JP2002334401A - 磁気記録再生方法 - Google Patents

磁気記録再生方法

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JP2002334401A
JP2002334401A JP2001140489A JP2001140489A JP2002334401A JP 2002334401 A JP2002334401 A JP 2002334401A JP 2001140489 A JP2001140489 A JP 2001140489A JP 2001140489 A JP2001140489 A JP 2001140489A JP 2002334401 A JP2002334401 A JP 2002334401A
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JP2001140489A
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Akira Kasuga
明 春日
Minoru Sueki
実 居樹
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リニア記録方式を利用し、磁気抵抗型の再生ヘ
ッドを組み込んだ磁気記録再生システムにおいて、高い
出力を達成するとともに、高い信頼性をもってデータの
記録・再生を行う磁気記録再生方法を提供する。 【解決手段】非磁性支持体上に、第一磁性層及び第二磁
性層をこの順に有する磁気記録媒体に信号を記録し、再
生する磁気記録再生方法。前記第一磁性層に記録される
サーボ信号は波長が1.0〜12.0μmの範囲であ
り、前記第二磁性層に記録される情報信号は波長が0.
2〜3.0μmの範囲であり、前記第一磁性層に記録さ
れるサーボ信号の波長は、前記第二磁性層に記録される
情報信号の波長より大きく、かつ前記第一磁性層にあら
かじめサーボ信号が記録された状態で、前記第二磁性層
に情報信号を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録再生方法
に関し、特に磁気抵抗型の再生ヘッド(MRヘッド)を
用いる磁気記録再生システムにおいて、コンピュータデ
ータ等の信号を記録再生する磁気記録再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータデータを記録再生す
るための磁気記録再生システムにおいて、薄膜磁気ヘッ
ドを組み込んだシステムが実用化されている。薄膜磁気
ヘッドは、小型化やマルチトラックヘッドに加工し易い
ため、特に磁気テープを記録媒体としたシステムでは、
薄膜磁気ヘッドのマルチトラック固定ヘッドが多く利用
されている。薄膜磁気ヘッドの利用によって、小型化に
よるトラック密度の向上や記録効率の向上が可能とな
り、高密度の記録を実現できると共に、マルチトラック
化によりデータの転送速度の向上も可能になる。
【0003】薄膜磁気ヘッドは、磁束の時間変化に応答
する誘導型ヘッドと、磁束の大きさに応答する磁気抵抗
効果を利用した磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)に大別
できる。誘導型ヘッドは平面構造のためにヘッドコイル
の巻数が少なく、起磁力を大きくすることが困難とな
り、従って再生出力が充分得られないという問題があ
る。このため再生用には、高い再生出力が得られ易いM
Rヘッドが用いられ、一方、記録用には誘導型ヘッドが
用いられている。
【0004】これらの記録及び再生ヘッドは、通常一体
型(複合型)としてシステム中に組み込まれている。そ
して上記のような磁気記録システムでは、より速いデー
タの転送を実現できるリニア記録方式が採用されてい
る。
【0005】MRヘッドが組み込まれた磁気記録再生シ
ステムに用いられるコンピュータデータ記録用磁気テー
プは、システム毎に決められており、例えば、IBMの
規格による3480型、3490型、あるいは3570
型対応の磁気テープが知られている。これらの磁気テー
プは、支持体上に、強磁性微粉末及びバインダーを含
み、かつ厚みが2.0〜3.0μm程度と比較的厚い単
層構造の磁性層が設けられた基本構成を有している。ま
た、通常上記の様なデータ記録用の磁気記録テープでは
磁性層とは反対側の裏面に巻乱れの防止や良好な走行耐
久性を保つためにバックコート層が設けられている。
【0006】しかしながら、上記の様な単層構造を有す
る磁気記録テープは昨今の大量のデータを保存する媒体
として、ニーズに充分対応できないという問題がある。
【0007】ところで、データストレージ用磁気記録シ
ステムにおいて、高記録密度、高容量を実現するため
に、狭トラック化が進んでいる。磁気テープの場合、長
手方向記録(リニア記録)方式では、記録・再生ヘッド
が幅方向に駆動され、トラックを選択しなければならな
い。即ち、記録・再生時には磁気ヘッドが磁気記録テー
プの幅方向(上下方向)に移動し、いずれかのトラック
を選択しなければならない。しかし、トラック幅が狭く
なるに従い、磁気記録テープとヘッドとの相対位置の制
御に高い精度が必要になる。
【0008】従来の方法では、テープの走行位置をガイ
ド等で固定し、ヘッドはあらかじめ決められた位置を上
下動する。しかし、トラック幅が狭くなると、このシス
テムではテープが伸縮した場合、あるいはテープの走行
位置が予想される位置に比較してずれた場合において、
再生ヘッドが記録されたトラックの最適な位置からずれ
て、出力が低下する。そこで、サーボ信号を長手方向に
記録しておき、テープに対するヘッドの相対位置の検出
を行うことが高記録密度化には必要となる。
【0009】上記のようなサーボ信号を記録した従来の
磁気記録テープでは、磁気記録による情報記録と位置信
号等のサーボコントロール信号の制御を同一磁性層にお
いて行っていた。しかも、高記録密度化に対応させるた
めに、平滑性の良い情報記録層と同一層上にサーボコン
トロール信号を記録して制御していた。このため、その
分、情報記録容量が少なくなり、近年の高密度化及び大
容量化のニーズに充分対応できないものであった。
【0010】そこで、情報信号とサーボ信号を異なる磁
性層に記録することにより高密度化及び大容量化並びに
良好なサーボ制御を達成する試みがなされている。例え
ば、非磁性支持体上に第一磁性層、非磁性層及び第二磁
性層をこの順に有する層構成であり、下層である第一磁
性層にはサーボ信号を記録し、上層である第二磁性層に
情報信号を記録する磁気記録ディスクや(特開平4−2
48120号公報)、支持体の一方の面に非磁性層と磁
性層を設け、他方の面には磁性層を設けた構成であっ
て、非磁性層の上層に位置する磁性層には情報信号のみ
を記録し、他方の磁性層にはサーボコントロール信号の
みを記録する磁気テープが提案されている(特開200
0−315312号公報)。しかし、これらの磁気記録
