JP2003300317A - インクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装置

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JP2003300317A
JP2003300317A JP2002106855A JP2002106855A JP2003300317A JP 2003300317 A JP2003300317 A JP 2003300317A JP 2002106855 A JP2002106855 A JP 2002106855A JP 2002106855 A JP2002106855 A JP 2002106855A JP 2003300317 A JP2003300317 A JP 2003300317A
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piezoelectric
piezoelectric element
pressure generating
ink jet
recording head
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JP2002106855A
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Shiro Yazaki
士郎 矢崎
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子を高密度に配列でき且つ流路形成基
板の破壊を防止することができるインクジェット式記録
ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記録装
置を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12が
形成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一
方面側に振動板を介して設けられる下電極60、圧電体
層70及び上電極80からなる圧電素子300とを具備
するインクジェット式記録ヘッドにおいて、圧力発生室
12の幅方向中央部に対向する領域に実質的な駆動部で
ある圧電体能動部320を有する第1の圧電素子300
Aと、圧力発生室12の少なくとも幅方向両端部に対向
する領域に圧電体能動部320を有すると共に圧力発生
室12の幅方向中央部に対向する領域に圧電体能動部3
20の圧電歪みを許容する伸張部350を有する第2の
圧電素子300Bとを交互に並設し、圧電素子300の
駆動による流路形成基板10の変形を抑える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッド及びその駆動方法並びにインクジェット式記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】これによれば圧電素子を振動板に貼付ける
作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で、か
つ簡便な手法で圧電素子を高密度に作り付けることがで
きるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆
動が可能になるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなインクジェット式記録ヘッドでは、多数の圧電素子
を同時に駆動すると、圧力発生室が形成されている流路
形成基板が破壊されてしまうという問題がある。すなわ
ち、多数の圧電素子を同時に駆動すると各圧電素子の変
位によって生じる力が流路形成基板にかかり、流路形成
基板に変形が生じてしまう。そして、この圧電素子の駆
動による変形が繰り返されることによって流路形成基板
に割れ等が発生するという問題がある。
【0008】また、圧電素子を高密度に配列するのに伴
い、流路形成基板の厚さを薄くして各圧力発生室を区画
する隔壁の剛性を確保する必要がある。したがって、圧
電素子の配列密度が高い程、このような問題は発生しや
すい。
【0009】本発明はこのような事情に鑑み、圧電素子
を高密度に配列でき且つ流路形成基板の破壊を防止する
ことができるインクジェット式記録ヘッド及びその駆動
方法並びにインクジェット式記録装置を提供することを
課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
形成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電
極からなる圧電素子とを具備するインクジェット式記録
ヘッドにおいて、前記圧力発生室の幅方向中央部に対向
する領域に実質的な駆動部である圧電体能動部を有する
第1の圧電素子と、前記圧力発生室の少なくとも幅方向
両端部に対向する領域に前記圧電体能動部を有すると共
に前記圧力発生室の幅方向中央部に対向する領域に前記
圧電体能動部の圧電歪みを許容する伸張部を有する第2
の圧電素子とが交互に並設されていることを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドにある。
【0011】かかる第1の態様では、第1の圧電素子の
駆動による振動板の変位方向と、第2の圧電素子の駆動
による振動板の変位方向とが反対方向であるため、これ
ら第1の圧電素子及び第2の圧電素子の駆動によって流
路形成基板にかかる負荷が抑制される。したがって、圧
電素子を高密度に配列しても流路形成基板が破壊される
ことがない。
【0012】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記圧電体層は、結晶が優先配向していることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0013】かかる第2の態様では、圧電体層が薄膜工
程で成膜された結果、結晶が優先配向している。
【0014】本発明の第3の態様は、第2の態様におい
て、前記圧電体層は、(100)面に優先配向している
ことを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0015】かかる第3の態様では、圧電体層を所定の
薄膜工程で成膜した結果、結晶が(100)面に優先配
向する。
【0016】本発明の第4の態様は、第2又は3の態様
