JP2002329616A - ガス絶縁巻線機器 - Google Patents

ガス絶縁巻線機器

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JP2002329616A
JP2002329616A JP2001132412A JP2001132412A JP2002329616A JP 2002329616 A JP2002329616 A JP 2002329616A JP 2001132412 A JP2001132412 A JP 2001132412A JP 2001132412 A JP2001132412 A JP 2001132412A JP 2002329616 A JP2002329616 A JP 2002329616A
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gases
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insulated winding
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Shoichi Takeuchi
省一 武内
Katsuo Matsubara
克夫 松原
Minoru Kuwata
稔 桑田
Toshinari Kondo
俊成 近藤
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F27/00Details of transformers or inductances, in general
    • H01F27/28Coils; Windings; Conductive connections
    • H01F27/32Insulating of coils, windings, or parts thereof
    • H01F27/321Insulating of coils, windings, or parts thereof using a fluid for insulating purposes only

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁ガスにSF6 ガスを全く使用しないよう
にして十分な地球温暖化対策を施し、しかも、絶縁ガス
雰囲気中の絶縁物同士の接触部等に有在するくさび形ギ
ャップの微小放電で発生した電子の拡散に基づく絶縁ガ
スの絶縁破壊電圧の低下を防止する。 【解決手段】 絶縁ガス12,17雰囲気中の絶縁物同
士(電界シールド14とコイル押え15)の接触部又は
絶縁ガス12,17雰囲気中の充電部導体と絶縁物との
接触部にくさび形ギャップGを有するガス絶縁巻線機器
において、絶縁ガス12,17を、N2ガスと、SF6
スを除く電気的負性ガスとの混合ガスとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力用の変圧器,
リアクトル等のガス絶縁巻線機器に関し、詳しくは、そ
の絶縁耐力の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のガス絶縁巻線機器におい
ては、絶縁ガスとして六フッ化硫黄(SF6)ガスが広
く用いられている。
【0003】このSF6 ガスは絶縁性能,冷却性能に優
れ、ガス絶縁巻線機器の性能向上,小型化を図る上では
極めて有用であるが、地球温暖化係数が二酸化炭素(C
2)ガスの23,900倍と大きく、少量であっても、
地球温暖化に多大な影響を与える。
【0004】そこで、SF6ガスの総使用量を削減する
ため、SF6ガスに代わる絶縁ガスとして、SF6ガスと
他のガスとを混合したSF6との混合ガスを用いること
が検討されている。
【0005】そして、SF6ガスと混合される他のガス
としては、窒素(N2)ガス,乾燥空気(dry ai
r),CO2 ガス等の自然界に存在する大気成分ガスが
