JP2002335195A - 時間領域エコー消去処理においてトーンの存在に起因する誤集束を回避するためのシステムおよび方法 - Google Patents
時間領域エコー消去処理においてトーンの存在に起因する誤集束を回避するためのシステムおよび方法Info
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Abstract
に起因する誤集束を回避するためのシステムおよび方
法。 【解決手段】1組のフィルタタップ値が集束できるよう
に制御された適応ステップサイズを備え、動作周波数範
囲全域にわたってチャネル応答を推定する適応フィルタ
を有するエコーキャンセラにおいて,誤集束を回避する
システム。このシステムは、1組のフィルタタップ値の
スペクトルの内容を判定する手段と、前記1組のフィル
タタップ値の前記スペクトルの内容に応じて、前記適応
フィルタの前記適応ステップサイズを制御する手段とを
具備する。この適応ステップサイズを制御する手段は、
前記スペクトルの内容が誤集束を引き起こしうる状態を
示す場合、前記適応ステップサイズを小さくする手段
と、前記適応ステップサイズを前記小さくすることに続
いて前記適応ステップサイズを大きくする手段とを具備
する。
Description
ャンセラ(echo canceller)に関し、特に、時間領域エコ
ー消去処理においてトーンの存在に起因する誤集束を回
避するためのシステムおよび方法に関する。
て、2線ライン(two-wire line) (多くの場合、消費者
ループまたは加入者ループと呼ばれる)を用いて、加入
者装置を中央局に接続することが一般的である。しかし
ながら、中央局から35マイルを越える距離だけ離れた
装置の場合、双方向の伝送は物理的に離れた線に分離さ
れてしまう。これは4線ライン(four-wire line)と呼ば
れる。このため、呼側の1つが中央局から長距離離れて
いる場合(例えば、加入者が長距離呼を送受信する場
合)、中央局は2線ラインを4線ラインに接続しなけれ
ばならない。この接続を行うために用いられる装置はハ
イブリッドと呼ばれる。このため、通常の長距離電話回
線は、中央局のローカルハイブリッドに対する加入者ル
ープの2線、遠隔中央局の遠隔ハイブリッドに対する長
距離網全体にわたる4線、および遠隔ハイブリッドから
遠隔者側に対する2線であると言える。
イブリッドを用いる結果として、インピーダンスの不整
合が生じる。ハイブリッドでインピーダンス不整合が生
じる結果、一端側の話者の音声は他端側のハイブリッド
(遠隔ハイブリッド)から反射する可能性がある。この
反射のため、話者は話者自身の声の聞き苦しいエコーを
聞くことになる。比較的短距離の場合、エコーは一時的
に実際の音声と一致するので、エコーは目立たない。し
かしながら、長距離の場合、実際の音声と受信されたエ
コーとの間の潜伏期(latency) は大きいので、エコーが
目立つ。このようなエコーの望ましくない影響を最小化
するため、エコーキャンセラは種々の形式で用いられて
きた。
5,307,405号「ネットワークエコーキャンセ
ラ」(1994年4月26日刊行、本願の譲受人に譲渡
されている)に記載されている。米国特許第5,30
7,405号は、未知のエコーチャネルのインパルス応
答を識別し、適応フィルタ(adaptive filter) 技術を用
いて実際のエコー信号のレプリカを形成するシステムを
記載している。エコーレプリカを信号ヘッディングから
末端の話者へ減じ、実際のエコー信号を消去する。特
に、中央局の適応フィルタは末端の話者から受信した信
号から基準信号を形成する。適応フィルタはこの基準信
号を用いて、実質的にエコーの推定値であるエコーレプ
リカを形成する。この推定値を末端に向けられる(headi
ng) 帰還信号(return signal) から減じることによっ
て、話者のエコーをこの信号から消去する。減算によっ
て残留エコー信号が生じ、適応フィルタはこのエコー信
号を用いて、最小2乗平均(LMS)法のような適応ア
ルゴリズムにしたがってそのタップを更新する。本質的
に、適応フィルタは、末端信号で送出された周波数に対
する応答を観察することによって、未知のチャネルの周
波数応答を学習する。換言すれば、適応フィルタは末端
音声を基準として用い、そのフィルタタップを適応さ
せ、正確にエコー信号を濾過する。
キャンセラの動作を制御するとともに、適応フィルタを
更新すべきときを判定する。通常、フィルタの適応ステ
ップ(a adaption step) の大きさは最初は大きく設定さ
れているので、フィルタは迅速に集束する(converge)
