JP2002329482A - 白熱電球および照明装置 - Google Patents

白熱電球および照明装置

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JP2002329482A
JP2002329482A JP2001131740A JP2001131740A JP2002329482A JP 2002329482 A JP2002329482 A JP 2002329482A JP 2001131740 A JP2001131740 A JP 2001131740A JP 2001131740 A JP2001131740 A JP 2001131740A JP 2002329482 A JP2002329482 A JP 2002329482A
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bulb
lead wire
coil
wire
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JP2001131740A
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Makoto Sakai
誠 酒井
Makoto Bessho
誠 別所
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Osram Melco Toshiba Lighting Ltd
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Osram Melco Toshiba Lighting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル状フィラメントのレグ部を内部リード
線に溶接により接続したものにおいて、溶接部の機械的
および電気的な接続強度を高めることができる白熱電球
およびこの電球を組込んだ照明装置を提供することを課
題とする。 【解決手段】 封止部2が形成されたガラスバルブ1
と、この封止部2内を気密に貫通したリード部材2A,
2Bと、このリード部材2A,2Bに接続してガラスバ
ルブ1内に延在した内部リード線4A,4Bと、この内
部リード線4A,4Bにブレージング部材B1を介して
レグ部71が溶接されたコイル状フィラメント7と、上
記ガラスバルブ1内に封入された不活性ガスとを備えて
いる白熱電球L1およびこの電球L1を組込んだ照明装
置R1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン電球などコ
イル状のフィラメントを内部リード線に継線してなる白
熱電球およびこの電球を組込んだ照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電球では発光源をなすタングステン細線
をコイル状に巻回したフィラメントの端部を、このフィ
ラメントより大径な内部リード線に継線して振動などに
対処できるよう支持させるとともにこのリード線を介し
フィラメントに通電して発光させるようにしている。
【0003】通常、この継線の手段としては、内部リー
ド線の先端部を折り曲げ形成したフック部内にコイル状
フィラメント端部のレグ部を挟みフック部を圧接するこ
とにより機械的に挟圧接続させたり、内部リード線の先
端部にコイル状フィラメントのレグ部を置き電気溶接に
より少なくとも一方側を溶融固化して埋め込むような形
態で接続させたり、あるいは内部リード線にフィラメン
ト端部のコイル状のレグ部を挿入し、この接続を確実に
するためさらにこの挿入接続部を溶接したりリード線を
折り曲げ係止するなどのことが行われている。
【0004】そして、この継線手段を上記のフック方式
や溶接方式などから選ぶのには、フィラメントの形態、
フィラメント径とリード線径との関係、リード線の材
質、封入物や電球の使用条件などによって決められる。
【0005】たとえば、ハロゲン電球においてはバルブ
