JP2002333759A - 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置 - Google Patents

帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置

Info

Publication number
JP2002333759A
JP2002333759A JP2001138413A JP2001138413A JP2002333759A JP 2002333759 A JP2002333759 A JP 2002333759A JP 2001138413 A JP2001138413 A JP 2001138413A JP 2001138413 A JP2001138413 A JP 2001138413A JP 2002333759 A JP2002333759 A JP 2002333759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
charged
contact
image
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001138413A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasunori Kono
康則 児野
Harumi Ishiyama
晴美 石山
Jun Hirabayashi
純 平林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2001138413A priority Critical patent/JP2002333759A/ja
Publication of JP2002333759A publication Critical patent/JP2002333759A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】導電粒子mを用いた接触帯電装置、及び該帯電
装置を用いた画像形成装置において、被帯電体(像担持
体)1の摩擦(磨耗)低減(耐久性の向上)と帯電性向
上を両立させるとともに、カブリの低減を図る。 【解決手段】被帯電体1に接触する、弾性体である帯電
部材2を有し、帯電部材2と被帯電体1の接触部nに体
積抵抗が1012Ω・cm以下である導電粒子mが介在
し、帯電部材2は被帯電体1に速度差を持って接触し、
被帯電体表面を帯電する帯電装置であり、帯電部材2と
被帯電体1との接触開始点及び接触終了点において、被
帯電体及び帯電部材の表面の接線のなす角度をAn(d
eg)とし、接触部の長さをLn(mm)とするとLn
>0.05×An+1.4となるよう被帯電体1および
帯電部材2を接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電粒子を用いた
接触帯電装置、及び該帯電装置を用いた画像形成装置
(画像記録装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】導電粒子を用いた接触帯電装置は特開平
10−307454〜307459号公報等に開示され
ている。この接触帯電装置は、被帯電体と、被帯電体に
対して接触させた導電性・弾性ローラを一般的とする接
触帯電部材(以下、帯電ローラと記す)との少なくとも
両者の接触部(帯電部)に導電粒子を介在させること
で、放電帯電機構よりも直接注入帯電機構を支配的にし
たものである。
【0003】導電粒子は帯電補助を目的とした導電性の
粒子(帯電促進粒子、帯電導電粒子)である。例えば粒
径0.1〜5μm、体積抵抗値1×1012Ω・cm以
下、より好ましくは1×1010Ω・cm以下の、導電性
酸化亜鉛等の金属酸化物微粒子、その他の導電性無機微
粒子、有機物との混合物など各種の導電性粒子が使用可
能である。
【0004】導電粒子の役割の一つは帯電部材と被帯電
体表面の摩擦力の低減にある。帯電ローラなど被帯電体
との摩擦力の大きな帯電部材は帯電部材と被帯電体の周
速差を設けることができず十分な接触機会を得ることが
できなかった。しかしながら、導電粒子を介在させるこ
とにより、帯電ローラと被帯電体の摩擦力を下げ、周速
差を持たせることが可能になる。第二に、導電粒子は帯
電部材の凹凸を埋め被帯電体に対する接触性を向上させ
る。
【0005】この導電粒子の存在により、接触帯電部材
である帯電ローラは接触部において被帯電体と速度差を
もって接触できると同時に、導電粒子を介して密に被帯
電体に接触して、つまり接触部に存在する導電粒子が被
帯電体表面を隙間なく摺擦することで被帯電体に電荷を
直接注入するのである。即ち帯電ローラによる被帯電体
の帯電は導電粒子粒子の存在により直接注入帯電機構を
支配的にすることができる。
【0006】従って、従来のローラ帯電等では得られな
かった高い帯電効率が得られ、接触帯電部材である帯電
ローラに印加した電圧とほぼ同等の電位を被帯電体に与
えることができ、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯
電を簡易な構成で実現することができるもので、電子写
真画像形成装置や静電記録画像形成装置において電子写
真感光体や静電記録誘電体等の像担持体を所定の極性・
電位に一様に直接注入帯電処理する帯電手段として有効
である。
【0007】また、上記の導電粒子を用いた直接注入帯
電では、クリーナレスの画像形成装置において、被帯電
体である像担持体を均一帯電を行うことが可能である。
【0008】具体的な構成としては、導電粒子を現像剤
(以下、トナーと記す)に混合し、現像部位で導電粒子
をトナーと共に現像器から像担持体表面に供給し、転写
部位では、おもにトナーのみを転写材に転写し、導電粒
子を接触帯電部材と像担持体との接触部に供給すること
で、クリーナレスの画像形成装置において注入帯電によ
り感光体の均一帯電が可能である。このように接触帯電
部材と像担持体との接触部に対する帯電導電粒子の供給
を現像手段から行う構成は特開平10−307455号
公報等に開示されている。
【0009】また転写残トナーは引き続く像担持体の回
転にともない接触帯電部材と像担持体との接触部を経由
して現像部位に至り、現像器において像担持体面から現
像同時クリーニング(回収)される(トナーリサイクル
プロセス)。
【0010】現像同時クリーニングは、転写後に像担持
体上に残留したトナーを引き続く画像形成工程の現像
時、即ち引き続き像担持体を帯電し、露光して潜像を形
成し、その潜像の現像時において、現像のかぶり取りバ
イアス、即ち現像装置に印加する直流電圧と像担持体の
表面電位電位差であるかぶり取り電位差Vbackによ
って回収するものが知られている(特開平10−307
456号公報等)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな、導電粒子を用いた接触帯電装置、及び該帯電装置
を用いた画像形成装置の更なる改善に係り、被帯電体
(像担持体)の摩擦(磨耗)低減(耐久性の向上)と帯
電性向上を両立させるとともに、カブリの低減を図るこ
とを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の構成を
特徴とする帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装
