JP2002337171A - パウダースラッシュ成形表皮材及びその成形装置 - Google Patents

パウダースラッシュ成形表皮材及びその成形装置

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JP2002337171A JP2001144609A JP2001144609A JP2002337171A JP 2002337171 A JP2002337171 A JP 2002337171A JP 2001144609 A JP2001144609 A JP 2001144609A JP 2001144609 A JP2001144609 A JP 2001144609A JP 2002337171 A JP2002337171 A JP 2002337171A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口部を成形体成形後に形成する場合におい
て、開口形成予定部の表皮裏面層を簡単にしかも綺麗に
取り除く。そのための成形装置を提供する。 【解決手段】 パウダースラッシュ成形表皮材1を、開
口形成予定部Aを除く領域に設けられた表皮表面層3
と、表皮表面層3の裏面に開口形成予定部Aを含む全領
域に亘るように設けられた表皮裏面層5とで構成する。
芯材13の開口部13aの内周縁に対応する表皮表面層
3の内周縁と表皮裏面層との間に環状凹条溝7を形成
し、この環状凹条溝7により環状薄肉部9を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パウダースラッ
シュ成形法により成形された表皮材とその成形に用いら
れる成形装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開平9−39005号公報に開示され
ているパウダースラッシュ成形表皮材では、成形面が部
分的に冷却され、他の部分が加熱されたスラッシュ成形
型を原料収容ボックスに組み付けて原料収容ボックスを
反転させ、上記スラッシュ成形型の冷却箇所を除く領域
にパウダー樹脂原料を落下させて溶着させることによ
り、成形と同時に開口部を有する表皮材を成形するよう
にしている。
【0003】実登第2601610号公報に開示されて
いるパウダースラッシュ成形表皮材では、カバー部材が
設けられた第1原料収容ボックスにスラッシュ成形型を
組み付けてスラッシュ成形型の成形面をカバー部材で部
分的に覆い、上記第1原料収容ボックスを反転させて上
記カバー部材を除く領域に第1パウダー樹脂原料を落下
させて溶着させることにより開口部を有する表皮表面層
を成形し、その後、この表皮表面層が成形されたスラッ
シュ成形型をカバー部材のない別の第2原料収容ボック
スに組み付けて第2原料収容ボックスを反転させ、第2
パウダー樹脂原料を上記表皮表面層及び開口形成予定部
に対応するスラッシュ成形型の成形面に落下させて溶着
させ、上記表皮表面層の裏面に表皮表面層の開口部を含
む全領域に亘って表皮裏面層が成形された2層構造の表
皮材を成形するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如き
表皮材で成形体の意匠面を構成する場合、前者の公報例
の表皮材では、既に開口部が形成されているため、成形
体成形時に成形型にセットされた表皮材の開口部周りか
ら溶融樹脂が漏れ、成形体の意匠面である表皮材表面が
汚れて見栄えを損なうことがある。
【0005】一方、後者の公報例の表皮材では、表皮表
面層の開口部は表皮裏面層で塞がれているため、成形体
成形時に溶融樹脂は漏れない。しかし、表皮材はパウダ
ースラッシュ成形品であるため、成形された表皮材には
表皮表面層の開口部内周縁に表皮裏面層が密着してい
て、当該箇所の肉厚が表皮表面層の肉厚と表皮裏面層の
肉厚とのトータル肉厚となって厚肉になっていることか
ら、表皮材の成形後に当該箇所の表皮裏面層を表皮表面
層の開口部内周縁に沿って綺麗に取り除くことが困難に
なる。
【0006】この発明はかかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、上記の後者の公報例
のように開口部を成形体成形後に形成する場合におい
て、開口形成予定部の表皮裏面層を簡単にしかも綺麗に
取り除こうとすることである。また、そのための成形装