内にハロゲン化物が封入される関係から、ハロゲンに侵
されない材質のものが使用され、たとえば内部リード線
はタングステン線やモリブデン線が多く採用されてい
る。
【0006】ここで、内部リード線およびフィラメント
の両者がタングステンであると、溶接方式では高融点、
高硬度のタングステンは完全には溶融せず、見掛け上は
溶接されているように見えるが(大抵は内部リード線よ
り小径でその熱容量の小さいフィラメント側が少し溶け
る。)、接続強度が弱く電球完成後振動などの衝撃で早
期にフィラメントが溶接箇所から外れることがある。
【0007】そこで、このような内部リード線にタング
ステン線を使用する電球においてはフック方式または挿
入方式を採らねばならなかった。
【0008】このフック方式の場合、フック部は断面円
形のリード線を単に折り曲げただけではフィラメント端
部のレグ部を挟む部分が相互の円形外面の接線上の幅の
狭い所であり、フック部の互いに当接されるべき部分で
細径なレグ部を強く挟み過ぎたり、また、フック部に食
い違いが生じた場合などにはレグ部を損傷しこの傷が元
で早期に断線したりコイル部のピッチが乱れ所定の初特
性が得られないなどのことがある。また、逆に圧接が不
十分な場合には、継線後にフック部に圧接されているは
ずのレグ部が抜け出てしまうことがあり、通常フック部
は断面円形のリード線の先端を圧延や叩打することによ
って平面状化し幅広い範囲でレグ部を挟圧するようにし
ている。
【0009】なお、内部リード線を鉄、ニッケル、銅な
どやこれらの合金からなる金属線で形成した場合は、こ
れらの金属は低硬度であるため平面状のフック部も比較
的容易に成形できていた。しかしながら、タングステン
線やモリブデン線は高硬度、高融点であるため平面状の
フック部を形成するのには加熱をしておいて加工しなけ
ればならず、管球において不所望な酸化の発生を防止す
る手段や折り曲げ部の寸法管理などに非常に手間を要す
るという問題があった。
【0010】また、挿入方式の場合は、内部リード線の
外径とコイル状のレグ部の内径とが近似していると挿入
に手間を要し作業性が低下することから、レグ部の内径
に対し比較的細径のリード線が用いられ、この差が大き
いほど挿入作業はし易いが隙間が大きくなると接触抵抗
が高くなって好ましくない。
【0011】そこで、この場合は挿入部に補強的な役目
をなす溶接や圧着を行っているが、溶接では上述したよ
うに両者の融合が不十分なものが発生することがあり、
機械的にも電気的にも接続強度が弱くなる現象を生じる
不具合があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明はコイル状フィ
ラメントのレグ部を内部リード線に溶接により接続した
ものにおいて、溶接部の機械的および電気的な接続強度
を高めることができる白熱電球およびこの電球を組込ん
だ照明装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の白熱電球は、封止部が形成されたガラスバルブと、こ
の封止部内を気密に貫通したリード部材と、このリード
部材に接続してガラスバルブ内に延在した内部リード線
と、この内部リード線にブレージング部材を介してレグ
部が溶接されたコイル状フィラメントと、上記ガラスバ
ルブ内に封入された不活性ガスとを具備していることを
特徴とする。
【0014】本発明および以下の発明において、特に言
及しない限り、用語の定義および技術的意味は次のとお
りである。
【0015】電球を構成するガラスバルブの材質は、石
英ガラス、アルミノシリケートガラスやホウケイ酸ガラ
スなどの硬質ガラスあるいはソーダライムガラスや鉛ガ
ラスなどの軟質ガラスを用いることができる。
【0016】また、バルブの端部に形成する封止部は圧
潰封止部、バルブを収縮して形成した封止部、フレアス
テムを用いた封止部などである。
【0017】また、封止部内に気密に封止されるリード
部材は、モリブデンMoなどの金属箔や線あるいはジュ
メット線などを用いることができ、その部材はバルブの