置である。
【0013】(1)被帯電体に接触する、弾性体である
帯電部材を有し、該帯電部材と被帯電体の接触部に体積
抵抗が1012Ω・cm以下である導電粒子が介在し、該
帯電部材は被帯電体に速度差を持って接触し、被帯電体
表面を帯電する帯電装置であり、該帯電部材と該被帯電
体との接触開始点及び接触終了点において、被帯電体及
び帯電部材の表面の接線のなす角度をAn(deg)と
し、接触部の長さをLn(mm)とすると Ln>0.05×An+1.4 となるよう被帯電体および帯電部材を接触させることを
特徴とする帯電装置。
【0014】即ち、帯電接触幅は長い方が帯電性は良好
であるが、絶縁性のトナーなどが混入した場合接触部に
トナーが割り込んでくる。従って、帯電部材進入角度が
低い方が接触部から離れた位置でトナーを帯電部材に回
収可能であるため、接触部における帯電性能の向上と、
トナーによる被帯電体(像担持体)削れの低減を同時に
行うことができる。そのための角度と接触幅の条件設定
が上記の関係式になる。
【0015】(2)被帯電体に接触する、弾性体である
帯電部材を有し、該帯電部材と被帯電体の接触部に体積
抵抗が1012Ω・cm以下である導電粒子が介在し、該
帯電部材は被帯電体に速度差を持って接触し、被帯電体
表面を帯電する帯電装置であり、該帯電部材と該被帯電
体との接触開始点及び接触終了点において、被帯電体及
び帯電部材の表面の接線のなす角度をAn(deg)と
し、接触部の長さをLn(mm)とすると Ln>0.05×An+1.8 となるよう被帯電体および帯電部材を接触させることを
特徴とする帯電装置。
【0016】即ち、上記の条件を満たすことで、更に効
果的に帯電性能の向上が図れる。
【0017】(3)帯電部材はローラ形状であることを
特徴とする(1)または(2)に記載の帯電装置。
【0018】(4)被帯電体は円筒のドラム形状である
ことを特徴とする(1)から(3)の何れか1つに記載
の帯電装置。
【0019】即ち、上記(3)や(4)により、機械構
成として安定した侵入角と接触幅を確保することが可能
となる。
【0020】(5)像担持体と、該像担持体を帯電する
手段と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画
像情報書き込み手段と、その静電潜像を現像剤で可視化
する現像手段を有し画像形成を実行する画像形成装置で
あり、前記像担持体を帯電する帯電手段は(1)ないし
(4)の何れか1つに記載の帯電装置であることを特徴
とする画像形成装置。
【0021】即ち(1)から(4)の本発明の帯電装置
の効果から帯電性能の確保と像担持体摩耗を抑えた画像
形成装置を構成可能である。
【0022】(6)像担持体と、像担持体を帯電する手
段と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像
情報書き込み手段と、その静電潜像を現像剤で可視化す
る現像手段と、像担持体上の現像剤像を記録材に転写す
る転写手段を備え、現像手段が現像剤像を記録材に転写
したあとに像担持体に残留した現像剤を回収するクリー
ニング手段も兼ねている像担持体クリーナレス構成の画
像形成装置であり、前記像担持体を帯電する帯電手段は
(1)ないし(4)の何れか1つに記載の帯電装置であ
ることを特徴とする画像形成装置。
【0023】即ち、即ち(1)から(4)の本発明の帯
電装置の効果から、クリーナレスシステムにおける帯電
装置として、トナーの混大量が多い中でも帯電性能の確
保と像担持体摩耗を抑えた画像形成装置を構成可能であ
る。
【0024】(7)導電粒子の径は現像剤中のトナー径
より小さいことを特徴とする(5)または(6)に記載
の画像形成装置。
【0025】即ち、トナー粒径>導電粒子であることが
トナーを先に回収するという点で有利である。
【0026】(8)像担持体表面の抵抗が1×109
1×1014(Ω・cm)であるとともに、該表面の表面
エネルギーが85度以上であることを特徴とする(5)
ないし(7)の何れか1つに記載の画像形成装置。
【0027】即ち、像担持体の離型性として本構成を加
えた場合には更に、トナー回収を効率よく行うことが可
能となる。
【0028】
【発明の実施の形態】図1は本発明に従う帯電装置を用
いた画像記録装置の概略構成図である。
【0029】本実施形態の画像記録装置は、転写式電子
写真プロセス利用、直接注入帯電方式、トナーリサイク
ルプロセス(クリーナレスシステム)のレーザプリンタ
(記録装置)である。
【0030】(1)プリンタの全体的概略構成 1は像担持体であり、本実施形態ではφ30mmの回転
ドラム型の負極性OPC感光体(ネガ感光体、以下感光
ドラムと記す)である。この感光ドラム1は矢印の時計
方向に周速度94mm/sec(=プロセススピードP
S、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
【0031】2は感光ドラム1に所定の侵入量をもって
当接した接触帯電部材としての導電性弾性ローラ(以
下、帯電ローラと記す)である。nは感光ドラム1と帯
電ローラ2との接触部(帯電接触部)である。この帯電
ローラ2はその外周面に導電粒子m(帯電を目的とした
導電性粒子、帯電促進粒子)を保持(担持)しており、
感光ドラム1と帯電ローラ2との帯電接触部nに導電粒
子mが介在している。
【0032】帯電ローラ2はこの帯電接触部nにおいて
感光ドラム1表面の移動方向と逆方向(カウンター)と
なるよう回転駆動され、感光ドラム1面に対して速度差
を持って接触する。またプリンタの画像記録時には該帯
電ローラ2に帯電バイアス印加電源S1から所定の帯電
バイアスが印加される。これにより感光ドラム1の周面
が直接注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯
電処理される。本実施例では印加電源S1による印加バ
イアスをDC電圧−700Vが印加された。
【0033】上記の帯電ローラ2、導電粒子m、直接注
入帯電については別項で詳述する。
【0034】4はレーザダイオード・ポリゴンミラー等
を含むレーザビームスキャナ(露光装置)である。この
レーザビームスキャナ4は目的の画像情報の時系列ディ
ジタル画像信号に対応して強度変調されたレーザ光を出
力し、該レーザ光で上記回転感光ドラム1の一様帯電面
を走査露光Lする。
【0035】この走査露光Lにより回転感光ドラム1の
面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0036】5は現像装置である。回転感光ドラム1面
の静電潜像はこの現像装置5により現像部位aにてトナ
ー画像として現像される。現像装置5内には現像剤tに
導電粒子mを添加した混合剤t+mが備えられている。
【0037】6は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラであり、感光ドラム1に所定に圧接させて転写ニッ
プ部bを形成させてある。この転写ニップ部bに不図示
の給紙部から所定のタイミングで被記録体としての転写
材Pが給紙され、かつ転写ローラ6に転写バイアス印加
電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加されること
で、感光ドラム1側のトナー像が転写ニップ部bに給紙
