JP2002333828A - 電子地図データ - Google Patents

電子地図データ

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JP2002333828A
JP2002333828A JP2001136269A JP2001136269A JP2002333828A JP 2002333828 A JP2002333828 A JP 2002333828A JP 2001136269 A JP2001136269 A JP 2001136269A JP 2001136269 A JP2001136269 A JP 2001136269A JP 2002333828 A JP2002333828 A JP 2002333828A
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JP
Japan
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data
map data
road
electronic map
closed
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JP2001136269A
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Masanori Saito
正典 斎藤
Junya Amita
純也 網田
Kenji Shono
謙二 正野
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Zenrin Co Ltd
Original Assignee
Zenrin Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利便性の高い電子地図データを生成する。 【解決手段】 道路の属性情報が保持されているもの
の、各道路が線分で定義された広域的な第1データベー
スと、建物などの背景データが詳細な第2データベース
を用意する。第1データベースの道路をポリゴン化する
とともに、属性情報を付して道路データを生成する。背
景データは第2データベースを優先して生成する。両者
を統合することにより、ポリゴン化された道路、属性情
報、詳細な背景データを備えた利便性の高い電子地図デ
ータが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子地図データを
用いた地図表示技術および電子地図データの生成技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータで利用可能に電子化
された地図データ(以下、「電子地図データ」と呼ぶ)
の利用が広まっている。電子地図データは、いわゆるパ
ーソナルコンピュータでの地図表示、車載用のナビゲー
ションシステム、インターネットを介した地図提供およ
び印刷物としての地図の版下作成などに利用される。特
に、ナビゲーションシステムでは、目的地の設定、目的
地までの経路探索などを容易に行うことができる点で、
電子地図データの有用性が高い。
【0003】従来の電子地図データは、2種類に大別さ
れる。第1は、国土地理院が印刷物として発行している
1/25000地形図に基づいて生成されたデータであ
る。このデータは、国内全域において高精度なデータを
用意できる反面、道路が線分で定義されており、直感的
に理解しづらい特徴があった。第2は、いわゆる国土基
本図、都市計画図、住宅地図などの大縮尺の地図に基づ
いて生成されたデータである。このデータは、建造物の
形状などを詳細に示したデータであり直感的に理解しや
すい反面、都市部など限られた地域でのみ利用可能とい
う特徴があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの電子
地図データのいずれも、次の点で、ナビゲーションシス
テムその他のアプリケーションソフトウェアでの利用に
十分適合していたとは言えなかった。
【0005】種々のアプリケーションソフトウェアでの
利用を考慮すると、電子地図データは、次の特徴を備え
ることが望ましい。第1に、各道路について国道、県道
などの種別、一方通行など通行可能方向の規制に関する
情報を属性として十分に保持していることが望ましい。
第2に、道路等は可能な限り現実に近い表示がなされる
ことが望ましい。例えば、道路を線分で定義するのでは
なく、幅を有する形状として定義することが望ましい。
第3に、国内全域について、同程度の詳細さでデータを
備えることが望ましい。
【0006】従来の電子地図データは、これらの条件を
十分には満足していなかった。本発明は、かかる課題に
鑑みてなされたものであり、電子地図データの利便性の
向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明では、
以下に示す種々の態様で電子地図データを生成するもの
とした。
【0008】第1の電子地図データ生成装置は、地図デ
ータ参照部、地図データ生成部を備える。地図データ参
照部は、第1および第2の地図データを参照する機能を
奏する。地図データ生成部は、参照される第1および第
2の地図データを統合して新規な地図データを生成す
る。もちろん、3種類以上の地図データを参照するもの
としても構わない。
【0009】ここで参照される地図データは、それぞれ
次の特徴を有する。第1の地図データは、道路に関する
属性情報が第2の地図データより詳細であるとともに、
少なくとも一部の道路データが線分で定義されたデータ
である。つまり、道路の属性を重視したデータである。
例えば、従来技術で例示した1/25000地形図に基
づいて生成された地図データは、第1の地図データに含
まれる。
【0010】これに対し、第2の地図データは、第1の
地図データよりも道路以外の背景データが詳細に定義さ
れたデータである。つまり、背景を重視したデータであ
る。背景には、鉄道、各種施設、建造物、河川、田畑な
どが含まれる。道路は、背景データを詳細に定義した結
果生じる余白部として表現されているデータであっても
よいし、背景とは個別の閉図形として定義されているデ
ータであってもよい。例えば、従来技術で例示した国土
基本図、都市計画図、住宅地図などの大縮尺の地図に基
づいて生成されたデータは、第2の地図データに含まれ
る。
【0011】地図データ生成部は、次の通り、第1およ
び第2の地図データを統合する。まず、道路データとし
て、所定の幅を有する閉図形データおよびその道路の属