媒体を、リニア記録方式である長手方向に記録・再生す
る磁気テープとして用いた場合には、サーボ信号による
位置制御が不十分であったり、エラー発生数が高いなど
の問題があり、必ずしも満足のいく結果は得られなかっ
た。
【0011】通常、サーボ信号と情報信号とは、求めら
れる特性が異なることから使用される波長領域が異なる
ことが多く、且つ記録再生方法も異なることが多かっ
た。しかし、これまで、サーボ信号及び情報信号を記録
すべき磁性層の構造とそこに記録されるべきサーボ信号
及び情報信号の波長領域との関係についてまでは検討さ
れていなかった。特に、リニア記録方式を利用し、磁気
抵抗型の再生ヘッドを組み込んだ磁気記録再生システム
において、サーボ信号及び情報信号を異なる磁性層に記
録する場合、それぞれの信号の記録再生に適した磁気記
録再生方法は知られていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、リニア記録方式を利用し、磁気抵抗型の再生ヘッド
を組み込んだ磁気記録再生システムにおいて、高い出力
を達成するとともに、高い信頼性をもってデータの記録
・再生を行う磁気記録再生方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、更なる研
究により、高い記録密度で、かつ大きな記録容量を達成
するために鋭意努力した。その結果、重層磁性層で構成
した磁気記録媒体において、波長及び記録再生方法の異
なる2種類の信号を、それぞれ専用化した磁性層におい
て記録・再生することにより、上記本発明の目的を達成
できることを見出した。
【0014】即ち、本発明の上記目的は、非磁性支持体
上に、第一磁性層及び第二磁性層をこの順に有する磁気
記録媒体に信号を記録し、再生する磁気記録再生方法で
あって、前記第一磁性層に記録されるサーボ信号は波長
が1.0〜12.0μmの範囲であり、前記第二磁性層
に記録される情報信号は波長が0.2〜3.0μmの範
囲であり、前記第一磁性層に記録されるサーボ信号の波
長は、前記第二磁性層に記録される情報信号の波長より
大きく、かつ前記第一磁性層にあらかじめサーボ信号が
記録された状態で、前記第二磁性層に情報信号を記録す
ることを特徴とする磁気記録再生方法により達成され
る。
【0015】本発明の磁気記録再生方法は、以下の態様
であることが好ましい。 (1)使用する磁気記録媒体は、磁気記録テープであ
る。 (2)使用する磁気記録媒体において、重層磁性層は、
厚みが0.05μm〜2.0μmの範囲の情報記録層で
ある第一磁性層及び厚みが0.5μm〜3.0μmの範
囲のサーボ信号記録用磁性層である第二磁性層から構成
される。 (3)使用する磁気記録テープの幅は、3〜20mm、
更に好ましくは7〜19mm、特に好ましくは10〜1
3mmの範囲である。 (4)使用する磁気記録テープ全体の厚みは、2〜20
μm、更に好ましくは5.0〜13.5μm、特に好ま
しくは7.0〜12.5μmの範囲である。 (5) 使用する磁気記録媒体において、重層磁性層の
支持体裏面はカーボンブラックを含有するバックコート
層である。 (6)使用する磁気記録媒体において、支持体は、ポリ
エチレンナフタレート、ポリアミド(芳香族ポリアミ
ド、アラミド)又はポリイミド製である。 (7)記録及び再生ヘッドの磁気記録テープに対する幅
芳香の相対位置を制御するために、磁気テープの長手方
向に沿ってサーボコントロール信号が記録されている。 (8)本発明の磁気記録再生方法は、磁気抵抗型の再生
ヘッドを用いる磁気記録再生システム用である。 (9)本発明の磁気記録再生方法は、コンピュータデー
タ記録用である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録再生方法
について更に詳細に説明する。 [磁気記録再生方法]本発明の磁気記録再生方法は、非磁
性支持体上に、第一磁性層及び第二磁性層をこの順に有
する磁気記録媒体に信号を記録し、再生する方法であ
る。非磁性支持体、第一磁性層及び第二磁性層について
は後述する。上記第一磁性層に記録される信号はサーボ
信号であり、その波長は1.0〜12.0μmの範囲で
あり、好ましくは1.5〜10μmの範囲である。サー
ボ信号は、情報記録用磁性層に記録されたデータを精度
良く、正確な位置情報を提供し、制御することができる
という観点から、上記範囲の波長とする。
【0017】上記第二磁性層に記録される信号は情報信
号であり、その波長は0.2〜3.0μmの範囲であ
り、好ましくは0.25〜2.0μmの範囲である。限
定された媒体面積内で有効かつ効率良く記録再生を行う
ことができ、しかも大容量の高密度記録が可能な磁気記
録媒体を達成するためには、トラック幅を狭くし(狭ト
ラック化)、記録密度を上げる必要がある。このため、
情報信号の記録波長は短波長化する傾向にあり、上記範
囲とする。更に、情報信号は、高密度記録のために短波
長であることが必要である一方で、サーボ信号には、情
報信号のような短波長化の要求はない。そこで、本発明
では、情報信号を、サーボ信号よりも短波長とする。本
発明では、サーボ信号の波長は、情報信号の波長の2倍
以上とすることが好ましく、5〜6倍の範囲とすること
がより好ましい。本発明の磁気記録再生方法では、上記
のように、重層磁性層を有する磁気記録媒体を使用し、
第一磁性層にサーボ信号を記録し、第二磁性層に情報信
号を記録すること、即ち、磁性層をそれぞれ専用化する
ことによって、情報信号の正確な読み出しが可能にな
る。
【0018】更に、本発明の磁気記録再生方法では、第
一磁性層(下層)にあらかじめサーボ信号を記録してお
き、その上に、第二磁性層に情報信号を記録する。情報
信号を記録し、さらに再生する際に、同時にサーボ信号
を再生して位置制御を行うことにより、トラックズレ
(オフトラック)の発生なしに、正確な情報信号の記録
再生が可能となる。更に、層を専用化することにより、
同一面上で情報記録並びにサーボコントロール信号の制
御及び記録を行う場合に生じる解像力やヘッド出力の低
下を回避することができる。
【0019】本発明の磁気記録再生方法において、第一
磁性層に記録再生される信号は、サーボ信号であり、サ
ーボフォーマットとしては、例えばLTO(Linea
rTape Open)式サーボフォーマットを用いる
ことができる。但し、これに限定されるものではない。
【0020】LTO式サーボフォーマットでは、カート
リッジ上にテープとは別に4キロバイトの不揮発性メモ
リが記録媒体として搭載されている。このLTO−CM
(LTO−カートリッジメモリ)は、テープ上での現在
のヘッド位置情報などを記録するためのもので、これに
より、カートリッジの入れ替えを行った直後にもテープ
の先頭への巻き戻しを必要とせず、直ちにシークを開始
することができる。また、テープ上の不良エリアの情報
や、トラックの使用状況なども記録されているため、効