置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、表皮材の開口形成予定部周りの肉厚を
薄くしたこと、及びそのために成形装置の構造を改良し
たことを特徴とする。
【0008】具体的には、この発明は、少なくとも芯材
と一体成形されて成形体の意匠面を構成し上記芯材の開
口部に対応する開口形成予定部を有するパウダースラッ
シュ成形表皮材及びその成形装置を対象とし、次のよう
な解決手段を講じた。
【0009】すなわち、請求項1に記載の発明は、前者
のパウダースラッシュ成形表皮材に関するものであり、
上記開口形成予定部を除く領域に設けられた表皮表面層
と、この表皮表面層の裏面に上記開口形成予定部を含む
全領域に亘るように設けられた表皮裏面層とからなり、
上記開口部の内周縁に対応する表皮表面層の内周縁と上
記表皮裏面層との間には、環状凹条溝が形成され、この
環状凹条溝により環状薄肉部が形成されていることを特
徴とする。
【0010】上記の構成により、請求項1に記載の発明
では、成形体成形時には開口形成予定部に対応する表皮
表面層の開口部を表皮裏面層が塞いでいるため、当該箇
所から溶融樹脂は漏れず、成形体の意匠面である表皮材
表面が溶融樹脂で汚れず綺麗に仕上がる。
【0011】また、この発明の表皮材は、芯材の開口部
の内周縁に対応する表皮表面層の内周縁と表皮裏面層と
の間に環状薄肉部が環状凹条溝により形成されているた
め、成形体成形後に上記表皮裏面層の開口形成予定部の
表皮裏面層を取り除く際、表皮裏面層が表皮表面層の開
口部内周縁に沿って簡単にしかも綺麗に取り除かれて目
的通りの開口部が形成される。
【0012】請求項2,3に記載の発明は、後者のパウ
ダースラッシュ成形表皮材の成形装置に関するものであ
り、そのうち、請求項2に記載の発明は、成形面に上記
開口部の内周縁に対応するように環状突条部が突設さ
れ、パウダー樹脂原料を上記成形面に溶着させるスラッ
シュ成形型と、カバー部材が設けられ、上記スラッシュ
成形型が組み付けられた状態で、上記カバー部材が上記
環状突条部に当接してこの環状突条部によって包囲され
る部分を覆い、反転することで内部に収容されたパウダ
ー樹脂原料を上記スラッシュ成形型の成形面に落下させ
て溶着させ、上記開口形成予定部を除く領域に表皮表面
層を成形する第1原料収容ボックスと、カバー部材が設
けられておらず、上記表皮表面層が成形されたスラッシ
ュ成形型が組み付けられた状態で反転し、内部に収容さ
れたパウダー樹脂原料を上記表皮表面層及び上記開口形
成予定部に対応するスラッシュ成形型の成形面に落下さ
せて溶着させ、上記表皮表面層の裏面に上記開口形成予
定部を含む全領域に亘るように表皮裏面層を成形する第
2原料収容ボックスとを備えたことを特徴とする。
【0013】上記の構成により、請求項2に記載の発明
では、表皮材の開口形成予定部に対応するスラッシュ成
形型の成形面がカバー部材で覆われ、この際、上記開口
部の内周縁に対応して突設された環状突条部に上記カバ
ー部材が当接していることから、請求項1の作用効果を
奏する表皮材が得られ、さらには、上記環状突条部周り
のシールが確実に行われるとともにカバー部材の周囲に
パウダー樹脂原料の溶融樹脂が付着せず、該溶融樹脂物
による糸引き現象が発生せず、よって、糸引き状態の樹
脂屑が第1原料収容ボックス内の第1パウダー樹脂原料
に混入してその後に成形される表皮表面層に付着する事
態が回避されるため、表皮表面層ひいては2層構造であ
る表皮材の品質が保証される。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、カバー部材は、環状突条部と当接する
耐熱性の弾性シール材を有していることを特徴とする。
【0015】上記の構成により、請求項3に記載の発明
では、弾性シール材が環状突条部に押圧されて弾性変形
するため、シールが一層確実になる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。
【0017】図8はこの発明の一実施形態に係るパウダ
ースラッシュ成形表皮材1を示す。図9及び図10はこ
の表皮材1が適用された成形体としての自動車用ドアト
リム11を成形するドアトリム成形装置125を示す。
ここでは、上記表皮材1及びドアトリム11は共に一部
分しか現していないが、後述する図6には表皮材1の全
体断面形状が現れており、また、図1,図3,図4及び
図6のスラッシュ成形型111の型形状からして成形体
