JP2002332425A - 築造物用の塗装材および築造物の塗装方法 - Google Patents

築造物用の塗装材および築造物の塗装方法

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JP2002332425A
JP2002332425A JP2001137518A JP2001137518A JP2002332425A JP 2002332425 A JP2002332425 A JP 2002332425A JP 2001137518 A JP2001137518 A JP 2001137518A JP 2001137518 A JP2001137518 A JP 2001137518A JP 2002332425 A JP2002332425 A JP 2002332425A
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coating
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polyamide resin
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JP2001137518A
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Tetsuya Ishikawa
哲彌 石川
Kazushi Sasaki
一志 佐々木
Toshiaki Ishizuka
年昭 石塚
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DAIWA HOUSING KANTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】各種の母材に対して付着性および展性が良好で
母材から剥がれ落ちるようなことは殆どなく、しかも十
分な防水性、透湿性を有し、さらに雨水等に含まれる汚
れが付着しにくくて洗浄も容易である建築物や建造物等
の築造物用の塗装材および塗装方法を提供する。 【解決手段】白色セメント、超微粒子シリカおよびカー
ボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤とよりなる無機
質下地材の前記混合物に水溶性硬化剤を添加して築造物
1の表面に塗装し、乾燥せしめて下地層2を形成し、こ
の下地層2の上面に、アクリル樹脂エマルジョンに顔料
を含有せしめた水溶性の中間塗材を塗装し、乾燥せしめ
て中間塗料層3を形成し、さらにこの中間塗料層3の上
面に、ポリアミド樹脂を主成分とする水溶性仕上げ材を
塗装し、乾燥せしめて中間塗料層の上面にポリアミド樹
脂膜よりなる保護膜層4を形成する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建築物や建造物等の
築造物における外壁や屋根等の表面の保護に好適な塗装
材および塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】建築物や建造物等の築造物
におけるの外壁等の表面を雨や塵埃から保護するための
塗装材には従来から各種のものがあり、築造物表面の材
質や外部環境に応じてモルタル系のものや樹脂系のもの
等が使用されている。
【0003】築造物の表面に使用する塗装材としては、
塗装材そのものの性能として雨水等の浸透を防止できる
こと(防水性)、築造物の表面を構成する被塗装材たる
母材の内部からの水分を外部へ発散できること(透湿
性)、汚れがつきにくく、汚れても容易に洗浄すること
ができること(防汚性)、母材から剥がれ落ちにくいこ
と(付着性)、母材の変形(膨張や収縮など)に追随で
きること(展性)等の諸条件が要求される。
【0004】ところで、築造物の表面を構成する母材に
は、金属、コンクリート、木材、樹脂材など各種あり、
どの母材に対しても上記付着性が良好であることが望ま
しいが、比較的付着性の良好な例えばモルタル系の塗装
材の場合、塗装後の表面が粗面となるために汚れが付着
しやすく、一旦汚れが付着するとこの汚れを除去するの
