JP2002331416A - 棒状部材切断機 - Google Patents

棒状部材切断機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断片の落下防止機構を備えた棒状部材切断
機を提供する。 【解決手段】 固定刃15と可動刃16からなる一対の
切断刃で棒状部材を切断する棒状部材切断機において、
可動刃16の切断作動終了位置付近に切断片Bの切断
端付近を磁着保持する磁石17を配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は棒状部材を切断する棒状部材切断
機に係り、とりわけ切断された切断片を保持する手段を
備えた棒状部材切断機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、固定刃と可動刃からなる一対
の切断刃で棒状部材を剪断する切断機としては種々のも
のが開発されている。この棒状部材としては、鉄筋,ボ
ルト,非金属性棒材などがある。
【0003】例えば、空調装置,照明機器などを天井か
ら吊り下げる場合には、全ねじボルトが使用されるが、
このボルトは天井,壁などに敷設された後、仕様に合わ
せて適当な突設寸法になるよう現場で切断される。
【0004】このような全ねじボルトを切断する切断機
としては、例えば、特公平5−16966号公報,特開
平8−174331号公報などに記載された全ねじ切断
機が知られている。この全ねじ切断機は、建築現場など
で、作業者が片手又は両手で保持して、刃部を突出した
全ねじボルトの所要の位置に当てがい、全ねじボルトを
適当な長さに切断する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような全ねじボル
トの切断において、切断された棒状の切断片は、そのま
ま下方へ落下するが、この切断作業が天井等、高所で行
われる場合、切断片の落下は下方で作業する者に怪我を
させるおそれがある。特に、切断片が比較的長い寸法で
ある場合は、この危険性が一層大きくなる。
【0006】また、切断片の落下は床面を傷付けたり、
他の機器内に飛び込んだりするという問題等もあった。
【0007】本発明はこのような問題点を解決するため
になされたものであり、切断された棒状切断片を切断後
保持し、切断片の落下を防止することのできる棒状部材
切断機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、固定刃と可動刃からなる一対の切断刃で棒状
部材を切断する棒状部材切断機において、前記可動刃の
切断作動終了位置付近に切断片の切断端付近を保持する
切断保持手段を配設したことを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明によれば、一対の切断刃で切断された棒
状の切断片が、切断片保持手段により、その軸線が棒状
部材の軸線とほぼ平行である状態で保持され、落下する
ことが防止される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施の態様について図面を参
照して説明する。
【0011】図1は、本発明による第1の実施態様を示
す側断面図である。図において符号1は、棒状部材切断
機であり、この棒状部材切断機1は、片手で把持可能な
バッテリを内蔵した電動モータ2と、この電動モータ2
により回転駆動され、内蔵タンク3内の油を加圧する油
圧発生機構4と、この油圧発生機構4から送られた圧力
油により前進移動するピストン5とピストン5を収容す
るシリンダ6からなる油圧駆動機構7と、油圧駆動機構
7に連結され、油圧駆動機構7の作動により棒状部材切
断を行う切断機構8とを備えている。
【0012】切断機構8は、図2にその部分外観斜視図
を示すように、油圧駆動機構7に連接された略中空円筒
状のケーシング11を有している。このケーシング11
内には、外周囲に螺旋溝の形成された回転駆動軸12
が、ピストン5の軸線と平行な軸線を中心に軸線方向に
往復移動可能に配設され、内周に前記螺旋溝と係合する
溝の形成されたアーム部材13が、回転駆動軸12の軸
線を中心として回転可能に配設されている。
【0013】回転駆動軸12の後端は、ピストン5の先
端と当接し、前方部には戻しスプリング14が当接され
ている。これにより、ピストン5が前進すれば、回転駆
動軸12が前進移動し、回転駆動軸12の外周螺旋溝に
係合したアーム部材13が、後述する切断作用を行う方
向(閉鎖方向)に回転する。