性情報を相互に関連づけて生成する。このデータ生成
は、第1の地図データ中の道路データに基づいて行われ
る。幅は、予め設定された一定値としてもよいし、第1
の地図データに含まれる属性に基づいて定義してもよ
い。後者の態様としては、国道、県道など道路の種別に
よって定義する方法、車線数、道幅などの属性に基づい
て定義する方法が挙げられる。
【0012】背景データは、第2の地図データを優先し
て生成する。「優先」であるから、必要に応じて第1の
地図データも参照される。例えば、第2の地図データに
背景データが含まれていない地域、または第2の地図デ
ータが存在しない地域については、第1の地図データに
含まれる範囲で背景データが生成される。
【0013】第1および第2の地図データ間の誤差等に
基づき、統合時に背景データと道路データとの間に齟齬
が生じる可能性がある。かかる場合には、背景データま
たは道路データの齟齬を回避するよう、少なくとも一方
を修正することが望ましい。地図としての機能を考慮す
れば、道路データを優先し、これとの齟齬を回避するよ
う、背景データの位置、サイズを調整することがより望
ましい。
【0014】第1の電子地図データ生成装置によれば、
道路に重点を置いて生成された第1の地図データと背景
に重点を置いて生成された第2の地図データの利点を兼
ね備えた地図データを生成することができる。道路を閉
図形データで表現するとともに、背景データを統合する
ことにより、直感的に理解しやすい地図を提供可能とな
る。また、道路データは、第1の地図データに基づいて
生成されるため、広範囲に亘って比較的容易に同一基準
でのデータを用意することができる利点がある。道路に
関連付けられた種々の属性情報は、種々のアプリケーシ
ョンにおいて、経路探索などの用途に有効活用すること
ができる。
【0015】本発明の第2の電子地図データ生成装置
は、閉図形データ生成部、縁線データ生成部、グループ
データ生成部を用いて道路のデータを生成する。
【0016】閉図形データ生成部は、道路に対応する閉
図形データを生成する。これにより、各道路は幅をもっ
た塗りつぶし可能な形状として定義される。道路は、例
えば、交差点で分断し、それぞれを一以上の閉図形で定
義することが、形状定義およびデータ管理の容易性の観
点から望ましい。
【0017】縁線データ生成部は、道路の縁線に対応す
る線分で定義された縁線データを生成する。上述の閉図
形の一辺を縁線として利用するのではなく、縁線を別途
定義する。つまり、閉図形とは別のオブジェクトとして
縁線を定義する。縁線は閉図形の一辺と重なるのが通常
であり、閉図形を定義するデータの一部を縁線の定義に
流用可能であることは言うまでもない。従って、縁線の
形状を定義するためのデータとして、閉図形を定義する
データのうち縁線で利用する部分を示すポインタを用い
るものとしてもよい。
【0018】グループデータ生成部は、閉図形データと
縁線データとを関連付けるグループデータを生成する。
これによって、両者は一体的なグループとして扱うこと
が可能となる。グループデータは、単一の閉図形につい
て関連付けを行うものとしてもよいし、複数の閉図形に
ついて関連付けを行うものとしてもよい。後者の態様で
は、例えば、「国道1号線」のように複数の閉図形で構
成される1本の道路を一体的なグループとして扱うこと
が可能となる。
【0019】グループデータには、更に、道路の種別に
関する情報を含めてもよい。かかる情報には、国道、県
道など道路管理上の種別、有料道路か否かなどの種別、
一方通行か否かなどの通行規制に基づく種別など種々の
種別を含めることができる。
【0020】第2の電子地図データ生成装置によれば、
閉図形データと縁線データとを個別に生成することがで
きる。両者を別個のオブジェクトとして生成することに
より表示の柔軟性を向上することができる。例えば、閉
図形とは無関係に表示時に縁線の線種、太さ、色などを
柔軟に変更したり、3次元表示を行う際には、縁線を一
定高さの遮音壁として表示させたりすることができる。
また、交差点など閉図形同士が重なる部位において、道
路の縁線表示を損なうことなく、容易に閉図形の重なり
を調整することができる。また、閉図形データと縁線デ
ータに個別の属性情報を定義することが可能となり、デ
ータ利用の柔軟性を向上することができる。
【0021】本発明の第3の電子地図データ生成装置
は、少なくとも一部の道路について、該道路に対応する
閉図形データを、該道路の幅方向に隣接して生成する。
隣接して生成された閉図形は、グループデータによっ
て、同一の道路に対応したデータとして相互に関連づけ
ることが望ましい。こうすることにより、一本の道路に
対し、複数車線を定義することができ、車線ごとに色な
どの表示態様を変更することが可能となる。従って、目
的地までの経路探索結果の表示、工事による規制情報や
渋滞その他の交通情報の表示などを車線単位で行うこと
が可能となり、電子地図データの利便性を向上すること
ができる。かかる観点から、上述のデータ構造は、双方
向に通行可能であること、および複数車線を有すること
の少なくとも一方の条件を満足する道路の少なくとも一
部を対象として備えることが望ましい。かかる道路に
は、双方向通行可能な複数車線道路、双方向通行可能な
単車線道路、および一方通行の複数車線道路が含まれ
る。これらの道路に対して上述のデータ構造を適用すれ
ば、往復で色分けして表示を行うなどの態様でその特徴
を有効活用することができる。なお、「少なくとも一部
を対象」とは、上記データ構造を適用する道路の一部に
上述の条件を満足する道路が含まれていれば足り、かか
る条件を満足する道路のみを対象として上記データ構造
を適用することを意味するものではない。
【0022】このように隣接して閉図形データを生成す
る場合には、さらに、隣接して生成された各閉図形デー
タと関連づけて、道路の属性情報を登録することが望ま
しい。閉図形データが車線に対応している場合には、車
線ごとに属性情報を登録することになる。こうすること
により、車線ごとに規制情報などを定義でき、データ管
理が容易になるとともに、電子地図データの利便性をよ
り向上することができる。
【0023】一例として、かかる属性情報には、通行可
能な方向を含めることができる。この情報は、例えば、
経路探索や上り/下りの色分け表示などに活用すること
ができる。
【0024】なお、複数の閉図形データを備える道路が
含まれる交差点では、交差点を形成する一の道路から他
の道路に至る経路のうち、各道路の前記属性情報に基づ
いて設定される通行可能経路に対応する閉図形データを
更に備えることが望ましい。例えば、2車線の道路によ
る十字路を考える。各車線の通行可能な方向に応じて、