が困難であり、上記防汚性に劣るという問題がある。
【0005】この防汚性を向上せしめることを目的とし
て、モルタル系の塗装材の表面に撥水性の良好な例えば
ウレタン樹脂系の塗装材をスプレー等で吹き付けて重ね
塗りすることも従来から行われている。
【0006】しかしウレタン樹脂系の塗装材はその撥水
性によって防水性に優れてはいるが透湿性を阻害し、例
えばコンクリートや木材よりなる母材の表面に塗装した
場合には、母材内部の水分を発散することができず、母
材の腐食や、母材内の水分による塗装材の膨潤や剥離な
どの原因となる。
【0007】また、撥水性の良好な表面塗装材は一時的
な防汚性に優れているようではあるが、汚れの微小固形
物が強固に固着し、築造物に対して通常行われる高圧散
水洗浄ではまず除去することができなくなるという問題
がある。
【0008】
【目的】本発明の目的とするところは、各種の母材に対
して付着性および展性が良好で母材から剥がれ落ちるよ
うなことは殆どなく、しかも十分な防水性、透湿性を有
し、さらに雨水等に含まれる汚れが付着しにくくて洗浄
も容易である建築物や建造物等の築造物用の塗装材およ
び塗装方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る塗装材は、白色セメント、超微粒子シ
リカおよびカーボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤
とよりなる無機質下地材と、ポリアミド樹脂を主成分と
し、ポリアミド樹脂膜を形成する水溶性仕上げ材とより
なる構成のものとしてある。
【0010】また、本発明に係る塗装材は、白色セメン
ト、超微粒子シリカおよびカーボンファイバーの混合物
と水溶性硬化剤とよりなる無機質下地材と、アクリル樹
脂エマルジョンに顔料を含有せしめた水溶性の中間塗材
と、ポリアミド樹脂を主成分とし、ポリアミド樹脂膜を
形成する水溶性の仕上げ材とよりなる構成のものとして
ある。
【0011】本発明に係る塗装方法は、白色セメント、
超微粒子シリカおよびカーボンファイバーの混合物と水
溶性硬化剤とよりなる無機質下地材の前記混合物に水溶
性硬化剤を添加して築造物の表面に塗装し、乾燥せしめ
て下地層を形成し、この下地層の上面に、ポリアミド樹
脂を主成分とする水溶性仕上げ材を塗装し、乾燥せしめ
下地層の上面にポリアミド樹脂膜よりなる保護膜層を形
成する構成としてある。
【0012】また、本発明に係る塗装方法は、白色セメ
ント、超微粒子シリカおよびカーボンファイバーの混合
物と水溶性硬化剤とよりなる無機質下地材の前記混合物
に水溶性硬化剤を添加して築造物の表面に塗装し、乾燥
せしめて下地層を形成し、この下地層の上面に、アクリ
ル樹脂エマルジョンに顔料を含有せしめた水溶性の中間
塗材を塗装し、乾燥せしめて中間塗料層を形成し、さら
にこの中間塗料層の上面に、ポリアミド樹脂を主成分と
する水溶性仕上げ材を塗装し、乾燥せしめて中間塗料層
の上面にポリアミド樹脂膜よりなる保護膜層を形成する
構成としてある。
【0013】本発明の実施態様は、前記水溶性硬化剤が
カチオン性スチレンブタジエン共重合体とメタクリル酸
シクロヘキシル共重合体であり、また、前記仕上げ材を
ポリアミド樹脂にポリアクリル酸エステルとポリ酢酸ビ
ニルを配合したものとしてある。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る塗装材と塗装方法の実施
例を添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る塗装材を、建築物や建造物等の築造
物における外壁等の表面を構成する母材1の表面に塗装
した状態を示し、同図中の符号2は下地層、3は中間塗
料層、4は保護膜層である。
【0015】上記母材1はコンクリートや金属あるいは
木材など材質に拘らず各種のものに適用することがで
き、前記下地層2、中間塗料層3、保護膜層4は後述す
る下地材、中間塗材、仕上げ材をこの順に母材表面へ塗
装することによってそれぞれ形成される。
【0016】<下地材>下地層2を構成する下地材は、
白色セメント、超微粒子シリカおよびカーボンファイバ
