JP2002335756A - 植物の栽培基盤 - Google Patents

植物の栽培基盤

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JP2002335756A
JP2002335756A JP2001148045A JP2001148045A JP2002335756A JP 2002335756 A JP2002335756 A JP 2002335756A JP 2001148045 A JP2001148045 A JP 2001148045A JP 2001148045 A JP2001148045 A JP 2001148045A JP 2002335756 A JP2002335756 A JP 2002335756A
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superabsorbent polymer
water
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mixture
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JP2001148045A
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English (en)
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Mamoru Sakuma
護 佐久間
Takashi Miwa
三輪  隆
Koichi Inoue
幸一 井上
Shinichiro Ando
慎一郎 安藤
Takaya Higashimoto
享也 東本
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ASAHI KOSAN KK
KYOWA TOTAL WORKS KK
Asahi Kasei Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
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ASAHI KOSAN KK
KYOWA TOTAL WORKS KK
Asahi Kasei Corp
Takenaka Komuten Co Ltd
Takenaka Doboku Co Ltd
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Publication date
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    • Y02B80/32Roof garden systems

Landscapes

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  • Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
  • Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 勾配を有する場所に配置した場合でも、栽培
基盤の全面に渡り水分を安定して供給し、栽培基盤の全
面で植物を同時に早期に育成繁茂させ得る植物の栽培基
盤を提供する。 【解決手段】 植物の種苗20と高吸水性ポリマ22等
の保水材とを混合したものを、栽培基盤18、24の全
表面に固定することができるから、栽培基盤18、24
を垂直な壁面等の勾配を有する場所に配置し、高吸水性
ポリマ22等の保水材で植物の種苗20を固定すると共
に、高吸水性ポリマ22等の保水材で植物の種苗20に
水分を安定して供給して、全面で植物20を同時に生育
させ、短時間の内に全面に渡って植物を隙間なく早期に
育成繁茂させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建造物の壁面や
屋根といった勾配を有する部分又は水平面の部分等に設
置可能な植物の栽培基盤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に植物の栽培は、農業用土壌又は園
芸用土壌に、植物を植え付けて生育させることにより行
われるのが普通である。
【0003】また、植物の栽培に当たっては、土壌の条
件が重要であり、例えば、保水性、通気性等に優れるこ
と、根の伸長抵抗が少ないこと、適度の養分を含有する
こと、及び植物の支承性、保持性が良好であること等の
条件が要求される。
【0004】このため、農業用土壌又は園芸用土壌に
は、赤土、黒土、鹿沼土、腐葉土等の土類、桐生砂、軽