交差点には直進経路および右左折時の曲線経路が一定数
設定できる。従って、これらの各曲線経路に対応する閉
図形を用意することにより、交差点において自然な経路
表示を実現することができる。
【0025】本発明の第4の電子地図データ生成装置
は、道路データとして、閉図形データと、属性情報とを
関連付けて生成する際、属性情報として道路の高さを所
定の規則で量子化したレベルデータを含める。量子化と
は、道路間の相対的な高低関係を特定可能な程度に高さ
を特定することを意味する。一例として、地表面、高
架、地下の少なくとも3段階に量子化する態様を挙げる
ことができる。更に、高架レベル1,高架レベル2のよ
うに高架道路間でも高低関係を特定可能としてもよい。
【0026】このようにレベルデータを用いることによ
り、道路に高さ情報が含まれるため、地図表示における
現実さを向上することができる。特に、3次元表示を行
う際に有用性が高い。また、レベルデータは量子化され
た情報であるため、属性情報に道路の高さを直接数値と
して含める場合に比較して、データ量が非常に少ないと
いう利点もある。更に、レベルデータは、高さの詳細な
計測を伴わずに比較的容易に設定できる利点もある。従
って、国内全域など、膨大な数の道路に対しても現実的
なメモリ容量、労力でデータを備えることが可能であ
る。
【0027】本発明の第5の電子地図データ生成装置
は、目的地データ生成部と閉図形データ生成部とを備え
る。目的地データ生成部は、経路探索の目的地のデータ
ベースを生成する。このデータベースは、経路探索にお
いて、名称等に基づいて設定可能な目的地を与える。
【0028】閉図形データ生成部は、少なくともこの目
的地については、その建造物の平面的形状を示す閉図形
データを生成する。この閉図形は、目的地のデータベー
スと関連付けて生成される。こうすることで、名称に基
づいて目的地を設定し、経路探索を行う場合、設定され
た目的地について、その形状を提示することが可能とな
る。従って、目的地を正確かつ理解しやすい態様で表示
することが可能となり、電子地図データの利便性を向上
することができる。また、この形状は、閉図形で与えら
れるから、目的地を視認しやすい色などで表示すること
もできる。
【0029】目的地の形状は、種々の態様で与えること
が可能であり、例えば、建造物の平面形状で与えること
ができる。建造物とは、建物、橋梁など人工物を意味す
る。
【0030】本発明は、上述した通り、利便性の向上を
図るという共通課題を解決する種々の電子地図データ生
成装置の態様で構成可能である。上述の説明では、第1
〜第5の電子地図データ生成装置を個別に説明したが、
これらの要素を適宜組み合わせた装置として構成しても
構わない。例えば、第1の電子地図データ生成装置によ
って実現される方法、即ち第1および第2の電子地図デ
ータの統合によって、第2〜第5の電子地図データ生成
装置におけるデータ生成を行うことができる。
【0031】本発明は、上述した電子地図データ生成装
置の他、種々の態様で構成することができる。例えば、
物の製造方法のカテゴリーに相当する態様、即ち電子地
図データの生成方法として構成してもよい。また、上述
の第1〜第5の電子地図データ生成装置で説明した少な
くとも一部の特徴を有する電子地図データとして構成し
てもよい。
【0032】更に、本発明は、次に示す通り、電子地図
データを使い分けて地図表示を行う地図表示装置として
構成することも可能である。即ち、本発明の地図表示装
置は、電子地図データの読み出し部、選択部、表示部を
備える。読み出し部は、第1〜第3の電子地図データを
読み出し可能である。第1〜第3の電子地図データは、
全て地図表示装置内に記憶されていてもよいし、所定の
記録媒体を介して提供されてもよいし、ネットワークを
介して提供されてもよい。
【0033】ここで、第1の地図データは、道路に関す
る属性情報を有するとともに、少なくとも一部の道路デ
ータが線分で定義されたデータである。第2の地図デー
タは、道路に関する属性情報を含まず、第1の地図デー
タよりも道路以外の背景データが詳細に定義されたデー
タである。第3の地図データは、道路に関する属性情報
を有し、各道路が閉図形で定義されたデータである。第
3の地図データには、例えば、先に例示した第1の電子
地図データ生成装置によって生成された電子地図データ
が含まれる。
【0034】このように3種類の電子地図データが利用
可能な状況において、選択部は、所定の条件に基づい
て、第1〜第3の電子地図データのいずれか一つを選択
し、それに基づいて表示部が地図を表示する。こうする
ことによって、3種類の電子地図データの特徴をそれぞ
れ活かした地図表示を実現することができる。
【0035】電子地図の選択は、例えば、地図表示の縮
尺に基づいて行うことができる。より具体的には、縮尺
が大きくなるにつれて、第1の電子地図データ、第3の
電子地図データ、第2の電子地図データを順に選択する
ことができる。縮尺が小さい場合は、個々の道路および
背景は簡素化しつつ広域に表示をすることが望まれるた
め、第1の電子地図データが適している。縮尺が大きい
場合には、詳細な表示が望まれるため、第2の電子地図
データが適している。両者の中間の縮尺では、第1およ
び第2の電子地図データの性質を兼ね備えた第3の電子
地図データが適している。かかる使い分けを行うことに
より、表示の縮尺変更時に、利用者に与える違和感を抑
制することができる。
【0036】本発明は、上述の電子地図データ生成装
置、表示装置の機能を実現するプログラムとして構成し
てもよい。また、これらのプログラムおよび電子地図デ
ータを記録した記録媒体として構成してもよい。なお、
記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−RO
M、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッ
ジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された
印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROM
などのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータ
が読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、以
下の項目に分けて説明する。 A.地図データ生成装置の構成: B.道路データの生成: C.背景データの生成: D.地図表示装置の構成: E.経路探索: F.変形例:
【0038】A.地図データ生成装置の構成:図1は地
図データ生成装置のシステム構成を示す説明図である。
地図データ生成装置20は、第1データベース10およ
び第2データベース12にそれぞれ保存された地図デー
タを統合して、新データベース14を生成する装置であ
る。本実施例では、地図データ生成装置20は、パーソ
ナルコンピュータ内に地図データ生成用のソフトウェア
をインストールすることによって構築した。また、第1
データベース10、第2データベース12、新データベ
ース14は、個別のサーバで構成されている。地図デー
タ生成装置20は、ネットワークを介してこれらのデー
タベースにアクセス可能である。なお、これらのデータ
ベースは、地図データ生成装置20と一体的に構成して
もよい。
【0039】地図データ生成装置20には、図示する機
能ブロックがソフトウェア的に用意されている。オペレ
ータからのコマンド入力、パーソナルコンピュータへの
表示制御などの基本的な機能については、図示を省略し
た。各機能ブロックは、それぞれ第1データベース10
および第2データベース12を参照して、新データベー
ス14用の地図データを生成する機能を奏する。以下の
説明では、生成される新データベース14の地図データ
を「新市街図データ」と称するものとする。
【0040】道路データ生成部21は、第1データベー
ス10のデータに基づいて道路データを生成する。道路
以外の背景、即ち鉄道、建物、河川などのデータは背景
データ生成部22により、第2データベース12を優先
的に使用して生成される。目的地データ生成部23は、
経路探索を行う際に、目的地として選択可能な建物等を
含む目的地データベースを生成する。目的地データ生成
部23と背景データ生成部22とは互いに連携し、目的
地の名称等から背景データが特定できるよう両者の関連
付けを行う。文字データ生成部24は地名等の文字デー
タを生成し、記号データ生成部25は一方通行その他の
交通規制情報などを表示するための記号データを生成す
る。文字データおよび記号データは、第1データベース
10および第2データベース12の双方を参照して生成
される。
【0041】統合部30は、上述した各機能ブロックで
生成されたデータを一つの地図データとして統合し、新
データベース14に出力する機能を奏する。新データベ
ース14は、DVD−ROMその他の記録媒体MEに記
録するものとしてもよい。
【0042】本実施例で使用される地図データベースに
ついて説明する。第1データベース10には、国土地理
院が印刷物として発行している25000分の1地図を
基に作成した地図データ(以下、「1/2.5地図デー
タ」と称する)が国内全域に亘って登録されている。1
/2.5地図データは、次の特徴を有している。道路は
その幅に応じた線分で定義されている。また、その精度
は非常に高い。背景については、地図記号を用いて記さ
れている。各道路には、それぞれ属性情報が付されてい
る。属性情報としては、例えば、国道、県道などの道路
種別、一方通行などの交通規制、車線数などの道路幅情
報、および道路の高さ情報が含まれる。属性情報は、こ
れらに限られるものではなく、任意に設定可能である。
【0043】本実施例においては、高さ情報は、道路の
正確な高さを表すものではなく、量子化されたレベルデ
ータとして設定されている。例えば、高架の道路につい
ては、地図表示上は現実の高さが既知である必要はな
く、高架であることが認識できれば足りる。かかる観点
から、高架の道路に対しては、現実の高さに関わらず1
0、20などの値がレベルデータとして与えられる。近
年では、地表面の道路の上を複数層に亘って高架道路が
横切る構造も比較的多いため、かかる多層構造に対応で
きるよう、レベルデータを複数用意した。本実施例で
は、レベルデータの値が大きくなるにつれて、より上層
の高架道路であることを意味する。同じく、レベルデー
タに負値を与えることによって、地下道路の層構造も同
様に定義することができる。
【0044】第2データベース12には、市街図データ
が記憶されている。市街図データは、国内全域をカバー
してはいない。市街図データは、街並みを詳細かつ具体
的に表示することを目的としたデータである。各建物な
どの背景データは、全て塗りつぶし可能な閉図形(以
下、「ポリゴン」と呼ぶ)で定義されている。道路を個
別のポリゴンで定義することも可能ではあるが、本実施
例では、背景データをポリゴンで定義した結果表れる空
白部分が道路として扱われるものとした。地図中には、
一方通行などの規制情報を表す記号も含まれるが、道路
に対する属性情報は用意されていない。
【0045】第1データベース10および第2データベ
ース12のいずれにも、図中に表示される文字および記
号に関するデータを有している。電子地図データは、表
示スケールを柔軟に変更して表示可能であるため、これ
らの文字および記号データは、各データベースにおい
て、表示スケールに対応して数段階用意されている。
【0046】B.道路データの生成:図2は道路ポリゴ
ン生成処理のフローチャートである。道路データ生成部
21の機能に相当し、ハードウェア的には、地図データ
生成装置20のCPUが実行する処理である。
【0047】先に説明した通り、道路ポリゴンは、位置
精度が高い1/2.5地図データに基づいて生成され
る。従って、CPUはまず1/2.5地図データから道
路データを取得する(ステップS10)。図中に併せて
道路データの概要を例示した。1/2.5地図データで
は、道路は線分として定義されている。本実施例では、
交差点を一つのノードとし、交差点間を単位として道路
データが用意されているものとした。図中に示した
「●」が交差点、即ちノードに相当する。このノード間
を単位として、図中の領域にはR1〜R8の8本の道路
データが含まれている。なお、これらの各道路には、先
に説明したレベルデータを含む属性情報が対応付けられ
ている。道路R4は「LEVEL=0」、即ち地表面の
道路である。道路R5は「LEVEL=20」、即ち高
架道路である。従って、R4とR5の交点はノードでは
ない。
【0048】次に、CPUは、こうして取得された道路
データをそれぞれポリゴン化する(ステップS12)。
つまり、各道路に所定の幅を持たせた図形を生成する。
幅は、予め定めた一定値としてもよいし、道路の車線情
報に応じて設定してもよい。この時点では、交差点にお
いて複数のポリゴンが重なって生成される。各ポリゴン
には、1/2.5地図データで道路に対して保持されて
いた属性情報が付される。例えば、高さに関する情報は
先に説明したレベルデータで付される。レベルデータを
