JP2002327146A - アクリルウレタン塗料組成物 - Google Patents

アクリルウレタン塗料組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品形状への賦形性を損なうことなく、十分
な耐薬品性と耐傷付き性とを両立させた透明なハードコ
ート層を樹脂成形品の表面に形成することができる二液
型のアクリルウレタン塗料組成物と、このような塗料組
成物を適用した樹脂製自動車用内外装部材および塗装代
替フィルムを提供する。 【解決手段】 非プロトン性有機溶媒と、アクリルポリ
オールと、2官能以上のイソシアネート基を有するプレ
ポリマーに、可視光線波長よりも小さい、5〜300n
m径を有し、水酸基の疎水基への置換率が15%以上の
疎水性シリカ微粒子を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリルウレタン
塗料組成物に係わり、さらに詳しくは樹脂成形品表面に
対する密着性に優れ、しかも伸展性を有し部品形状への
賦形性がよく、透明性、耐傷付き性、耐薬品性、耐候性
に優れた透明なハードコート層を形成する二液型のアク
リルウレタン塗料組成物と、このようなアクリルウレタ
ン塗料組成物を適用した部品やフィルムに関するするも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、バンパーやサイドモールなどの
プラスチック製自動車外装部品は、大半が射出成形によ
って成形されるが、意匠性、耐擦傷性といった観点か
ら、ほとんどの場合アクリル変性メラミン系あるいはア
クリル変性イソシアネート系の熱硬化性樹脂塗料を成形
品にスプレー塗装したのち、焼き付けによって架橋させ
る方法により塗装が施されている。すなわち、わざわざ
塗装設備と乾燥設備を用いて、プラスチック射出成形品
に塗料を塗布したのち乾燥させるという多くの工程を必
要とするため、多くの費用がかかるという問題があっ
た。さらに乾燥時に揮発性の有機溶剤が排出されるとい
う作業環境衛生や環境保護上の問題についても考慮する
必要があった。
【0003】近年、このような問題を解決あるいは軽減
するために、種々の方法が検討されている。例えば特表
平2−503077号公報には、クリア層(透明層)、
着色層、およびバックアップシート(基材層)から構成
される複合シートを予備成形した後、これをあらかじめ
金型に挿入しておき、合成樹脂を成形して一体化し、着
色成形品を得る方法が提案されている。
【0004】さらに、クリア層、着色層、および基材層
が順次積層されてなる複合フィルムであって、クリア層
と着色層が熱可塑性アクリル系の樹脂、基材層がポリオ
レフィン系樹脂からなり、射出成形後の外観に優れるア
クリル系塗装代替フィルムに関する出願がなされている
(特開平11−207896、特開平11−20789
8、特開平11−207899)。また、熱可塑性アク
リル系の樹脂は、一般に透明性、表面光沢、耐候性など
に優れていることから、当該アクリル系樹脂成形体のヘ
ッドランプ、テールランプ、グレージングといった車両
外装品などへの用途開発が検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記複
合シートは、一般に予備成形における加熱処理の段階に
おいて、サメハダ現象と呼ばれる表面凹凸の発生による
外観不良が発生しやすく、この現象は射出成形後におい
ても解消せず、その結果として像鮮映度の高い成形品を
得ることができないという問題点がある。
【0006】また、アクリル系塗装代替フィルムについ
ては、部品形状への賦形性は良好であるものの、表面硬
度が低く、耐擦傷性が不十分であるばかりでなく、耐薬
品性も不十分である。
【0007】さらに、アクリル系樹脂成形体は、その表
面の耐擦傷性が不足しているため、砂塵などの接触や衝
突によって表面が損傷を受けやすく、美観や透明性を活
かした本来の機能が損なわれ、その商品価値を著しく低
下させたり、短時間で使用不能となったりするため、表
面の耐擦傷性を改善することが強く要求されている。な
お、アクリル系樹脂成形体の表面に二液型のアクリルウ
レタン樹脂を塗布し、熱硬化させることによって耐擦傷
性を向上させる手法が用いられているが、架橋密度を大
きくすることによって塗膜の硬度を上げて耐擦傷性を向
上させると、塗膜の伸展性が不十分で部品形状への賦形
性が悪くなり、架橋密度を小さくして賦形性を向上させ
ると、塗膜の硬度が不足して耐擦傷性が劣化するという
問題がある。
【0008】さらにまた、特開平09−202706号
公報、特開平11−043645号公報、特開平11−
228719号公報には、表面に二液型ポリウレタン樹
脂を塗布し、熱硬化させることによって、伸展性があっ
て部品形状への賦形性に優れたハードコーティングがな
されたアクリル系樹脂成形体が提案されているが、耐薬
品性は向上しているものの、表面硬度が低く耐擦傷性が
不十分であるという問題点があり、このような問題の解
消が自動車用外装部品など、従来の樹脂製部材における
課題となっていた。
【0009】
【発明の目的】本発明は、従来の樹脂製部材における上
記課題に鑑みてなされたものであって、部品形状への賦
形性を損なうことなく、十分な耐薬品性と耐傷付き性
(耐擦傷性)とを両立させた透明なハードコート層を樹
脂成形品の表面に形成することができる二液型のアクリ
ルウレタン塗料組成物と、このような塗料組成物を適用
した樹脂製自動車用内外装部材および塗装代替フィルム
を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的の
達成に向けて、溶媒分散型シリカ微粒子を補強材として
添加した多くの種類の系について鋭意検討した結果、 非プロトン性有機溶媒を用いることにより、溶媒と
イソシアネート基との反応が抑制され、硬化反応が阻害
されないために、良好な塗膜物性を備えた硬化塗膜が得
られること、 シリカ粒子表面の水酸基の疎水基への置換率がある
一定値以上であることにより、シリカ微粒子の均一分散
が維持されることから、透明性が保持され、同時にイソ
シアネート基とアクリルポリオールの硬化反応が阻害さ
れないため、良好な補強効果が得られること、 シリカ微粒子の粒径が可視光線波長以下のある範囲
内であることにより、可視光線以下であって、しかも分
散性も良好であるため透明性が維持され、同時にイソシ
アネート基とアクリルポリオールの硬化反応が阻害され
ず、マトリックス補強の最適粒径であるため、良好な塗
膜物性を備えた硬化塗膜が得られること、を見出すに至
った。
【0011】本発明は、上記知見に基づくものであっ
て、本発明に係わるアクリルウレタン塗料組成物は、非
プロトン性有機溶媒に溶解したアクリルポリオールと、
2官能以上のソシアネート基を有するプレポリマーから
なる二液型のアクリルウレタン塗料組成物であって、5
〜300nm径の疎水性シリカ微粒子が分散しており、
