JP2002327355A - 導電性炭素質繊維シート及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

導電性炭素質繊維シート及び固体高分子型燃料電池

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JP2002327355A
JP2002327355A JP2002038702A JP2002038702A JP2002327355A JP 2002327355 A JP2002327355 A JP 2002327355A JP 2002038702 A JP2002038702 A JP 2002038702A JP 2002038702 A JP2002038702 A JP 2002038702A JP 2002327355 A JP2002327355 A JP 2002327355A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体高分子型燃料電池のガス拡散層に用いる
のに好適な導電性炭素質繊維シートを提供する。 【解決手段】 厚さ0.05〜1mm、質量60〜25
0g/m2 、45°カンチレバー法に準拠した剛軟性樹
脂値(L)6cm以上、面方向の体積固有抵抗0.2Ω
cm以下の導電性炭素質繊維シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は主として炭素質繊維
から成り、通気性を有する導電性炭素質繊維シートに関
するものである。本発明に係る炭素質繊維シートは、電
気伝導性及びガス透過性に優れており、かつ適度の剛性
を有しているので、固体高分子型燃料電池のガス拡散層
材料として用いるのに好適であり、これを用いた固体高
分子型燃料電池は自動車用電源やコージェネレーション
発電システム用電源として好適である。
【0002】
【従来の技術】近年、燃料電池の開発に多大の努力がな
されている。現在、開発が進められている燃料電池は、
用いる電解質の種類により、アルカリ型、リン酸型、溶
融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型などに分類さ
れている。これらのなかでも、低温で運転でき、扱い易
く、かつ出力密度の高い固体高分子型燃料電池が、電気
自動車用電源及び家庭用電源として注目されている。ま
た、固体高分子型燃料電池は、発電の際に発生する熱を
暖房、給湯などに利用することで総合的に熱効率を向上
させるコージェネレーションシステムへの展開が検討さ
れている。
【0003】固体高分子型燃料電池の単セルの主要構成
部材は、膜電極体と溝付きセパレーターである。膜電極
体の基本構造は、高分子固体電解質膜(イオン交換膜)
の両面に、触媒層、ガス拡散層及び集電体を順次接合し
たものである。触媒層は主として触媒とカーボンブラッ
クとの混合物から成っている。またガス拡散層に集電体
の機能を兼ねさせることもある。この膜電極体の両面に
溝付きセパレーターを接合することにより、固体高分子
型燃料電池の単セルが形成される。
【0004】固体高分子型燃料電池は、溝付きセパレー
ターの溝を経て、アノード側触媒層に燃料(水素ガ
ス)、カソード側触媒層に酸化剤(酸素含有ガス)をそ
れぞれ供給して電池反応を生起させ、このとき膜電極体
を介して発生する電子の流れを電気エネルギーとして外
部に取出す仕組みになっている。この仕組みを効率よく
作動させるには、膜電極体に燃料と酸化剤とを円滑かつ
均等に供給することが必要である。また、膜電極体の中
央の固体電解質膜がプロトン伝導性を発現し得るように
適度の水分を保持していること、及び電池反応に伴い生
成する水を円滑に排出できることも重要である。
【0005】膜電極体の製造法としては、固体電解質膜
と触媒層との接合体を先ず作成し、これにガス拡散層兼
集電体を接合する方法、又はガス拡散層兼集電体と触媒
層との接合体を先ず作成し、これに固体電解質膜を接合
する方法が主に用いられている。ガス拡散層(これは集
電体を兼ねることもある)の材料としては、カーボンペ
ーパーが主に用いられている。カーボンペーパーの製法
はいくつも知られているが(特開昭50−25808号
公報、特開昭61−236664号公報、特開昭61−
236665号公報、特開平1−27969号公報参
照)、いずれも炭素短繊維その他の炭素質材料をバイン
ダーで接合した構造を有している。従ってこのものは面
内方向の導電性は良いが、厚さ方向の導電性は面内方向
の導電性よりも低い。また、機械的には、剛性が大きい
反面、比較的脆く、弾性に乏しい。従ってカーボンペー
パーをガス拡散層に用いる、固体高分子型燃料電池の製
作に際し、接触点の電気抵抗を小さくするため圧力を加
えると、カーボンペーパーが破壊されて逆に導電性の低
下を招き易い。更にカーボンペーパーは厚み方向の通気
性は良好であるが、面方向の通気性はあまり良くないの
で、溝付きセパレーターの溝を経て供給されたガスの横
方向へのガス拡散が阻害され、結果として電池性能の低
下を招いている。
【0006】カーボンペーパーに代るものとして、炭素
質繊維を製織してなる炭素質繊維織布を用いることも検
討されている。炭素質繊維織布は機械的脆さが無く、通
気性が大きく、かつ炭素質繊維の構成や製織方法によ
り、厚み方向にも弾性を持たせ得るなど、カーボンペー
パーには無い幾多の利点を有している。しかし炭素質繊
維織布はしなやかなので、これをガス拡散層に用いた膜
電極体を溝付きセパレーターと組合せて燃料電池を形成
しようとすると、炭素質繊維織布が溝付きセパレーター
の溝に入り込み、溝内のガスの流通を阻害するという問
題がある。また、炭素質繊維織布では繊維相互の接触点
は固定されていないので、この部分における電気抵抗が
安定せず、結果として織布全体の電気抵抗も不安定とな
り易いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】炭素質繊維織布のこの
ような問題点を解消する方法もいくつか提案されてい
る。例えば特開昭58−165254号公報には、フッ
素樹脂とカーボンブラックの混合物を炭素質繊維織布の
空隙部に充填することが記載されている。また特開平1
0−261421号公報には、フッ素樹脂とカーボンブ
ラックから成る層を炭素質繊維織布の表面に形成するこ
とが記載されている。しかしながら、これらの方法は、
炭素質繊維織布の利点であるガス拡散性を低下させると