用いることにより、道路の立体交差など地図表示で必要
な情報量は維持しつつ、全体のデータ量を抑制すること
ができる。
【0049】ポリゴン生成が完了すると、CPUは縁線
を生成する(ステップS14)。縁線は、図中に太線で
示した部分であり、各ポリゴンの外周のうち、各道路の
幅に沿った2辺に相当する。ここでは、ポリゴンの重な
りは考慮しない。後述する通り、不要な縁線は後処理で
除去されるため、この時点では、道路を分断する方向も
含め、ポリゴンの全周を縁線としてもよい。
【0050】本実施例では、ポリゴンと縁線とは別のオ
ブジェクトとして生成される。このようにポリゴンと縁
線とを別のオブジェクトで生成することで、それぞれに
固有の属性情報を持たせることができ、広汎な情報を効
率的に管理することができるとともに、表示の柔軟性を
向上させることができる。例えば、ポリゴンとは無関係
に縁線の線種、太さ、色などを柔軟に変更して表示した
り、3次元表示を行う際には、縁線を一定高さの遮音壁
として表示したりすることができる。
【0051】図中に道路R2を例にとって、縁線生成の
様子を示した。図示する通り、道路R2のポリゴンp1
とは別に、縁線e1、e2が生成される。但し、いずれ
も道路R2を表すデータであるため、グループデータに
よって関連付けられている。本実施例では、グループデ
ータとして、道路の種別を表すコードおよび道路を識別
するためのグループ番号を備えるものとした。各ポリゴ
ンおよび縁線は、それぞれ個別に属性情報を有してお
り、グループデータは、この属性情報に含まれる。ポリ
ゴンの属性情報に含まれるグループ番号、縁線の属性情
報に含まれるグループ番号を参照することにより、一つ
の道路に対応するポリゴンおよび縁線を容易に特定する
ことができる。
【0052】次に、CPUは不要な縁線およびポリゴン
をカットする(ステップS16)。例えば、ステップS
14の処理では、交差点内に縁線が入り込んだ状態とな
っているため、各縁線が交差点の外周に留まるようカッ
トする。図中の例示では、ポリゴンのカットは行ってい
ないが、必要に応じてポリゴンのカットも行う。本実施
例では、ノードで区切ってポリゴンを生成させているた
め、交差点内でポリゴンを描画する順序によっては、国
道など比較的重要な道路がその他の道路によって交差点
内で分断されているかのように描かれる可能性がある。
ポリゴンのカットは、こうした不自然な描画を回避する
ため、適宜行うことができる。本実施例では、ポリゴン
と縁線とを別のオブジェクトとして生成しているため、
他方の形状に影響を与えることなく、容易にカット処理
を行うことができる利点がある。
【0053】図3は変形例としての道路ポリゴン生成例
を示す説明図である。図2で説明した方法に代えてまた
は図2の方法と共に用いることができる。図2の方法で
は、各道路に幅をもたせて一つのポリゴンを生成させた
のに対し、変形例の方法では、各道路につき、幅方向に
隣接する複数のポリゴンを生成させる。
【0054】一例として、図3の上方に示した十字路を
考える。1/2.5地図データでは、中央をノードとし
てその周囲に道路R11〜R14の4本が定義されてい
るとする。各道路は、2車線であるものとする。
【0055】変形例では、図3の下方に示したように、
各道路について幅方向に2つのポリゴンを隣接して生成
させる。つまり、交差点周りには、R11A,R11B
〜R14A,R14Bの8つのポリゴンが生成される。
この例では、同じ幅のポリゴンを隣接させているが、異
なる幅のポリゴンを隣接させてもよい。各ポリゴンには
個別に属性情報が付される。変形例では、隣接するポリ
ゴンをそれぞれ車線に対応付け、通行可能な方向を属性
情報としてもたせるものとした。道路R12が双方向通
行可能な道路であるとすれば、図示する通り、R12A
の方向とR12Bの方向とは逆方向になる。
【0056】このように各ポリゴンについて通行可能な
方向を定義することにより、交差点での右左折時に通行
可能な経路が決定される。図中に示すように、道路R1
1から道路R12または道路R13に至る経路は、道路
R11Bから交差点に進入し道路R12Aに至る経路、
道路R11Bから道路R13Aに至る経路となる。変形
例では、前者の経路に対応するポリゴンpc1、後者の
経路に対応するポリゴンpc2を併せて生成する。交差
点内の経路ポリゴンの生成は、必ずしも必要ではない
が、経路ポリゴンを用いることにより、交差点内の経路
の自然な表示を実現することができる。ここでは、2つ
の経路を例示したが、その他の道路間でも同様の経路を
定義することができる。
【0057】変形例では、2車線の場合を例示した。更
に車線数が多い道路については、車線数に応じたポリゴ
ンで定義しても良いし、通行方向で大別し2つのポリゴ
ンで定義してもよい。多数の車線数を用いれば、工事に
よる規制情報の表示などを車線単位で行うことが可能と
なり、電子地図データの利便性をより向上することがで
きる。
【0058】C.背景データの生成:図4は背景データ
生成処理のフローチャートである。背景データ生成部2
2および目的地データ生成部23の機能に相当する。こ
の処理では、まずCPUは/1/2.5地図データおよ
び市街図データからそれぞれ背景のデータを取得する
(ステップS20)。各データベースの使い分けは、背
景の種類によって異なる。
【0059】図中に示した通り、施設および建物などの
建造物については、市街図を優先して背景データを取得
する。市街図にデータが存在しない場合、および市街図
自体が用意されていない地域については、1/2.5地
図データから背景データを取得する。鉄道については、
精度が高い1/2.5地図データを優先してデータを取
得する。県境、市境などの行政界については、1/2.
5地図を使用する。優先としなかったのは、1/2.5
地図を参照すれば足りるからである。背景データの生成
における既存のデータベースの参照は種々の設定が可能
であり、図中に示したこれらの方法に限定されるもので
はない。
【0060】なお、背景データは、市街図よりも簡素化
して生成してもよい。例えば、後述する経路探索の目的
地となり得る著名な建造物等などについてのみ背景デー
タを生成し、その他の背景データは、1/2.5地図デ
ータ程度に簡素化してもよい。こうすることで、データ
量の低減を図ることができる。
【0061】次に、CPUは、取得された背景データに
基づいて背景ポリゴンの生成を行う(ステップS2
2)。市街図データのように背景がポリゴンで定義され
ている場合には、このステップでは、ポリゴンの定義や
属性情報のフォーマットを調整する処理で足りる。
【0062】先に説明した通り、道路データは1/2.
