JP2002333022A - 静圧気体軸受 - Google Patents

静圧気体軸受

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JP2002333022A
JP2002333022A JP2002060642A JP2002060642A JP2002333022A JP 2002333022 A JP2002333022 A JP 2002333022A JP 2002060642 A JP2002060642 A JP 2002060642A JP 2002060642 A JP2002060642 A JP 2002060642A JP 2002333022 A JP2002333022 A JP 2002333022A
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gas
moving body
sealant
guide shaft
gas bearing
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JP2002060642A
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English (en)
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Takuma Tsuda
拓真 津田
Shinji Shinohara
慎二 篠原
Osamu Nakagawa
修 中川
Kazunari Okuma
一成 大熊
Takeshi Hayashida
猛 林田
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/44Centrifugal pumps
    • F16C2360/45Turbo-molecular pumps

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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】移動体の各部品締結部分を経由する気体漏洩経
路を無くし、軸受外部に漏洩する気体の量を極力低減し
て高真空環境にも対応できる静圧気体軸受を提供するこ
とを目的とする。 【解決手段】ガイド軸と、このガイド軸の上面、下面、
及び両側面に沿って移動する移動体とを真空チャンバー
内に設けてなる静圧気体軸受において、移動体は天板、
底板、両側板の計4部品をボルト等で互いに締結されて
なり、天板と側板とが締結される締結面内部、及び底板
と側板とが締結される締結面内部にシール剤封入溝を設
けてあり、シール溝内にはシール剤が封入されているこ
ととした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は真空環境下で使用す
る静圧気体軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体露光装置の光源が将来、レーザー
から更に短波長の電子ビーム、X線へと移行して行くに
あたり、露光装置内部の可動機構に用いられる静圧気体
軸受にも真空環境への対応が求められている。静圧気体
軸受は従来、エアーパッドから噴出する圧縮気体を軸受
外部へ放出しながら利用されてきたが、真空環境内で静
圧気体軸受を利用する場合、この軸受外部への気体放出
を極力低減する必要がある。これを実現するために、静
圧気体軸受のエアーパッド周囲にラビリンスシール機構
を設けた構造の静圧気体軸受が考案されており、本発明
者も概構造の静圧気体軸受の開発、試作を行ってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者が試作した静
圧気体軸受の形状は、特願2000-390858の図面に記載し
たものと同形状である。移動体は天板、底板、及び2枚
の側板の計4部品から構成されており、それぞれの部品
はボルトにて締結されている。移動体内部にはエアーパ
ッド、及びそれを取り囲むラビリンスシール機構が配置
され、10-5Paの高真空環境内で利用できるように設計を
行った。ところが、上記構成にて試作した静圧気体軸受
を高真空チャンバー内に設置し、真空環境内での動作実
験を行ったところ、静圧気体軸受から漏洩する気体の量
が設計値よりも約10倍大きく、真空チャンバー内の圧
