JP2002331660A - インクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの駆動方法

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JP2002331660A
JP2002331660A JP2001140816A JP2001140816A JP2002331660A JP 2002331660 A JP2002331660 A JP 2002331660A JP 2001140816 A JP2001140816 A JP 2001140816A JP 2001140816 A JP2001140816 A JP 2001140816A JP 2002331660 A JP2002331660 A JP 2002331660A
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voltage
ink
jet head
driving
ink jet
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JP2001140816A
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Sukeaki Aoki
右顕 青木
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明はインクジェットヘッドの共通インピー
ダンスに起因する印字画像品質の不安定性を駆動電圧を
制御してインク滴を精度よくかつ安定して吐出させるイ
ンクジェットヘッドの駆動方法を提供する。 【解決手段】インクジェットヘッド1は、各チャネルの
容量性素子Cが共通インピーダンスRcomに接続さ
れ、コントローラ50からの各チャンネル毎の吐出、非
吐出を表わすnビットの吐出信号によりドライバ60が
アナログスイッチ64をオン/オフ状態とする。コント
ローラ50が、2つのD/Aコンバータ44、45にデ
ータを出力して駆動電圧を出力させ、この各出力を加算
回路42で加算した駆動電圧をインクジェットヘッド1
の容量性素子に印加して駆動するが、この駆動電圧を、
インク滴20の吐出時に容量性素子の応答電圧が一定の
パルス電圧となる駆動電圧に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッドの駆動方法に関し、詳細には、インクジェットヘッ
ドの共通インピーダンスに起因する印字画像品質の不安
定性をインクジェットヘッドの駆動電圧を制御して解消
し、インク滴を精度よくかつ安定して吐出させるインク
ジェットヘッドの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットヘッドは、記録時の騒音
が極めて小さいこと、高速印字が可能であること、イン
クの自由度が高く安価な普通紙を使用できること等多く
の利点を有していることから、近時普及している。
【0003】インクジェットヘッドとしては、記録の必
要なときにのみノズルからインク滴を吐出させる、いわ
ゆるインク・オン・デマンド型のインクジェットヘッド
が、記録に不要なインク液滴の回収を必要としないこと
から、現在主流となっている。
【0004】このようなインク・オン・デマンド型のイ
ンクジェットヘッドとしては、インクを充填した液室の
壁の一部に振動板を設け、圧電アクチュエータ等により
振動板を変位させて液室内の体積を変化させることで液
室内の圧力を高めてインクをノズルから吐出する圧電素
子を用いた方式や、液室内に通電によって発熱する発熱
体を設けて、発熱体の発熱により生じる気泡によって液
室内の圧力を高めてインクをノズルから吐出する方式及
び振動板を静電気力で変位させて液室内の体積を変化さ
せることで液室内の圧力を高めてインクをノズルから吐
出する静電方式等が広く知られている。
【0005】発熱素子を用いた方式は、素子が抵抗性で
あり、効率が低く、他の方式に比べてエネルギー消費量
が大きい。特に、ヘッドに複数のチャンネルを集積化す
る場合には、ノズルピッチが同程度あると、圧電方式と
静電方式のヘッドのインピーダンスは、いずれも素子が
容量性であり、値が大きく、発熱素子を用いた場合と比
較して、エネルギー消費量も極めて小さく、発熱の影響
も少ないため、性能的に優れているといえる。特に、対
向電極を用いる静電方式は、圧電素子を用いる圧電方式
に比べて、さらに容量が小さくてすみ、高集積化に適し
ているといえる。
【0006】このような静電方式のインクジェットヘッ
ドとしては、例えば、特開平10−146965号公報
や特開平7−40535号公報等に記載されているもの
がある。そして、本出願人の提案した特開平10−14
6965号公報では、インク滴を吐出するノズルと、該
ノズルに連通するインク液室と、該インク液室の一部を
構成する振動板と、該振動板に対向して配置された電極
を有する電極基板とからなり、前記振動板と前記電極と
の間の静電力により、前記ノズルからインク滴を吐出す
るインクジェットヘッドにおいて、前記振動板の材質が
半導体もしくは誘電体であり、該振動板の接地をとらな
いインクジェットヘッドが提案しており、アクチュエー
タの対向電極として、シリコン基板を加工して積層する
ことで構成したものを提案している。また、特開平7−
40535号公報では、ノズルと、該ノズルに連通する
インク流路と、該流路の一部に設けられた振動板と、該
振動板に対向して設けられた個別電極とを有し、前記振
動板に取り付けらた共通電極と前記個別電極間に駆動電
圧を印加し、前記振動板を静電気力により変形させ、前
記ノズルからインク液滴を吐出するインクジェットヘッ