石、富士砂等の砂類等の天然用土や、雲母系の原鉱石を
焼成、膨脹させたバーミキュライト、パーライト等の人
工用土を配合することにより土壌改良を行った土壌が用
いられている。
【0005】また、農業用土壌又は園芸用土壌は、植木
鉢や栽培用ブロック等に詰められた状態で植物の栽培に
利用される。
【0006】さらに、植木鉢や栽培用ブロック等に詰め
た農業用土壌又は園芸用土壌に植物を植え付けて栽培す
る場合には、植木鉢や栽培用ブロック等を略水平の場所
に置いて土壌の全面に渡り水分を安定して供給し、植木
鉢や栽培用ブロック等に詰めた土壌の全面で植物の生育
にバラツキが起こらないようにして使用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近年、都市建築物に対
しては、その外壁面、屋上、屋根等を緑化し、その美観
を向上し、都市のヒートアイランド化を防止し、建物の
省エネルギー化を促進するという要望や、道路の遮音壁
を緑化して炭酸ガスの固定や窒素酸化物及び硫黄酸化物
の固定浄化を促進するという要望がある。
【0008】そこで、建築物壁面や道路遮音壁等の勾配
を有する場所では、そこで植物を栽培するために、そこ
に農業用土壌又は園芸用土壌を詰めた栽培用ブロック等
を配置し、この栽培用ブロック等に詰めた農業用土壌又
は園芸用土壌に植物を植え付けて栽培することが考えら
れる。
【0009】しかし、このような建築物壁面や道路遮音
壁等の勾配を有する場所に土壌を詰めた栽培用ブロック
等を配置して植物を栽培する場合には、栽培用ブロック
内の土壌への植物の付着育成繁茂は自然の成り行きに任
せられることになる。
【0010】このため、建築物壁面や道路遮音壁等の勾
配を有する場所に配置された栽培用ブロック等の内部で
は、勾配があるために土壌の全面に渡って水分を安定し
て供給することが難しく、土壌の表面における勾配の上
下方向で植物の生育に大きなバラツキが生じる。
【0011】さらに、土壌の表面に勾配がある場合に
は、植物が栽培用ブロック内の土壌へしっかりと根を下
ろすまでに植物が風で飛ばされたり降雨で洗い流された
りすることがあるため、成長の遅い植物を栽培用ブロッ
ク内の土壌における勾配がある表面全体に渡って隙間な
く育成繁茂させるまでに長時間を要するという問題があ
る。
【0012】また、建築物壁面や道路遮音壁等の勾配を
有する場所に配置された栽培用ブロック等では、その内
部に詰められた土壌が短期間(例えば栽培用ブロック等
が60度勾配以上に傾斜されて配置される場合では、半
年から1年、長くて2年の期間)の間に、栽培用ブロッ
ク等の内部から土壌が流亡し植物の生育が困難となる。
【0013】本発明は上記事実を考慮し、勾配を有する
場所に配置した場合でも、栽培基盤の全面に渡り水分を
安定して供給し、栽培基盤の全面で植物を同時に生育さ
せ、短時間の内に栽培基盤における表面全体に渡って植
物を隙間なく早期に育成繁茂させ得る植物の栽培基盤を
新たに提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の植物の栽培基盤は、垂直な壁面等の勾配を有する面を
構成すると共に、その表面に空隙部や多孔質体の孔等で
ある多数の小さな開口部分が形成された緑化用植栽基盤
材と、緑化用植栽基盤材の表面に均等に吹き付けて固着
された、高吸水性ポリマ等の保水材と、植物の種苗との
を混合したものと、を有することを特徴とする。
【0015】上述のように構成することにより、緑化用
植栽基盤材が垂直な壁面等の勾配を有する場所に配置さ
れても、この垂直又は傾斜する緑化用植栽基盤材上の全
面に渡り植物を高吸水性ポリマ等の保水材で固定すると
共に、植物に水分を安定して供給して、緑化用植栽基盤
材の全面で植物を同時に生育させ、短時間の内に緑化用
植栽基盤材における表面全体に渡って植物を隙間なく早
期に育成繁茂させることができる。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の植物の栽培基盤において、緑化用植栽基盤材の表面に
おける空隙部や多孔質体の孔等である多数の小さな開口
部分に、高吸水性ポリマ等の保水材とコケ類の子実体や
胞子体の混合物を目止めさせるように固着させたことを
特徴とする。
【0017】上述のように構成することにより請求項1
に記載の発明の作用及び効果に加えて、緑化用植栽基盤
材の表面における空隙部や多孔質体の孔等である多数の
小さな開口部分に、高吸水性ポリマ等の保水材が目止め
するように強固に固着し、さらに、この高吸水性ポリマ
等の保水材がコケ類の子実体や胞子体に固着して、コケ
類の子実体や胞子体を緑化用植栽基盤材の表面に強固に
固定できる。