5地図データに基づいて生成されている。従って、1/
2.5地図データと市街図データの不整合に基づき、背
景のポリゴンが道路に重なる可能性がある。かかる場合
には、道路データと整合するよう、背景ポリゴンの位置
およびサイズの微調整を行う(ステップS24)。
【0063】CPUは、こうして背景データが生成され
ると、目的地データベースとの関連付けを行う(ステッ
プS26)。図中に関連付けの様子を併せて示した。目
的地データベースとは、生成された電子地図データを用
いて経路探索を行う際に、名称から目的地を設定するた
めのデータベースである。目的地番号DSTをキーとし
て、著名な名称、目的地に該当する背景データを特定す
る情報OBJ等が保存される。一方、背景データにも属
性情報が付されている。この属性情報には、背景データ
の識別番号OBJ、目的地データベースとの対応関係を
示す番号DSTが含まれる。図中に示した「○○ドー
ム」は、目的地データベースに含まれる目的地である。
従って、目的地データベースのOBJには、背景データ
の属性情報に含まれる識別番号「10」が記憶される。
逆に、背景データの属性情報におけるDSTには、目的
地データベースのキーである「1」が記憶される。これ
らの情報によって、目的地データベースと背景データと
が関連づけられ、一方から他方を容易に特定可能とな
る。
【0064】本実施例では、目的地データベースに含ま
れる著名な目的地については、市街図データまたは1/
2.5地図データに基づいて背景データが生成されてい
ることを前提としてステップS26の処理を例示した。
市街図データおよび1/2.5地図データのいずれにも
背景データが存在しない場合には、ステップS26にお
いて、目的地に対応する背景データが未生成である可能
性もある。かかる場合には、背景データが未生成である
ことが判明した時点で、2つのデータベースに依らず完
全に新規に背景データを生成する処理を行うものとして
もよい。
【0065】以上で説明した地図データ生成装置20で
生成される新市街図データには、種々の利点がある。道
路がポリゴンで定義されているため、1/2.5地図デ
ータに比較して、直感的に理解しやすい。その一方で、
市街図データと異なり、道路に対し属性が付されている
ため、経路探索など電子地図データの利便性を向上する
ことができる。
【0066】背景データは、市街図データに基づいて生
成されているため、具体的かつ詳細である利点もある。
市街図データが存在しない地域では、1/2.5地図デ
ータベースに基づいて背景データが生成されているか
ら、市街図データのように利用地域の制限がないという
利点もある。
【0067】このように、本実施例の地図データ生成装
置20によれば、1/2.5地図データ、市街図データ
という2つの地図データを統合し、両者の特徴を兼ね備
えた地図データを効率的に生成することができる。
【0068】D.地図表示装置の構成:次に、上述の地
図データ生成装置20によって生成された電子地図デー
タの利用について例示する。図5は地図表示装置の概略
構成を示す説明図である。車載用のナビゲーションシス
テムとしての構成を例示した。
【0069】実施例の地図表示装置は、本体100、制
御部110、ディスクドライブ103から構成される。
本体100は、地図、メニュー等を表示させるためのデ
ィスプレイ101、コマンドの入力を行うための操作部
102が備えられている。操作部102は、その操作に
よって、地図上に表示されたカーソルを移動させたり、
地図の表示スケールを変更したりすることができる。
【0070】ディスクドライブ103には、地図データ
が記録された記録媒体MEを挿入することができる。本
実施例では、記録媒体MEとしてDVDーROMを用い
るものとした。記録媒体MEには、1/2.5地図デー
タ、市街図データ、新市街図データの3種類の地図デー
タベース前2者は、図1の第1データベース10、第2
データベース12に記憶されているデータベースと同じ
である。後者は地図データ生成装置20で生成されたデ
ータであり、図1の新データベース14に記憶されてい
るデータベースである。記録媒体MEには、この他、経
路探索に使用する目的地データベースも登録されてい
る。
【0071】制御部110は、内部にCPU、メモリを
有するマイクロコンピュータとして構成されている。制
御部110は、図示する各機能ブロックの機能により、
操作部102からのコマンド入力、車両の現在位置など
に基づいてディスプレイ101への地図表示を制御す
る。操作部102からのコマンドは、コマンド入力部1
16によって取得され、参照部114に受け渡される。
車両の現在位置は、GPS(Global Positioning Syste
m)アンテナ104により受信した電波の解析などに基
づき、位置検出部112によって特定される。現在位置
の特定方法は、GPSの受信結果と地図データとの照合
を含むハイブリッド方式など周知の種々の技術を適用可
能であり、ここでは詳細な説明を省略する。
【0072】参照部114は、コマンドおよび現在位置
に基づいて、表示に用いる地図データを特定し、現在位
置周辺の必要なデータを記録媒体MEから読み出す。読
み出されたデータは、表示制御部118に受け渡され、
ディスプレイ101への表示が行われる。表示は、平面
的な表示、3D表示など種々の態様を採り得る。
【0073】1/2.5地図データ、市街図データ、新
市街図データの3種類のデータベースは、表示スケール
に基づいて使い分けられる。図6は表示スケールに基づ
く地図データベースの使い分けを示す説明図である。本
実施例では、表示スケールを3つの区間に区分し、3種
類のデータベースを使い分けるものとした。最も表示ス
ケールが小さい区間、換言すれば最も広域の地図を表示
できる区間では、1/2.5地図データが使用される。
1/2.5地図データは、道路が線分で定義されている
ため、データ量が比較的少なく広域図の速やかな描画に
適しているからである。また、広域図では、ポリゴンと
線分による表示上の差違が比較的小さいため、ポリゴン
を利用するメリットが小さいからである。
【0074】一方、表示スケールが最大の区間、換言す
れば最も詳細な地図を表示できる区間では、市街図デー
タが使用される。市街図データは、街並みを具体的かつ
詳細に定義したデータであり、大きいスケールでの表示
に適していると考えられるからである。
【0075】両者の中間の表示スケールでは、新市街図
データが使用される。新市街図は、道路がポリゴンで描
かれる点で直感的に理解しやすい利点がある。また、市
街図と異なり広域的にデータが用意されているため、比
較的小さい表示スケールにおいても地図全体をカバーす
ることができる。つまり、表示された地図の一部の領域
のみ詳細であり、他の領域は粗いという偏りが生じるこ
とを回避できる。
【0076】このように、表示スケールが小さい側から
順に、1/2.5地図データ、新市街図データ、市街図
データを使い分けることにより、それぞれの表示スケー
ルで適した表示を実現することができる。また、表示ス
ケールの変更に伴うユーザの違和感を抑制し、円滑なス
ケール変更表示を実現することができる。各データベー