いう欠点を伴っている。従って、本発明は、ガス拡散性
が良好であり、かつ剛性が大きくて電気伝導度が安定し
ている導電性炭素質繊維シートを提供しようとするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る導電性炭素
質繊維シートは、主として炭素質繊維からなり、かつ通
気性を有していて、厚さが、0.05mm以上、1mm
以下であり、単位面積あたりの質量が、60g/m2
上、250g/m2以下であり、45゜カンチレバー法
に準拠した硬軟性指数値(L)が、6cm以上であり、
かつ、面方向の体積固有抵抗が、0.2Ωcm以下であ
ることを特徴とするものである。
【0009】そしてこのような特性を有する導電性炭素
質繊維シートは、炭素質繊維で織布や不織布などのシー
ト状物を形成し、次いで炭素質繊維を互に融着させる
か、又は通気性その他これらのシート状物が本来的に有
している利点を損なわない程度の少量のバインダーない
しはその炭化物で、シート状物を形成している炭素質繊
維を互に結着させることにより製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る導電性炭素質繊維シ
ートは、厚さ、単位面積当りの質量、45°カンチレバ
ー法に準拠した剛軟性指数値、及び面方向の体積固有抵
抗が、それぞれ特定の範囲にあることが必要である。導
電性炭素質繊維シートの厚さは、0.05mm以上、1
mm以下である。厚さが、0.05mmより薄くなる
と、シートの引張強度が小さくなり過ぎ、また45°カ
ンチレバー法に準拠した剛軟性指数値も6cm以上を確
保するのが困難となる。逆に厚さが1mmより大きくな
ると、ガス拡散性が低下し、かつこの織布を用いて形成
した膜電極体は体積が大きくなり過ぎて、燃料電池の単
位体積当りの出力が低下する。厚さは0.1mm以上、
0.5mm以下であるのが好ましい。
【0011】導電性炭素質繊維シートの単位面積当りの
質量は60g/m2以上である。質量が60g/m2より
も小さいと、シートの引張り強度が小さくなり過ぎ、ま
た45゜カンチレバー法に準拠した剛軟性指数値も6c
m以上を確保するのが困難となる。単位面積当りの質量
は80g/m2以上であるのが好ましく、なかでも好ま
しいのは120g/m2以上、特に130g/m2以上で
ある。また単位面積当りの質量は250g/m2以下で
ある。これを超えるものは厚過ぎて膜電極体の体積が大
きくなり過ぎるか又は密度が高くなりすぎてガス拡散性
が低下する。単位面積当りの質量200m2以下である
のが好ましく、170g/m2以下であれば更に好まし
い。
【0012】45°カンチレバー法に準拠した剛軟性指
数値(L)は6cm以上であることが必要である。45
°カンチレバー法による剛軟性指数値(L)は、JIS
L1096に規定された、織布のしなやかさ(剛軟
性)の指標である。45度カンチレバー法による剛軟性
指数値の測定では、2cm×約15cmの寸法で採取し
た試験片を、一端が45度の傾斜をもつ表面の滑らかな
水平台の上に試験片の短辺をスケール基線に合わせて置
く。次に、試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせて、試
験片の一端の中央点が前述の斜面と接したときに他端の
位置を、スケールによって読む。剛軟度は、試験片が異
動した長さで示される。
【0013】通常の炭素質繊維織布はしなやかであり、
厚さが0.05〜1mmの該織布の指数値(L)は通常
5cm以下である。本発明に係る導電性炭素質繊維シー
トでは、シートを形成する繊維を互に融着又は結着させ
ることにより、指数値(L)を6以上とすることに成功
したものである。指数値(L)は8cm以上であること
が好ましい。なお、45°カンチレバー法による剛軟性
指数値(L)は、JIS規格においては、最大値は約1
5cmであるが、試験片の長さを15cmよりも長くす
ることにより、より剛性の大きいものの指数値も測定す
ることができるので剛軟性指標値(L)が30cm以下
であれば、JIS規格準拠の剛性の指標として一般的に
許容されている。本発明に係る導電性炭素質繊維シート
は、45°カンチレバー法に準拠する剛軟性指標値
(L)が25cm以下であるのが好ましい。
【0014】なお、JIS L 1096には、45°
カンチレバー法よりも高剛性の試料の剛性評価向けに、
クラーク法が記載されている。クラーク法では、2cm
×15cm〜25cmの寸法で採取した試験片をクラー
ク形試験機の2個のローラ間に挟み、ハンドルを左右に
回し、試験片が左右に倒れるときの角度目盛り板に指示
される左右の角度の和が90°±2°となるようにロー
ラから張り出す長さを加減し、その時の長さを測る。ク
ラーク法についても、45°カンチレバー法と同様に、
剛軟性指標値(L)の最大値は約25cmだが、40c
m以下であれば、JIS規格準拠の剛性の指標として一
般的に許容されている。本発明の導電性炭素質繊維シー
トの剛軟性指数値の好ましい上限値の25cmを、クラ
ーク法に準拠する剛軟性指標値(L)で表すと、約35
cmとなる。
【0015】導電性炭素質繊維シートを燃料電池のガス
拡散材料として用いる場合、あまりに剛性が強すぎる
と、シートを巻回状にしづらく、取り扱いが困難とな
る。クラーク法よりも更に高剛性の(硬い)試料の剛性
を評価する指標として、オルゼン型試験機を用いた曲げ
こわさ試験による曲げ弾性率による数値化が可能であ
る。厚さにより若干の違いがあるが、この曲げ弾性率
で、1×104kgf/cm2を越えると、ロール径にもよ
るものの、捲回することによる破壊が生じるため、燃料
電池に用いるには適さない。例えば、外径10cmのロ
ールに巻き付けた際に、ヒビ・割れが生じるような導電
性シートは、実質的に燃料電池用ガス拡散材として使用
ができない。しかしながら、45°カンチレバー法に準
拠する剛軟性指標値(L)で25cm、クラーク法に準
拠する剛軟性指標値(L)で表せば、約35cm迄の剛
性であれば、3インチ(76mm)直径の巻き芯にも巻
回出来る巻回性を有するので、実用上好適である。
【0016】面方向の体積固有抵抗は、導電性炭素質繊
維シートで形成するガス拡散層が、膜電極体の触媒層で
発生した電子の導通路の一部をなしているので、低くけ
れば低いほど好ましいが、本発明で規定する0.2Ωc
m以下、中でも0.1Ωcm以下であれば十分に実用に
耐える。体積固有抵抗が0.07Ωcm以下、特に0.