ドにおいて、前記振動板と前記個別電極とによって形成
されるアクチュエータに直列に接続された付加コンデン
サを有するインクジェットヘッドが提案されており、こ
の公報では、シリコン基板とホウ珪酸系ガラスとで構成
されたインクジェットヘッドが提案されている。これら
のいずれの例においても、可動部である振動板としてシ
リコン基板を用いており、複数チャンネルを集積するイ
ンクジェットヘッドの場合には、振動板が共通の電極と
なっている。
【0007】そして、このようなインクジェットヘッド
は、その等価回路を、図10のように表すことができ、
図10において、インクジェットヘッド100は、複数
のチャネルが集積されて各素子の一方を共通電極として
各個別電極と振動板間の容量値がCであって、共通電極
のインピーダンスがRcomで表されている。そして、
共通電極のインピーダンスは、各個別電極側から見て、
全てのチャネルに共通なインピーダンスとなっている。
【0008】従来の静電方式のインクジェットヘッドに
おいては、共通インピーダンスRcomは、シリコン基
板及びシリコン基板から外部への電極の取り出し用のコ
ンタクト部の抵抗成分である。
【0009】ところで、インクジェットヘッドを量産す
る場合、共通インピーダンスの値は、ある特定値以下と
することはできるが、数Ω以下といった極端に低い値、
または、数パーセントといった誤差範囲の小さい値を得
ようとすると、高価なシリコン基板を使用する必要があ
り、コストが高くなったり、歩留まりが低くなるという
問題があった。
【0010】そして、図10に示したインクジェットヘ
ッド100の共通端子の反対側の駆動端子に、図11に
示すように、t1で立ち上がってt2で立ち下がるパル
ス波形の駆動電圧を印加すると、各容量素子における電
圧波形は、図12に示すようになまったものとなる。な
お、図11において、Vhは、印加パルスの波高値っで
あり、立ち上がり時間及び立ち下がり時間は、1/(R
com・C)に比較して無視できるほど短い。
【0011】図12に示した各容量素子における立ち上
がり時の電圧波形Vcは、次式(1)で決定され、ノズ
ルでのメニスカス変位量は、図13に示すようになる。
【0012】 Vc=Vh(1−exp(t/Rcom×C))・・・(1) この場合、共通インピーダンスRcomがバラツキを有
していると、インクジェットヘッド毎に異なる応答波形
が存在することとなり、画像品質が不安定となる。
【0013】また、インクジェットヘッド100の複数
のノズルから同時に複数のインク滴を吐出させる場合に
は、全ての駆動チャネルの駆動電流が共通インピーダン
スを流れることとなり、個別電極に印加されたパルス波
形よりも実際の対向電極間での応答波形は、なまってし
まうことになる。ここで、吐出ノズル数をnとすると、
応答波形Vcは、次式(2)で決定される。
【0014】 Vc=Vh[1−exp{−t/(Rcom×C×n)}]・・・(2) すなわち、1チャネルのみ吐出する場合(n=1)と複
数チャネル吐出する場合(n≠1)とでは、インク滴の
特性に隔たりが生じ、出力画像のドット径が同時に吐出
されるチャネル数に依存して、画像品質が不安定になる
という問題があった。
【0015】そこで、従来、パルス電圧を複数の容量性
手段に印加し、該容量性手段を変形し、ノズルからそれ
ぞれインク滴を吐出し、記録を行うインクジェットヘッ
ドの駆動方法において、前記容量性手段の一端は、少な
くとも3端子有する共通スイッチング手段の第1の端子
に接続され、前記共通スイッチング手段は、前記第1の
端子と前記パルス電圧が印加される第2の端子とGND
電位が印加される第3の端子とを有し、前記第1の端子
を前記第2の端子または前記第3の端子に切り換えて接
続され、前記容量性手段の他端は、それぞれ少なくとも
3端子有する個別スイッチング手段の第4の端子に接続
され、前記個別スイッチング手段は、前記第4の端子と
前記パルス電圧が印加される第5の端子とGND電位が
印加される第6の端子とをそれぞれ有し、前記第4の端
子を前記第5の端子または前記第6の端子にそれぞれ切
り換えて接続されるとともに、前記容量性手段を変形さ
せ吐出させるとき、前記第1の端子と前記第4の端子の
うち一方をパルス電圧側に接続し他方をGND電位側に
接続し、前記容量性手段にパルス電圧を印加し、前記容
量性手段を非変形状態にし非吐出状態にするとき、前記
第1の端子と前記第4の端子とを同電位側に接続するイ
ンクジェットヘッドの駆動方法が提案されている(特開
平9−300618号公報参照)。
【0016】すなわち、このインクジェットヘッドの駆
動方法は、駆動ノズル数に応じて駆動電圧の大きさやパ
ルス幅を変化させている。
【0017】また、従来、複数のノズル孔と、該ノズル
孔の各々に連通する複数の独立の吐出室と該吐出室にイ
ンクを供給する共通のインクキャビティとを有し、該吐
出室の少なくとも一方の壁面の一部が機械的変形を起こ
すようになっている振動板と、該振動板をクーロン力に
より駆動する基板上の該振動板に各々対応する複数の対
向電極から成り、前記対向電極に電気パルスを印加する
ことにより、該対向電極に対応する前記振動板を前記吐
出室の圧力が上昇する方向に変形させ、前記ノズル孔よ
りインク液滴を記録紙に向け吐出するインクジェットヘ
ッドにおいて、前記振動板の周辺に電極を配置したイン
クジェットヘッドが提案されている(特開平6−557
32号公報参照)。
【0018】すなわち、このインクジェットヘッドは、
振動板に直接共通電極を形成することで、電気抵抗を下
げて、画像品質を安定化させようとしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のインクジェットヘッドにあっては、駆動ノズ