考えられており、これらの大気成分ガスとSF6 ガスと
の混合ガスを絶縁ガスとして用いると、絶縁耐力はSF
6ガスより劣るが、地球温暖化への影響は、SF6ガスよ
り少なくなる。
【0006】一方、特開2000−69626号公報
(H02B 13/02)には、ガス絶縁開閉器(GI
S)において、絶縁ガスに、N2 ガス,CO2 ガス等の
主ガスと、電子付着性の高い電気的負性ガス(O2
ス,CO2ガス)の副ガスとの混合ガスを使用し、SF
6 ガスの総使用量を低減することが記載されている。
【0007】この公報のGISは、接地電位の金属容器
と、この容器内の絶縁ガス雰囲気中の遮断器等との電位
差に基づく絶縁ガスの絶縁破壊が、電子雪崩先端の電子
総数が臨界値を超え、電子雪崩がストリーマに転換した
ときに発生することから、絶縁ガスに前記の主ガスと副
ガスとの混合ガスを使用し、電子雪崩先端の電子密度
を、電気的負性ガスへの電子の付着で低減し、電子雪崩
のストリーマへの転換を抑制することで、絶縁ガスの絶
縁破壊電圧を、主ガス単独の絶縁破壊電圧よりも向上さ
せようとするものである。
【0008】ところで、GIS内は、遮断器等の高電圧
導体と金属容器とが同軸円筒を形成する単純な構造であ
り、一様な準平等電界となっていることから、実際に
は、電気的負性ガス(O2ガス,CO2ガス)の効果は小
さい。
【0009】すなわち、GIS内の絶縁ガスの特性(絶
縁特性)をパッシェン曲線で示すと、図5のようにな
る。
【0010】この図5において、破線イは、絶縁ガス
が、N2 ガス単独の場合の特性であり、実線ロは、絶縁
ガスが、N2ガスと、電気的負性ガスであるO2ガスとを
混合した(N2+O2)ガスのdry airの場合の特
性であり、破線ハは、絶縁ガスが、CO2 ガス単独の場
合の特性である。
【0011】そして、GIS等のいわゆるガス絶縁機器
の場合、一般的なガス圧力(数100kPa・ab
s),絶縁寸法(数mm〜数10cm)の範囲では、N2
スに電気的負性ガス(O2ガス)を混合したdry a
irの絶縁耐力が最も高く、N2ガス,CO2 ガスの順
に絶縁耐力は低くなるが、図5からも明らかなように、
GISのような一様な準平等電界雰囲気中であれば、実
際には、それらの耐力差は僅かであり、N2ガス,CO2
ガス単独の場合と、dry airの場合との効果の差
は小さく、負性ガスO2 の効果は小さい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のガス絶縁巻
線機器においては、絶縁ガスとして、SF6 ガスを用い
る場合は勿論、SF6 との混合ガスを用いる場合にあっ
ても、地球温暖化係数がCO2ガスより極めて大きいS
6ガスが使用されることから、十分な地球温暖化対策
を施すことができない問題点がある。
【0013】そして、十分な地球温暖化対策を施すた
め、この種のガス絶縁巻線機器においても、前記公報の
GISのように、絶縁ガスとして自然界に存在する大気
成分ガスを使用することが考えられる。
【0014】この場合、CO2 ガスは地球温暖化の要因
の1つであることから、極力使用を避けるべきであり、
また、ガス絶縁巻線機器においては、機器内部の絶縁ガ
ス雰囲気中に可燃性の絶縁物が多数使用されることか
ら、N2+O2ガスのdry airを絶縁ガスとする
と、酸化劣化や焼損の恐れがある。
【0015】そして、図5に示したようにN2 ガス単独
の場合とdry airの場合との絶縁耐力の差が小さ
いため、ガス絶縁巻線機器の絶縁ガスには、N2 ガスを
用いることが考えられる。
【0016】しかし、この種のガス絶縁巻線機器は、G
ISとは異なり、巻線や絶縁物等の複雑な形状の多数の
部材が絶縁ガス雰囲気中に存在することから、絶縁ガス
をN 2 ガス単独とした場合、つぎのような問題が生じ
る。
【0017】すなわち、図6はこの種のガス絶縁巻線機
器の1例の巻線間の絶縁構造を示す部分図であり、1次
巻線1の内側に、第1の絶縁筒2,第2の絶縁筒3、2
次巻線4が間隔をとって同軸円筒状に配置される。そし