06Ωcm以下であれば更に好ましい。本発明に係る導
電性炭素質繊維シートは、炭素質繊維からなる織布や不
織布が有しているガス拡散性が維持された状態である利
点を有する。これは、JISL 1096の通気性試験
法(A法)によって測定された空気通気量で表すと、通
常、50cm3/cm2・sec以上であり、好ましくは
60cm3/cm2、sec以上である。通気量の上限は
通常は150cm3/cm2・secであるが、130c
3/cm2・sec以下、特に120cm3/cm2・s
ec以下であるのが好ましい。
【0017】上記方法で測定した空気通気量が150c
3/cm2・secを越えるものは、燃料電池に用いた
場合、ガス透過性は十分であるものの、保水性が低下し
好ましくない。一方、50cmcm3/cm2・sec未
満のものは、低出力仕様の燃料電池であれば使用できる
場合があるものの、例えば自動車用のような瞬時に大電
流の発生を必要とする高出力用途で使用する場合、ガス
透過性が不足し、電池性能が低下しやすい。
【0018】本発明に係る導電性炭素質繊維シートを構
成する炭素質繊維としては、ポリアクリロニトリル系、
ピッチ系、セルロース系、ポリノジック系、その他公知
の任意の炭素質繊維を用いることができる。通常はピッ
チ系又はポリアクリロニトリル系の炭素質繊維を用い
る。なかでもポリアクリロニトリル系の炭素質繊維を用
いるのが好ましい。ポリアクリロニトリル系の炭素質繊
維には、アクリロニトリル単位の含有比率により、アク
リロニトリルほぼ100%のポリアクリロニトルを原料
とするものをはじめ、アクリロニトリルが50%以上の
アクリロニトリルを主体とするものを原料とするもの、
更にはアクリロニトリルが20〜50%のアクリロニト
リルを含むものを原料とするものなど各種のものがある
が、これらのいずれを原料とする炭素質繊維も用いるこ
とができる。これらの原料から炭素質繊維を製造するに
は、常法によりこれらの原料を紡糸して繊維とし、次い
でこれを炭化すればよい。
【0019】炭素質繊維の単繊維の直径は通常3〜70
μmであるが、6〜50μm、特に7〜30μmのもの
を用いるのが好ましい。細径の単繊維からなる炭素質繊
維は一般に高強度であるが高価である。本発明では用い
る炭素質繊維に特に大きな強度は必要としないので、あ
えて高価な炭素質繊維を用いる必要は無い。炭素質繊維
の直径が太すぎると織布とした場合に厚さのむらが大き
くなり易い。また、導電性炭素質繊維シートは、毛羽立
ちが少ないものの方が、電気的特性上好ましい。この毛
羽立ちの度合いは、以下に述べる毛羽付着試験法(QT
ECセロテープ(R)法)により測定することができ
る。
【0020】即ち、幅18mmのセロハンテープを、表
面が平滑なプラスチック板に40gf/cm2の荷重で
接着した場合に、JIS L 1089試験法によるは
く離強さが、350±25gfであるセロハンテープ
(例えば、幅18mmのニチバン(株)のセロテープ
(R)品番CT−18又は、LP−18が挙げられ
る。)を、被測定試料である繊維シートにはり、40g
f/cm2の荷重をのせ、5秒間放置し、剥がす操作
を、同じテープで、繊維シートの縦又は横の同方向の5
ヶ所で繰り返す。セロハンテープに付着した毛羽の量を
財団法人 日本繊維製品品質技術センター(略称QTEC)
の定める、毛羽付着試験判定スケール(1〜5級)と比
べて判定する。この評価法では、1級が繊維シートの毛
羽量が最も多く、級数が高くなるほど毛羽量は少ない。
5級が、毛羽が最も少ない。評価の級数は、整数の級数
間、例えば、2級と3級の間の場合、2−3級(2.5
級)と表する。
【0021】本発明に係る導電性炭素質繊維シートは、
この毛羽付着試験法において、毛羽立ち度が、2級以上
であるのが好ましい。なかでも好ましいのは3級以上、
特に3−4級(3.5級)以上のものである。毛羽立ち
度が2級に達成しないものは、炭素質繊維が、導電性炭
素質繊維シートの表面から多量に突出しているので、燃
料電池のガス拡散層に用いた場合に、短絡を起こしやす
くなる。
【0022】本発明に係る導電性炭素質繊維シートで
は、炭素質繊維が互に融着又はバインダーないしはその
炭化物により結合されている。従って炭素質繊維相互間
の接触点で繊維が離れないのでシートの電気抵抗が一定
に保たれる。本発明に係る導電性炭素質繊維シートの代
表的なものの一つは、炭素質繊維ないしはこれと他の炭
素材料との混合物をバインダーで接合した不織布、ない
しはこれを加熱処理してバインダーを炭化させたもので
ある。このものはその製造に際して比較的多量のバイン
ダーを必要とし、かつプレス加工を施して一定の厚さと
するので、ガス透過性及び導電性は比較的低く、逆に剛
性は比較的大きい。
【0023】本発明に係る導電性炭素質繊維シートの代
表的なものの他の例であり、かつ上記のものよりも一般
的に好ましいのは、炭素質繊維で織布を製織したのち、
織布の炭素繊維を互に融着させるか、又はバインダーな
いしはその炭化物で互に結着させたものである。この織
布を基材とするものは、比較的少量のバインダーしか必
要としないので、ガス透過性及び導電性を確保しつつ適
度の剛性を得ることができる。
【0024】なお、織布中の金属不純物は、燃料電池の
作動時に生成水の電気分解反応による電池特性の低下要
因となるため、極力少なくするのが好ましい。 例
えば鉄は50μg/g以下、ニッケルは50μg/g以
下、ナトリウムは100μg/g以下であるのが好まし
い。織布の金属不純物は、織布ないしはその原料の炭素
質繊維、更にはその原料糸などを、塩酸、酢酸などの酸
で洗浄することにより、その含有量を低減させることが
できる。織布の組織は平織が好ましいが、斜文織、朱子
織その他任意の組織であって差し支えない。織布に用い
る糸は、フィラメント糸、紡績糸のいずれでも構わない
が、緻密かつ均一な織布組織が得られる、糸の生産性が
高い等の理由から紡績糸が好適である。
【0025】紡績糸を得る紡績方法についてはいずれの
手法も適用でき、例えば、綿紡績、2インチ紡績、トウ
紡績、そ毛紡績、紡毛紡績等の紡績方法が挙げられる。
フィラメント糸を使用する場合は、ラージトウのフィラ
メント糸を分繊して、適切な繊度の糸を得たものも本発