において、前記圧電体層は、結晶が菱面体晶であること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドにある。
【0017】かかる第4の態様では、圧電体層を所定の
薄膜工程で成膜した結果、結晶が菱面体晶となる。
【0018】本発明の第5の態様は、第2〜4の何れか
の態様において、前記圧電体層は、結晶が柱状となって
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0019】かかる第5の態様では、圧電体層が薄膜工
程で成膜された結果、結晶が柱状となっている。
【0020】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記伸張部に対応する領域の前記上電
極又は前記下電極の少なくとも何れか一方が除去されて
いることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0021】かかる第6の態様では、上電極又は下電極
を除去することにより、伸張部を容易に形成することが
できる。
【0022】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記伸張部に対応する領域の前記圧電体層の少なく
とも一部が除去されていることを特徴とするインクジェ
ット式記録ヘッドにある。
【0023】かかる第7の態様では、圧電体能動部の圧
電歪みが伸張部によって確実に許容される。
【0024】本発明の第8の態様は、第1〜7の何れか
の態様において、前記圧力発生室がシリコン単結晶基板
に異方性エッチングにより形成され、前記圧電素子の各
層が成膜及びリソグラフィ法により形成されたものであ
ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドにあ
る。
【0025】かかる第8の態様では、高密度のノズル開
口を有するインクジェット式記録ヘッドを大量に且つ比
較的容易に製造することができる。
【0026】本発明の第9の態様は、第1〜8の何れか
の態様のインクジェット式記録ヘッドを具備することを
特徴とするインクジェット式記録装置にある。
【0027】かかる第9の態様では、インク吐出特性を
安定させ、信頼性を向上したインクジェット式記録装置
を実現することができる。
【0028】本発明の第10の態様は、ノズル開口に連
通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電
極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、
前記圧力発生室の幅方向中央部に対向する領域に実質的
な駆動部である圧電体能動部を有する第1の圧電素子
と、前記圧力発生室の少なくとも幅方向両端部に対向す
る領域に前記圧電体能動部を有すると共に前記圧力発生
室の幅方向中央部に対向する領域に前記圧電体能動部の
圧電歪みを許容する伸張部を有する第2の圧電素子とが
交互に並設されているインクジェット式記録ヘッドの駆
動方法であって、隣接する前記第1の圧電素子と前記第
2の圧電素子とを1組として、各組の前記第1の圧電素
子と前記第2の圧電素子とに同時に駆動信号を出力して
前記ノズル開口からインク滴を吐出することを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの駆動方法にある。
【0029】かかる第10の態様では、変位方向の異な
る第1の圧電素子と第2の圧電素子とが常に同時に駆動
されるため、圧電素子の駆動によって生じる力が相殺さ
れ、流路形成基板に変形が生じることがない。
【0030】本発明の第11の態様は、ノズル開口に連
通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電
極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、
前記圧力発生室の幅方向中央部に対向する領域に実質的
な駆動部である圧電体能動部を有する第1の圧電素子
と、前記圧力発生室の少なくとも幅方向両端部に対向す
る領域に前記圧電体能動部を有すると共に前記圧力発生
室の幅方向中央部に対向する領域に前記圧電体能動部の
圧電歪みを許容する伸張部を有する第2の圧電素子とが
交互に並設されているインクジェット式記録ヘッドの駆
動方法であって、隣接する前記第1の圧電素子と前記第
2の圧電素子とを異なる駆動信号によって駆動して前記
ノズル開口からインク滴を吐出することを特徴とするイ
ンクジェット式記録ヘッドの駆動方法にある。
【0031】かかる第11の態様では、第1の圧電素子
と第2の圧電素子とが別々の駆動信号により駆動される
ため、ノズル配列密度と同等の高密度でインク滴を吐出
するインクジェット式記録ヘッドを実現することができ
る。
【0032】本発明の第12の態様は、ノズル開口に連
通する圧力発生室が形成される流路形成基板と、該流路
形成基板の一方面側に振動板を介して設けられる下電
極、圧電体層及び上電極からなる圧電素子とを具備し、
前記圧力発生室の幅方向中央部に対向する領域に実質的
な駆動部である圧電体能動部を有する第1の圧電素子
と、前記圧力発生室の少なくとも幅方向両端部に対向す
る領域に前記圧電体能動部を有すると共に前記圧力発生
室の幅方向中央部に対向する領域に前記圧電体能動部の
圧電歪みを許容する伸張部を有する第2の圧電素子とが
交互に並設されているインクジェット式記録ヘッドの駆
動方法であって、前記第1の圧電素子及び前記第2の圧
電素子の何れか一方が停止しているタイミングで他方に
駆動信号を出力して前記ノズル開口からインク滴を吐出
することを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆
動方法にある。
【0033】かかる第12の態様では、第1の圧電素子
と第2の圧電素子との変位方向が異なるため、圧電素子
の駆動による流路形成基板の変形量が小さく抑えられ
る。また、第1の圧電素子と第2の圧電素子とが異なる
タイミングで駆動されるため、隣接する圧力発生室間で
のクロストークを防止することができ、インク吐出特性
が向上する。
【0034】本発明の第13の態様は、第10〜12の
何れかの態様において、前記第1の圧電素子又は前記第
2の圧電素子の一方に出力する駆動信号が、他方に出力
する駆動信号の波形を反転させたものであることを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法にある。
