JP2002332529A - 粗酸化亜鉛のフッ素除去方法 - Google Patents
粗酸化亜鉛のフッ素除去方法Info
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- JP2002332529A JP2002332529A JP2001136339A JP2001136339A JP2002332529A JP 2002332529 A JP2002332529 A JP 2002332529A JP 2001136339 A JP2001136339 A JP 2001136339A JP 2001136339 A JP2001136339 A JP 2001136339A JP 2002332529 A JP2002332529 A JP 2002332529A
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フッ素含有率の低い酸化亜鉛焼鉱または酸化
亜鉛団鉱の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)ハロゲン含有粗酸化亜鉛から、ハ
ロゲン化合物を除去する湿式処理を施す湿式処理工程
と、(2)該湿式処理工程で得られる酸化亜鉛スラリー
を、酸化亜鉛ケーキと分離液に分離する第1固液分離工
程と、(3)第1固液分離工程で得られる分離液から、
亜鉛および/または鉛成分を析出させる中和処理工程
と、(4)該中和澱物を、脱水する第2固液分離工程
と、(5)第2固液分離工程で得られる中和澱物ケーキ
を、還元炉に還元剤と共に装入することで、フッ素成分
を還元物残渣または還元スラグ内に固定する還元工程
と、(6)第1固液分離工程で得られる酸化亜鉛ケーキ
に、還元工程で得られる亜鉛化合物および/または鉛化
合物を添加し、乾燥加熱炉に装入して焼成・造粒する焼
成・造粒工程とからなる。
亜鉛団鉱の製造方法を提供する。 【解決手段】 (1)ハロゲン含有粗酸化亜鉛から、ハ
ロゲン化合物を除去する湿式処理を施す湿式処理工程
と、(2)該湿式処理工程で得られる酸化亜鉛スラリー
を、酸化亜鉛ケーキと分離液に分離する第1固液分離工
程と、(3)第1固液分離工程で得られる分離液から、
亜鉛および/または鉛成分を析出させる中和処理工程
と、(4)該中和澱物を、脱水する第2固液分離工程
と、(5)第2固液分離工程で得られる中和澱物ケーキ
を、還元炉に還元剤と共に装入することで、フッ素成分
を還元物残渣または還元スラグ内に固定する還元工程
と、(6)第1固液分離工程で得られる酸化亜鉛ケーキ
に、還元工程で得られる亜鉛化合物および/または鉛化
合物を添加し、乾燥加熱炉に装入して焼成・造粒する焼
成・造粒工程とからなる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化亜鉛焼鉱また
は酸化亜鉛団鉱の製造方法に関し、特に、鉄鋼業の高
炉、電気炉等で発生する鉄鋼ダストから回収される粗酸
化亜鉛に湿式処理を施すことでハロゲン化物等の不純物
を除去した後、乾燥加熱炉に装入することにより、酸化
亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造する方法において、
フッ素成分を効果的に除去する方法に関する。
は酸化亜鉛団鉱の製造方法に関し、特に、鉄鋼業の高
炉、電気炉等で発生する鉄鋼ダストから回収される粗酸
化亜鉛に湿式処理を施すことでハロゲン化物等の不純物
を除去した後、乾燥加熱炉に装入することにより、酸化
亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造する方法において、
フッ素成分を効果的に除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄鋼業における高炉や電気炉から発生す
る鉄鋼ダスト等から回収された粗酸化亜鉛等には、その
主成分である酸化亜鉛や酸化鉛以外に、塩素およびフッ
素等のハロゲン成分が相当量含有されており、従来から
この粗酸化亜鉛中におけるハロゲン成分を除去し、低ハ
ロゲン含有率の酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造