明には使用可能である。糸の繊度(番手)は、織布組
織、経緯密度により一概には言えないが、単糸の場合、
メートル番手で、10〜50Nm、好ましくは、15〜
30Nmであり、双糸の場合では、2/20〜2/10
0(Nm)、好ましくは2/30〜2/60Nmであ
る。
【0026】糸の撚り数は、単糸の場合、糸長1mあた
り、300〜800回/m、好ましくは500〜700
回/mであり、双糸の場合、糸長1mあたり、上撚り数
が300〜800回/m、下撚り数が500〜900回
/m、好ましくは上撚り数が400〜750回/m、下
撚り数が600〜850回/mである。また、このよう
にして得た糸の毛羽本数は、できるだけ少ないことが好
ましいが、燃料電池用ガス拡散材の用途には、例えば、
光学式毛羽カウンターで測定した場合、毛羽長が3mm
長以上の毛羽の本数が、糸10mあたり、250個以
下、中でも200個以下であることが好ましい。下限値
としては、少ないほどよいが、通常、フィラメント糸で
10個、紡績糸で数10個程度は存在する。
【0027】上記の糸を織機で平織にする場合の経緯密
度(単位長さあたりの縦糸及び横糸の本数)は、糸の太
さ(番手)により異なるが、例えば、2/40Nmの双
糸を縦糸、及び横糸に用いた場合の経緯密度は、織布の
長さ10cm当たり、縦糸、横糸とも150〜300本
/10cm、中でも180〜250本/10cmが好ま
しい。また製繊は、縦糸、または横糸のいずれかに単糸
を用いたり、縦糸、横糸とも単糸を用いて行ってもよ
い。また、縦糸と横糸の糸間の空隙が、走査型電子顕微
鏡で観察した場合、その糸間の空間に該当する孔径が1
0μm〜150μmであることが、燃料電池のガス拡散
材としたときの保水性・排水性を確保するために好まし
い。好ましい織布の1例は、直径が7〜10μmの単繊
維から成るメートル番手で20〜60番手糸の双糸を、
1インチ当り縦糸、横糸とも40〜70本の密度で平織
して得られるものである。
【0028】これらの炭素質繊維で製織した織布に、バ
インダー、好ましくは樹脂やピッチなどの有機質バイン
ダーを付着させて、織布を構成する炭素質繊維を互に結
着させることにより、本発明に係る導電性炭素質繊維シ
ートを得ることができる。有機質バインダーの付着は、
有機質バインダーの溶液中に織布を浸漬するか又は織布
にこの溶液を塗布すればよい。例えば有機質バインダー
を、水、メタノール、アセトン、トルエン、キシレン、
キノリン、N,N−ジメチルホルムアミドなど適宜の溶
媒に溶解した溶液に織布を浸漬して織布に有機質バイン
ダーを付着させ、次いで乾燥したのちホットプレス、カ
レンダーロール、オーブン等で加熱して有機質バインダ
ーを硬化させる手法によることができる。織布の浸漬に
用いる有機質バインダー溶液としては通常は0.1〜1
0重量%、好ましくは0.5〜5重量%程度のものを用
いればよい。また、有機質バインダーを単に硬化させる
だけでなく、有機質バインダーを付着させた織布を更に
窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気中で加熱して、有機
質バインダーを炭化、更には黒鉛化してもよい。
【0029】有機質バインダーとしては、例えば、フェ
ノール樹脂、フラン樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ングリコール、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、
アセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンテレフタレート、ビスマレイミド樹脂、熱可塑
性ポリウレタン、ABS樹脂、AAS樹脂、ポリ−4−
メチルペンテン−1、ポリブテン−1、アクリロニトリ
ル−スチレン系樹脂、ポリビニルブチラール、シリコー
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、セルロース、エポキシ
樹脂、ポリエステル、コールタールピッチ、石油ピッ
チ、メソフェーズピッチなどを用いればよい。
【0030】さらに、エチレン−プロピレン共重合ゴ
ム、ポリジエン、ポリウレタンゴム、天然ゴム等のゴム
様物質、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−トリ
フルオロエチレンコポリマー、ビニリデンフルオライド
−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム等のフッ素系
ゴム、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体(例
えば、旭ガラス(株)製ルミフロン)、非晶質パーフル
オロ樹脂(例えば、旭硝子(株)製サイトップ)熱可塑
性フッ素ゴム(例えば、ダイキン工業(株)製ダイエル
サーモプラスチック)、軟質フッ素樹脂(例えば、セン
トラル硝子(株)製セフラルソフト)などのフッ素を含
有する樹脂も使用し得る。これらのなかでも熱硬化性の
ものを用いるのが好ましい。特に織布に付着させた後に
炭化させる場合には、炭化処理に際してその形状を維持
し得るように熱硬化性のものを用いるべきであり、熱可
塑性のものを用いる場合には炭化処理に先立って耐炎化
処理などの前処理をすべきである。
【0031】本発明において、バインダーやその炭化物
で織布を構成する炭素質繊維を互に結着させる際には、
バインダーやその炭化物が織布の空隙を塞いで織布のガ
ス拡散性を低下させないようにすることが重要である。
そのためには、下記の2つのパターンが好適である。即
ち、低濃度のバインダー溶液に織布を浸漬するか又は
この溶液を織布全面に塗布することにより、比較的少量
のバインダー又はその炭化物で炭素質繊維の表面を被覆
して繊維を互いに結着させること、或いは、高濃度の
バインダー溶液を織布に散布して織布にバインダーを点
状に付着させることにより、比較的多量のバインダー又
はその炭化物で炭素質繊維を不連続的に結着させること
があげられる。
【0032】なお、この炭素質繊維表面のバインダー又
はその炭化物による結着の状態は、透過型電子顕微鏡写