(すなわち、フィルタはチャネルに迅速に適応する)。
次に、いったんフィルタが集束すると、ステップの大き
さは小さくなるので、フィルタはチャネルに集束したま
まの状態である。
置において誤集束(false convergence) を抑制する(inh
ibiting)システムおよび方法を図る。時間領域エコーキ
ャンセラにおいて、適応フィルタを用いてエコー信号を
推定する。次に、推定エコー信号を帰還信号から減じる
ので、末端の話者は自身のエコーを聞くことはない。エ
コーキャンセラの状態機は、適応アルゴリズムにしたが
って、適応フィルタの適応ステップサイズを制御する。
適応フィルタがエコーチャネルの周波数応答を学習する
とき、状態機は適応ステップサイズを小さくし、エコー
キャンセラを集束させる。
ーン、例えば、デュアルトーン多重周波数(DTMF)
がエコーチャネルに存在する場合、誤集束を引き起こす
可能性がある。特に、トーンしか存在しない場合、適応
フィルタはトーン周波数に対するチャネル応答を迅速に
学習するとともに迅速に集束し、トーンを消去する。し
かしながら、トーン周波数だけではチャネルが搬送する
周波数の全範囲を示さない。人間の声および他の音声信
号は非常に広範な周波数を含む。したがって、トーンし
か存在しない場合にエコーキャンセラがチャネルに集束
するとともにフィルタの適応ステップサイズを小さくす
ると、エコーキャンセラは、新しい周波数がチャネルに
出現したとき、トーン周波数とは異なる周波数のエコー
信号を直ちに消去することができない可能性がある。そ
の理由は、適応ステップサイズが小さいことによって、
新しい周波数に対する適応フィルタの応答が遅くなるか
らである。
比較回路が設けられる。適応フィルタのタップ値(フィ
ルタ係数とも言う)は未知のエコーチャネルの現状の推
定値を構成するので、タップはチャネルに存在した周波
数に関する情報を含む。比較回路を用いて、フィルタタ
ップ値のスペクトル(spectral)の内容を分析し、集束処
理時にトーンしか存在していなかったかどうか、また
は、音声のような他の音声情報も存在していたかどうか
を判定することができる。トーンしか存在しない場合、
比較回路はエコーキャンセラがその適応ステップサイズ
を小さくすることを抑制し、ステップの大きさを大きい
状態のままにする。このような大きな適応ステップサイ
ズを用いる場合、音声のような音声情報がエコーチャネ
ルに出現したとき、エコーキャンセラは迅速に集束し、
末端の話者がエコーを聞く前にエコーを消去することが
できる。
タが入力信号に集束できるように制御された適応ステッ
プサイズを備える該適応フィルタを有するエコーキャン
セラにおいて誤集束を抑制するシステムであって,前記
エコーキャンセラによって受信された前記入力信号がト
ーンのみを含むかどうかを判定する手段と;そして、該
入力信号がトーンのみ含む場合、該エコーキャンセラが
該適応フィルタの該適応ステップサイズを小さくするこ
とを防ぐ手段と、を備えることを特徴とする誤集束を抑
制するシステムが提供される。
は、フィルタタップ信号を濾過し、濾過信号を形成する
濾過手段と;前記濾過信号のエネルギ量を判定する第1
のエネルギ判定手段と;濾過されていないフィルタタッ
プ信号のエネルギ量を判定する第2のエネルギ判定手段
と;及び前記濾過信号の前記エネルギ量と前記濾過され
ていないフィルタタップ信号の前記エネルギ量とを比較
し、該入力信号がトーンのみを含むどうかを判定する比
較手段と、を備えることが好ましい。
前記濾過信号の前記エネルギ量が前記濾過されていない
フィルタタップ信号の前記エネルギ量よりはるかに小さ
い場合、該入力信号はトーンのみを含むことを示す手
段,を備えることが好ましい。
前記濾過信号の前記エネルギ量が前記濾過されていない
フィルタタップ信号の前記エネルギ量とかなり異なる場
合、前記入力信号はトーンのみを含むことを示す手段,
を備えることが好ましい本発明の他の観点に従って、帰
還信号からの望ましくないエコー信号を消去し、第1の
ユーザに送信されるエラー信号を形成するエコーキャン
セラであって,未知のエコーチャネルの周波数応答を推
定し、前記エコーキャンセラが第1のユーザから受信し
た入力信号を用いて形成される前記エコー信号の推定値
を求める適応フィルタ手段と;前記エコー信号の前記推
定値を前記帰還信号から減じ、前記エラー信号を形成す
る手段と;そして、前記帰還信号、前記入力信号および
前記エラー信号を監視し、前記適応フィルタ手段の適応
ステップサイズを制御する制御手段と、を備え、前記制
御手段は、前記適応フィルタ手段の前記入力信号がトー