ガラス材質や熱膨張率に合わせ選ぶことができる。
【0018】また、内部リード線の金属材料としてはタ
ングステンW線やモリブデンMo線に限らず、許容され
る範囲内で種々の材料から選ぶことができる。
【0019】さらに、溶接手段はアーク溶接や抵抗溶接
あるいはレーザ溶接により行うことができる。
【0020】本発明の請求項1に記載の白熱電球は、フ
ィラメントおよび内部リード線を低融点のブレージング
部材を介在して接続させてある。
【0021】すなわち、フィラメントおよび内部リード
線より溶融温度が低いブレージング部材は溶融して両者
の間に付着結合ないしは分子結合をつくり、溶融溶接に
匹敵する接合部が得られる。
【0022】接続手段は、フィラメントと内部リード線
との間にブレージング部材を挟みアーク溶接などにより
重合部を加熱して、ブレージング部材を溶融して両者間
にブレージング部材を介在させ固化することにより接続
ができる。なお、このときブレージング部材とともにフ
ィラメントや内部リード線が溶着するのは構わない。ま
た、ブレージング部材は全体が溶融せず、一部が原形の
まま残っていてもよい。
【0023】本発明の請求項2に記載の白熱電球は、コ
イル状フィラメントのレグ部が、単線状またはコイル状
をなしていることを特徴とする。
【0024】レグ部の形態は問はないが、コイル状の場
合は、単線状に比べて溶融したブレージング部材がコイ
ル間に流れて接触面積を増すことができる。また、内部
リード線部分にコイル状のレグ部を挿入するこ場合は、
フィラメントの確実な位置決めができるとともにフィラ
メントが内部リード線から外れる虞がない継線を行うこ
とができる。
【0025】また、コイル状のレグ部にWやMoなどの
高融点金属線をコアとして挿入したものを内部リード線
と溶接する場合にも適用ができる。本発明の請求項3に
記載の白熱電球は、ブレージング部材が、フィラメント
および内部リード線より低融点の金属からなることを特
徴とする。
【0026】フィラメントおよび内部リード線より低融
点のブレージング金属を溶接部に介在させ、アーク溶接
などの手段によりブレージング金属を溶融固化させて内
部リード線とレグ部とを結合接続している。
【0027】なお、溶接は1〜複数点での点溶接あるい
は連続した線状の溶接でもよい。
【0028】また、この溶接時にフィラメントや内部リ
ード線部分も同時に溶融するのは、溶接強度が向上する
ので構わない。
【0029】本発明の請求項4に記載の白熱電球は、ブ
レージング部材がTa、Mo、Ptから選ばれた少なく
とも一種からなることを特徴とする。
【0030】ブレージング材料としては、フィラメント
線および内部リード線より融点の低い白金Pt、タンタ
ルTaやモリブデンMoなどの金属材料が用いられ、フ
ィラメント線および接続する内部リード線となじみ易い
材料から選ぶことを要する。
【0031】これら材料は、バルブ内に封装されても電
球に悪影響を及ぼす不純ガス発生の虞がない。また、こ
の材料のうち、Taは水素ゲッタとしての付随的な作用
をなし、バルブ内の清浄に寄与する。
【0032】本発明の請求項5に記載の白熱電球は、ブ
レージング部材が、線状、コイル状、板状または筒状を
なしていることを特徴とする。
【0033】接続するフィラメント線および内部リード
線の構造や使用形態などに応じて、ブレージング部材を
板(箔)状、線状、コイル状やスリーブ状などその形状
を適宜選べ、効果的な溶融を行わせることができる。
【0034】本発明の請求項6に記載の照明装置は、反
射体と、この反射体内に配設された請求項1ないし5の
いずれかに記載の白熱電球とを具備していることを特徴
とする。
【0035】上記請求項1ないし5に記載の作用を有す
る白熱電球を、反射鏡を備えた照明装置に用いて、反射
鏡の設計が精度を高く容易に行えるとともに、その配光
特性を高めることができる。
【0036】また、本発明の照明装置は実施の形態に示
すものの他、表示装置や装飾装置など、各種形態のもの
が照明装置としてひろく使用できる。また、反射形電球
の場合は格別な反射鏡は不要である。また、反射鏡の前