された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0038】本実施例で使用の転写ローラ6は、芯金6
aに中抵抗発泡層6bを形成した、ローラ抵抗値5×1
8Ωのものであり、+2.0kVの電圧を芯金に印加
して転写を行った。転写ニップ部bに導入された転写材
Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その表面側
に回転感光ドラム1の表面に形成担持されているトナー
画像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0039】7は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部bに給紙されて感光ドラム1側のトナー画像の
転写を受けた転写材Pは回転感光ドラム1の面から分離
されてこの定着装置7に導入され、トナ一画像の定着を
受けて画像形成物(プリント・コピー)として装置外へ
排出される。
【0040】本実施例のプリンタはクリーナレスであ
り、転写材Pに対するトナー画像転写後の回転感光ドラ
ム1面に残留した転写残トナーは専用のクリーナ(クリ
ーニング装置)で除去されることなく感光ドラム1の回
転にともないカウンター回転する帯電ローラ2に一時的
に転写され、ローラとともに周回するにつれて、反転し
たトナー電荷が正規化され順次感光ドラム1に吐き出さ
れて現像部位aに至り、現像装置5において現像同時ク
リーニングにて回収・再利用される。
【0041】(2)電荷注入層付き感光体 感光ドラム1の表面には電荷注入層を設けて感光体表面
の抵抗と表面エネルギーを調節している。
【0042】図2は、表面に電荷注入層を設けた感光体
の層構成の模式図である。即ち該感光ドラム1は、アル
ミドラム基体(Alドラム基体)11上に、下引き層1
2、電荷発生層14、電荷輪送層15の順に重ねて塗工
された一般的な有機感光体ドラムに、電荷注入層16を
塗布することにより帯電性能を向上したものである。
【0043】電荷注入層16は、バインダーとしての光
硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)
としてのSnO2超微粒子16a(径が約0.03μ
m)、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法に
より膜形成したものである。また、加えて4フッ化エチ
レン樹脂などの滑剤も内包させることにより、感光ドラ
ム表面の表面エネルギーを抑えて、導電粒子の付着を全
般的に抑える効果がある。
【0044】その表面エネルギーは水の接触角で表わす
と好ましくは85度以上、更に好ましくは90度以上で
あることが好ましい。
【0045】また、帯電性能の観点から表面の表層の抵
抗は重要なファクターとなる。電荷の直接注入による帯
電方式においては、被帯電体側の抵抗を下げることでよ
り効率良く電荷の授受が行えるようになる。一方、感光
体として用いる場合には静電潜像を一定時間保持する必
要があるため、電荷注入層16の体積抵抗値としては1
×109〜1×1014(Ω・cm)の範囲が適当であ
る。
【0046】また、本構成のように電荷注入層16を用
いていない場合でも、例えば電荷輸送層15が上記抵抗
範囲に或る場合は同等の効果が得られる。さらに、表層
の体積抵抗が約1013Ωcmであるアモルファスシリコ
ン感光体等を用いても同様な効果が得られる。
【0047】(3)帯電ローラ2 本実施例における接触帯電部材としての帯電ローラ2は
芯金2a上にゴムあるいは発泡体の中抵抗層2bを形成
することにより作成される。
【0048】中抵抗層2bは樹脂(例えばウレタン、導
電性粒子(例えばカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤
等により処方され、芯金2aの上にローラ状に形成し
た。その後、表面を研磨した。そして最終的に径6m
m、長手長さ240mmの芯金2aに多孔体表面を有す
る弾性体層(層厚3mm)2bを形成し、外径12m
m、弾性体層長手長さ220mm、の導電性弾性ローラ
である帯電ローラ2を作成した。
【0049】本実施例の帯電ローラ2のローラ抵抗を測
定したところ100kΩであった。ローラ抵抗は、帯電
ローラ2の芯金2aに総圧1kgの加重がかかるよう外
径30mmのアルミドラムに帯電ローラ2を圧着した状
態で、芯金2aとアルミドラムとの間に100Vを印加
し、計測した。
【0050】ここで、接触帯電部材である帯電ローラ2
は電極として機能することが重要である。つまり、弾性
を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時
に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有す
る必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの耐
圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必
要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場
合、十分な帯電性と対リ一ク性を得るには104〜107
Ωの抵抗が望ましい。
【0051】帯電ローラ2の表面は導電粒子mを保持で
きるようミクロな凹凸があるものが望ましい。
【0052】帯電ローラ2の硬度は、硬度が低すぎると
形状が安定しないために被帯電体との接触性にムラがで
る、あるいは、長期放置によるローラの永久変形ひずみ
による帯電不良を生じる。高すぎると必要な侵入量が得
られず被帯電体との間に帯電接触部nを確保できないだ
けでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなる
ので、アスカーC硬度で15度から50度が好ましい範
囲である。更に好ましくは、25〜40度が好ましい。
本実施例ではアスカーC硬度で22度のローラを使用し
た。
【0053】帯電ローラ2の材質としては、弾性発泡体
に限定するものでは無く、弾性体の材料として、EPD
M、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵
抗調整のためのカーボンブラックや金属酸化物等の導電
性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたも
のがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずにイ
オン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能で
ある。
【0054】帯電ローラ2は被帯電体としての感光ドラ
ム1に対して0.3mmの進入量に配設し、本実施例で
は約3mmの帯電接触部nを形成させてある。
【0055】図3は帯電ローラ2と感光ドラム1の関係
を詳細に示したものである。(a)は側面図、(b)は
途中部分省略の正面図である。
【0056】帯電ローラ2は、その芯金2aの両端部に
それぞれ芯金2aと感光ドラム1表面との距離を規制す
る回転体(スペーサコロ)2cを回転自由に外嵌させ、
また芯金2aの両端部をそれぞれフォーク状軸受2dに
回転自由に軸受させて感光ドラム1に並行に配列すると
ともに、両側のフォーク状軸受2dをそれぞれ加圧ばね
2eにより感光ドラム方向に加圧することで、帯電ロー