【0035】かかる第13の態様では、駆動IC等の1
つの駆動回路によって第1の圧電素子と第2の圧電素子
とを駆動することができるため、ヘッドの構造を簡略化
してコストを削減することができる。
【0036】本発明の第14の態様は、第10〜12の
何れかの態様において、前記第1の圧電素子と前記第2
の圧電素子とに異なる波形の駆動信号を出力することを
特徴とするインクジェット式記録ヘッドの駆動方法にあ
る。
【0037】かかる第14の態様では、第1の圧電素子
と第2の圧電素子とを別々に制御しているため、各圧電
素子を比較的容易に制御できると共にインク吐出特性を
安定させることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0039】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、図1の平面図、そのA−A’断面図及
びB−B’断面図であり、図3は、図2のC−C’断面
図である。
【0040】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。この流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0041】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方
向に2列並設され、その長手方向外側には、後述するリ
ザーバ形成基板30に設けられるリザーバ部31に連通
して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ
100の一部を構成する連通部13が形成され、各圧力
発生室12の長手方向一端部とそれぞれインク供給路1
4を介して連通されている。
【0042】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
【0043】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0044】なお、このような圧力発生室12等が形成
される流路形成基板10の厚さは、圧力発生室12を配
設する密度に合わせて最適な厚さを選択することが好ま
しい。例えば、1インチ当たり180個(180dp
i)程度に圧力発生室12を配置する場合には、流路形
成基板10の厚さは、180〜280μm程度、より望
ましくは、220μm程度とするのが好適である。ま
た、例えば、360dpi程度と比較的高密度に圧力発
生室12を配置する場合には、流路形成基板10の厚さ
は、100μm以下とするのが好ましい。これは、隣接
する圧力発生室12間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密
度を高くできるからである。
【0045】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0046】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0047】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0(第1の圧電素子300A及び第2の圧電素子300
B)を構成している。ここで、圧電素子300は、下電
極膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分
をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電
極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧
力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、
ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電
体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧
電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。本実
施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極
とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極として
いるが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障
はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電
体能動部が形成されていることになる。また、ここで
は、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により
変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと
称する。
【0048】また、本実施形態の圧電素子300は、圧
力発生室12の幅方向中央部に圧電体能動部320を有
する第1の圧電素子300Aと、圧力発生室12の少な
くとも幅方向両端部に圧電体能動部320を有すると共
に圧力発生室12の幅方向中央部に圧電体能動部320
の圧電歪みを許容する伸張部350を有する第2の圧電
素子300Bとを含み、各圧力発生室12に対応する領
域にこれら第1の圧電素子300Aと第2の圧電素子3
00Bとが交互に並設されている。
【0049】ここで、第2の圧電素子300Bの伸張部
350は、下電極膜60又は上電極膜80の少なくとも
何れか一方、本実施形態では、上電極膜80を除去する
ことによって形成され、第2の圧電素子300Bの下電
極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加しても駆動
されることはない。このため、第2の圧電素子300B
は、下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加す
ると、圧力発生室12の外側が凸となるように変形す
る。なお、圧電素子300の駆動方法については、詳し
く後述する。
【0050】また、本実施形態では、伸張部350は、
上電極膜80のみを除去することによって形成している
