成した後、250g/リットルのアルミ
ン酸ソーダ水溶液200ml(TiO2 に対してAl2
3 として10%)と50重量%硫酸とを用いて、pH
5.5〜6.5を保ちながら20分間で添加する。30
分間熟成後、公知の方法によりろ過、洗浄、更に再度レ
パルプ、ろ過、洗浄し、固形分35重量%のろ過ケーキ
を得る。
【0043】ディスパージョン作成・評価及び化粧料 得られたろ過ケーキは、実施例5の場合と同様、後述の
分散方法IIにて分散し、分散媒体中の分散粒子の粒度分
布を、Honeywell社製粒度分布測定装置Mic
rotrac HRAにて測定した。粒度分布より求め
られる1μm以下の分散粒子径の重量%を表1に記載し
た。更に、得られたディスパージョンを、実施例5の場
合と同様、後述の化粧料作成方法IIによって化粧料に配
合し、その透明性、青白さ、紫外線遮蔽能、光安定性を
評価し、併せて表1に記載した。
【0044】比較例1 前解砕工程を行わない以外は実施例1と同様な方法で微
粒子酸化チタン粉末を作成する。すなわち、実施例1の
合成工程により得た酸性チタニアゾルに対し、そのまま
表面処理工程を施して粉体を得る。得られた粉体を、実
施例1の場合と同様に分散し、その粒度分布を測定し
た。粒度分布より求められる1μm以下の分散粒子径の
重量%を表1に記載した。さらに、得られたディスパー
ジョンについて、実施例1と同様に化粧料に配合し、測
定した特性も併せて表1に記載した。
【0045】比較例2チタニアゾルの製造 実施例1記載の合成工程に基づき、X線回折による結晶
子径が20nmのルチル形の結晶構造を有する酸性チタ
ニアゾルを作成する。作成したゾルを50g/リットル
に濃度調整する。
【0046】表面処理工程 上記酸性チタニアゾル10リットル(TiO2 換算で5
00g)を、撹拌しながら苛性ソーダを用いてpH9.
0以上とし、そこに200g/リットルのケイ酸ソーダ
水溶液、125ml(TiO2 に対してSiO2 として
5%)添加し、80℃に昇温する。昇温後、硫酸を用い
て150分かけてpH6.5となるように徐々に中和す
る。30分間熟成した後、250g/リットルのアルミ
ン酸ソーダ水溶液200ml(TiO2 に対してAl2
3 として10%)と50重量%硫酸とを用いて、pH
5.5〜6.5を保ちながら20分間で添加する。30
分間熟成後、公知の方法でろ過、洗浄、更に再度レパル
プ、ろ過、洗浄し、そのろ過ケーキを乾燥し、サンプル
ミル等の粉砕機にて粉砕する。得られる粉体に対し、あ
らかじめポリエーテル変性シリコーン25g(TiO 2
に対して5%)、メチルハイドロジェンポリシロキサン
25g(TiO2 に対して5%)を溶解させたトルエン
溶液1kgでもってスラリー化する。そのスラリーを3
0分間撹拌する。その後、公知の方法で溶媒を真空蒸留
にて留去し、乾燥,サンプルミル等の粉砕を行う。
【0047】ディスパージョンの作成・評価及び化粧料 得られた粉体を、実施例1の場合と同様に分散し、その
粒度分布を測定した。粒度分布より求められる1μm以
下の分散粒子径の重量%を表1に記載した。さらに、得
られたディスパージョンについて、実施例1と同様に化
粧料に配合し、測定した特性も併せて表1に記載した。
【0048】 分散方法I(油性) 配合 環状シリコーン(信越化学工業社製 KF-995) 69重量部 ポリエーテル変性シリコーン(信越化学工業社製 KF-6017) 6重量部 微粒子酸化チタン粉体サンプル 25重量部分散方法 上記配合に、φ1.5mmガラスビーズ230部を加
え、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて700r
pmで1時間分散する。
【0049】 分散方法II(水性) 配合 脱イオン水 75重量部 微粒子酸化チタンケーキ(乾燥固形分) 25重量部
【0050】分散方法 上記配合に、φ1.5mmガラスビーズ230部を加
え、レッドデビル社製ペイントシェーカーにて700r
pmで1時間分散する。
【0051】 化粧料の作成方法I 配合 油相: 分散方法Iの条件で作成した微粒子酸化チタンディスパージョン(微粒子酸化チ タンとして10%) 40.0g シクロメチコン(KF−995) 8.4g ポリエーテル変性シリコーン(KF−6017) 2.9g 流動パラフィン 5.3g 水相: 脱イオン水 30.0g ブチレングリコール 13.4g作成手順 分散方法Iの条件で作成した微粒子酸化チタンディスパ
ージョン、シクロメチコン(KF−995)、ポリエー
テル変性シリコーン(KF−6017)及び流動パラフ
ィンを、ホモジナイザーで混合(3000rpm,5
分)し、油相とする。油相と、油相とは別途に作成した
水相とをそれぞれ80℃に昇温する。油相へ水相を約3
0秒かけて添加する。添加後、ホモミキサーで乳化(4
000rpm,30秒)する。さらに氷水で室温まで冷
却する。
【0052】 化粧料の作成方法II 配合 分散方法IIの条件で作成した微粒子酸化チタンディスパージョン 40.0g (微粒子酸化チタンとして10%) シクロメチコン(KF−995) 36.0g ポリエーテル変性シリコーン(KF−6017) 5.3g 流動パラフィン 5.3g ブチレングリコール 13.4g作成手順 シクロメチコン(KF−995)、ポリエーテル変性シ