ル数に係わらず安定したインク吐出性能を確保して、安
価に印字品質を向上させる上で、なお改良の必要があっ
た。
【0020】すなわち、特開平9−300618号公報
記載のインクジェットヘッドの駆動方法にあっては、吐
出ノズル数に応じて駆動電圧の大きさやパルス幅を変え
ているが、駆動パルスの大きさを変更させる場合には、
立ち上がり時及び立ち下がり時の波形のなまりは改善さ
れて、安定したインク吐出自体は可能であるが、波高値
そのものが異なるため、吐出インク滴の特性が安定しな
いという問題がある。
【0021】また、特開平6−55732号公報記載の
インクジェットヘッドにあっては、振動板に直接共通電
極を形成するようにしているが、コストが高くなり、ま
た、振動板の厚みそのものの制御が難しくなるという問
題点がある。
【0022】そこで、本発明は、容量性をもつ静電方式
のインクジェットヘッドにおいて、共通インピーダンス
の値や同時に吐出されるチャンネル数によらずに、常に
特性の一定したインク吐出を安定して行うことのできる
インクジェットヘッドの駆動方法を提供することを目的
としている。
【0023】具体的には、請求項1記載の発明は、2端
子を有しその一端が所定の共通インピーダンスを有する
共通端子である容量性素子が複数配設された複数チャネ
ルのインクジェットヘッドの容量性素子にパルス駆動電
圧を印加してインク滴を吐出させるに際して、それぞれ
出力を制御可能な2つの電圧出力手段の各出力を電圧駆
動手段で加算した駆動電圧を容量性素子に印加して駆動
し、当該駆動電圧を、インク滴の吐出時に容量性素子の
応答電圧が一定のパルス電圧となる駆動電圧に制御する
ことにより、インクジェットヘッドの共通インピーダン
ス値に関係なく一定の応答電圧が容量性素子間に得られ
るようにし、インクジェットヘッドの個々の共通インピ
ーダンスが大きなばらつきを有していても、吐出を行う
容量性素子の応答波形を一定にして、一定の特性でイン
ク滴を吐出させて、画像品質を安定させることのできる
インクジェットヘッドの駆動方法を提供することを目的
としている。
【0024】請求項2記載の発明は、2つの電圧出力手
段の出力する出力電圧を、容量性素子の応答電圧が同時
に吐出するチャンネル数に関係なく一定のパルス電圧に
制御して駆動することにより、吐出するチャンネル数に
よって変化する駆動負荷の影響を補正して容量性素子間
の応答電圧を一定にし、吐出チャンネル数の多少に関係
なく常に一定のインク滴特性を維持して、安定した画像
品質を得ることのできるインクジェットヘッドの駆動方
法を提供することを目的としている。
【0025】請求項3記載の発明は、2つの電圧出力手
段のうち、一方の電圧出力手段に、基本パルス電圧を出
力させ、他方の電圧出力手段に、インク滴を吐出するチ
ャンネル数に応じて当該基本パルスの立ち上がり時また
は立ち下がり時に補正パルスを出力させることにより、
一つの電圧出力の調整のみで吐出インク滴を簡単に安定
させ、多数ノズルを同時に吐出する場合にも複雑な制御
を行うことなく、インク滴の吐出を安定させて、安定し
た画像品質を得ることのできる安価なインクジェットヘ
ッドの駆動方法を提供することを目的としている。
【0026】請求項4記載の発明は、共通インピーダン
スを検知して、当該検知した共通インピーダンスの値に
応じて電圧駆動手段の出力する駆動電圧を制御すること
により、インクジェットヘッド毎に共通インピーダンス
の値にばらつきがあっても、共通インピーダンスの値を
インクジェットヘッドの生産時にチェックすることな
く、安定した吐出動作及びインク滴の特性を実現し、安
定した画像品質を得ることのできる生産性の良好なイン
クジェットヘッドの駆動方法を提供することを目的とし
ている。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のイ
ンクジェットヘッドの駆動方法は、2端子を有しその一
端が所定の共通インピーダンスを有する共通端子である
容量性素子が複数配設された複数チャネルのインクジェ
ットヘッドの前記容量性素子にパルス駆動電圧を印加し
てインク滴を吐出させるインクジェットヘッドの駆動方
法において、それぞれ出力を制御可能な2つの電圧出力
手段の各出力を電圧駆動手段で加算した駆動電圧を前記
容量性素子に印加して駆動し、当該駆動電圧を、前記イ
ンク滴の吐出時に前記容量性素子の応答電圧が一定のパ
ルス電圧となる駆動電圧に制御することにより、上記目
的を達成している。
【0028】上記構成によれば、2端子を有しその一端
が所定の共通インピーダンスを有する共通端子である容
量性素子が複数配設された複数チャネルのインクジェッ
トヘッドの容量性素子にパルス駆動電圧を印加してイン
ク滴を吐出させるに際して、それぞれ出力を制御可能な
2つの電圧出力手段の各出力を電圧駆動手段で加算した
駆動電圧を容量性素子に印加して駆動し、当該駆動電圧
を、インク滴の吐出時に容量性素子の応答電圧が一定の
パルス電圧となる駆動電圧に制御しているので、インク
ジェットヘッドの共通インピーダンス値に関係なく一定
の応答電圧が容量性素子間に得られるようにすることが
でき、インクジェットヘッドの個々の共通インピーダン
スが大きなばらつきを有していても、吐出を行う容量性
素子の応答波形を一定にして、一定の特性でインク滴を
吐出させて、画像品質を安定させることができる。
【0029】この場合、例えば、請求項2に記載するよ
うに、前記インクジェットヘッドの駆動方法は、前記2
つの電圧出力手段の出力する出力電圧を、前記容量性素
子の応答電圧が同時に吐出するチャンネル数に関係なく
一定のパルス電圧に制御して駆動してもよい。
【0030】上記構成によれば、2つの電圧出力手段の
