JP2002332565A - 耐摩耗性イオンプレーティング皮膜及びその形成方法 - Google Patents
耐摩耗性イオンプレーティング皮膜及びその形成方法Info
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- JP2002332565A JP2002332565A JP2001140095A JP2001140095A JP2002332565A JP 2002332565 A JP2002332565 A JP 2002332565A JP 2001140095 A JP2001140095 A JP 2001140095A JP 2001140095 A JP2001140095 A JP 2001140095A JP 2002332565 A JP2002332565 A JP 2002332565A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ピストンリング皮膜などに使用されるCr-N系
イオンプレーティング皮膜の欠けを防止しかつ耐摩耗性
を改善するとともに、耐焼付性を良好に保つ。 【解決手段】 Cr,Mn及びNを主な構成元素とし、皮膜
組織が窒化クロムを主成分とし、緻密であり、かつ皮膜
硬度がHmv1000〜1700であるイオンプレーテ
ィング皮膜。皮膜組織には金属クロムも含まれることは
あるが、窒化マンガンは主成分とはならないために、硬
度の上昇はなく、耐摩耗性が良好になる。
イオンプレーティング皮膜の欠けを防止しかつ耐摩耗性
を改善するとともに、耐焼付性を良好に保つ。 【解決手段】 Cr,Mn及びNを主な構成元素とし、皮膜
組織が窒化クロムを主成分とし、緻密であり、かつ皮膜
硬度がHmv1000〜1700であるイオンプレーテ
ィング皮膜。皮膜組織には金属クロムも含まれることは
あるが、窒化マンガンは主成分とはならないために、硬
度の上昇はなく、耐摩耗性が良好になる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐摩耗性皮膜及びそ
の皮膜形成方法に関し、特に内燃機関のピストンリング
やロッカーアーム、タペット、シム等の摺動表面に用い
られる耐摩耗性皮膜及びこの皮膜の形成方法に関する。
の皮膜形成方法に関し、特に内燃機関のピストンリング
やロッカーアーム、タペット、シム等の摺動表面に用い
られる耐摩耗性皮膜及びこの皮膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関の高出力化や、低燃費
化、排ガス対策等のために、内燃機関の摺動部材には高
い耐摩耗性、低い摩擦力、高い耐食性などが求められて
いる。そのため、従来から用いられてきた硬質クロムめ
っき皮膜や窒化処理皮膜に替わり得る新しい表面改質技
術および皮膜が求められてきた。
化、排ガス対策等のために、内燃機関の摺動部材には高
い耐摩耗性、低い摩擦力、高い耐食性などが求められて
いる。そのため、従来から用いられてきた硬質クロムめ
っき皮膜や窒化処理皮膜に替わり得る新しい表面改質技
術および皮膜が求められてきた。
【0003】これら要望に応える皮膜として、本発明者
は特開昭61−87950号(特許第2129422
号)において、N及びCrよりなる各種組織のイオンプレ
ーティング皮膜を開示した。このN及びCrよりなるイオ
ンプレーティング皮膜は、従来、摺動部材に用いられて
きた硬質クロムめっき皮膜や窒化処理皮膜に比べ、摺動
性能において格段に優れるうえ、同様なイオンプレーテ
ィングによる窒化チタン皮膜と比べても、密着性に優
れ、且つ、皮膜生成速度が格段に速いことから、厚膜と
して適用することが可能であり、内燃機関のピストンリ
ングやタペット、圧縮機用ベーン等の機械部品の摩耗の
激しい摺動面に耐摩耗性皮膜として広く使われるように
なった。しかしながら、該N及びCrよりなる皮膜は緻密
で高硬度であり、柔軟性に欠けるために衝撃等により皮
膜が欠けることがあった。
は特開昭61−87950号(特許第2129422
号)において、N及びCrよりなる各種組織のイオンプレ
ーティング皮膜を開示した。このN及びCrよりなるイオ
ンプレーティング皮膜は、従来、摺動部材に用いられて
きた硬質クロムめっき皮膜や窒化処理皮膜に比べ、摺動
性能において格段に優れるうえ、同様なイオンプレーテ
