JP2002329715A - Te系化合物半導体結晶の表面処理方法およびTe系化合物半導体結晶 - Google Patents

Te系化合物半導体結晶の表面処理方法およびTe系化合物半導体結晶

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JP2002329715A JP2001132677A JP2001132677A JP2002329715A JP 2002329715 A JP2002329715 A JP 2002329715A JP 2001132677 A JP2001132677 A JP 2001132677A JP 2001132677 A JP2001132677 A JP 2001132677A JP 2002329715 A JP2002329715 A JP 2002329715A
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Atsutoshi Arakawa
篤俊 荒川
Kenji Sato
賢次 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光度のバラツキを抑え、優れた発光特性を有
する光電変換機能素子を製造するためのTe系化合物半
導体結晶の表面処理方法およびTe系化合物半導体結晶
を提供する。 【解決手段】 Te系化合物半導体結晶基板の表面処理
において、臭化水素と過酸化水素を水100に対する容
量比がそれぞれX,Y(但し、1≦X≦24,0.01
≦Y≦10,3≦X+Y≦25)となるように混合した
エッチャントを用いてTe系化合物半導体結晶の表面を
エッチングする第1のエッチング工程と、前記第1のエ
ッチング工程の後に、低濃度の酸または低濃度の酸と少
量の過酸化水素を混合したエッチャントを用いて前記結
晶をエッチングする第2のエッチング工程と、を少なく
とも行うようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ZnTe、ZnS
eTe、ZnMnTe、CdZnTeなどのTe系化合
物半導体結晶の表面処理方法に関し、特に光電変換機能
素子に使用するTe系化合物半導体結晶基板の前処理に
適用して好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】周期表第12(2B)族元素及び第16
(6B)族元素からなる化合物半導体(以下、II−V
I族化合物半導体と称する)および周期表第13(3
B)族元素及び第15(5B)族元素からなる化合物半
導体(以下、III−V族化合物半導体という。)は、
種々の禁制帯幅を有するため、光学的特性もそれぞれ異
なっている。
【0003】そのため、これらのII−VI族化合物半
導体およびIII−V族化合物半導体は、禁制帯幅を適
当に選択することにより所望の波長の光を得ることが可
能であることから、発光ダイオードやレーザダイオード
等の光電変換機能素子の材料として注目されている。
【0004】例えば、III−V族化合物半導体につい
ては、窒化ガリウム(GaN),燐化ガリウム(Ga
P),砒化ガリウム(GaAs),燐化インジウム(I
nP)等の材料を用いて、紫外線域から赤外線域の光を
発光する発光ダイオード等の光電変換機能素子が工業的
に製造されている。
【0005】一方、II−VI族化合物半導体について
は、セレン化亜鉛(ZnSe),テルル化亜鉛(ZnT
e),酸化亜鉛(ZnO)等の材料を用いた光デバイス
が試作されている。
【0006】この内、特にZnTeは、禁制帯幅が2.
26eVであるため、純緑色(550nm)の発光ダイ
オードの材料として有望視されている。また加えて、Z
nTeは直接遷移型であるため、高輝度な緑色発光がで
きるものと期待されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記ZnT
e化合物半導体結晶を基板とした発光ダイオードの製造
において、基板表面をラッピングやポリッシングによっ
て鏡面研磨する際に加工変質層が形成されることが知ら
れている。そして、この加工変質層は発光ダイオードの
電気特性を低下させる原因の一つとなっている。
【0008】そこで、本発明者等は、アルミニウム(A
l)等の拡散源を拡散させる前に、臭素(Br)をメタ
ノール溶液に混合した2%の臭素系エッチャント(以
下、2%ブロメタ溶液と称する)を用いて基板表面のエ
ッチングを行い加工変質層を除去する方法を考えた。
【0009】しかしながら、上記2%ブロメタ溶液でZ
nTe化合物半導体結晶基板の表面をエッチングする
と、臭素が基板表面に残留し易く、また、エッチング中
に生成される臭化テルルや臭化亜鉛が基板表面に付着す
るため、拡散が不均一となり、pn接合の形成される位
置も不均一となってしまうことが判った。
【0010】そのため、上記2%ブロメタ溶液で表面を
エッチングした基板を用いて作製された発光ダイオード
においては、光度のバラツキが大きくなったり、歩留ま
りが低下してしまうという不具合が生じた。
【0011】本発明は、発光光度のバラツキが少なく、