該シリカ微粒子の表面に存在する水酸基の疎水基への置
換率が15%以上である構成としたことを特徴としてお
り、アクリルウレタン塗料組成物におけるこのような構
成を前述した従来の課題を解決するための手段としてい
る。
【0012】本発明に係わるアクリルウレタン塗料組成
物の好適形態としては、アクリルウレタン樹脂の固形分
100重量部に対する疎水性シリカ微粒子の添加量が2
〜50重量部であることを特徴とし、同じく好適形態と
しては、前記非プロトン性有機溶媒がケトン系、カルボ
ン酸エステル系、アミド系、エーテル系溶媒、トルエン
およびキシレンのうちの少なくとも1種である構成と
し、さらに好適な実施形態としては、脂肪族イソシアネ
ートまたは脂環式イソシアネートとポリオールとを反応
せしめ、未反応の脂肪族イソシアネートまたは脂環式イ
ソシアネートを実質的に除去して得られる2官能以上の
イソシアネート基を有するプレポリマーと、ガラス転移
温度が30〜100℃であり、かつ樹脂基準で10〜2
00mgKOH/gの水酸基価を有するアクリルポリオ
ールをNCO/OH当量比が0.5〜2.0の割合とな
るように配合してなる構成としたことを特徴としてい
る。
【0013】本発明に係わる自動車用内外装材は、上記
アクリルウレタン塗料組成物による塗膜を樹脂製部材の
表面に積層してなることを特徴とし、本発明に係わる塗
装代替フィルムは、ハードコート層とクリア層と着色層
と基材層、あるいはハードコート層と着色層と基材層が
順次積層されてなる複合フィルムであって、前記ハード
コート層が上記アクリルウレタン塗料組成物による塗膜
であることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係わるアクリルウレタン
塗料組成物においては、非プロトン性有機溶媒を用いて
いるので、溶媒とイソシアネート基との反応が抑制さ
れ、硬化が促進されて塗膜性能が向上すると共に、可視
光線波長より小さい5〜300nmの粒径であって、そ
の表面の水酸基の疎水基への置換率が15%以上のシリ
カ微粒子を補強材として使用しているので、疎水性が付
与されて非プロトン性有機溶媒の使用が可能となり、該
有機溶媒中での分散が安定になって、透明性が保たれ、
良好な補強効果が得られることになる。
【0015】このとき、疎水性シリカ微粒子の径が5n
mよりも小さいと、分散が不安定で、凝集して透明性が
損なわれる恐れがあり、逆に300nmよりも大きい
と、可視光線波長よりも大きくなるので透明性が損なわ
れ、また、マトリックスの補強効果も小さなものとな
る。また、該シリカ微粒子表面に存在する水酸基のうち
の疎水基への置換率が15%に満たないと、シリカ微粒
子の疎水性が十分でなくなり、非プロトン性有機溶媒中
における分散性が悪くなり、良好な補強効果も得られな
くなる。
【0016】疎水性シリカ微粒子の疎水化は、ジシロキ
サン化合物および/またはモノアルコキシシラン化合物
によりシリル化したものである。本発明で用いるシリル
化剤としてのジシロキサン化合物は、一般式(1)
【化1】 で表される。なお、式中、R,R,R,R,R
およびRは、それぞれ独立して炭素数1〜20のア
ルキル基およびフェニル基から選ばれた1種の置換基で
任意に置換されていてよい。このジシロキサン化合物
は、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジブチルテト
ラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチ
ルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロ
キサン、ヘキサエチルジシロキサン、3−グリシドキシ
プロピルペンタメチルジシロキサン、などが挙げられ
る。特に、ヘキサメチルジシロキサンが好ましい。
【0017】そして、シリル化剤としてのモノアルコキ
シシラン化合物は、一般式(2)
【化2】 で表される。なお、式中、R,RおよびRは、そ
れぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基およびフェ
ニル基から選ばれた1種の置換基で任意に置換されてい
てよい。Qは炭素数1〜3のアルキル基からなる群から
選ばれた1種の置換基で任意に置換されていてよい。こ
のモノアルコキシシラン化合物は、トリメチルメトキシ
シラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポ
キシシラン、フェニルジメチルメトキシシラン、クロロ
プロピルジメチルメトキシシラン、などが挙げられる。
特に、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシ
シランおよびトリメチルプロポキシシランが好ましい。
【0018】これらのシリル化剤は、単独で用いても、
2種類以上のものを併用してもよい。無機粒子の表面処
理にしばしば用いられているトリアルコキシシラン化合
物は、結合基を3つ持つことから反応性が高い反面、自
己縮合や粒子間の縮合を引き起こし、分散性の良好なゾ
ルを得るのが困難である。また、アルコキシ基から生じ
た未結合のシラノール基も多く残り易く、粒子の分散効
果も不十分となる。本発明に用いるシリル化剤は、単官
能性であって、それ自体の重合やシリカ粒子間の架橋を
起さない。
【0019】また、通常シリル化処理に用いられるハロ
ゲン化シランやシラザン化合物は、反応時にハロゲン化
水素やアンモニアを副生し、これらがゾルの凝集を引き
起こす。一方、本発明で用いる上記シリル化剤の反応副
生物としては、水または炭素数1〜3のアルコールであ
り、シリカ粒子の凝集などを引き起こす心配はない。し
かも本発明においては、これらの副生物は工程内で容易
に除去することができる。
【0020】シリル化剤として、特にヘキサメチルジシ
ロキサン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエト
キシシランおよびトリメチルプロポキシシランは、反応
性が高く、低価格であり、蒸留操作による除去および回
収も容易であるため好ましく使用することができる。こ
れらは、珪酸鉱物の構造決定のためのシリル化剤として
用いられていたが、通常反応性が低く、pH1以下の塩
酸水溶液などにより加水分解して用いられていた。しか
し、弱酸性の反応混合物に含有させることにより、親水
性コロイド状シリカ表面に吸着後、反応しシラノール基
をシリル化し、少量の水を生成することを見出した。反
応混合物のpHが4.5を超えると、この反応は著しく
遅くなる。また、pH2未満にするにはゾルに多くの酸
を添加しなければならず、シリカゾル自体の安定性も損
なわれるため好ましくない。ここで、反応混合物中のp
Hとは、反応混合物と等重量の純水を混合して、ガラス
電極法にて測定した値である。
【0021】可視光線波長以下の直径を有するシリカ微