【0018】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の植物の栽培基盤において、表面に、高吸
水性ポリマ等の保水材と植物の種苗とのを混合したもの
を密に吹き付けた緑化用植栽基盤材を、金網を張った枠
に固定して構成し、枠を利用して垂直な壁面等の勾配を
有する面に設置可能に構成したことを特徴とする。
【0019】上述のように構成することにより請求項1
又は請求項2に記載の発明の作用及び効果に加えて、建
造物の垂直又は傾斜する面上に緑化用植栽基盤材を配置
する際、建造物の垂直又は傾斜する面に枠を固定するこ
とにより、緑化用植栽基盤材を建造物の垂直又は傾斜す
る面に容易に配置して保持可能とする。
【0020】本発明の請求項4に記載の植物の栽培基盤
は、不織布と、三次元織物との間の面上に、植物の種苗
と高吸水性ポリマ等の保水材とを混合して配置し、不織
布と三次元織物とを一体に締結したものを具備すること
を特徴とする。
【0021】上述のように構成することにより、植物の
種苗と高吸水性ポリマ等の保水材とを混合したものを不
織布と三次元織物との間に挟み付けて保持すると共に、
植物を高吸水性ポリマ等の保水材で三次元織物に対して
固定することができるから、これを垂直な壁面等の勾配
を有する場所に配置し、風や雨が当たっても不織布と三
次元織物との間の面上で植物の種苗と高吸水性ポリマ等
の保水材とが移動したり剥落しないように保持できる。
また、不織布と三次元織物との間の面上の全面に渡り植
物に水分を安定して供給して、不織布と三次元織物との
間の面上の全面で植物を同時に生育させ、短時間の内に
不織布と三次元織物との間の面上の全体に渡って植物を
隙間なく早期に育成繁茂させることができる。
【0022】本発明の請求項5に記載の植物の栽培基盤
は、建造物に取り付け可能な構造体としての枠組みに金
網を張り渡して一体化したメッシュ筋と、メッシュ筋の
上に取付られる不織布と、不織布の面上に配置される植
物の種苗と高吸水性ポリマ等の保水材との混合物の層
と、植物の種苗と高吸水性ポリマ等の保水材との混合物
の層の面上に配置されると共に、不織布に一体的に締結
される三次元織物と、を具備することを特徴とする。
【0023】上述のように構成することにより、植物の
種苗と高吸水性ポリマ等の保水材とを混合したものを不
織布と三次元織物との間に挟み付けて保持すると共に、
植物を高吸水性ポリマ等の保水材で三次元織物に対して
固定することができるから、これを垂直な壁面等の勾配
を有する場所に配置し、風や雨が当たっても不織布と三
次元織物との間の面上で植物の種苗と高吸水性ポリマ等
の保水材とが移動したり剥落しないように保持できる。
さらに、不織布と三次元織物との間で植物に高吸水性ポ
リマ等の保水材から水分を供給して、植物の生育を可能
とする。また、建造物の垂直又は傾斜する面部に、メッ
シュ筋を利用して一体的に設置するよう施工することに
より、容易に配置して保持可能とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の植物の栽培基盤に
係わる実施の形態について図1及び図2によって説明す
る。図1の全体斜視図に示すように、本実施の形態に係
る植物の栽培基盤は、全体を一体化してパネル状の栽培
基盤本体10に構成する。
【0025】この栽培基盤本体10は、その裏面側に、
裏面支持用部材としてのアンカー用鉄筋12を、50m
m四方の矩形枠を構成するように組み、その50mm四
方の構造体としての矩形枠の全面にラス金網14を張り
渡して一体化することにより、メッシュ筋16を構成す
る。
【0026】このように栽培基盤本体10は、その裏面
部にメッシュ筋16を配置することにより、建築物を建
設するためコンクリートの打ち込み作業と同時に栽培基
盤本体10を設置する施工をすることができる。
【0027】また、栽培基盤本体10は、斜面上での固
定方法として、その裏面部のメッシュ筋16を建築物の
建設用コンクリートに打ち込んで一体化して設置すれ
ば、建築物の壁面から栽培基盤本体10が滑落しないよ
うに確実に施工できる。
【0028】このメッシュ筋16の上には、その上面全
体に渡って、緑化用植栽基盤材としての厚み10mmの
不織布18を配置する。この不織布18は、耐候性に優
れた材料を使用する。
【0029】この不織布18の材料として、例えば衣料
浅滓を用いることができる。不織布18用の耐候性に優
れた素材としては、麻、綿、絹(天然系)、ナイロン、
エステル、ポリプロピレン(人工系)等を使用すること
ができる。
【0030】この不織布18の上面部には、その全体に
渡って植物の種苗としての種ゴケ20(コケ類の子実体
や胞子体等)と高吸水性ポリマ22とを所要の混合比で
混合したものを薄い層状に均して配置する。なお、図2