ンのみを含むどうかを判定する手段と、前記入力信号が
トーンのみを含む場合、前記適応フィルタの前記適応ス
テップサイズの小さくすることを抑制する手段と、を有
することを特徴とするエコーキャンセラが提供される。
定手段は、前記適応フィルタ手段の1組のフィルタタッ
プを濾過し、濾過信号を形成する濾過手段と;前記濾過
信号のエネルギ量を判定する第1のエネルギ判定手段
と;前記1組のフィルタタップのエネルギ量を判定する
第2のエネルギ判定手段と;及び前記濾過信号の前記エ
ネルギ量を前記1組のフィルタタップの前記エネルギ量
と比較し、前記入力信号がトーンしか含まないかどうか
を判定する比較手段と、を備えることが好ましい。
力信号に集束できるように制御された適応ステップサイ
ズを備える該適応フィルタを有するエコーキャンセラに
おいて誤集束を抑制するシステムであって,前記エコー
キャンセラによって受信された前記入力信号がトーンの
みを含むかどうかを判定する手段と;そして該入力信号
がトーンのみ含む場合、該エコーキャンセラが該適応フ
ィルタの該適応ステップサイズを小さくすることを防ぐ
手段と、を備えることを特徴とする誤集束を抑制するシ
ステムが提供される。
は、フィルタタップ信号を濾過し、濾過信号を形成する
濾過手段と;前記濾過信号のエネルギ量を判定する第1
のエネルギ判定手段と;濾過されていないフィルタタッ
プ信号のエネルギ量を判定する第2のエネルギ判定手段
と;及び前記濾過信号の前記エネルギ量と前記濾過され
ていないフィルタタップ信号の前記エネルギ量とを比較
し、該入力信号がトーンのみを含むどうかを判定する比
較手段と、を備えることが好ましい。
前記濾過信号の前記エネルギ量が前記濾過されていない
フィルタタップ信号の前記エネルギ量より小さい場合、
該入力信号はトーンのみを含むことを示す手段,を備え
ることが好ましい。
前記濾過信号の前記エネルギ量が前記濾過されていない
フィルタタップ信号の前記エネルギ量と異なる場合、前
記入力信号はトーンのみを含むことを示す手段,を備え
ることが好ましい。
らの望ましくないエコー信号を消去し、第1のユーザに
送信されるエラー信号を形成するエコーキャンセラであ
って,未知のエコーチャネルの周波数応答を推定し、前
記エコーキャンセラが第1のユーザから受信した入力信
号を用いて形成される前記エコー信号の推定値を求める
適応フィルタ手段と;前記エコー信号の前記推定値を前
記帰還信号から減じ、前記エラー信号を形成する手段
と;そして、前記帰還信号、前記入力信号および前記エ
ラー信号を監視し、前記適応フィルタ手段の適応ステッ
プサイズを制御する制御手段と、を備え、前記制御手段
は、前記適応フィルタ手段の前記入力信号がトーンのみ
を含むどうかを判定する手段と、前記入力信号がトーン
のみを含む場合、前記適応フィルタの前記適応ステップ
サイズの小さくすることを抑制する手段と、を有するこ
とを特徴とするエコーキャンセラが提供される。このエ
コーキャンセラにおいて、前記判定手段は、前記適応フ
ィルタ手段の1組のフィルタタップを濾過し、濾過信号
を形成する濾過手段と;前記濾過信号のエネルギ量を判
定する第1のエネルギ判定手段と;前記1組のフィルタ
タップのエネルギ量を判定する第2のエネルギ判定手段
と;及び、前記濾過信号の前記エネルギ量を前記1組の
フィルタタップの前記エネルギ量と比較し、前記入力信
号がトーンしか含まないかどうかを判定する比較手段
と、を備えることが好ましい。
は,高域フィルタであり、前記比較手段は、前記1組の
フィルタタップの前記エネルギ量が前記濾過信号の前記
エネルギ量を上回る場合、前記入力信号がトーンのみを
含むことを示す手段を備えることが好ましい。
ルが形成したエコー信号を帰還信号から消去するエコー
キャンセラにおいて、前記エコーキャンセラは、前記エ
コーチャネルの周波数応答を推定して前記エコー信号の
推定値を求める適応フィルタと、前記エコー信号の前記
推定値を前記帰還信号から減じる手段とを有し、前記エ
コーキャンセラにおいて誤集束を抑制する方法であっ
て,フィルタタップを濾過し、濾過信号を形成する濾過
ステップ;該濾過信号のエネルギ量を判定するステッ
プ;フィルタタップ中のエネルギ量を判定するステッ
プ;濾過信号の該エネルギ量を該フィルタタップのエネ
ルギ量と比較し、該入力信号がトーンのみを含むどうか
を判定する比較ステップ;及び前記入力信号が1つ以上
のトーンを含むとき、該エコーキャンセラが引き続く誤
集束を生起することを防止するステップ,と、を備える
ことを特徴とする前記エコーキャンセラにおいて誤集束
を抑制する方法が提供される。