ラ2を両端部の回転体2cが感光ドラム1に当接して受
止められるまで弾性体の中抵抗層2bの弾性に抗して感
光ドラム1に圧接した状態に保持させている。
【0057】この場合、回転体2cの半径は5.7mm
であり,帯電ローラ2の自由状態での半径が6.0mm
であり、その差0.3mm分が帯電ローラ2の感光ドラ
ム1ヘの進入量となり、所定幅の帯電接触部nが形成さ
れる。
【0058】両端部のフォーク状軸受2dはそれぞれ不
図示の装置側板に設けたガイド溝に嵌め込まれていて、
感光ドラム1方向にスライド移動自由である。Gは帯電
ローラ2の芯金2aの一端側に固着したドライブギヤで
あり、このドライブギヤGに不図示の駆動系から回転力
が伝達されて帯電ローラ2の回転駆動がなされる本実施
形態では、この帯電ローラ2を帯電接触部nにおいて帯
電ローラ表面と感光ドラム表面とが互いに逆方向に移動
するよう矢印の時計方向に回転駆動させた。即ち接触帯
電部材としての帯電ローラ2の表面は被帯電体としての
感光ドラム1の面に対して速度差を持たせるようにし
た。帯電ローラ2の周速度は感光ドラム1の移動速度9
4mm/secの60%つまり、56mm/secとな
るように回転数を調整した。
【0059】(4)現像装置5 本実施形態の現像装置5は現像剤tとして一成分磁性ト
ナー(ネガトナー)を用いた反転現像装置である。現像
装置内には現像剤(トナー)tと導電粒子mの混合剤t
+mを備えている。
【0060】5aはマグネットロール5bを内包させ
た、現像剤担持搬送部材としての非磁性回転現像スリー
ブであり、現像容器5d内に備える現像剤混合剤t+m
内のトナーtは回転現像スリーブ5a上を搬送される過
程において、規制ブレード5cで層厚規制及び電荷付与
を受ける。
【0061】回転現像スリーブ5aにコートされたトナ
ーtはスリーブ5aの回転により、感光ドラム1とスリ
ーブ5aの対向部である現像部位(現像領域部)aに搬
送される。またスリーブ5aには現像バイアス印加電源
S2より現像バイアス電圧が印加される。
【0062】本実施例において、現像バイアス電圧はD
C電圧−500VにAC電圧=ピーク間電圧1600
V、周波数1.8kHz、矩形波の重畳電圧とした。
【0063】これにより、感光ドラム1側の静電潜像が
トナーtにより反転現像される。
【0064】a)トナーt:現像剤である一成分磁性ト
ナーtは、結着樹脂、磁性体粒子、電荷制御剤を混合し
混練、粉砕、分級の各行程を経て作成し、さらに導電粒
子mや流動化剤などを外添剤として添加して作成された
ものである。トナーの平均粒径(D4)は7μmであっ
た。
【0065】b)導電粒子m:本実施例では、導電粒子
として、比抵抗が106Ω・cm、平均粒径3μmの導
電性酸化亜鉛を用いた、そして、導電粒子mとしての酸
化亜鉛分を、分級後のトナーt100重量部に対して2
重量部添加し混合機により均一に分散させて現像装置5
内に収容させた。
【0066】導電粒子mの材料としては他の金属酸化物
などの導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、
これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が使用
可能である。
【0067】粒子抵抗は粒子を介した電荷の授受を行う
ため比抵抗としては1012Ω・cm以下が必要であり、
好ましくは1010Ω・cm以下望ましい。
【0068】抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化し
て求めた。即ち、底面積2.26cm2の円筒内に凡そ
0.5gの導電粒子を入れ上下電極に15kgの加圧を
行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、そ
の後正規化して比抵抗を算出した。
【0069】粒径は良好な帯電均一性をえるために50
μm以下が望ましい。本発明において、粒子が凝集体を
構成している場合の粒径は、その凝集体としての平均粒
径として定義した。粒径の測定には、電子顕微鏡による
観察から100個以上抽出し、水平方向最大弦長を持っ
て体積粒径分布を算出しその50%平均粒径を持って決
定した。
【0070】導電粒子は一次粒子の状態で存在するばか
りでなく二次粒子の凝集した状態で存在することもなん
ら問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体とし
て導電粒子としての機能が実現できればその形態は重要
ではない。
【0071】導電粒子は特に感光体の帯電に用いる場合
に潜像露光の妨げにならないよう白色または透明に近い
ことが望ましい。さらに、導電粒子が感光体上から記録
材Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記録
では無色あるいは白色のものが望ましい、また、画像露
光時に粒子による光散乱を防止するためにもその粒径は
構成画素サイズ以下、さらにはトナー粒径以下であるこ
とが望ましい。粒径の下限値としては粒子として安定に
えられるものとして10nmが限界と考えられる。 (5)帯電粒子担持量、被覆率 帯電ローラ2における粒子の担持量はローラ表面の平均
粗さRaにより適切に保つ必要がある。つまり担持量を平
均粗さRaで除した値が0.005から1、より好ましく
は、0.02から0.3mg/cm2/μmであること
が望ましい。ただし、本構成はトナーリサイクル構成で
あるため、多くのトナーが帯電ローラ表面を汚染する。
トナーは摩擦帯電による電荷を表面に維持するため抵抗
値としては1013Ω・cm以上の抵抗を有する。従っ
て、帯電ローラ2がトナーにより汚染されると、帯電ロ
ーラ2上に担持している粒子抵抗が増加し帯電性能が低
下する。たとえ、帯電粒子mの抵抗が低くとも、トナー
tの混入により担持している粉体の抵抗は上昇し帯電性
に障害を生じる。従って、担持量を平均粗さRaで除した
値が0.005から1、より好ましくは、0.02から
0.3mg/cm 2/μmであっても、その成分に多く
のトナーが含まれていることがあり,当然帯電性能は低
下する。この場合、担持粒子の抵抗が上昇しその状況を
捉えることができる。つまり、実使用状態において、帯
電ローラ2に担持している粒子(トナーや紙粉などの混
入物も含む)を前記した方法で抵抗測定を行い、その値
が、10-1〜1012Ω・cmである。好ましくは〜10
10Ω・cmであることが必要となる。
【0072】更に、帯電粒子mの帯電における実効的な
存在量を把握するために、帯電粒子の被覆率を調整する
ことが更に重要となる。帯電粒子mは白色であるため、
磁性トナーの黒色と区別可能である。顕微鏡における観
察において白色を呈している領域を面積率として求め
る。被覆率が0.1以下の場合は帯電ローラ2の周速度
を高めても帯電性能としては不十分であることから帯電
粒子の被覆率を0.2〜1の範囲に保つことが重要とな
る。
【0073】また、担持量の調節は、基本的には、現像
装置5内に収容する現像剤t+mについて、帯電粒子m
のトナーtへの添加量の調整により行った。また、必要
に応じて、帯電ローラ2の外周の一部に弾性ブレードを
当接することにより調整を行った。部材を当接すること
により、トナーの摩擦帯電極性を正規化する効果があ
り、帯電ローラ2に担持されている粒子量を調整するこ
とが可能となる。
【0074】a)担持粒子の量及び抵抗測定 担持量の測定は、帯電ローラに担持している粒子を洗浄