真によって繊維シートを観察することによって容易に確
認できる。まず、としては、通常、0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜5重量%程度の比較的低濃度の
バインダー溶液に織布を浸漬して織布に有機質バインダ
ーを付着させ、次いで乾燥したのちホットプレス、カレ
ンダーロール、オーブン等で加熱して有機質バインダー
を硬化させる手法によることができる。従って有機質バ
インダーを多量に付着させた場合には、付着後に有機質
バインダーを炭化させるべきである。なお、織布に付着
させた有機質バインダーを炭化させる場合には、有機質
バインダーとしては、炭化後の残存率が20%以上、特
に40〜65%のものを用いるのが好ましい。また、バ
インダー中に、粉末状活性炭、活性炭素繊維、ケッチェ
ンブラックのような多孔質カーボンブラックなどを混合
して織布に付着させてもよい。これらはバインダーに対
して10〜90重量%、特に30〜80重量%程度混合
するのが好ましく、これにより一般に最終的に得られる
導電性炭素質繊維織布の剛性を高めることができる。こ
の場合に、得られる炭素質繊維シートにおける、バイン
ダーないしその炭化物の含有量は、通常は0.01重量
%以上、好ましくは0.05重量%以上である。
【0033】またその上限は通常は25重量%であり、
20重量%以下、特に10重量%以下が好ましい。バイ
ンダーないしはその炭化物の含有量が多いと織布のガス
透過性が損なわれ易いので、剛性などが満足される限
り、これらの含有量は少ない方が好ましいともいえる。
かかる観点からはバインダーないしはその炭化物の含有
量は7重量%以下が好ましく、5重量%以下、特に4重
量%以下であれば更に好ましい。
【0034】次に、としては、バインダー又はその炭
化物で炭素質繊維を不連続に結着させるには、次のよう
な方法があげられる。まず、バインダー又はその炭化物
の種類としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂等熱
硬化性樹脂を選択することが好ましい。この熱硬化性樹
脂を、通常、平均粒径3μm以上、中でも平均粒径10
μm以上、通常、平均粒径50μm以下、中でも平均粒
径30μm以下、(最大粒径、通常、200μm以下、
中でも150μm以下、最小粒径、通常、0.1μm以
上、中でも0.5μm以上)の半硬化樹脂微粒子の分散
液として、織布に噴霧又は塗布し、適宜、乾燥、プレス
し、加熱して完全硬化することにより作成できる。
【0035】なお、半硬化とは、半硬化樹脂を大過剰の
メタノールで煮沸し、溶解量が30〜97重量%、中で
も70%〜95%程度のものを指す。熱硬化性樹脂は、
完全硬化していれば、大過剰のメタノール中では、実質
的に溶解しないが、完全硬化に至らない場合は、一部溶
解するので、溶解量によって硬化度を表すことが出来
る。乾燥は、通常、50〜170℃、好ましくは90〜
160℃で行えばよく、完全硬化は、用いる熱硬化性樹
脂の硬化温度以上であり、通常、120〜400℃、好
ましくは、180〜330℃で行えばよい。なお熱硬化
性樹脂としては、耐熱性、化学的安定性、導電性等を考
慮した場合、特に、フェノール樹脂及び変性フェノール
樹脂の半硬化物が好ましい。
【0036】有機質バインダーを多量に付着させた場合
には、付着後に有機質バインダーを炭化させるべきであ
る。なお、織布に付着させた有機質バインダーを炭化さ
せる場合には、有機質バインダーとしては、炭化後の残
存率が20%以上、特に40〜65%のものを用いるの
が好ましい。また、バインダー中に、粉末状活性炭、活
性炭素繊維、ケッチェンブラックのような多孔質カーボ
ンブラックなどを混合して織布に付着させてもよい。こ
れらはバインダーに対して10〜90重量%、特に30
〜80重量%程度混合するのが好ましく、これにより一
般に最終的に得られる導電性炭素質繊維シートの剛性を
高めることができる。この場合に、得られる炭素質繊維
シートにおける、バインダーないしその炭化物の含有量
は、通常は10重量%以上、好ましくは20重量%以上
で、通常、40重量%以下、なかでも35重量%以下、
更に好ましくは、30重量%以下である。このような熱
硬化性樹脂の半硬化物をバインダーとして剛性を高めた
シートは、炭素繊維間を半硬化物が「点接触」して結着
できるため、例えば液体状のフェノール樹脂を用いた場
合のように炭素繊維間同志の接着だけでなく、該繊維の
表面を樹脂が覆うために発生する電気抵抗増加が少なく
好ましい。
【0037】なお、織布を基材とする導電性炭素質繊維
シートは、炭素質繊維を製織する代りに、炭素質繊維の
前駆体繊維を製織し、次いで得られた織布を炭化、さら
には所望により黒鉛化することによっても製造すること
ができる。その好ましい方法の一つでは、ポリアクリロ
ニトリル系炭素質繊維の直接の前駆体である、ポリアク
リロニトリル系繊維を空気中で200〜300℃に加熱
(=耐炎化処理)して得た耐炎化繊維を製織して耐炎化
織布とし、これを窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲
気中で900〜1400℃に加熱して炭化処理し、所望
ならば更に1400〜3000℃に加熱して黒鉛化処理
することにより、炭素質繊維織布を得ることができる。
耐炎化処理に供するポリアクリロニトリル系繊維として
は長繊維でも短繊維を紡糸したもののいずれでもよく、
また糸も単糸及び双糸のいずれでもよい。また耐炎化処
理に際して繊維に延伸を施して、繊維の靭性を向上させ
ることもできる。
【0038】耐炎化繊維を製織して得た織布を炭化、さ
らには黒鉛化する際に繊維を相互に融着させると、バイ
ンダーを用いずとも本発明に係る導電性炭素質繊維織布
を製造することができるが、このようにして得られた織
布に、前記と同様にして、バインダーを付与して、織布
を構成する炭素質繊維を互に結着することもできる。ま
た炭化処理する前の耐炎化繊維織布に有機質バインダー
を付与して、織布の炭化と有機質バインダーの炭化とを
同時に行うこともできる。有機質バインダーとしては前
記したもののなかから適宜選択して用いればよい。耐炎
化繊維織布の炭化処理は、不活性ガス中で400〜14
