JP2002336374A - 下肢機能訓練装置およびそれに使用する吊り上げ具 - Google Patents

下肢機能訓練装置およびそれに使用する吊り上げ具

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JP2002336374A
JP2002336374A JP2002069651A JP2002069651A JP2002336374A JP 2002336374 A JP2002336374 A JP 2002336374A JP 2002069651 A JP2002069651 A JP 2002069651A JP 2002069651 A JP2002069651 A JP 2002069651A JP 2002336374 A JP2002336374 A JP 2002336374A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リハビリテーションに伴う肉体的、精神的な苦
痛の軽減に重点をおき、患者ができるだけ遊び感覚で自
発的に訓練できる実用性の高い下肢機能訓練装置を提供
する。 【解決手段】支持体と、その支持体に左右端が上下揺動
可能となるよう軸支された上部アーム部材7と、前記上
部アーム部材の先端に水平に且つ回転自在に設けた回転
体8と、前記回転体の回転を制御するトルク制御手段9
と、前記上部アーム部材の下方に配置され、かつ、前記
支持体に独立して上下揺動自在に軸支された下部アーム
部材10と、前記下部アーム部材を上下に揺動する揺動
手段13、14と、前記上部アーム部材と下部アーム部
材との間に配置された弾性手段とから構成され、前記下
部アーム部材を上下に揺動することにより前記弾性手段
12を介して前記回転体に左右端の自在な上下揺動運動
を生じさせるようにしたことを特徴とする下肢機能訓練
装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加齢、病気などで
衰えた身体機能とくに下肢機能訓練装置に関するもので
あり、さらに詳細にはリハビリテーションに伴う肉体
的、精神的な苦痛の軽減に重点をおき、患者ができるだ
け遊び感覚で自発的に訓練できる実用性の高い下肢機能
訓練装置およびそれに使用する吊り上げ具に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】わが国は、世界でもっと速く超高齢化社
会に突入するため、政府はハイテクを積極的に発展、活
用することで高度医療福祉社会を実現しようとしてい
る。例えば、加齢、病気などで衰えた身体機能の回復を
支援する機能回復訓練ロボットの研究は、リハビリテー
ションを支援することで自立を促し、医療費や寝たきり
老人を増やさない方策の一つとして期待される。歩行訓
練機等はすでに市販されており、一部の病院でのリハビ
リテーションに実験的に利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一般にそ
れらは患者を単調な動きをする機械の上で訓練させるタ
イプが主流であり、患者は苦痛に耐えながら訓練しなけ
ればならない。バーチャルリアリティを併用して訓練の
単調さを紛らす方法も提案されているが、それらは一般
に高価であり、最終的には医療費の増大や、訓練機の普
及の妨げになる。また、被験者がソフトに慣れること
で、急激に興味を失うことは知られており、複雑な人間
の感性を満足させることのできる高度なソフトの開発は
容易でない。
【0004】類似の装置として、乗馬シミュレータがあ
り、馬の背中に似せた心地よい揺動が高齢者に大きな精
神的充足感を与え、肉体の訓練にも良好とされている。
しかしながら、乗馬シミュレータでは被験者は単に鞍に
跨がった状態であり、主に腹筋や背筋など、上体の訓練
装置と考えられる。機械は馬の背中に似せた運動を一方
的にするだけであり、被験者の応答に従ってその運動パ
ターンを変化することはない。そのため運動パターンに
慣れると面白みがなくなり、興味を持続させるために風