出力する出力電圧を、容量性素子の応答電圧が同時に吐
出するチャンネル数に関係なく一定のパルス電圧に制御
して駆動するので、吐出するチャンネル数によって変化
する駆動負荷の影響を補正して容量性素子間の応答電圧
を一定にすることができ、吐出チャンネル数の多少に関
係なく常に一定のインク滴特性を維持して、安定した画
像品質を得ることができる。
【0031】また、例えば、請求項3に記載するよう
に、前記インクジェットヘッドの駆動方法は、前記2つ
の電圧出力手段のうち、一方の電圧出力手段に、基本パ
ルス電圧を出力させ、他方の電圧出力手段に、インク滴
を吐出するチャンネル数に応じて前記基本パルスの立ち
上がり時または立ち下がり時に補正パルスを出力させて
もよい。
【0032】上記構成によれば、2つの電圧出力手段の
うち、一方の電圧出力手段に、基本パルス電圧を出力さ
せ、他方の電圧出力手段に、インク滴を吐出するチャン
ネル数に応じて当該基本パルスの立ち上がり時または立
ち下がり時に補正パルスを出力させるので、一つの電圧
出力の調整のみで吐出インク滴を簡単に安定させること
ができ、多数ノズルを同時に吐出する場合にも複雑な制
御を行うことなく、インク滴の吐出を安定させて、安定
した画像品質を安価に得ることができる。
【0033】さらに、例えば、請求項4に記載するよう
に、前記インクジェットヘッドの駆動方法は、前記共通
インピーダンスを検知して、当該検知した共通インピー
ダンスの値に応じて前記電圧駆動手段の出力する駆動電
圧を制御してもよい。
【0034】上記構成によれば、共通インピーダンスを
検知して、当該検知した共通インピーダンスの値に応じ
て電圧駆動手段の出力する駆動電圧を制御するので、イ
ンクジェットヘッド毎に共通インピーダンスの値にばら
つきがあっても、共通インピーダンスの値をインクジェ
ットヘッドの生産時にチェックすることなく、安定した
吐出動作及びインク滴の特性を実現することができ、安
定した画像品質を得ることができるとともに、インクジ
ェットヘッドの生産性を向上させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述
べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるか
ら、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本
発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定す
る旨の記載がない限り、これらの態様に限られるもので
はない。
【0036】図1〜図7は、本発明のインクジェットヘ
ッドの駆動方法の第1の実施の形態を示す図であり、本
実施の形態は、請求項1から請求項3に対応するもので
ある。
【0037】図1は、本発明のインクジェットヘッドの
駆動方法の第1の実施の形態を適用したインクジェット
ヘッド1の概略構成図である。
【0038】図1において、インクジェットヘッド1
は、個別電極基板2、振動板基板3及びノズル基板4が
順次重ねて接合された積層構造に形成されており、個別
電極基板2と振動板基板3及び振動板基板3とノズル基
板4は、直接接合あるいは共晶接合等で接合されてい
る。直接接合では、例えば、1000℃程度の高温下で
接合が行われ、純粋な基板が形成される。共晶接合で
は、例えば、金等のバインダーを接合界面に介在させて
接合を行う。なお、図1では、1個のノズル分の構造の
みを示しているが、インクジェットヘッド1には、同様
の構成がn個(n≠1)が集積して形成されている。
【0039】振動板基板3は、例えば、ホウ素(ボロ
ン)がドープされたp型のシリコン(Si)で形成され
ており、チャネル数に対応する複数のノズル5を構成す
るように、振動板基板3の表面の一端部から平行に等間
隔で複数のノズル溝が形成されている。また、振動板基
板3は、各ノズル溝に連通して底壁に振動板6が形成さ
れる圧力発生部であるインク液室7となる複数の凹部
と、当該凹部のノズル5とは反対側に凹部に連通する状
態で形成されて図示しないインク流路となる細溝と、各
インク液室7にインク流路を介してインクを供給するイ
ンク供給部としての共通液室8となる凹部と、が形成さ
れている。
【0040】具体的には、振動板基板3は、単結晶シリ
コンを異方性エッチングすることで、厚さ、2μm、精
度±0.1μmに形成され、上記ノズル5となるノズル
溝、インク液室7となる凹部、インク流路となる細溝及
び共通液室8となる凹部等が形成されている。特に、振
動板基板3の振動板6となる部分は、例えば、高濃度ボ
ロンをドープすることでエッチングレートを低くして、
振動板6の板厚を高精度に制御して形成されている。
【0041】振動板基板3は、インク吐出を行う複数の
チャネルの共通電極であり、端部(図1の右側端部)の
上面には、コンタクト9によりグランド(GND)レベ
ルの電位が与えられる。この振動板基板3からのコンタ
クト9による抵抗は、平均で50Ωであり、ばらつきが
20%程度の抵抗を有している。
【0042】ノズル基板4は、個別電極基板2と同様の
シリコン基板で形成されており、振動板基板3上に接合
されて、振動板基板3との間に、上記ノズル5、インク
液室7、インク流路及び共通液室8を画成している。
【0043】ノズル基板4には、振動板基板3上に接合
された際に共通液室8に対向する位置にインク供給口1
0が形成されており、当該インク供給口10に接続パイ
プ11が挿入されている。この接続パイプ11に図示し
ないインクタンクに接続されているが接続され、チュー
ブ及び接続パイプ11を通してインクタンクからインク
が共通液室8に供給される。
【0044】個別電極基板2は、振動板基板3と同様の