している。
る鉄鋼ダスト等から回収された粗酸化亜鉛等には、その
主成分である酸化亜鉛や酸化鉛以外に、塩素およびフッ
素等のハロゲン成分が相当量含有されており、従来から
この粗酸化亜鉛中におけるハロゲン成分を除去し、低ハ
ロゲン含有率の酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱を製造
している。
【0003】この酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製
造方法において、粗酸化亜鉛に湿式処理を施すことでハ
ロゲン化物を除去して、乾燥加熱炉にて焼成および造粒
を行う方法がある。
造方法において、粗酸化亜鉛に湿式処理を施すことでハ
ロゲン化物を除去して、乾燥加熱炉にて焼成および造粒
を行う方法がある。
【0004】図2に、従来の粗酸化亜鉛処理工程のフロ
ーチャートを示す。
ーチャートを示す。
【0005】鉄鋼ダスト等から回収される粗酸化亜鉛中
には、8〜18質量%程度の塩素および0〜5質量%程
度のフッ素等のハロゲンを、塩素化合物またはフッ素化
合物等のハロゲン化物として含有している。従って、こ
れらのハロゲン化物やその他の不純物は、NaCO3、
Na(OH)2あるいはその他の薬剤を用いる湿式処理
を施すことで除去する。
には、8〜18質量%程度の塩素および0〜5質量%程
度のフッ素等のハロゲンを、塩素化合物またはフッ素化
合物等のハロゲン化物として含有している。従って、こ
れらのハロゲン化物やその他の不純物は、NaCO3、
Na(OH)2あるいはその他の薬剤を用いる湿式処理
を施すことで除去する。
【0006】粗酸化亜鉛に湿式処理を施すことにより除
去されたハロゲン化物は、工程液中に濃縮されており、
工程液中には粗酸化亜鉛から極微量溶出した亜鉛および
/または鉛成分も含有している。この亜鉛および/また
は鉛成分を、工程液から回収する方法として、消石灰を
用いて工程液のpHを調整することにより、亜鉛化合物
あるいは鉛化合物として析出させる中和処理方法があ
る。
去されたハロゲン化物は、工程液中に濃縮されており、
工程液中には粗酸化亜鉛から極微量溶出した亜鉛および
/または鉛成分も含有している。この亜鉛および/また
は鉛成分を、工程液から回収する方法として、消石灰を
用いて工程液のpHを調整することにより、亜鉛化合物
あるいは鉛化合物として析出させる中和処理方法があ
る。
【0007】この中和処理方法で回収された亜鉛化合物
あるいは鉛化合物を含有する中和処理澱物は、粗酸化亜
鉛に湿式処理を施して得られる酸化亜鉛スラリーと共
に、乾燥加熱炉にて焼成および造粒を行い、酸化亜鉛焼
鉱または酸化亜鉛団鉱に固定させる方法が一般的に行わ
れている。
あるいは鉛化合物を含有する中和処理澱物は、粗酸化亜
鉛に湿式処理を施して得られる酸化亜鉛スラリーと共
に、乾燥加熱炉にて焼成および造粒を行い、酸化亜鉛焼
鉱または酸化亜鉛団鉱に固定させる方法が一般的に行わ
れている。
【0008】しかし、中和処理方法においては、工程液
中のフッ素成分以外のハロゲン成分は溶出するが、フッ
素成分は、CaF2あるいはその他のカルシウム/フッ
素化合物を形成し析出し、中和澱物中に含有され回収さ
れる。従って、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱のフッ
素含有率が上昇する問題がある。
中のフッ素成分以外のハロゲン成分は溶出するが、フッ
素成分は、CaF2あるいはその他のカルシウム/フッ
素化合物を形成し析出し、中和澱物中に含有され回収さ
れる。従って、酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱のフッ
素含有率が上昇する問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の方法は、フッ
素含有率の低い酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造
方法を提供することを目的とする。
素含有率の低い酸化亜鉛焼鉱または酸化亜鉛団鉱の製造
方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の粗酸化亜鉛のフッ素除去方法は、(1)ハ