00℃、好ましくは600〜1300℃で行えばよい。
織布の導電性の点からは700℃以上、特に800℃以
上に加熱するのが好ましい。黒鉛化を所望の場合には更
に1400〜3000℃、好ましくは1500〜250
0℃に加熱すればよい。
【0039】耐炎化繊維を製織して得た織布を炭化する
方法の好ましい態様の一つは、不十分な耐炎化処理を施
した繊維を用いて製織し、得られた織布を炭化するに際
して、織布を構成する繊維、さらには単繊維を相互に融
着させることである。すなわち通常の炭素質繊維の製造
に際しては、炭化処理に際して単繊維が融着しないよう
に十分に耐炎化処理(ピッチ系炭素質繊維の場合には不
融化処理)が行われており、従って最終的に得られる炭
素質繊維には融着は殆どみられない。耐炎化処理(不融
化処理)はピッチやポリアクリロニトリルの分子構造中
に酸素が導入される化学反応であり、通常は200〜3
00℃、高くても400℃未満の温度で、酸素と数十分
間接触させることにより行われる。そして一般に分子構
造中への酸素の導入量が多いほど炭化に際しての融着防
止効果が大きいとされる。その指標としては、一般にL
OI値と称する繊維を燃焼させるのに必要な酸素流量が
用いられているが、炭素質繊維の製造の場合にはLOI
値が35〜40の耐炎化繊維を用いるべきものとされて
いる。これに対し本発明におけるように繊維に積極的に
融着を起させる場合には、耐炎化処理時の酸素との接触
温度を低下させたり接触時間を短くしたりして、LOI
値が35以下、特に33以下の耐炎化繊維とするのが好
ましい。しかしLOI値が小さすぎると炭化処理に際し
て融着が激しくなりすぎて、得られる炭素質繊維織布が
脆くなるので、LOI値が20以上、特に25以上とな
るように耐炎化処理を行うのが好ましい。なお、このよ
うにして繊維相互間に融着を起させることに加えて、前
述のバインダーによる繊維の結着処理により、炭素質繊
維織布を構成する繊維相互の固定をより確実なものとす
ることもできる。
【0040】なお、耐炎化繊維を製織する代りに、その
更に前駆体であるポリアクリロニトリル系繊維そのもの
を製織して織布とし、これに耐炎化処理及び炭化処理、
さらには所望により黒鉛化処理を施すこともできる。こ
の場合には、織布を空気、オゾン、酸化窒素などの酸化
性ガスや、硫酸、硝酸などに接触させて、前述のLOI
値を有する耐炎化織布とすればよい。
【0041】上記により得られた導電性炭素質繊維シー
トは、そのままでも燃料電池のガス拡散層の材料として
用いることができるが、これを更に加工してガス拡散層
の材料として用いることもできる。例えば膜電極体に適
度の水分を保持させたり、電池に供給される燃料や酸化
剤に含まれる不純物を吸着除去して電池特性の低下を防
止するために、上記で得られた導電性炭素質繊維シート
に、800〜1200℃程度の水蒸気や二酸化炭素、又
は300〜500℃程度の空気を接触させ、炭素質の一
部をガス化して炭素質繊維に微細な孔を生成させ、多孔
性の炭素質繊維からなるシートとすることができる。な
お、この多孔化処理を行った場合に限らず、上記の各種
の方法により得られた導電性炭素質繊維シートは、最後
にプレスして均一でかつ所定の厚さを有するものに仕上
げるのが好ましい。織布は適度の剛性を有しているの
で、プレスにより容易に厚さを制御することができる。
【0042】本発明に係る導電性炭素質繊維シートは、
燃料電池のガス拡散層として好適に用いることができ
る。例えば、ポリテトラフルオロエチレンの分散液と触
媒及びカーボンブラックとを混合して得たペーストを高
分子固体電解質膜に塗布して高分子固体電解質膜と触媒
層との接合体を形成し、これに本発明に係る導電性炭素
質繊維シートをガス拡散層として接合することにより膜
電極体を形成することができる。高分子固体電解質膜と
触媒層との接合体の形成は、離型シート上にポリテトラ
フロオロエチレンの分散液と触媒及びカーボンブラック
とのペーストを塗布して触媒層を形成し、これと高分子
固体電解質膜とをホットプレスで接合することにより形
成することもできる。また逆に本発明に係る導電性炭素
質繊維シートに触媒ペーストを塗布してガス拡散層と触
媒層との接合体を形成し、これと高分子固体電解質膜と
をホットプレスで接合することにより膜電極体を形成す
ることもできる。いずれの方法による場合でも、本発明
に係る導電性炭素質繊維シートは適度の剛性を有してい
るので、取扱いが容易である。ガス拡散層材料として本
発明に係る炭素質繊維シートを用いた固体高分子型燃料
電池は、自動車用電源やコージェネレーション発電シス
テム用電源として好適に用いられるものである。
【0043】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明する。 実施例1 単繊維の直径が8μmのポリアクリロニトリル系の耐炎
化糸(LOI値38)の長繊維45〜50本に、よりをか
けながら集束した単糸からなる双糸(2/40Nm)
を、1インチ当り縦糸50本、横糸46本の密度で用い
て、平織の耐炎化織布を得た。この織布を窒素気流中で
900℃に加熱して炭化処理したのち、更にアルゴン雰
囲気中で2000℃に加熱して黒鉛化処理を行った。得
られた黒鉛化炭素質繊維織布の経緯密度は、縦糸が1イ
ンチあたり70本(276本/10cm相当)横糸が1
インチあたり54本(213本/10cm相当)であっ
た。この炭素質繊維織布を、濃度3重量%のフェノール
樹脂(レゾール型)のエタノール溶液に浸漬した。10
0℃で乾燥したのち220℃でホットプレスして導電性
炭素質繊維シートを得た。なお、フェノール樹脂を含浸
させたのちホットプレスすると、炭素質繊維織布は若干
収縮するので、製品の単位面積当りのフェノール樹脂付
着量は、ホットプレス前の付着量よりも多い。このもの
の物性を表1に示す。
【0044】実施例2 濃度1.5重量%のフェノール樹脂(レゾール型)溶液
を用いた以外は、実施例1と同様にして導電性炭素質繊
維シートを得た。このものの物性を表1に示す。 実施例3 濃度6重量%のフェノール樹脂(レゾール型)溶液を用
いた以外は、実施例1と同様にして導電性炭素質繊維シ
ートを得た。このものの物性を表1に示す。