が、勿論、圧電体層70又は下電極膜60まで一緒に除
去するようにしてもよい。あるいは、下電極膜60のみ
を除去して上電極膜80を残すようにしてもよい。
【0051】また、第2の圧電素子300Bの駆動によ
る振動板の変位量は、伸張部350の大きさ、すなわ
ち、伸張部350の面積及び深さによって変化する。し
たがって、この伸張部350の大きさは、第2の圧電素
子300Bに出力する駆動信号等の各種条件を考慮し
て、適宜決定することが好ましい。
【0052】なお、圧電素子300の個別電極である上
電極膜80には、圧電素子300の長手方向端部近傍か
ら圧力発生室12の外側の領域まで引き出されるリード
電極90がそれぞれ接続されている。このリード電極9
0は、例えば、金(Au)等からなり、本実施形態で
は、圧電素子300の長手方向端部近傍から圧力発生室
12の列間に対応する領域まで延設されている。
【0053】ここで、このような本実施形態のインクジ
ェット式記録ヘッドの製造方法の一例、特に、流路形成
基板に圧電素子等を形成する方法について、図4及び図
5を参照して説明する。なお、図4及び図5は、圧力発
生室12の幅方向の一部を示す断面図である。
【0054】まず、図4(a)に示すように、流路形成
基板10となるシリコン単結晶基板のウェハを約110
0℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコンからなる弾性
膜50を形成する。
【0055】次に、図4(b)に示すように、スパッタ
リングで下電極膜60を弾性膜50の全面に形成後、下
電極膜60をパターニングして全体パターンを形成す
る。この下電極膜60の材料としては、白金(Pt)等
が好適である。これは、スパッタリング法やゾル−ゲル
法で成膜する後述の圧電体層70は、成膜後に大気雰囲
気下又は酸素雰囲気下で600〜1000℃程度の温度
で焼成して結晶化させる必要があるからである。すなわ
ち、下電極膜60の材料は、このような高温、酸化雰囲
気下で導電性を保持できなければならず、殊に、圧電体
層70としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を用いた
場合には、酸化鉛の拡散による導電性の変化が少ないこ
とが望ましく、これらの理由から白金が好適である。
【0056】次に、図4(c)に示すように、圧電体層
70を成膜する。この圧電体層70は、結晶が配向して
いることが好ましい。例えば、本実施形態では、金属有
機物を触媒に溶解・分散したいわゆるゾルを塗布乾燥し
てゲル化し、さらに高温で焼成することで金属酸化物か
らなる圧電体層70を得る、いわゆるゾル−ゲル法を用
いて形成することにより、結晶が配向している圧電体層
70とした。圧電体層70の材料としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛系の材料がインクジェット式記録ヘッドに使
用する場合には好適である。なお、この圧電体層70の
成膜方法は、特に限定されず、例えば、スパッタリング
法で形成してもよい。
【0057】さらに、ゾル−ゲル法又はスパッタリング
法等によりチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体膜を形成後、
アルカリ水溶液中での高圧処理法にて低温で結晶成長さ
せる方法を用いてもよい。
【0058】何れにしても、このように成膜された圧電
体層70は、バルクの圧電体とは異なり結晶が優先配向
しており、且つ本実施形態では、圧電体層70は、結晶
が柱状に形成されている。なお、優先配向とは、結晶の
配向方向が無秩序ではなく、特定の結晶面がほぼ一定の
方向に向いている状態をいう。また、結晶が柱状の薄膜
とは、略円柱体の結晶が中心軸を厚さ方向に略一致させ
た状態で面方向に亘って集合して薄膜を形成している状
態をいう。勿論、優先配向した粒状の結晶で形成された
薄膜であってもよい。なお、このように薄膜工程で製造
された圧電体層の厚さは、一般的に0.2〜5μmであ
る。
【0059】次に、図4(d)に示すように、上電極膜
80を成膜する。上電極膜80は、導電性の高い材料で
あればよく、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の多
くの金属や、導電性酸化物等を使用できる。本実施形態
では、白金をスパッタリングにより成膜している。
【0060】次に、図5(a)に示すように、圧電体層
70及び上電極膜80のみをエッチングすることによっ
てパターニングし、第1の圧電素子300A及び第2の
圧電素子300Bを形成する。
【0061】すなわち、圧電体層70及び上電極膜80
を圧力発生室12の幅よりも狭い幅でパターニングする
ことによって第1の圧電素子300Aを形成し、圧力発
生室12の幅よりも広い幅でパターニングすることによ
って第2の圧電素子300Bを形成する。また、第2の
圧電素子300Bの中央部、すなわち、圧力発生室12
の中央部に対向する領域の上電極膜80を除去してスリ
ット状の伸張部350を形成する。
【0062】その後、図示しないが、金(Au)等から
なるリード電極90を各圧電素子300に形成する。
【0063】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシ
リコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図5
(b)に示すように、圧力発生室12等を形成する。
【0064】なお、実際には、上述した一連の膜形成及
び異方性エッチングによって一枚のウェハ上に多数のチ
ップを同時に形成し、プロセス終了後、図1に示すよう
な一つのチップサイズの流路形成基板10毎に分割す
る。そして、分割した流路形成基板10に、後述するリ
ザーバ形成基板30及びコンプライアンス基板40を順
次接着して一体化することによってインクジェット式記
録ヘッドとする。
【0065】すなわち、流路形成基板10の圧電素子3
00側には、各圧力発生室12の共通のインク室となる
リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザーバ部
31を有するリザーバ形成基板30が接合されている。
このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ形成
基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅方向
