JP2002327352A - 袋織りエアバッグ基布 - Google Patents

袋織りエアバッグ基布

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JP2002327352A
JP2002327352A JP2001128088A JP2001128088A JP2002327352A JP 2002327352 A JP2002327352 A JP 2002327352A JP 2001128088 A JP2001128088 A JP 2001128088A JP 2001128088 A JP2001128088 A JP 2001128088A JP 2002327352 A JP2002327352 A JP 2002327352A
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bag
airbag
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woven
base fabric
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Mariko Matsui
まり子 松井
Mamoru Kitamura
守 北村
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の袋織りエアバッグ基布は、従来の袋織
りエアバッグの問題点、特に内圧保持性能の向上に着目
し、袋部−エアバッグ作動時に袋体として膨張しない部
分の境界部からのエアー漏れに関する問題点を解決する
袋織りエアバッグ基布を提供することを目的とする。 【解決手段】複数枚の布帛を袋織りによって結合するこ
とにより袋を形成し、その袋部分(多重布部)とエアバ
ッグ作動時に袋体として膨張しない部分(エアバッグ作
動時に袋体として膨張しない部分(A部)及び/または
エアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分(A部)
+境界部(B部))との境界部通気度が、50kPa差圧下に
おいて0.25リットルl/cm/min以下であることを特徴と
する袋織りエアバッグ基布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車用安全装置の
一つであるエアバッグに関するものであり、輸送車両に
おける搭乗者を正面保護または側面保護するために特に
有益なエアバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車安全部品の一つとして、エ
アバッグは乗員の安全意識の向上に伴い、急速に装着率
が向上している。エアバッグは自動車の衝突事故の際、
衝撃をセンサーが感知し、インフレーターから高温、高
圧のガスを発生させ、このガスによってエアバッグを急
激に展開させ、乗員保護に役立つものである。
【0003】従来、エアバッグには運転席用、助手席用の正
面からの衝突時に乗員を保護するものが装着されてきた
が、最近では側部からの衝突にも対応できるエアバッグ
が開発されてきた。
【0004】運転席用、助手席用のエアバッグには従来2枚
のエアバッグ基布を縫製することによって、作製されて
いる。しかし、最近エアバッグの性能向上および製造コ
ストの削減から製織段階でバッグを形成することが出来
る袋織り技術が注目されてきた。
【0005】また、側面保護用エアバッグは、自動車のロー
ルオーバーを想定している場合が多く、運転席用、助手
席用のエアバッグとは異なり、展開後に内圧保持時間を
数秒から10秒程度確保する必要があるとされている。そ
れによって車両がロールオーバー中にも乗員の頭部が保
護できるように設計されている。よって、織物本体から
のガス漏れを防がなければならず、縫製品では縫い目か
らの空気漏れがあるため実用的ではない。現状は袋織り
エアバッグ基布に表面コーティングしていることが通常
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、運転席用お
よび助手席用袋織りエアバッグの場合、数秒から10秒程
度の内圧保持が不必要なため、通常軽量、コンパクト化
を目的としてノンコート布が用いられている。そのた
め、低通気性の高密度織物が必要とされている。また、
運転席用および助手席用および側面保護用のどの袋織り
エアバッグも、展開した際、袋体として膨張しない部分
と袋部の境界部分の目ずれからのエアー漏れやインフレ
ーターからの残さの飛び出しが大きな問題となってお