リコーン(KF−6017)及び流動パラフィンを、ホ
モジナイザーで混合(3000rpm,5分)し、80
℃に昇温する。これに分散方法IIの条件で作成した微粒
子酸化チタンディスパージョン及びブチレングリコール
を加えて再度80℃に昇温し、ホモミキサーで乳化(4
000rpm,30秒)する。さらに氷水で室温まで冷
却する。
【0053】 表1 ディスパージョン中の 粒子径1μm 紫外線遮蔽能 試料 以下の粒子 透明性 青白さ (SPF) 光安定性 (重量%) ─────────────────────────────────── 実施例1 89 ○ ○ 12 3 実施例2 87 ○ ○ 12 6 実施例3 93 ○ ○ 13 6 実施例4 84 ○ ○ 12 1 実施例5 86 ○ ○ 13 3 実施例6 86 ○ ○ 12 3 比較例1 45 △ △ 11 4 比較例2 39 × × 11 2 ───────────────────────────────────
【0054】試験方法:配合酸化チタンの分散粒子径分布 Honeywell社製粒度分布測定装置Microt
rac HRAにて測定した。表の数値は、上記粒度分
布測定装置によって得られたデータから、媒体中に分散
している微粒子酸化チタン分散粒子が1μm以下である
比率(重量%)を算出し、記載した。 透明性:各実施例および比較例で得た化粧料をそれぞれ
10人の人間に塗り、目視にて透明感を判定する。7人
以上透明感があると感じた場合、透明感は良好である
(良好の場合○を表示)。 青白さ:各実施例および比較例で得た化粧料をそれぞれ
10人の人間に塗り、目視にて青白さを判定する。7人
以上青白さが無いと感じた場合、青白さは良好である
(良好の場合○を表示)。 紫外線遮蔽能:サージカルテープ(住友スリーエム社
製)に、各化粧料を各々2mg/cm2量の割合で塗布
し、Labsphere社製UV−1000Sにて紫外
線防御指数(SPF)を求める。SPFの数値が高いほ
ど紫外線遮蔽能が優れている。 光安定性:各実施例および比較例で得た化粧料/1%ビ
タミンE配合Finsolv TN溶液、を3/4の比
率で3分間混合し、ペーストを得る。これらのペースト
をホワイトボード上におき、カバーガラスをのせ、各試
料の24時間後のL,a,bを、色彩色差計(ミノルタ
社製CR−200)で測定する。ブランクとして微粒子
酸化チタン/Finsolv TN溶液=3/4にて同
様の操作を行い、L 0 ,a0 ,b0 を測定する。そし
て、以下の式で各試料の変色度(ΔE)を求める。ΔE
の数値が低いほど耐変色性は優れている。 ΔE=[(L−L0 2 +(a−a0 2 +(b−
0 2 1/2 L,a,b : 反応後の色調 L0 ,a0 ,b0 : ブランクの色調
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB241 AB242 AC022 AC122 AD162 AD172 CC19 DD31 EE17 FF01 4G047 CA02 CB08 CC03 CD03 CD07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】媒体中に分散している微粒子酸化チタンの
    分散粒子の1μm以下の粒子の粒度分布が80%以上で
    あることを特徴とする濃厚微粒子酸化チタンディスパー
    ジョン。
  2. 【請求項2】微粒子酸化チタンの結晶形がルチルである
    請求項1の濃厚微粒子酸化チタンディスパージョン。
  3. 【請求項3】微粒子酸化チタンはその表面活性を抑制す
    る表面処理が施されている請求項1または2の濃厚微粒
    子酸化チタンディスパージョン。
  4. 【請求項4】微粒子酸化チタンの分散粒子は、湿式法で
    合成されたチタニアゾルの機械的解砕および/または高
    度の化学的解膠を含むプロセスまたはすべての工程が液
    相で実施されるプロセスによって製造される請求項1な
    いし3のいずれかの濃厚微粒子酸化チタンディスパージ
    ョン。
  5. 【請求項5】油性媒体中に分散されている請求項1の濃
    厚微粒子酸化チタンディスパージョン。
  6. 【請求項6】水性媒体中に分散されている請求項1の濃
    厚微粒子酸化チタンディスパージョン。
  7. 【請求項7】湿式法で合成したチタニアゾルを酸化チタ
    ンの表面活性を抑制する表面処理を行った後、濾過、洗
    浄して得られるケーキ、または該ケーキを乾燥、粉砕し
    て得られた粉体を媒体液に分散することよりなる濃厚微
    粒子酸化チタンディスパージョンの製造法において、 a)表面処理前のチタニアゾルの機械的解砕、 b)表面処理前のチタニアゾルの高度の化学解膠、 c)前記ケーキの機械的解砕、および d)全工程の液相での実施 よりなる群から選ばれた少なくとも一つの処理プロセス
    を含んでいることを特徴とする請求項1の濃厚微粒子酸
    化チタンディスパージョンの製造法。
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