面に内部電球や反射面を保護する光透過性の保護板や配
光を制御するレンズあるいはフィルタなどを設けること
は構わない。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1および
図2を参照して説明する。図1は一端封止形ハロゲン電
球L1の一部を切欠して示す一部断面正面図、図2はこ
の電球L1のマウントM1(フィラメント溶接前)の要
部を示す拡大正面図である。
【0038】図中1は石英ガラスやアルミノシリケート
ガラスからなる管状のバルブ、2はこのバルブ1の端部
を圧潰して形成した封止部で、この封止部2内にはモリ
ブデンMoなどの金属箔3A、3Bからなる一対のリー
ド部材が気密に封止られている。
【0039】なお、図中、11は排気管、15はバルブ
1の外面に設けられた多層光干渉膜で、たとえば酸化チ
タンTiO2 からなる高屈折率層と酸化ケイ素SiO2
からなる低屈折率層とを交互に多層形成した可視光透過
赤外線膜で、この可視光透過赤外線膜は必須のものでは
ない。
【0040】上記金属箔3A、3Bの一端側には長短一
対のタングステンW線やモリブデンMo線からなる内部
リード線4A,4Bが、他端側には一対のW線やMo線
からなる外部リード線5B(1本は図示していない。)
がそれぞれ溶接などの手段で接続されているとともに、
この内部リード線4A,4Bの中間部およびアンカ線6
1の一端部が石英ガラス製のビード6中に埋設され一体
的に支持されている。
【0041】また、バルブ1内に延在する内部リード線
4A、4B間にはタングステン細線を巻回してなるコイ
ル状のフィラメント7のレグ部71が後述する手段で継
線してある。このコイル状のフィラメント7は、中央の
発光部72が三重コイル状をなし、両端のレグ部71,
71は二重コイル状に形成してある。
【0042】このコイル状のフィラメント7はバルブ1
軸に沿って配設され、また、アンカ線61の先端は、フ
ィラメント7の発光部72の中間部に巻回されている。
そして、これら金属箔3A、3B、内部リード線4A,
4B、外部リード線5B、アンカ線61、ビード6およ
びフィラメント7でもってマウントM1を構成してい
る。
【0043】また、8は封止部2に耐熱性の接着剤(図
示しない。)を介し接合された口金で、この口金8の端
子部には上記封止部2内に埋設した金属箔3A、3Bに
接続した外部リード線5Bがヒューズ線51などを介し
接続されている。また、バルブ1内にはアルゴンArな
どの不活性ガスとともに所定のハロゲン化物が封入して
ある。
【0044】つぎに、本発明の要部である上記マウント
M1の継線部について図2を参照してさらに詳述する。
なお、長短2本の内部リード線4A、4Bの継線部は同
じであるので長い方の内部リード線4A側を代表として
説明する。(なお、図2に示された内部リード線4Aお
よびフィラメント7は実際の寸法と対応しているもので
はない。)このフィラメント7は定格110V60Wの
発光部72が三重コイルをなすもので、タングステン素
線径が約0.05mm、単コイル状部の外径が約0.3
0mm、ピッチが約85ターン/cm、全長約70m
m、二重コイル状部の外径が約0.9mm、ピッチが約
35ターン/cm、全長約20mm、発光部72をなす
三重コイル状部の外径が約3.0mm、ピッチが約6タ
ーン/cm、全長約4.5mm、この発光部72の両端
から延出する単コイル状のレグ部71の長さが約1.5
mmで形成されている。
【0045】この継線部は、内部リード線4A(直径約
0.3mmのW線)にたとえば箔状の白金Pt片B1
(縦約0.5mm×横約0.5mm×厚さ約0.1μ
m)からなるブレージング部材を介し、フィラメント7
の発光部72端部から約1.2mm離れたレグ部71を
直交した状態で載せ、この重合部×印箇所をアーク溶接
することにより、フィラメント7や内部リード線4Aよ
り融点の低いPt片B1を溶融固化させて内部リード線
4Aとレグ部71とを溶着接続している。
【0046】なお、P点(×印箇所と同じ)は溶接点を
示すが、溶接は1点に限らず複数点でもあるいは連続し