力が10-4Paまで上昇してしまった。この原因を調査した
ところ、当初想定していた漏洩経路である約5μmの軸
受浮上隙間以外に、更に大きな漏洩経路が存在すること
を発見した。様々な要素実験にて確認した結果、移動体
の各部品をボルトにて締結した締結面内部を経由して軸
受外部に漏洩する気体の量が、約5μmの軸受浮上隙間
を経由して漏洩する気体の量の約10倍も存在すること
を発見したのである。
【0004】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、本発明の目的は、移動体の各部品締結部分
を経由する気体漏洩経路を無くし、軸受外部に漏洩する
気体の量を極力低減して高真空環境にも対応できる静圧
気体軸受を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ガイド軸と、このガイド軸の上面、下
面、及び両側面に沿って移動する移動体とを真空チャン
バー内に設けてなり、この移動体には、移動体とガイド
軸の上面、下面、及び両側面との隙間に外部から供給さ
れる気体を放出するエアーパッドを形成し、かつ、前記
エアーパッドの周囲に、前記隙間に放出された気体を回
収して外部に配管を介して放出する大気圧溝を設け、さ
らに、前記大気圧溝の周囲には、前記大気圧溝にて回収
できなかった気体を回収して外部に配管を介して放出す
る減圧溝を設けてなる真空環境下で使用される静圧気体
軸受において、前記移動体は天板、底板、両側板の計4
部品をボルト等で互いに締結されてなり、前記天板と前
記側板とが締結される締結面内部、及び前記底板と前記
側板とが締結される締結面内部にシール剤封入溝が設け
てあり、前記シール剤封入溝内にはシール剤が封入され
ていることとした。上記構成により、締結面内部に設け
たシール剤封入溝へ封入されたシール剤により、締結面
を経由した気体漏洩経路を遮断することが可能となる。
【0006】上記目的を達成するために請求項2は、請
求項1に記載の静圧気体軸受において、前記シール剤と
して、シリコン樹脂を封入し硬化させてあることとし
た。上記構成により、締結面を経由した気体漏洩経路を
硬化したシリコン樹脂にて遮断することが可能となる。
また、接着性が低く硬化後はゴム状となるシリコン樹脂
を用いることで、メンテナンス作業に伴う再組立の際
に、ステージ部材を破損することなくシリコン樹脂の除
去を容易に行うことが出来る。
【0007】上記目的を達成するために請求項3は、請
求項1に記載の静圧気体軸受において、前記シール剤と
して、接着剤を封入し硬化させてあることとした。上記
構成により、締結面を経由した気体漏洩経路を硬化した
接着剤にて遮断することが可能となる。
【0008】上記目的を達成するために請求項4は、請
求項1〜3いずれかに記載の静圧気体軸受において、前
記移動体を構成する天板、底板、側板のいずれかに、前
記シール剤封入溝内部に通ずるシール剤供給孔が設けて
あることとした。上記構成により、移動体の各部品をボ
ルトで締結し軸受浮上隙間の微調整が完了した後から、
シール剤を前記シール剤封入溝内部へ注入し封入するこ
とが可能となる。
【0009】上記目的を達成するために請求項5は、請
求項1に記載の静圧気体軸受において、前記シール剤と
して、固体のガスケットを封入してあることとした。上
記構成により、締結面を経由した気体漏洩経路を固体の
ガスケットにて遮断することが可能となる。
【0010】上記目的を達成するために請求項6は、ガ
イド軸と、このガイド軸の上面、下面、及び両側面に沿
って移動する移動体とを真空チャンバー内に設けてな
り、この移動体には、移動体とガイド軸の上面、下面、
及び両側面との隙間に外部から供給される気体を放出す
るエアーパッドを形成し、かつ、前記エアーパッドの周
囲に、前記隙間に放出された気体を回収して外部に配管
を介して放出する大気圧溝を設け、さらに、前記大気圧
溝の周囲には、前記大気圧溝にて回収できなかった気体
を回収して外部に配管を介して放出する減圧溝を設けて
なる真空環境下で使用される静圧気体軸受において、前
記移動体は天板、底板、両側板の計4部品をボルト等で
互いに締結されてなり、前記天板と前記側板とが締結さ
れる締結面内部全体、及び前記底板と前記側板とが締結
される締結面内部に、粘性液体からなるシール剤が挟み
込まれていることとした。上記構成により、締結面内部
全体に挟み込まれた粘性液体からなるシール剤によっ