p型のシリコンで形成されており、当該シリコンの基板
層12の上面にSiO2の絶縁膜13が形成されてい
る。この絶縁膜13の表面が、等方性エッチングにより
掘り込まれて振動板基板3と接合された際に気体層14
を形成する。
【0045】上記絶縁膜13の上面には、TiNを成膜
した後、パターニングすることで個別電極15が形成さ
れており、個別電極15は、上記振動板6と対向する位
置に当該振動板6の形成されている数、すなわち、チャ
ネル数だけ形成されている。この個別電極15の材料
は、上記TiNに限るものではなく、接合時の高温に耐
えものであれば、適宜の材料を用いることができる。
【0046】個別電極15の上面及び側面には、例え
ば、SiO2等を成膜してパターニングすることで絶縁
性の保護層16が形成されており、保護層16は、駆動
電圧が個別電極15に印加された際に絶縁破壊が発生し
ない膜厚に形成されている。
【0047】この保護層16の上部に上記気体層14が
形成されており、気体層14は、上記振動板基板3が接
合された後、端部(図1の右側端部)の開口部がエポキ
シ樹脂等の接着剤である封止剤で閉じられて、気密封止
されている。
【0048】インクジェットヘッド1は、共通液室8に
供給されたインクをインク流路を介して各インク液室7
に供給し、インク液室7のインクを振動板6が変形する
ことで生じる内部圧力によりノズル5からインク滴20
として吐出して、記録紙等の記録媒体に印刷を行う。具
体的には、インク滴20の吐出は、振動板6を個別電極
15側に変形させてインク液室7に負圧を発生させ、ノ
ズル5でのインクメニスカスを後退、振動をさせた後
に、適当なタイミングで振動板6の復帰力でインク液室
7を加圧して、インク滴20を吐出させることで押し打
ちを行う。
【0049】すなわち、インクジェットヘッド1は、2
端子を有しその一端が所定の共通インピーダンスRco
mを有する共通端子である容量性素子が複数配設された
複数チャネルを有している。
【0050】そして、インクジェットヘッド1は、上記
コンタクト9と各個別電極15との間、すなわち、振動
板6と各個別電極15との間に、図2に示す駆動部30
から所定の駆動波形の駆動電圧が印加され、駆動部30
は、図2に示すように、駆動電圧生成部40、コントロ
ーラ50及びドライバ60等を備えている。
【0051】なお、図2において、インクジェットヘッ
ド1は、等価回路で示されており、1チャンネル当たり
Cの容量と共通インピーダンスRcomを有している。
【0052】駆動部30の駆動電圧生成部40は、コン
バータ部41、加算回路42及び出力回路43を備えて
いる。コンバータ部41は、電圧出力手段として2つの
D/Aコンバータ44、45を備えており、各D/Aコ
ンバータ44、45がコントローラ50から入力される
データにより所定の電圧を発生して加算回路42に出力
する。加算回路42は、アンプ46を備えており、2つ
のD/Aコンバータ44、45の出力を加算した後、増
幅して出力回路43に出力する。出力回路43は、トラ
ンジスタTr1、Tr2を備えており、加算回路42の
加算出力をトランジスタTr1、Tr2でドライバ60
に出力する。これら加算回路42及び出力回路43は、
電圧駆動手段として機能している。
【0053】ドライバ60は、nビットシフトレジスタ
61、nビットラッチ62、レベルシフタ63及びイン
クジェットヘッド1のチャネル分のアナログスイッチ6
4等を備えており、nビットシフトレジスタ61は、コ
ントローラ50から入力される吐出、非吐出を表わすシ
リアルデータをパラレルデータに変換してnビットラッ
チ62に出力する。nビットラッチ62は、nビットシ
フトレジスタ61からのデータをストアして、レベルシ
フタ63に出力し、レベルシフタ63は、nビットラッ
チ62のラッチしたデータに従ってアナログスイッチ6
4をON(オン)、または、OFF(オフ)する。各ア
ナログスイッチ64には、上記駆動電圧生成部40の出
力回路63から加算回路42の加算出力である駆動電圧
が入力され、各アナログスイッチ64は、レベルシフタ
63によってONまたはOFFされて、所定の駆動波形
(パルス波形)の駆動電圧をインクジェットヘッド1の
各チャンネルへと印加する。
【0054】なお、図2には図示しないが、コントロー
ラ50は、nビットシフトレジスタ61とnビットラッ
チ62にシフトクロックとラッチ信号とを出力する。
【0055】次に、本実施の形態の作用を説明する。本
実施の形態のインクジェットヘッド1は、図1に示した
ように構成されており、その特性は、図3及び図4のよ
うに示すことができ、図3は、印加パルスの波高値と吐
出インク滴20の体積を、図4は、素子が応答する立上
がり、立ち下がり時間に対する吐出インク滴20の体積
(吐出体積)と吐出速度の関係を表わしている。
【0056】ここで、良好な画像品質を得るためのイン
ク滴の特性を考えた場合、吐出体積は、記録紙等の記録
媒体上でのドット径を決定し、また、吐出速度は、イン
クジェットヘッド1と記録媒体が相対速度を持つことか
ら、インク滴20の着弾位置精度を決定する。したがっ
て、吐出体積と吐出速度は、ともに印字動作において一
定値であることが良好な画像品質を得るには不可欠であ
る。いま、図3及び図4において、吐出体積p1、吐出
速度Vj1が最も望ましい値であるとする。また、図3
及び図4において、吐出体積p1及び吐出速度Vj1
は、駆動電圧(印加電圧)のパルス波高値Vh1、パル
ス幅T1、立上がり、立ち下がり時定数tjの応答波形
が各チャンネルの容量素子間に得られていればよいこと
になる。
【0057】そして、コントローラ50は、例えば、図
示しないパーソナルコンピュータ等から画像信号を受信