に亘って形成されており、弾性膜50を貫通して設けら
れた貫通孔51を介して流路形成基板10の連通部13
と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となる
リザーバ100を構成している。
【0066】このリザーバ形成基板30としては、流路
形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラ
ス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施
形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結
晶基板を用いて形成した。
【0067】また、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300は
この圧電素子保持部32内に密封されている。
【0068】また、リザーバ形成基板30には、封止膜
41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板4
0が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低
く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフ
ェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、
この封止膜41によってリザーバ部31の一方面が封止
されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料
(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)
等)で形成される。この固定板42のリザーバ100に
対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部4
3となっているため、リザーバ100の一方面は可撓性
を有する封止膜41のみで封止されている。
【0069】なお、このような本実施形態のインクジェ
ット式記録ヘッドは、図示しない外部インク供給手段か
らインクを取り込み、リザーバ100からノズル開口2
1に至るまで内部をインクで満たした後、図示しない駆
動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応す
るそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧
を印加して、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層7
0をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内
の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出す
る。
【0070】以下、このようなインクジェット式記録ヘ
ッドの駆動方法について詳細に説明する。
【0071】上述したように、本実施形態のインクジェ
ット式記録ヘッドでは、流路形成基板10上に振動板を
介して第1の圧電素子300Aと第2の圧電素子300
Bとが交互に配置されている。そして、本実施形態で
は、隣接する第1の圧電素子300Aと第2の圧電素子
300Bとを1組とし、各組の二つの圧電素子300
(第1の圧電素子300A及び第2の圧電素子300
B)を常に同時に駆動させる。
【0072】ここで、第1の圧電素子300Aは、圧力
発生室12に対応する領域に、圧力発生室12よりも狭
い幅で設けられている。すなわち、第1の圧電素子30
0Aは、圧力発生室12の幅方向中央部に対向する領域
に圧力発生室12の長手方向に沿って設けられている。
このため、下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を
印加すると、図6(a)に示すように、第1の圧電素子
300A(圧電体能動部320)が圧力発生室12の内
部体積を減少させる方向に変形し、これによりノズル開
口21からインク滴が吐出される。
【0073】一方、第2の圧電素子300Bは、圧力発
生室12に対応する領域に、圧力発生室12よりも広い
幅で設けられ、且つ圧力発生室12の幅方向中央部に伸
張部350が設けられている。すなわち、第2の圧電素
子300Bは、圧力発生室12の幅方向中央部に対向す
る領域に圧力発生室12の長手方向に沿って伸張部35
0が形成されている。このため、電圧を印加すると、図
6(b)に示すように、圧力発生室12の幅方向両端部
に対向する領域の圧電体能動部320のみが駆動され
る。したがって、第2の圧電素子300B全体として
は、圧力発生室12の内部体積を増加させるように、す
なわち、圧力発生室12の外側に向かって突出するよう
に変位する。そして、この状態から除電して第2の圧電
素子300Bの変形が元に戻ることによって圧力発生室
12に圧力が生じ、これによりノズル開口21からイン
ク滴が吐出される。
【0074】このように、第1の圧電素子300Aと第
2の圧電素子300Bとは、ノズル開口21からインク
滴を吐出させる際の変位の方向が異なる。このため、隣
接する第1の圧電素子300Aと第2の圧電素子300
Bとを常に同時に駆動するようにすれば、第1の圧電素
子300Aの変位によって流路形成基板10にかかる力
と第2の圧電素子300Bの変位によって流路形成基板
10にかかる力とが相殺され、各圧電素子300を駆動
する際に流路形成基板10に生じる変形が防止される。
したがって、長期に亘って使用しても、圧電素子300
の駆動に起因して流路形成基板10が破壊されることが
なく、信頼性を向上することができる。
【0075】なお、このような駆動方法を用いる場合、
常に2つのノズル開口21からインク滴が同時に吐出さ
れるため、インク滴の実質的な吐出密度はノズル開口2
1の配列密度の半分となる。
【0076】また、本実施形態では、第1の圧電素子3
00Aと第2の圧電素子300Bとに、一方の圧電素子
に出力する駆動信号の波形を反転させたものを用いてい
る。例えば、図7(a)に示すように、本実施形態で
は、第1の圧電素子300Aに出力する駆動信号110
は、下電極膜60と上電極膜80との間の電位を、中間
電位VMから一旦最低電位VLまで下降させる下降工程
111と、その後、最低電位VLから最大電位VHまで