ーの混合物と、水溶性硬化剤とよりなるアルカリ性無機
質下地材であり、水溶性硬化剤にはカチオン性スチレン
ブタジエン共重合体とメタクリル酸シクロヘキシル共重
合体を用いる。
【0017】上記混合物は粉体であり、その配合比は、
例えば体積比で白色セメントを30〜50%、超微粒子
シリカを45〜65%、カーボンファイバーを2〜5%
とする。超微粒子シリカはそのシラノール基が主材たる
白色セメントと超微粒子シリカの分散、付着、防錆力を
強化し、またカーボンファイバーは下地材の割れや垂れ
を防止する機能を有している。
【0018】また、上記水溶性硬化剤はエマルジョンで
あり、カチオン性スチレンブタジエン共重合体としては
カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体を使用する
ことができ、メタクリル酸シクロヘキシル共重合体とし
てはメタクリル酸シクロヘキシルとα−オレフィン酸、
あるいはビニルエステル類、あるいはハロゲン化ビニル
化合物質との共重合体等を使用でき、水溶性硬化剤の配
合比は、例えば体積比でカルボキシ変性スチレンブタジ
エン共重合体を10〜20%、メタクリル酸シクロヘキ
シル共重合体を80〜90%とする。
【0019】前記混合物と水溶性硬化剤は使用条件や目
的に応じて配合割合を適宜決定するが、例えばローラ塗
りによって施工する場合には前記混合物2〜3に対して
水溶性硬化剤1の体積比で配合する。
【0020】上述のように構成した下地材を母材1へロ
ーラ塗り等で塗布して乾燥せしめ、例えば厚さ500μ
m程度の下地層2を形成する。この場合、250μmず
つ2回に分けて塗布を行う。
【0021】下地材の乾燥時間は気温や湿度等の環境に
よって異なるが、夏季であれば10〜60分、冬季であ
れば60〜120分程度である。なお、この下地層2の
表面は粗面に形成され、下地層に塗り重ねられる中間塗
料層3や保護膜層4を確実に付着させることができる。
【0022】前記下地層2は防蝕性、防錆性、防水性お
よび透湿性に優れていて、母材1の保護機能を十分に有
し、しかも母材の種類に拘らず付着性、展延性にも優れ
ており、長期に亘って母材の保護機能を維持することが
できる。
【0023】<中間塗材>中間塗料層3を構成する中間
塗材は、アクリル樹脂エマルジョンに顔料を含有せしめ
た水溶性のものとしてあり、顔料を適宜選択することに
よって自由に色を選択することができるようになってい
る。
【0024】このような中間塗材は、顔料による色の隠
蔽性が高く下地層2の色を確実に覆い隠し、下地層の色
が中間塗料層3の色に混ざるようなことがなく鮮やかな
色を呈する。なお、アクリル樹脂エマルジョンと顔料と
の配合比は顔料の種類や使用条件によって異なる。
【0025】上述のように構成した中間塗材を水で希釈
し、下地層2の上面にローラ塗り等で塗布して乾燥せし
め、例えば厚さ70〜120μm程度の中間塗料層3を
形成する。
【0026】中間塗材の乾燥時間は気温や湿度等の環境
によって異なるが、例えば気温20℃の場合で120分
程度である。
【0027】また、中間塗材中において、顔料の粒子と
アクリル樹脂粒子は溶媒たる水中に分散しているが、塗
装後の乾燥によって水分の蒸発が進むとアクリル樹脂粒
子どうしが粒子内架橋によって互いに融着して硬化す
る。この硬化の際、粒子内架橋間を水分が水蒸気となっ
て通り、外部に発散して連続塗膜よりなる中間塗料層3
が形成される。
【0028】このように形成された中間塗料層3におい
ては、前記粒子内架橋間を水蒸気は透過できるが、液体
としての水分は通過することができず、したがって防水
性と透湿性に優れており、母材の保護機能を十分に有す
る。
【0029】また、この中間塗料層3は下地層2の表面
が前述のように粗面に形成されるため下地層へ強固に付
着し、中間塗料層が長期に亘って剥がれ落ちることなく
維持される。
【0030】<仕上げ材>保護膜層4を形成する仕上げ
材は、ポリアミド樹脂を主成分とし、前記中間塗材の上
面にポリアミド樹脂膜を形成する水溶性のものとしてあ
り、主成分たるポリアミド樹脂にポリアクリル酸エステ
ルとポリ酢酸ビニルを配合したものとしてある。