【0014】また、圧力油の供給が停止され、ピストン
5が後退すると、回転駆動軸12は戻しスプリング14
により同方向へ後退移動し、それに伴い、アーム部材1
3が前記した切断作用方向とは反対の方向(開放方向)
に回転する。
【0015】回転駆動軸12の軸線から偏位したケーシ
ング11の先端部位置には、切断用の固定刃15が固着
されている。また、アーム部材13の先端部には、この
固定刃15と摺接し棒状部材を剪断する可動刃16が固
着されている。これらの固定刃15および可動刃16
は、全ねじボルトBのねじ山を破損しないで切断できる
ように、それぞれ全ねじボルトBと同一ピッチを有する
めねじが形成された半円形凹状をしている。
【0016】また、ケーシング11の、アーム部材13
が切断作用を終了する位置付近には、平面部17aを有
する磁石17が、その平面部17aをアーム部材13に
固着された可動刃16の移動方向と略垂直となる向きに
して固着されている。
【0017】この実施態様で示した磁石17は平面部1
7aを有する円盤形状をしているが、四角形状をしてい
てもよい。また、平面部17aは、金属性棒状切断片を
磁力により磁着させる面であり、磁着をより確実に行え
るよう、棒状部材の直径寸法に応じた湾曲面を形成して
もよい。
【0018】次にこのような構成からなる本実施の態様
についての作用について説明する。
【0019】図3は、本実施態様による棒状部材切断機
1の前方部を示す上面図である。図3に示すように、棒
状部材切断機1の可動刃16を開放した状態で、切断さ
れるべき全ねじボルトBの所要位置が固定刃15に当接
される位置に棒状部材切断機1を配置する。続いてスイ
ッチ2aを押すと、電動モータ2が駆動され、油圧発生
機構4により圧力油が油圧駆動機構7へ送られ、前述し
たようにピストン5の前進によりアーム部材13が回転
する。
【0020】アーム部材13が閉鎖方向に回転すること
により、全ねじボルトBが、固定刃15と可動刃16に
より切断される。図4は、全ねじボルトBが切断された
状態を示している。この切断により全ねじボルトBは、
天井,壁などに敷設された部分Bと切断された切断片
とに分離されるが、切断片Bは、アーム部材13
の回転移動により磁石17方向へ移動させられ、可動刃
16と磁石17とにより挟まれた状態となる。
【0021】全ねじボルトBの切断作業が終了し、電動
モータ2を停止すると、前述したように、アーム部材1
3は自動的に開放方向に回転する。これにより、可動刃
16は、切断片Bから離れるが、図5に示すように、
切断片Bは磁石17の平面部17aに磁着保持され、
落下が防止される。
【0022】図6は、本発明の第2の実施態様を示す図
2相当図である。この実施態様においては、切断片保持
手段として、磁石の代わりに、弾性保持部材が用いられ
る。
【0023】すなわち、図6において符号20は、プレ
ート状弾性部材からなるクリッププレートであり、クリ
ッププレート20は、一端が互いに連結され、他端が切
断片を把持可能な空間20aを有して対向配置された一
対のプレート状弾性部材21a,21bから構成されて
いる。そして、このクリッププレート20は、一対のプ
レート状弾性部材21a,21bの先端を結ぶ線が、切
断片Bの軸線と直交するように配設されている。
【0024】このような構成からなる棒状部材切断機に
よれば、全ねじボルトBを切断後、その切断片Bは、
図7に示すようにクリッププレート20の把持空間20
aに押し込まれ、一対のプレート状弾性部材21a,2
1bにより保持される。
【0025】この第2の実施態様によれば、切断片B
が磁石に付着しないような非金属材料,ステンレス製材
料などの場合でも保持でき、落下を防止することができ
る。
【0026】また、本実施態様では、一対の弾性部材2
1a,21bがプレート状の弾性部材からなるクリップ
プレートを用いる例を示したが、これを一対のピン状弾
性部材からなるクリップピンとしてもよい。
【0027】また、本実施態様では、1個のクリッププ
レートを用いた例を示したが、複数のクリッププレート
を切断片Bの軸線方向に間隔をおいて配置してもよ
い。
【0028】図8乃至図10は、本発明の第3の実施態
様を示す図である。この実施態様においては、図2乃至
図5に示した第1の実施態様による磁石に、弾力性部材
を着脱可能に装着してある。
【0029】すなわち、図9に示すように、ゴムなどの
弾力性のある材料を用い、円柱部23とこの円柱部23
と一体成形されたリング状部24を有する狭持用弾力性
部材25を用意する。
【0030】ステンレス材の全ねじボルトなど、磁石に