すると、画像信号に基づいてインクジェットヘッド1の
各チャンネル毎の吐出、非吐出を表わすnビットの吐出
信号を生成して、シリアル信号としてドライバ60のn
ビットシフトレジスタ61に出力する。ここで、コント
ローラ50は、インクジェットヘッド1の一回の吐出動
作における吐出ノズル数をカウントしておく。いま、こ
の同時吐出のチャンネル数をkとする。
【0058】また、コントローラ50は、ドライバ60
へ吐出信号(データ)を送信した後に、所定のタイミン
グでnビットシフトレジスタ61へ入力されたデータを
nビットラッチ62へ出力するようにドライバ60へ制
御信号を出力し、nビットシフトレジスタ61は、この
制御信号に基づいてシリアルの吐出信号をパラレルデー
タに変換してnビットラッチ62に出力する。nビット
ラッチ62は、nビットシフトレジスタ61からのデー
タをラッチし、レベルシフタ63がnビットラッチ62
のラッチしたデータに従って、インクジェットヘッド1
の吐出チャンネルに対応するアナログスイッチ64をO
N状態、非吐出チャンネルのアナログスイッチ64をO
FF状態へと変化させる。
【0059】コントローラ50は、アナログスイッチ6
4が変化した後に、駆動電圧生成部40のコンバータ部
41の2つのD/Aコンバータ44、45にデータを転
送する。D/Aコンバータ44及びD/Aコンバータ4
5は、それぞれ図5及び図6に示す波形、すなわち、D
/Aコンバータ44は、基準パルスを、D/Aコンバー
タ45は、インク滴20を吐出するチャンネル数に応じ
て基本パルスの立ち上がり時または立ち下がり時に補正
パルスを、加算回路42に出力する。ここで、D/Aコ
ンバータ44の出力パルスの時定数は、tj1に比べて
無視できるほど小さいものとし、また、D/Aコンバー
タ45の出力は、次式(1)に従って出力される。
【0060】 V2=Vh・{(Rcom・C・k)/tj1−1}・exp(−t/tj1 )・・・(1) なお、D/Aコンバータ45の出力を行うためのデータ
は、コントローラ50において演算するか、予めROM
等の記憶素子に共通インピーダンスRcom及び吐出ノ
ズル数毎にテーブル化しておいて随時読み出して出力し
てもよい。
【0061】そして、加算回路42は、2つのD/Aコ
ンバータ44、45からの出力を、アンプ46で加算し
て、図7に示すような駆動電圧の波形(以下、駆動波
形)として、出力回路43に出力し、出力回路43は、
トランジスタTr1、Tr2で信号源インピーダンスを
低く抑えて、ドライバ60の各チャネルに対応したアナ
ログスイッチ64に出力する。
【0062】この出力回路43からの駆動波形は、イン
クジェットヘッド1の吐出を行うk個のチャンネルにア
ナログスイッチ64を介して伝送される。
【0063】すなわち、コントローラ50は、上述のよ
うに、予めインクジェットヘッド1の共通インピーダン
スRcomの値が分かっており、この共通インピーダン
スRcomの値は、インクジェットヘッド1の出荷時に
記しておいて、ユーザーがそれを読み取ってホストパー
ソナルコンピュータ等からインクジェットヘッド1の適
用されているプリンタにパーソナルコンピュータのプリ
ンタドライバによって入力したり、インクジェットヘッ
ド1自体に機械的な突起等を設けて共通インピーダンス
Rcomの値を設定できるようにしておいてプリンタ等
の機器内で読み取ってコントローラ50に通知したり、
さらに、インクジェットヘッド1にROM等のメモリを
設けておいて共通インピーダンスRcomを表わす値を
予め記憶させておいてもよい。
【0064】そして、インクジェットヘッド1の各吐出
チャネルの容量素子の個別電極15側は、図7の駆動波
形に示される電位となるが、容量素子間の電圧は、立上
がり、立ち下がり時定数がtj1のパルス波形となり、
体積p1のインク滴20が速度Vj1で吐出されること
になる。
【0065】このように、本実施の形態のインクジェッ
トヘッド1の駆動方法は、それぞれ出力を制御可能な2
つのD/Aコンバータ44、45の各出力を加算回路4
2で加算した駆動電圧をインクジェットヘッド1の容量
性素子に印加して駆動し、当該駆動電圧を、インク滴2
0の吐出時に容量性素子の応答電圧が一定のパルス電圧
となる駆動電圧に制御している。
【0066】したがって、インクジェットヘッド1の共
通インピーダンスRcomの値に関係なく一定の応答電
圧が容量性素子間に得られるようにすることができ、イ
ンクジェットヘッド1の個々の共通インピーダンスRc
omが大きなばらつきを有していても、吐出を行う容量
性素子の応答波形を一定にして、一定の特性でインク滴
を吐出させて、画像品質を安定させることができる。
【0067】また、本実施の形態のインクジェットヘッ
ド1の駆動方法は、2つのD/Aコンバータ44、45
の出力する出力電圧を、容量性素子の応答電圧が同時に
吐出するチャンネル数に関係なく一定のパルス電圧に制
御して駆動している。
【0068】したがって、吐出するチャンネル数によっ
て変化する駆動負荷の影響を補正して容量性素子間の応
答電圧を一定にすることができ、吐出チャンネル数の多
少に関係なく常に一定のインク滴特性を維持して、安定
した画像品質を得ることができる。
【0069】さらに、本実施の形態のインクジェットヘ
ッド1の駆動方法は、2つのD/Aコンバータ44、4
5のうち、一方のD/Aコンバータ44に、基本パルス
電圧を出力させ、他方のD/Aコンバータ45に、イン
ク滴を吐出するチャンネル数に応じて当該基本パルスの
立ち上がり時または立ち下がり時に補正パルスを出力さ
せている。
【0070】したがって、一つの電圧出力の調整のみで
吐出インク滴20を簡単に安定させることができ、多数
ノズルを同時に吐出する場合にも複雑な制御を行うこと