ィングによる窒化チタン皮膜と比べても、密着性に優
れ、且つ、皮膜生成速度が格段に速いことから、厚膜と
して適用することが可能であり、内燃機関のピストンリ
ングやタペット、圧縮機用ベーン等の機械部品の摩耗の
激しい摺動面に耐摩耗性皮膜として広く使われるように
なった。しかしながら、該N及びCrよりなる皮膜は緻密
で高硬度であり、柔軟性に欠けるために衝撃等により皮
膜が欠けることがあった。
【0004】特開平6−293954号は、前記N及びC
rよりなる皮膜を生成する際のイオンプレーティング条
件を変更することにより、皮膜をポーラスとし皮膜脆さ
を改善したものである。しかしながら、皮膜がポーラス
であるために、皮膜の見かけ硬さは低く、従来のN及びC
rよりなる皮膜にくらべ、高温での耐摩耗性が幾分悪い
という問題がある。
rよりなる皮膜を生成する際のイオンプレーティング条
件を変更することにより、皮膜をポーラスとし皮膜脆さ
を改善したものである。しかしながら、皮膜がポーラス
であるために、皮膜の見かけ硬さは低く、従来のN及びC
rよりなる皮膜にくらべ、高温での耐摩耗性が幾分悪い
という問題がある。
【0005】特開平5−120062号は皮膜をCrとT
i,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W 及びAlとの複合窒化物膜とする
ことにより、前記N及びCrよりなる皮膜以上の耐摩耗
性、耐焼付性及び初期馴染み性が得られるとしている。
しかしながら、上記各金属とCrとを蒸発せしめる合金材
料の製造が難しいこと、又、各金属の蒸気圧がCrの蒸気
圧に比べ著しく低いことから、皮膜厚さ方向で組成変化
のない複合窒化物膜を形成するためには、蒸気圧の低い
金属元素に蒸着速度に合わせる必要があり、その結果皮
膜形成速度が著しく遅くなるという問題がある。
i,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W 及びAlとの複合窒化物膜とする
ことにより、前記N及びCrよりなる皮膜以上の耐摩耗
性、耐焼付性及び初期馴染み性が得られるとしている。
しかしながら、上記各金属とCrとを蒸発せしめる合金材
料の製造が難しいこと、又、各金属の蒸気圧がCrの蒸気
圧に比べ著しく低いことから、皮膜厚さ方向で組成変化
のない複合窒化物膜を形成するためには、蒸気圧の低い
金属元素に蒸着速度に合わせる必要があり、その結果皮
膜形成速度が著しく遅くなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明の目的と
するところは、衝撃による皮膜の欠けを防止するととも
に、従来のN及びCrよりなるイオンプレーティング皮膜
に替わりうる高い耐摩耗性及び耐焼付性を持つ耐摩耗性
皮膜を提供し、且つ、N及びCrよりなるイオンプレーテ
ィング皮膜以上の蒸着速度が得られる耐摩耗性皮膜の形
成方法を提供することにある。
するところは、衝撃による皮膜の欠けを防止するととも
に、従来のN及びCrよりなるイオンプレーティング皮膜
に替わりうる高い耐摩耗性及び耐焼付性を持つ耐摩耗性
皮膜を提供し、且つ、N及びCrよりなるイオンプレーテ
ィング皮膜以上の蒸着速度が得られる耐摩耗性皮膜の形
成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の耐摩耗性イオンプレーティング皮膜はCr,
Mn,Nを主な構成元素とし、皮膜組織が窒化クロム又は
窒化クロムと金属クロムを主成分とし、緻密であり、か
つ皮膜硬度がHmv1000〜1700であることを特
徴とする。そして、Mnは窒化クロム、金属クロム中に
固溶しており、少なくとも窒化マンガン、金属マンガン
としてはX線回折では同定できないことが望ましい。更
に、該皮膜の形成には、Cr及びMnを蒸発源として、
窒素雰囲気中でHCD(Hollow Cathode Discharge)イオ
ンプレーティング方法を用いることが好ましい。
に、本発明の耐摩耗性イオンプレーティング皮膜はCr,
Mn,Nを主な構成元素とし、皮膜組織が窒化クロム又は
窒化クロムと金属クロムを主成分とし、緻密であり、か
つ皮膜硬度がHmv1000〜1700であることを特
徴とする。そして、Mnは窒化クロム、金属クロム中に
固溶しており、少なくとも窒化マンガン、金属マンガン