景ビデオのようなバーチャルリアリティ的要素を付加し
たものが要求されるが、コスト高になってしまう。ま
た、これまでに開発された下肢機能回復訓練を目的とし
たりリハビリテーション支援器では、被験者の足への負
担を軽減するため、吊り上げ具等を必要とするが、従来
の吊り上げ具では、被験者は吊り上げられた際に耐えが
たい苦痛を感じることになる。
【0005】そこで、本発明は、リハビリテーションに
伴う肉体的、精神的な苦痛の軽減に重点を置き、患者が
できるだけ遊びの感覚で自発的に訓練できる実用価値の
高い下肢機能訓練装置および吊り上げ具を提供すること
により、上記問題点を解決することを目的とする。本発
明は、水面に浮かべた状態の丸太を模倣したローラに被
験者が乗り、それから落ちないようにバランスをとりな
がら足や体を動かすことで下肢機能訓練を行う機械であ
り、被験者は体重の一部を上から吊り上げる特殊装具を
身につけた状態で訓練をするため、転倒や落下の心配な
く安全に訓練することが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用
した課題解決手段は、支持体と、その支持体に左右端が
上下揺動可能となるよう軸支された上部アーム部材と、
前記上部アーム部材の先端に水平に且つ回転自在に設け
た回転体と、前記回転体の回転を制御するトルク制御手
段と、前記上部アーム部材の下方に配置され、かつ、前
記支持体に独立して上下揺動自在に軸支された下部アー
ム部材と、前記下部アーム部材を上下に揺動する揺動手
段と、前記上部アーム部材と下部アーム部材との間に配
置された弾性手段とから構成され、前記下部アーム部材
を上下に揺動することにより前記弾性手段を介して前記
回転体に左右端の上下揺動運動を生じさせるようにした
ことを特徴とする下肢機能訓練装置である。また、支持
体と、その支持体に左右端が上下揺動可能となるよう軸
支された二股状からなる上部アーム部材と、前記二股先
端の間に水平に且つ回転自在に設けた回転体と、前記回
転体の回転を制御するトルク制御手段と、前記二股状の
上部アーム部材のそれぞれ下方に配置され、かつ、前記
支持体に独立して上下揺動自在に軸支された下部アーム
部材と、前記下部アーム部材を上下に揺動する揺動手段
と、前記二股状アーム部材と下部アーム部材との間に配
置された弾性手段とからなることを特徴とする下肢機能
訓練装置である。また、前記回転体の回転を制御するト
ルク制御手段はブレーキであることを特徴とする下肢機
能訓練装置である。また、前記ブレーキは、ER流体ブ
レーキ、電磁ブレーキ、サーボブレーキの何れかのブレ
ーキから構成されていることを特徴とする下肢機能訓練
装置である。また、前記揺動手段は、モータとネジから
なるパワーシリンダであることを特徴とする下肢機能訓
練装置である。また、前記回転体は、被験者の運動能力
に合わせて丸太の回転速度が制御され、さらに前記揺動
手段によって回転体に上下揺動運動を与えることができ
るように構成されていることを特徴とする下肢機能訓練
装置である。また、前記いずれかに記載の下肢機能訓練
装置であって、同下肢機能訓練装置の回転体の上方に被
訓練者を支持する吊り上げ具を設けたことを特徴とする
下肢機能訓練装置である。また、被訓練者の胴部を保持
する帯体と、前記帯体に設けた吊り上げ部と、前記帯体
に設けたスリングと、前記スリングの端部に設けた前部
フレームと、前記帯体に設けた後部フレームと、前記各
フレーム端を連結する連結手段と、前記前部フレームお
よび帯体の吊り上げ部を吊り上げる吊り上げワイヤまた
はロープとを備えていることを特徴とする吊り上げ具で
ある。また、被訓練者の胴部を保持する帯体と、前記帯
体に設けた吊り上げ部と、前記帯体に設けたスリング
と、前記スリングに設けた体重の一部を支持するための
支持部材と、前記スリングの端部に設けた前部フレーム
と、前記帯体に設けた後部フレームと、前記各フレーム
端を連結する連結手段と、前記前部フレームおよび帯体
の吊り上げ部を吊り上げる吊り上げワイヤあるいはロー
プとを備えていることを特徴とする吊り上げ具である。