て、締結面を経由した気体漏洩経路を遮断することが可
能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
【実施例】本発明の好適な実施例を以下に示す。図1
は、本発明の一実施例を表す斜視図である。移動体2及
びガイド軸1はセラミックスにて製作されており、移動
体2がガイド軸1に対して微小な隙間を有しながら取り
付けられ、浮上気体の供給により、摩擦無しに左右に移
動可能となっている。ガイド軸1の左右端には支柱3が
設けられ、図示しない定盤に固定される。
【0012】本軸受のラビリンス機構からの気体排出
は、ガイド軸内部の空洞5を通じて行うよう設計されて
いる。図2に示したガイド軸1の斜視図によって説明す
ると、ガイド軸1内部はリブ構造によって3本の空洞5
が形成されている。ガイド軸1の両端には、排気管接続
ポート4が接着剤にて取り付けられ、この排気管接続ポ
ート4にガイド軸1内部のそれぞれの空洞5を排気する
ための排気配管が取り付け可能となっている。ガイド軸
1内部の空洞5内をそれぞれ排気ポンプにて排気するこ
とで、ガイド軸1中央部に設けられた排気孔6を通じ、
移動体2に設けられた排気溝7から気体を排出すること
が出来る。
【0013】図3に、移動体2の斜視図を示した。移動
体は天板2a、底板2c及び2枚の側板2bから構成さ
れており、これらが図のようにボルトにて互いに締結さ
れている。組立時においてこれらのボルトを締結する際
は、ガイド軸1と移動体2との微小な隙間が約5μmの
設計値通りとなるように、隙間の大きさを調整しなが
ら、慎重に締結される。
【0014】ここで、従来の移動体2を構成する天板2
a、底板2c、及び両側板2bについて、締結前の状態
においてガイド軸1と対向する面から見た図を、図4、
図5、及び図6に示した。移動体2を構成する天板2
a、底板2c、及び両側板2bの4部品それぞれに、エ
アーパッド9とそれを取り囲むように大気圧溝10が設
けられている。エアーパッド9は、従来の大気中で使用
される静圧気体軸受と同様、高圧の気体を噴出し、ガイ
ド軸1との間の微小な空間内部に高圧の気体層を形成
し、移動体2とガイド軸1とを浮上させるためのもので
ある。エアーパッド9への気体供給方法は従来のものと
同様のため、特に図示しない。大気圧溝10は、エアー
パッド9から噴出した気体を軸受が搭載された真空チャ
ンバーの外部へ放出するためのものである。全ての大気
圧溝10は、その内部に大気開放孔11を有しており、
エアーパッド9からこの大気開放孔11へ流入した気体
は移動体2へ接続された大気開放配管を通じ、真空チャ
ンバー外部の大気空間へと排出される。図1において
は、移動体へ接続されるこれら大気開放配管も図示を省
略してある。
【0015】以上に示した従来の移動体2の構造では、
移動体2がガイド軸1から浮上することによって生じた
微小な隙間からの気体の漏洩量は1×10-5Pam3/s以内の
設計仕様内に収めることができる。しかしながら、本発
明者がこの軸受を試作し、真空環境内における静圧気体
軸受からの気体漏洩量を測定したところ、その約10倍
もの気体漏洩が発生していることを発見したのである。
実験によって発見された気体漏洩について、その発生箇
所を調査したところ、移動体2の天板2a、底板2c、
及び両側板2bを互いにボルトで締結した締結面12内
部を通じて静圧気体軸受外部へと漏洩していることがわ
かった。締結面12部は、静圧気体軸受の要求する高い
組立精度へ対応するため極めて平坦になるよう加工され
ており、更にボルトの締め付けトルク30Nmで強く締結さ
れてはいるが、静圧気体軸受周囲の圧力を10-5Pa程度の
低い状態に保つためにはそのシール性能は不十分であっ
た。
【0016】図7に、本発明によって上記問題を解決す
るための構造の一例として、静圧気体軸受の移動体2天
板2aを表す図を示した。従来の天板2aとの違いは、
締結面12部のボルト穴より内側に幅1mm、深さ1mmのシ
ール剤封入溝14を設けてあり、更にシール剤封入溝1
4の両端には直径1mmのシール剤供給孔15が設けられ
ていることである。移動体2の組立後、即ち、天板2
a、底板2c、及び両側板2bをボルトにて締結後、シ
ール剤封入溝14内部へシール剤を封入することで、締
結面12を経由した気体漏洩を防止できる。使用するシ
ール剤としては、封入後に硬化するシリコン樹脂が望ま
しい。更にシリコン樹脂の中でも、硬化後はゴム状とな
りセラミックとの接着性が低いものが最適である。例え