としてはX線回折では同定できないことが望ましい。更
に、該皮膜の形成には、Cr及びMnを蒸発源として、
窒素雰囲気中でHCD(Hollow Cathode Discharge)イオ
ンプレーティング方法を用いることが好ましい。
【0008】
【作用】本発明の耐摩耗性皮膜はCr、Mn、N及び不可避
的不純物からなる皮膜であって、皮膜組織は窒化クロム
又は窒化クロムと金属クロムを主成分とする皮膜であ
る。ここで主成分とはX線回折法による皮膜の定性分析
において、皮膜を同定できるだけの量が皮膜中に存在す
ることをいう。また、緻密とは光学顕微鏡を用いた画像
解析による測定で空孔率が2%以下であることをいう。
窒化クロムは窒素とクロムより構成される化合物であ
り、耐摩耗性の向上に寄与する高硬度物質であり、それ
自身は本出願人の特許第2129422号で公知のもの
である。同様に主成分になることもある金属クロムは窒
化クロムよりは硬度は低いが、Hv500程度以上の高硬
度物質である。本発明の耐摩耗性皮膜は耐焼付性は窒化
クロム皮膜同等以上であり、耐摩耗性は窒化クロムより
も優れている。また、皮膜組織は緻密でありながら、そ
の硬度はHmv1000〜1700と従来の窒化クロム
よりも低いので皮膜の欠けは発生しにくい。
的不純物からなる皮膜であって、皮膜組織は窒化クロム
又は窒化クロムと金属クロムを主成分とする皮膜であ
る。ここで主成分とはX線回折法による皮膜の定性分析
において、皮膜を同定できるだけの量が皮膜中に存在す
ることをいう。また、緻密とは光学顕微鏡を用いた画像
解析による測定で空孔率が2%以下であることをいう。
窒化クロムは窒素とクロムより構成される化合物であ
り、耐摩耗性の向上に寄与する高硬度物質であり、それ
自身は本出願人の特許第2129422号で公知のもの
である。同様に主成分になることもある金属クロムは窒
化クロムよりは硬度は低いが、Hv500程度以上の高硬
度物質である。本発明の耐摩耗性皮膜は耐焼付性は窒化
クロム皮膜同等以上であり、耐摩耗性は窒化クロムより
も優れている。また、皮膜組織は緻密でありながら、そ
の硬度はHmv1000〜1700と従来の窒化クロム
よりも低いので皮膜の欠けは発生しにくい。
【0009】本発明のイオンプレーティング皮膜は、厚
さ、表面粗さ、下地基板などについては特に制限はな
い。しかし一般には厚さは5〜50μmであり、表面粗
さ(Rz)は一般に0.1〜1μmであり、また下地基
板は炭素鋼などの構造金属材料である。
さ、表面粗さ、下地基板などについては特に制限はな
い。しかし一般には厚さは5〜50μmであり、表面粗
さ(Rz)は一般に0.1〜1μmであり、また下地基
板は炭素鋼などの構造金属材料である。
【0010】更に、MnはCrと同様の昇華性金属であり、
減圧雰囲気中においては溶解することなく蒸発し、その
蒸気圧はクロム以上に高い。従って、窒化クロム膜を従
来のように高速に析出させても、その皮膜中に任意量の
Mnを含有させることが出来る。
減圧雰囲気中においては溶解することなく蒸発し、その
蒸気圧はクロム以上に高い。従って、窒化クロム膜を従
来のように高速に析出させても、その皮膜中に任意量の
Mnを含有させることが出来る。
【0011】また、Mn及びCrが減圧雰囲気中では溶解し
ないで蒸発すること、また、その蒸気圧が高いことを生
かすために、イオンプレーティング方式はHCDイオン
プレーティング方式が望ましい。HCDイオンプレーテ
ィング方式ではプラズマビームの集束磁界強さを制御す
ることによって、プラズマビームの照射領域を大きくす
ることが出来るので、CrやMnのような昇華性金属の大量
且つ高速蒸発に適しており、これによって、高い蒸着速
度で厚膜を得ることが可能となる。また、蒸発源とし
て、蒸発金属の小片や小塊などの安価な蒸発材を使用で
きるといったメリットもある。尚、蒸発材に小塊を用い
るとMnの皮膜中の混合割合が不安定になるので、粉末状
のクロム及びマンガンを圧紛成形したものを用いること
で混合割合を安定させることができる。
ないで蒸発すること、また、その蒸気圧が高いことを生
かすために、イオンプレーティング方式はHCDイオン
プレーティング方式が望ましい。HCDイオンプレーテ
ィング方式ではプラズマビームの集束磁界強さを制御す
ることによって、プラズマビームの照射領域を大きくす
ることが出来るので、CrやMnのような昇華性金属の大量