また、前記スリングの端部および帯体の表面背部には、
前部フレームと、後部フレームとを挿通することができ
るループ部が形成されていることを特徴とする吊り上げ
具である。また、前記スリング部には緩衝部材を設けた
ことを特徴とする吊り上げ具である。
【0007】
【実施の形態】以下図面を参照して本発明に係わる実施
形態の説明をすると、図1は下肢機能訓練装置の斜視
図、図2は同訓練装置に使用する吊り上げ具の斜視図、
図3は吊り上げ具の表面展開図、図4は同吊り上げ具の
裏面展開図である。
【0008】図1において、台1上には一対の支持体
(以下アーム保持部材という)2、2が立設されてお
り、この保持アーム部材2、2には第1シャフト3の端
部が軸受4によって回転自在に支持されている。第1シ
ャフト3の中央部には軸受部材5が固定されており、こ
の軸受部材5に第1シャフト3に直交する状態に配置さ
れた第2シャフト(不図示)が軸受6によって回転自在
に軸支されている。また、第2シャフトには先端側が二
股状に分岐している上部アーム部材7が固定されてい
る。このため、上部アーム部材7は軸受6によって軸支
されている第2シャフトを中心に被訓練者に対して左右
端が上下方向に揺動自在に構成されており、また、上部
アーム部材7は第2シャフトと共に、アーム保持部材
2、2に軸支4されている第1シャフト3回りに上下に
揺動できる構成となっている。
【0009】上部アーム部材7の二股状分岐先端には丸
太を模した回転体(ローラ)8が軸受によって回転自在
に軸支されており、ローラ8の軸にはローラの回転を制
御するためのトルク制御手段(ブレーキトルク発生装
置)9が取付けられている。ローラ8は断面円形のもの
に限らず、多角形、異形断面のものでもよい。さらには
回転体の表面に足裏を刺激する凹凸を形成することもで
きる。
【0010】トルク制御手段としてのブレーキトルク発
生装置9はローラの回転に必要なトルクを制御するもの
であり、ブレーキトルク発生装置9は電磁ブレーキやサ
ーボモータ、あるいはER流体ブレーキ等のいずれでも
よいが、本装置では安全性を考慮して電磁ブレーキを利
用している。なお、必要に応じて手動操作によってトル
クを制御することができるブレーキトルク発生装置を使
用することも可能である。
【0011】前記各アーム保持部材2、2の前記第1シ
ャフト3の軸受4よりも下方側には下部アーム部材1
0、10が軸11によって独立して揺動可能に取付けら
れており、この下部アーム部材10、10の先端部と前
記二股状の上部アーム部材7の先端部との間には弾性手
段(たとえばスプリング)12が配置されている。な
お、必要に応じてこのスプリング12と並列にダッシュ
ポットを配置することもできる。前記下部アーム部材1
0、10の後端部には、下部アーム部材の上下揺動手段
が連結されている。この上下揺動手段は台1上に設置さ
れており、ピストン13、13が上下運動するアクチュ
エータ14、14によって構成され、ピストン13、1
3を上下運動すると下部アーム部材10、10が軸1
1、11を中心に揺動する。
【0012】前記アクチュエータ14は油圧シリンダ、
空気圧シリンダ、パワーシリンダ、電動モータ等種々の
形態のものを利用することもできるが、本例ではモータ
とネジによる推進を利用したパワーシリンダを利用して
いる。またスプリング12と上部アーム部材7、下部ア
ーム部材10の結合には無理な力が加わらないようにボ
ールジョイントもしくは弾性体を利用しており、またピ
ストン13の両端はピン接合を使用している。 前記ア
クチュエータ14、ブレーキトルク発生装置9は図示せ
ぬ制御機器(コンピュータ等)に接続され制御される。
【0013】前記ローラ8の上方には被訓練者Mを吊り
上げるための吊り上げ具が配置されている。現在市販さ
れている吊り上げタイプの歩行訓練機では、苦痛を伴わ
ずに如何に体を吊り上げるかは最も難しい問題である。
パラシュートに使われる装具の流用ではうまくいかな
い。このようなことから本吊り上げ具では帯体にジーン
ズ生地を使用し、ジャケットのように簡単に着ることが
できる構成となっている。