率の良い書き込みを行うことができる。尚、LTO式サ
ーボフォーマットには、Ultrium及びAccel
isの2種類がある。前者は100ギガバイトの大容量
記録が可能であり、後者はテープのどの位置にデータが
記録されていても、10秒以下でアクセス可能であると
いう利点があり、本発明では、いずれのサーボフォーマ
ットを用いることもできる。
【0021】第一磁性層へのサーボ信号の記録は、例え
ば、以下のように行うことができる。サーボ信号記録用
ヘッド及び信号制御システムを用いて第一磁性層へサー
ボ信号を記録する。この場合、サーボ信号記録用ヘッド
は生成するべきサーボトラックに対応するギャップを持
ち、複数のサーボトラックを一度に記録できることが望
ましい。記録及び再生ヘッドの磁気記録テープに対する
幅方向の相対位置を制御するために、磁気記録テープの
長手方向に沿ってサーボコントロール信号が記録されて
いることで、再生ヘッドが記録されたトラックの最適な
位置からずれるのを防止し、出力の低下を抑制すること
ができる。よって、サーボ信号を長手方向に記録し、ヘ
ッドのテープに対する相対位置の検出を行うことが、高
記録密度化にはより必要である等の利点が有る。
【0022】本発明の磁気記録再生方法において、第二
磁性層への信号の記録再生は、通常の方法を用いて行う
ことができる。第二磁性層に記録された信号を再生する
際に、同時に第一磁性層に記録されたサーボコントロー
ル信号を読み出し位置制御を行うことにより、高い信頼
性をもって第一磁性層へ記録された信号の再生を行うこ
とができる。
【0023】本発明の磁気記録再生方法は、磁気抵抗型
の再生ヘッドを用いる磁気記録再生システムに好適に用
ることができる。また、本発明の磁気記録再生方法は、
コンピュータデータ記録用として好適である。
【0024】[磁気記録媒体]本発明の磁気記録再生方法
で使用される磁気記録媒体は、非磁性支持体上に、第一
磁性層及び第二磁性層をこの順に有する磁気記録媒体で
ある。第一磁性層及び第二磁性層は、例えば、強磁性体
粉末と結合剤を含む者であることができる。また、第一
磁性層及び第二磁性層は、同一組成の磁性層であって
も、異なる組成の磁性層であってもよい。従って、同一
の強磁性体粉末を含んでもよく、又は全く異なった強磁
性体粉末を含んでもよい。以下、単に磁性層という場合
は、第一磁性層及び第二磁性層のいずれをも含む。
【0025】本発明の磁気記録再生方法において使用さ
れる磁気記録媒体の磁性層に含まれる強磁性体粉末とし
ては、例えば、γ―Fe23、Fe34、FeOx(x
=1.33〜1.5)、CrO2、Co含有γ−Fe2
3、Co含有FeOx(x=1.33〜1.5)、F
e,Ni又はCoを主成分(75%以上含有)とする強
磁性合金粉末(強磁性金属粉末)、及び六方晶フェライ
ト粉末を挙げることができる。但し、これらに限定され
るものではない。
【0026】但し、より高い安定性を得るという観点か
ら、第一磁性層に含まれる強磁性粉末は、第二磁性層に
含まれる強磁性粉末よりも抗磁力が低いものであること
が好ましい。
【0027】これらの強磁性粉末には所定の原子以外に
Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、M
o、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B等
の原子を含んでも構わない。これらの強磁性微粉末には
あとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤
等で分散前にあらかじめ処理を行っても構わない。
【0028】上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末に
ついては少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよ
い。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られた
ものを用いることができ、下記の方法を挙げることがで
きる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素等の
還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素等の還元性気
体で還元してFeあるいはFe−Co粒子等を得る方
法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金
属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あ
るいはヒドラジン等の還元剤を添加して還元する方法、
金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方
法等である。このようにして得られた強磁性合金粉末は
公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾
燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを
送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方
法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調
整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施した
ものでも用いることができる。
【0029】磁性層に用いられる強磁性粉末は、BET
法による比表面積が25〜80m2/gであり、好まし
くは40〜70m2/gであることが適当である。25
2/g以上とすることでノイズが低くなり、80m2
g以下では表面性が良好となる。強磁性粉末粒子の結晶
子サイズは450〜100オングストロームであり、好
ましくは350〜100オングストロームである。酸化
鉄磁性粉末のσsは50A・m2/kg(emu/g)以
上、好ましくは70A・m2/kg(emu/g)以上
であり、強磁性金属微粉末の場合は100A・m2/k
g(emu/g)以上が好ましく、更に好ましくは11
0〜170A・m2/kg(emu/g)である。
【0030】強磁性粉末のr3000は1.5以下であ
ることが好ましい。更に好ましくはr3000は1.0
以下である。r3000とは磁気記録テープを飽和磁化
したのち反対の向きに239kA/m(3000Oe)
の磁場をかけたとき反転せずに残っている磁化量の%を
示すものである。強磁性粉末の含水率は0.01〜2重
量%とするのが好ましい。バインダーの種類によって強
磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。γ−酸化
鉄のタップ密度は0.5g/ml以上が好ましく、0.
8g/ml以上が更に好ましい。合金粉末の場合は0.