粒子の添加量は、アクリルウレタン樹脂の固形分100
重量部に対して2〜50重量部とすることが望ましく、
2重量部より少ないと、その添加効果が得難く、50重
量部よりも多いと、塗膜性能は維持されるものの透明性
が損なわれる傾向があるので好ましくない。なお、コス
トアップを避ける観点からは、2〜30重量部とするこ
とが望ましい。
【0022】非プロトン性有機溶媒としては、ケトン
系、カルボン酸エステル系、アミド系、エーテル系溶媒
などが活性プロトンを持たず、極性が高いので好まし
い。さらに、非プロトン性有機溶媒は、トルエンやキシ
レンが活性プロトンを持たないので好ましい。アルコー
ルなどの活性プロトンを持った溶媒では、イソシアネー
トと反応して硬化が阻害されるので好ましくない。
【0023】非プロトン性有機溶媒のうち、ケトン系溶
媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トンなどが用いられ、カルボン酸エステル系溶媒として
は、酢酸エチル、酢酸ブチルなどが用いられ、アミド系
溶媒としては、ジメチルアセトアミドなどが用いられ、
エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテルなどが用い
られる。
【0024】本発明におけるイソシアネートとしては、
脂肪族または脂環族イソシアネートが用いられる。そし
て、脂肪族イソシアネートとしては炭素数4〜30のも
のが、脂環族イソシアネートとしては炭素数8〜30の
ものが好ましく用いられる。このような脂肪族または脂
環族イソシアネートとしては、例えばテトラメチレンジ
イソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチ
レンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネ
ート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,
4″−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を挙
げることができる。これらのうち、耐候性、工業的入手
の容易さからヘキサメチレンジイソシアネートが好まし
い。
【0025】本発明で用いられるポリオールは、ポリエ
ーテルポリオールおよびポリエステルポリオールから選
ばれる少なくとも1種である。本発明で用いられるポリ
エーテルポリオールは、ポリエーテル鎖の両末端に水酸
基が結合した構造を有する公知のものであり、ポリエス
テルポリオールは、ポリエステル鎖の両末端に水酸基が
結合した構造を持つ公知のものである。
【0026】本発明のアクリルウレタン塗料の成分であ
るアクリルポリオールは、従来用いられていたものをそ
のまま転用することができる。すなわち、加熱装置、攪
拌機、モノマー注入装置などを備えたアクリル重合体製
造装置を用いて、適当な溶媒の存在下において溶液重合
法で製造することができる。
【0027】上記アクリルポリオールの製造に用いられ
る不飽和単量体の代表例を示せば、次のとおりである。 1.水酸基含有アクリル系モノマー:2−ヒドロキシエ
チルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプ
ロピルアクリレートなど 2.ラジカル重合性不飽和モノマー (a)アクリル酸またはメタクリル酸のエステル:例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、
メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタク
リル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのア
クリル酸またはメタクリル酸のC1〜18アルキルまた
はシクロアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチ
ル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシ
エチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エト
キシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルコキシアルキルエステ
ル;グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリ
レートとC3〜18モノカルボン酸化合物(例えば、酢
酸、プロピオン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ラウリ
ン酸、p−t−ブチル安息香酸)との付加物、カージュ
ラE−10とアクリル酸などの不飽和酸との付加物など (b)ビニル芳香族化合物:例えば、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレン、
ビニルピリジンなど (c)α,1−エチレン性不飽和カルボン酸:例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸など (d)グリジシル基含有ビニル系単量体:例えば、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリ
ルグリシジルエーテルなど (e)アクリル酸またはメタクリル酸のアミド:例え
ば、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
N−ブトキシメチルアクリルアミドなど (f)アルコキシシラン基を有するエチレン性不飽和モ
ノマー:例えば、1−メタクリロキシトリメトキシシラ
ンなど (g)その他:アクリロニトリル、メタクリロニトリル
【0028】これらのラジカル重合性不飽和単量体は、
所望の樹脂物性に応じて適宜選択され、それぞれ単独で
用いてもよく、あるいは2種またはそれ以上を組み合わ
せて使用することもできる。上記水酸基含有アクリル系
モノマーとラジカル重合性不飽和モノマーの共重合は、
それ自体公知の方法に従い、例えば溶液重合で行うこと
ができる。重合は一般に、上記2種またはそれ以上のモ
ノマー成分を適当な溶媒中で重合触媒の存在下に、通常
40〜170℃の温度において4〜10時間反応させる
ことにより行うことができる。
【0029】上記の重合触媒としては、例えばアゾ化合
物、パーオキサイド系化合物、ジアゾ化合物、レドック
ス系などのラジカル重合用の開始剤を使用することがで
きる。かくして得られるアクリルポリオールのガラス転
移点(Tg点)は、本発明の目的に適合するように、3
0〜100℃の範囲となることが望ましい。Tg点が1
00℃を超えるものを用いると、低温特性(特に低温時
の耐衝撃性、耐屈曲性、機械強度)が劣化し、また30