し、粒子の重量および抵抗の測定を行った。
【0075】超音波洗浄器内にエタノールと水(1:
2)によりなる洗浄液を調合し、中にローラを浸し洗浄
を行った。洗浄を繰り返すとともにローラの表面を光学
顕微鏡などで確認し、必要に応じてローラ表面をブレー
ドなどにより摺擦しながら洗浄を繰り返し行うことによ
りローラ上の付着物を除去することができる。
【0076】得られた洗浄液は1〜2時間静置し明らかに
上澄みと分離できる場合は上澄みを除去する。その後、
105度で充分乾燥してローラの担持物を抽出した。粒
子抵抗の測定は前述した錠剤法に従う。
【0077】担持量は得られた粒子の総重量と帯電ロー
ラ2の表面積(ローラの長手長さおよび外径から算出さ
れる)から、単位面積当たりの担持量として求める。 b)被覆率の測定 被覆率測定に関しては、ローラ当接条件に近い状態で顕
微鏡観察し、帯電粒子に覆われている面積を計測した。
具体的には、帯電バイアスを印加しない状態で感光ドラ
ム1及び帯電ローラ2の回転を停止し、感光ドラム1及
び帯電ローラ2の表面をビデオマイクロスコープ(OL
YMPUS製OVM100N)及びデジタルスチルレコ
ーダ(DELTIS製SR−3100)で撮影した。帯
電ローラ2については、帯電ローラ2を感光ドラム1に
当接するのと同じ条件でスライドガラスに当接し、スラ
イドガラスの背面からビデオマイクロスコープにて該接
触面を1000倍の対物レンズで撮影した。その後、事
前に計測した帯電粒子の色あるいは輝度を持って粒子で
被覆している領域を分離し面積率を求め被覆率とした。
また、色による判別が困難な場合は、ローラ最表面の物
質を蛍光X線分析装置SYSTEM3080(理学電機
工業(株)製)により行った。先ず、初期状態において
帯電粒子に覆われた帯電ローラとドラムの間に、ポリエ
ステルテープ(ニチバン製No550(#25))の粘着面をロー
ラに向けてはさみ、ドラムとローラを従動回転してロー
ラとドラムの接触を一度通過させる。このときテープ表
面には、帯電ローラの最表面の粒子を一層サンプリング
することになる。一方、印字テストを終えたローラにつ
いても同様にサンプリングを行なう。導電粒子中に含ま
れる特定の元素について、含有量を定量することによ
り、被覆率を求めることができる。つまり、導電粒子の
みを担持したローラのテープ試料を1として、印字テス
ト後の試料の割合を算出し被覆率を求めることが可能と
なる。 (6)直接注入帯電 以下に、本実施形態における、注入帯電プロセスとクリ
ーナレスシステムについてその動作を説明する。
【0078】現像装置5に収容されたトナーtと導電粒
子mの混合剤t+mの導電粒子mは感光ドラム1の静電
潜像のトナー現像時にトナーtとともに感光ドラム1に
移行する。
【0079】感光ドラム1上のトナー画像は転写ニップ
部bにおいて転写バイアスにより転写材P側に引かれて
積極的に移行するが、感光ドラム1上の導電粒子mは導
電性であることで、感光ドラム1上に実質的に付着保持
されて残留する。また感光ドラム1面に実質的に付着保
持される導電粒子mの存在によりトナー画像の感光ドラ
ム1側から転写材P側への転写効率が向上する効果が得
られる。
【0080】そしてトナーリサイクルプロセスの画像形
成装置はクリーナを用いないため、転写後の感光ドラム
1面に残存する転写残トナー及び上記の残存導電粒子は
感光ドラム1と接触帯電部材である帯電ローラ2の帯電
接触部nに感光ドラム1の回転でそのまま持ち運ばれて
帯電ローラ2に付着混入する。
【0081】従って、感光ドラム1と帯電ローラ2との
接触部nにこの導電粒子mが存在した状態で感光ドラム
1の接触帯電が行われる。なお、印字初期においては帯
電ローラ2表面に導電粒子mが供給されず帯電が行えな
いので帯電ローラ2表面にはあらかじめ導電粒子mを塗
布しておくことを可とする。
【0082】この導電粒子mの存在により帯電ローラ2
にトナーが付着混入した場合でも、帯電ローラ2の感光
ドラム1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるた
め、接触帯電部材が帯電ローラのような簡易な部材であ
り、しかも帯電ローラの転写残トナーによる汚染にかか
わらず該帯電ローラ2による感光ドラム1への直接注入
帯電を行わせることができる。
【0083】つまり、帯電ローラ2が導電粒子mを介し
て密に感光ドラム1に接触して、帯電ローラ2と感光ド
ラム1の接触部nに存在する導電粒子mが感光ドラム1
表面を隙間なく摺擦することで、帯電ローラ2による感
光ドラム1の帯電は導電粒子mの存在により放電現象を
用いない安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となり、
一般的に用いられているローラ帯電などではえられなか
った高い帯電効率が得られ、帯電ローラ2に印加した電
圧とほぼ同等の電位を感光ドラム1に与えることができ
る。
【0084】また、帯電ローラ2に付着・混入した転写
残トナーは帯電ローラ2から徐々に感光ドラム1上に吐
き出されて感光ドラム1面の移動とともに現像部位aに
至り、現像装置5において現像同時クリーニング(回
収)される(トナーリサイクルプロセス)。
【0085】現像同時クリーニングは前述したように、
転写後に感光ドラム1上に残留したトナーを引き続く画
像形成行程の現像時、即ち引き続き感光ドラムを帯電
し、露光して潜像を形成し、その潜像の現像時において
現像装置のカブリ取りバイアス、即ち現像装置に印加す
る直流電圧と感光ドラム表面電位感の電位差であるカブ
リ取り電位差Vbackによって回収するものである。
本実施形態におけるプリンタのように反転現像の場合で
は、この現像同時クリーニングは、感光ドラムの暗部電
位から現像スリーブにトナーを回収する電界と、現像ス
リーブから感光ドラムの明部電位ヘトナーを付着させる
電界の作用でなされる。
【0086】また、帯電ローラ2から導電粒子mが脱落
しても、画像形成装置が稼働されることで、現像装置5
の現像前混合剤t+mに含有する導電粒子mが現像部位
aで感光ドラム1面に移行し該感光ドラム1の回転によ
り転写ニップ部bを経て帯電接触部nに持ち運ばれて帯
電ローラ2に逐次に供給され続けるため、導電粒子mの
存在による良好な帯電性が安定して維持される。
【0087】かくして、直接注入帯電方式、転写方式、
トナーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接
触帯電部材としての帯電ローラ2を使用して、しかも該
帯電ローラ2の転写残トナーによる汚染にもかかわら
ず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯電を長期に渡
り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与える
ことができ、オゾン生成物による帯電不良による障害な
どのない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得る
ことができる。
【0088】また、帯電ローラ2と感光ドラム1との接
触部nに導電粒子mを介在させることにより、該導電粒
子mの潤滑効果(摩擦低減効果)により帯電ローラ2と
感光ドラム1との間に容易に効果的に速度差を設けるこ
とが可能となる。
【0089】帯電ローラ2と感光ドラム1との間に速度
差を設けることにより、帯電ローラ2と感光ドラム1の