2〜0.8g/mlが好ましく、0.8g/ml以下で
は、強磁性粉末の圧密過程でも酸化が進みにくく、充分
なσSを得ることができる。タップ密度が0.2g/m
l以上では分散不十分になりにくい。
【0031】γ−酸化鉄を用いる場合、2価の鉄の3価
の鉄に対する比は好ましくは0〜20%であり更に好ま
しくは5〜10%である。また鉄原子に対するコバルト
原子の量は0〜15%、好ましくは2〜8%である。強
磁性粉末のpHは用いるバインダーとの組合せにより最
適化することが好ましい。その範囲は4〜12である
が、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は必要に応
じ、Al、Si、Y、Nd等の酸化物でその表面の少な
くとも一部が被覆されていても構わない。その量は強磁
性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂
肪酸等の潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好
ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、N
i、Sr等の無機イオンを含む場合があるが500pp
m以下であれば特に特性に影響がない。
【0032】また、本発明の磁気記録再生方法において
用いられる磁気記録媒体の磁性層含まれる強磁性粉末は
空孔が少ないほうが好ましく、その値は20容量%以
下、更に好ましくは5容量%以下である。また形状につ
いては先に示した粒子サイズについての特性を満足すれ
ば針状、粒状、米粒状、板状いずれでも構わない。強磁
性粉末が針状強磁性粉末の場合、針状比は18以下、更
に好ましくは12以下であることが適当である。
【0033】強磁性粉末のSFD(Switching Field
Distribution)を0.6以下とするためには、強磁性粉
末のHcの分布を小さくする必要がある。そのために
は、ゲータイトの粒度分布をよくすること、γ−ヘマタ
イトの焼結を防止すること、コバルト変性の酸化鉄につ
いてはコバルトの被着速度を、従来より遅くすること等
の方法がある。
【0034】本発明の磁気記録再生方法において使用さ
れる磁気記録媒体の磁性層には、板状六方晶フェライト
としてバリウムフェライト、ストロンチウムフェライ
ト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、
Co置換体等、六方晶Co粉末もまた使用できる。具体
的にはマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及
びストロンチウムフェライト、更に一部スピネル相を含
有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及
びストロンチウムフェライト等が挙げられ、特に好まし
いものとしてはバリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライトの各Co置換体である。その他所定の原子以外
に、Al、Si、S、Sc、Ti、V、Cr、Cu、
Y、Mo、Ag、Tc、P、Au、Ba、Ta、Ce等
の元素を含んでも構わない。また、抗磁力を制御するた
め上記六方晶フェライトにCo−Ti、Co−Ti−Z
r、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Ir−Zn
等の元素を添加した物を使用することができる。六方晶
フェライトは、通常、六角板状の粒子であり、その粒子
径は六角板状の粒子の板の幅を意味し、電子顕微鏡を使
用して測定する。
【0035】上記粒子径は0.01〜0.2μmである
ことが好ましく、特に好ましくは0.03〜0.1μm
の範囲である。また、該微粒子の平均厚さ(板厚)は
0.001〜0.2μm程度であるが、特に0.003
〜0.05μmが好ましい。更に板状比(粒子径/板
厚)は1〜10であり、好ましくは3〜7である。ま
た、これら六方晶フェライト微粉末のBET法による比
表面積(SBET)は25〜70m2/gが好ましい。
【0036】本発明の磁気記録再生方法において使用さ
れる磁気記録媒体の磁性層に使用される結合剤(バイン
ダー)としては、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹
脂、反応型樹脂やこれらの混合物を挙げることができ
る。
【0037】上記熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温
度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜2
00000、好ましくは10000〜100000、重
合度が約50〜1000程度のものである。このような
熱可塑系樹脂の例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、
ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル
酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタ
クリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエ
ン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、
ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または
共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げる
ことができる。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂と
してはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬
化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、ア
クリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂と
イソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポ
リオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタン
とポリイソシアネートの混合物等が挙げられる。
【0038】これらの樹脂については朝倉書店発行の
「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されてい
る。また、公知の電子線硬化型樹脂を非磁性層、磁性層
に使用することも可能である。これらの例とその製造方
法については特開昭62−256219号公報に詳細に
記載されている。以上の樹脂は単独または組み合せて使
用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化
ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルア
ルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共
重合体の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン
樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組
み合わせたものが挙げられる。
【0039】ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポ
リカプロラクトンポリウレタン等公知のものが使用でき
る。ここに示したすべてのバインダーについて、より優
れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、COO
M、SO3M、OSO3M、P=O(OM)2、O−P=
O(OM)2(以上につきMは水素原子、またはアルカ
リ金属塩基)、OH、NR2、N+3(Rは炭化水素
基)エポキシ基、SH、CN、等から選ばれる少なくと
も1つ以上の極性基を共重合または付加反応で導入した
ものを用いることが好ましい。このような極性基の量は
10-1〜10 -8モル/gであり、好ましくは10-2〜1
-6モル/gである。
【0040】本発明で使用される磁気記録媒体の磁性層
に用いられるこれらのバインダーの具体的な例としては
ユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMC
H、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYN
C、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKH
J、PKHC、PKFE、日信化学工業社製MPR−T
A、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TS
N、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、M
PR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、D
X81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン
社製MR−105、MR110、MR100、400X
−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN230
1、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデ
ックスT−5105、T−R3080、T−5201、
バーノックD−400、D−210−80、クリスボン
6109、7209、東洋紡社製バイロンUR820
0、UR8300、UR−8700、UR−4300、
RV530、RV280、大日精化社製ダイフェラミン
4020、5020、5100、5300、9020、
9022、7020、三菱化学社製MX5004、三洋
化成社製サンプレンSP−150、TIM−3003、
TIM−3005、旭化成社製サランF310、F21
0等が挙げられる。
【0041】磁性層に用いられるバインダーは強磁性粉
末に対し、5〜50重量%の範囲、好ましくは10〜3
0重量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用い
る場合は5〜30重量%、ポリウレタン樹脂合を用いる
場合は2〜20重量%、ポリイソシアネートは2〜20
重量%の範囲でこれらを組み合わせて用いるのが好まし
い。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラ
ス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2
000%、破断応力は4.9〜980kPa(0.05
〜10kg/cm2)、降伏点は4.9〜980kPa
(0.05〜10kg/cm2)が好ましい。
【0042】本発明で使用される磁気記録媒体は、重層
磁性層を有するが、各層におけるバインダー量、バイン
ダー中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁
性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先
に述べた樹脂の物理特性等は、必要に応じて、両磁性層
の間で適度変えることは可能である。例えば、磁性層表
面の擦傷を減らすためには磁性層のバインダー量を増量
することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを
良好にする為には、非磁性層のバインダー量を多くして
柔軟性を持たせることにより達成される。
【0043】本発明で使用する磁気記録媒体の磁性層に
おいてバインダーとして用いるポリイソシアネートとし
ては、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−
1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメ
タントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、
これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成
物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポ
リイソシアネート等を使用することができる。これらの
イソシアネート類の市販されている商品名としては、日
本ポリウレタン社製コロネートL、コロネートHL、コ
ロネート2030、コロネート2031、ミリオネート
MR、ミリオネートMTL、武田薬品社製タケネートD
−102,タケネートD−110N、タケネートD−2
00、タケネートD−202、住友バイエル社製デスモ
ジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、
デスモジュールHL等がありこれらを単独または硬化反
応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで非
磁性層、磁性層とも用いることができる。
【0044】本発明で使用する磁気記録媒体の両磁性層
には、カーボンブラックを添加することができる。カー
ボンブラックとしては、例えば、ゴム用ファーネス、ゴ
ム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラッ
ク、等を用いることができる。カーボンブラックの比表
面積は、5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜4
00ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは
2〜10、含水率は0.1〜10重量%、タップ密度は
0.1〜1g/ml、であることが好ましい。本発明に
用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャ
ボット社製BLACKPEARLS 2000、130
0、1000、900、800,700、VULCAN
XC−72、旭カーボン社製#80、#60、#5
5、#50、#35、三菱化学社製#2400B、#2
300、#900,#1000、#30、#40、#1
0B、コンロンビアカーボン社製CONDUCTEX
SC、RAVEN150、50、40、15等が挙げら
れる。カーボンブラックを分散剤等で表面処理したり、
樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラフ
ァイト化したものを使用しても構わない。また、カーボ
ンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめバイン
ダーで分散しても構わない。これらのカーボンブラック
は単独、または組合せで使用することができる。
【0045】カーボンブラックを使用する場合は強磁性
粉末に対する量の0.1〜30重量%で用いることが好
ましい。
【0046】カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩
擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上等の働きがあり、
これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って
本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは情報記
録用磁性層、サーボ信号記録用磁性層及び非磁性層の間
で、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油
量、電導度、pH等の先に示した諸特性をもとに目的に
応じて使い分けることができる。本発明で使用できるカ
ーボンブラックとしては、例えば「カーボンブラック便
覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができ
る。
【0047】本発明で使用する磁気記録媒体の第一磁性
層及び第二磁性層のいずれにも、研磨剤を添加すること
ができる。研磨剤としては、例えば、α化率90%以上
のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイ
アモンド、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、
二酸化珪素、窒化ホウ素、等主としてモース硬度6以上
の公知の材料を単独または組合せて使用することができ
る。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他
の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これ
らの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれ
る場合もあるが主成分が90重量%以上であれば効果に
かわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜
2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる
研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を
広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密
度は0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5重量%、
pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/g、が好ま
しい。研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいず
れでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が
高く好ましい。研磨剤の具体的な例としては、住友化学
社製AKP−20、AKP−30、AKP−50、HI
T−55、HIT−60A、HIT−70、HIT−1
00、日本化学工業社製G5、G7、S−1、戸田工業
社製TF−100、TF−140等が挙げられる。研磨
剤は磁性層(情報記録用磁性層及びサーボ信号記録用磁
性層)、非磁性層で種類、量および組合せを変え、目的
に応じて使い分けることはもちろん可能である。これら
の研磨剤はあらかじめバインダーで分散処理したのち磁
性塗料中に添加しても構わない。本発明の磁気記録テー
プの磁性層表面および磁性層端面に存在する研磨剤は5
個/100μm2以上が好ましい。
【0048】第一磁性層及び第二磁性層には、上記以外
の添加剤として、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、
可塑効果、等をもつものを更に使用することができる。
また、必要により、非磁性層にもこれらの添加剤を添加
することができる。
【0049】このような添加剤としては、例えば、二硫
化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化
ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつ
シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコ
ーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポ
リオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル
およびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよ
びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素
含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、
炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していても構わない)、および、これら
の金属塩(Li、Na、K、Cu等)または、炭素数1
2〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコ
ール、(不飽和結合を含んでも、また分岐していても構
わない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、
炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含ん
でも、また分岐していても構わない)と炭素数2〜12
の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのい
ずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していて
も構わない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂
肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオ
キシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステ
ル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の
脂肪族アミン、等が使用できる。
【0050】これらの具体例としてはラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ス
テアリン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン
酸、エライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン
酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オ
クチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソル
ビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステ
アレート 、アンヒドロソルビタントリステアレート、
オレイルアルコール、ラウリルアルコール、が挙げられ
る。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド
付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステ
ルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導
体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等
のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、
燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を含
むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、ア
ルキルベタイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。
【0051】これらの界面活性剤については、「界面活
性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載され
ている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも10
0%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物 等の不純分がふくまれても構
わない。これらの不純分は30%以下が好ましく、更に
好ましくは10%以下である。
【0052】上記の潤滑剤、界面活性剤は、非磁性層
で、その種類、量を必要に応じ使い分けることができ
る。例えば、情報記録用磁性層、サーボ信号記録用磁性
層及び非磁性層で、融点の異なる脂肪酸を用い、(1)
表面へのにじみ出しを制御する、(2)沸点や極性の異
なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、
(3)界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向
上させる、(4)潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして
潤滑効果を向上させる、等をすることができる。但し、
これらの例に限られるものではない。
【0053】また本発明で使用される磁気記録媒体にお
いて用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性
塗料製造のどの工程で添加しても構わない、例えば、混
練工程前に強磁性粉末と混合する場合、強磁性粉末とバ
インダーと溶剤による混練工程で添加する場合、分散工
程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に
添加する場合等がある。また、目的に応じて磁性層を塗
布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または
全部を塗布することにより目的が達成される場合があ
る。また、目的によってはカレンダーした後、またはス
リット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもで
きる。
【0054】本発明で使用される磁気記録媒体において
使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社
製NAA−102、NAA−415、NAA−312、
NAA−160、NAA−180、NAA−174、N
AA−175、NAA−222、NAA−34、NAA
−35、NAA−171、NAA−122、NAA−1
42、NAA−160、NAA−173K、ヒマシ硬化
脂肪酸、NAA−42、NAA−44、カチオンSA、
カチオンMA、カチオンAB、カチオンBB、ナイミー
ンL−201、ナイミーンL−202、ナイミーンS−
202、ノニオンE−208、ノニオンP−208、ノ
ニオンS−207、ノニオンK−204、ノニオンNS
−202、ノニオンNS−210、ノニオンHS−20
6、ノニオンL−2、ノニオンS−2、ノニオンS−
4、ノニオンO−2、ノニオンLP−20R、ノニオン
PP−40R、ノニオンSP−60R、ノニオンOP−
80R、ノニオンOP−85R、ノニオンLT−22
1、ノニオンST−221、ノニオンOT−221、モ
ノグリMB、ノニオンDS−60、アノンBF、アノン
LG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エルカ
酸、関東化学社製オレイン酸、竹本油脂社製FAL−2
05、FAL−123、新日本理化社製エヌジェルブL
O、エヌジェルブIPM、サンソサイザーE4030、
信越化学社製TA−3、KF−96、KF−96L、K
F96H、KF410,KF420、KF965、KF
54、KF50、KF56、KF907、KF851、
X−22−819、X−22−822、KF905、K
F700、KF393、KF−857、KF−860、
KF−865、X−22−980、KF−101、KF
−102、KF−103、X−22−3710、X−2
2−3715、KF−910、KF−3935、ライオ
ンアーマー社製アーマイドP、アーマイドC、アーモス