過ステップは前記フィルタタップを高域濾過するステッ
プを具備し,そして前記防止するステップは、前記フィ
ルタタップの前記エネルギ量が前記濾過信号の前記エネ
ルギ量を上回る場合、前記適応フィルタの適応ステップ
サイズを小さくすることを防止するステップを具備す
る,ことが好ましい。
ルが形成したエコー信号を帰還信号から消去するエコー
キャンセラであって,前記エコーチャネルの周波数応答
を推定して前記エコー信号の推定値を求める適応フィル
タと、前記エコー信号の前記推定値を前記帰還信号から
減じる手段とを有する前記エコーキャンセラにおいて,
誤集束を抑制する方法であって,前記適応フィルタのフ
ィルタタップを濾過し、濾過信号を形成するステップ
と;前記濾過信号のエネルギ量を判定するステップと;
前記フィルタタップのエネルギ量を判定するステップ
と;前記濾過信号の前記エネルギ量と前記フィルタタッ
プの前記エネルギ量と比較し、前記適応フィルタに対す
る入力信号がトーンのみを含むどうかを推定する比較ス
テップと;及び前記比較ステップによって前記入力信号
がトーンしか含まないと判定された場合、前記適応フィ
ルタの適応ステップサイズを小さくすることを防止する
ステップと、を具備することを特徴とする誤集束を抑制
する方法が提供される。
フィルタタップを高域濾過するステップを具備すること
が好ましい。
タタップ値が集束できるように制御された適応ステップ
サイズを備え、動作周波数範囲全域にわたってチャネル
応答を推定する適応フィルタを有するエコーキャンセラ
において,誤集束を回避するシステムであって、前記1
組のフィルタタップ値のスペクトルの内容を判定する手
段と;及び前記1組のフィルタタップ値の前記スペクト
ルの内容に応じて、前記適応フィルタの前記適応ステッ
プサイズを制御する手段と、を具備することを特徴とす
る誤集束を回避するシステムが提供される。
内容を判定する手段は高速フーリエ変換であることが好
ましい。
内容を判定する手段は、前記動作周波数範囲の部分集合
であるところの限定周波数範囲に対応する前記1組のフ
ィルタタップ値のエネルギを判定する第1の濾過手段
と;前記動作周波数範囲の前記1組のフィルタタップ値
のエネルギを判定する手段と;前記限定周波数範囲に対
応する前記エネルギと前記動作周波数範囲に対応する前
記エネルギとを比較する手段と、を具備することが好ま
しい。
段は高域フィルタであり、前記限定周波数範囲は所定の
遮断周波数を越える周波数に対応することが好ましい。
段は帯域フィルタであり、前記限定周波数範囲は、低い
遮断周波数と高い遮断周波数との間の周波数に対応する
ことが好ましい。
過手段は低域フィルタであり、前記限定周波数範囲は所
定の遮断周波数未満の周波数に対応することが好まし
い。
内容を判定する手段は、前記1組のフィルタタップ値が
前記チャネルにトーン周波数のみが存在することを示す
かどうかを判定する手段を具備することが好ましい。
サイズを制御する手段は、前記スペクトルの内容が誤集
束を引き起こしうる状態を示す場合、前記適応ステップ
サイズを小さくすることを防止する手段を具備すること
が好ましい。
タタップ値が集束できるように制御される適応ステップ
サイズを備え、動作周波数範囲の全域にわたってチャネ
ル応答を推定する適応フィルタを有するエコーキャンセ
ラにおいて誤集束を回避する方法であって,前記1組の
フィルタタップ値のスペクトルの内容を判定するステッ
プと;前記1組のフィルタタップ値の前記スペクトルの
内容に応じて、前記適応フィルタの前記適応ステップサ
イズを制御するステップと、を具備することが好まし
い。
作とともに、本発明の別の特徴および利点については、
添付図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
て説明する。図面において、同様の符号は同一または機
能的に同様な要素を示す。さらに、符号の左端の桁は符
号が最初に示された図面を示す。
もに回避する比較回路を有する改良されたエコーキャン
セラに向けられている。本発明によると、時間領域エコ
ーキャンセラは比較回路を含み、比較回路はチャネルの
周波数応答の累積推定値を観察し、トーンしかチャネル
に存在していなかったかどうかを判定する。トーンしか
存在していなかった場合、エコーキャンセラはその適応
ステップサイズを小さくすることを抑制し、誤集束を回
避する。
例を説明することが有効である。本発明は改良されたエ
コーキャンセラ技術を図るので、本発明は、特に、長距
離電話通信システムの環境で有効である。図1はこのよ
うな環境の1つを示す。
電話機104を備え、電話機104は、それぞれ、関連
