JP2002336943A - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
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Abstract
高速鋳造の場合において、ストレートノズルの溶鋼吐出
流の潜り込みを浅くして反転流によるパウダー巻込みを
少なくするよう改善する。 【解決手段】 浸漬ノズルの内腔下部に適正なテーパー
を付与し、吐出孔からの吐出流速を低下させることによ
り、吐出流の潜り込みが浅くなり反転流が弱められるた
めにパウダー巻込みを防止できるものである。本発明に
より、偏析のより厳しい122mm角程度の小断面鋳片で
も品質管理上充分なEMS旋回流を付与しながらパウダ
ー巻き込みを回避して高級鋼を造り込むことが可能であ
り、パウダー巻き込み抑制のために鋳造速度を下げて生
産性を犠牲にすることも同時に回避できる。
Description
続鋳造法において、鋳型内電磁攪拌を用い、且つ、浸漬
ノズルを使用するパウダー鋳造の際に、パウダー巻込み
を防止する連続鋳造方法に関する。
際には、鋳込溶鋼流の二次酸化を避けるため浸漬ノズル
を用いると同時に、鋳型上面の溶鋼メニスカス部位にも
パウダーを用いて断気鋳造を実施することが必須であ
る。また、小断面鋳片においては偏析改善のため、凝固
組織の等軸晶化促進効果のある鋳型内電磁攪拌装置を装
備することも重要である。
漬ノズルは図2に示すように内腔下端部から吐出孔を横
方向に向けた形状が採用されているのに対し、鋳型断面
積の小さい連鋳機においては横方向吐出型浸漬ノズルは
鋳型の壁との距離が小さいため、溶鋼吐出流が凝固シエ
ルに勢よく衝突してシェルを再溶解し、鋳片の縦割れや
ブレークアウト等のトラブルを招く危険性があるため、
図3に示すようにノズル底端に吐出孔を設けた底吐出型
浸漬ノズル(以下、ストレートノズルと呼ぶ)を採用し
ている。浸漬ノズルからの吐出溶鋼流速は鋳造速度に比
べて非常に大きいことから吐出流はある深さまで潜った
後、上方のメニスカス部に向かう反転流を形成する。特
にパウダー鋳造の場合はこの反転流によってメニスカス
部でパウダー粒子を溶鋼中に巻込むなど品質欠陥を招く
恐れがある。このパウダー巻込み現象は小断面鋳型の電
磁攪拌コイルを装備する場合に顕著であり、また鋳造速
度が速い場合や浸漬ノズル深さが浅い場合にも著しく発
生する現象である。
コイルを装備した小断面鋳型での高速連鋳の場合、前記
のストレートノズルでは、凝固シエルの再溶解は防止さ
れるものの、鋳型パウダーの巻込みに対しては、鋳造速
度を小さくし、さらに電磁攪拌強度を下げる方法が有効
であるが、鋳造速度の低下は生産性が犠牲になるし、電
磁攪拌強度低下は偏析が悪化し品質を維持できなくなる
問題がある。また、浸漬ノズル深さを深くする方法も考
えられるが深くし過ぎると電磁攪拌装置の効果が目減り
する方向であり、深くするにも限界がありパウダー巻込
みを回避するレベルには至らない。本発明は、従来技術
の上記問題点を解決し、溶鋼吐出流の潜り込み深さを浅
くし溶鋼反転流によるパウダー巻込みを少なくして鋼の
品質欠陥を防止することのできる新しい底吐出型浸漬ノ
ズルを使用した連続鋳造方法を提供することを目的とす
る。
いて、ストレートノズルの溶鋼吐出流の潜り込みを浅く
して反転流によるパウダー巻込みを少なくするよう改善
するため、浸漬ノズル1の内腔6下部に適正なテーパー
8を付与し(以下、テーパーノズル17と呼ぶ)、吐出
孔7からの吐出流速を低下させることにより達成され
る。
鋳片連続鋳造用パウダー鋳造において、電磁攪拌用コイ
ルを装備した小断面鋳型に、図1に示すようにタンディ
ッシュ内溶鋼を鋳込む際の浸漬ノズルの内腔6形状を下
端の吐出孔7に向かって拡がるテーパー状でそのテーパ
ー角度θが 3゜≦θ≦10゜、テーパー長さLが L≧5
0mmの範囲に形成されることを特徴とする連続鋳造方法
である。さらに、小断面鋳型における電磁攪拌の効果が
阻害されないように、前記浸漬ノズルの出口位置がメニ
スカスから50mm以上深く、かつ前記電磁攪拌の鉄心
上端より上となるように設置したことを特徴とする請求
項1記載の連続鋳造方法である。
端吐出孔7から下方に向かう溶鋼吐出流9の流速がテー
パー付与により減速されるので、吐出流9の潜り込みが
浅くなり反転流10が弱められるためパウダー巻込みを
少なくでき、鋳片内に捕捉されるパウダー起因の欠陥が
防止できる。
実施の形態について説明する。
ノズルの内腔下端に適当なテーパー8を付与した場合の
パウダー巻き込み性能を示す。図4はテーパー角度の影
響を示しており、テーパー角度には最適値があることが
分かる。テーパー角度が小さい場合は吐出流速の減衰効
果が弱いため巻き込み量が多いのに対し、テーパー角度
が大きい場合は吐出噴流がテーパー角度に沿って広がら
ず、流れの剥離現象が発生し徐々にストレートノズル1
6のような挙動に戻ってしまうからである。この適正範
囲はEMS(電磁撹拌装置3)有無の影響も強く受けて
おりEMSなしの場合の適正範囲はさらに広範囲となっ
ている。実施例におけるEMSありの場合の適正テーパ
ー角度範囲は3゜≦θ≦10゜であり、特にθ=7゜付近が
最も効果が大きい。
おり、必要テーパー長さは L≧50mmである。適正な
テーパー角度範囲内であってもテーパー長さが短いと吐
出噴流の径が充分大きく出来ないため吐出流速の減衰効
果が小さくパウダー巻き込みが多い結果となる。
ズル17を使用した場合の鋳型内溶鋼流動を示したもの
である。これらは原寸サイズでの模型実験でパウダー巻
きこみ挙動を可視化した結果の観察イメージ図である。
実験は溶鋼を水に、パウダー粒子をポリエチレン粒子
(比重0.95、粒径3mm)とし、Re数(レイノル
ズ数)近似で実験した。EMS旋回流はEMS相当部位
に設けた旋回羽により実現した。ストレートノズル16
の場合、パウダー粒子14は吐出反転流10のみならず
EMS旋回流12によってさらに強く巻き込まれノズル
周りにパウダー懸濁層が形成される。このパウダー懸濁
層がノズル吐出孔付近にまで達すると吐出噴流の強い下
降流11に取り込まれ鋳片内部の深い位置までパウダー
が侵入する様子が観察される。一旦侵入したパウダー粒
子14は内部の深い位置でゆっくりと旋回し始め、なか