℃未満のものを用いると耐候性に問題が生じることがあ
る。
【0030】ここで、アクリルポリオールのTg点は、
各ホモポリマーのTg点(℃)より、次式(3)を用い
て計算したものである。主なホモポリマーのTg点につ
いては、Polymer Handbook(2nd
Eition)(AWIREY Interscien
ce社刊)に記載されている。
【数1】 ここで、W,W,・・・は、アクリルポリオール中
のモノマーA,B・・・の各ホモポリマーの重量%、T
,Tg・・・は、モノマーA,B・・・の各ホモ
ポリマーのTg点(℃)である。なお、Polymer
HandbookにホモポリマーのTg点が与えられ
ていないモノマーを用いた場合のアクリルポリオールの
Tg点は、ディラトメトリー法、示差走査熱量計法など
を用いた実測によって得られる。
【0031】本発明で用いられるアクリルポリオールと
しては、樹脂基準で水酸基価が10〜200mgKOH
/gのものである。樹脂基準で水酸基価が10より低い
ポリオールは、塗膜中の架橋密度が小さく耐溶剤性など
に好ましくない影響がある。また、水酸基価が200よ
りも大きいポリオールを用いると塗膜の伸展性に好まし
くない影響を与える。なお、水酸基価は、JIS K−
1557の6.4に準じて測定した値である。
【0032】市販のアクリルポリオールとしては、アク
リデイクA−801,802(大日本インキ化学工業株
式会社製、商品名)、ヒタロイド3008,3083
(日立化成株式会社製、商品名)、コータックスLH−
601,603(東レ株式会社製、商品名)などがあ
る。
【0033】本発明においては、アクリルポリオール成
分(主剤)とイソシアネート成分(硬化剤)とをNCO
/OH当量比が0.5〜2.0の割合になるように混合
して用いられる。上記当量比が0.5より小さいと、塗
膜の架橋密度が低く、耐溶剤性、耐水性、耐候性が不良
となる。一方、2.0を超えてイソシアネートが過剰に
なると、塗膜が脆くなり耐候性が低下するばかりでな
く、乾燥性において満足しうる結果が得られない場合が
ある。その際、必要に応じてトリエチルアミン、テトラ
(2−エチルヘキシル)チタネート、ジラウリル酸ジ−
n−ブチルスズなどの硬化促進触媒を加えることができ
る。
【0034】本発明のアクリルウレタン塗料組成物に
は、光劣化、酸化劣化防止のため、ヒンダードフェノー
ル系、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系など
の安定剤を添加することができる。ヒンダードフェノー
ル系安定剤としては、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、2,2´−チオジエチ
ルビス−[3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル
−3−(3,5−ジ−ターシャリブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス
(4−ターシャリブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ
メチル)イソシアヌル酸など、ベンゾトリアゾール系安
定剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロ
キシ−3,5−ジ−ターシャリアミルフェニル)−2H
−ベンゾトリアゾールなど、ヒンダードアミン系安定剤
としては、ビス(1,2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、4−ベン
ゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ンなどがある。これらは、単独でも、混合して用いても
よい。特にヒンダードアミンとヒンダードフェノール、
またはヒンダードアミンとベンゾトリアゾールの組み合
わせが好ましい。安定剤の添加量は、プレポリマーに対
して100〜20000ppm、好ましくは500〜5
000ppmである。
【0035】本発明に係わる塗料組成物の樹脂成形体
(樹脂製部材)に対する塗布方法としては、刷毛塗り、
流し塗り、スプレー塗布、回転塗布、あるいは浸漬塗布
などの方法が採用される。これら塗布方法にはそれぞれ
一長一短があるので、使用用途によって適宜選択する必
要がある。例えば、樹脂成形体の一部のみに塗布したい
場合には、刷毛塗りあるいは流し塗りが適しており、成
形体の形状が複雑な場合には、スプレー塗布、成形体が
平坦で対称的な場合には、回転塗布、成形体の形状がロ
ッドあるいはシート状の場合には、浸漬塗布がそれぞれ
適している。
【0036】本発明に係わるアクリルウレタン塗料組成
物の樹脂成形体表面への塗布時の膜厚は、2〜75μm
が望ましく、2μmより薄いと、ハードコート層として
の効果が十分でなく、75μmよりも厚いと伸展性が悪
くなり部品形状への賦形性が劣化する可能性がある。
【0037】このようなアクリルウレタン塗料組成物に
よる塗装がなされる自動車用樹脂製内装部材の例として
は、インストルメントパネル、ドアトリム、コンソール
など、樹脂製外装部材の例としては、ドア、フェンダ、
フード(ボンネット)、ルーフ、トランクリッドなどが
挙げられる。
【0038】本発明に係わる塗装代替フィルムは、図1
に示すように、ハードコート層2、クリア層3、着色層
4および基材層5が順次積層された複合フィルムの形態
をなし、ハードコート層2は、本発明に係わる上記アク
リルウレタン塗料組成物からなるものであって、5〜2
0μmの厚さとすることが望ましい。クリア層3は、P
MMA(ポリメタクリル酸メチル)、AES(アクリロ
ニトリル/(エチレン/プロピレン/ジエン共重合体)
/スチレン)、AAS(アクリロニトリル/アクリルゴ
ム/スチレン)などの熱可塑性アクリル系樹脂、熱可塑
性アクリル系の樹脂とフッ素系樹脂の混合物からなり、
その厚みは50〜100μmの範囲であることが好まし
い。また、着色層4は、クリア層3と同様に、PMM
A、AES、AASなどの熱可塑性アクリル系の樹脂、
熱可塑性アクリル系の樹脂とフッ素系樹脂の混合物から
なり、その厚みは150〜200μmの範囲であること
が望ましい。そして、基材層5は、プロピレン、プロピ
レン/エチレンブロック共重合体、TPO(ポリオレフ
ィン系熱可塑性エラストマー)などのポリオレフィン系
樹脂、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレ
ン)とPC(ポリカーボネート)の共重合体、ABSと
PBT(ポリブチレンテレフタレート)の共重合体から
なり、その厚みは200〜300μmの範囲であること
が望ましい。
【0039】本発明に係わる塗装代替フィルムは、図2
に示すように、ハードコート層2、着色層4および基材
層5が順次積層された3層構造とすることもでき、各層
の材質や厚みは、上記と基本的に同じである。