ロゲン含有粗酸化亜鉛から、ハロゲン化合物を除去する
湿式処理を施す湿式処理工程と、(2)該湿式処理工程
で得られる酸化亜鉛スラリーを、酸化亜鉛ケーキと分離
液に分離する第1固液分離工程と、(3)第1固液分離
工程で得られる分離液から、亜鉛および/または鉛成分
を析出させる中和処理工程と、(4)該中和澱物を、脱
水する第2固液分離工程と、(5)第2固液分離工程で
得られる中和澱物ケーキを、ロータリーキルンのような
還元炉に還元剤と共に装入することで、フッ素成分を還
元物残渣または還元スラグ内に固定する還元工程とから
なる。
に、本発明の粗酸化亜鉛のフッ素除去方法は、(1)ハ
ロゲン含有粗酸化亜鉛から、ハロゲン化合物を除去する
湿式処理を施す湿式処理工程と、(2)該湿式処理工程
で得られる酸化亜鉛スラリーを、酸化亜鉛ケーキと分離
液に分離する第1固液分離工程と、(3)第1固液分離
工程で得られる分離液から、亜鉛および/または鉛成分
を析出させる中和処理工程と、(4)該中和澱物を、脱
水する第2固液分離工程と、(5)第2固液分離工程で
得られる中和澱物ケーキを、ロータリーキルンのような
還元炉に還元剤と共に装入することで、フッ素成分を還
元物残渣または還元スラグ内に固定する還元工程とから
なる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
に、詳述する。
に、詳述する。
【0012】本発明が適用される酸化亜鉛焼鉱または酸
化亜鉛団鉱の製造方法は、図1のフローチャートに示す
ように、以下の各工程からなる。
化亜鉛団鉱の製造方法は、図1のフローチャートに示す
ように、以下の各工程からなる。
【0013】鉄鋼ダストから回収される粗酸化亜鉛の組
成の一例を、表1に示す。
成の一例を、表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】(1)湿式処理工程 湿式処理工程では、回収された粗酸化亜鉛に、レパルプ
水にてレパルプすることで酸化亜鉛スラリーとする。レ
パルプ水には、淡水、工程水、NaCO3、またはNa
(OH)2を溶解した溶解液等が使用できる。
水にてレパルプすることで酸化亜鉛スラリーとする。レ
パルプ水には、淡水、工程水、NaCO3、またはNa
(OH)2を溶解した溶解液等が使用できる。
【0016】該湿式処理により、粗酸化亜鉛に含有され
る塩素化合物、フッ素化合物等のハロゲン系不純物を分
解し、工程液中に塩素、フッ素等のハロゲン不純物が分
配される。
る塩素化合物、フッ素化合物等のハロゲン系不純物を分
解し、工程液中に塩素、フッ素等のハロゲン不純物が分
配される。
【0017】NaCO3、Na(OH)2などの薬剤の添
加方法は、前記のような薬剤を溶解した溶解液を添加す
る方法以外に、固体状の薬剤を直接添加する方法等も使
用できる。また、添加後の液のpHを測定することで、
不純物の分解状況を推定し、薬剤の添加量を調整するこ
ともできる。
加方法は、前記のような薬剤を溶解した溶解液を添加す
る方法以外に、固体状の薬剤を直接添加する方法等も使
用できる。また、添加後の液のpHを測定することで、
不純物の分解状況を推定し、薬剤の添加量を調整するこ
ともできる。
【0018】ここで、粗酸化亜鉛中のフッ素またはフッ
素化合物は、薬剤の添加等により分解されて、フッ素イ
オンまたはフッ素化合物イオンとして浸出させられ、工
程液中に分配される。
素化合物は、薬剤の添加等により分解されて、フッ素イ
オンまたはフッ素化合物イオンとして浸出させられ、工
程液中に分配される。
【0019】(2)第1固液分離工程 前記のように粗酸化亜鉛中のフッ素またはフッ素化合物
が工程液中に除去されるので、固液分離で工程液を除去
することにより、酸化亜鉛が高濃度の酸化亜鉛ケーキと
し、かつそのフッ素含有率を低減することができる。
が工程液中に除去されるので、固液分離で工程液を除去
することにより、酸化亜鉛が高濃度の酸化亜鉛ケーキと
し、かつそのフッ素含有率を低減することができる。
【0020】脱水処理では、シックナー等の重力沈降式
スラリー濃縮装置や真空脱水機等の水分強制脱水装置が
使用できる。
スラリー濃縮装置や真空脱水機等の水分強制脱水装置が