て、巻線1,4はそれぞれ被覆導体を巻回して形成され
ている。
【0018】また、1次巻線1と第1の絶縁筒2との間
には上下方向の縦ダクトスペーサ5が等円周間隔に介在
し、第2の絶縁筒3と2次巻線4との間には、スペーサ
5と同様の上下方向のスペーサ5’が等円周間隔に設け
られている。
【0019】さらに、第1,第2の絶縁筒2,3の間に
は、絶縁筒2,3間の隙間(間隔)を保ち、1次,2次
巻線1,4の位置を固定するため、スペーサ5,5’と
同様の絶縁体の間隔片6が等円周間隔に設けられてい
る。
【0020】そして、1次巻線1と第1の絶縁筒2との
間,第1の絶縁筒2と第2の絶縁筒3との間,第2の絶
縁筒3と2次巻線4との間は、絶縁冷却媒体である絶縁
ガスで充填されている。
【0021】このとき、1次,2次巻線1,4、第1,
第2の絶縁筒2,3が円筒形でわん曲しているのに対し
て、スペーサ5,5’、間隔片6は直線状なので、絶縁
物同士の接触部である、図中の破線丸印の巻線1とスペ
ーサ5との接触部,スペーサ5と第1の絶縁筒2との接
触部,第1の絶縁筒2と間隔片6との接触部,間隔片6
と第2の絶縁筒3との接触部,第2の絶縁筒3とスペー
サ5’との接触部,巻線4とスペーサ5’との接触部
に、微小なくさび形ギャップGが存在する。
【0022】なお、ガス絶縁巻線機器の巻線は、特別高
圧用のもの等にあっては、インパルス試験電圧等の過大
なパルス電圧による電位振動を抑制するため、高直列容
量巻線に形成される。
【0023】そして、巻線構造等によらず、複雑な形状
の多数の部材を有するこの種のガス絶縁巻線機器にあっ
ては、巻線等の部分に、絶縁物同士の接触部の多数のく
さび形ギャップGが存在する。
【0024】また、巻線1,4等のリード線について
も、図7に示すように、リード導体7が支持絶縁物8に
結束バンド9で固定され、その際、リード導体7と絶縁
物8との接触部にも、前記の微小なくさび形ギャップG
が存在する。
【0025】そして、これらのギャップGにおいては、
絶縁ガスであるN2 ガスと絶縁物との誘電率が異なるこ
とから、インパルス試験電圧等の過電圧の印加時、電界
の集中が生じて容易に微小放電が発生し、この微小放電
で電子が電離生成される。
【0026】このとき、N2 ガスには電子付着性がな
く、生成された電子は絶縁ガス雰囲気中全体に迅速に拡
散する。
【0027】そして、一般に絶縁ガスのインパルス電圧
比が小さいことから、この種のガス絶縁巻線機器におい
ては、巻線等の主要な部材は、インパルス試験電圧等の
過大なパルス電圧が印加されても、接地電位の鉄心等と
の間で絶縁破壊が生じないように、前記の準平等電界で
の絶縁特性を考慮して絶縁設計されてはいるが、各ギャ
ップGの微小放電で生成された電子が、絶縁ガス空間に
拡散することにより、この空間の絶縁ガスの絶縁耐力が
設計時に想定された耐力から著しく低下し、容易に巻線
等の主要部材の絶縁破壊が生じる問題点がある。
【0028】そして、とくに前記の高直列容量巻線を使
用したものにあっては、隣り合うターン巻線間の電位差
が大きく、ターン巻線接触部のギャップGでの電界が普
通のディスク巻線より大きくなることから、インパルス
試験電圧等により、各ギャップGの微小放電で生成され
た電子の拡散に基づく絶縁破壊電圧の低下が著しくな
り、これを防止するために、巻線等を極端に大型化する
必要がある。
【0029】したがって、この種のガス絶縁巻線機器に
おいては、絶縁ガスを、従来のSF 6からN2ガスに代替
えすると、小型化やコストダウンの要請に応えられなく
なり、実用上は、そのような絶縁ガスの代替えは行えな
い。
【0030】本発明は、この種のガス絶縁巻線機器にお
いて、絶縁ガスにSF6 ガスを全く使用しないようにし
て十分な地球温暖化対策を施し、しかも、前記のくさび
形ギャップGの微小放電で生成された電子の拡散に基づ
く絶縁破壊電圧の低下を防止するようにし、従来は実現
困難であったこの種のガス絶縁巻線機器の良好な地球温
暖化対策を実現することを課題とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明のガス絶縁巻線機器は、絶縁ガスが、N 2