する中央局120で関連するハイブリッド122に接続
されている。この接続は加入者ループ162と呼ばれる
2線ラインを介して行われる。ある中央局120から他
の中央局への長距離ネットワークにわたる通信の場合、
接続は4線区画164であるロングホールネットワーク
を介して行われる。
回線の環境である。図2は、通常のセルラ電話通信回線
を示すブロック図である。セルラ電話通信回線は、セル
ラ電話204および基地局208を含む。基地局208
はセルラ電話204を中央局120にインタフェース接
続し、電話機104とセルラ電話204との間の呼を行
う。
2を供給し、ハイブリッド122はローカル2線加入者
ループ162を4線区画164にインタフェース接続す
る。上記のとおり、ハイブリッド122のインピーダン
ス不整合によってエコーが生じる可能性がある。これら
の環境におけるエンド・ツー・エンド通信に関連する待
ち時間に起因して生じるエコーは望ましくない影響にな
りかねない。したがって、これらの環境は改良されたエ
コーキャンセラからの利益に理想的に適している。
る。このような説明は集束にのみなされる。本発明がこ
れらの環境例における適用に限定されるわけではない。
実際、以下の説明を読んだ後、当業者には本発明を代替
の環境で実施する方法が明らかになるであろう。
ブロック図である。時間領域エコーキャンセラ300
は、適応フィルタ304、状態機308および総和合流
点(summing junction)312からなる。また、図3には
未知のエコーチャネル360が示され、エコーチャネル
360はハイブリッド122によって導入された望まし
くないエコー信号源を示す。
末端ユーザから受信される。入力信号322は、例え
ば、ユーザ音声から末端のセルラ電話204または電話
機104に送信される音声信号である。また、入力信号
322は4線区画164の末端から受信されたモデムデ
ータまたは他の音声データでもある。
力信号322は未知のエコーチャネル360を通過し
て、エコー信号362を形成する。末端近傍の音声33
2(例えば、ローカルユーザからの音声)と混合される
のがエコー信号362である。エコー信号362と末端
近傍の音声332との総和は帰還信号324からなる。
エコーキャンセラ300を用いない場合、末端近傍の音
声332およびエコー信号362の両方を含む帰還信号
324は末端ユーザにフィードバックされる。しかしな
がら、エコーキャンセラは適応フィルタ304および総
和合流点312を用いて、エコー信号362が帰還信号
324に及ぼす影響を消去する。
いて、実際のエコー信号362の推定値である推定信号
328を形成する。推定信号328を帰還信号324か
ら減じ、エラー信号326を形成する。また、適応フィ
ルタ304はエラー信号326を用い、最小2乗平均
(LMS)法のような適応アルゴリズムにしたがってそ
のフィルタタップ(係数とも言う)を更新する。実質的
に、適応フィルタ304は、入力信号322で受信され
た周波数に対する応答を観察することによって、未知の
エコーチャネル360の周波数応答を学習する。
信号326および帰還信号324を監視することによっ
て適応フィルタ304の動作を制御し、適応フィルタ3
04を更新すべきときを判定する。特に、状態機308
は適応フィルタ304の適応ステップサイズを変化さ
せ、適応フィルタ304がどのくらいの速さで集束する
かを制御する。大きな適応ステップサイズの場合、適応
フィルタ304は未知のエコーチャネル360に迅速に
適応する。しかしながら、ステップサイズが大きいの
で、エラー信号326の周波数応答がわずかな変化して
も、適応フィルタ304の応答が大きく変化する。
られる重要なパラメータの1つは、エコー帰還損エンハ
ンスメント(echo return loss enhancement)(ERL
E)である。ERLEは下式のように定義される。
eはエラー信号326の分散を示し、これらの分散は、
それぞれ、帰還信号324およびエラー信号326の短
期エネルギ平均値を用いて接近する。ERLEは、帰還
信号324がエコーキャンセラ300を通過した後に帰
還信号324から除去されるエネルギ量を示す。ERL
Eが25〜30dBに達する場合、状態機308は、適
応フィルタ304が集束したこと、すなわち、適応フィ
ルタ304が未知のエコーチャネル360の周波数応答
を学習したことを仮定する。次に、状態機308は、適
応フィルタ304が未知のエコーチャネル360により
接近するように、適応フィルタ304の適応ステップサ
イズを小さくする。このような適応ステップサイズの変
更はギアシフティング(gearshifting)と呼ばれる。