接触部nにおいて導電粒子mが感光ドラム1に接触する
機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、
容易に直接注入帯電を可能にする。
【0090】速度差を設ける構成として、好ましくは接
触部nに持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーを
帯電ローラ2に一時的に回収し均すために、帯電ローラ
2を回転駆動し、されに、その回転方向は感光ドラム1
表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成するこ
とが望ましい。即ち、逆方向回転で感光ドラム1上の転
写残トナーをいったん引き離し帯電を行うことにより優
位に直接注入帯電を行うことができる。
【0091】(7)実施例1〜10、比較例1〜4 上記実施形態において、感光ドラム外径、帯電ローラ外
径、進入量を調整して構成した場合の実施例1〜10及
び比較例1〜4についてその内容を以下の表1に表す。
【0092】
【表1】
【0093】評価結果:表2に、各実施例1〜10及び
比較例1〜4の評価結果を示すとともに、本実施例1〜
10の有効性について述べる。
【0094】a)帯電均一性 各構成において、現像バイアスのDC成分をおよそ帯電
バイアスに設定し、帯電後の感光ドラム面上の電位分布
をアナログ的に画像濃度として再現し、この画像の均一
性を持って帯電均一性の評価した。画像濃度はおよそ光
学濃度で0.5になるよう、現像バイアスを調整した。
濃度計は(マクベス社製RD−1255を用いて行っ
た。) b)電荷注入層摩耗度 各構成において、6000枚繰り返し印字を行った後の
感光ドラム表層の摩耗量を測定し、1000枚当たりの
摩耗量として正規化した。
【0095】c)カブリ 6000枚繰り返し印字を行った後一旦停止しその後、
印字率40%の中間調画像を1枚印字した後、ベタ白画
像を出力しベタ白のカブリ反射率を求めた。反射率の測
定には東京電飾社製反射濃度計TC−6DSを用い紙自
体の反射率から印字サンプルの反射率を差し引いてトナ
ーによる正味のカブリ分を算出した。
【0096】d)接触幅Ln、接触部侵入角An 図4は帯電接触部nにおける、接触幅Ln、ドラム半径
Rd、ローラ半径Rrおよび侵入量dnの関係を表す。
【0097】感光ドラム1の中心Oを原点として、感光
ドラム中心Oと帯電ローラ中心Orを結ぶ法線方向をY
軸とする。一方、感光ドラム中心Oを含むy軸と直角の
線をX軸とする。更に、接触部nの両端Na、Nbの座
標を(Xn,Yn)とすると、 Xn2+Yn2=Rd2 Xn2+(Yn−Rr−Rd+d)2=Rr2 であらわされる。
【0098】Na,Nbの座標を上記式より数値解とし
て求め、更に接触幅Lnおよび接触侵入角Anを求め
た。
【0099】
【表2】
【0100】比較例1、2において帯電均一性を評価し
たところ、帯電ローラ摺擦ムラが著しく見られ、連続印
字テストするにも及ばない結果となった。一方、侵入量
を0.3mmに設定し接触幅を2.66mmまで増やす
ことで帯電均一性は向上するが、感光体摩耗量は0.2
3μmと多く、またカブリも悪い。これらの実験データ
を進入量と接触幅の関係の中にプロットしたグラフ1〜
4を図5〜8に示す。
【0101】図5のグラフ1については、各比較例1〜
4(比1〜比4)及び各実施例(実1〜実10)をプロ
ットしたものである。
【0102】図6のグラフ2は、帯電均一性をプロット
中に書き入れたものである。評価結果の分布は左上つま
り、接触幅が広く、接触侵入角度が浅いほどよい結果を
示している。従来、注入帯電において、接触機会が多い
ほど帯電性はよくなることから、帯電均一性は接触幅が
広いほど帯電性能が向上することがいわれている。しか
し、本発明では、接触幅で一意的に決まるのではなく、
接触部に帯電ローラ表面が侵入してくる時の侵入角度が
影響していることが明らかになった。
【0103】また、図7のグラフ3は、感光体摩耗量に
関するマッピングの結果である。個々の外径構成につい
てみれば、帯電幅が広がるほど磨耗量が増えている。つ
まり、より多く接触するほど帯電性能はよいが磨耗量は
増えることを意味する。しかし、種種の構成を比較する
と、進入角度が大きく影響していることがわかる。進入
角度が浅いほど磨耗量は少なくなる特性を示している。
【0104】更に、図8のグラフ4におけるカブリのマ
ッピングにおいても同様な結果となった。
【0105】これらのマッピングから、良好な接触部構
成条件が見いだせる。つまり、接触幅と侵入角度の関係
において、 Ln>0.05×An+1.4 を満足する条件を設定することにより、帯電均一性が良
好な注入帯電構成をとることが可能となる。更に、 Ln>0.05×An+1.8 の条件をとることにより、更に良好な帯電均一性と感光
体摩耗量を低く抑えるとともに、カブリ反射率も少ない
良好な帯電装置を構成可能となる。
【0106】本発明において、侵入角が帯電性やドラム
摩耗、カブリに効果があることについては以下のような
解釈ができる。
【0107】図9は30φの感光ドラム1に12φの帯
電ローラ2を用いた場合の概略図を示す。一方、図10
はφ30の感光ドラム1にφ20の帯電ローラ2を用い
た場合の概略図を示す。概念的に表現しているためスケ
ールは実際と異なる。
【0108】これらの構成において、外径から計算され
る接触幅Lnと実効的な接触幅ELnは異なる。それ
は、侵入角度により、感光ドラム1上に付着してくるト
ナーと導電粒子が接触部nの中でどのように分布するか
が異なるからである。つまり、ローラ外径が小さく、侵
入角が大きい場合は、トナーと導電粒子が帯電ローラ2
にかき取られるポイントがほとんど同じであるのに対
し、外径が大きな帯電ローラを用い、侵入角度を浅くす
ることにより、トナーは感光ドラム回転の上流で帯電ロ
ーラによりかき取られることから、実効的な接触幅が広
くなったかのように変化する。従って、侵入角度が浅い
ほど帯電均一性が向上することになると考える。
【0109】また、図7のグラフ3は感光体摩耗量をマ
ッピングしたものであるが、摩耗は、接触侵入角度が低
いほど少ない。つまり、侵入角度が低いほどドラムに接
触するときの感光ドラムに与えるストレスを抑えること
が可能になるためと考える。
【0110】さらに、図8のグラフ4についても同様
で、侵入角度が低いほどカブリが少ない傾向がある。
【0111】クリーナレスシステムにおける、現像にお
ける回収不良によるカブリ増加が見られる。これは、帯
電ローラ2から吐き出されるトナーが適切な電荷をもっ
ていないと現像バイアスによりトナーを引き戻す力が不
足し回収できずに、カブリとなる。
【0112】本発明における帯電部材は感光ドラムに対
して逆方向に回転駆動しているため帯電ローラ表面は若
干変形する。接触部後端で帯電ローラが変形することに
より、帯電ローラ上に付着しているトナーが感光ドラム
に脱落する。このように吐き出されるトナーは十分な電
荷を持っていなくても吐き出されてしまうため現像回収
不良を生じやすい。ここで、帯電ローラの変形量は帯電
ローラの侵入角度と関係しており、侵入角度が低いほど
帯電ローラの変形は小さいことが予想される。従って、
侵入角度が低いほどカブリが少なくなる傾向があると予
想する。
【0113】本実施例では、感光ドラム表面に電荷注入
層16(図2)を設けている。もちろん、注入帯電性能