り、この問題を解決するため高密度織物が必要とされて
いる。
【0007】しかも、現段階においては、側面衝突用袋織り
エアバッグ基布の場合、自動車の横転を想定しているこ
とが多く、バッグの内圧保持性能を向上させるため、袋
織りエアバッグ基布に表面コーティングしたエアバッグ
を使用している。しかし、現状では自動車の横転に耐え
うる内圧保持性能を満たすことが出来ていない。
【0008】特開平4-193646号公報において、袋織エアバッ
グの接結一重組織を内側、外側の2つに分け、経糸、緯
糸の拘束度の異なる織組織を当てはめることを提案して
いるが、内外における拘束度の差の規定は無く、エアバ
ッグ展開時に求められる内圧保持性能を十分に得られる
だけの提案となっていない。
【0009】そのため、本発明の袋織りエアバッグ基布は、
従来の袋織りエアバッグの問題点、特に内圧保持性能の
向上に着目し、袋部−エアバッグ作動時に袋体として膨
張しない部分の境界部からのエアー漏れに関する問題点
を解決する袋織りエアバッグ基布を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段、即ち本発明は、複数枚の布帛を袋織りによって
結合することにより袋を形成し、その袋部分(多重布
部)とエアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分
(エアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分(A
部)及び/またはエアバッグ作動時に袋体として膨張し
ない部分(A部)+境界部(B部))との境界部通気度
が、50kPa差圧下において0.25リットル/cm/min以下で
あることを特徴とする袋織りエアバッグ基布である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の袋織りエアバッグ基布を
構成する原糸は、特に素材を限定するものではないが、
特にナイロン66、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン12
などの脂肪族ポリアミド繊維、アラミド繊維のような芳
香族ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレートやポ
リブチレンテレフタレートなどのホモポリエステルが使
用される。他には全芳香族ポリエステル、超高分子量ポ
リエチレン繊維、PPS繊維、ポリエーテルケトン繊維な
どが挙げられる。ただし、経済性を勘案するとポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維(ナイロン66、ナイロン6、
ナイロン46)が特に好ましい。また、これらの合成繊維
には原糸製造工程や後加工工程での工程通過性を向上さ
せるために、各種添加剤を含有しても何ら問題はない。
例えば、酸化防止剤、熱安定剤、平滑剤、帯電防止剤、
増粘剤、難燃剤などである。
【0012】また、この基布をエアバッグとして製品化する
際、通気度低下や目ずれ防止のためのコート剤としては
特に限定するものではなく、クロロプレン、クロルスル
フォン化オレフィン、シリコーンなどの合成ゴムを塗付
またはゴム状のものを接着剤を介してラミネートしても
良いし、接着剤を介さずそのままラミネートすることも
可能である。また、エアバッグとして性能を満たせば、
コーティングやラミネートを施さなくてもノンコート基
布で構わないし、ノンコート基布にカレンダー等の後加
工を施しても構わない。
【0013】また、製織の際使用される織機についても特に
限定はなく、例えばウォータージェットルーム、エアジ
ェットルーム、レピアルーム、プロジェクタイルルーム
などが使用される。しかし、織生産性、経糸へのダメー
ジ、糸汚れなどを考慮するとウォータージェットルー
ム、エアジェットルームが特に好ましい。
【0014】また、袋織りの柄を決定する際には、ジャカー
ド装置やドビー装置が用いられる。特に複雑な柄出しを
するためには、ジャカード装置(電子式、機械式)が必
要となり、更に生産性、柄変更の容易さより電子式ジャ
カード装置が好ましい。更に、袋織の枚数は複数枚の製
織が可能であるが、通常2〜6枚程度が好ましい。
【0015】以下、本発明の袋織りエアバッグ基布の好まし
い例を添付図面を参照して詳述する。
【0016】図1の例は、今回使用した袋織りエアバッグの
模式図である。形状等の因子を省くため、インフレータ
取付け口やバッグの複雑な形状は取り入れず簡単化した
図面とした。1が袋織部(多重布部)、2が袋織部とA部