ば型取り用、電子機器のポッティング用として使用され
るGE東芝シリコーン社製のシリコン樹脂、TSE35
03は、シール性能も充分で、且つ移動体2を再組立す
る際は容易にシリコン樹脂を除去することが出来た。
【0017】また、硬化することのない粘性液体をシー
ル剤として使用しても良好な結果が得られた。例として
は、AUSIMONT社のFOMBLIN(YHVAC 140/13)は適度に粘度
が高く、真空環境内における蒸気圧も6.5×10-11Paと非
常に低いため、良好な使用感が得られた。また、このよ
うに硬化することのない液体を注入した際は、注入後、
シール剤供給のための開口部16をVarian社のTorrSeal
で封止し、粘性液体がこぼれ出てしまうのを防止するこ
とが望ましい。
【0018】また、シール剤として接着剤、例えばVari
an社のTorrSealを使用しても良好なシール性能を得られ
る。この場合、シール剤が硬化した後はセラミック部材
と強固に接着されてしまうため、移動体2の再組立が多
少困難になるが、移動体2の締結強度が強化されるとい
う効果も期待できる。接着剤を封入するには、シール剤
供給孔15が天板の側面へ開口しているため、この開口
部16より注射器などを利用して注入すればよい。
【0019】全ての締結面12からの漏洩をこの方法に
て防止するため、図8に示したように、底板2cにおい
ても同様に締結面12部へシール剤封入溝14を設け
た。尚、側板2bについては図6に示した従来のものと
同形状である。
【0020】ここで、本実施例における気体漏洩防止の
詳細を図9に基づき説明する。図9では、移動体を構成
する4部品の内、底板2cを取り外し、エアーパッド9
から噴出する気体が静圧気体軸受の外部に流出する経路
を矢印で示している。矢印Aで示したものが当初想定し
ていた気体の流れであり、エアーパッド9から噴出した
後、大気溝10、二重に設けられた排気溝7を経由し、
ガイド軸1と移動体2との隙間を通って静圧気体外部へ
流出する。これに対し、実験にて新たに発見された気体
の漏洩経路を矢印Bで示した。矢印Bでは、エアーパッ
ド9から噴出し大気溝10を経由した後、締結面12内
を経由して静圧気体外部へ漏洩している。本発明では締
結面12内部にシール剤封入溝14を設けたため、矢印
Bの漏洩経路を遮断している。
【0021】本実施例ではシール剤封入溝14を天板2
a及び底板2cへ設けたが、本発明ではシール剤封入溝
14の配置は天板2a及び底板2cへ限定するものでは
なく、側板2bに設けてもよい。また、シール剤供給の
ための開口部16の配置についても天板2a及び底板2
cへ限定するものではなく、側板2bに設けてもよい。
また、本発明はシール剤封入溝に少なくとも初期状態で
液体状のシール剤を封入することに限定するものではな
く、固体のガスケットを封入することも有効である。こ
の場合の例としては、シール剤封入溝の形状は通常のO
リング溝と同様の矩形断面形状を有し、封入する固体ガ
スケットとしてはフッ素ゴム等、Oリングと同様の材
質、断面形状のもので1本の紐状のものを用意し、シー
ル剤封入溝へ装着すればよい。この場合、固体ガスケッ
トを装着した後に移動体2を組み立てることとなるの
で、シール剤供給孔、及び開口部は必要がない。
【0022】移動体締結面部にシール剤封入溝を設け、
シール剤封入溝内に各種シール剤を封入し締結面を経由
した気体漏洩を防止する方法を以上において説明した
が、移動体締結面部にシール剤封入溝を設けることな
く、例えば移動体の組立前において締結面に液体のシー
ル剤を塗り込み、その後、液体のシール剤を挟み込むよ
うに移動体各部品を締結するという方法によっても締結
面からの気体漏洩を防止することが可能である。
【0023】但しこの方法は、締結面への溝加工が不要
で、従来形状の静圧気体軸受に対し手軽に実施できる利
点はあるが、使用する液体の粘性が高いと、締結面に挟
み込まれた際に液体が厚みを持った層を形成してしまい
軸受浮上隙間の調整が困難となるため、使用する液体の
粘性は10Pas以下であることが望ましい。
【0024】本発明者が実際に行った実験においては、
図4、図5、図6に示した従来形状の移動体に対して、
図12に示すようにその全ての締結面にAUSIMONT社のFO
MBLIN(YHVAC 18/8)を液体シール剤として塗り込んだ後
移動体を組み立てた。FOMBLIN(YHVAC 18/8)は粘性が0.4