【0031】前記ポリアミド樹脂としては、N-メトキシ
メチル化ポリアミド樹脂や、あるいはε-カプロラクタ
ム、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、セバシン酸
およびω-ラウロラクタムまたはω-アミノドデカン酸を
重合原料として得られる共重合ポリアミド樹脂を用いる
ことができ、この共重合ポリアミド樹脂とN-メトキシメ
チル化ポリアミド樹脂の両者を用いる場合もある。
【0032】前記ポリアクリル酸エステルとポリ酢酸ビ
ニルは、保護膜層4の耐水性および中間塗膜層3へある
いは下地層4への付着性を向上させるためのものであ
り、ポリアクリル酸エステルは保護膜層の表面摩擦係数
を低減せしめる作用もある。
【0033】ポリアミド樹脂に対するポリアクリル酸エ
ステルおよびポリ酢酸ビニルの配合比は使用条件によっ
て異なるが、例えば築造物の外壁に使用する場合には柔
軟性に富む保護膜層4を形成するのが望ましく、また、
屋上面に使用する場合には防水性に重点をおいた保護膜
層とするのが望ましい。
【0034】より詳しくは、外壁に使用する場合、前記
共重合ポリアミド樹脂もしくはこの共重合ポリアミド樹
脂100重量部に対してN-メトキシメチル化ポリアミド
樹脂10〜200重量部を配合し、このポリアミド樹脂
100重量部に対してポリアクリル酸エステルを10〜
50重量部、ポリ酢酸ビニルを5〜20重量部配合す
る。
【0035】上記配合例において、N-メトキシメチル化
ポリアミド樹脂の配合量が少なすぎると保護膜の柔軟性
を十分に得ることができず、多すぎると表面の摩擦が大
となって汚れが付着しやすくなる。
【0036】また、ポリアクリル酸エステルの配合量が
少なすぎるとこれまた表面の摩擦が大となって汚れが付
着しやすくなり、多すぎると透湿性が阻害されて母材の
保護を十分に行うことができなくなる。
【0037】さらに、ポリ酢酸ビニルの配合量が少なす
ぎると、保護膜の付着性が低下して剥がれ落ちやすくな
り、多すぎると透湿性が阻害されて母材の保護を十分に
行うことができなくなる。
【0038】また、屋上面に使用する場合、N-メトキシ
メチル化ポリアミド樹脂100重量部に対してポリアク
リル酸エステルを10〜70重量部、ポリ酢酸ビニルを
5〜20重量部配合する。
【0039】上記配合例においても外壁に使用する場合
と同様に、ポリアクリル酸エステルの配合量が少なすぎ
るとこれまた表面の摩擦が大となって汚れが付着しやす
くなり、多すぎると透湿性が阻害されて母材の保護を十
分に行うことができなくなる。
【0040】また、ポリ酢酸ビニルの配合量が少なすぎ
ると、保護膜の付着性が低下して剥がれ落ちやすくな
り、多すぎると透湿性が阻害されて母材の保護を十分に
行うことができなくなる。
【0041】上述のように構成した仕上げ材を、中間塗
料層3の上面にローラ塗り等で塗布して乾燥せしめ、例
えば厚さ13μm程度のポリアミド樹脂膜よりなる保護
膜層4を形成する。仕上げ材の乾燥時間は気温や湿度等
の環境によって異なるが、例えば気温20℃の場合で1
80分程度である。
【0042】中間塗料層3の表面に塗り重ねた仕上げ材
は、中間塗料層3における粒子内架橋間に浸透し、この
中間塗料層に強固に付着する。この保護膜層4はポリア
ミド樹脂膜であるので、液体としての水分は透過しない
が水蒸気は透過し、したがって十分な透湿性を有する。
【0043】また、ポリアミド樹脂膜は保水性と防水性
を有しているので、雨水の浸入を防止できるとともに表
面が適度の湿度に保持され、したがって雨水中やその他
からの塵埃がポリアミド樹脂膜表面に定着しにくく、防
汚性に優れている。
【0044】ところで、従来から使用されている撥水性
を有する塗装材では、図2(B)に示されるように、塗装
材5の表面を流れ落ちる水(雨水や洗浄を行う際の洗浄
水)が水滴6となり、この水滴は塗装材の表面との接触
面積が極めて少なく、したがって塗装材の表面に付着し
た汚染物質7にも殆ど触れることなく流下あるいは滴下
してしまい、洗浄作用を期待することはできない。
【0045】しかし、本発明の塗装材における保護膜層
4はポリアミド樹脂膜よりなるので、上述したとおり保