がドアトリム11であることが判る。
【0018】上記ドアトリム11は、図9及び図10に
示すように、上記表皮材1と芯材13との間に発泡層1
5が一体成形された3層構造であり、表皮材1はドアト
リム11の意匠面を構成している。上記表皮材1のほぼ
中央には横方向に長い略矩形の開口部1aが形成され
(図10参照)、上記芯材13のほぼ中央にも、上記表
皮材1の開口部1aに対応するように横方向に長い略矩
形の開口部13aが形成されている(図9及び図10参
照)。図1のスラッシュ成形型111でハッチングを付
している領域が開口部1a,13aに対応する箇所であ
る。これら開口部1a,13aは装飾材であるオーナメ
ント(図示せず)を装着するためのものである。
【0019】完成品としてのドアトリム11では、上述
の如く表皮材1には開口部1aが形成されているが、ド
アトリム11を成形する際に用いられる表皮材1は、図
8及び図9に示すように、上記開口部1aは形成されて
おらず塞がっており、この領域を上記芯材13の開口部
13aに対応する開口形成予定部Aとしている。上記表
皮材1は、表皮表面層3と表皮裏面層5とからなる2層
構造であり、上記表皮表面層3は上記開口形成予定部A
を除く領域に設けられ、この開口形成予定部Aに対応し
て開口部3aが形成されている。上記表皮裏面層5は、
上記表皮表面層3の裏面に上記開口形成予定部Aを含む
全領域に亘るように一体に接合されている。また、上記
芯材13の開口部13aの内周縁に対応する表皮表面層
3の内周縁(開口部3a)と上記表皮裏面層5との間に
は、断面V字形の環状凹条溝7が形成され、この環状凹
条溝7により環状薄肉部9が形成されている。そして、
この環状薄肉部9の肉厚は表皮裏面層5の肉厚に相当
し、一般部である表皮表面層3及び表皮裏面層5のトー
タル肉厚よりも薄肉に形成されている。
【0020】上述のように構成された表皮材1は、図1
〜6に示すような成形装置を用いてパウダースラッシュ
成形される。
【0021】この成形装置は、第1原料収容ボックス1
01(図2〜4参照)と第2原料収容ボックス103
(図6参照)とを備え、上記第1原料収容ボックス10
1には第1パウダー樹脂原料R1が収容され、上記第2
原料収容ボックス103には、上記第1パウダー樹脂原
料R1よりも安価な第2パウダー樹脂原料R2が収容さ
れている。これら第1及び第2原料収容ボックス10
1,103は共に、上方が開口した直方体形状をしてお
り、短辺側の互いに対向する側壁101a,103aに
は回転軸105が1つずつ突設され、この2つの回転軸
105を図示しない回転装置によって回転させることに
より、上記第1及び第2原料収容ボックス101,10
3を鉛直面内で回転させるようになっている。また、上
記第1及び第2原料収容ボックス101,103の長辺
側の互いに対向する側壁101b,103bには、クラ
ンプ治具107が3個ずつ合計6個取り付けられてい
る。さらに、上記第1及び第2原料収容ボックス10
1,103の内部には略矩形環状の仕切板109が設置
され、この仕切板109で囲まれた空間に上記第1及び
第2パウダー樹脂原料R1,R2が実質的に収容され
る。そして、スラッシュ成形型111をその成形面11
3を下に向けた姿勢で、上記第1及び第2パウダー樹脂
原料R1,R2が収容された第1及び第2原料収容ボッ
クス101,103の開口端(仕切板109の上端)を
スラッシュ成形型111の成形面113外周に当接させ
て上記第1及び第2原料収容ボックス101,103の
開口を覆うようにセットし、上記クランプ治具107で
スラッシュ成形型111の外周を挟持してスラッシュ成
形型111を第1及び第2原料収容ボックス101,1
03に組み付けるようにしている。
【0022】ここで、上記スラッシュ成形型111の型
構造について説明する。このスラッシュ成形型111
は、図1に示すように、シェル状に形成された横長矩形
の型本体115を備えてなり、該型本体115には成形
すべき表皮材1(表皮表面層3,表皮裏面層5)の形状
を呈する上記成形面113が形成されている。この成形
面113には、表皮材1の表皮表面層3と表皮裏面層5
との2層部分に対応する製品部113aと、この製品部
113aで囲まれる開口形成予定部Aに対応する非製品
部113b(図1に斜線を付して表わす領域)とが形成
されている。また、上記成形面113には、上記非製品
部113bの外周縁(芯材13の開口部13aの内周
縁)に対応するように断面三角形の環状突条部113c