た線状であってもよい。また、ブレージング部材B1の
配置はフィラメント7と内部リード線4Aとの間でなく
フィラメント7や内部リード線4Aの表面側でもよく、
溶接時に溶融したブレージング部材B1がフィラメント
7と内部リード線4Aとの間に流れ込めばよい。また、
このときブレージング部材B1は全体が溶融してなく、
両者の接合がなされていれば一部が原形を残していても
よい。
【0047】この溶接で、高融点のタングステンW部材
の溶融が不十分であっても、ブレージング部材である白
金Pt片B1が溶融して両者間に介在固化され両者を継
ぐので、所望の接続強度が得られ内部リード線4Aから
フィラメント7のレグ部71が外れるという、電球L1
が不点(寿命)となる不具合の発生がない。また、この
ときフィラメント7や内部リード線4A部分も同時に溶
融するのは、溶接強度が向上するので構わない。
【0048】また、フィラメント7のレグ部71がコイ
ル状の場合は、単線状に比べて溶融した白金PtB1が
コイル間に流れて接触面積を増すことができ、機械的な
接続強度が向上できるとともに電気的接続もよくなる。
【0049】また、溶接部×が発光部72と近接してい
ると、溶接時に飛散したブレージング部材片がフィラメ
ント7などに付着することがあり、フィラメント7に部
分的な短絡や汚染を生じ特性の低下を招くので、溶接部
×はフィラメント7の発光部72端部から1mm以上離
れた部位において行うのが好ましい。
【0050】また、この溶接手段はアーク溶接に限らず
抵抗溶接により行うことも可能で、抵抗溶接など溶接部
材相互を電極棒で押圧して溶接すれば、部材が圧潰され
るのでさらに溶接強度を向上することができる。
【0051】また、この溶接時、高融点のタングステン
W部材を無理に溶融させなくてもよいので、ウエルダの
出力を低減でき溶接部の不所望な酸化発生を抑制でき
る。
【0052】なお、上記の実施の形態において、内部リ
ード線4A,4Bの外径とフィラメント7のレグ部71
の単コイル状部のコイル間隔との関係、すなわち内部リ
ード線4A線径/単コイル状部のコイル間隔×100%
が3.5〜7.0%の範囲内であれば、生産性が維持さ
れ電球としての特性が確保される。
【0053】また、この値が3.5%未満であると継線
時の精度低下、傷の発生などの不具合があり、逆に、
7.0を超えると発光部への適性なテンションが不足し
て電球としての特性が確保されない不具合がある。
【0054】また、この実施の形態に示す三重コイル状
のフィラメント7は、発光部72の長さを小さくして電
球の全長を短く小形・高効率化がはかれるものである
が、発光部72がコイル状部を狭い範囲に集中して形成
したものであるため、コイルにピッチの乱れや変形があ
ると、コイルピッチが縮んだ部分においてホットスポッ
トと呼ばれている高温部分を生じたり、甚だしいときに
は隣接するコイル間でアークが発生したりコイル間で短
絡するなどの電球を短寿命に至らしめることがある。
【0055】このため三重コイル状のフィラメント7
は、内部リード線4A,4Bにそのレグ部を継線する際
の構造によって発光特性や寿命が左右されることが多
い。
【0056】本発明はこの三重コイル状のフィラメント
7の場合、レグ部71を単コイル状または二重コイル状
とすることによって継線が容易に行なうことができる。
【0057】すなわち、レグ部71が単コイル状または
二重コイル状ならば発光部72端部からコイル軸方向に
延出させるのに急激な折り曲げ部分が生じないので発光
部72に無理な応力が加わらない。また、コイル状とす
ることはコイリング作業が容易であるとともにリード線
4A,4Bとの接触面積を大きくできるなどの利点があ
る。
【0058】因みに、フィラメント7端部のレグ部をタ
ングステン素線の単線の状態で接続することは容易であ
るが、フィラメント7全体を単線で支持するのは、電球
に衝撃が加わった場合にフィラメント7が大きく振れて
この単線部分で断線することがあり、支持強度に問題が
あるとともに単線部分から三重コイルまで有するのでコ
イリング作業時に寸法採りが難しいという問題がある。