【0014】吊り上げ具15は、図2〜図4に示すよう
に被訓練者の胴部を保持する帯体16と、前記帯体16
の表側背面上部に設けた吊り上げ部17、17と、前記
帯体16に設けたスリング18と、スリング18に設け
た臀部を支持するための支持部材(支持板)18cと、
またスリング18の端部に形成したループ部18aと、
前記ループ部18aに着脱自在に挿通することができる
前部フレーム19と、前記帯体16の表側背部に形成し
たループ部16aと、前記ループ部16aに挿通するこ
とができる後部フレーム20と、前記各フレーム19、
20の端部を連結する連結手段(本例では連結フレー
ム)21、21とを備えており、前記前部フレーム19
および帯体16の吊り上げ部17、17には吊り上げワ
イヤ23が接続できるようになっている。なお、前記吊
り上げ部17は帯体の図示した位置に限らず、安定して
被訓練者を吊り上げることができる位置であれば帯体の
何処に設けてもよく、また吊り上げ部17は帯体16の
表側に取り付けることで、吊り上げ部17の取り付け部
が被訓練者に当たらぬようにしている。また、前記臀部
支持部材(支持板)18cは必要に応じて省略すること
も可能である。前部フレーム19、後部フレーム20、
連結フレーム21は図1に示すように剛性のある棒状体
で形成され、これらフレームを連結することによって剛
性のある四角形を形成し、この四角形の中で被訓練者が
帯体16によって保持される。なおフレームの形状とし
ては、パイプ部材を使用して図5に示すように前後のフ
レームをU字型に折り曲げ、これらのフレーム19、2
0のうち、一方のフレームの端部を他方のフレームの端
部内に挿入する等の適宜連結手段によって被訓練者を囲
むフレームを構成することも可能である。図5に示すフ
レームは前述した4角形を形成するために必要であった
連結フレーム21が不要となり部品点数を減らすことが
できる。また、前記帯体16は例えばジーンズ生地等を
使用し、マジックテープ(登録商標)22等を使用して
被訓練者の前で胴部のみを確実に固定できるように構成
されているが、マジックテープに代えてボタン、ベルト
等を使用することも可能である。
【0015】前記前部レーム19、後部フレーム20、
連結フレーム21は吊り上げ具を吊り上げる際に、股間
部に通したスリング18が股間部を締めつけるのを防ぐ
役割をしている。これらフレーム19、20、21がな
ければ陰部が締めつけられて苦痛を感じる。即ち、吊り
上げ具を装着した被訓練者をワイヤ23で吊り上げる時
に、もし連結フレーム21がない場合には、前部フレー
ム19は吊り上げ荷重で内側に移動しようとするが、連
結フレーム21を設けることにより、その力を連結フレ
ーム21を介して後部フレーム20に伝達し、さらに後
部フレーム20から帯体16のループ部16aを介し
て、帯体16にその力を伝達することができるため、ス
リング18による陰部の締めつけがなくなり痛みが解消
する。このようにフレーム19、20、21を設け、前
後のフレームを一体化することで、吊り上げ時、力を分
散でき被訓練者の苦痛を解消することができる。なお、
図5に示したフレームでも同様の効果を達成することが
できることは当然である。股間部に通すスリング18は
一枚の布を丸めて袋状に形成し、その付け根は尻部を保
持するために面積を大きくして図3示すように帯体16
に傾斜して取付られ固定される。さらに、スリング18
の表面に位置した布の合わせ部分にはファスナ18bを
取付け、ファスナ18bで開閉できる構成となってい
る。スリング18をこのように形成することで、被訓練
者に当たる部分に縫い目が無くなり、また、ファスナ1
8bも表側に配置したことで被訓練者に当たることがな
くなり、着用時に縫い目やファスナによって被訓練者に
痛みを与えることがなくなる。スリング18にはファス
ナ18bを開けて内部に商品名でラミキャップと呼ばれ
る独立した多数のセルに空気を密封した緩衝材が詰めて
ある。この緩衝材により股間部で体重を受けても、苦痛
がなくなる。この緩衝材はスポンジに似たクッション材
や、枕等に使われる短く切ったパイプ、蕎麦殼などを利