を向上するという目的において抵抗調整された電荷注入
層16は大いに帯電性に寄与する。さらに、本実施例で
は、帯電ローラ2の侵入角に注目しているが、この点に
おいても電荷注入層16の役割は大きい。電荷注入層1
6の表面エネルギーは低いほど本発明の効果は大きく、
帯電均一性能およびカブリ感光体摩耗量いずれにおいて
も良好な方向である。感光ドラムの表面エネルギーを水
の接触角で表すと、本発明において好ましい接触角は8
5度以上、更に好ましくは90度以上がよい。
【0114】また、導電粒子mとトナーtの外径におい
ても、本実施例で用いた、導電粒子径<トナー径、であ
ることが好ましい。これにより、侵入角度による、実効
的接触幅広がり最も大きくなり帯電均一性が良好であ
る。
【0115】(8)その他 1)画像形成装置はクリーナを具備させたものでもよ
い。この場合は帯電ローラ2に対する導電粒子塗布供給
手段、あるいは接触部nに対する導電粒子供給手段を具
備させる。
【0116】2)接触帯電部材としての帯電ローラ2は
実施例の帯電ローラに限られるものではない。
【0117】また接触帯電部材は帯電ローラの他に、フ
ァーブラシ、フェルト、布などの形状・材質のものも使
用可能である。また、これらを積層し、より適切な弾性
(可撓性)と導電性を得ることも可能である。
【0118】パイル1本1本が弾性を持つファーブラシ
等の弾性体も使用可能である。例えば、抵抗調整された
繊維(ユニチカ製−Rec等)を植え密度155本/m
2、繊維長3mmでパイル状に形成し、その後そのパ
イルをφ6mmの芯金に巻き固定し、ローラ状に成形し
たファーブラシローラ等である。
【0119】3)帯電ローラ2や現像スリーブ3bに対
する印加帯電バイアスあるいは印加現像バイアスは直流
電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0120】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成された矩形波で
あっても良い。このように交番電圧の波形としては周期
的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0121】4)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にディジタル的な潜像を形成す
るレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通
常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子
でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター
等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静
電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0122】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。
【0123】5)現像装置5は実施形態例では一成分磁
性トナーによる反転現像装置を例に説明したが、現像装
置の構成について特に限定するものではない。正規現像
装置であってもよい。
【0124】一般的に、静電潜像の現像方法は、非磁性
トナーについてはこれをブレード等でスリーブ等の現像
剤担持搬送部材上にコーティングし、磁性トナーについ
てはこれを現像剤担持搬送部材上に磁気力によってコー
ティングして搬送して像担持体に対して非接触状態で適
用し静電潜像を現像する方法(1成分非接触現像)と、
上記のように現像剤担持搬送部材上にコーティングした
トナーを像担持体に対して接触状態で適用し静電潜像を
現像する方法(1成分接触現像)と、トナー粒子に対し
て磁性のキャリアを混合したものを現像剤(2成分現像
剤)として用いて磁気力によって搬送して像担持体に対
して接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分
接触現像)と、上記の2成分現像剤を像担持体に対して
非接触状態で適用し静電潜像を現像する方法(2成分非
接触現像)との4種類に大別される。
【0125】6)転写手段4はローラ転写に限られずベ
ルト転写などにすることもできる。
【0126】7)転写ドラムや転写ベルト等の中間転写
体などを用いて、単色画像ばかりでなく、多重転写等に
より多色やフルカラー画像を形成する画像形成装置であ
ってもよい。
【0127】8)帯電ローラの当接方法について、本例
ではローラ心金とドラム表面との間隙を回転体2cで調
整することによりローラのドラムへの進入量を規制した
が、より簡易な構成として、ローラのドラムへの押し付
け圧を調整する構成も何ら問題なくとることができる。
このような構成の時には、ローラ駆動時における、帯電
ローラ心金2aとドラム表面との間隙を直接測定し、本
例に当てはめることが可能となる。
【0128】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
電粒子を用いた接触帯電装置、及び該帯電装置を用いた
画像形成装置において、被帯電体(像担持体)および帯
電部材の外径により決められる、侵入角度Anと接触部
の幅Lnにおいて、Ln>0.05×An+1.4、更
に好ましくはLn>0.05×An+1.8、なる条件
を選択することにより、現像剤(トナー)回収ポイント
を上流に移動し帯電に寄与する接触幅を広げることが可
能となる。その結果、実効的な帯電幅を広げるととも
に、現像剤の回収時の負荷を減らすことにより、帯電性
能の向上と被帯電体摩耗の低減を両立することが可能と
なる。更に、侵入角度を低減することは帯電部材変形量
の低減の効果があり、現像剤電荷量の不十分な現像剤の
吐き出しによるカブリの画像不良を低減することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態例の画像記録装置の概略図
【図2】 電荷注入層を設けた感光体の層構成模型図
【図3】 帯電ローラ及び感光ドラムの配置図
【図4】 侵入角度の説明図
【図5】 グラフ1=実施例1〜10及び比較例1〜4
における接触侵入角度と接触幅を表すグラフ
【図6】 グラフ2=グラフ1において、帯電均一性を
表したグラフ
【図7】 グラフ3=グラフ1において、感光体摩耗量
を表したグラフ
【図8】 グラフ4=グラフ1において、カブリを表し
たグラフ
【図9】 導電粒子、トナーの動きを表すモデル図(帯
電ローラ径12mm)
【図10】 帯電粒子、トナーの動きを表すモデル図
(ローラ径20mm)
【符号の説明】
1.感光体 2.帯電ローラ(帯電部材) m.導電粒子 4.レーザスキャナ 5.現像装置 5a.現像スリーブ 5b.マグネットローラ 5c.現像規制ブレード t.一成分磁性トナー 6.転写帯電器 P.被記録体 7.定着装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平林 純 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA08 DA17 2H077 AA37 AD06 2H200 FA09 FA18 FA19 GA16 GA18 GA44 GA58 GA59 GB37 HA03 HA21 HA28 HA29 HB12 HB17 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 MA01 MA02 MA08 MA11 MA13 MA20 MB01 MB04 MC01 MC02 MC15 PA11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被帯電体に接触する、弾性体である帯電部