ガスと、SF6ガスを除く電気的負性ガスとの混合ガス
であることを特徴とする。
【0032】この場合、電気的負性ガスは、N2 ガスの
電子雪崩のストリーマへの転換を防止して絶縁ガスの絶
縁破壊電圧を高くするのではなく、絶縁ガス雰囲気中の
巻線等の絶縁物同士の接触部又は充電部導体と絶縁物と
の接触部に存在するくさび形ギャップの微小放電で生成
された電子を吸着してその拡散を抑制する。
【0033】このとき、電気的負性ガスは電子によって
負イオンになり、この負イオンの拡散速度は電子より極
めて遅い。
【0034】したがって、前記の電子や負イオンの拡散
が防止され、この結果、前記電子の拡散による絶縁ガス
としてN2 ガスの絶縁破壊電圧の低下が防止され、絶縁
ガスにSF6 ガスを全く使用することなく、しかも、巻
線等が大型化することもなく、巻線等の主要部材の絶縁
破壊が防止され、SF6 ガスを自然界に存在するガスに
代替えしてガス絶縁巻線機器の良好な地球温暖化対策が
実現される。
【0035】そして、機器内に可燃性の絶縁物が多数存
在することを考慮すると、電気的負性ガスは、不燃性ガ
スであることが好ましく、具体的には、CO2 ガスであ
ることが、安全性及びコスト面から望ましい。
【0036】また、機器内の絶縁物が不燃性物であると
きは、電気的負性ガスは、O2 ガスであってよく、この
場合、O2 ガスは地球温暖化に全く影響しないため、一
層良好な地球温暖化対等を施すことができる利点があ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につき、図1
〜図4を参照して説明する。 (第1の形態)本発明の実施の第1の形態につき、図1
を参照して説明する。図1は図6の巻線機器と同様の巻
線部が2重円筒構造に形成されたガス絶縁巻線機器の1
次巻線と大地間の絶縁構造を示した部分図である。
【0038】そして、絶縁ガス12の雰囲気中におい
て、1次巻線13の上部に、巻線端部の電界緩和用の電
界シールド14,コイル押え15の絶縁物を介して鉄心
16が位置する。
【0039】このとき、電界シールド14の鉄心16に
対向する部分は曲面加工が施され、破線で囲んだ電界シ
ールド14とコイル押え15との接触部に微小なくさび
形ギャップGが存在する。
【0040】そして、コイル押え15の長さLは、イン
パルス試験電圧等の過大なパルス電圧の印加によっては
巻線部の絶縁破壊が生じないように、絶縁ガス12の絶
縁破壊電圧特性に応じた十分な絶縁距離の長さに設定さ
れている。
【0041】一方、SF6 ガスを全く使用せずに、十分
な地球温暖化対策を施すため、絶縁ガス12には、自然
界に存在するN2ガスを使用する。
【0042】ところで、絶縁ガス12がN2 ガス単独で
あれば、インパルス試験電圧等の過大なパルス電圧が印
加されたときに、絶縁ガス12とシールド14,コイル
押え15との誘電率の差異により、ギャップGの絶縁ガ
ス12に電界が集中し、前記の絶縁破壊の有無によら
ず、ギャップG内で微小放電が容易に発生する。
【0043】そして、この微小放電で電離生成された電
子は軽く、絶縁ガス雰囲気全体に急速に拡散し、絶縁ガ
ス12の絶縁耐力を瞬時に低下させ、インパルス試験電
圧のような瞬間的なパルス電圧の印加であっても、絶縁
破壊に至るおそれがある。
【0044】そこで、この形態にあっては、絶縁ガス1
2を、N2 ガスと、電気的負性ガスとの混合ガスにより
形成する。
【0045】この電気的負性ガスは電子付着性の高いガ
スであって、地球温暖化対策の面から、SF6 ガスを除
くガスであればよく、例えば、O2,CO2,N2O,C
4,C26,C8,C−C48,C614又はCH
3である。
【0046】また、N2 ガスと電気的負性ガスとの割り
合いは、体積(圧力)比率で、例えば、N2ガスが80
%,電気的負性ガスが20%である。
【0047】そして、絶縁ガス12にこれらの電気的負
性ガスが含まれると、ギャップGで微小放電が生じて電