が突設され(図5参照)、上記製品部113aの外周に
は、上記第1及び第2原料収容ボックス101,103
の仕切板109が当接する見切りライン113dが形成
されている。上記環状突条部113cの突出量は、非製
品部113b(開口形成予定部A)側の方が製品部11
3a側の方よりも多く突出していて、つまり非製品部1
13b(開口形成予定部A)側の成形面113が製品部
113a側の成形面113よりも低くなっていて、これ
により、成形された表皮材1の環状凹条溝7を深く確保
するようになっている。
【0023】上記第1原料収容ボックス101の仕切板
109内には、板状のカバー部材117が4本のロッド
状の橋脚部材119によって支持されて配置され、上記
カバー部材117は、上記スラッシュ成形型111が第
1原料収容ボックス101にクランプ保持されて第1原
料収容ボックス101に組み付けられた状態で、上記環
状突条部113cに当接してこの環状突条部113cに
よって包囲される部分、つまり成形面113の非製品部
113bを覆うようになっている。
【0024】図5に拡大して示すように、上記カバー部
材117はカバープレート121を備え、このカバープ
レート121には、上記環状突条部113cと当接する
シリコーンゴム等の耐熱性の弾性シール材123が貼着
されている。そして、スラッシュ成形型111を第1原
料収容ボックス101に組み付けたボックス密閉状態
で、上記弾性シール材123は上記スラッシュ成形型1
11の成形面113の非製品部113b外周である環状
突条部113cに当接して非製品部113bを取り囲む
ようになっている。この状態で、上記弾性シール材12
3は上記非製品部113bと接触せずに間隔をあけてお
り、かつ弾性シール材123の外周縁が上記環状突条部
113cの内側面に隙間が生じないように圧接してい
る。
【0025】一方、上記第2原料収容ボックス103内
には、図6に示すように、上記第1原料収容ボックス1
01内の如き橋脚部材119によって支持されたカバー
部材117が設けられていないほかは、第1原料収容ボ
ックス101と同一に構成されている。
【0026】上述の如く構成された成形装置では、図3
に示すように、スラッシュ成形型111の成形面113
外周(製品部113a外周)である見切りライン113
dを第1原料収容ボックス101の開口端(仕切板10
9の上端)に当接させるとともに、カバー部材117の
弾性シール材123を環状突条部113cに当接させて
非製品部113bをカバー部材117で覆ってスラッシ
ュ成形型111を第1原料収容ボックス101に組み付
けたボックス密閉状態で、図4に示すように、第1原料
収容ボックス101を反転させることで内部に収容され
た第1パウダー樹脂原料R1を上記スラッシュ成形型1
11の成形面113の製品部113aに落下させて溶着
させ、上記非製品部113b(表皮材1の開口形成予定
部A)を除く領域に表皮表面層3を成形するようになっ
ている。さらに、上記表皮表面層3が成形されたスラッ
シュ成形型111を第2原料収容ボックス103に上記
第1原料収容ボックス101の場合と同様にして組み付
けたボックス密閉状態で、第2原料収容ボックス103
を反転させ、内部に収容された第2パウダー樹脂原料R
2を上記表皮表面層3び上記開口形成予定部Aに対応す
るスラッシュ成形型111の成形面113を構成する非
製品部113bに落下させて溶着させ、図6及び図7に
示すように、上記表皮表面層3の裏面に上記開口形成予
定部Aを含む全領域に亘るように表皮裏面層5を成形
し、これにより、2層構造の表皮材1を成形するように
なっている。
【0027】次に、表皮材1の成形要領を説明する。
【0028】まず、図3に示すように、予め所定温度に
加熱されたスラッシュ成形型111をその成形面113
を下に向けた姿勢で、第1パウダー樹脂原料R1が収容
された第1原料収容ボックス101に組み付ける。この
際、第1原料収容ボックス101の仕切板109上端を
スラッシュ成形型111の成形面113の見切りライン
113dに当接させて第1原料収容ボックス101の開
口をスラッシュ成形型111で覆うようにし、クランプ
治具107で上記スラッシュ成形型111の外周を挟持
する。この状態で、カバー部材117の弾性シール材1
23がスラッシュ成形型111の成形面113の環状突
条部113cに当接して非製品部113bを覆って非製
品部113b周りをシールする。