リップCP、ライオン油脂社製デュオミンTDO、日清
製油社製BA−41G、三洋化成社製プロファン201
2E、ニューポールPE61、イオネットMS−40
0、イオネットMO−200、イオネットDL−20
0、イオネットDS−300、イオネットDS−100
0、イオネットDO−200等が挙げられる。
【0055】本発明で使用される磁気記録媒体において
用いられる有機溶媒は任意の比率でアセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケ
トン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフ
ラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピ
ルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコー
ル類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸
イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステ
ル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエ
チルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、
ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベ
ンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エ
チレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレ
ンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水
素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のも
のが使用できる。これら有機溶媒は必ずしも100%純
粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応
物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれても構わ
ない。これらの不純分は30%以下が好ましく、更に好
ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は
磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好まし
い。その添加量は変えても構わない。非磁性層に表面張
力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサン等)を用
い塗布の安定性をあげる、具体的には上層溶剤組成の算
術平均値が下層溶剤組成の算術平均値を下回らないこと
が肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極
性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以
上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、
溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
【0056】[支持体]本発明で使用される磁気記録媒体
の非磁性支持体としては、例えば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポ
リカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド
イミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド
等の公知の可撓性フィルムを使用することができる。支
持体は、特に、ポリエチレンナフタレート製かポリアミ
ド(芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイミド製であ
ることが好ましい。
【0057】これらの支持体にはあらかじめコロナ放電
処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、
等を行っても良い。上記非磁性支持体は、テープ走行方
向のF−5値が、好ましくは49〜490MPa(5〜
50kg/mm2)であり、テープ幅方向のF−5値が
好ましくは29.4〜294MPa(3〜30kg/m
2)であることが適当である。テープ長手方向のF−
5値がテープ幅方向のF−5値より高いのが一般的であ
る。但し、特に幅方向の強度を高くする必要があるとき
はその限りでない。
【0058】また、支持体のテープ走行方向および幅方
向の100℃、30分での熱収縮率は、好ましくは3%
以下、更に好ましくは1.5%以下、80℃、30分で
の熱収縮率は、好ましくは1%以下、更に好ましくは
0.5%以下であることが適当である。破断強度は両方
向とも49〜980MPa(5〜100kg/m
2)、弾性率は0.98〜19.6GPa(100〜
2000kg/mm2)であることが好ましい。
【0059】本発明で用いられる磁気記録媒体が磁気テ
ープである場合、例えば以下の方法により、重層構成の
磁気記録テープを製造することができる。 磁性塗料の塗布で一般に用いられるグラビア塗布、ロ
ール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置
等により、まず第一磁性層を塗布し、第一磁性層がウエ
ット状態のうちに、特公平1−46186号公報、特開
昭60−238179号公報、特開平2−265672
号公報に開示されているような支持体加工型エクストル
ージョン塗布装置により、第二磁性層を塗布する。 特開昭63−88080号公報、特開平2−1797
1号公報、特開平2−265672号公報に開示されて
いるような塗布液通液スリットを2つ内蔵する1つの塗
布ヘッドにより、第一、第二磁性層をほぼ同時に塗布す
る。 特開平2−174965号公報に開示されているよう
なバックアップロール付エクストルージョン塗布装置に
より、第一、第二磁性層をほぼ同時に塗布する。 尚、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性
の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報
や、特開平1−236968号公報に開示されているよ
うな方法により、塗布ヘッド内部の塗布液に剪断を付与
することが望ましい。更に、塗布液の粘度は、第二磁性
層(情報記録用磁性層)の塗布液粘度を、第一磁性層
(サーボ信号記録用磁性層)の塗布液粘度より低くする
ことが好ましい。上記処理の後、磁場配向及び乾燥を行
うことで、磁気記録テープを製造することができる。
【0060】本発明で使用される磁気記録媒体調製用の
磁性塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散
工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた
混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に
分かれていても構わない。本発明に使用する強磁性粉
末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、
潤滑剤、溶剤等すべての原料はどの工程の最初または途
中で添加しても構わない。また、個々の原料を2つ以上
の工程で分割して添加しても構わない。例えば、ポリウ
レタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のため
に、混合工程へ分割して投入してもよい。
【0061】本発明で使用される磁気記録媒体の製造に
は、上述のように、従来の公知の製造技術を用いること
ができることはもちろんであるが、混練工程では連続ニ
ーダや加圧ニーダ等強い混練力を持つものを使用するこ
ともできる。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合
は強磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし
全結合剤の30%以上が好ましい)および強磁性粉末1
00重量部に対し、例えば、15〜500重量部の範囲
で混練処理される。これらの混練処理の詳細については
特開平1−106338号公報、特開昭64−7927
4号公報に記載されている。また、非磁性層液を調整す
る場合には高比重の分散メディアを用いることが望まし
く、ジルコニアビーズが好適である。
【0062】なお、磁性粒子の凝集による磁気記録テー
プの電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62
−95174号公報や特開平1−236968号公報に
開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布
液にせん断を付与することが望ましい。
【0063】更に、カレンダ処理ロールとしてエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐
熱性のあるプラスチックロールを使用することができ
る。また、金属ロール同志で処理することもできる。こ
の処理温度は、好ましくは70℃以上、更に好ましくは
80℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/c
m、更に好ましくは300kg/cm以上である。本発
明の磁気記録テープにおいては、第二磁性層のSUS4
20Jに対する摩擦係数は、例えば、0.30以下、好
ましくは0.25以下にすることができる。また、第二
磁性層の表面固有抵抗は、例えば、104〜1010オー
ム/sqであることができる。磁性層の0.5%伸びで
の弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは0.98〜
19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、破
断強度は好ましくは1〜30kg/cm2、磁気記録テ
ープの弾性率は走行方向、長い方向とも好ましくは0.
98〜14.7GPa(100〜1500kg/m
2)、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃
以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以
下、更に好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.
1%以下である。磁性層のガラス転移温度(110Hz
で測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は、
いずれの磁性層においても、50℃以上120℃以下が
好ましく、非磁性層のそれは0℃〜100℃が好まし
い。損失弾性率は、1×107〜8×108Pa(1×1
8〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好まし
く、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失
正接が比較的小さいと粘着故障が出にくいという利点が
ある。
【0064】磁性層中に含まれる残留溶媒は、いずれの
磁性層においても、好ましくは100mg/m2以下、
更に好ましくは10mg/m2以下である。磁性層が有
する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量
%以下、更に好ましくは20容量%以下である。空隙率
は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的
によってはある値を確保した方が良い場合がある。例え
ば、繰り返し用途が重視されるデータ記録用磁気記録テ
ープでは空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいこと
が多い。磁性層のSFD(Switching Field Distribu
tion)は0.6以下であることが好ましい。磁性層の中
心線表面粗さ(カットオフ値0.25mm)Raは1n
m〜10nmが好ましいが、その値は目的により適宜設
定される。電磁変換特性を良好にする為にはRaは小さ
いほど好ましいが、走行耐久性を良好にするためには逆
に大きいほど好ましい。AFM(Atomic Force Micro
Scope)による評価で求めたRMS(2乗平均)表面粗
さRRMSは、例えば、2nm〜15nmの範囲にあるこ
とができる。
【0065】〔層構成〕本発明で使用する磁気記録テー
プにおける、支持体、第一磁性層及び第二磁性層の厚み
について、以下にさらに説明する。
【0066】第二磁性層は、短波長記録のため記録層の
表面しか寄与しないため薄い方が有効であり、0.05
〜2.0μmであることが好ましく、より好ましくは、
0.10〜1.8μmの範囲であることが適当である。
【0067】第一磁性層は、厚みには特に限定はない
が、記録波長的には長波長記録のため深層記録が可能で
あるという観点から、厚みは0.5〜3.0μmの範囲
であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2.5
μmの範囲であることが適当である。
【0068】非磁性支持体の厚みは、1.0〜100μ
mの範囲であり、好ましくは4.0〜80μmの範囲で
あることが適当である。
【0069】第一磁性層と第二磁性層を合わせた厚み
は、例えば、非磁性支持体の厚みの1/100〜2倍の
範囲とすることが適当である。また、非磁性支持体と第
一磁性層の間には、密着性向上のための下塗り層を設け
ても構わない。この下塗層の厚みは、例えば、0.01
〜2.0μmであることが適当であり、好ましくは0.