子が発生したときに、この電子が絶縁ガス12に含まれ
た電気的負性ガスに付着し、負性ガスが負イオンガスに
なって電子の拡散が抑制され、しかも、負イオンガスは
電子より重く、拡散移動が著しく遅い。
【0048】そのため、ギャップGの微小放電で発生し
た電子の拡散が抑制されて絶縁ガス12の耐力低下が防
止され、パルス試験電圧等の主に短時間の過大なパルス
電圧の印加に対して絶縁ガスが設計時に想定された絶縁
破壊電圧に保たれ、巻線等の主要部材の絶縁破壊が防止
される。
【0049】そして、絶縁ガス12にSF6 ガスを全く
使用しないため、十分な地球温暖化対策を施すことがで
き、しかも、電気的負性ガスにより、ギャップGの微小
放電で生成された電子の拡散を防止して絶縁ガス12の
耐力低下を防止し、この種のガス絶縁巻線機器のインパ
ルス試験電圧等の印加による絶縁破壊を防止することが
でき、従来は実現困難であったこの種のガス絶縁巻線機
器の良好な地球温暖化対策を実現することができる。
【0050】このとき、電気的負性ガスとして、前記の
各化学式のガスのうちのCO2 ガス等の不燃性ガスを使
用すると、N2 ガスも不燃性ガスであることから、絶縁
ガス12が不燃性ガスで形成され、シールド14,コイ
ル押え15等のガス絶縁巻線機器内の各絶縁物に安価な
可燃性のものを使用することができ、コスト面からも好
ましい結果が得られる。
【0051】さらに、前記各化学式O2,…,CHF3
ガスのうちの式中にフッ素Fを含むガスは、地球温暖化
係数がCO2の1,000 以上であり、また、N2Oガスは取
扱いに注意を要するため、電気的負性ガスには、実用上
は、CO2又はO2のガスを用いることが好ましい。
【0052】そして、ガス絶縁巻線機器内の絶縁物を不
燃性物で形成したときは、電気的負性ガスをO2ガスと
することができ、この場合、O2ガスは地球温暖化に影
響しないため、地球温暖化の防止に著しく寄与する。
【0053】(他の形態)つぎに、本発明の実施の他の
形態につき、図2〜図4を参照して説明する。図2は特
別高圧等で用いられる高直列容量巻線のガス絶縁巻線機
器の1次巻線を示す部分図である。
【0054】絶縁ガス17雰囲気中の1次巻線18は、
2重渦巻構造の複数の円板コイル19a〜19e,…の
層(レヤー)を上下方向に配置して形成され、同図の右
側が1次巻線18の外側,左側が1次巻線18の内側
(中心側)である。
【0055】そして、第1の円板コイル19aの層にお
いて、被覆された各ターン巻線20は、引出端21から
の順に内側に向かって1本おきに巻
回して形成され、のターン巻線20から内側渡り線2
4を通って第2の円板コイル19bののターン巻線2
0に渡る。
【0056】さらに、第2の円板コイル19bの内側か
10の順に外側に向かって1本おき
にターン巻線20が巻回され、10のターン巻線20か
ら外側戻り渡り線23を通って第1の円板コイル19a
に戻り、第1の円板コイル19aの外側から、11
131415の順に、内側に向かってターン巻
線20が1本おきにの間に挿入され
て巻回され、15のターン巻線20から内側渡り線22
を通って第2の円板コイル19bの16のターン巻線2
0に渡り、第2の円板コイル19bの内側から、16
17181920の順に、外側に向かって
10の間にターン巻線20が1本おきに挿
入されて巻回され、一組のコイルを形成する。
【0057】つぎに、20のターン巻線20は外側渡り
線25を通って第3の円板コイル19cの21のターン
巻線20に繋がり、第3,第4の円板コイル19c,1
9dも前記第1,第2の円板コイル19a,19bと同
様に各ターン巻線20を巻回して形成され、一組のコイ
ルを形成する。
【0058】なお、図中の26,27,28は渡り線2
2,24,25に相当する渡り線である。
【0059】さらに、第4の円板コイル19dに外側渡
り線29を介して第5の円板コイル19eの41のター
ン巻線20が繋がれ、第5の円板コイル19e以降も、
前記と同様にして、各1組のコイルを形成する。
【0060】このようにして形成された高直列容量巻線