よびダブルトーク検出のためにERLEを用いる時間領
域フィルタについては、上記米国特許第5,307,4
05号に完全に開示され、開示全体が本願の援用文献で
ある。
ルタ304の適応ステップサイズを調整することによっ
て適応フィルタ304の集束を制御する。大きな適応ス
テップサイズを用いる場合、適応フィルタ304は未知
のエコーチャネル360の周波数応答に迅速に適応す
る。しかしながら、適応ステップサイズが大きい状態の
ままの場合、エコーチャネル360の応答の変化によっ
て、適応フィルタ304の適応は大きくなる。大きな適
応ステップサイズを用いることによって、未知の適応フ
ィルタ304の応答は未知のエコーチャネル360およ
び/または入力信号322のわずかな変化に対して過度
に補正する可能性がある。このため、大きな適応ステッ
プサイズは粗雑な調整として考えられる。すなわち、入
力が小さく変化しても応答は大きく変化してしまう。こ
れは正しいエリアに迅速に到達するためには理想的であ
るが、目標に正しく方向づけるには理想的ではない。
め、小さな適応ステップサイズを設けることができる。
しかしながら、適応フィルタ304が未知のエコーチャ
ネル360の周波数応答から離れている場合、適応ステ
ップサイズが小さいので、適応フィルタ304は未知の
エコーチャネル360の周波数応答を学習するためかな
りの時間を要する。
適応ステップサイズを大きく設定することによって、適
応フィルタ304は未知のエコーチャネル360の周波
数応答に迅速に集束することができる。いったん適応フ
ィルタ304が集束したら、適応ステップサイズを小さ
くすることによって、適応フィルタ304は未知のエコ
ーチャネル360および入力信号322の変化を正確に
検知することができる。
RLEを集束測定値として用いると、問題が生じる。入
力信号322が1つの周波数トーンまたは1対のトーン
の場合、適応フィルタ304はこれらの周波数に対する
未知のエコーチャネル360のチャネル応答を迅速に学
習する。このとき、周波数は消去され、ERLEは30
dBを越えて増加する。これに応じて、状態機308
は、適応フィルタ304が集束されたと判断するので、
適応ステップサイズを小さくする。実際には、適応フィ
ルタ304はチャネルの完全な周波数応答に対して集束
しておらず、受信トーン周波数に対して集束したにすぎ
ない。
において通常発生するこのようなトーンの例として、呼
進行トーン(call-progress) (例えば、リングバック(r
ingback))およびデュアルトーン多重周波数(DTM
F)があり、これらはキーパッド(keypad)入力から生じ
る。
サイズの場合、エコーキャンセラ300は動作定常状態
モードになる。実際の集束の場合、適応ステップサイズ
が小さいとき、適応フィルタ304の精密な調整しか行
えない。しかしながら、フィルタはトーン周波数に対す
るチャネル応答を学習しただけなので、フィルタは実際
には集束していない。その結果、末端の話者が話し始め
るとき、エコー信号362は適応フィルタ304が消去
しない新しい周波数を含み、適応フィルタ304は、適
応ステップサイズが小さいので、新しい周波数に対する
チャネル応答をなかなか学習しない。
は、状態機308が帰還信号324の音声がダブルトー
クであると誤解することである。例えば、両者側が離し
ている場合、また、末端近傍の音声332およびエコー
信号362の両方が音声信号を含む場合にダブルトーク
が発生する。ある実施例において、状態機308は、適
応フィルタ304の適応を無効にすることによってダブ
ルトークを収容するようにプログラムすることができ
る。
ィルタタップ周波数比較回路が設けられている。フィル
タタップ周波数比較回路はエコーキャンセラ300とと
もに実施され、上記ERLE計算とともに用いられる。
フィルタタップ周波数比較回路は適応フィルタ304の
タップ値のスペクトルの内容を調べ、誤集束に至る状態
が存在していたかどうかを判定する。
数比較器400の一実施の形態を示すブロック図であ
る。本実施の形態において、フィルタタップ周波数比較
器400は、高域フィルタ(HPF)404、エネルギ
算出回路408Aおよび408Bおよび比較器412か
らなる。フィルタタップ周波数比較器400は、好適な
実施の形態では、状態機308内部に設けられている。
を概略的に説明する。図5は、誤集束を検出する際、フ
ィルタタップ周波数比較器400によって続いて行われ
る処理を示す動作フロー図である。
04において、フィルタタップ周波数比較器400はフ
ィルタタップ値426を受信し、フィルタタップ値42