水性を有する親水性の層である。したがって図2(A)に
示されるように、従来の撥水性のものとは異なり、保護
膜層4の表面を流れ落ちる水8は保護膜層4との接触面
積が大となり、この接触によって汚染物質7が保護膜層
の表面から浮き上がり、水8によって流下させられる。
すなわち、本発明における保護膜層5が親水性であるこ
とにより、その表面に水を流すだけで容易に汚染物質を
洗い流すことができる。
【0046】また、この保護膜層4はポリアミド樹脂膜
よりなるので、若干の弾性を有しており、したがって外
部からの衝撃を吸収し、中間塗料層や下地層はもちろん
母材1を保護することができるというメリットもある。
【0047】次ぎに上述のように構成した本発明の塗装
材について透湿性と防汚性に関するテストを行った結果
について説明する。 <透湿性テスト>透湿性テストはJIS−Z0208の
透湿度試験方法に準拠し、下地材のみの供試片Aと、下
地材と中間塗材を重ね塗りした供試片Bと、下地材、中
間塗材および仕上げ材をこの順に重ね塗りした供試片C
についてそれぞれ複数回の透湿度測定を行った。
【0048】供試片Aは、ガラス板に離型紙を張り、そ
の上に厚さ0.5mm、幅1cmの粘着テープで正方形
の枠を作り、この枠の内側に下地材を流し込んでガラス
棒で表面を平らにならし、塗布量を990g/m2とし
て厚さ約500μmの下地層を形成した。
【0049】供試片Bは、供試片Aと同じ方法で作成し
た下地層を離型紙に付けたままで1日乾燥させ、その表
面に中間塗材を160g/m2×2回塗布し、下地層の
上に厚さ約100μmの中間塗料層を形成した。
【0050】供試片Cは、供試片Bと同じ方法で作成し
た下地層と中間塗料層を離型紙に付けたままで1日乾燥
させ、その表面に仕上げ材を210g/m2塗布して中
間塗料層の上に厚さ約13μmの保護膜層を形成し、本
実施例と同様の下地層、中間塗料層、保護膜層の3つの
層をこの順に有するものとした。
【0051】各供試片はそれぞれ20℃で1週間乾燥さ
せ、その後、離型紙から取り外してテストに供した。
【0052】透湿性テストにおいては、透湿カップに規
定の方法で各供試片をセットし、塩化カルシウムの使用
量を7g、恒温恒湿装置内の温度を25度、湿度を90
%とし、24時間ごとに吸湿による塩化カルシウムの増
加質量を測定し、1時間あたりの質量増加量の差が20
%以内に収まるまで測定を繰り返した。
【0053】上述した方法によって各供試片に透湿性テ
ストを行ったところ、下地層のみの塗膜片よりなる供試
片Aでは水蒸気透過度の平均が650g/m2・24
H、下地層と中間塗料層の塗膜片よりなる供試片Bでは
水蒸気透過度の平均が174.7g/m2・24H、本
実施例の下地層、中間塗料層および保護膜層の3つの層
を有する塗膜片よりなる供試片Cでは水蒸気透過度の平
均が87g/m2・24Hであった。
【0054】築造物用として実用に供されている透湿性
仕上げ塗装材としては、JIS−Z0208による水蒸
気透過度が75g/m2・24H以上であれば十分に透
湿性を有していると評価することができ、したがって本
発明の実施例による供試片Cは、築造物用の塗装材とし
て十分な透湿性を有していると評価することができる。
【0055】<防汚性テスト>防汚性テストは、合板上
に、下地材のみを塗布した供試体Aと、下地材と中間塗
材を重ね塗りした供試体Bと、下地材、中間塗材および
仕上げ材をこの順に重ね塗りした供試体Cについて行っ
た。
【0056】図3(A)に示されるように、供試体Aは合
板上に厚さ約500μmの下地層2を形成し、図3(B)
に示されるように、供試体Bは供試体Aと同じ方法で作
成した下地層2を1日乾燥させ、その表面に中間塗材を
160g/m2×2回塗布し、下地層2の上に厚さ約1
00μmの中間塗料層3を形成し、図3(C)に示される
ように、供試体Cは供試体Bと同じ方法で作成した下地
層2と中間塗料層3を1日乾燥させ、その表面に仕上げ
材を210g/m2塗布して中間塗料層3の上に厚さ約
13μmの保護膜層を形成し、本実施例と同様の下地層
2、中間塗料層3および保護膜層4の3つの層をこの順
に有するものとした。
【0057】各供試体はそれぞれ20℃で1週間乾燥さ