では、ターン数の差にほぼ比例した電位差が現れ、各円
板コイル19a〜19d,…それぞれの隣り合うターン
巻線20間にかかる電圧(ターン間電圧)は、円板コイ
ル19a〜19e,…間(レヤー間)の最大電圧,例え
35のターン巻線20間の電圧の約1/3とな
る。
【0061】そして、第2の円板コイル19bの隣り合
16のターン巻線20の部分を拡大して示すと、
図3のようになる。
【0062】この図3からも明らかなように、各ターン
巻線20は、導体20aを絶縁被覆20bにより覆って
形成され、隣り合うターン巻線20間の絶縁物としての
被覆20b同士の接触部に微小なくさび形ギャップGが
存在する。
【0063】そして、各円板コイル19a〜19d,…
間の距離Dは、インパルス試験電圧等の過大な電圧の印
加によっては絶縁破壊が生じないように、絶縁ガス17
の絶縁破壊電圧を考慮した十分な絶縁距離の長さに設定
される。
【0064】しかし、各円板コイル19a〜19d,…
それぞれの隣り合うターン巻線20間のギャップGは、
インパルス試験電圧等の過大な電圧の印加時、絶縁被覆
20bとギャップGの絶縁ガスとの誘電率の差に基づ
き、ギャップGに電界が集中して微小放電が容易に発生
する。
【0065】そして、この微小放電に基づいて各ギャッ
プGに電子が発生し、このとき、絶縁ガス17がN2
スのみであれば、電子が迅速に拡散して絶縁ガス17の
絶縁耐力が低下するが、この形態にあっても、絶縁ガス
17がN2 ガスと電気的負性ガスとの混合ガスであるた
め、電気的負性ガスに電子が付着し、電子の拡散が抑制
される。
【0066】しかも、電子が付着して負イオン化した電
気的負性ガスは、拡散速度が電子に比して著しく小さく
なる。
【0067】そのため、各ギャップGに微小放電が発生
しても、インパルス試験電圧等が印加される短時間に、
絶縁ガス17の絶縁耐力が低下することはなく、前記1
形態と同様の効果が得られる。
【0068】そして、この高直列容量巻線のガス絶縁巻
線機器において、絶縁ガス17が、N2 ガス単独,N2
+CO2の混合ガス,N2+O2の混合ガスそれぞれの場
合につき、インパルス試験電圧を印加して実験したとこ
ろ、図4の結果が得られた。
【0069】なお、混合ガスは、体積(圧力)比率で、
2ガスを80%,CO2又はO2 の電気的負性ガスを2
0%とした。
【0070】そして、図4は例えば35のターン巻
線20間の距離Dに対する絶縁破壊電圧の特性を示し、
図中の破線は絶縁ガス17がN2 ガス単独の場合の特性
であり、実線は絶縁ガスがN2+CO2,N2+O2の混合
ガスの場合の特性である。
【0071】また、図中の点線は、比較のために示した
各ターン巻線20間のギャップGの放電電圧である。
【0072】そして、図4からも明らかなように、イン
パルス試験電圧等の印加によって各ギャップG間に微小
放電が発生すると、絶縁ガス17がN2 ガス単独の場合
は、放電により生成された電子が迅速に拡散して絶縁ガ
ス17の耐力が低下し、距離Dを大きくしても絶縁破壊
電圧は向上せず、図5のパッシェン曲線から期待される
設計通りの絶縁破壊電圧にならないが、絶縁ガス17が
2+CO2,N2+O2の場合は、電子の拡散が防止さ
れ、距離Dに比例して絶縁破壊電圧が向上し、図5のパ
ッシェン曲線から期待される設計通りの絶縁破壊電圧に
なる。
【0073】ところで、この種のガス絶縁巻線機器にあ
っては、くさび形ギャップGは、前記両形態に示した絶
縁ガス雰囲気中の絶縁物同士の接触部だけでなく、例え
ば図7に示した絶縁ガス雰囲気中のリード導体7と絶縁
物8との接触部にも存在する。
【0074】そして、絶縁ガスを、N2ガスと、SF6
スを除くCO2ガス,O2ガス等の電気的負性ガスとの混
合ガスにすると、インパルス試験電圧の印加により、こ
れらのくさび形ギャップGのいずれで発生した微小放電
に基づく電子についても、拡散が抑制され、絶縁破壊電
圧の低下が防止される。
【0075】そのため、本発明は種々の構造のガス絶縁
巻線機器に適用して前記両形態と同様の効果を得ること