【0040】参考までに、ハードコート層2を有する上
記塗装代替フィルムを用いた自動車部品などの成形要領
を以下に示すが、これはあくまで本発明によるアクリル
ウレタン塗料組成物を用いた例に過ぎなく、本発明はこ
れによって何ら制限されるものではない。
【0041】〔塗装代替フィルムの製造〕クリア層およ
び着色層の形成には、離型性フィルムを使用することが
好ましい。すなわち、各層を形成する樹脂を有機溶媒に
溶解または分散したものを従来周知のリバースロールコ
ート法、コンマコート法などにより離型性フィルムの上
に順次重ね塗りして形成することができ、膜厚の薄いも
のはグラビアコート法を用いることができる。また、ク
リア層、着色層は、用いる樹脂の種類によっては、押出
し成形によっても形成することが可能である。基材層
は、従来周知のTダイ押出し法などによりフィルム化す
ればよい。上記のように離型性フィルム上に形成された
クリア層および着色層からなる塗膜層とフィルム化した
基材層とを熱ラミネートにより積層したのち、離型性フ
ィルムを剥離して基材層と着色層とクリア層からなるフ
ィルムが得られる。
【0042】上記により得られた基材層、着色層および
クリア層からなるフィルムのクリア層側表面に、本発明
に係わる上記アクリルウレタン塗料組成物をロールコー
ターによって回転塗布したのち、常温硬化、または加熱
硬化させることによりハードコート層を備えた塗装代替
フィルムが得られる。このとき、加熱硬化させる場合に
加熱温度は、室温異常80℃以下の温度範囲、好ましく
は40〜70℃の温度範囲が通常選択される。
【0043】〔塗装代替フィルムを用いた自動車部品な
どの成形〕上記方法によって得られたハードコート層を
有する塗装代替フィルムは、熱成形により予備成形され
て、成形しようとする部品に対応した形状の3次元成形
体とされる。このときの熱成形としては、真空成形、圧
空成形、真空圧空成形などの成形方法が好適であるが、
とりわけ真空成形が簡便で好ましい。真空成形において
は、例えば上記フィルムを両面から遠赤外線セラミック
ヒーターを使用して加熱したのち、金型を上下左右に移
動させ、当該加熱フィルムの一部を金型に接触させ、フ
ィルムと金型の間にある空気を金型に設けた真空孔を通
して真空引きすることにより、当該フィルム面を金型に
密着、固定させて賦形し、送風機などによる強制冷却に
よって冷却して目的の形状にする方法が好ましい。な
お、真空成形時のフィルムの伸びを部品全体で均一なも
のとするために、フィルムを加熱後、真空引きの前に、
金型に接触する方向から空気を吹き付けて加熱フィルム
を半球状に膨らませながら成形を行う手法もある。
【0044】そして、得られた塗装代替フィルムからな
る予備成形体を当該予備成形体の3次元形状と同じ形
状、すなわち成形しようとする部品と同じ形状のキャビ
ティを有する射出成形用金型にセットしたのち、金型を
閉じ、溶融樹脂を射出・注入する。この場合、金型内に
固定された予備成形体が金型からめくれたり、動いたり
しないように配慮する必要がある。また、ゲートから射
出、注入される樹脂が予備成形品よりキャビティ側に回
り込むのを防ぐため、またウエルドによるしわの発生を
防ぐためゲートの種類、数、位置、方向、形状にも配慮
する必要がある。特にゲートの種類としては、ダイレク
トゲート、サブマリンゲートなどが良く、ゲートの数と
しては部品形状、射出樹脂の流動性なども考慮する必要
があるが、1点とすることが望ましい。
【0045】溶融樹脂を射出・注入したのち、冷却され
て樹脂が固化した状態で金型を開き、成形品を取り出
す。このようにして、本発明に係わる塗装代替フィルム
を表面に一体的に装着することによって着色された射出
成形部品が得られる。
【0046】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいてさらに具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定さ
れるものではない。なお、実施例において得られた塗装
代替フィルムについては、下記の試験方法によって評価
した。
【0047】〔評価試験方法〕 1.耐傷付き性 ハードコート層を備えた塗装代替フィルムの表面を#0
000スチールウールを用い、約500gの荷重をかけ
て10回擦り、傷付き具合を下記の基準で目視判断し
た。 ○:全く傷がない △:僅かに傷がある ×:傷がある 2.耐薬品性(ガソリン、ブレーキ液、ウインド
ウォッシャー液) ハードコート層を備えた塗装代替フィルムの表面を〜
それぞれの薬品を染み込ませたガーゼで濡れる程度に
軽く押さえて2〜3回往復させた後、60℃で24時間
放置した。放置後、未使用のガーゼで上記薬品を拭き取
り、表面外観の変化を目視により観察し、次の基準で評
価した。 ○:傷付き、染み、白化などの外観変化がない △:僅かに傷付き、染み、白化などの外観変化がある ×:傷付き、染み、白化などの外観変化がある 3.賦形性 塗装代替フィルムからなる真空成形品の外観の異常を目
視にて観察し、次の判定基準で評価した。 ○:表面に割れ、剥離が見られず、全く異常が認められ
ない △:僅かに表面の割れ、剥離が認めらる ×:表面に割れ、剥離が認められる 4.外観 塗装代替フィルムからなる真空成形品の外観の異常を目
視にて観察し、次の判定基準で評価した。 ○:白化、表面光沢の消失が見られず、全く異常が認め
られない △:僅かに白化、表面光沢の消失が認められる ×:白化、表面光沢の消失、塗膜面の平滑性の低下が認
められる
【0048】(実施例1)温度計、冷却器、攪拌器を備
えた2Lのフラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト(HMDI)889.4gと、ポリカプロラクトンポ
リオール「プラクセル308」(ダイセル化学工業
(株)製、商品名、数平均分子量:850、水酸基価:
195mgKOH/g)200gとを仕込み、攪拌下1
00℃で1時間反応させた。
【0049】得られた反応液を160℃、0.2mmH
gで薄膜蒸留し、未反応のHMDIを除去した。缶底液
として、NCO濃度9.2%、25℃における粘度49
00cp、ガスクロマトグラフィーにより分析した遊離
HMDIモノマーが0.1重量%以下の透明淡黄色のポ
リイソシアネートプレポリマー309.8gを得た。
【0050】上記のように合成したプラクセル系プレポ
リマー10.2重量部、アクリデイクA−801(大日
本インキ化学工業(株)製アクリルポリオール、水酸基
価:50mgKOH/g、Tg点:70℃)25.0重
量部、疎水性シリカ微粒子EAC−ST(日産化学
(株)製、固形分:30.5%、粒径:10〜20n
m、水酸基の疎水基への置換率:20%、分散溶媒:酢
酸エチル)23.1重量部、希釈溶媒(酢酸エチル:酢
酸ブチル:トルエン:キシレン=20:30:30:2
0)40.5重量部を混合し、本発明に係わるアクリル