に示す種ゴケ20と高吸水性ポリマ22とは、それぞれ
図示するための便宜上の形状であって、具体的には種々
の形態をとる。
【0031】また、種ゴケ20と高吸水性ポリマ22と
の混合物は、高吸水性ポリマ22が水を含んで30倍に
膨張する性質のものを使用し、高吸水性ポリマ22が水
を含んで30倍に膨張したときに、1重の層を成すよう
に相隣接して並ぶ状態に構成する。
【0032】ここで、栽培基盤本体10に種ゴケ20を
蒔くこととしたのは、スナゴケ、ハイゴケをはじめとす
る各種コケ類で建築物壁面を早期に緑化することで、建
築物壁面や道路遮音壁等の従来緑化が困難で在った場所
の緑化が容易となるためである。
【0033】すなわち、都市構造物における建築物壁面
や道路遮音壁等は、一般の植物の生育には不適な場所が
多い。ただし、コケ植物はこのような場所でこそ他の植
物との競争することなく生育でき、環境に適合して旺盛
に繁茂できるためである。
【0034】特に、種ゴケ20としては、スナゴケを利
用すると、次の理由から有利である。
【0035】第1に、スナゴケの生育は、仮根の上に積
み重なるように行われると共に、根が横方向にも伸びて
ネットワーク状に張り巡らされるので、相互に強く結束
して生育する。
【0036】第2に、スナゴケは、高い保水機能(約2
0倍)を有する。
【0037】第3に、スナゴケは、胞子を雨の日に飛ば
すため、花粉症を引き起こさない。
【0038】第4に、スナゴケは、・二酸化炭素(CO
2)の固定力がかなりあり、窒素酸化物及び硫黄酸化物
の固定浄化にも有効であるので、大気の浄化作用を期待
できる。
【0039】第5に、スナゴケは、必要に応じて水分を
吐き出す機能を有するため、砂漠や南極といった過酷な
環境に耐えて生き続けることができる。
【0040】第6に、スナゴケは、フライパンで煎って
も発芽能力が消えないほど生命力に富む。
【0041】第7に、スナゴケは、火山による裸地に始
めに生える植物である陽光苦(スナゴケ等)であり、次
にハイゴケ等が生えるという順序が自然界の節理として
厳しく決まっており、このことからもスナゴケの生命力
が強いことが伺える。
【0042】以上より、スナゴケは、都市構造物の屋上
やコンクリート壁面上に配置した栽培基盤本体10が最
適の生育環境となることが解かる。
【0043】また、種ゴケ20の生育に適した高吸水性
ポリマ22の薄い層について見ると、高吸水性ポリマ2
2は多すぎないことが望ましい。すなわち、高吸水性ポ
リマ22の層は、完全吸水(約30倍)したときに、こ
の不織布18の上面部の全面を覆う量を最大限度とす
る。
【0044】例えば、乾燥状態の高吸水性ポリマ22を
1m2の不織布18の上面に蒔くときには、乾燥状態の
高吸水性ポリマ22の占める面積が、不織布18の上面
における面積の1/10以下である0.1m2以下とす
る。なお、高吸水性ポリマ22の量が多すぎると、高吸
水性ポリマ22の上に種ゴケ20がくっついて成長し、
不織布18の上に生育しなくなることがある。
【0045】この種ゴケ20と高吸水性ポリマ22との
層の上には、三次元織物24を配置する。この三次元織
物24は、ポリプロピレン製の糸(耐候性に優れた糸材
料であれば、その他種々の糸材料を使用できる)を立体
的にランダムに絡ませる構造や立体的な網目構造等の種
々の構成をとり得る。
【0046】また、三次元織物24を構成するポリプロ
ピレン製の糸は、耐候性を備えるようにコーティング処
理を施すことが望ましい。
【0047】さらに、三次元織物24を構成する糸は、
コケが繁茂した際に目立たないようにするため、緑色に
着色しておく。
【0048】この三次元織物24の層の厚さは、5〜2
0mmとする。
【0049】また、三次元織物24は、コケが生育する
とき風で動かないようにし、かつ垂直面にしたときにコ
ケが落ちないようにする役割を果たすため、三次元織物
24の目合い(矩形網目の縦横の大きさ)を3mm×3
mm〜25mm×25mmとし、その厚みを3mm〜4
0mmとしたものを用いることができる。
【0050】本実施の形態では、三次元織物24の下部
目合い(三次元織物24の裏面における矩形網目の縦横
の大きさ)を3×6、上部目合い(三次元織物24の表
面における矩形網目の縦横の大きさ)を15×15、厚
みを15に構成したものを不織布に一体化させて用い
る。
【0051】前述のように構成した、不織布18と、種
ゴケ20及び高吸水性ポリマ22の混合物と、三次元織
物24とは、これら3者が一体に積層した状態で、図示
しない締結装置が締結用針部材を打ち込み塑性変形させ
て締結することによって相互に幅が縮むほど圧縮された
状態に縫合され一体化される。なお、不織布18と、種
ゴケ20及び高吸水性ポリマ22の混合物と、三次元織
物24とは、これら3者を、ミシンで相互に幅が縮むほ