また、レグ部分の長さが長くなると抵抗による電力損失
が増して、効率の向上が阻害される。
【0059】さらに、上記フィラメント7は通電による
温度上昇で、発光部72が再結晶状態になるが、レグ部
71の内部リード線4A寄りは内部リード線4Aの存在
により熱容量が大きく非結晶状態であって支持強度が強
固になる作用効果を奏する。
【0060】また、図3および図4は本発明に係わる一
端封止形の白熱(ハロゲン)電球およびこの電球を用い
た照明装置の実施の形態を示す。図3は白熱電球L2を
反射鏡に組込んだ照明装置R1(反射形電球)の一部断
面正面図、図4は電球L2のマウントM2(フィラメン
ト溶接前)の要部を示す拡大正面図である。図中、図1
および図2と同一部分には同一の符号を付してその説明
は省略する。
【0061】まず、図3の白熱(ハロゲン)電球L2
は、フィラメント7と対応する部分に膨出部12を有す
るバルブ1を用い、長短一対の内部リード線4A,4B
のうち長いリード線4Aの先端はバルブ1頂部の排気管
11内に係止してある。
【0062】コイル状のフィラメント7は、二重コイル
状の発光部72の両端に非コイル状の飛ばし部73が設
けられ、この飛ばし部73に連接して単コイル状のレグ
部71,71が形成してある。そして、両端のレグ部7
1,71が長短の内部リード線4A,4Bに挿入して接
続され、レグ部71,71の内側端部が折曲部41,4
2に引っ掛かって係止されているとともにこのレグ部7
1,71はブレージング部材である白金PtB2を介し
内部リード線4A,4Bに溶接された状態にある。
【0063】そして、この内部リード線4Aとレグ部5
1との間へのブレージング部材の配設は、内部リード線
4Aの折曲部41の近傍にたとえば図4中(なお、長短
2本の内部リード線4A、4Bの継線部は同じであるの
で長い方の内部リード線4A側を代表として説明す
る。)に示すコイル状の白金Pt線B2を巻装して、こ
のコイル状の白金Pt線B2上に単コイル状のレグ部7
1を挿入して、この三重の×箇所をアーク溶接あるいは
抵抗溶接することにより、フィラメント7や内部リード
線4Aより融点の低いPt片B2を溶融させて内部リー
ド線4Aとレグ部71との間で固化して両者を接続して
ある。
【0064】この実施の形態の場合も、ブレージング部
材である白金Pt線B2が溶融固化して両者を継ぐの
で、機械的にも電気的にも所望の接続強度が得られ内部
リード線4Aからフィラメント7のレグ部71が外れる
という不具合の発生がない。
【0065】また、この場合、レグ部71の内側端部が
折曲部41に引っ掛かって抜け出る虞はないが、レグ部
71が内部リード線4Aに単に遊挿された状態であると
電気的には接触抵抗が大きく好ましくない。しかし、両
者が白金Ptを介し溶着した接続であれば電気抵抗も小
さく強度も高い確実な接続が可能となる。
【0066】また、この図3中、9は石英ガラスや硬質
ガラスあるいはセラミックスからなる凹面に可視光反射
膜や多層光干渉膜91を形成した反射鏡で、背面に形成
した基体部92の透孔93内に、上記ハロゲン電球L2
の封止部2を耐熱性接着剤94を介し接合して照明装置
R1(反射形電球)を構成している。なお、この電球L
2は、二重コイル状のフィラメント7が、反射鏡9内面
の焦点を通る位置に配設されている。また、図中81,
81は端子ピンである。
【0067】この照明装置R1(反射形電球)は、端子
ピン81,81に給電すればコイル状のフィラメント7
が発光し、電球L2から放射し反射鏡9の開口部に向か
った光線は直射光として、また、反射鏡9の凹面91の
反射膜に入射した光線はこの反射膜により反射して開口
部に向かい外方に放射され、所定の配光特性が得られ
る。
【0068】そして、この照明装置R1(反射形電球)
は、たとえばウインド内商品などのスポット照明に用い
られるが、使用時に照明装置R1(反射形電球)が振動
や衝撃などを受けた場合でも、電球L2のフィラメント
7が内部リード線4A,4Bから外れ不点になるなどの
ことがない長寿命の照明装置R1(反射形電球)を提供