用することができるが、ラミキャップの空気セルは大き
いもの(直径20mm程度)が良く、価格も安い。ラミ
キャップはセルが破れても簡単に交換でき、緩衝材を抜
いた状態では具の洗濯もできる。また、股間部に通すス
リング18に設けた前記臀部支持部材18cは、体重の
一部を臀部にある痛みに鈍感な部位で支持するためのも
のであり、その形状は自由に設計することができる。臀
部支持部材18cと股間部にあてるスリング18の両方
で体重を分担して受けるため、吊り上げ時の痛みをほと
んどなくすことができる。前記臀部支持部材18cは必
要に応じて省略することができる。また、この吊り上げ
具には必要に応じて図示せぬ荷重計をつけることができ
る。
【0016】上記下肢機能訓練装置の作動を説明する。
本下肢機能訓練装置では図1に示すように、被訓練者は
丸太を模したローラ8の上で、吊り上げ具15を付けた
状態で訓練を行う。ローラ8は上部アーム部材7の二股
分岐部で両端を支持され、上部アーム部材7の一端は軸
受6と軸受4で支えられているため上部アーム7は軸受
4を中心に回転することで、ローラ8を上下運動させる
ことができる。一方軸受6を中心に上部アーム部材7が
回転すれば、ローラ8の両端を上下互いに逆方向に振ら
せることができる。下部アーム部材の端部に設けたピス
トン13を上下作動するアクチュエータ14、14を同
期させて動かした場合、ローラ8は単純な上下運動を行
い、二つのアクチュエータ14、14の位相をずらして
動かすことで、ローラ8の両端は振れながら上下運動を
行う。また、スプリング12はローラ8が水面に浮かん
だ状態を再現するための機能を果している。
【0017】そして二つのアクチュエータ14、14を
適宜のソフトウエアによって振幅、速度、位相を制御す
ることで、波間に漂う丸太の動きがシミュレートでき
る。こうして被訓練者Mはローラ8に吊り上げ具15を
付けた状態で立つことになり、三次元運動を行う丸太の
上で丸太を回転させることで、下肢機能および全身を使
ったバランス訓練と歩行訓練を同時に行うことができ
る。さらに、荷重計を備えた下肢訓練装置の場合には、
この荷重計により、吊り上げ具に加わる負荷を評価する
ことで、訓練の進み具合をモニターし、表示することに
よって被験者の訓練に対する意欲を駆り立てるバイオフ
ィードバックへの利用が可能となる。
【0018】以上のように本発明の下肢機能訓練装置
は、あくまでも被訓練者が自分の力でローラ(丸太)を
回転させる装置であるため、丸太の運動は被験者の運動
状態によって自由に変化する。この点が乗馬シミュレー
タとは決定的に異なる。また丸太の形状の為に足裏(特
に土踏まず)を常に刺激するので健康にも良いと考えら
れる。丸太乗りシミュレータは、動的バランス訓練機と
して乗馬シミュレータよりはるかに高度なレベルの訓練
までできるので、その応用範囲は広い。
【0019】丸太の回転は電磁ブレーキを利用してトル
ク制御する設計となっているため、自由回転状態から、
全く回転しない状態まで無段階に調整できる。丸太のブ
レーキトルクの制御はサーボモータや電磁ブレーキを利
用しても可能であるが、誤動作した場合サーボモータは
危険である。一方ER流体や電磁ブレーキではブレーキ
トルクの発生のみで、回転トルクは発生しないため安全
である。
【0020】訓練では、丸太は被訓練者の与えるトルク
のみで回転する。丸太が回転すれば被訓練者がバランス
を失い、失いかけたバランスを保つための運動をする。
これらの運動は全て被訓練者自体の体位から自然発生す
るため運動は能動的となる。一方丸太には波間に漂う感
覚に似せた三次元的ゆらぎをパワーシリンダを利用した
アクチュエータとスプリングで与えるため、被訓練者は
それらの動きに対応したバランスが要求され、遊びなが
ら運動できる。それら一連の運動は被訓練者自身の応答
により無限に変化することが本訓練機の最大の特徴であ
り、従来技術に見られない新規性や進歩性でもある。通
常の運動機能訓練装置のようにバーチャルリアリティな
どの映像ソフトや映像装置等は一切不要であるため、被
訓練者がソフトになれて興味を失うことはない。逆にう