02〜1.0μmである。
【0070】また、本発明で使用される磁気記録媒体
は、支持体の重層磁性層を設けた面の裏面に、従来使用
されているカーボンブラック含有のバックコート層を設
けることもできる。但し、目的等によってはバックコー
ト層がなくても構わない。
【0071】本発明で使用される磁気記録媒体は、全体
の厚みが2〜20μmの範囲であることが適当であり、
好ましくは5.0〜13.5μm、より好ましくは7.
0〜12.5μmの範囲である。磁気記録テープ全体の
厚みが上記範囲内であれば、システム設計上使用性が良
好であり、かつ走行特性上の品質確保のためにも最適で
ある。また、磁気記録媒体の幅は、システム設計上及び
取扱いにおける機能上の使用性が良好であるため、例え
ば、3〜20mmの範囲であることができ、好ましくは
7〜19mm、特に好ましくは10〜13mmの範囲で
ある。
【0072】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明
の精神から逸脱しない範囲において変更し得るものであ
ることは、本業界に携わるものにとっては容易に理解さ
れることである。従って本発明は下記の実施例に制限さ
れるものではない。尚、実施例中の部は重量部を示す。
【0073】 <第二磁性層形成用成分> 強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=90/10 100部 Hc:147kA/m(1850Oe) BET法による比表面積:58m2/g 結晶子サイズ:175Å 粒子サイズ(長軸径):0.09μm 針状比:7 σs:130A・m2/kg(130emu/g) pH:8.6 水溶性Na:70ppm 水溶性Ca:10ppm 水溶性Fe:10ppm 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン製MR−110) 12部 -SO3Na含有量:5×10-6eq/g 重合度:350 エポキシ基(モノマー単位で3.5重量%) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール /MDI(4,4'-diphenylmethane-diisocyanate) =0.9/2.6/1 -SO3Na基:1×10-4eq/g含有 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL) 3部 α-アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 5部 カーボンブラック(粒子サイズ:0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 75部
【0074】 <第一磁性層形成用成分> 強磁性微粉末 Co含有γ-酸化鉄 100部 Hc:75.6kA/m(950Oe) BET法による比表面積:52m2/g 結晶子サイズ:175Å Co量(Co/Fe):5.7at% σs:79A・m2/kg(79emu/g) pH:8.6 水溶性Na:55ppm 水溶性Ca:20ppm 塩化ビニル系共重合体(日本ゼオン製MR−110) 12部 -SO3Na含有量:5×10-6eq/g 重合度:350 エポキシ基(モノマー単位で3.5重量%) ポリエステルポリウレタン樹脂 3部 ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール /MDI(4,4'-diphenylmethane-diisocyanate) =0.9/2.6/1 -SO3Na基:1×10-4eq/g含有 ポリイソシアネート(日本ポリウレタン製コロネートL) 3部 α-アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 5部 カーボンブラック(粒子サイズ:0.10μm) 0.5部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部
【0075】 <バックコート層形成用成分> カーボンブラック 100部 平均一次粒子径:17nm DBP吸油量:75ml/100g pH:8.0 BET法による比表面積:220m2/g 揮発分:1.5% 嵩密度:15lbs/ft3 ニトロセルロース樹脂 100部 ポリエステルポリウレタン樹脂 30部 (日本ポリウレタン工業(株)製ニッポラン) 分散剤 オレイン酸銅 10部 銅フタロシアニン 10部 硫酸バリウム(沈降性) 5部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部 カーボンブラック 100部 平均一次粒子径:200nm DBP吸油量:36ml/100g pH:8.5 BET法による比表面積:200m2/g α-アルミナ(粒子サイズ:0.2μm) 0.1部 〔磁気記録テープの製造方法〕上記の塗料のそれぞれに
ついて、各成分を連続ニーダで混練したのち、サンドミ
ルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシア
ネートを第二磁性層の塗布液及び第一磁性層の塗布液に
それぞれ3部加え、更にそれぞれにメチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え、1μmの
平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、第一及び
第二磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。得られ
た第一磁性層塗布液を、乾燥後の厚さが2.0μmにな
るように、更にその直後にその上に第二磁性層が乾燥後
の厚さが0.2μmになるように、厚さ6.0μmで中
心線表面粗さ(カットオフ値0.25mm)が0.01
μmのポリエチレンナフタレート支持体(PEN)上に
同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに
3×10-1Tの磁力をもつコバルト磁石により配向し
た。また、バックコート層形成用の塗布液を、反対側の
支持体の面に乾燥後の厚さが0.5μmになるように塗
布した。第一及び第二磁性層並びにバックコート層を形
成した磁気記録テープは、金属ロールのみで構成されて
いる7段のカレンダー処理機(温度90℃、線圧300
kg/cm、速度200m/分)に通してカレンダー処理
を行った。
【0076】カレンダー処理された磁気記録テープのロ
ールを1/2インチ幅にスリットする。その後1/2イ
ンチ幅にスリットされた磁気記録テープを3480型カ
ートリッジに580m巻き込みを行った。巻き込み条件
の速度は7m/secで実施した。
【0077】実施例1〜3において、第一磁性層及び第
二磁性層へ記録する信号の波長は、以下の通りである。 第一磁性層記録波長 第二磁性層記録波長 倍率 実施例1 1.0μm 0.5μm 2倍 実施例2 2.5μm 0.5μm 5倍 実施例3 5.0μm 0.5μm 10倍
【0078】比較例1 第一磁性層を設けなかった以外は実施例1と同様に作製