できる作用効果を奏する。
【0069】また、図5は本発明に係わる白熱電球を用
いた照明装置の他の実施の形態を示す斜視図である。図
中、図3と同一部分には同一の符号を付してその説明は
省略する。
【0070】この図5中、95は天井面等に取着される
基台、96は支持ポール、97はポール96の先端に回
動自在に取付けられた自在継手、98はこの自在継手が
設けられた器具本体、9は器具本体の前方開口部内に設
けられた反射鏡で、この反射鏡9の内部にはソケット
(図示しない。)が配設され、このソケット(図示しな
い。)にたとえば図1に示すハロゲン電球L1の口金8
を装着することにより照明装置R2が構成されている。
【0071】この照明装置R2のソケット(図示しな
い。)に装着された電球L1は、フィラメント7に通電
して点灯される。そして、上述した照明装置R1と同様
に、使用時にハロゲン電球L1が振動や衝撃などを受け
た場合でも、電球L1のフィラメント7が内部リード線
4A,4Bから外れ不点になるなどのことがない長寿命
の照明装置R2を提供できる。
【0072】なお、上記照明装置R2の反射鏡9を外
し、ソケットを変えて上記実施の形態の反射形電球L2
を装着するようにしてもよい。
【0073】また、上記実施の形態では、一端封止形の
電球L1,L2について述べたが、本発明は図6に示す
ような両端封止形の電球L3にも適用できるものであ
る。
【0074】すなわち、図6において直状をなすバルブ
1の両端の封止部2,2にはそれぞれ金属箔3A,3B
が封止られ、この金属箔3A,3Bに接続した内部リー
ド線4A,4Bの先端部にフィラメント7両端のコイル
状のレグ部71,71が挿入されることにより接続され
ている。なお、図中82,82は封止部2の端面に接合
された口金端子部材である。
【0075】すなわち、この電球L3も内部リード線4
A,4Bの先端部に挿入されたフィラメント7両端のコ
イル状のレグ部71,71が、上記に示すようなブレー
ジング部材を介して溶接Pされているので、両者の機械
的および電気的な接続が確実で強固にできる上記実施の
形態と同様な作用効果を奏する。
【0076】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではない。たとえば白熱電球としてはハロゲンを
封入したハロゲン電球に限らず、不活性ガスのみを封入
したガス入り電球、あるいは真空電球などに適用でき、
その用途も投光用、車両用、一般照明用や表示用など各
種に適用することができる。
【0077】さらにまた、本発明の照明装置は実施の形
態に示すものの他、表示装置や装飾装置などに、各種形
態のものが照明装置としてひろく使用できる。また、反
射形電球の場合は格別な反射鏡は不要である。また、反
射鏡の前面に内部電球や反射面を保護する光透過性の保
護板や配光を制御するレンズあるいはフィルタなどを設
けることは構わない。
【0078】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明によれば、フィ
ラメントおよび内部リード線の材料より低融点のブレー
ジング部材を介し溶接され、ブレージング部材が両者間
に固化して継いでいるので、所望の接続強度が得られ内
部リード線からフィラメントのレグ部が外れることに起
因する、電球が不点(寿命)となる不具合の発生がな
い。
【0079】したがって、内部リード線とフィラメント
とは機械的および電気的に強固な接続が得られるととも
に、溶接時にウエルダの出力を低減でき不所望な溶接部
の酸化発生が抑制でき長寿命がはかれるなど種々の利点
を有する白熱電球を提供できる。
【0080】本発明の請求項2の発明によれば、レグ部
の形態は問はないが、コイル状の場合は、単線状に比べ
て溶融したブレージング部材がコイル間に流れて接触面
積を増すことができ、また、内部リード線部分にコイル
状のレグ部を挿入するこ場合は、フィラメントの確実な
位置決めができるとともにフィラメントが内部リード線
から外れる虞がない継線を行うことができる利点を有す
る。