ができる。
【0076】
【発明の効果】本発明は、以下に記載する効果を奏す
る。ます、請求項1の場合は、絶縁ガス12,17を、
2ガスと、SF6ガスを除く電気的負性ガスとしたた
め、SF6 ガスを使用することがなく、十分な地球温暖
化対策を施すことができる。
【0077】しかも、インパルス試験電圧等の印加によ
り、絶縁ガス12,17雰囲気中の絶縁物同士の接触部
又は充電部導体と絶縁物との接触部に存在するくさび形
ギャップGに微小放電が発生したときに、この微小放電
によって生成された電子を、絶縁ガス12,17の電気
的負性ガスに吸着し、その拡散を防止することができ
る。
【0078】また、電子吸着によって負イオン化された
電気的負性ガスは、拡散速度が電子より極めて遅い。
【0079】そのため、前記電子の拡散による絶縁ガス
12,17の絶縁破壊電圧の低下を防止し、巻線等の主
要部材の絶縁破壊を防止することができる。
【0080】したがって、SF6 ガスを全く使用するこ
となく、十分な地球温暖化対策を施し、しかも、ギャッ
プGの微小放電で生成された電子の拡散に基づく絶縁ガ
ス12,17の絶縁破壊電圧の低下を防止し、巻線等の
主要部材の絶縁破壊を防止することができ、従来は実現
困難であったこの種のガス絶縁巻線機器の極めて良好な
地球温暖化対策を実現することができる。
【0081】また、請求項2の場合は、電気的負性ガス
を不燃性ガスとしたため、絶縁ガス雰囲気中の絶縁物等
が可燃物で形成されている場合にも何ら問題がなく、安
価で実用的な構成により、請求項1の効果を得ることが
できる。
【0082】さらに、請求項3の場合は、不燃性ガスを
CO2 ガスとしたため、より一層安価で実用的な構成に
することができる。
【0083】つぎに、請求項4の場合は、電気的負性ガ
スをO2ガスとしたため、O2ガスが地球温暖化に全く影
響しないことから、絶縁ガスを地球温暖化対策に極めて
好適なガスにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の1形態の部分図である。
【図2】本発明の実施の他の形態の部分図である。
【図3】図2の一部の拡大図である。
【図4】図2の絶縁破壊電圧の特性図である。
【図5】GIS等の準平等電界における絶縁破壊電圧の
特性図である。
【図6】従来機器の部分図である。
【図7】従来機器の他の部分図である。
【符号の説明】
12,17 絶縁ガス 14 電界シールド 15 コイル押え 20 ターン巻線 20a 導体 20b 絶縁被覆 G くさび形ギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑田 稔 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 (72)発明者 近藤 俊成 京都市右京区梅津高畝町47番地 日新電機 株式会社内 Fターム(参考) 5E050 HA07 HA10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁ガス雰囲気中の絶縁物同士の接触部
    又は前記絶縁ガス雰囲気中の充電部導体と絶縁物との接
    触部にくさび形ギャップを有するガス絶縁巻線機器にお
    いて、 絶縁ガスが、窒素(N2)ガスと、六フッ化硫黄(S
    6)ガスを除く電気的負性ガスとの混合ガスであるこ
    とを特徴とするガス絶縁巻線機器。
  2. 【請求項2】 電気的負性ガスが、不燃性ガスであるこ
    とを特徴とする請求項1記載のガス絶縁巻線機器。
  3. 【請求項3】 電気的負性ガスが、二酸化炭素(C
    2 )ガスであることを特徴とする請求項1記載のガス
    絶縁巻線機器。
  4. 【請求項4】 絶縁物が不燃性物であり、電気的負性ガ
    スが、酸素(O2 )ガスであることを特徴とする請求項
    1記載のガス絶縁巻線機器。
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