との境界部(B部)、3がエアバッグ作動時に袋体として
膨張しない部分(A部)である。ここで、1の袋織組織は
今回の例の中では2重織の袋を形成しているため、図2に
示す組織図は2重織の一例であり、実際は、これ以外の
袋組織を使用しても構わない。
【0017】図2は、袋組織(2重織)の組織図例である。
【0018】図3は、エアバッグ作動時に袋体として膨張し
ない部分(A部、図1-3)の織組織一例であり、織物とし
て構成できる組織であれば、特に問題は無い。但し、自
動車部材とエアバッグを組み付ける工程等を考慮する
と、糸緩みが起こるような甘い織組織、例えば20×20バ
スケット織以上の拘束度の低い織組織は避けた方が好ま
しい。また、A部を構成する織組織は、境界部(B部)と
同じ織組織であっても構わない。しかし、拘束度の低い
織組織をA部に用いる場合、A部とB部は異なる織組織を
用いなければ境界通気度を50kPa差圧下において0.25l/
cm/min以下に抑えることは出来ない。ここで、本発明
で通気度を規定する袋部との境界は、織組織によって、
A部のみ、B部のみ、A+B部の3種類に分けられる
が、エアバッグ作動時に膨張しない部分を総称してA部
とするため、A部のみ=B部のみとなる。よって本発明
で言うエアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分
は、A部および/またはA+B部となる。
【0019】図4は、袋部−A部の境界部(B部)の織組織一
例であり、これは、袋部形状を形成でき、かつ、境界部
通気度が0.25リットル/cm/min以下となる織組織であ
れば、いかなる織組織構成であっても構わない。
【0020】また、境界部通気度は50kPa差圧化において0.2
5リットル/cm/min以下であればエアバッグの安全性を
十分確保することが出来るが、さらにエアバッグの内圧
保持性能を向上させ、安全性を高めるには、50kPa差圧
化における直線境界部通気度が0.2リットル/cm/min以
下であることが好ましく、更に好ましくは0.1リットル
/cm/min以下である。
【0021】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明をさらに詳述
する。以下に示す実施例及び比較例における評価は、次
の方法で行い、表示した。
【0022】通気度:今回用いた高圧通気度測定器は測定面
が直径10cmの円であるため、サンプル布は境界部(B
部)のある方向を縦とした場合、縦方向15cm、横方向は
B部をはさんで袋部分のみで7.5cm、A部1cmに切り出し
(図1の点線a、b)、境界部Bを中心にして、袋部部分を
開き、サンプル布とし測定面に設置した。図5に上記通
気度測定用サンプル布の平面図を示す。このサンプル布
を用い、以下に記す方法で境界通気度(単位:l/cm/m
in)を測定する。
【0023】1.)高圧通気度測定器を用い、サンプル布にか
かる差圧を50kPaとし、差圧50kPa下でのサンプル布から
の流量(l/min)を計測。 2.)測定面のサンプル布袋部分面積A(cm2)を算出し、
またサンプル布測定面の境界部長さB(cm)を測長す
る。 3.)次に、袋部1枚をサンプルとし、50kPa差圧下でのサ
ンプルからの流量(l /min)を計測し、単位面積辺り
の通気量(l/cm2/min)を算出。 4.)下記式を用い、境界部通気度を算出する。 {流量−(A×通気量)}/B=境界部通気度(l/c
m/min) また、値は経糸境界部及び/または緯糸境界部を5回測
定し、その平均値で境界部通気度値とする。
【0024】目開き量:目開き量の測定は、JIS-L1096-8.2
1.1に準拠して行った。すなわち、袋部(図1−1)とエ
アバッグ作動時に袋体として膨張しない部分(A部、図1
-3)の境界部(B部、図1-2)を含むサンプルを切り出
し、引張試験機で次の条件で引張り、その時の目開き量
を測定する。
【0025】1)境界部(B部)が引張方向に対し直角になる
ように幅3cm、チャック間長さ15cmに設定できるように
サンプルを切り出し(図1の点線c、d)、境界部(B部)
がチャック間長さ方向の中央になるように設定する。
【0026】2)引張試験機を用い、引張速度500mm/minで
荷重294N時に引張を停止し、その時に織目が最大に開い
た箇所の両端の距離をサンプル引張状態のままノギス、
メジャーを使用して測定する。
【0027】3)境界部通気度測定サンプルと同様の箇所に
て5回測定し、その平均値で目開き量値とする。
【0028】バッグの品位:加工まで仕上がった袋織りエア