使用できる。
【0021】(3)中和処理工程 第1固液分離工程で得られる液には、亜鉛および/また
は鉛等の重金属成分が微量溶出しており、この重金属成
分の回収のために消石灰を用いた中和処理を行う。中和
処理を施す際、消石灰の添加方法は、固体状の消石灰を
直接湿式処理液に添加する方法や、消石灰を液体状に溶
解した溶解液を湿式処理液に添加する方法等が使用でき
る。また、消石灰の添加量は、添加後の中和処理液のp
Hを測定することで調整することもでき、pHは9〜1
2の間で調整する。
は鉛等の重金属成分が微量溶出しており、この重金属成
分の回収のために消石灰を用いた中和処理を行う。中和
処理を施す際、消石灰の添加方法は、固体状の消石灰を
直接湿式処理液に添加する方法や、消石灰を液体状に溶
解した溶解液を湿式処理液に添加する方法等が使用でき
る。また、消石灰の添加量は、添加後の中和処理液のp
Hを測定することで調整することもでき、pHは9〜1
2の間で調整する。
【0022】(4)第2固液分離工程 中和処理工程で得られる中和澱物に脱水処理を施すこと
により、水分含有率を低下させる。脱水機には、真空脱
水機、圧搾型脱水機あるいはベルト型脱水機等が使用で
きる。また、脱水処理を施す前に、シックナー等の重力
沈降式のスラリー濃縮装置を用いて、固液分離を行った
後、濃縮したスラリーのみに脱水処理を施してもよい。
により、水分含有率を低下させる。脱水機には、真空脱
水機、圧搾型脱水機あるいはベルト型脱水機等が使用で
きる。また、脱水処理を施す前に、シックナー等の重力
沈降式のスラリー濃縮装置を用いて、固液分離を行った
後、濃縮したスラリーのみに脱水処理を施してもよい。
【0023】(5)還元工程 得られた中和澱物ケーキには、亜鉛および/または鉛成
分の他に、0.1〜10質量%程度のフッ素成分をCa
F2またはその他のカルシウム/フッ素化合物として含
有している。亜鉛や鉛成分を回収するために、中和澱物
ケーキを、コークス、石炭等の還元剤と共に還元炉に装
入し、還元スラグまたは還元物残渣内にカルシウム/フ
ッ素化合物として回収する。還元炉には、ロータリーキ
ルン等の固気反応を利用した還元焙焼炉、あるいは装入
物を溶解させて液気反応を利用した還元溶融炉等が利用
できる。
分の他に、0.1〜10質量%程度のフッ素成分をCa
F2またはその他のカルシウム/フッ素化合物として含
有している。亜鉛や鉛成分を回収するために、中和澱物
ケーキを、コークス、石炭等の還元剤と共に還元炉に装
入し、還元スラグまたは還元物残渣内にカルシウム/フ
ッ素化合物として回収する。還元炉には、ロータリーキ
ルン等の固気反応を利用した還元焙焼炉、あるいは装入
物を溶解させて液気反応を利用した還元溶融炉等が利用
できる。
【0024】コークス、石炭等の還元剤の装入では、必
要に応じて石灰石や硅石等の溶剤や、亜鉛等を含有する
鉄鋼ダスト等の原料を同時に装入してもよい。還元剤の
配合比率は、還元炉に装入する装入物の5〜30質量%
であり、必要に応じて装入する溶剤は、還元炉に装入す
る装入物の30質量%以下である。
要に応じて石灰石や硅石等の溶剤や、亜鉛等を含有する
鉄鋼ダスト等の原料を同時に装入してもよい。還元剤の
配合比率は、還元炉に装入する装入物の5〜30質量%
であり、必要に応じて装入する溶剤は、還元炉に装入す
る装入物の30質量%以下である。
【0025】還元炉内では、中和澱物ケーキから亜鉛や
鉛の金属化合物が揮発しダストとして除去される。Ca
F2またはその他のカルシウム/フッ素化合物は、還元
雰囲気では揮発分解はほとんど生じない性状であり、還
元炉から産出される還元物残渣あるいは還元スラグ中に
固定される。従って、フッ素成分は系内にて循環するこ
となく、系外へ排出する。
鉛の金属化合物が揮発しダストとして除去される。Ca
F2またはその他のカルシウム/フッ素化合物は、還元
雰囲気では揮発分解はほとんど生じない性状であり、還
元炉から産出される還元物残渣あるいは還元スラグ中に
固定される。従って、フッ素成分は系内にて循環するこ
となく、系外へ排出する。
【0026】(6)焼成・造粒工程 第1固液分離工程で得られる酸化亜鉛ケーキに、回収さ
れた重金属化合物を添加し、乾燥加熱炉に装入して焼成
・造粒することにより、フッ素含有率を低減した酸化亜