ウレタン塗料組成物を得た(イソシアネートNCO/ポ
リオールOH当量比=1.0)。
【0051】得られたアクリルウレタン塗料組成物を市
販の塗装代替フィルム(アブロイ:三菱MKV(株)
製、商品名)上に、膜厚15μmにロールコーター塗装
した後、70℃の温度で30分乾燥することによって、
上記塗料組成物からなるハードコート層を備えた塗装代
替フィルムを得た。そして、当該塗装代替フィルムの真
空成形可能温度範囲を評価したうえで、150℃にて真
空成形を実施し、図3に示す形状の予備成形品を作製し
た。なお、予備成形品のおおよその大きさは、長手方向
寸法150mm、短手方向寸法70mm、厚み方向寸法
8mmである。
【0052】上記予備成形品を射出成形用金型のキャビ
ティ面に装着し、固定した後、型締めし、ABS/PB
T樹脂を射出・注入して、射出成形品を得た。そして、
当該成形品の最表面を覆い、ハードコート層を有する塗
装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の
賦形性および外観を上記試験方法によって評価し、その
結果を表1に示した。
【0053】(実施例2)温度計、冷却器、攪拌器を備
えた上記フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)631.1gと、2種類のポリカプロラク
トンポリオール「プラクセル305」(ダイセル化学工
業(株)製、商品名、数平均分子量:550、水酸基
価:305mgKOH/g)と「プラクセル205」
(ダイセル化学工業(株)製、商品名、数平均分子量:
550、水酸基価:205mgKOH/g)との等重量
混合物110.0gとを仕込み、攪拌下100℃で1時
間反応させた。
【0054】このようにして得られた反応液を160
℃、0.2mmHgで薄膜蒸留し、未反応のHMDIを
除去し、缶底液として、NCO濃度10.1%、25℃
における粘度2800cp、ガスクロマトグラフィーに
より分析した遊離HMDIモノマーが0.1重量%以下
の透明淡黄色のポリイソシアネートプレポリマー18
5.4gを得た。
【0055】上記のように合成したプラクセル系プレポ
リマー9.3重量部、アクリデイクA−801(大日本
インキ化学工業(株)製アクリルポリオール、水酸基
価:50mgKOH/g、Tg点:70℃)25.0重
量部、疎水性シリカ微粒子EAC−ST(日産化学
(株)製、固形分:30.5%、平均粒径:12nm、
水酸基の疎水基への置換率:20%、分散溶媒:酢酸エ
チル)22.5重量部、希釈溶媒(酢酸エチル:酢酸ブ
チル:トルエン:キシレン=20:30:30:20)
38.4重量部を混合し、本発明に係わるアクリルウレ
タン塗料組成物を得た(イソシアネートNCO/ポリオ
ールOH当量比=1.0)。この塗料組成物には濁りや
沈殿はなく、アクリルポリオールとの相溶性は良好であ
った。
【0056】得られたアクリルウレタン塗料組成物を上
記実施例1と同様の手順によって、同様の部品の射出成
形を行い、成形品表面に位置するハードコート層を備え
た塗装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形
品の賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表
1に併せて示す。
【0057】(実施例3)疎水性シリカ微粒子EAC−
ST(日産化学(株)製、固形分:30.5%、粒径:
10〜20nm、水酸基の疎水基への置換率:20%、
分散溶媒:酢酸エチル)の添加量を11.5重量部とし
たこと以外は実施例1と同様の方法により射出成形を行
い、成形品表面における塗装代替フィルムの耐傷付き
性、耐薬品性、真空成形品の賦形性および外観を同様に
評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0058】(実施例4)前記疎水性シリカ微粒子EA
C−STの添加量を34.6重量部としたこと以外は実
施例1と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面
における塗装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真
空成形品の賦形性および外観を同様に評価した。その結
果を表1に併せて示す。
【0059】(実施例5)疎水性シリカ微粒子として、
DMAC−ST(日産化学(株)製、固形分:20.5
%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:20%、分散溶媒:ジメチルアセトアミド)を用
い、その添加量を34.3重量部としたこと以外は実施
例1と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の
塗装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品
の賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表1
に併せて示す。
【0060】(実施例6)疎水性シリカ微粒子として、
MEK−ST(日産化学(株)製、固形分:30.5
%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:20%、分散溶媒:メチルエチルケトン)を用い、
その添加量を23.1重量部としたこと以外は実施例1
と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装
代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦
形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併
せて示す。
【0061】(実施例7)疎水性シリカ微粒子として、
MIBK−ST(日産化学(株)製、固形分:30.5
%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:20%、分散溶媒:メチルイソブチルケトン)を用
い、その添加量を23.1重量部としたこと以外は実施
例1と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の
塗装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品
の賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表1
に併せて示す。
【0062】(比較例1)市販の塗装代替フィルム(ア
ブロイ:三菱MKV(株)製、商品名)の真空成形可能
温度範囲を評価したうえで、150℃にて真空成形を実
施し、図3に示した形状を有し、ハードコート層のない
予備成形品を作製した。そして、この予備成形品を用い