    材を有し、該帯電部材と被帯電体の接触部に体積抵抗が
    1012Ω・cm以下である導電粒子が介在し、該帯電部
    材は被帯電体に速度差を持って接触し、被帯電体表面を
    帯電する帯電装置であり、 該帯電部材と該被帯電体との接触開始点及び接触終了点
    において、被帯電体及び帯電部材の表面の接線のなす角
    度をAn(deg)とし、接触部の長さをLn(mm)
    とすると Ln>0.05×An+1.4 となるよう被帯電体および帯電部材を接触させることを
    特徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】被帯電体に接触する、弾性体である帯電部
    材を有し、該帯電部材と被帯電体の接触部に体積抵抗が
    1012Ω・cm以下である導電粒子が介在し、該帯電部
    材は被帯電体に速度差を持って接触し、被帯電体表面を
    帯電する帯電装置であり、 該帯電部材と該被帯電体との接触開始点及び接触終了点
    において、被帯電体及び帯電部材の表面の接線のなす角
    度をAn(deg)とし、接触部の長さをLn(mm)
    とすると Ln>0.05×An+1.8 となるよう被帯電体および帯電部材を接触させることを
    特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】帯電部材はローラ形状であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の帯電装置。
  4. 【請求項4】被帯電体は円筒のドラム形状であることを
    特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の帯電装
    置。
  5. 【請求項5】像担持体と、該像担持体を帯電する手段
    と、像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像情
    報書き込み手段と、その静電潜像を現像剤で可視化する
    現像手段を有し画像形成を実行する画像形成装置であ
    り、前記像担持体を帯電する帯電手段は請求項1ないし
    4の何れか1つに記載の帯電装置であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  6. 【請求項6】像担持体と、像担持体を帯電する手段と、
    像担持体の帯電処理面に静電潜像を形成する画像情報書
    き込み手段と、その静電潜像を現像剤で可視化する現像
    手段と、像担持体上の現像剤像を記録材に転写する転写
    手段を備え、現像手段が現像剤像を記録材に転写したあ
    とに像担持体に残留した現像剤を回収するクリーニング
    手段も兼ねている像担持体クリーナレス構成の画像形成
    装置であり、前記像担持体を帯電する帯電手段は請求項
    1ないし4の何れか1つに記載の帯電装置であることを
    特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】導電粒子の径は現像剤中のトナー径より小
    さいことを特徴とする請求項5または6に記載の画像形
    成装置。
  8. 【請求項8】像担持体表面の抵抗が1×109〜1×1
    14(Ω・cm)であるとともに、該表面の表面エネル
    ギーが85度以上であることを特徴とする請求項5ない
    し7の何れか1つに記載の画像形成装置。
JP2001138413A 2001-05-09 2001-05-09 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置 Pending JP2002333759A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138413A JP2002333759A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138413A JP2002333759A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002333759A true JP2002333759A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18985356

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001138413A Pending JP2002333759A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002333759A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3728267B2 (ja) プロセスカートリッジ及び画像形成装置
CN104635456B (zh) 显影剂承载组件,显影部件,处理盒和成像装置
JP3435434B2 (ja) 帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2001265115A (ja) 現像装置及び画像形成装置
JP3292156B2 (ja) 帯電部材、帯電方法、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP3292155B2 (ja) 画像形成装置
JPH10307456A (ja) 画像形成装置
JPH10307458A (ja) 画像形成装置
JP3619136B2 (ja) 画像形成装置
JP2002214884A (ja) 画像形成装置
JP3332865B2 (ja) 画像形成装置
JP3320356B2 (ja) 画像形成装置
JP2003307909A (ja) 帯電部材、該帯電部材を用いる帯電装置、及び画像記録装置
JP3315642B2 (ja) 画像形成装置
JP2002333759A (ja) 帯電装置及び該帯電装置を用いた画像形成装置
JP2002108058A (ja) 画像形成装置
JP3382537B2 (ja) 帯電装置、画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP3647264B2 (ja) 画像形成装置
JP2001109230A (ja) 画像形成装置
JP2004102140A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP3253280B2 (ja) 画像形成装置
JPH11153897A (ja) 帯電方法、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2002207346A (ja) 画像形成装置
JP2003149923A (ja) 画像形成装置
JPH11194584A (ja) 画像形成装置