鉛団鉱または酸化亜鉛焼鉱を得ることができる。
れた重金属化合物を添加し、乾燥加熱炉に装入して焼成
・造粒することにより、フッ素含有率を低減した酸化亜
鉛団鉱または酸化亜鉛焼鉱を得ることができる。
【0027】(実施例)本発明の一実施例について、各
工程を追って説明する。
工程を追って説明する。
【0028】[実施例1] (1)湿式処理工程 鉄鋼ダストから回収された粗酸化亜鉛を、工程循環液に
てレパルプし、ソーダ灰を用いて不純物の除去を行っ
た。ソーダ灰は、淡水にて液体状に溶解したものを添加
し、ソーダ灰を添加した湿式処理液のpHが8程度にな
るように添加量を調整した。
てレパルプし、ソーダ灰を用いて不純物の除去を行っ
た。ソーダ灰は、淡水にて液体状に溶解したものを添加
し、ソーダ灰を添加した湿式処理液のpHが8程度にな
るように添加量を調整した。
【0029】(2)第1固液分離工程 ソーダ灰による反応後、シックナーを用いて固液分離を
行い、酸化亜鉛濃縮スラリーと湿式処理液を得た。
行い、酸化亜鉛濃縮スラリーと湿式処理液を得た。
【0030】(3)中和処理工程 前記湿式処理液に、消石灰を用いて中和処理を行った。
消石灰は、淡水にて液体状にしたものを添加し、中和処
理後の液がpH11程度となるように添加量を調整し
た。
消石灰は、淡水にて液体状にしたものを添加し、中和処
理後の液がpH11程度となるように添加量を調整し
た。
【0031】(4)第2固液分離工程 中和処理にて得られた亜鉛および鉛成分を含む中和澱物
は、シックナーを用いて固液分離を行った。固液分離
後、圧搾型の脱水機を用いて水分40〜70%程度の中
和澱物ケーキとした。得られた中和澱物ケーキの主な成
分品位を表2に示す。フッ素が残留していることが明ら
かである。
は、シックナーを用いて固液分離を行った。固液分離
後、圧搾型の脱水機を用いて水分40〜70%程度の中
和澱物ケーキとした。得られた中和澱物ケーキの主な成
分品位を表2に示す。フッ素が残留していることが明ら
かである。
【0032】
【表2】
【0033】(5)還元工程 中和澱物ケーキは、還元炉に粉状コークスと共に装入し
た。
た。
【0034】該還元炉として、鉄鋼ダストから亜鉛を回
収するための還元焙焼用の回転炉を使用する。該回転炉
は、外径35m、長さ50mであり、排出端側に重油燃
焼バーナーを備える。粉状コークスは中和澱物ケーキに
対し、20質量%程度になるように添加した。還元炉に
て亜鉛・鉛金属化合物等のダストを回収した後、産出さ
れた還元物残渣中のフッ素品位は、3.5質量%程度で
あり、還元物残渣へのフッ素固定率は80%以上であっ
た。
収するための還元焙焼用の回転炉を使用する。該回転炉
は、外径35m、長さ50mであり、排出端側に重油燃
焼バーナーを備える。粉状コークスは中和澱物ケーキに
対し、20質量%程度になるように添加した。還元炉に
て亜鉛・鉛金属化合物等のダストを回収した後、産出さ
れた還元物残渣中のフッ素品位は、3.5質量%程度で
あり、還元物残渣へのフッ素固定率は80%以上であっ
た。
【0035】(6)焼成・造粒工程 第1固液分離工程で得られる酸化亜鉛ケーキに、還元工
程で得られるZn・Pb金属化合物ダストを添加して、
乾燥加熱炉にて焼成・造粒を行うことにより、フッ素品
位の低い酸化亜鉛焼鉱を得た。
程で得られるZn・Pb金属化合物ダストを添加して、
乾燥加熱炉にて焼成・造粒を行うことにより、フッ素品
位の低い酸化亜鉛焼鉱を得た。
【0036】以上のように行った本実施例では、得られ
た酸化亜鉛焼鉱のフッ素品位は、0.3質量%程度まで
に低減した。
た酸化亜鉛焼鉱のフッ素品位は、0.3質量%程度まで
に低減した。
【0037】[実施例2] (1)湿式処理工程から(4)第2固液分離工程まで
は、実施例1と同様に行った。
は、実施例1と同様に行った。
【0038】中和澱物ケーキは、還元炉に鉄鋼ダスト、
粉状コークスと粉状石灰石と共に装入した。
粉状コークスと粉状石灰石と共に装入した。
【0039】該還元炉として、実施例1と同じ還元焙焼
用の回転炉を使用する。中和澱物ケーキは鉄鋼ダストに
対し12質量%程度になるように、粉状コークスは鉄鋼
ダストと中和澱物ケーキの統合量に対し20質量%程度
になるように、粉状石灰石は回転炉装入物の総合品位で