て、実施例1と同様の射出成形を行い、成形品表面の塗
装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の
賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に
併せて示す。
【0063】(比較例2)シリカ微粒子を添加していな
い塗料組成物を用いたこと以外は実施例1と同様の方法
により射出成形を行い、成形品表面の塗装代替フィルム
の耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦形性および外
観を同様に評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0064】(比較例3)シリカ微粒子として親水性の
MA−ST(日産化学(株)製、固形分:30.5%、
粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換率:約
0%、分散溶媒:メタノール)を用い、その添加量を2
3.1重量部としたこと以外は実施例1と同様の方法に
より射出成形を行い、成形品表面の塗装代替フィルムの
耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦形性および外観
を同様に評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0065】(比較例4)シリカ微粒子として親水性の
IPA−ST(日産化学(株)製、固形分:30.5
%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:約0%、分散溶媒:イソプロパノール)を用い、そ
の添加量を23.1重量部としたこと以外は実施例1と
同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装代
替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦形
性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併せ
て示す。
【0066】(比較例5)シリカ微粒子として親水性の
EG−ST−ZL(日産化学(株)製、固形分:20.
5%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:約0%、分散溶媒:エチレングリコール)を用い、
その添加量を34.3重量部としたこと以外は実施例1
と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装
代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦
形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併
せて示す。
【0067】(比較例6)シリカ微粒子として親水性の
NPC−ST(日産化学(株)製、固形分:20.5
%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:約0%、分散溶媒:エチレングリコールモノn−プ
ロピルエーテル)を用い、その添加量を34.3重量部
としたこと以外は実施例1と同様の方法により射出成形
を行い、成形品表面の塗装代替フィルムの耐傷付き性、
耐薬品性、真空成形品の賦形性および外観を同様に評価
した。その結果を表1に併せて示す。
【0068】(比較例7)疎水性シリカ微粒子としてX
BA−ST(日産化学(株)製、固形分:30.5%、
粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換率:2
0%、分散溶媒:キシレン・n−ブタノール)を用い、
その添加量を23.1重量部としたこと以外は実施例1
と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装
代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦
形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併
せて示す。
【0069】(比較例8)シリカ微粒子として、水酸基
の疎水化率(疎水基への置換率)が5%のもの(日産化
学(株)製、固形分:30.5%、粒径:10〜20n
m、分散溶媒:酢酸エチル、分散不良で沈殿が認められ
た)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により射
出成形を行い、成形品表面の塗装代替フィルムの耐傷付
き性、耐薬品性、真空成形品の賦形性および外観を同様
に評価した。その結果を表1に併せて示す。
【0070】(比較例9)疎水性シリカ微粒子として、
平均粒径が3nmのもの(日産化学(株)製、固形分:
30.5%、水酸基の疎水基への置換率:20%、分散
溶媒:酢酸エチル)を用いたこと以外は実施例1と同様
の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装代替フ
ィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦形性お
よび外観を同様に評価した。その結果を表1に併せて示
す。
【0071】(比較例10)疎水性シリカ微粒子とし
て、平均粒径が350nmのもの(日産化学(株)製、
固形分:30.5%、水酸基の疎水基への置換率:20
%、分散溶媒:酢酸エチル)を用いたこと以外は実施例
1と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗
装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の
賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に
併せて示す。
【0072】(比較例11)疎水性シリカ微粒子とし
て、MEK−ST(日産化学(株)製、固形分:30.
5%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:20%、分散溶媒:メチルエチルケトン)を用い、
その添加量を1.2重量部としたこと以外は実施例1と
同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装代
替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦形
性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併せ
て示す。
【0073】(比較例12)疎水性シリカ微粒子とし
て、MEK−ST(日産化学(株)製、固形分:30.