【0029】次いで、図4に示すように、上記第1原料
収容ボックス101をその一対の回転軸105を回転装
置によって回転させることにより鉛直面内で上下方向に
180°反転させ、第1原料収容ボックス101内に収
容された第1パウダー樹脂原料R1を上記スラッシュ成
形型111の成形面113の製品部113aに落下させ
る。これにより、成形面113の製品部113aに付着
した第1パウダー樹脂原料R1が型温により溶融して製
品部113aに溶着し、表皮表面層3が成形される。
【0030】この際、図5に拡大して示すように、カバ
ー部材117の弾性シール材123をスラッシュ成形型
111の成形面113の環状突条部113cに当接させ
ていることから、開口形成予定部Aに対応する非製品部
113b周りを確実にシールするとともに上記弾性シー
ル材123の周囲に第1パウダー樹脂原料R1の溶融樹
脂が付着せず、該溶融樹脂による糸引き現象を発生しな
いようにすることができる。これにより、糸引き状態の
樹脂屑が第1原料収容ボックス101内の第1パウダー
樹脂原料R1に混入してその後に成形される表皮表面層
3に付着する事態を回避して、表皮表面層3ひいては2
層構造である表皮材1の品質を保証することができる。
【0031】また、弾性シール材123が環状突条部1
13cに押圧されて弾性変形することでシールを一層確
実に行うことができる。
【0032】その後、上記第1原料収容ボックス101
を鉛直面内で180°反転させ、余剰の第1パウダー樹
脂原料R1を第1原料収容ボックス101内に落下させ
た後、上記各クランプ治具107をアンクランプ作動さ
せて表皮表面層3が成形されたスラッシュ成形型111
を第1原料収容ボックス101から取り外し、今度は第
2原料収容ボックス103に組み付ける。その組付け方
は、カバー部材117がないほかは第1原料収容ボック
ス101の場合と同じである。
【0033】しかる後、上記第2原料収容ボックス10
3をその一対の回転軸105を回転装置によって回転さ
せることにより鉛直面内で上下方向に180°反転さ
せ、第2原料収容ボックス103内に収容された第2パ
ウダー樹脂原料R2を上記表皮表面層3及び上記開口形
成予定部Aに対応するスラッシュ成形型111の成形面
113の非製品部113bに落下させる。これにより、
上記表皮表面層3及び成形面113の非製品部113b
に付着した第2パウダー樹脂原料R2が型温により溶融
して表皮表面層3及び非製品部113bに溶着し、上記
表皮表面層3の裏面に上記開口形成予定部Aを含む全領
域に亘るように表皮裏面層5が成形され、2層構造の表
皮材1が成形される(図6及び図7参照)。
【0034】次に、図6に示すように、第2原料収容ボ
ックス103を鉛直面内で上下方向に180°反転さ
せ、余剰の第2パウダー樹脂原料R2を第2原料収容ボ
ックス103内に落下させた後、上記各クランプ治具1
07をアンクランプ作動させて表皮材1が成形されたス
ラッシュ成形型111を第2原料収容ボックス103か
ら取り外す。
【0035】その後、上述の如くして表皮材1が成形さ
れたスラッシュ成形型111を冷却ボックスにセット
し、その成形面113裏面に冷却水を吹き付けて冷却し
た後、表皮材1をスラッシュ成形型111の成形面11
3から脱型する。
【0036】この脱型された表皮材1は、図9に示すよ
うなドアトリム成形装置125の下型である第1成形型
127の成形面127aに開口形成予定部Aが第1成形
型127の貫通孔127bに対応するようにセットされ
てドアトリム11の成形に供せられる。一方、上記ドア
トリム成形装置125の上型である第2成形型129の
成形面129aに芯材13がその開口部13aが第2成
形型129の貫通孔129bに対応するようにセットさ
れる。そして、上記第1成形型127と第2成形型12
9の型閉じ状態で芯材13の開口部13a周りに突設さ
れた突起13bを表皮材1の表皮裏面層5に当接させて
当該箇所をシールし、上記表皮材1(表皮裏面層5)と
芯材13との間に形成されたキャビティ131にポリウ
レタン等の発泡樹脂原料を注入して発泡層15を一体成
形し、3層構造のドアトリム11を成形するようになっ
ている。
【0037】この際、表皮材1には開口形成予定部Aが
あって未だ開口部1aが形成されていないことから、キ
ャビティ131内に注入された発泡樹脂原料が漏れる事
態が回避され、ドアトリム11の意匠面である表皮材1
表面を発泡樹脂原料の漏出による汚染から守ることがで