バッグ基布及び袋織りエアバッグの経糸のつりや糸緩み
等の欠点を考慮して、評価を、◎:大変良好、○:良
好、△:普通、×:悪い、で印付けしている。
【0029】総合評価:直線境界部通気度、目開き量、バッ
グの品位を総合的に評価し、得られるエアバッグとして
の性能、安全性を考慮して、評価を、◎:大変良好、
○:良好、△:普通、×:悪い、で印付けしている。
【0030】
【実施例1】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、沸水収縮工程を通過させ、引き続き乾燥、セット工
程を経て加工反を作成した。この試料のA部及びB部には
共に、部分接合を持つ2重組織とした。この時のA部及び
B部の組織図例を図6に示す。
【0031】
【実施例2】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部には、2×2バスケット織を用い、B部
にはA部の終り目と糸の浮き沈みが上下逆転の組織を1列
挿入した。この時のA部及びB部の組織図例を図7に示
す。
【0032】
【実施例3】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部には、4×4バスケット織を用い、B部
には、袋部(二重部)の終り目と糸の浮き沈みが上下逆
転の組織を1列挿入した。この時のA部及びB部の組織図
例を図8に示す。
【0033】
【実施例4】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部及びB部には共に、袋部(二重部)の
終り目と糸の浮き沈みが上下逆転の組織とし、その次の
列には前列の逆転組織を、というような交互の織組織を
用いた。この時のA部及びB部の組織図例を図9に示す。
【0034】
【実施例5】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部には、20×20バスケット織を用い、B
部には、実施例4に用いたA部及びB部の交互組織を2列挿
入した。この時のA部及びB部の組織図例を図10に示す。
【0035】
【比較例1】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部及びB部には共に、4×4バスケット織
を用いた。この時のA部及びB部の組織図例を図11に示
す。
【0036】
【比較例2】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部及びB部には共に、3×3バスケット織
を用いた。この時のA部及びB部の組織図例を図12に示
す。
【0037】
【比較例3】経、緯糸に350dtex/108fのナイロン66フィ
ラメント原糸を用い、エアージェットルームと電子ジャ
カード装置を用いて平織にて図1-1部を2重袋部で経60本
/2.54cm、緯60本/2.54cmになるように袋織りにて製織
後、実施例1と同一の加工工程を通過させ基布を作成し
た。この試料のA部には3×3のバスケット織を用い、B部
には、特開平4−193646の実施例1に使用されている2×2
のバスケットを1列(糸本数4本)挿入した。この時のA
部及びB部の組織図例を図13に示す。
【0038】実施例、比較例について、その特性を評価した
結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1からも明らかなように、実施例1、2、3、
4、5の場合は、目開き量も小さく、かつ通気度も0.25l/
cm/min以下と低いことから、エアバッグとして展開した
際も、袋部とエアバッグ作動時に袋体として膨張しない
部分との境界部からのエアー漏れ減少につながることが
わかる。
【0041】また、実施例1においては、A部、B部とも同じ
組織を用いているため、A部−B部間での段差が出来ず、
また、部分接合を持つ2重織組織であるため袋部とのク
リンプ率差、厚み差にほとんど影響が無く、フラットな
基布に仕上がり、バッグの品位は大変良好なものとな
る。また、低通気でかつ境界部目開きが小さく、バッグ
の品位も大変良好であるため、得られたエアバッグの性
能、安全性も大変良好となる。
【0042】実施例2、3の場合、袋部−A部の境界部にA部最
終目や袋部最終目の糸の浮き沈み上下逆転組織が入るた
め、実施例1と比較すると、境界部に多少の段差が出来
る。この差によってバッグの厚み均一性が多少落ちる。
しかし、この境界部によりシワ等の欠点を増やすような
悪さはなく、バッグの品位は良好である。
【0043】また、実施例4の場合、A部、B部とも同じ組織