且つ高速蒸発に適しており、これによって、高い蒸着速
度で厚膜を得ることが可能となる。また、蒸発源とし
て、蒸発金属の小片や小塊などの安価な蒸発材を使用で
きるといったメリットもある。尚、蒸発材に小塊を用い
るとMnの皮膜中の混合割合が不安定になるので、粉末状
のクロム及びマンガンを圧紛成形したものを用いること
で混合割合を安定させることができる。
【0012】表1はCr,Mn,Moの蒸発速度(単位時間に単
位面積から蒸発する質量)を表すもので、実用的な皮膜
生成速度10-1(kg/m2s)を得るに必要な加熱温
度(T)を表している。MoはCrのおよそ2倍の高温を必
要とするのに対し、MnはCrにほぼ近い温度で蒸発が可能
である。これから分かるように、Mnを金属Crや窒化クロ
ム皮膜中に任意の割合で混合させるには、蒸発材源中の
金属クロムと金属マンガンの混合割合を変化させること
で容易に達成可能である。
位面積から蒸発する質量)を表すもので、実用的な皮膜
生成速度10-1(kg/m2s)を得るに必要な加熱温
度(T)を表している。MoはCrのおよそ2倍の高温を必
要とするのに対し、MnはCrにほぼ近い温度で蒸発が可能
である。これから分かるように、Mnを金属Crや窒化クロ
ム皮膜中に任意の割合で混合させるには、蒸発材源中の
金属クロムと金属マンガンの混合割合を変化させること
で容易に達成可能である。
【0013】
【表1】 参考文献:S.Schiller and U.Heisig 日本真空技術
(株)訳真空蒸着(アグネ
(株)訳真空蒸着(アグネ
【0014】Mnを含有することにより低硬度となってい
る本発明のイオンプレーティング膜には窒化マンガンが
生成されないことが望ましい。Mnもイオンプレーティン
グにおいて、窒素と反応し、窒化マンガンを生成する
が、本発明の皮膜の主成分にはならない。この窒化マン
ガンは窒化クロムに比べ脆いので、窒化マンガンが同定
できた窒化クロム−窒化マンガン混合膜は摩耗試験中に
皮膜の欠けが多く発生し、その結果、耐摩耗性が悪い結
果となった。従って、窒化マンガンが同定できずかつMn
が多量に含まれる皮膜が望ましい。又、同様に金属マン
ガンが同定できることも好ましくない。皮膜中の金属マ
ンガン(当然ながら窒素を固溶していると思われる)は
金属クロム(マンガン同様に窒素を固溶している)にく
らべ、脆く、耐腐食摩耗性が劣ることが別の摩耗試験に
て確認できている。従って、金属マンガンは同定されな
いことが必要である。即ち、本発明のイオンプレーティ
ング皮膜ではMnはマンガン組織及びマンガン窒化物組織
が同定できない量含まれる。尚、マンガン窒化物の生成
はイオンプレーティングに於いてはマンガンのイオン化
の程度に直結するプラズマの強さにも負うので、Mn量の
みによってマンガン(窒化物)組織の存否が定まるもの
ではない。以下実施例に基づき本発明を説明する。
る本発明のイオンプレーティング膜には窒化マンガンが
生成されないことが望ましい。Mnもイオンプレーティン
グにおいて、窒素と反応し、窒化マンガンを生成する
が、本発明の皮膜の主成分にはならない。この窒化マン
ガンは窒化クロムに比べ脆いので、窒化マンガンが同定
できた窒化クロム−窒化マンガン混合膜は摩耗試験中に
皮膜の欠けが多く発生し、その結果、耐摩耗性が悪い結
果となった。従って、窒化マンガンが同定できずかつMn
が多量に含まれる皮膜が望ましい。又、同様に金属マン
ガンが同定できることも好ましくない。皮膜中の金属マ
ンガン(当然ながら窒素を固溶していると思われる)は
金属クロム(マンガン同様に窒素を固溶している)にく
らべ、脆く、耐腐食摩耗性が劣ることが別の摩耗試験に
て確認できている。従って、金属マンガンは同定されな
いことが必要である。即ち、本発明のイオンプレーティ
ング皮膜ではMnはマンガン組織及びマンガン窒化物組織
が同定できない量含まれる。尚、マンガン窒化物の生成
はイオンプレーティングに於いてはマンガンのイオン化
の程度に直結するプラズマの強さにも負うので、Mn量の
みによってマンガン(窒化物)組織の存否が定まるもの
ではない。以下実施例に基づき本発明を説明する。
【0015】
【実施例】図1に示すイオンプレーティング装置を用
い、試験片にイオンプレーティング皮膜をコーティング
し、耐焼付性試験及び耐摩耗性試験を行った。以下に実
験方法を示す。まず、S45C材を5mmの角で長さが2