【0045】実施例4 実施例3で得られた導電性炭素質繊維織布を窒素気流中
で900℃に加熱して、付着しているフェノール樹脂を
炭化させた。このものの物性を表1に示す。 実施例5 実施例1と同様にして製織した平織の耐炎化糸織布を9
00℃に加熱して炭化処理したのち、これを濃度6重量
%のフェノール樹脂(レゾール型)溶液に浸漬した。1
00℃で乾燥したのち220℃でホットプレスし、更に
アルゴン雰囲気中で2000℃に加熱して黒鉛化処理し
て、導電性炭素質繊維シートを得た。このものの物性を
表1に示す。
【0046】実施例6 濃度20重量%のフェノール樹脂(レゾール型)を用い
た以外は、実施例1と同様にして導電性炭素質繊維シー
トを得た。このものの物性を表1に示す。また、得られ
た導電性炭素質繊維シートから5mm×5mm角の大き
さのものを切り出し、走査型電子顕微鏡写真を撮影した
結果を図1に示す。 実施例7 実施例1で得られた黒鉛化炭素質繊維織布を、濃度10
重量%の平均粒径20μmのフェノール樹脂半硬化物
(該フェノール樹脂半硬化物メタノール煮沸時の溶解率
が95%)水分散液に浸漬した。100℃で60分間乾
燥した後、300℃でホットプレスして導電性炭素質繊
維シートを得た。 実施例8 フェノール樹脂半硬化物水分散液として、平均粒径20
μmのフェノール樹脂半硬化物(メタノール煮沸時の溶
解率が95%)の濃度5重量%の水分散液を用いた以外
は、実施例7におけるのと同様にして導電性炭素質繊維
シートを得た。このものの物性を表1に示す。また、得
られた導電性炭素質繊維シートから5mm×5mm角の
大きさのものを切り出し、走査型電子顕微鏡写真を撮影
した結果を図2に示す。図2から明らかなように、樹脂
成分の大部分の形状は約1μm〜10μm程度の球状で
あり、これらの大部分は炭素繊維間を「点接触」するよ
うな形で存在していた。また、炭素繊維の表面は、樹脂
で被覆された様子は観察されなかった。
【0047】実施例9 ポリアクリロニトリル繊維(PAN)を空気酸化して耐
炎化処理して得た「LOI値50」のPAN耐炎化繊維を
紡績してスライバを作製した。次にこのスライバを精紡
して、メートル番手51番手の双糸(2/51Nm)を得
た。得られた糸の毛羽数を市販の光学式毛羽カウンター
(SHIKIBO F−INDEX TESTER)に
て測定したところ、3mm以上の毛羽長の毛羽個数が糸
10m長あたり300個であった。この双糸を縦糸及び
横糸に用い、縦糸が1インチあたり51本、横糸が1イ
ンチあたり45本の経緯密度で平織することによる耐炎
化繊維織布を得た。次に、この耐炎化織布を窒素雰囲気
中で950℃で炭素化処理した後、さらに、真空下で2
300℃で黒鉛化処理をして、黒鉛化炭素質繊維織布を
得た。得られた黒鉛化炭素質繊維織布の経緯密度は、縦
糸が1インチあたり60本(236本/10cm相
当)、横糸が1インチあたり54本(213本/10c
m相当)であり、目付量が90m2/g、厚さが0.2
4mm」であった。得られた黒鉛化炭素質繊維織布を実
施例7におけるのと同様に、濃度10重量%の平均粒径
20μmのフェノール樹脂半硬化物(メタノール煮沸時
の溶解率が95%)の水分散液に浸漬した。100℃で
60分間乾燥した後、300℃でホットプレスして導電
性炭素質繊維シートを得た。このものの物性を表1に示
す。
【0048】比較例1 実施例1において、黒鉛化炭素質繊維織布を得るまでは
同様に行い、その後のフェノール樹脂処理を行わなかっ
た。このものの物性を表1に示す。 比較例2 濃度40重量%のフェノール樹脂(レゾール型)のエタ
ノール溶液を用いた以外は、実施例1におけるのと同様
にして導電性炭素質繊維シートを得た。このものの物性
を表1に示す。 比較例3 実施例9において、黒鉛化炭素質繊維織布を得るまでは
同様に行い、その後のフェノール樹脂処理を行わなかっ
た。このものの物性を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】*1)約8g/cm2の荷重をかけた時の
厚さを測定した。 *2)一辺40cmの正方形に切り出した試料の重量を
測定して算出した。 *3)定電流4探法測定装置(ダイアインスツルメンツ
社ロレスタAP)にて測定した。 *4)JIS L 1096の45゜カンチレバー法に
準拠した測定器(カンチレバーソフトネステスタ)を用
いて試験片の剛軟性を測定した。 *5)毛羽付着試験法により毛羽付着量を測定した。 *6)JISL1096の空気透過量測定法のA法(フ
ラジール法)に準拠して測定した。 *7)比較例1の導電性炭素質繊維織布の単位面積当り
の質量を基準にして算出した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例6で得られた導電性炭素質繊維シートの
走査型電子顕微鏡写真である。倍率は5000倍であ
る。
【図2】実施例8で得られた導電性炭素質繊維シートの
走査型電子顕微鏡写真である。倍率は5000倍であ
る。
フロントページの続き Fターム(参考) 4L048 AA05 AB01 BA01 BA02 CA15 DA24 EB05 5H018 AA06 AS01 BB01 BB03 BB05 BB06 BB08 BB17 DD05 DD06 EE05 EE06 HH00 HH03 HH05 HH06 5H026 AA06 CX02 CX03 CX04 CX07 EE05 HH03 HH05 HH06

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが、0.05mm以上、1mm以下
    であり、単位面積あたりの質量が、60g/m2以上、
    250g/m2以下であり、45゜カンチレバー法に準
    拠した剛軟性指数値(L)が、6cm以上であり、か
    つ、面方向の体積固有抵抗が、0.2Ωcm以下である
    ことを特徴とする、主として炭素質繊維からなり、通気
    性を有する導電性炭素質繊維シート。
  2. 【請求項2】 JIS L 1096 A 法(フラジ
    ール法)の通気性を示す空気量が50cm3/cm2・se
    c以上、150cm3/cm2・sec以下であることを特徴