Pasと十分に低いため、軸受浮上隙間調整への影響は見
られず、通常と同じ作業要領で調整が可能であった。
【0025】実験の結果を図10及び図11に示す。図
10は、締結面を経由した気体漏洩の対策を施さない従
来の静圧気体軸受において、真空チャンバー内にて動作
させたときの各部の圧力を示している。矢印は気体の流
れを示しており、エアーパッドから噴出した気体が大気
溝、排気溝を経由し真空チャンバーへ流出する様子を示
している。内側の排気溝はロータリーポンプにて排気さ
れており、内側の排気溝内圧力を測定したところ900Pa
であった。更にその外側の排気溝はターボ分子ポンプに
て排気を行い、外側の排気溝内圧力は3.7Paであった。
【0026】これらの各排気溝内圧力は、実験前に行っ
たシミュレーションにより算出した値とほぼ一致してい
た。しかしながら、静圧気体軸受から真空チャンバー内
に放出される気体の漏洩量を測定すると、算出値の約1
0倍も漏洩していることが分かった。ここで、気体の漏
洩量の算出は、静圧気体軸受へ浮上気体供給することで
上昇する真空チャンバーの圧力変化量に、真空チャンバ
ーの排気ポンプの実効排気速度を掛けることで算出して
いる。
【0027】一方、図10の実験で利用した従来の静圧
気体軸受を一度分解し、本発明に基づき移動体各部品の
締結面に液体シール剤としてAUSIMONT社のFOMBLIN(YHVA
C 18/8)を塗り込み、再度組み立てた静圧気体軸受にて
同様の実験を行った結果を図11に示している。各排気
溝の圧力が図10に示したものと僅かに変化している
が、これは締結面の封止とは直接関係はなく、再組立を
行ったことによりガイド軸と移動体との5μmの隙間が
微妙に変化したためと思われる。この結果、静圧気体軸
受から真空チャンバー内に放出される気体の漏洩量は、
図10に示した結果の1/10にまで低減することが出
来ている。本実験では真空チャンバーの排気は約24時
間程度であったため、真空チャンバーの圧力は1×10-4
Pa近い値を示しているが、真空チャンバーの排気を更に
時間をかけて行えば、1×10-5Paでの動作も十分可能な
ほど小さい漏洩量に収まっている。
【0028】本実験によって、締結面を封止した静圧気
体軸受から漏洩する気体の量は、実験前にシミュレーシ
ョンにて算出された5μmの軸受浮上隙間から流出する
気体の量と測定誤差の範囲で一致した。よって、締結面
を経由して軸受外部に漏洩する気体の量はほぼ0に抑え
られているものと思われる。また、本発明で示した種々
の締結面封止方法においても、今回実験で確認された液
体シール剤を挟み込む方法と同様、締結面を経由した気
体漏洩をほぼ0に抑えることが出来ることを種々の要素
実験にて確認済みである。
【0029】
【発明の効果】本発明は上記構成により、移動体を構成
する各部品の締結面を通じた気体の漏洩を防止すること
が可能となる。静圧気体軸受から漏洩する気体の経路
は、移動体がガイド軸から浮上することによって生じた
微小な隙間のみとなるため、静圧気体軸受からの気体の
漏洩量は従来のものに対し、約1/10まで低減するこ
とが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施形態である静圧気体軸受
装置を示す斜視図である。
【図2】本発明における一実施形態であるガイド軸を示
す斜視図である。
【図3】本発明における一実施形態である移動体を示す
斜視図である。
【図4】従来の静圧気体軸受における移動体の天板部材
の内側を示す平面図である。
【図5】従来の静圧気体軸受における移動体の底板部材
の内側を示す平面図である。
【図6】従来の静圧気体軸受における移動体の側板部材
を示す図である。
【図7】本発明における一実施形態である移動体の天板
部材を示す図である。
【図8】本発明における一実施形態である移動体の底板
部材を示す図である。
【図9】本発明における一実施形態である移動体の部品
締結方法を示す斜視図である。
【図10】従来の構造である静圧気体軸受の、真空チャ
ンバー内における実験結果を表す図である。
【図11】本発明により締結面を封止した静圧気体軸受
の、真空チャンバー内における実験結果を表す図であ
る。
【図12】本発明における一実施形態である移動体の部