まく丸太に乗れるようになれば訓練の必要は無いことに
なる。本装置ではバランス訓練を目的とした健常者から
歩行訓練を目的とした障害者に到るまで、制御ソフトを
かえるだけで簡単に対応できるユニバーサルデザインの
一つである。
【0021】以上、本発明に係る下肢機能訓練装置につ
いて説明してきたが、上部アーム部材、下部アーム部材
の形状、ローラの支持など実施形態に限定したものに限
らず、同様の機能を達成できるものであれば、他の構成
のものを使用することができる。また、吊り上げ具に使
用するフレームは金属や樹脂等からなるパイプ材、棒状
材等によって形成することができ、帯体も同様の機能を
達成できる種々の材料を使用し、それらの形状も適宜変
更することも可能である。さらに、アクチュエータ、ブ
レーキトルク発生装置の作動等については、コンピュー
タ等と連係することで、ソフトウエアを変更するだけで
種々の作動状態を実現することができる。また、ブレー
キトルク制御等は手動によって調整できるようにするこ
とも可能である。また、吊り上げワイヤに代えてロー
プ、帯など同様の機能を達成できる部材を使用すること
ができる。また、本発明はその精神または主要な特徴か
ら逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。
そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に
すぎず限定的に解釈してはならない。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、波間に浮かぶ丸太を模したローラ上でバランスをと
りながら歩行運動を行うため、訓練は非常に難しく思え
るが、実際には被訓練者はトルク制御した丸太の上で吊
り上げ具を付けて訓練するため、単に立っているだけの
状態から乗るのが難しい波の高い状態までを簡単に、か
つ、安全に経験できる。また、この下肢機能訓練装置を
リハビリテーションを必要とする患者が使用した場合に
は、訓練には必然的にバランス感覚が強く要求されるた
め、下肢機能の訓練のみならず脳まで含めた体全体の活
性化が期待できる。また、小学生などでも飽食と運動不
足からくる体力低下が強く指摘されているが、これらに
対しても本装置はソフトウエアを健常者むけに変更する
だけで、バランス訓練機として十分な活用が期待でき
る。室内に閉じ込もりがちなコンピュータゲームと違い
実際に体を使って楽しむことができるため、健全なアミ
ューズメントパークや体育の授業でも使われる体育遊具
としての利用も考えられる、等の優れた効果を奏するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る下肢訓練装置の斜視図であ
る。
【図2】同吊り上げ具の斜視図である。
【図3】同吊り上げ具の表面からみた展開図である。
【図4】同吊り上げ具の裏面からみた展開図である。
【図5】同吊り上げ具に使用する他の形状をしたフレー
ムの斜視図である。
【符号の説明】
1 台 2 アーム保持部材 3 第1シャフト 4 軸受 5 軸受部材 6 軸受 7 上部アーム部材 8 ローラ 9 ブレーキトルク発生装置 10 下部アーム部材 11 軸 12 弾性体 13 ピストン 14 アクチュエータ 15 吊り上げ具 16 帯体 16a ループ部 17 吊り上げ部 18 スリング 18a ループ部 18b ファスナ 18c (臀部)支持部材 19 前部フレーム 20 後部フレーム 21 連結フレーム 22 マジックテープ(登録商標) 23 ワイヤまたはロープ M 被訓練者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮川 浩臣 大分県別府市野口元町5−4

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、その支持体に左右端が上下揺動
    可能となるよう軸支された上部アーム部材と、前記上部
    アーム部材の先端に水平に且つ回転自在に設けた回転体