した磁気記録テープを用いて記録再生を行った例であ
る。
【0079】比較例2 第一磁性層を設けず単層磁性層構成とし、実施例1にお
いて第一磁性層に記録された信号及び第二磁性層に記録
された信号を、同一面上に記録した以外は実施例2と同
様に記録再生を行った例である。
【0080】比較例3 第一磁性層をバックコート層に代えて支持体裏面に設け
た以外は実施例2と同様に記録再生を行った例である。
【0081】[サーボ信号の記録方法]テープ送り速度4
m/secでLTO用サーボライト用特殊ヘッドを作製
し、LTO式サーボフォーマットを行った。但し、スト
ライプ幅は2.5μmとした。これは、実質記録波長λ
としては、5.0μmに相当する。
【0082】[磁気記録再生の評価]得られた磁気記録
テープを用いて以下のような性能評価を行った。 1.磁気記録再生システムの組立 (1)薄膜磁気ヘッド 記録ヘッド 構造:2ターン薄膜コイルをCo系アモルファス磁性薄
膜ヨークで狭持したインダクティブヘッドである。 トラック幅:66μm ギャップ長:1.4μm 再生ヘッド 構造:両シールド型シャントバイアスMR(磁気抵抗
型)ヘッドである。MR素子はFe/Ni(パーマロ
イ)合金薄膜である。 トラック幅:22μm シールド間隔:0.45μm (2)磁気再生システムの組立 磁気再生ヘッドを富士通(株)製F613Aドライブ
(3480型1/2インチカートリッジ磁気テープ記録
再生装置)に装着し、テープスピード40インチ/秒の
磁気記録再生システムを作製した。
【0083】2.再生出力の測定評価 上記の磁気記録再生システムに、実施例及び比較例の磁
気記録テープを装着して、下記の条件で再生出力を測定
した。 A.サーボ制御がない場合 トラック幅80μm、トラック数128データを0.8
μmの記録波長で第二磁性層に記録し、50μmの幅を
持つ再生ヘッドで再生し、出力を測定評価した。 B.サーボ制御がある場合 トラック幅80μm、トラック数128データを0.5
μmの記録波長で第二磁性層に記録し、サーボによるト
ラック制御をしつつ50μmの幅を持つ再生ヘッドで再
生出力を測定評価した。
【0084】3.耐久性テスト 上記の磁気記録再生システムに、実施例及び比較例の磁
気記録テープ(サーボ信号によるトラック制御なし)を
装着してテープ全長50000パスの繰り返し走行を行
い評価した。その際、出力低下については磁気記録テー
プの全長に渡って再生出力を測定し、初期の再生出力に
対する低下分を出力低下として評価した。
【0085】4.サーボエラー発生頻度 サーボ信号を制御しながら5000パスの繰り返し耐久
テストを行い、サーボエラーの発生頻度を測定した。特
に走行中書き込めない部分が起きた場合にリトライの状
況を観察評価した。
【0086】5.情報記録用磁性層S/N 上記の磁気記録再生システムにおいて、実施例及び比較
例の磁気記録テープをドライブに装着してドライブ測定
時の出力とノイズ差をdB(デシベル)で表す。20d
B以上であれば、実用上問題のないレベルである。
【0087】6.エラー発生数 磁気記録再生システムにおいて、200GB記録再生し
たときに、20dBのスライスレベルを割ったときのエ
ラー発生数を示す。20ケ以下であれば実用上問題のな
いレベルである。
【0088】7.容量比較 サーボ信号と情報信号とを同一層上に記録する場合(比
較例2)、サーボ信号に相当する記録分だけ、情報信号
の記録が不可能となる。そこで、サーボ信号の寄与を差
し引いた情報信号容量と、サーボ信号の寄与がない場合
の情報信号容量との相対値を、容量比較の値とする。従
って、実施例1〜3並びに比較例1及び3では、情報信
号容量に対するサーボ信号の寄与がないので、容量比較
は1.0となる。
【0089】
【表1】
【0090】[評価結果]実施例1〜3及び比較例1〜3
における磁気記録再生の評価結果を表1に示す。表1に
示されるように、専用化された重層磁性層を有する磁気
記録テープを用いた実施例1〜3における記録再生は、
第二磁性層(上層)のS/N比及び走行耐久性が良好で
あった。また、実施例1〜3における記録再生では、磁
気記録テープのサーボエラーは、実用上特に問題ないレ
ベルであった。一方、サーボコントロール信号をいずれ
の磁性層にも記録せずに、情報信号の記録再生を行った
比較例1では、サーボコントロール信号による位置制御
を行わなかったため、エラー発生数が高かった。単層磁
性層に情報信号及びサーボコントロール信号を記録した
磁気記録テープを用いた比較例2では、テープ表面が平
滑であり磁性面が削れ易く粉落ち等が生じるため耐久性
が劣り、エラー発生数が極めて高かった。支持体裏面に
サーボコントロール信号を記録した磁気記録テープを用
いた比較例3では、磁性層に比べて表面性の粗いサーボ
記録用磁性層の写りが情報信号記録用磁性層へ大きく影
響すること、サーボ記録用磁性層の表面突起がヘッドで
削られ飛散すること等が原因でヘッド目詰まり等が生じ
た。このため、実施例と比べてエラー発生数は大幅に高
かった。
【0091】
【発明の効果】本発明の磁気記録再生方法は、リニア記
録方式を利用し磁気抵抗型の再生ヘッドを組み込んだ磁
気記録再生システムにおいて、より高い記録密度で、且
つ大きな記録容量で記録再生を行うことができる。即
ち、波長及び記録再生方法の異なる2種類の信号を、重
層磁性層を有する磁気記録媒体において専用化した各磁
性層に別々に記録再生することにより、記録容量の向上
及び走行安定性を達成することができる高密度化に最適
な磁気記録再生方法を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BB08 DA00 FA00 5D031 AA01 BB05 CC20 EE07 HH20 5D091 AA01 BB07 CC01 DD03 GG08 HH20

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に、第一磁性層及び第二磁
    性層をこの順に有する磁気記録媒体に信号を記録し、再
    生する磁気記録再生方法であって、 前記第一磁性層に記録されるサーボ信号は波長が1.0
    〜12.0μmの範囲であり、 前記第二磁性層に記録される情報信号は波長が0.2〜
    3.0μmの範囲であり、 前記第一磁性層に記録されるサーボ信号の波長は、前記
    第二磁性層に記録される情報信号の波長より大きく、か
    つ前記第一磁性層にあらかじめサーボ信号が記録された
    状態で、前記第二磁性層に情報信号を記録することを特
    徴とする磁気記録再生方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020195150A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 ソニー株式会社 サーボ信号ベリファイ装置、サーボライタ、磁気記録テープの製造方法、及びサーボ信号読取ヘッド

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