ど圧縮された状態となるよう縦横に縫製して一体化して
も良い。
【0052】このように、種ゴケ20及び高吸水性ポリ
マ22の混合物とを、不織布18と三次元織物24との
間に挟んで、3者を一体に積層した構造にした場合は、
栽培基盤本体10を勾配が有る場所に配置したときで
も、栽培基盤本体10から土壌が流亡してコケの生育が
できなくなることを防止できる。また、不織布18に根
を張ったコケが三次元織物24側に生育するので、三次
元織物24が風除けや雨除けとなり、栽培基盤本体10
から抜け落ちないようにできる。
【0053】また、不織布18と三次元織物24との間
に、種ゴケ20と高吸水性ポリマ22とを混合して挟む
ことにより、栽培基盤本体10を勾配が有る場所に配置
した場合でも、栽培基盤本体10における上方部分又は
下方部分の何れでも、高吸水性ポリマ22で水分を十分
に供給してコケの早期育成に寄与できると共に、コケ本
体を高吸水性ポリマ22が三次元織物24に固定する作
用を奏する。
【0054】実際に栽培基盤本体10でスナゴケを栽培
したところ、高吸水性ポリマ22は水を含むと膨れ、乾
燥すると縮む。この高吸水性ポリマ22が乾燥して縮む
ときに、高吸水性ポリマ22は、これに接触しているス
ナゴケと三次元織物24とに固着して両者を硬く結び付
けて固定する。
【0055】これによりスナゴケ本体は、高吸水性ポリ
マ22によって三次元織物24に強固に固定される。ま
た、このように高吸水性ポリマ22に固定された状態と
なると、この高吸水性ポリマ22から水を容易に吸収出
来るようになり、水分を供給し易くなる。
【0056】三次元織物24の上には、構造体を構成す
るように50mm四方の矩形枠に組んだ表面支持用部材
としての鉄筋26を配置する。
【0057】また、栽培基盤本体10は、間に不織布1
8と種ゴケ20及び高吸水性ポリマ22の混合物と三次
元織物24との3者を一体化したものを挟んた状態で、
表面支持用部材としての鉄筋26と裏面支持用部材とし
ての鉄筋12とを所定間隔(ここでは、20mm)を開
けて、複数の支持柱部材28によって固着することによ
り、全体が一体のパネル状となるように構成する。
【0058】次に、上述のように構成された本実施の形
態に係る栽培基盤本体10の使用法及び作用について説
明する。
【0059】この栽培基盤本体10は、建築物壁面や道
路遮音壁等の勾配を有する場所、又は水平な場所に設置
して使用する。
【0060】この栽培基盤本体10は、野外に設置して
から1年間程度育成養生すると、スナゴケが自然に育成
して、図1に向かって左側部分に示すように、栽培基盤
本体10がスナゴケで密に覆われた状況にできる。
【0061】すなわち、建築物壁面や道路遮音壁等の勾
配を有する場所に設置した栽培基盤本体10の不織布1
8上に均等に種ゴケ20としてのコケ類の子実体や胞子
体を直蒔きし、風で種ゴケ20が飛ばされたり雨で流さ
れたりすることがないように三次元織物24で保護し、
かつ高吸水性ポリマ22で種ゴケ20を三次元織物24
に固定する。
【0062】また高吸水性ポリマ22によって種ゴケ2
0の生育に必要な水分補給を安定して適切に行うことに
よって種ゴケ20の伸長育成を早める。これによりコケ
で覆われた緑化基盤を早期に育成できる。
【0063】なお種ゴケ20としては、スナゴケ、ハイ
ゴケ(蘇類)が好ましいが、ウメノキゴケ、ツメゴケ、
モジゴケ、チズゴケ、サルオガセ、ハナゴケ等の地衣類
を利用しても良い。
【0064】次に、上述した本実施の形態に係る植物の
栽培基盤における他の構成について説明する。
【0065】この構成例では、図示しないが、垂直な壁
面等の勾配を有する面を構成する緑化用植栽基盤材(例
えば、骨材の表面を接着させて骨材間に連続する空隙部
を形成した硬化体であるポーラスコンクリートや火山性
多孔質材などの多孔質体上や不織布または砂質土壌等の
材料)の表面に、十分に水分を含ませた主として高吸水
性ポリマ等の保水材と、植物の種苗としてのコケ苗とを
一緒にして混合したものを、緑化用植栽基盤材の表面に
均等に吹き付けて固着させ、垂直な壁面等の勾配を有す
る面である緑化用植栽基盤材上に、コケ植物を高吸水性
ポリマ等の保水材で固定すると共に、コケ植物に水分を
供給して、コケ植物の生育を可能とする。
【0066】また、上述の緑化用植栽基盤材の表面にお
ける空隙部や多孔質体の孔等である多数の小さな開口部
分に、高吸水性ポリマ等の保水材とコケ類の子実体や胞
子体の混合物を目止めさせるように固着させても良い。
【0067】さらに、コケ類の子実体や胞子体を、吸水
性の物質(有機・無機の粉体や吸水性ポリマー等)によ
って固定し、かつこの吸水性の物質で水分供給をできる
ように、コケ類の子実体や胞子体と吸水性の物質とを混