5%、粒径:10〜20nm、水酸基の疎水基への置換
率:20%、分散溶媒:メチルエチルケトン)を用い、
その添加量を80.8重量部としたこと以外は実施例1
と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装
代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦
形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併
せて示す。
【0074】(比較例13)実施例1において合成した
プラクセル系プレポリマー4.1重量部、アクリデイク
A−801(大日本インキ化学工業(株)製アクリルポ
リオール、水酸基価:50mgKOH/g、Tg点:7
0℃)25.0重量部(イソシアネートNCO/ポリオ
ールOH当量比=0.4)を用いたこと以外は実施例1
と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗装
代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の賦
形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に併
せて示す。
【0075】(比較例14)実施例1において合成した
プラクセル系プレポリマー22.5重量部、アクリデイ
クA−801(大日本インキ化学工業(株)製アクリル
ポリオール、水酸基価:50mgKOH/g、Tg点:
70℃)25.0重量部(イソシアネートNCO/ポリ
オールOH当量比=2.2)を用いたこと以外は実施例
1と同様の方法により射出成形を行い、成形品表面の塗
装代替フィルムの耐傷付き性、耐薬品性、真空成形品の
賦形性および外観を同様に評価した。その結果を表1に
併せて示す。
【0076】
【表1】
【0077】次に、自動車用樹脂製内外装部材の成形例
を示す。
【0078】(実施例8)実施例1において調整したア
クリルウレタン塗料組成物を市販の塗装代替フィルム
(アブロイ:三菱MKV(株)製、商品名)に硬化後の
膜厚が15μmとなるようにロールコーター塗装し、7
0℃の温度で30分乾燥し、市販フィルムの上に硬化塗
膜を形成した。これを150℃でリヤフェンダー形状に
真空成形して予備成形品とし、この予備成形品を射出成
形用金型のキャビティ面に装着、固定した後、型締め
し、ABS/PBT樹脂を射出、注入してリヤフェンダ
ーを得た。
【0079】得られた真空成形品(予備成形品)には、
塗膜表面の割れや剥離も認められず、良好な賦形性を示
した。また、最終製品(リヤフェンダー)である射出成
形品の外観についても、白化や表面光沢の消失もなく、
全く異常が認められなかった。
【0080】(実施例9)実施例1において調整したア
クリルウレタン塗料組成物を市販の塗装代替フィルム
(アブロイ:三菱MKV(株)製、商品名)に硬化後の
膜厚が15μmとなるようにロールコーター塗装し、7
0℃の温度で30分乾燥し、同様に硬化塗膜を形成し
た。これを150℃でインストルメントパネル形状に真
空成形して予備成形を行い、この予備成形品を射出成形
用金型のキャビティ面に装着、固定した後、型締めし、
ABS/PBT樹脂を射出、注入してインストルメント
パネル形状の射出成形品を得た。
【0081】得られた予備成形品には、塗膜表面の割れ
や剥離も認められず、アクリルウレタン塗料組成物から
なるハードコート層を備えた塗装代替フィルムが良好な
賦形性を備えていることが確認された。また、射出成形
品(インストルメントパネル)の外観についても、白化
や表面光沢の消失もなく、全く異常が認められなかっ
た。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わるア
クリルウレタン塗料組成物は、非プロトン性有機溶媒
と、アクリルポリオールと、2官能以上のイソシアネー
ト基を有するプレポリマーからなり、さらに、可視光線
波長よりも小さい径を有し、水酸基の疎水化率が所定値
以上の疎水性シリカ微粒子を含むものであるから、良好
な塗膜性能と透明性を得ることができ、例えば樹脂製部
材の表面に、賦形性、耐薬品性、耐擦傷性を高度に兼ね
備えたハードコート層を形成することができるという極
めて優れた効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる塗装代替フィルムの構造例を示
す断面図である。
【図2】本発明に係わる塗装代替フィルムの他の構造例
を示す断面図である。
【図3】本発明の実施例に用いた射出成形用予備成形品
の形状を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 塗装代替フィルム 2 ハードコート層 3 クリア層 4 着色層 5 基材層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 浩一 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 沼尾 康弘 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA20A AA20H AK25A AK51A AR00B AR00C AT00D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10D CC00A DE01A DE01H GB33 HB00C JA20A JA20H JB01 JB06A JB06H JK12A JK14 JL09 JL10C JN01 JN01B YY00A YY00H 4J038 DG191 DG271 HA446 JA05 JA26 JA33 JA53 JB13 KA06 KA08 KA20 MA07 MA10 MA13 NA01 NA03 NA04 NA11 NA12 PB03 PB07 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非プロトン性有機溶媒に溶解したアクリ
    ルポリオールと、2官能以上のソシアネート基を有する
    プレポリマーからなる二液型のアクリルウレタン塗料組
    成物であって、5〜300nm径の疎水性シリカ微粒子
    が分散しており、該シリカ微粒子の表面に存在する水酸
    基の疎水基への置換率が15%以上であることを特徴と
    するアクリルウレタン塗料組成物。
  2. 【請求項2】 アクリルウレタン樹脂の固形分100重
    量部に対する疎水性シリカ微粒子の添加量が2〜50重
    量部であることを特徴とする請求項1記載のアクリルウ
    レタン塗料組成物。
  3. 【請求項3】 非プロトン性有機溶媒がケトン系、カル
    ボン酸エステル系、アミド系、エーテル系溶媒、トルエ
    ンおよびキシレンのうちから選ばれる少なくとも1種の
    溶媒であることを特徴とする請求項1または2記載のア
    クリルウレタン塗料組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族イソシアネートまたは脂環式イソ
    シアネートとポリオールとを反応せしめ、未反応の脂肪
    族イソシアネートまたは脂環式イソシアネートを実質的
    に除去して得られる2官能以上のイソシアネート基を有
    するプレポリマーと、ガラス転移温度が30〜100℃
    であり、かつ樹脂基準で10〜200mgKOH/gの
    水酸基価を有するアクリルポリオールをNCO/OH当
    量比が0.5〜2.0の割合となるように配合してなる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    アクリルウレタン塗料組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のア
    クリルウレタン塗料組成物による塗膜を樹脂製部材の表
    面に積層してなることを特徴とする自動車用内外装部
    材。
  6. 【請求項6】 ハードコート層、クリア層、着色層およ
    び基材層が順次積層されてなる複合フィルムであって、
    前記ハードコート層が請求項1ないし4のいずれかに記
    載のアクリルウレタン塗料組成物による塗膜であること
    を特徴とする塗装代替フィルム。
  7. 【請求項7】 ハードコート層、着色層および基材層が
    順次積層されてなる複合フィルムであって、前記ハード
    コート層が請求項1ないし4のいずれかに記載のアクリ
    ルウレタン塗料組成物による塗膜であることを特徴とす
    る塗装代替フィルム。
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