きる。
【0038】上記第1成形型127の貫通孔127b内
には、上方に延びるピストンロッド133を有する流体
圧シリンダ(図示せず)が配置され、上記ピストンロッ
ド133先端には、直角三角形の厚肉の金属板からなる
2つのブロック状の押切具135がプレート137を介
して取り付けられている。そして、上述の如くして成形
されたドアトリム11が型内にある状態で、つまり、型
閉じした状態で、上記2つの押切具135を流体圧シリ
ンダの伸長作動により第1成形型127側から上方に進
出させて表皮材1の開口形成予定部Aの外周縁部に押し
当て、これにより、図10に示すように、上記表皮材1
の環状薄肉部9を押し切って表皮材1に開口部1aを形
成する。
【0039】このように、表皮材1の環状薄肉部9を押
し切って表皮材1に開口部1aを形成するようにしてい
ることから、表皮裏面層5を表皮表面層3の開口部3a
内周縁に沿って簡単にしかも綺麗に取り除くことができ
て目的通りの開口部1aを表皮材1に形成することがで
きる。
【0040】なお、上記の実施形態では、スラッシュ成
形型111の成形面113の非製品部113bが成形面
113のほぼ中央部分に位置して該非製品部113bを
製品部113aで取り囲んでいる場合を示したが、非製
品部113bの一端側が成形面113の端部にまで延び
ている場合等であっても同様の作用効果を得ることがで
きるものである。
【0041】また、上記の実施形態では、第1成形型1
27と第2成形型129とを型閉じした後、キャビティ
131に発泡樹脂原料を注入するクローズド注入法であ
ったが、第1成形型127と第2成形型129とを型開
きした状態で発泡樹脂原料を注入した後に型閉じするオ
ープン注入法でもよい。
【0042】さらに、成形体としてドアトリム11を示
したが、インストルメントパネルやその他の自動車用内
装品、さらには自動車用内装品以外のものであってもよ
い。また、その構造も表皮材1と芯材13との間に発泡
層15が一体成形された3層構造に限らず、発泡層がな
くて表皮材と芯材との2層からなるものにも適用するこ
とができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る発
明によれば、開口形成予定部を除く領域に設けられた表
皮表面層の裏面に上記開口形成予定部を含む全領域に亘
るように表皮裏面層を設けたので、成形体成形時に開口
形成予定部に対応する表皮表面層の開口部を表皮裏面層
で塞いで溶融樹脂の漏出をなくし、表皮材表面を綺麗に
仕上げることがきる。
【0044】また、芯材の開口部の内周縁に対応する表
皮表面層の内周縁と表皮裏面層との間に環状薄肉部を環
状凹条溝により形成しているので、成形体成形後に上記
開口形成予定部に対応する表皮裏面層を表皮表面層の開
口部内周縁に沿って簡単にしかも綺麗に取り除いて目的
通りの開口部を形成することができる。
【0045】請求項2に係る発明によれば、芯材の開口
部の内周縁に対応するようにスラッシュ成形型の成形面
に突設された環状突条部にカバー部材の弾性シール材を
当接させているので、請求項1の作用効果に加えて、樹
脂漏れ及びカバー部材周囲への溶融樹脂の付着に起因す
る糸引き現象をなくして樹脂屑がその後に成形される表
皮表面層に付着する事態を回避し、品質の高い表皮材を
成形することができる。
【0046】請求項3に係る発明によれば、弾性シール
材をスラッシュ成形型の成形面の環状突条部に押圧して
弾性変形させることで、シールを一層確実に行うことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラッシュ成形型の正面図である。
【図2】第1原料収容ボックスの斜視図である。
【図3】第1原料収容ボックスにスラッシュ成形型をセ
ットした状態を示す断面図である。
【図4】第1原料収容ボックスを反転させてスラッシュ
成形型に第1パウダー樹脂原料を落下させて溶着させ、
スラッシュ成形型に表皮表面層が成形された状態を示す
断面図である。
【図5】図4のB部拡大図である。
【図6】スラッシュ成形型に成形された表皮表面層の裏
面に表皮裏面層が成形されて表皮材が成形された状態を
示す断面図である。
【図7】図6のC部において表皮材を上に向けた状態を
示す拡大図である。
【図8】スラッシュ成形型から脱型した表皮材の図7相
当図である。
【図9】成形直後のドアトリムの開口部に対応する表皮
材の開口形成予定部に押切具が対応配置されている状態