光電変換機能素子を歩留まりよく製造するのに有効なT
e系化合物半導体結晶の表面処理方法およびTe系化合
物半導体結晶を提供することを主な目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するためになされたものであり、臭化水素と過酸化
水素を水100に対する容量比がそれぞれX,Y(但
し、1≦X≦24,0.01≦Y≦10,3≦X+Y≦
25)となるように混合したエッチャントを用いてTe
系化合物半導体結晶の表面をエッチングする第1のエッ
チング工程と、前記第1のエッチング工程の後に、低濃
度の酸または低濃度の酸と少量の過酸化水素を混合した
エッチャントを用いて前記結晶をエッチングする第2の
エッチング工程と、を少なくとも行うようにしたTe系
化合物半導体結晶基板の表面処理方法である。前記低濃
度の酸として、例えば、フッ酸、塩酸、クエン酸、硫
酸、硝酸等の酸を利用することができる。
【0013】なお、第2のエッチングは、結晶表面のT
eとII族元素との表面組成比を制御するものであるか
ら、第1のエッチングのように加工変質層を除去するエ
ッチングに比較して通常はエッチング量は少なくなる。
【0014】この表面処理方法によれば、第1のエッチ
ング工程でTe系化合物半導体結晶の表面を平坦性に優
れた鏡面状態に保ちつつ加工変質層を除去することがで
きるので、良好な表面状態を有するTe系化合物半導体
結晶を得ることができる。また、Te系化合物半導体結
晶においては、酸系溶液にはTeよりもII族元素の方
が溶解しやすいという特徴を利用して、第2のエッチン
グにより表面のII族元素を溶解することにより、結晶
表面のTeとII元素との組成比を1.35から2.0
に制御できるので、光電変換素子の基板材料として適し
たTe系化合物半導体結晶を得ることができる。
【0015】また、第2のエッチング工程では、濃度の
高い酸系エッチャントを用いると結晶表面のTeとII
族元素との組成比が大きくなりすぎたり表面あれが発生
したりするので、低濃度の酸系エッチャントを用いる。
望ましくは、前記第2のエッチング工程では、2.5%
から18%のクエン酸系のエッチャントを用いるとよ
い。
【0016】また、結晶表面のTeとII族元素との組
成比が1.35から2.0の範囲に制御されたTe系化
合物半導体結晶は、良好な発光特性を有する光電変換機
能素子の基板材料として有用である。。
【0017】以下に、本発明を完成するに至った過程に
ついて説明する。先に、本発明者等は、Te系化合物半
導体結晶の表面処理に関する技術として、ZnTe系化
合物半導体結晶基板に拡散源を拡散させてpn接合を形
成し光電変換機能素子を製造する際の前処理として、基
板上に拡散源を配置する前に臭化水素系のエッチャント
を用いて基板表面をエッチングする表面処理方法につい
て提案した(特願平11−304540号)。
【0018】この方法は、従来のブロメタ溶液でエッチ
ングするとエッチング工程でテルル化臭素が生じてしま
い、拡散源の拡散に悪影響を及ぼすいう問題点を解決す
るために提案されたものである。すなわち、エッチング
により臭化テルル等の付着物が発生しないように、ブロ
メタ溶液の代替エッチャントを検討した結果、臭化水素
系のエッチャントが有効であることを見出して完成に至
った発明である。
【0019】この技術によれば、Te系化合物半導体結
晶基板上に臭化テルル等の付着物は発生しないので、拡
散源を基板に均一に拡散させることができた。
【0020】本発明者等は、前記先願で提案した臭化水
素系のエッチャントによる表面処理方法をもとに、より
安定した発光特性を有する光電変換機能素子を製造すべ
く臭化水素系のエッチャントの混合比(臭化水素:過酸
化水素:水)について検討を重ねた。
【0021】まず、臭化水素と過酸化水素と水の混合比
を変えて生成したエッチャントでエッチングする実験を
行い、それぞれのエッチャントの混合比と析出したTe
の量、表面荒れの程度との関係について検討した。
【0022】その結果、臭化水素と過酸化水素の濃度が
高く、水100ccに対して両者の合計容量が25cc
を越えると、大量にTeが析出したり表面の荒れが起き
たりすることがわかった。また、臭化水素と過酸化水素
の濃度が低く、水100ccに対して両社の合計容量が
3cc以下となると、1時間以上エッチングしても加工
変質層を除去するに至らず、その上表面に大量のTeが
析出することがわかった。
【0023】これより、エッチャント中の臭化水素と過
酸化水素の合計容量は水100に対して3以上25以下
とすれば、結晶表面の荒れが発生したり加工変質層が残
留したりすることはなくなるので、光電変換機能素子の
発光特性に悪影響を与えることなく良好な発光特性を有
する光電変換機能素子が作製できると考えられる。
【0024】また、前記エッチャントに混合される臭化
水素および過酸化水素の混合比について、水100に対
する臭化水素の容量割合Xが1≦X≦24の範囲で、水
100に対する過酸化水素の容量割合Yが0.01≦Y
≦10の範囲であると効率よくエッチングされることを
見出した。