0mm、先端が10mmRの略角柱状に加工してを試験片と
して準備した。R面の表面粗さは皮膜形成後加工するの
で、1μmRz程度でよい。
い、試験片にイオンプレーティング皮膜をコーティング
し、耐焼付性試験及び耐摩耗性試験を行った。以下に実
験方法を示す。まず、S45C材を5mmの角で長さが2
0mm、先端が10mmRの略角柱状に加工してを試験片と
して準備した。R面の表面粗さは皮膜形成後加工するの
で、1μmRz程度でよい。
【0016】径が70mmφで深さ約100mmであるるつ
ぼ15に蒸発材である金属マンガンと金属クロムの小塊
18を表2の蒸発材比率となるように入れた。略角柱状
試験片は、R面が一方向に向くように10個を束ね、R
面をサンドブラストにより清浄化して酸化物等を除去し
た後、有機溶剤による蒸気脱脂を行った。これをイオン
プレーティング装置の所定の位置12にセットし、図外
の真空ポンプにて真空槽内10を1×10-4torrま
で排気後、試験片背面のヒーター14により試験片を約
500℃まで加熱した。500℃に到達後約30分保持
した後、アルゴンガスをガス導入口16から1×10-2
torrまで導入し、試験片をマイナス電位としグロー
放電を起こさせ、アルゴンイオンによるボンバードクリ
ーニングを10分間行った。
ぼ15に蒸発材である金属マンガンと金属クロムの小塊
18を表2の蒸発材比率となるように入れた。略角柱状
試験片は、R面が一方向に向くように10個を束ね、R
面をサンドブラストにより清浄化して酸化物等を除去し
た後、有機溶剤による蒸気脱脂を行った。これをイオン
プレーティング装置の所定の位置12にセットし、図外
の真空ポンプにて真空槽内10を1×10-4torrま
で排気後、試験片背面のヒーター14により試験片を約
500℃まで加熱した。500℃に到達後約30分保持
した後、アルゴンガスをガス導入口16から1×10-2
torrまで導入し、試験片をマイナス電位としグロー
放電を起こさせ、アルゴンイオンによるボンバードクリ
ーニングを10分間行った。
【0017】次に、アルゴンガスの導入を止め、再度高
真空に排気した後、ホローカソード17よりプラズマビ
ームをるつぼ15に照射させ、るつぼ15中の金属の蒸
発を開始した。蒸発が安定したところで、シャッター2
1を開けコーティングを始めた。開始後の1〜2分は、
窒素ガスは導入せず、金属膜を数μmコーティングし下
地層とした。その後、窒素ガスを表2に示す圧力となる
ように導入し、コーティング時間、所定の窒素ガス分圧
に保持して皮膜を形成した。コーティング時間は60分
とし、約35μmの皮膜を得た。尚、比較として、金属
クロムのみを蒸発材とした試験片も同様な方法で作製し
た。
真空に排気した後、ホローカソード17よりプラズマビ
ームをるつぼ15に照射させ、るつぼ15中の金属の蒸
発を開始した。蒸発が安定したところで、シャッター2
1を開けコーティングを始めた。開始後の1〜2分は、
窒素ガスは導入せず、金属膜を数μmコーティングし下
地層とした。その後、窒素ガスを表2に示す圧力となる
ように導入し、コーティング時間、所定の窒素ガス分圧
に保持して皮膜を形成した。コーティング時間は60分
とし、約35μmの皮膜を得た。尚、比較として、金属
クロムのみを蒸発材とした試験片も同様な方法で作製し
た。
【0018】下記にイオンプレーティングのコーティン
グ条件と形成された皮膜の調査結果を表1に記載する。 プラズマビーム出力 32V−450A 集束コイル電流 350A(コイルは300φで
12巻き) るつぼ径 70mmφ コーティング時間 60分
グ条件と形成された皮膜の調査結果を表1に記載する。 プラズマビーム出力 32V−450A 集束コイル電流 350A(コイルは300φで
12巻き) るつぼ径 70mmφ コーティング時間 60分
【0019】表2において、皮膜主成分を同定したX線
回折の条件は次のとおりであった。 使用装置 理学電機株式会社製ロータ・フレックス(微小X 線回折装置) 使用X線 Cr−Kα(波長=2.29092Å) Kβ線吸収フィルター V 管電圧・電流 30Kv・150mmA 積分時間 3,000sec. コリメータ 0.10mmφ 回折されたデータからJIS K 0131「X線回折
分析通則」に記載された方法により同定を行った。