上昇させてノズル開口21からインク滴を吐出する上昇
工程112とを有するものである。一方、第2の圧電素
子300Bに出力する駆動信号120は、図7(b)に
示すように、第1の圧電素子300Aに出力される駆動
信号110の波形を反転させたものであり、中間電位V
Mから最大電位VH1まで上昇させる上昇工程121
と、最大電位VH1から最低電位VL1まで下降させる
下降工程122とを有する。
【0077】このような波形を反転させただけの2つの
駆動信号は、1つの駆動回路(例えば、駆動IC)によ
って出力することができる。したがって、1つの駆動回
路によって第1の圧電素子300Aと第2の圧電素子3
00Bとを制御することができヘッドの構造が簡略化さ
れるため、コストの削減を図ることができる。
【0078】また、勿論、第1の圧電素子300Aと第
2の圧電素子300Bとのそれぞれを制御する2つの駆
動回路を設け、第1の圧電素子300Aと第2の圧電素
子300Bとを全く異なる駆動信号によって駆動するよ
うにしてもよい。この場合、各圧電素子300の制御が
容易となるため、各ノズル開口21から吐出されるイン
クの吐出特性を比較的容易に安定させることができる。
なお、このような駆動方法を用いる場合、第1の圧電素
子300Aと第2の圧電素子300Bとを同時に駆動す
る場合と異なり、従来通りノズル開口の配列と同じ高密
度のインク滴の吐出密度を実現することができる。
【0079】また、本実施形態では、隣接する一組の第
1の圧電素子300Aと第2の圧電素子300Bとを同
時に駆動するようにしたが、これに限定されず、例え
ば、第1の圧電素子300A及び第2の圧電素子300
Bの何れか一方が停止している期間に他方を駆動するよ
うしてもよい。すなわち、第1の圧電素子300Aと第
2の圧電素子300Bとを別々のタイミングで駆動して
インク滴を吐出するようにしてもよい。
【0080】このような駆動方法では、隣接する圧電素
子が同時に駆動されることがないため、流路形成基板1
0にかかる力が抑えられる。したがって、流路形成基板
が変形して破壊されるのを防止することができる。ま
た、隣接する圧力発生室間でのクロストークの発生が防
止されるため、インク吐出特性のばらつきを防止するこ
とができる。
【0081】(他の実施形態)以上、本発明の一実施形
態を説明したが、本発明の構成は上述したものに限定さ
れるものではない。
【0082】例えば、上述の実施形態では、成膜及びリ
ソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型のイン
クジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これに限定
されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付す
る等の方法により形成される厚膜型のインクジェット式
記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0083】また、このような本発明のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図8は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0084】図8に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0085】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。
【0086】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、圧力発
生室の幅方向中央部に圧電体能動部を有する第1の圧電
素子と、圧力発生室の幅方向両端部に対向する領域に圧
電体能動部を有すると共に圧力発生室の幅方向中央部に
伸張部を有する第2の圧電素子とを交互に並設するよう
にしたので、圧電素子の駆動による流路形成基板の変位
量が抑えられる。したがって、圧電素子を高密度に配列
して印刷品質を向上できると共に、流路形成基板の破壊
を防止して信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る圧電素子の変形状態
を示す概略図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る圧電素子に出力する
駆動波形の一例を示す概略図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 40 コンプライアンス基板 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 90 リード電極 100 リザーバ 300 圧電素子 300A 第1の圧電素子 300B 第2の圧電素子 320 圧電体能動部 350 伸張部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形成
    される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
    動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極か
    らなる圧電素子とを具備するインクジェット式記録ヘッ
    ドにおいて、 前記圧力発生室の幅方向中央部に対向する領域に実質的
    な駆動部である圧電体能動部を有する第1の圧電素子
    と、前記圧力発生室の少なくとも幅方向両端部に対向す
    る領域に前記圧電体能動部を有すると共に前記圧力発生
    室の幅方向中央部に対向する領域に前記圧電体能動部の
    圧電歪みを許容する伸張部を有する第2の圧電素子とが
    交互に並設されていることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記圧電体層は、結
    晶が優先配向していることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記圧電体層は、
    (100)面に優先配向していることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、前記圧電体層
    は、結晶が菱面体晶であることを特徴とするインクジェ
    ット式記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4の何れかにおいて、前記圧