スの使用区間の区切りに相当する表示スケールSc1,
Sc2は、ユーザの違和感、描画の処理能力等を考慮し
て、表示装置ごとに任意に設定可能である。
【0077】E.経路探索:電子地図データを活用した
機能の一つとして目的地までの経路探索が挙げられる。
図7は経路探索処理のフローチャートである。制御部1
10のCPUが実行する処理である。この処理では、ま
ず現在位置の入力が行われる(ステップS30)。現在
位置の入力は、位置検出部112の機能に相当する。入
力された現在位置は、図中に示す通り、シンボルで表示
される。
【0078】次に、CPUは、目的地の入力を行う(ス
テップS40)。目的地の入力は、種々の態様で行うこ
とができる。例えば、操作部102を操作して、ディス
プレイ101上でカーソルを目的地に移動させることで
設定することができる。また、名称を入力して目的地を
設定することもできる。後者の態様では、名称が入力さ
れると、CPUは、地図データとともに記憶されている
目的地データベース内から該当する目的地を検索する。
先に説明した通り、目的地データベースと地図上の背景
データとは関連付けられているから、目的地に対応する
背景データを特定することができる。CPUは、図中に
示した通り、こうして特定された背景データを所定の色
で塗りつぶして表示する。
【0079】次に、CPUは現在位置および目的地に基
づいて経路設定を行う(ステップS34)。経路設定
は、周知の方法によって実現できるため、ここでは詳細
な説明を省略する。経路の設定は、各道路データに付さ
れた属性情報を参照し、交通規制などを考慮して行われ
る。
【0080】CPUはこうして設定された経路に相当す
る道路ポリゴンを所定の色で塗りつぶすことで経路を明
示的に表示する(ステップS36)。塗りつぶしの色
は、経路以外の道路と明確に識別可能な色を任意に設定
可能である。
【0081】本実施例で使用する新市街図データは、各
道路がポリゴンで定義されているとともに、属性情報も
保持しているため、上述の経路探索に非常に適してい
る。図3で示したように複数車線の道路を複條化したポ
リゴンで定義すれば、より現実に近い経路表示を行うこ
とが可能となる。
【0082】F.変形例:実施例では、1/2.5地図
データと市街図データを統合して、新市街図データを生
成する場合を例示した。新市街図データの生成は、必ず
しも2つのデータベースの統合に依る必要はない。いず
れか一方のデータのみを参照しつつ、不足するデータは
新規に生成してもよい。例えば、1/2.5地図データ
に基づいて道路データを生成し、不足する背景データは
新規に生成してもよい。もちろん、既存のデータベース
を用いずに、完全に新規に生成しても構わない。
【0083】新市街図は、実施例で例示したデータ構造
を全て備える必要はない。実施例では、ポリゴンと縁線
データとを別のオブジェクトとして道路データを生成し
たが、両者を一体的なオブジェクトとして定義してもよ
い。実施例では、道路の高さ情報を量子化されたレベル
データで保持したが、実際の高さをそのまま属性情報と
して保持するものとしてもよい。実施例では、目的地デ
ータベースと対応づけて背景データを用意したが、両者
を関連づけないデータ構造としてもよい。
【0084】実施例では、車載用のナビゲーションシス
テムを例にとって、電子地図データの活用例を示した。
本実施例で生成された電子地図データは、コンピュータ
のアプリケーションソフトウェアとして提供される地図
表示ソフトウェアにおいても同様に活用可能である。
【0085】実施例(図5参照)では、記録媒体MEか
ら地図データを読みとって表示させる態様を例示した。
これに対し、ネットワークを介して地図データを受信
し、表示する態様を採ってもよい。
【0086】実施例では、表示スケールに応じて地図デ
ータを使い分ける態様を例示した(図6参照)。これに
対し、ユーザが指定した表示モードに応じて地図データ
を使い分けるものとしてもよい。また、新市街図データ
のみを用いて全ての表示を行うものとしてもよい。
【0087】以上、本発明の種々の実施例について説明
したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣
旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができるこ
とはいうまでもない。例えば、以上の各処理はソフトウ
ェアで実現する他、ハードウェア的に実現するものとし
てもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】地図データ生成装置のシステム構成を示す説明
図である。
【図2】道路ポリゴン生成処理のフローチャートであ
る。
【図3】変形例としての道路ポリゴン生成例を示す説明
図である。
【図4】背景データ生成処理のフローチャートである。
【図5】地図表示装置の概略構成を示す説明図である。
【図6】表示スケールに基づく地図データベースの使い
分けを示す説明図である。
【図7】経路探索処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…第1データベース 12…第2データベース 14…新データベース 20…地図データ生成装置 21…道路データ生成部 22…背景データ生成部 23…目的地データ生成部 24…文字データ生成部 25…記号データ生成部 30…統合部 100…本体 101…ディスプレイ 102…操作部 103…ディスクドライブ 110…制御部 112…位置検出部 114…参照部 116…コマンド入力部 118…表示制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正野 謙二 福岡県北九州市小倉北区下到津1丁目1番 10号 株式会社ゼンリン内 Fターム(参考) 2C032 HB02 HB03 HB11 HB22 HC22 HC23 HC24 HD03 HD16 2F029 AA02 AB07 AC02 5B050 BA07 BA17 EA19 FA13 GA08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子地図データを生成する電子地図デー
    タ生成装置であって、 第1および第2の地図データを参照する地図データ参照
    部と、 前記第1および第2の地図データを統合して新規な地図
    データを生成する地図データ生成部とを備え、 前記第1の地図データは、道路に関する属性情報が前記
    第2の地図データより詳細であるとともに、少なくとも
    一部の道路データが線分で定義されたデータであり、 前記第2の地図データは、前記第1の地図データよりも
    道路以外の背景データが詳細に定義されたデータであ
    り、 前記地図データ生成部は、 道路データとして、所定の幅を有する閉図形データと該
    道路の属性情報とを関連づけたデータを、前記第1の地
    図データ中の道路データに基づいて生成する道路データ
    生成部と、 前記第2の地図データを優先して、道路以外の背景デー
    タを生成する背景データ生成部とを備える電子地図デー