合したものを多孔質の緑化用植栽基盤材の表面に密に吹
き付けたものを、金網で作った枠に固定して構成し、こ
の枠を利用して垂直な壁面等の勾配を有する面に設置可
能に構成しても良い。
【0068】
【発明の効果】本発明の植物の栽培基盤は、植物の種苗
と高吸水性ポリマ等の保水材とを混合したものを、その
表面に固定することができるから、これを垂直な壁面等
の勾配を有する場所に配置し、高吸水性ポリマ等の保水
材で植物の種苗を固定すると共に、高吸水性ポリマ等の
保水材で植物の種苗に水分を安定して供給して、全面で
植物を同時に生育させ、短時間の内に全面に渡って植物
を隙間なく早期に育成繁茂させることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る植物の栽培基盤の全
体構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る植物の栽培基盤を示
す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 栽培基盤本体 12 アンカー用鉄筋 14 ラス金網 16 メッシュ筋 18 不織布 20 種ゴケ 22 高吸水性ポリマ 24 三次元織物 26 鉄筋 28 支持柱部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593232000 株式会社朝日興産 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1番3 号 (72)発明者 佐久間 護 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 三輪 隆 千葉県印西市大塚1丁目5番地1 株式会 社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 井上 幸一 大阪府和泉市仏並町90−91 協和トータル ワークス株式会社内 (72)発明者 安藤 慎一郎 東京都中央区銀座8−21−1 株式会社竹 中土木内 (72)発明者 東本 享也 大阪府大阪市中之島6−2−40 株式会社 朝日興産内 Fターム(参考) 2B022 AB04 BA01 BA12 BA14 BA23 BB03 CA04 DA19 2D001 AA01 CA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直な壁面等の勾配を有する面を構成す
    ると共に、その表面に空隙部や多孔質体の孔等である多
    数の小さな開口部分が形成された緑化用植栽基盤材と、 前記緑化用植栽基盤材の表面に均等に吹き付けて固着さ
    れた、高吸水性ポリマ等の保水材と、植物の種苗とのを
    混合したものと、 を有することを特徴とする植物の栽培基盤。
  2. 【請求項2】 前記緑化用植栽基盤材の表面における空
    隙部や多孔質体の孔等である多数の小さな開口部分に、
    前記高吸水性ポリマ等の保水材とコケ類の子実体や胞子
    体の混合物を目止めさせるように固着させたことを特徴
    とする請求項1に記載の植物の栽培基盤。
  3. 【請求項3】 表面に、前記高吸水性ポリマ等の保水材
    と前記植物の種苗とのを混合したものを密に吹き付けた
    前記緑化用植栽基盤材を、金網を張った枠に固定して構
    成し、前記枠を利用して垂直な壁面等の勾配を有する面
    に設置可能に構成したことを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の植物の栽培基盤。
  4. 【請求項4】 不織布と、三次元織物との間の面上に、
    植物の種苗と高吸水性ポリマ等の保水材とを混合して配
    置し、前記不織布と前記三次元織物とを一体に締結した
    ものを具備することを特徴とする植物の栽培基盤。
  5. 【請求項5】 建造物に取り付け可能な構造体としての
    枠組みに金網を張り渡して一体化したメッシュ筋と、 前記メッシュ筋の上に取付られる不織布と、 前記不織布の面上に配置される、植物の種苗と高吸水性
    ポリマ等の保水材との混合物の層と、 前記植物の種苗と前記高吸水性ポリマ等の保水材との混
    合物の層の面上に配置されると共に、前記前記不織布に
    一体的に締結される三次元織物と、 を具備することを特徴とする植物の栽培基盤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017025470A (ja) * 2015-07-15 2017-02-02 博樹 栗本 コンクリート構造物等の緑化方法

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