を用いているため、A部−B部間での段差は出来ない。さ
らに、境界部の通気度も低く、目開きも小さいため、得
られるエアバッグの性能は良好である。しかし、A部、B
部ともにこのように拘束度の高い組織で高密度織を実施
した場合、全体的に基布がつり、製織性が低下する傾向
にある。そのため、得られる基布の品位が低下するが、
極端に品位を悪化させるほどではない。
【0044】実施例5の場合、袋部−A部の境界部に袋部最終
目の逆転組織が挿入されるため低通気でかつ目開き量の
小さくすることが可能となり、得られるエアバッグの性
能は良好である。ただし、A部に20×20のバスケット織
を用いているため、A部布地の拘束度が低く、組織自体
が甘くなる。そのため、基布をカットした際に糸緩みが
起こる等、エアバッグを自動車部材に組み付ける工程等
での作業性を低下させる可能性がある。ただし、作業性
を著しく低下させる事はなく、エアバッグの性能自体は
良好であるため、総合評価としては普通である。
【0045】比較例1、2の場合、A部、B部とも同じ組織を用
いているため、バッグの厚み均一性は得られ、得られる
バッグ品位は良好である。しかし、比較例1、2と同様に
袋部−A部が直接つながっている実施例1の例とは異な
り、この場合は、境界部での糸浮きが発生する。そのた
め境界部の目開き量が大きくなり、通気量も高くなる。
よって、エアバッグとして展開した際に袋部−エアバッ
グ作動時に袋体として膨張しない部分との境目からエア
ー漏れが起こり、エアバッグとしての性能を発揮できな
い。
【0046】比較例3の場合、特開平4−193646の実施例に記
載してある通り、A部より拘束度の高い組織を境界部(B
部)に挿入しているが、この程度の拘束度の差ではバッ
グが展開した際の目開き量やその部分からのエアー漏れ
には耐えられないという結果が得られた。つまり、この
組織では袋部−A部の境界部で発生する浮糸等の問題点
を解決できず、境界部目開き量が大きくなり、通気度の
上昇へつながるため、最終的に得られるバッグの性能は
低いものとなる。
【0047】
【発明の効果】本発明の袋織りエアバッグ基布は、袋部
とエアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分の境界
部通気度を低く抑えることによって、エアバッグ膨張時
においても、境界部の目ずれが低減し、インフレーター
からのエアー洩れを防ぐことができ、最終的にはエアバ
ッグの内圧保持性能を向上できるため、安全性に優れた
エアバッグを提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例に使用した袋織りエアバッグ基
布の1例を示す平面図。
【図2】実施例、比較例に使用した2重袋織部の組織図。
【図3】A部の織組織一例組織図。
【図4】B部の織組織一例組織図。
【図5】直線境界通気度測定用サンプル布の平面図。
【図6】実施例1に使用したA部及びB部の組織図。
【図7】実施例2に使用したA部及びB部の組織図。
【図8】実施例3に使用したA部及びB部の組織図。
【図9】実施例4に使用したA部及びB部の組織図。
【図10】実施例5に使用したA部及びB部の組織図。
【図11】比較例1に使用したA部及びB部の組織図。
【図12】比較例2に使用したA部及びB部の組織図。
【図13】比較例3に使用したA部及びB部の組織図。
【符号の説明】
1:袋部 2:境界部(B部) 3:エアバッグ作動時に膨張しない部分(A部) a:通気度測定用サンプル切り出し例 b:通気度測定用サンプル切り出し例 c:目開き量サンプル切り出し例 d:目開き量サンプル切り出し例

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数枚の布帛を袋織りによって結合するこ
    とにより袋を形成し、その袋部分(多重布部)とエアバ
    ッグ作動時に袋体として膨張しない部分(エアバッグ作
    動時に袋体として膨張しない部分(A部)及び/または
    エアバッグ作動時に袋体として膨張しない部分(A部)
    +境界部(B部))との境界部通気度が、50kPa差圧下に
    おいて0.25リットル/cm/min以下であることを特徴と
    する袋織りエアバッグ基布。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012026455A1 (ja) 2010-08-23 2012-03-01 旭化成せんい株式会社 エアバッグ用基布

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