回折の条件は次のとおりであった。 使用装置 理学電機株式会社製ロータ・フレックス(微小X 線回折装置) 使用X線 Cr−Kα(波長=2.29092Å) Kβ線吸収フィルター V 管電圧・電流 30Kv・150mmA 積分時間 3,000sec. コリメータ 0.10mmφ 回折されたデータからJIS K 0131「X線回折
分析通則」に記載された方法により同定を行った。
【0020】
【表2】 (硬度は5回の平均)
【0021】表2において、Mn濃度は皮膜中の金属に対
する質量百分率であり、緻密性は皮膜表面を光学顕微鏡
を用いた画像解析により空孔率を測定することにより評
価した。表2より、皮膜中のMn量が蒸発材中の割合より
多くなる傾向があることが分かるが、これはMnの蒸気圧
がCrより若干高く蒸発しやすいことによると考える。Mn
が多く含まれるほど皮膜硬度は低くなる傾向がある。皮
膜中の窒素濃度による硬度変化は少ない。
する質量百分率であり、緻密性は皮膜表面を光学顕微鏡
を用いた画像解析により空孔率を測定することにより評
価した。表2より、皮膜中のMn量が蒸発材中の割合より
多くなる傾向があることが分かるが、これはMnの蒸気圧
がCrより若干高く蒸発しやすいことによると考える。Mn
が多く含まれるほど皮膜硬度は低くなる傾向がある。皮
膜中の窒素濃度による硬度変化は少ない。
【0022】(耐焼付性試験)本発明皮膜の耐焼付性を
超高圧摩耗試験機によって評価した。本試験に用いた超
高圧摩耗試験機の装置と試験条件は次の通りである。試
験装置は、図2および図2のA−A矢視断面図である図
3に要部を図解的に示すものであって、ステータホルダ
1に取外し可能に取り付けられた直径80mm×厚さ1
0mmの研磨仕上げを施した円盤2(相手材)の中央に
は、裏側から注油口3を通して潤滑油が注油される。ス
テータホルダ1には図示しない油圧装置によって図にお
いて右方に向けて所定圧力で押圧力Pが作用するように
してある。円盤2に相対向してロータ4があり、図示し
ない駆動装置によって所定速度で回転するようにしてあ
る。ロータ4には試験片5が表面処理層を形成した5m
m角の正方形の端R面を摺動面として円盤2に対し摺動
自在に取り付けてある。
超高圧摩耗試験機によって評価した。本試験に用いた超
高圧摩耗試験機の装置と試験条件は次の通りである。試
験装置は、図2および図2のA−A矢視断面図である図
3に要部を図解的に示すものであって、ステータホルダ
1に取外し可能に取り付けられた直径80mm×厚さ1
0mmの研磨仕上げを施した円盤2(相手材)の中央に
は、裏側から注油口3を通して潤滑油が注油される。ス
テータホルダ1には図示しない油圧装置によって図にお
いて右方に向けて所定圧力で押圧力Pが作用するように
してある。円盤2に相対向してロータ4があり、図示し
ない駆動装置によって所定速度で回転するようにしてあ
る。ロータ4には試験片5が表面処理層を形成した5m
m角の正方形の端R面を摺動面として円盤2に対し摺動
自在に取り付けてある。
【0023】このような装置において、ステータホルダ
1に所定の押圧力Pをかけ、所定の面圧で円盤2と試験
片5のピン状突起11とが接触するようにしておいて、
注油口3から摺動面に所定給油速度で給油しながらロー
タ4を回転させる。一定時間毎にステータホルダ1に作
用する圧力を段階的に増加していき、ロータ4の回転に
よって試験片5と相手の円盤2との摩擦によってステー
タホルダ1に生ずるトルクTをステンレスファイバー6
を介してロードセル7に作用せしめ、その変化を動歪計
8で読取り、記録計9に記録させる。トルクTが急激に
上昇したとき焼付が発生したものとして、この時の接触
面圧をもって耐焼付特性の良否を判断する。
1に所定の押圧力Pをかけ、所定の面圧で円盤2と試験
片5のピン状突起11とが接触するようにしておいて、
注油口3から摺動面に所定給油速度で給油しながらロー
タ4を回転させる。一定時間毎にステータホルダ1に作
用する圧力を段階的に増加していき、ロータ4の回転に
よって試験片5と相手の円盤2との摩擦によってステー
タホルダ1に生ずるトルクTをステンレスファイバー6
を介してロードセル7に作用せしめ、その変化を動歪計
8で読取り、記録計9に記録させる。トルクTが急激に
上昇したとき焼付が発生したものとして、この時の接触
面圧をもって耐焼付特性の良否を判断する。