    タ生成装置。
  2. 【請求項2】 電子地図データを生成する電子地図デー
    タ生成装置であって、 道路に対応する閉図形データを生成する閉図形データ生
    成部と、 道路の縁線に対応する線分で定義された縁線データを生
    成する縁線データ生成部と、 前記閉図形データと縁線データとを関連付けるグループ
    データを生成するグループデータ生成部とを備える電子
    地図データ生成装置。
  3. 【請求項3】 電子地図データを生成する電子地図デー
    タ生成装置であって、 少なくとも一部の道路について、該道路に対応する閉図
    形データを、該道路の幅方向に隣接して生成する複車線
    データ生成部を備える電子地図データ生成装置。
  4. 【請求項4】 電子地図データ生成装置であって、 道路データとして、閉図形データと、属性情報とを関連
    付けて生成する道路データ生成部を備え、 前記属性情報は、前記道路の高さを所定の規則で量子化
    したレベルデータを含む電子地図データ生成装置。
  5. 【請求項5】 電子地図データ生成装置であって、 経路探索の目的地のデータベースを生成する目的地デー
    タ生成部と、 少なくとも前記目的地については、該目的地の平面的形
    状を示す閉図形データを前記データベースと関連付けて
    生成する閉図形データ生成部とを備える電子地図データ
    生成装置。
  6. 【請求項6】 電子地図データを生成する電子地図デー
    タ生成方法であって、(a) 道路に関する属性情報を
    有するとともに、少なくとも一部の道路データが線分で
    定義された第1の地図データを用意する工程と、(b)
    前記第1の地図データよりも道路以外の背景データが
    詳細に定義された第2の地図データを用意する工程と、
    (c) 前記第1および第2の地図データを統合して新
    規な地図データを生成する工程とを備え、 前記工程(c)は、(c1) 道路データとして、一定
    幅を有する閉図形データと該道路の属性情報とを関連づ
    けたデータを、前記第1の地図データ中の道路データに
    基づいて生成する工程と、(c2) 前記第2の地図デ
    ータを優先して、道路以外の背景データを生成する工程
    とを備える電子地図データ生成方法。
  7. 【請求項7】 コンピュータが利用可能な電子地図デー
    タであって、 少なくとも一部の道路に対し、 該道路に対応する閉図形データ、 道路の縁線に対応する線分で定義された縁線データ、 前記閉図形データと縁線データとを関連付けるグループ
    データが備えられたデータ構造を有する電子地図デー
    タ。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電子地図データであっ
    て、 前記グループデータは、更に、前記道路の種別に関する
    情報を含む電子地図データ。
  9. 【請求項9】 コンピュータが利用可能な電子地図デー
    タであって、 少なくとも一部の道路について、 該道路の幅方向に隣接して配置された複数の閉図形デー
    タ、 前記複数の閉図形データを、同一の道路に対応したデー
    タとして相互に関連づけるグループデータが備えられた
    データ構造を有する電子地図データ。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電子地図データであっ
    て、 前記データ構造は、双方向に通行可能であること、およ
    び複数車線を有することの少なくとも一方の条件を満足
    する道路の少なくとも一部を対象として備えられている
    電子地図データ。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の電子地図データであっ
    て、 前記データ構造は、さらに、前記隣接して生成された各
    閉図形データと関連づけられて、該道路の属性情報が登
    録された電子地図データ。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の電子地図データであ
    って、 前記属性情報は通行可能な方向を含む電子地図データ。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の電子地図データであ
    って、 前記複数の閉図形データを備える道路が含まれる交差点
    について、 該交差点を形成する一の道路から他の道路に至る経路の
    うち、各道路の前記属性情報に基づいて設定される通行
    可能経路に対応する閉図形データを更に備える電子地図
    データ。
  14. 【請求項14】 コンピュータが利用可能な電子地図デ
    ータであって、 少なくとも一部の道路について、 該道路の形状を示す閉図形データ、 該道路の高さを所定の規則で量子化したレベルデータが
    備えられたデータ構造を有する電子地図データ。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の電子地図データであ
    って、 前記レベルデータは、地表面、高架、地下の少なくとも
    3段階に量子化された電子地図データ。
  16. 【請求項16】 コンピュータが利用可能な電子地図デ
    ータであって、 経路探索の目的地のデータベースと、 該目的地の平面的形状を前記データベースと関連付けて
    登録した閉図形データとを備える電子地図データ。
  17. 【請求項17】 電子地図データを用いて地図を表示す
    る地図表示装置であって、 第1〜第3の電子地図データを読み出し可能な読み出し
    部と、 所定の条件に基づいて、第1〜第3の電子地図データの
    いずれか一つを選択する選択部と、 該選択された電子地図データに基づいて地図を表示する
    表示部とを備え、 前記第1の地図データは、道路に関する属性情報を有す
    るとともに、少なくとも一部の道路データが線分で定義
    されたデータであり、 前記第2の地図データは、道路に関する属性情報を含ま
    ず、前記第1の地図データよりも道路以外の背景データ
    が詳細に定義されたデータであり、 前記第3の地図データは、道路に関する属性情報を有
    し、各道路が閉図形で定義されたデータである地図表示
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の地図表示装置であっ
    て、 前記選択部は、地図表示の縮尺に基づいて前記選択を行
    う地図表示装置。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の地図表示装置であっ
    て、 前記選択部は、縮尺が大きくなるにつれて、第1の電子
    地図データ、第3の電子地図データ、第2の電子地図デ
    ータを順に選択する地図表示装置。
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