せ、その後、各供試体の下半部に汚染物質9を塗り付け
て乾燥させた。この汚染物質には3%カーボン水溶液を
使用した。
【0058】各供試体の汚染物質9に対し、水道水を3
秒間散水し、2〜3分後に拭き取ったところ、図4(A)
に示されるように、下地層2のみが形成された供試体A
では汚染物質9を除去することができず、図3(A)に示
される散水前の状態と同じであった。
【0059】また、下地層2と中間塗料層3が形成され
た供試体Bでは、図4(B)に示されるように汚染物質9
aが若干残る程度であったが、防汚性が良好であると評
価することはできなかった。
【0060】上述した供試体A、Bに対し、本発明の実
施例による供試体Cでは、図4(C)に示されるようにほ
ぼ完全に汚染物質が除去され、防汚性が極めて良好であ
ると評価することができる。
【0061】したがって、本発明の塗装材および塗装方
法によれば、築造物の外壁等に雨水中の汚れ等が付着し
ても、高圧水を吹き付ける通常の洗浄を行うことによっ
て容易かつ確実に汚れを除去することができることがわ
かった。
【0062】上述した実施例においては、下地材、中間
塗材および仕上げ材によって下地層2、中間塗料層3お
よび保護膜層4の3つの層を形成しているが、下地材の
色がそのまま表面に現れてもよい部分、例えば人目に付
かない部分への塗装や意図的に下地の色を表したい場合
には中間塗料層3を形成せず、下地材と仕上げ材よりな
る塗装材を使用し、下地層2と保護膜層4の2層とする
場合もある。
【0063】このように下地層と保護膜層の2層で構成
する場合においても、下地層上に仕上げ材を塗布すると
仕上げ材が下地層に浸透して保護膜層を形成し、したが
って保護膜層は下地層に強固に付着して剥がれ落ちるよ
うなことはまずない。
【0064】また、本発明における築造物には単にビル
や住宅等の居住施設等の建築物だけでなく、橋梁やトン
ネル等の土木構造物や、屋外の工場施設等の表面にも適
用することができる。
【0065】
【発明の効果】以上、本発明に係る塗装材および塗装方
法によれば、無機質下地材によって下地層が形成され、
かつ表面に仕上げ材によるポリアミド樹脂膜よりなる保
護膜層で覆われるので、前記下地材によって各種の母材
に対して付着性および展性が良好で母材から剥がれ落ち
るようなことは殆どなく、しかも前記保護膜層によって
塗装材表面が親水性となり、したがって表面に汚染物質
が付着しても容易かつ十分に汚染物質の除去を行うこと
ができる。
【0066】また、本発明に係る塗装材および塗装方法
による塗料層は下地層、中間塗料層および保護膜層の3
層あるいは下地層と保護膜層の2層で構成されるが、下
地層、中間塗料層および保護膜層をいずれも透湿性を有
する素材で構成してあるので、母材からの水分を外部へ
十分に発散することができて母材の腐蝕やひびあるいは
割れを防止でき、特に母材が木材である場合には、木材
から発せられる木の香りを封じ込めることがなく、木材
の特徴を生かすことができるというメリットもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗装材を母材表面に塗装した状態
を破断して示す斜視図。
【図2】本発明の塗装材における保護膜層の防汚性を従
来のものと比較して示す縦断側面図。
【図3】本発明に係る塗装材の防汚性テストにおける散
水前の状態を示す一部破断正面図。
【図4】本発明に係る塗装材の防汚性テスト後の状態を
示す一部破断正面図。
【符号の説明】
1 母材 2 下地層 3 中間塗料層 4 保護膜層 5 従来の塗装材 6 水滴 7 汚染物質 8 水 9 汚染物質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B05D 7/24 302 B05D 7/24 302A 302P 302X B32B 13/12 B32B 13/12 C09D 133/00 C09D 133/00 177/00 177/00 E04F 13/02 E04F 13/02 C // B32B 27/30 B32B 27/30 A 27/34 27/34 (72)発明者 石塚 年昭 東京都台東区上野7丁目14番4号 株式会 