磁着しない全ねじボルトを切断する際には、図2に示す
磁石17部分にリング状部24を嵌着し、狭持用弾力性
部材25を装着する。
【0031】この狭持用弾力性部材25を用いれば、切
断後、図10に示すようにアーム部材13が停止した状
態の間は、切断片Bは弾性変形した円柱部23と可動
刃16との間に狭持され、落下しない。
【0032】磁石17に磁着する全ねじボルトを切断す
る際には、狭持用弾力性部材25を取り外して使用する
ことができる。
【0033】図11は、本発明と同様の目的を達するこ
とのできる他の実施例を示す図2相当図である。
【0034】この実施例においては、切断機構8のケー
シング11に、切断片捕獲用の容器31が取付けられて
いる。この容器31は、切断片の生ずる可動刃16側に
取付けられ、切断後落下する切断片を捕獲することがで
きる。
【0035】容器31としては、図11に示すようなか
ご形容器あるいは可撓性袋などを用いることができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、固定刃
と可動刃からなる一対の切断刃で棒状部材を切断する棒
状部材切断機において、前記可動刃の切断作動終了位置
付近に切断片の切断端付近を保持する切断保持手段を配
設したので、棒状部材を切断した際、切断片を保持し、
その落下を防止することができる。
【0037】なお、本発明は全ねじボルトの切断機とし
て用いることにより特に優れた効果を奏するが、一般の
棒状部材切断機においても適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施態様を示す側断面図。
【図2】本発明による第1の実施態様を示す部分外観斜
視図。
【図3】本発明による棒状部材切断機の前方部を示す上
面図。
【図4】棒状部材を切断した状態を示す図3相当図。
【図5】切断片が保持された状態を示す図2相当図。
【図6】本発明による第2の実施態様を示す部分外観斜
視図。
【図7】切断片が保持された状態を示す図6相当図。
【図8】本発明による第3の実施態様を示す部分外観斜
視図。
【図9】本発明による第3の実施態様に用いられる挟持
用弾力性部材を示す断面図。
【図10】本発明による第3の実施態様における切断片
の保持状態を示す部分断面図。
【図11】本発明と同様の目的を達することのできる他
の実施例を示す図2相当図。
【符号の説明】
B 全ねじボルト(棒状部材) B 切断片 1 棒状部材切断機 8 切断機構 11 ケーシング 13 アーム部材 15 固定刃 16 可動刃 17 磁石 17a 磁着部 20 クリッププレート 20a 把持空間 21a,21b プレート状弾性部材 25 挟持用弾力性部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定刃と可動刃からなる一対の切断刃で棒
    状部材を切断する棒状部材切断機において、前記可動刃
    の切断作動終了位置付近には切断片の切断端付近を保持
    する切断保持手段が配設されていることを特徴とする棒
    状部材切断機。
  2. 【請求項2】切断片保持手段は、切断片を、その軸線が
    棒状部材の軸線とほぼ平行である状態で保持することを
    特徴とする請求項1記載の棒状部材切断機。
  3. 【請求項3】切断片保持手段は、磁着部を有する磁性部
    材からなり、前記磁着部を前記可動刃の移動方向と略垂
    直に配設してあることを特徴とする請求項1記載の棒状
    部材切断機。
  4. 【請求項4】磁性部材の磁着部には弾力性部材が着脱可
    能に装着されていることを特徴とする請求項3記載の棒
    状部材切断機。
  5. 【請求項5】切断片保持手段は、一端が互いに連結され
    他端が切断片を把持可能な空間を有して対向配置された
    一対の弾性部材からなり、前記一対の弾性部材の先端を
    結ぶ線が切断片の軸線と直交するよう配設されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の棒状部材切断機。
  6. 【請求項6】切断片保持手段は、一対のプレート状弾性
    部材からなるクリッププレートであることを特徴とする
    請求項5記載の棒状部材切断機。
  7. 【請求項7】切断片保持手段は、一対のピン状弾性部材
    からなるクリップピンであることを特徴とする請求項5
    記載の棒状部材切断機。
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