なく、インク滴の吐出を安定させて、安定した画像品質
を安価に得ることができる。
【0071】図8及び図9は、本発明のインクジェット
ヘッドの駆動方法の第2の実施の形態を示す図であり、
本実施の形態は、請求項4に対応するものである。
【0072】なお、本実施の形態は、上記第1の実施の
形態のインクジェットヘッドの駆動方法のインクジェッ
トヘッド1と同様のインクジェットヘッドに適用したも
のであり、本実施の形態の説明においては、上記第1の
実施の形態で示したインクジェットヘッド1及びその駆
動回路30と同様の構成部分については、同一の符号を
付してその詳細な説明を省略し、また、図示しない部分
についても、必要に応じて、第1の実施の形態で用いた
符号をそのまま用いて説明する。
【0073】図8は、本実施の形態のインクジェットヘ
ッドの駆動方法を適用したインクジェットヘッド1の等
価回路及その駆動回路70の要部構成図であり、図8に
おいて、インクジェットヘッド1は、上記第1の実施の
形態のインクジェットヘッド1と同様のもので、駆動回
路70は、上記第1の実施の形態の駆動回路30と同様
の駆動電圧生成部40、コントローラ50及びドライバ
60を備えているとともに、共通インピーダンス検知回
路71を備えている。
【0074】インクジェットヘッド1の各チャネルの容
量素子は、第1の実施の形態のインクジェットヘッド1
と同様に、図2に示したドライバ60のアナログスイッ
チ64に接続されており、インクジェットヘッド1の共
通インピーダンスRcomは、第1の実施の形態のイン
クジェットヘッド1と異なり、共通インピーダンス検知
回路71に接続されている。
【0075】共通インピーダンス検知回路71は、数Ω
程度の精度の良好な基準抵抗Rと、基準抵抗Rの両端に
接続されたA/Dコンバータ(ADC)72を備えてお
り、基準抵抗Rの両端の電圧を、A/Dコンバータ72
がアナログ/デジタル変換してモニターし、モニター値
をコントローラ50に出力する。
【0076】本実施の形態では、インクジェットヘッド
1で印字動作のために吐出動作を行う前に、まず、テス
ト吐出を行う。このテスト吐出では、上記駆動電圧生成
部40のコンバータ部41の2つのD/Aコンバータ4
4、45のうち、D/Aコンバータ44のみが基準パル
スを出力し、また、インクジェットヘッド1へは全nチ
ャンネルに対して吐出を行うようにデータを転送する。
【0077】このとき、基準パルスに対して、図9に示
すような応答がパルス立ちあがり時に基準抵抗Rに観測
されたとすると、コントローラ50には、観測された波
形ピーク値Vmのデジタル変換データがA/Dコンバー
タ72から入力され、コントローラ50は、この波形ピ
ーク値Vmが、0.9Vmから0.1Vmに減少すると
きに要する時間T10−90をカウントして、次式
(2)に従って共通インピーダンスRcomの値を算出
する。
【0078】 Rcom={0.45×T10−90/(n×C)}−R・・・(2) コントローラ50は、この共通インピーダンス値Rco
mの値に基づいて、同時吐出を行うチャンネル数に応じ
て出力回路43からのパルス、特に、D/Aコンバータ
45の出力電圧のパルスを制御し、安定したインク滴2
0を吐出して、安定した画像品質の画像を形成する。
【0079】このように、本実施の形態のインクジェッ
トヘッドの駆動方法は、共通インピーダンス検知回路7
1で共通インピーダンスRcomの値を検知して、当該
検知した共通インピーダンスRcomの値に応じてD/
Aコンバータ44、45の出力する駆動電圧、特に、D
/Aコンバータ45の出力する駆動電圧を制御してい
る。
【0080】したがって、インクジェットヘッド1毎に
共通インピーダンスRcomの値にばらつきがあって
も、共通インピーダンスRcomの値をインクジェット
ヘッド1の生産時にチェックすることなく、安定した吐
出動作及びインク滴20の特性を実現することができ、
安定した画像品質を得ることができるとともに、インク
ジェットヘッド1の生産性を向上させることができる。
【0081】以上、本発明者によってなされた発明を好
適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は
上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもな
い。
【0082】
【発明の効果】請求項1記載の発明のインクジェットヘ
ッドの駆動方法によれば、2端子を有しその一端が所定
の共通インピーダンスを有する共通端子である容量性素
子が複数配設された複数チャネルのインクジェットヘッ
ドの容量性素子にパルス駆動電圧を印加してインク滴を
吐出させるに際して、それぞれ出力を制御可能な2つの
電圧出力手段の各出力を電圧駆動手段で加算した駆動電
圧を容量性素子に印加して駆動し、当該駆動電圧を、イ
ンク滴の吐出時に容量性素子の応答電圧が一定のパルス
電圧となる駆動電圧に制御しているので、インクジェッ
トヘッドの共通インピーダンス値に関係なく一定の応答
電圧が容量性素子間に得られるようにすることができ、
インクジェットヘッドの個々の共通インピーダンスが大
きなばらつきを有していても、吐出を行う容量性素子の
応答波形を一定にして、一定の特性でインク滴を吐出さ
せて、画像品質を安定させることができる。
【0083】請求項2記載の発明のインクジェットヘッ
ドの駆動方法によれば、2つの電圧出力手段の出力する
出力電圧を、容量性素子の応答電圧が同時に吐出するチ
ャンネル数に関係なく一定のパルス電圧に制御して駆動
するので、吐出するチャンネル数によって変化する駆動
負荷の影響を補正して容量性素子間の応答電圧を一定に
することができ、吐出チャンネル数の多少に関係なく常