【0025】すなわち、臭化水素と過酸化水素と水を容
量比がX:Y:100(1≦X≦24,0.01≦Y≦
10,3≦(X+Y)≦25)となるように混合した溶
液をエッチャントとして用いてTe系化合物半導体結晶
をエッチングすることにより、表面荒れを生じることな
く加工変質層を除去することができることがわかった。
なお、上記エッチャントを用いてエッチングした場合に
Te系化合物半導体結晶表面に臭化テルル等の付着物が
発生することもなかった。
【0026】さらに、本発明者等は、良好な発光特性を
有する光電変換素子を製造するためにTe系化合物半導
体結晶の表面組成比(Te/II族元素)に着目して鋭
意研究を重ねた。具体的には、以下の4つの表面処理方
法によりZnTe化合物半導体結晶に前処理を施して表
面組成比の異なる結晶基板を作製し、それぞれの結晶基
板を用いて作製した発光ダイオードの発光特性を比較し
た。
【0027】(1)臭化水素と過酸化水素と水を容量比
がX:Y:100(1≦X≦24,0.01≦Y≦1
0,3≦(X+Y)≦25)となるように混合したエッ
チャントでZnTe化合物半導体結晶の表面をエッチン
グする。 (2)(1)と同様にZnTe化合物半導体結晶を臭化
水素系のエッチャントでエッチングした後、さらに水素
または窒素中で450℃以下の温度で熱処理を施す。 (3)(1)と同様にZnTe化合物半導体結晶を臭化
水素系のエッチャントでエッチングした後、さらにクエ
ン酸と過酸化水素水を混合した7.5%のクエン酸系の
エッチャントを用いてエッチングする。 (4)(1)と同様にZnTe化合物半導体結晶を臭化
水素系のエッチャントでエッチングした後、さらにクエ
ン酸と過酸化水素水を混合した45%のクエン酸系のエ
ッチャントを用いてエッチングする。
【0028】上記(1)〜(4)の表面処理方法により
得られたZnTe化合物半導体結晶の表面をXPSによ
り測定し、結晶表面のTeとZnの組成比を調べた結
果、(1)の表面処理方法により得られたZnTe結晶
ではTe/Zn比は1.25〜1.35の範囲であり、
ややTeリッチであった。また、(2)の表面処理方法
により得られたZnTe結晶では、水素、窒素のどちら
の雰囲気中で熱処理を行った場合も、Te/Zn比は
1.02〜1.09の範囲であった。また、(3)の表
面処理方法により得られたZnTe結晶では、Te/Z
n比は1.35〜2.0の範囲でTeリッチとなり、
(4)の表面処理方法により得られたZnTe結晶で
は、Te/Zn比は2.2〜2.7の範囲で最もTeリ
ッチとなった。
【0029】そして、上述した方法で表面処理を施した
ZnTe化合物半導体結晶を基板として発光ダイオード
を作製し、それぞれについて発光試験を行った。その結
果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1に示す発光試験結果では、
(1)の表面処理方法により得られたZnTe結晶を基
板として作製した試料No.1の発光ダイオードで得ら
れた発光強度を基準にして試料No.2〜No.4を評
価している。
【0032】(2)の表面処理方法により得られたZn
Te結晶を基板とした試料No.2は発光したが光度は
試料No.1の1/5程度であった。(3)の表面処理
方法により得られたZnTe結晶を基板とした試料N
o.3はNo.1よりもやや明るく発光した。(4)の
表面処理方法により得られたZnTe結晶を基板とした
試料No.4は前処理後の表面が黒っぽくなり表面荒れ
が発生しており発光も観察できなかった。
【0033】これより、ZnTe結晶表面のTeとZn
の組成比Te/Znが1.25〜2.0であるとき、良
好な発光特性を得られ、特に表面組成比Te/Znが
1.65〜2.0であるときは光度が高くなることが分
かった。
【0034】以上のことから、ZnTe化合物半導体結
晶を臭素系エッチャントを用いてエッチングした後、さ
らに低濃度のクエン酸系のエッチャントを用いてエッチ
ングすることにより、ZnTe結晶表面のTeとZnの
組成比を1.8付近に制御できることを見出し、さらに
表面組成比が1.8付近であるZnTe結晶を基板とし
て用いることにより発光特性に優れた光電変換機能素子
を作製できることを発見した。
【0035】なお、本発明は上述したようにZnTe化
合物半導体結晶を用いた実験により見出されたものであ
るが、ZnTe以外にも、ZnSeTe、ZnMnT
e、CdZnTeなどのTe系化合物半導体結晶に適応
することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
をZnTe化合物半導体結晶について、実施例に基づい
て説明する。
【0037】(実施例1)まず、純度6N以上の亜鉛
(Zn)とテルル(Te)を混合し、p型のドーパント
となる燐(P)を加え、VGF法によってp型のテルル
化亜鉛(p−ZnTe)の単結晶を作製した。そして、
このZnTe単結晶のブロックを、1mmの厚さにスラ
イシングして、その両面を鏡面研磨して0.5mm厚さ
のZnTe化合物半導体結晶を得た。
【0038】次に、臭化水素と過酸化水素と水を、2.