    と、前記回転体の回転を制御するトルク制御手段と、前
    記上部アーム部材の下方に配置され、かつ、前記支持体
    に独立して上下揺動自在に軸支された下部アーム部材
    と、前記下部アーム部材を上下に揺動する揺動手段と、
    前記上部アーム部材と下部アーム部材との間に配置され
    た弾性手段とから構成され、前記下部アーム部材を上下
    に揺動することにより前記弾性手段を介して前記回転体
    に左右端の上下揺動運動を生じさせるようにしたことを
    特徴とする下肢機能訓練装置。
  2. 【請求項2】支持体と、その支持体に左右端が上下揺動
    可能となるよう軸支された二股状からなる上部アーム部
    材と、前記二股先端の間に水平に且つ回転自在に設けた
    回転体と、前記回転体の回転を制御するトルク制御手段
    と、前記二股状の上部アーム部材のそれぞれ下方に配置
    され、かつ、前記支持体に独立して上下揺動自在に軸支
    された下部アーム部材と、前記下部アーム部材を上下に
    揺動する揺動手段と、前記二股状アーム部材と下部アー
    ム部材との間に配置された弾性手段とからなることを特
    徴とする下肢機能訓練装置。
  3. 【請求項3】前記回転体の回転を制御するトルク制御手
    段はブレーキであることを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の下肢機能訓練装置。
  4. 【請求項4】前記ブレーキは、ER流体ブレーキ、電磁
    ブレーキ、サーボブレーキの何れかのブレーキから構成
    されていることを特徴とする請求項3に記載の下肢機能
    訓練装置。
  5. 【請求項5】前記揺動手段は、モータとネジからなるパ
    ワーシリンダであることを特徴とする請求項1〜請求項
    4のいずれかに記載の下肢機能訓練装置。
  6. 【請求項6】前記回転体は、被験者の運動能力に合わせ
    て丸太の回転速度が制御され、さらに前記揺動手段によ
    って回転体に上下揺動運動を与えることができるように
    構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5の
    いずれかに記載の下肢機能訓練装置。
  7. 【請求項7】前記請求項1〜請求項6のいずれかに記載
    の下肢機能訓練装置であって、同下肢機能訓練装置の回
    転体の上方に被訓練者を支持する吊り上げ具を設けたこ
    とを特徴とする下肢機能訓練装置。
  8. 【請求項8】被訓練者の胴部を保持する帯体と、前記帯
    体に設けた吊り上げ部と、前記帯体に設けたスリング
    と、前記スリングの端部に設けた前部フレームと、前記
    帯体に設けた後部フレームと、前記各フレーム端を連結
    する連結手段と、前記前部フレームおよび帯体の吊り上
    げ部を吊り上げる吊り上げワイヤまたはロープとを備え
    ていることを特徴とする吊り上げ具。
  9. 【請求項9】被訓練者の胴部を保持する帯体と、前記帯
    体に設けた吊り上げ部と、前記帯体に設けたスリング
    と、前記スリングに設けた体重の一部を支持するための
    支持部材と、前記スリングの端部に設けた前部フレーム
    と、前記帯体に設けた後部フレームと、前記各フレーム
    端を連結する連結手段と、前記前部フレームおよび帯体
    の吊り上げ部を吊り上げる吊り上げワイヤあるいはロー
    プとを備えていることを特徴とする吊り上げ具。
  10. 【請求項10】前記スリングの端部および帯体の表面背
    部には、前部フレームと、後部フレームとを挿通するこ
    とができるループ部が形成されていることを特徴とする
    請求項8又は請求項9に記載の吊り上げ具。
  11. 【請求項11】前記スリング部には緩衝部材を設けたこ
    とを特徴とする請求項8〜請求項10のいずれかに記載
    の吊り上げ具。
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