に一定のインク滴特性を維持して、安定した画像品質を
得ることができる。
【0084】請求項3記載の発明のインクジェットヘッ
ドの駆動方法によれば、2つの電圧出力手段のうち、一
方の電圧出力手段に、基本パルス電圧を出力させ、他方
の電圧出力手段に、インク滴を吐出するチャンネル数に
応じて当該基本パルスの立ち上がり時または立ち下がり
時に補正パルスを出力させるので、一つの電圧出力の調
整のみで吐出インク滴を簡単に安定させることができ、
多数ノズルを同時に吐出する場合にも複雑な制御を行う
ことなく、インク滴の吐出を安定させて、安定した画像
品質を安価に得ることができる。
【0085】請求項4記載の発明のインクジェットヘッ
ドの駆動方法によれば、共通インピーダンスを検知し
て、当該検知した共通インピーダンスの値に応じて電圧
駆動手段の出力する駆動電圧を制御するので、インクジ
ェットヘッド毎に共通インピーダンスの値にばらつきが
あっても、共通インピーダンスの値をインクジェットヘ
ッドの生産時にチェックすることなく、安定した吐出動
作及びインク滴の特性を実現することができ、安定した
画像品質を得ることができるとともに、インクジェット
ヘッドの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの駆動方法の第
1の実施の形態を適用したインクジェットヘッドの長辺
方向断面図。
【図2】図1のインクジェットヘッドの等価回路と駆動
回路の概略構成図。
【図3】図1のインクジェットヘッドの印加パルスの波
高値と吐出インク滴の体積との関係を示す図。
【図4】図1のインクジェットヘッドの素子が応答する
立ち上がり、立ち下がり時間に対するインク滴の吐出体
積と吐出速度の関係を示す図。
【図5】図2の駆動回路の駆動電圧生成部のD/Aコン
バータ44の出力波形を示す図。
【図6】図2の駆動回路の駆動電圧生成部のD/Aコン
バータ45の出力波形を示す図。
【図7】図2の加算回路で図5と図6の出力波形を加算
して出力回路に出力する出力波形を示す図。
【図8】本発明のインクジェットヘッドの駆動方法の第
2の実施の形態を適用したインクジェットヘッドの等価
回路と駆動回路の要部の概略構成図。
【図9】テスト吐出で基準パルスが印加された際に図8
の基準抵抗Rで検出される波形を示す図。
【図10】従来のインクジェットヘッドの等価回路を示
す図。
【図11】図10の従来のインクジェットヘッドに印加
される駆動電圧のパルス波形を示す図。
【図12】図11の駆動電圧が図10のインクジェット
ヘッドの各素子に印加されて立ち上がり及び立ち下がり
時になまった状態となっているパルス波形を示す図。
【図13】図12のパルス波形の駆動電圧が印加された
場合の図10のインクジェットヘッドのノズルでのメニ
スカス変位量を示す図。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 個別電極基板 3 振動板基板 4 ノズル基板 5 ノズル 6 振動板 7 インク液室 8 共通液室 9 コンタクト 10 インク供給口 11 接続パイプ 12 基板層 13 絶縁膜 14 気体層 15 個別電極 16 保護層 20 インク滴 30 駆動部 40 駆動電圧生成部 41 コンバータ部 42 加算回路 43 出力回路 44、45 D/Aコンバータ 46 アンプ Tr1、Tr2 トランジスタ 50 コントローラ 60 ドライバ 61 nビットシフトレジスタ 62 nビットラッチ 63 レベルシフタ 64 アナログスイッチ 70 駆動回路 71 共通インピーダンス検知回路 R 基準抵抗 72 A/Dコンバータ C 容量 Rcom 共通インピーダンス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2端子を有しその一端が所定の共通インピ
    ーダンスを有する共通端子である容量性素子が複数配設
    された複数チャネルのインクジェットヘッドの前記容量
    性素子にパルス駆動電圧を印加してインク滴を吐出させ
    るインクジェットヘッドの駆動方法において、それぞれ
    出力を制御可能な2つの電圧出力手段の各出力を電圧駆
    動手段で加算した駆動電圧を前記容量性素子に印加して
    駆動し、当該駆動電圧を、前記インク滴の吐出時に前記
    容量性素子の応答電圧が一定のパルス電圧となる駆動電
    圧に制御することを特徴とするインクジェットヘッドの
    駆動方法。
  2. 【請求項2】前記インクジェットヘッドの駆動方法は、
    前記2つの電圧出力手段の出力する出力電圧を、前記容
    量性素子の応答電圧が同時に吐出するチャンネル数に関
    係なく一定のパルス電圧に制御して駆動することを特徴
    とする請求項1記載のインクジェットヘッドの駆動方
    法。
  3. 【請求項3】前記インクジェットヘッドの駆動方法は、
    前記2つの電圧出力手段のうち、一方の電圧出力手段
    に、基本パルス電圧を出力させ、他方の電圧出力手段
    に、インク滴を吐出するチャンネル数に応じて前記基本
    パルスの立ち上がり時または立ち下がり時に補正パルス
    を出力させることを特徴とする請求項1記載のインクジ
    ェットヘッドの駆動方法。
  4. 【請求項4】前記インクジェットヘッドの駆動方法は、
    前記共通インピーダンスを検知して、当該検知した共通
    インピーダンスの値に応じて前記電圧駆動手段の出力す
    る駆動電圧を制御することを特徴とする請求項1記載の
    インクジェットヘッドの駆動方法。
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