6は、上記のように、エラー信号326および入力信号
322を用いて導出された1組の周波数に対応する整列
された値である。ステップ508では、フィルタタップ
値426は高域フィルタで濾過され、周波数エネルギを
望ましい遮断周波数未満に減衰させる。遮断周波数を選
択して、高域フィルタ404はトーンに対応する周波数
を遮断するが、最高のトーン周波数を越える他の信号周
波数は通過させる。このため、高域フィルタ404を透
過した周波数はトーン周波数以外の周波数に対応する。
通常、トーン周波数は音声周波数スペクトルの底端で生
じるので、フィルタ処理は効果的である。その結果は、
高域フィルタタップ値434と呼ばれる第2の組のフィ
ルタタップである。
声スペクトルは0〜4kHzの範囲であり、すべてのト
ーンは2kHz近傍または未満で生じる。このような環
境では、高域フィルタ404の遮断周波数は2kHzに
設定される。本実施の形態では、2〜4kHzの周波数
しか通過されない。
ップ値434のエネルギはエネルギ算出装置408Aに
よって算出され、EHIGH値436を求める。EHIGH値4
36は高域フィルタタップ値434のエネルギ量を示
す。好適な実施の形態では、E HIGH値436は、高域フ
ィルタタップ値434の2乗の総和を計算することによ
って算出される。
タタップ値426のエネルギはエネルギ算出装置408
Bによって算出される。エネルギ算出装置408BはE
TOT値438を求め、ETOT 値438は通信システムの
音声周波数帯全体にわたるフィルタタップ値426のエ
ネルギを示す。好適な実施の形態では、ETOT 値438
は、フィルタタップ値426の2乗の総和を計算するこ
とによって算出される。
はETOT 値438と比較され、適応フィルタ304が実
際に集束しているかどうか(または、適応フィルタ30
4が真に集束しているかどうか)、または、トーンが存
在することによって誤集束の問題が発生し得る状態にな
っているかどうかを判定する。入力信号322がトーン
のみから構成される場合、フィルタタップ値426のす
べてのエネルギは高域フィルタ404の遮断周波数未満
である。したがって、EHIGH値436はETOT値438
の総数のごく一部であり、これは入力信号322がトー
ンのみから構成されることを示す。このように、フィル
タタップ値426のスペクトルの内容を用いて、入力信
号322に現在存在するトーンを検出する。
08によって、エコーキャンセラ300はその適応ステ
ップサイズを小さくしない。一方、入力信号322がト
ーンから構成されていない場合(すなわち、EHIGH値4
36がETOT 値438のごく一部より大きい場合)、エ
コーキャンセラ300は、判定ブロック524およびス
テップ526、528に示されるように、そのステップ
サイズを小さい値にギアシフトする。例えば、一実施の
形態において、EHIGH値436がETOT 値438の15
%より大きい場合、キャンセラはギアシフトを行う。
HIGH値436/ETOT 値438比が所定のしきい値を越
えるかどうかを判定するにすぎない。越える場合は、エ
コーキャンセラ300は定常状態に入る。しきい値レベ
ル、遮断周波数および他の動作パラメータの選択は本発
明が実施される環境に左右される。動作パラメータに影
響を及ぼす要素は、発生しうるトーンの強度、所要時間
および周波数を含む。さらに、要素は、入力信号(例え
ば、末端の話者の音声)で予測される音声データの種
類、レベルおよび周波数範囲も含む。
周波数比較器はフィルタタップの周波数応答を観察し、
エコーキャンセラにその適応ステップサイズを小さくさ
れるかどうかを判定する。代替の実施の形態において、
周波数比較回路は入力信号を観察し、入力信号がトーン
のみからなるかどうかを判定する。
例は多数ある。例えば、1つの信号路を高域フィルタで
濾過する代わりに、信号を低域フィルタで濾過し、E
LOW とETOT との関係を判定する。
る。一実施の形態では、比較器412は、EHIGH値43
6/ETOT 値438比を観察する簡単な比較回路にであ
る。より複雑な実施例では、比較器412はプロセッサ
を用いて実施され、EHIGH値436/ETOT 値438比
を判定するとともに、しきい値を越えるかどうかを判定
することができる。この実施例は、同一のプロセッサを
用いて比較器412を実施できるので、プロセッサを用
いて状態機308を実施する場合に理想的である。
ことは、ハードディスク媒体上またはシリコン、ガリウ
ム砒素、または他の半導体基板の集積回路媒体内に原子
または超原子レベルで充填した粒子を設けるとともに構