【0081】本発明の請求項3の発明によれば、溶接時
にウエルダの出力を低減でき不所望な溶接部の酸化発生
が抑制できる利点を有する。
【0082】本発明の請求項4の発明によれば、選ばれ
たブレージング材料は、バルブ内に封装されても電球に
悪影響を及ぼす不純ガス発生の虞がなく、また、これら
材料の一部はゲッタとしてバルブ内の清浄に寄与する、
品質向上のはかれた白熱電球を提供できる。
【0083】本発明の請求項5の発明によれば、接続す
るフィラメントおよび内部リード線の構造や使用形態な
どに応じて、ブレージング部材の形状を適宜選べば効果
的な溶融を行わせることができる利点を有する。
【0084】本発明の請求項6の発明によれば、上記請
求項1ないし5に記載の効果を有する白熱電球を、反射
鏡を備えた照明装置に用いてその配光特性を高めること
ができるとともに長寿命の照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる白熱電球(一端封止形ハロゲン
電球)の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図2】図1の白熱電球内に設けたマウント(フィラメ
ント溶接前)の要部を示す拡大正面図である。
【図3】本発明に係わる白熱電球(一端封止形ハロゲン
電球)およびこの電球を用いた照明装置(反射形電
球))の実施の形態を示す一部断面正面図である。
【図4】図3の白熱電球内に設けたマウント(フィラメ
ント溶接前)の要部を示す拡大正面図である。
【図5】本発明に係わる照明装置の他の実施の形態を示
す斜視図である。
【図6】本発明に係わる白熱電球(両端封止形ハロゲン
電球)の実施の形態を示す正面図である。
【符号の説明】
L1,L2;白熱電球(一端封止形ハロゲン電球) L3;白熱電球(両端封止形ハロゲン電球) R1;照明装置(反射形電球) R2;照明装置 1:ガラスバルブ 2:封止部 M1,M2;マウント 3A、3B:リード部材(金属箔) 4A,4B;内部リード線 7:コイル状フィラメント 71;レグ部 72;発光部 9:反射鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 誠 神奈川県横須賀市船越町一丁目201番地の 1 オスラム・メルコ・東芝ライティング 株式会社内 (72)発明者 別所 誠 神奈川県横須賀市船越町一丁目201番地の 1 オスラム・メルコ・東芝ライティング 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 封止部が形成されたガラスバルブと;こ
    の封止部内を気密に貫通したリード部材と;このリード
    部材に接続してガラスバルブ内に延在した内部リード線
    と;この内部リード線にブレージング部材を介してレグ
    部が溶接されたコイル状フィラメントと;上記ガラスバ
    ルブ内に封入された不活性ガスと;を具備していること
    を特徴とする白熱電球。
  2. 【請求項2】 コイル状フィラメントのレグ部が、単線
    状またはコイル状をなしていることを特徴とする請求項
    1に記載の白熱電球。
  3. 【請求項3】 ブレージング部材は、フィラメントおよ
    び内部リード線より低融点の金属からなることを特徴と
    する請求項1に記載の白熱電球。
  4. 【請求項4】 ブレージング部材がTa、Mo、Ptか
    ら選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする請
    求項3に記載の白熱電球。
  5. 【請求項5】 ブレージング部材が、線状、コイル状、
    板状または筒状をなしていることを特徴とする請求項3
    または4に記載の白熱電球。
  6. 【請求項6】 反射体と;この反射体内に配設された請
    求項1ないし5のいずれかに記載の白熱電球と;を具備
    していることを特徴とする照明装置。
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