5(臭化水素):1.5(過酸化水素):100(水)
の容量比で混合したエッチャントを用いて前記ZnTe
結晶を5分間で2μmエッチングした(第1のエッチン
グ)。
【0039】ここで、前記エッチャントを生成するにあ
たり、臭化水素については47%臭化水素を含有した臭
化水素酸を、過酸化水素については30%過酸化水素水
を使用した。
【0040】その後、45%クエン酸と30%過酸化水
素水を混合した7.5%のクエン酸系エッチャントを用
いて前記ZnTe結晶を2分間で0.08μm程度エッ
チングした(第2のエッチング)。
【0041】第2のエッチング後、ZnTe結晶表面の
XPS測定を行った結果、TeとZnの組成比Te/Z
nは1.65〜1.99であった。
【0042】続いて、このZnTe結晶を基板として、
2×10−6Torr以下の真空度の雰囲気中でAl拡
散源をEB(Electron Beam)加熱により200Åの厚
さで蒸着した。これを拡散炉に収容して窒素雰囲気中に
おいて、400℃、16時間の条件で加熱保持してAl
を拡散させた。
【0043】その後、試料の裏面にAu薄膜を形成した
後、合金化熱処理を施してオーミック電極を形成した。
そして、この試料をスクライブで300μm角の複数の
チップに分離し、これらのチップをステム上にマウント
し、Au線でワイヤボンディングを行って、光電変換機
能素子としてのプレーナ型の発光ダイオードを作製し
た。
【0044】この発光ダイオードに20mAの順方向電
流を流して光度を測定したところ2mcd以上の光度を
得ることができた。また、同様にして作製した複数個の
発光ダイオードについて測定を行った結果、光度のバラ
ツキが比較的小さいことも確認された。
【0045】(比較例1)実施例1と同様にZnTe化
合物半導体単結晶を作製し、このZnTe結晶ブロック
を、1mm厚さにスライシングして、その両面を鏡面研
磨して0.5mm厚さのZnTe化合物半導体結晶を得
た。そして、実施例1で述べた第1のエッチングのみを
行った。
【0046】第1のエッチング後、ZnTe結晶表面の
XPS測定を行った結果、TeとZnの組成比Te/Z
nは1.25〜1.35であった。
【0047】続いて、このZnTe結晶を基板として、
実施例と同様にAl拡散源を拡散させ、電極を形成して
発光ダイオードを作製した。
【0048】この発光ダイオードに20mAの順方向電
流を流して光度を測定したところ1.5mcd以上の光
度を得ることができた。しかし、実施例の発光ダイオー
ドに比較すると光度は低かった。
【0049】(比較例2)実施例1と同様にZnTe化
合物半導体単結晶を作製し、このZnTe結晶ブロック
を、1mm厚さにスライシングして、その両面を鏡面研
磨して0.5mm厚さのZnTe化合物半導体結晶を得
た。そして、実施例1で述べた第1のエッチングを行っ
た後、このZnTe結晶に水素中で400℃,30分間
の熱処理を施した。
【0050】熱処理後、ZnTe結晶表面のXPS測定
を行った結果、TeとZnの組成比Te/Znは1.0
2〜1.09であった。
【0051】続いて、このZnTe結晶を基板として、
実施例と同様にAl拡散源を拡散させ、電極を形成して
発光ダイオードを作製した。
【0052】この発光ダイオードに20mAの順方向電
流を流して光度を測定したところ0.3mcd以上の光
度を得ることができた。しかし、実施例に比較すると光
度は1/5であった。
【0053】(比較例3)実施例1と同様にZnTe化
合物半導体単結晶を作製し、このZnTe結晶ブロック
を、1mm厚さにスライシングして、その両面を鏡面研
磨して0.5mm厚さのZnTe化合物半導体結晶を得
た。そして、実施例1で述べた第1のエッチングを行っ
た後、45%クエン酸と30%過酸化水素水を混合して
実施例の第2のエッチングに用いたエッチャントよりも
高濃度にした40〜45%のクエン酸系エッチャントを
用いて前記ZnTe結晶を2分間で0.8〜0.96μ
mエッチングした。
【0054】その後、ZnTe結晶表面のXPS測定を
行った結果、TeとZnの組成比Te/Znは2.25
〜2.74であった。また、表面は黒っぽくなっており
表面あれが発生していた。
【0055】続いて、このZnTe結晶を基板として、
実施例と同様にAl拡散源を拡散させ、電極を形成して
発光ダイオードを作製した。