【0024】試験条件は次の通りである。 摩擦速度 :8m/秒 相手材 :FC25 接触面圧 :20kg/cm2 でならした後、焼付発生まで
10kg/cm2 ずつ増圧。各面圧に3分間
保持。 潤滑油 :モーターオイル#30 油 温: 80℃ 供給量 : 250cc/分 試験の結果を表3(焼付面圧は2回の平均値)に示す。
10kg/cm2 ずつ増圧。各面圧に3分間
保持。 潤滑油 :モーターオイル#30 油 温: 80℃ 供給量 : 250cc/分 試験の結果を表3(焼付面圧は2回の平均値)に示す。
【0025】
【表3】
【0026】本発明実施例1〜9はいずれも焼付面圧3
10kg/cm2 以上で焼付が発生したが、窒化マンガンが
生成した比較例10は焼付面圧が300kg/cm2と低かっ
た。なお窒化クロム皮膜では焼付面圧は310kg/cm2
であり、本発明実施例3と同じであった。したがって、
本発明実施例の耐焼付性は、窒化クロム同等以上である
ことが確認された。
10kg/cm2 以上で焼付が発生したが、窒化マンガンが
生成した比較例10は焼付面圧が300kg/cm2と低かっ
た。なお窒化クロム皮膜では焼付面圧は310kg/cm2
であり、本発明実施例3と同じであった。したがって、
本発明実施例の耐焼付性は、窒化クロム同等以上である
ことが確認された。
【0027】(摩耗試験)次に、図4に示すピン−ドラ
ム摩耗試験機により前述の供試材の耐摩耗性試験を実施
した。試験は、表面処理を施した試験片25の先端R部
をドラム状に加工した相手材28の外周部に曲面同士が
線接触するように合せ、所定荷重をプッシャ棒23から
加えつつ、所定速度で軸27の周りを相手材ドラム28
を回転する。潤滑は、モーターオイル#30(29)を
接触部に一定量滴下しつつ行なった。なお、22は支
点、24は荷重、26はバランスである。試験条件は次
の通りである。 摺動相手材 :FC25材 摩擦速度 :0.25m/秒 摩擦時間 :2時間 接触荷重 :4kg 摺動面温度 :150℃ 潤滑 :モーターオイル#30を摺動部に1.5
cc/分滴下。 摩耗試験の結果(摩耗量は2回の測定の平均値)を次表
に示す。
ム摩耗試験機により前述の供試材の耐摩耗性試験を実施
した。試験は、表面処理を施した試験片25の先端R部
をドラム状に加工した相手材28の外周部に曲面同士が
線接触するように合せ、所定荷重をプッシャ棒23から
加えつつ、所定速度で軸27の周りを相手材ドラム28
を回転する。潤滑は、モーターオイル#30(29)を
接触部に一定量滴下しつつ行なった。なお、22は支
点、24は荷重、26はバランスである。試験条件は次
の通りである。 摺動相手材 :FC25材 摩擦速度 :0.25m/秒 摩擦時間 :2時間 接触荷重 :4kg 摺動面温度 :150℃ 潤滑 :モーターオイル#30を摺動部に1.5
cc/分滴下。 摩耗試験の結果(摩耗量は2回の測定の平均値)を次表
に示す。
【0028】
【表4】
【0029】従来の窒化クロム皮膜(No.11)に比べ、本
発明実施例は摩耗量が60%〜85%と大幅に減少し
た。表3より本発明皮膜は、従来の窒化クロム皮膜に比
べマンガンが皮膜中に含まれることで高温での摩耗性が
大幅に向上していることが明らかである。また、比較例
10は低硬度であるにも拘わらず皮膜が欠けた。
発明実施例は摩耗量が60%〜85%と大幅に減少し
た。表3より本発明皮膜は、従来の窒化クロム皮膜に比
べマンガンが皮膜中に含まれることで高温での摩耗性が
大幅に向上していることが明らかである。また、比較例
10は低硬度であるにも拘わらず皮膜が欠けた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明はマンガンを窒化クロムや金属クロム中に固溶さ
せることにより窒化クロム皮膜以上の耐摩耗性膜とする
ことが出来きるので、耐焼付性、耐摩耗性において、従
来以上に優れた摺動部材を提供するとともに、従来のイ
オンプレーティング窒化クロム膜以上の高い生産性で製
造し得る方法を提供するものである。従って、本発明皮
膜は、ピストンリング、カムフォロアなどのエンジン部
品さらにはシューディスクなどのコンプレッサー部品を
はじめとする摺動部品に好適である。
本発明はマンガンを窒化クロムや金属クロム中に固溶さ
せることにより窒化クロム皮膜以上の耐摩耗性膜とする
ことが出来きるので、耐焼付性、耐摩耗性において、従