なか浮上してこない状態となる。これが実機で発生して
いるパウダー起因の欠陥発生メカニズムである。次にテ
ーパーノズル17の場合は、同じようにEMS旋回流1
2を与えたにもかかわらずパウダー懸濁層は深くならず
メニスカス近傍に留まっており、吐出孔付近に漂うパウ
ダーは皆無であった。この現象を定量化するために図7
と図8でノズル近傍の下降流11と旋回流12を計測し
た。その結果、図7で示した下降流速はテーパー付与に
より特に吐出孔部位の流速が大きく抑えられることか
ら、パウダー粒子が吐出流に取り込まれる危険性を大き
く回避できている理由の一つになっていると解釈でき
る。
より大きくなっており、前記下降流の減少分が旋回流に
転換されたことが想像でき、この旋回流速の向上は凝固
組織の等軸晶化促進効果があるので偏析の改善が期待で
き、高級鋼製造の重要なポイントである。一方、図9は
浸漬ノズル深さ(Lo)を変更した際のパウダー巻込み
を調査したものであり、浸漬深さが50mm以上にしな
いと湯面変動に伴う巻込みが破廉恥な状況となることを
示している。図10は浸漬ノズルの吐出孔から電磁攪拌
の鉄心上端位置までの距離(L1)に対するメニスカス
部位での溶鋼流速(Vp)との関係を示したものであ
り、L1が小さくなるとVpが大きくなり、電磁攪拌の
効果が大きくなるが、L1が負の領域になると、つまり
浸漬ノズルの吐出孔位置が電磁攪拌鉄心上端位置より深
くなるとVpが急激に低下し、電磁攪拌の効果が目減り
することから、前記テーパー付浸漬ノズルの設置位置に
は最適範囲がある。
程度の小断面鋳片で高級鋼を造り込むことに対して、品
質管理上充分なEMS旋回流を付与しながらパウダー巻
き込みを回避できることと、パウダー巻き込み抑制のた
めに鋳造速度を下げて生産性を犠牲にすることなく、清
浄性の高い高級鋼を鋳造できるものである。
断側面図である。
る縦断側面図である。
断側面図である。
範囲を示す図である。
範囲を示す図である。
場合の鋳型内溶鋼流動挙動を示したものである。
を示す図である。
を示したものである。
ー巻込み状況を示す図である。
位置までの距離(L1)に対するメニスカス部位での溶
鋼流速(Vp)との関係を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 鋳型内電磁攪拌を行い、且つ、浸漬ノズ
ルを使用し、パウダー鋳造する1辺が200mm以下の小
断面鋳片を鋳造する連続鋳造方法において、前記浸漬ノ
ズルの形状が、内腔が下端の吐出孔に向かってテーパ状
に広がり、そのテーパ角度θが3°≦θ≦10°で、且
つ、テーパ部の長さLがL≧50mmであることを特徴と
する連続鋳造方法。 - 【請求項2】 前記浸漬ノズルの出口位置がメニスカス
から50mm以上深く、かつ前記電磁攪拌の鉄心上端よ
り上となるように設置したことを特徴とする請求項1記
載の連続鋳造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001142317A JP2002336943A (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001142317A JP2002336943A (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 連続鋳造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002336943A true JP2002336943A (ja) | 2002-11-26 |
Family
ID=18988638
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001142317A Pending JP2002336943A (ja) | 2001-05-11 | 2001-05-11 | 連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002336943A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006010231A1 (en) * | 2004-07-29 | 2006-02-02 | Vesuvius Crucible Company | Submerged entry nozzle |
CN113000831A (zh) * | 2021-02-23 | 2021-06-22 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种带喇叭形出口的浸入式水口及其使用方法 |
CN114029463A (zh) * | 2021-11-25 | 2022-02-11 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种解决特殊钢大圆坯偏析的方法 |
-
2001
- 2001-05-11 JP JP2001142317A patent/JP2002336943A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006010231A1 (en) * | 2004-07-29 | 2006-02-02 | Vesuvius Crucible Company | Submerged entry nozzle |
CN113000831A (zh) * | 2021-02-23 | 2021-06-22 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种带喇叭形出口的浸入式水口及其使用方法 |
CN113000831B (zh) * | 2021-02-23 | 2022-04-29 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 一种带喇叭形出口的浸入式水口及其使用方法 |
CN114029463A (zh) * | 2021-11-25 | 2022-02-11 | 山东钢铁股份有限公司 | 一种解决特殊钢大圆坯偏析的方法 |
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