を示すドアトリム成形装置の断面図である。
【図10】ドアトリムの開口部に対応する表皮材の開口
形成予定部を押切具の上昇により押し切った状態を示す
ドアトリム成形装置の断面図である。
【符号の説明】
1 表皮材 1a 開口部 3 表皮表面層 5 表皮裏面層 7 環状凹条溝 9 環状薄肉部 11 ドアトリム(成形体) 13 芯材 101 第1原料収容ボックス 103 第2原料収容ボックス 111 スラッシュ成形型 113 成形面 113c 環状突条部 117 カバー部材 123 弾性シール材 A 開口形成予定部 R1 第1パウダー樹脂原料 R2 第2パウダー樹脂原料
フロントページの続き Fターム(参考) 4F202 AC04 AG03 AH26 CA06 CB01 CB27 CK23 CK42 CK86 4F205 AC04 AG03 AG28 AH26 GA12 GB01 GB27 GC04 GF01 GF42 GN02 GN07 GN28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも芯材と一体成形されて成形体
    の意匠面を構成し上記芯材の開口部に対応する開口形成
    予定部を有するパウダースラッシュ成形表皮材であっ
    て、 上記開口形成予定部を除く領域に設けられた表皮表面層
    と、 この表皮表面層の裏面に上記開口形成予定部を含む全領
    域に亘るように設けられた表皮裏面層とからなり、 上記開口部の内周縁に対応する表皮表面層の内周縁と上
    記表皮裏面層との間には、環状凹条溝が形成され、この
    環状凹条溝により環状薄肉部が形成されていることを特
    徴とするパウダースラッシュ成形表皮材。
  2. 【請求項2】 少なくとも芯材と一体成形されて成形体
    の意匠面を構成し上記芯材の開口部に対応する開口形成
    予定部を有するパウダースラッシュ成形表皮材を成形す
    る成形装置であって、 成形面に上記開口部の内周縁に対応するように環状突条
    部が突設され、パウダー樹脂原料を上記成形面に溶着さ
    せるスラッシュ成形型と、 カバー部材が設けられ、上記スラッシュ成形型が組み付
    けられた状態で、上記カバー部材が上記環状突条部に当
    接してこの環状突条部によって包囲される部分を覆い、
    反転することで内部に収容されたパウダー樹脂原料を上
    記スラッシュ成形型の成形面に落下させて溶着させ、上
    記開口形成予定部を除く領域に表皮表面層を成形する第
    1原料収容ボックスと、 カバー部材が設けられておらず、上記表皮表面層が成形
    されたスラッシュ成形型が組み付けられた状態で反転
    し、内部に収容されたパウダー樹脂原料を上記表皮表面
    層及び上記開口形成予定部に対応するスラッシュ成形型
    の成形面に落下させて溶着させ、上記表皮表面層の裏面
    に上記開口形成予定部を含む全領域に亘るように表皮裏
    面層を成形する第2原料収容ボックスとを備えたことを
    特徴とするパウダースラッシュ成形表皮材の成形装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のパウダースラッシュ成形
    表皮材の成形装置において、 カバー部材は、環状突条部と当接する耐熱性の弾性シー
    ル材を有していることを特徴とするパウダースラッシュ
    成形表皮材の成形装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3018720A1 (fr) * 2014-03-18 2015-09-25 Faurecia Innenraum Sys Gmbh Procede et dispositif de fabrication d'une piece de garnissage et installation de production
CN105922485A (zh) * 2016-07-05 2016-09-07 长春富维—江森自控汽车饰件系统有限公司 搪塑模具的遮挡装置
FR3037522A1 (fr) * 2015-06-17 2016-12-23 Schligler Moule pour la realisation d'une peau par rotomoulage

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