CaO/SiO2質量比が1.8程度となるように添加
した。
用の回転炉を使用する。中和澱物ケーキは鉄鋼ダストに
対し12質量%程度になるように、粉状コークスは鉄鋼
ダストと中和澱物ケーキの統合量に対し20質量%程度
になるように、粉状石灰石は回転炉装入物の総合品位で
CaO/SiO2質量比が1.8程度となるように添加
した。
【0040】この際使用した鉄鋼ダストのZn、Pb、
F成分品位を表3に示す。
F成分品位を表3に示す。
【0041】
【表3】
【0042】還元炉にて焙焼処理後、産出された還元物
残渣のZn、Pb、F成分品位を表4に示す。
残渣のZn、Pb、F成分品位を表4に示す。
【0043】
【表4】
【0044】還元物残渣中のフッ素品位は、1.5質量
%程度であり、鉄鋼ダスト中のフッ素成分と中和澱物ケ
ーキ中のフッ素成分を統合した還元物残渣へのフッ素固
定率は80%程度であった。
%程度であり、鉄鋼ダスト中のフッ素成分と中和澱物ケ
ーキ中のフッ素成分を統合した還元物残渣へのフッ素固
定率は80%程度であった。
【0045】以上のように行った本実施例では、得られ
た酸化亜鉛焼鉱のフッ素品位は、0.3質量%程度まで
に低減した。
た酸化亜鉛焼鉱のフッ素品位は、0.3質量%程度まで
に低減した。
【0046】
【発明の効果】以上、説明した通り、本発明の粗酸化亜
鉛のフッ素除去方法により、粗酸化亜鉛から液体中に浸
出させたフッ素成分は、亜鉛および/または鉛成分の回
収のための中和処理にて中和澱物中に含有するが、中和
澱物を還元炉で還元処理することで、還元物残渣または
還元スラグ中にフッ素成分を固定することができ、系内
にフッ素成分が循環することなく、フッ素成分を系外に
排出することができる。これにより、酸化亜鉛焼鉱・団
鉱中のフッ素含有率を低下させることができる。
鉛のフッ素除去方法により、粗酸化亜鉛から液体中に浸
出させたフッ素成分は、亜鉛および/または鉛成分の回
収のための中和処理にて中和澱物中に含有するが、中和
澱物を還元炉で還元処理することで、還元物残渣または
還元スラグ中にフッ素成分を固定することができ、系内
にフッ素成分が循環することなく、フッ素成分を系外に
排出することができる。これにより、酸化亜鉛焼鉱・団
鉱中のフッ素含有率を低下させることができる。
【0047】さらに、中和澱物中の亜鉛および/または
鉛成分は還元処理にて揮発・回収することができ、中和
澱物から亜鉛等を回収しても酸化亜鉛焼鉱または酸化亜
鉛団鉱のフッ素品位をほとんど上昇させることがない。
鉛成分は還元処理にて揮発・回収することができ、中和
澱物から亜鉛等を回収しても酸化亜鉛焼鉱または酸化亜
鉛団鉱のフッ素品位をほとんど上昇させることがない。
【図1】 本発明の一実施例を示すフローチャートであ
る。
る。
【図2】 従来の粗酸化亜鉛処理工程を示すフローチャ
ートである。
ートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越野 哲也 愛媛県越智郡宮窪町大字四阪島 住友金属 鉱山株式会社別子事業所四阪工場内 Fターム(参考) 4K001 AA30 BA01 BA14 CA05
Claims (1)
- 【請求項1】 (1)ハロゲン含有粗酸化亜鉛から、ハ
ロゲン化合物を除去する湿式処理を施す湿式処理工程
と、(2)該湿式処理工程で得られる酸化亜鉛スラリー
を、酸化亜鉛ケーキと分離液に分離する第1固液分離工
程と、(3)第1固液分離工程で得られる分離液から、
亜鉛および/または鉛成分を析出させる中和処理工程
と、(4)得られる中和澱物を、脱水する第2固液分離
工程と、(5)第2固液分離工程で得られる中和澱物ケ
ーキを、還元炉に還元剤と共に装入することで、フッ素
成分を還元物残渣または還元スラグ内に固定する還元工
程とからなることを特徴とする粗酸化亜鉛のフッ素除去
方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2001
- 2001-05-07 JP JP2001136339A patent/JP2002332529A/ja active Pending
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