社ダイワハウジング関東内 Fターム(参考) 4D075 AE03 AE06 DB12 DB21 DC02 EA06 EA12 EA13 EB01 EB02 EB03 EB19 EB22 EB39 EC03 EC07 4F100 AA20A AB00D AD11A AE00D AE01A AK22B AK25B AK25C AK25H AK46B AK73H AL01H AL05B AL05C AL07H AP00D AT00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10A BA10B BA10D CA02A CA13C CC00C DE01A EG002 EH462 EJ862 EJ91B EJ912 GB07 JB07 JB09B JB09C JD05 JL01 JL06 JL11 JM01C JM02B 4J038 AA011 CG001 DH001 HA036 HA446 HA491 KA08 MA08 MA10 PB03 PB05 PC04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】白色セメント、超微粒子シリカおよびカー
    ボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤とよりなる無機
    質下地材と、ポリアミド樹脂を主成分とし、ポリアミド
    樹脂膜を形成する水溶性仕上げ材とよりなる築造物用の
    塗装材。
  2. 【請求項2】白色セメント、超微粒子シリカおよびカー
    ボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤とよりなる無機
    質下地材と、アクリル樹脂エマルジョンに顔料を含有せ
    しめた水溶性の中間塗材と、ポリアミド樹脂を主成分と
    し、ポリアミド樹脂膜を形成する水溶性の仕上げ材とよ
    りなる築造物用の塗装材。
  3. 【請求項3】白色セメント、超微粒子シリカおよびカー
    ボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤とよりなる無機
    質下地材の前記混合物に水溶性硬化剤を添加して築造物
    の表面に塗装し、乾燥せしめて下地層を形成し、この下
    地層の上面に、ポリアミド樹脂を主成分とする水溶性仕
    上げ材を塗装し、乾燥せしめて下地層の上面にポリアミ
    ド樹脂膜よりなる保護膜層を形成する築造物の塗装方
    法。
  4. 【請求項4】白色セメント、超微粒子シリカおよびカー
    ボンファイバーの混合物と水溶性硬化剤とよりなる無機
    質下地材の前記混合物に水溶性硬化剤を添加して築造物
    の表面に塗装し、乾燥せしめて下地層を形成し、この下
    地層の上面に、アクリル樹脂エマルジョンに顔料を含有
    せしめた水溶性の中間塗材を塗装し、乾燥せしめて中間
    塗料層を形成し、さらにこの中間塗料層の上面に、ポリ
    アミド樹脂を主成分とする水溶性仕上げ材を塗装し、乾
    燥せしめて中間塗料層の上面にポリアミド樹脂膜よりな
    る保護膜層を形成する築造物の塗装方法。
  5. 【請求項5】請求項3、4に記載の仕上げ材が、ポリア
    ミド樹脂にポリアクリル酸エステルとポリ酢酸ビニルを
    配合したものである築造物の塗装方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103992474A (zh) * 2014-06-11 2014-08-20 南方医科大学 一种超支化聚酰胺改性有机硅树脂的制备方法及该树脂制备的涂料
JP2017013474A (ja) * 2015-07-07 2017-01-19 アサヒボンド工業株式会社 水性防食塗装及び、水性防食塗装方法
CN110835990A (zh) * 2019-11-29 2020-02-25 武汉掌声科技有限责任公司 一种建筑用防水装饰一体化涂层的施工方法

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