品締結方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ガイド軸 2 移動体 2a 天板 2b 側板 2c 底板 3 支柱 4 排気管接続ポート 5 空洞 6 排気孔 7 排気溝 8 ボルト穴 9 エアーパッド 10 大気圧溝 11 大気開放孔 12 締結面 13 金属ブッシュ 14 シール剤封入溝 15 シール剤供給孔 16 開口部 17 液体シール剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 慎二 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 中川 修 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 大熊 一成 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 林田 猛 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 Fターム(参考) 3J102 AA02 BA09 CA05 EA02 EA24 FA04 GA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガイド軸と、このガイド軸の上面、下
    面、及び両側面に沿って移動する移動体とを真空チャン
    バー内に設けてなり、 この移動体には、移動体とガイド軸の上面、下面、及び
    両側面との隙間に外部から供給される気体を放出するエ
    アーパッドを形成し、 かつ、前記エアーパッドの周囲に、前記隙間に放出され
    た気体を回収して外部に配管を介して放出する大気圧溝
    を設け、 さらに、前記大気圧溝の周囲には、前記大気圧溝にて回
    収できなかった気体を回収して外部に配管を介して放出
    する減圧溝を設けてなる真空環境下で使用される静圧気
    体軸受において、 前記移動体は天板、底板、両側板の計4部品をボルト等
    で互いに締結されてなり、前記天板と前記側板とが締結
    される締結面内部、及び前記底板と前記側板とが締結さ
    れる締結面内部にシール剤封入溝が設けてあり、前記シ
    ール剤封入溝内にはシール剤が封入されていることを特
    徴とする静圧気体軸受。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の静圧気体軸受におい
    て、前記シール剤として、シリコン樹脂を封入し硬化さ
    せてあることを特徴とする静圧気体軸受。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の静圧気体軸受におい
    て、前記シール剤として、接着剤を封入し硬化させてあ
    ることを特徴とする静圧気体軸受。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の静圧気体
    軸受において、前記移動体を構成する天板、底板、側板
    のいずれかに、前記シール剤封入溝内部に通ずるシール
    剤供給孔が設けてあることを特徴とする静圧気体軸受。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の静圧気体軸受におい
    て、前記シール剤として、固体のガスケットを封入して
    あることを特徴とする静圧気体軸受。
  6. 【請求項6】 ガイド軸と、このガイド軸の上面、下
    面、及び両側面に沿って移動する移動体とを真空チャン
    バー内に設けてなり、 この移動体には、移動体とガイド軸の上面、下面、及び
    両側面との隙間に外部から供給される気体を放出するエ
    アーパッドを形成し、 かつ、前記エアーパッドの周囲に、前記隙間に放出され
    た気体を回収して外部に配管を介して放出する大気圧溝
    を設け、 さらに、前記大気圧溝の周囲には、前記大気圧溝にて回
    収できなかった気体を回収して外部に配管を介して放出
    する減圧溝を設けてなる真空環境下で使用される静圧気
    体軸受において、 前記移動体は天板、底板、両側板の計4部品をボルト等
    で互いに締結されてなり、前記天板と前記側板とが締結
    される締結面内部全体、及び前記底板と前記側板とが締
    結される締結面内部に、粘性液体からなるシール剤が挟
    み込まれていることを特徴とする静圧気体軸受。
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