【0056】この発光ダイオードに20mAの順方向電
流を流して光度を測定したが発光を観察することはでき
なかった。
【0057】以上のことから、表面のTeとZnの組成
比Te/Znが1.25〜2.0であるZnTe結晶を
基板とすることにより、良好な発光特性を有する光電変
換機能素子を作製することができる。また、臭化水素系
のエッチャントを用いてエッチング処理を行った後に、
低濃度の酸もしくは酸と過酸化水素からなるエッチャン
トでさらに少量エッチングすることにより、ZnTe結
晶表面のTeとZnの組成比Zn/Teを1.35〜
2.0に容易に制御することができる。
【0058】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではない。例えば、上記各実施例では、
ZnTe化合物半導体結晶について説明したが、ZnT
e以外にも、ZnSeTe、ZnMnTe、CdZnT
eなどのTe系化合物半導体結晶に適応することができ
る。
【0059】また、実施例の第2のエッチングに用いた
クエン酸系のエッチャントの代わりに、例えば、低濃度
のフッ酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸系エッチャントを利
用することができる。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、Te系化合物半導体結
晶基板の表面処理において、臭化水素と過酸化水素を水
100に対する容量比がそれぞれX,Y(但し、1≦X
≦24,0.01≦Y≦10,3≦X+Y≦25)とな
るように混合したエッチャントを用いてTe系化合物半
導体結晶の表面をエッチングする第1のエッチング工程
と、前記第1のエッチング工程の後に、低濃度の酸また
は低濃度の酸と少量の過酸化水素を混合したエッチャン
トを用いて前記結晶をエッチングする第2のエッチング
工程と、を少なくとも行うようにしたので、Te系化合
物半導体結晶の表面を平坦性に優れた鏡面状態に保ちつ
つ加工変質層を除去することができるので、良好な表面
状態を有するTe系化合物半導体結晶を得ることができ
る。また、前記表面処理を施したTe系化合物半導体結
晶を基板とすることにより、良好な発光特性を有する光
電変換素子を作製することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 5F041 AA40 CA22 CA41 CA74 5F043 AA18 BB12 DD02 FF07 GG10 5F073 CA22 CB05 DA23

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭化水素と過酸化水素を水100に対す
    る容量比がそれぞれX,Y(但し、1≦X≦24,0.
    01≦Y≦10,3≦X+Y≦25)となるように混合
    したエッチャントを用いてTe系化合物半導体結晶の表
    面をエッチングする第1のエッチング工程と、 前記第1のエッチング工程の後に、低濃度の酸または低
    濃度の酸と過酸化水素を混合したエッチャントを用いて
    前記結晶をエッチングする第2のエッチング工程と、を
    少なくとも有することを特徴とするTe系化合物半導体
    結晶基板の表面処理方法。
  2. 【請求項2】 前記第2のエッチング工程で用いられる
    エッチャントは、2.5%から18%のクエン酸系のエ
    ッチャントであることを特徴とする請求項1に記載のT
    e系化合物半導体結晶基板の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の表面処
    理方法により表面処理されたTe系化合物半導体結晶で
    あって、結晶表面のTeとII族元素との組成比が1.
    3から2.0の範囲であることを特徴とするTe系化合
    物半導体結晶。
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WO2011040566A1 (ja) * 2009-09-30 2011-04-07 Jx日鉱日石金属株式会社 エピタキシャル成長用CdTe系半導体基板及び基板収納物

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