    とする請求項1記載の導電性炭素質繊維シート。
  3. 【請求項3】 厚さが0.1〜0.5mmであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の導電性炭素質繊維シー
    ト。
  4. 【請求項4】 単位面積当りの質量が80〜200g/
    2 であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の導電性炭素質繊維シート。
  5. 【請求項5】 45°カンチレバー法に準拠した剛軟性
    指数値(L)が8cm以上であることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の導電性炭素質繊維シー
    ト。
  6. 【請求項6】 面方向の体積固有抵抗が0.07Ωcm
    以下であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の導電性炭素質繊維シート。
  7. 【請求項7】 炭素質繊維が互に融着しているか、又は
    バインダーもしくはその炭化物により互に結着されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の導電性炭素質繊維シート。
  8. 【請求項8】 炭素質繊維がバインダー又はその炭化物
    により表面被覆されて互に結着されており、かつバイン
    ダー又はその炭化物の含有量が0.01〜25重量%で
    あることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記
    載の導電性炭素質繊維シート。
  9. 【請求項9】 炭素質繊維が点在するバインダー又はそ
    の炭化物により互に結着されており、かつバインダー又
    はその炭化物の含有量が10〜40重量%であることを
    特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の導電性
    炭素質繊維シート。
  10. 【請求項10】 炭素質繊維が織布を形成していること
    を特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の導電
    性炭素質繊維シート。
  11. 【請求項11】 毛羽立ちの度合いが、毛羽付着試験法
    による判定指標で、2級〜5級であることを特徴とする
    請求項1ないし10のいずれかに記載の導電性炭素質繊
    維シート。
  12. 【請求項12】 厚さが、0.05mm以上、1mm以
    下であり、単位面積当りの質量が、 60g/m2
    上、250g/m2以下であり、45°カンチレバー法
    による剛軟性指数値(L)が、6cm以上であり、かつ
    面方向の体積固有抵抗 が、0.10Ωcm以下である
    ことを特徴とする、炭素質繊維織布又は炭素質繊維織布
    とこれに結合して繊維を相互に結着させているバインダ
    ーもしくはその炭化物とからなる通気性を有する導電性
    炭素脂質繊維シート。
  13. 【請求項13】 厚さが0.1〜0.5mmであること
    を特徴とする請求項12記載の導電性炭素質繊維シー
    ト。
  14. 【請求項14】 単位面積当りの質量が120〜200
    g/m2 であることを特徴とする請求項12又は13記
    載の導電性炭素質繊維シート。
  15. 【請求項15】 45°カンチレバー法による剛軟性指
    数値(L)が8cm以上であることを特徴とする請求項
    12ないし14のいずれかに記載の導電性炭素質繊維シ
    ート。
  16. 【請求項16】 面方向の体積固有抵抗が0.07Ωc
    m以下であることを特徴とする請求項12ないし15の
    いずれかに記載の導電性炭素質繊維シート。
  17. 【請求項17】 厚さが0.1〜0.5mm、単位面積
    当りの質量 が130〜170g/m2 、45°カンチ
    レバー法による剛軟性指数値(L)が8cm以上であ
    り、かつ面方向の体積固有抵抗が0.06Ωcm以下で
    あることを特徴とする、炭素質繊維織布又は炭素質繊維
    織布とこれに結合しているバインダーもしくはその炭化
    物とからなる通気性を有する導電性炭素質繊維シート。
  18. 【請求項18】 炭素質繊維が互に融着していることを
    特徴とする請求項12ないし17のいずれかに記載の導
    電性炭素質繊維シート。
  19. 【請求項19】 0.01〜7重量%のバインダー又は
    その炭化物を含んでいることを特徴とする請求項12な
    いし17のいずれかに記載の導電性炭素質繊維シート。
  20. 【請求項20】 炭素質繊維織布が炭素質繊維の前駆体
    を製織したのち炭化する工程 を経て製造されたもので
    あることを特徴とする請求項12ないし19のいずれか
    に記載の導電性炭素質繊維シート。
  21. 【請求項21】 毛羽立ちの度合いが、毛羽付 着試験
    法による判定指標で、2級〜5級であることを特徴とす
    る請求項12ないし20のいずれかに記載の導電性炭素
    質繊維シート。
  22. 【請求項22】 炭素質繊維がモノマーとしてアクリロ
    ニトリルを含む重合体を紡糸して得たアクリル系繊維の
    炭化物であることを特徴とする請求項1ないし21のい
    ずれかに記載の導電性炭素質繊維シート。
  23. 【請求項23】 請求項1ないし22のいずれかに記載
    の導電性炭素質繊維シートをガス拡散層材料として用い
    た固体高分子型燃料電池。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の固体高分子型燃料
    電池を組み込んだ自動車。
  25. 【請求項25】 請求項23に記載の固体高分子型燃料
    電池を組み込んだコージェネレーション発電システム。
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