    電体層は、結晶が柱状となっていることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記伸
    張部に対応する領域の前記上電極又は前記下電極の少な
    くとも何れか一方が除去されていることを特徴とするイ
    ンクジェット式記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記伸張部に対応す
    る領域の前記圧電体層の少なくとも一部が除去されてい
    ることを特徴とするインクジェット式記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかにおいて、前記圧
    力発生室がシリコン単結晶基板に異方性エッチングによ
    り形成され、前記圧電素子の各層が成膜及びリソグラフ
    ィ法により形成されたものであることを特徴とするイン
    クジェット式記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8の何れかのインクジェット
    式記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録装置。
  10. 【請求項10】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形
    成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
    振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極
    からなる圧電素子とを具備し、前記圧力発生室の幅方向
    中央部に対向する領域に実質的な駆動部である圧電体能
    動部を有する第1の圧電素子と、前記圧力発生室の少な
    くとも幅方向両端部に対向する領域に前記圧電体能動部
    を有すると共に前記圧力発生室の幅方向中央部に対向す
    る領域に前記圧電体能動部の圧電歪みを許容する伸張部
    を有する第2の圧電素子とが交互に並設されているイン
    クジェット式記録ヘッドの駆動方法であって、 隣接する前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子とを
    1組として、各組の前記第1の圧電素子と前記第2の圧
    電素子とに同時に駆動信号を出力して前記ノズル開口か
    らインク滴を吐出することを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形
    成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
    振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極
    からなる圧電素子とを具備し、前記圧力発生室の幅方向
    中央部に対向する領域に実質的な駆動部である圧電体能
    動部を有する第1の圧電素子と、前記圧力発生室の少な
    くとも幅方向両端部に対向する領域に前記圧電体能動部
    を有すると共に前記圧力発生室の幅方向中央部に対向す
    る領域に前記圧電体能動部の圧電歪みを許容する伸張部
    を有する第2の圧電素子とが交互に並設されているイン
    クジェット式記録ヘッドの駆動方法であって、 隣接する前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子とを
    異なる駆動信号によって駆動して前記ノズル開口からイ
    ンク滴を吐出することを特徴とするインクジェット式記
    録ヘッドの駆動方法。
  12. 【請求項12】 ノズル開口に連通する圧力発生室が形
    成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に
    振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極
    からなる圧電素子とを具備し、前記圧力発生室の幅方向
    中央部に対向する領域に実質的な駆動部である圧電体能
    動部を有する第1の圧電素子と、前記圧力発生室の少な
    くとも幅方向両端部に対向する領域に前記圧電体能動部
    を有すると共に前記圧力発生室の幅方向中央部に対向す
    る領域に前記圧電体能動部の圧電歪みを許容する伸張部
    を有する第2の圧電素子とが交互に並設されているイン
    クジェット式記録ヘッドの駆動方法であって、 前記第1の圧電素子及び前記第2の圧電素子の何れか一
    方が停止しているタイミングで他方に駆動信号を出力し
    て前記ノズル開口からインク滴を吐出することを特徴と
    するインクジェット式記録ヘッドの駆動方法。
  13. 【請求項13】 請求項10〜12の何れかにおいて、
    前記第1の圧電素子又は前記第2の圧電素子の一方に出
    力する駆動信号が、他方に出力する駆動信号の波形を反
    転させたものであることを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッドの駆動方法。
  14. 【請求項14】 請求項10〜12の何れかにおいて、
    前記第1の圧電素子と前記第2の圧電素子とに異なる波
    形の駆動信号を出力することを特徴とするインクジェッ
    ト式記録ヘッドの駆動方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015051622A (ja) * 2013-08-05 2015-03-19 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP2015057314A (ja) * 2013-08-12 2015-03-26 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
JP2018140642A (ja) * 2013-08-05 2018-09-13 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

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