来以上に優れた摺動部材を提供するとともに、従来のイ
オンプレーティング窒化クロム膜以上の高い生産性で製
造し得る方法を提供するものである。従って、本発明皮
膜は、ピストンリング、カムフォロアなどのエンジン部
品さらにはシューディスクなどのコンプレッサー部品を
はじめとする摺動部品に好適である。
【図1】 本発明実施例に用いたHCDイオンプレーテ
ィング装置である。
ィング装置である。
【図2】 超高圧摩耗試験機一部破砕説明図である。
【図3】 図2のA−A矢視断面図である。
【図4】 ピン−ドラム摩耗試験機の概要説明図であ
る。
る。
1 ステータホルダ 2 円盤(相手材) 3 注油口 4 ロータ 5 試験片 6 ステンレスファイバー 7 ロードセル 8 動歪計 9 記録計 10 真空槽 11 試験片のピン状突起(5mm角) 15 るつぼ 20 ホローカソード 21 シャッター
Claims (3)
- 【請求項1】 Cr,Mn及びNを主な構成元素とし、皮膜
組織が窒化クロムを主成分とし、緻密であり、かつ皮膜
硬度がHmv1000〜1700であることを特徴とす
る耐摩耗性イオンプレーティング皮膜。 - 【請求項2】 Cr,Mn及びNを主な構成元素とし、皮膜
組織が窒化クロム及び金属クロムを主成分とし、緻密で
あり、かつ皮膜硬度がHmv1000〜1700である
ことを特徴とすることを特徴とする耐摩耗性イオンプレ
ーティング皮膜。 - 【請求項3】 Cr及びMnを蒸発源として、窒素雰囲
気中でHCDイオンプレーティングすることにより請求
項1又は2記載の皮膜を形成することを特徴とする耐摩
耗性イオンプレーティング皮膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001140095A JP2002332565A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | 耐摩耗性イオンプレーティング皮膜及びその形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001140095A JP2002332565A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | 耐摩耗性イオンプレーティング皮膜及びその形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002332565A true JP2002332565A (ja) | 2002-11-22 |
Family
ID=18986757
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001140095A Pending JP2002332565A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | 耐摩耗性イオンプレーティング皮膜及びその形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002332565A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106148904A (zh) * | 2015-04-17 | 2016-11-23 | 中国科学院金属研究所 | 一种纳米叠层CrN镀膜及其制备方法和应用 |
CN106282936A (zh) * | 2015-05-26 | 2017-01-04 | 中国科学院金属研究所 | 一种氮化铬涂层的制备方法 |
-
2001
- 2001-05-10 JP JP2001140095A patent/JP2002332565A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106148904A (zh) * | 2015-04-17 | 2016-11-23 | 中国科学院金属研究所 | 一种纳米叠层CrN镀膜及其制备方法和应用 |
CN106282936A (zh) * | 2015-05-26 | 2017-01-04 | 中国科学院金属研究所 | 一种氮化铬涂层的制备方法 |
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