成することによって情報を記憶する種々の情報記憶装置
(多くの場合、「メモリ」と呼ばれる)を用いること
と、電気信号、電磁信号および電荷に応じて状況および
状態を変更する種々の情報処理装置(多くの場合、「マ
イクロプロセッサ」と呼ばれる)を用いることである。
また、特定の光学特性を有する光エネルギまたは粒子ま
たはその組み合わせを記憶するとともに処理するメモリ
およびマイクロプロセッサが図られ、メモリおよびマイ
クロプロセッサを用いることはに記載の発明の動作に矛
盾しない。例えば、好適な実施の形態では、比較器41
2を含むフィルタタップ周波数比較器400は、ディジ
タル信号プロセッサ(DSP)チップを用いて実施でき
る。さらに、本好適な実施の形態では、状態機308お
よび適応フィルタ304は同一のDSPチップとともに
実施することができる。なお、上記DSPを用いる実施
の形態の機能的構造は図3に示されるエコーキャンセラ
300によって示され、フィルタタップ周波数比較器4
00は状態機308の一部として実施される。
施例が想定される。例えば、より複雑な例として、高速
フーリエ変換(FFT)を用いてフィルタタップ値の周
波数応答を求めてもよい。また、本発明において2つの
帯域の比較に拡張してもよいし、3つ以上の異なる周波
数帯を調べてもよい。代替の実施の形態においてより簡
単なのは、高域フィルタの代わりに低域フィルタまたは
帯域フィルタを用いてもよい。上記代替の実施の形態の
多くと組み合わせて用いられるさらに別の実施の形態で
は、状態機は、上記のようにステップサイズの小さくす
るを抑制する代わりにステップサイズを小さくした後、
適応フィルタ処理のステップサイズを大きくしてもよ
い。
れらは一例にすぎず、本発明を限定するものでないこと
は理解されるであろう。これらの実施の形態に対する様
々な修正は当業者には容易に明らかになり、本明細書に
記載の一般的な原理は、発明的能力を用いることなく、
他の実施の形態に適用できる。本発明の広さおよび範囲
は上記実施の形態のいずれによっても限定されず、以下
の請求の範囲およびその等価物によってのみ定義され
る。
す動作フロー図である。
区画,300‥時間領域エコーキャンセラー,322‥
入力信号,324‥帰還信号,400‥フィルタタップ
周波数比較器。
Claims (2)
- 【請求項1】1組のフィルタタップ値が集束できるよう
に制御された適応ステップサイズを備え、動作周波数範
囲全域にわたってチャネル応答を推定する適応フィルタ
を有するエコーキャンセラにおいて,誤集束を回避する
システムであって、 前記1組のフィルタタップ値のスペクトルの内容を判定
する手段と;及び前記1組のフィルタタップ値の前記ス
ペクトルの内容に応じて、前記適応フィルタの前記適応
ステップサイズを制御する手段とを具備し、 前記適応ステップサイズを制御する手段は、前記スペク
トルの内容が誤集束を引き起こしうる状態を示す場合、
前記適応ステップサイズを小さくする手段と、前記適応
ステップサイズを前記小さくすることに続いて前記適応
ステップサイズを大きくする手段とを具備することを特
徴とする,誤集束を回避するシステム。 - 【請求項2】 帰還チャネル中で反響受信チャネル信号
を消去し,補正された帰還チャネル信号を形成し、ここ
において,前記反響受信チャネル信号はエコーチャネル
によって入力帰還チャネル信号と結合され,補正されて
いない帰還チャネル信号を形成する,エコーキャンセラ
であって,前記反響受信チャネル信号の推定値を供給す
る第1の出力と、1組のタップ値を供給する第2の出力
と、受信チャネル信号に接続された第1の入力と、前記
補正された帰還チャネル信号に接続された第2の入力
と、前記反響受信チャネル信号に対して動的に適応する
1組のタップ値とを有する適応フィルタと;出力を有す
る総和器であって,前記総和器の出力は前記補正された
帰還チヤネル信号を形成し,前記適応フィルタの前記第
1の出力に接続された第1の入力と,前記補正されてい
ない帰還チャネル信号に接続された第2の入力とを有す
る総和器と;及び前記1組のタップ値を受信する前記適
応フィルタの前記第2の出力に接続された入力と、前記
一組のタップ値が前記反響受信チャネル信号に動的に適
応することを制御するための前記適応フイルタに接続さ
れた出力とを有する,フィルタタップ比較回路と、ここ
において、前記フィルタータップ比較回路は、前記一組
のタップ値の一部のエネルギ量を前記一組のタップ値エ
ネルギ量に対して比較する、 を具備することを特徴とするエコーキャンセラ。
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