JP2002326945A - 紫外線障害予防剤 - Google Patents

紫外線障害予防剤

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JP2002326945A
JP2002326945A JP2001135235A JP2001135235A JP2002326945A JP 2002326945 A JP2002326945 A JP 2002326945A JP 2001135235 A JP2001135235 A JP 2001135235A JP 2001135235 A JP2001135235 A JP 2001135235A JP 2002326945 A JP2002326945 A JP 2002326945A
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crushed
barley
fermented
rice
ultraviolet
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JP2001135235A
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Keiichi Hirai
圭一 平井
Hisanao Fujie
久七生 藤江
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AOA JAPAN KK
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AOA JAPAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日常の食事を取りながら毎日簡単に摂取出来
る形態にした、生体内の高い抗酸化作用を有し胸やけを
もたらすことなく容易に消化される生体抗酸化組成物か
らなる紫外線障害予防剤を提供する。 【解決手段】 食用米麦類及び豆類並びに食用米麦類及
び豆類の胚芽又は糠の発酵粉砕物からなる抗酸化性紫外
線障害予防剤であって、複数種の食用米麦類及び豆類並
びに食用米麦類及び豆類の胚芽又は糠をそれぞれ独立に
焙煎し、焙煎したものを独立に粉砕し、粉砕したものを
独立に蒸煮し、蒸煮したものを独立に製麹し、製麹した
ものにアルコールを独立に添加して発酵を停止し、発酵
停止したものを独立に乾燥してアルコールを除去し、乾
燥した粉末をすべて混合して第1の発酵粉砕原料を生成
し、焙煎した食用種子類並びにビタミンC及びビタミン
C誘導体を含有する植物体を独立に粉砕し、粉砕したも
のをすべて混合して第2の粉砕原料を生成し、第1及び
第2の粉砕原料を混合し、これを造粒してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紫外線にさらされた
生体に障害が生じることを抑制する紫外線障害予防組成
物に関し、特に、植物性の抗酸化組成物からなる紫外線
障害予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】紫外線(UV)は波長の長いものから、
UV−A(A波)、UV−B(B波)、UV−C(C
波)、の3種類に分けられ、地球のオゾン層でカットさ
れることもなく地表に到達するのは、UV−AとUV−
Bである。オゾンホールの拡大が顕著になっている。フ
ロンガスなどにより地球の周囲を取り巻くオゾン層が破
壊されると降り注ぐ紫外線量が増加するので、人々の皮
膚癌の増加が懸念されている。一般に、自然の太陽光線
で人体への影響が問題にされているのは紫外線で、その
皮膚に対する影響は旧来から日焼けがよく知られてい
る。日焼けで赤くなった皮膚の遺伝子(DNA)の一部
は損傷を受ける。これらの傷は修復酵素によって治癒さ
れるが、長期間遺伝子を傷つけ過ぎると、遺伝子の損傷
が蓄積し、これらが修復されないと突然変異が起き、そ
の結果、皮膚に癌細胞が生じてくる。日焼けで肌黒くな
るのは、皮膚中のメラノサイト色素細胞が紫外線の働き
で黒色素メラニンを生成しそれが沈着するためで、皮膚
の紫外線防御としての現象である。
【0003】UV−Aは波長が長いため、UV−Bより
皮膚深部まで光が届き、そのため皮膚深部の真皮部分に
損傷を与える。UV−Bは日焼けの炎症を起こし、主に
皮膚のDNAを傷つけ、後に皮膚癌を生ぜしめると考え
られている。従来より紫外線を防ぐために、一般に、日
焼け止めクリームが使用されていが、紫外線を完全に防
ぐことは出来ない。唯一の日焼けの効能として、骨を丈
夫にするビタミンDの合成促進作用があるが、健康のた
めに積極的に日焼けをする理由になるほどのものではな
いと考えられるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】紫外線の細胞毒性とし
て、これら近紫外線は、人体の細胞内核酸、アミノ酸、
リボフラビン、補酵素などの生体内増感物質と反応して
活性酸素を発生する(文献1)。活性酸素は遺伝子を損
傷して突然変異、発癌、細胞膜損傷、細胞死を誘導し、
皮膚炎、皮膚癌、眼瞼炎、白内障などの障害及び皮膚の
老化、皮膚血管炎、光線過敏症、ベーチェット病などを
引き起こすことが明らかにされている。そこで紫外線暴
露によって人体内で活性酸素が発生するが、これを除去
することが一般には困難である。
【0005】本発明は、かかる事情に鑑みかかる問題を
解決するためになされたものであり、本発明の目的は、
日常の食事を取りながら毎日簡単に摂取出来る形態にし
た、生体内の高い抗酸化作用を有し胸やけをもたらすこ
となく容易に消化される生体抗酸化組成物からなる紫外
線障害予防剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者は大豆、小麦、米
胚芽、小麦胚芽、鳩麦、緑茶、ユズ、緑葉及び麦芽など
の発酵抽出物がとくに低分子になるほど皮膚炎、皮膚
癌、白内障などの紫外線障害の予防機能を持っているこ
とを見出だしたのである。本発明者は研究の結果、ある
特定の発酵抽出物組成物を必須成分とする組成物、すな
わち紫外線障害予防剤によって、紫外線に起因する疾患
を予防できる薬効を奏することを見出し、本発明を完成
するに到ったものである。
【0007】本発明の紫外線障害予防剤は、食用米麦類
及び豆類並びに食用米麦類及び豆類の胚芽又は糠の発酵
粉砕物からなる抗酸化組成物であって、複数種の食用米
麦類及び豆類並びに食用米麦類及び豆類の胚芽又は糠を
それぞれ独立に焙煎し、焙煎したものを独立に粉砕し、
粉砕したものを独立に蒸煮し、蒸煮したものを独立に製
麹し、製麹したものにアルコールを独立に添加して発酵
を停止し、発酵停止したものを独立に乾燥してアルコー
ルを除去し、乾燥した粉末をすべて混合して第1の発酵
粉砕原料を生成し、焙煎した食用種子類並びにビタミン
C及びビタミンC誘導体を含有する植物体を独立に粉砕
し、粉砕したものをすべて混合して第2の粉砕原料を生
成し、第1及び第2の粉砕原料を混合し、これを造粒し
てなることを特徴とする。
【0008】本発明者は、得られた植物組成物が高い生
体抗酸化作用(余剰活性酸素の消去作用と脂質の過酸化
反応を阻止する作用)を有しかつ胸やけをもたらすこと
なく容易に消化されるすることを見いだした。本発明の
自然の抗酸化組成物に用いられる食用米麦類及び豆類と
しては、米、小麦、大豆、とうもろこし、鳩麦、小豆な
どが例示される。なかでも大豆、鳩麦を用いることが好
ましい。また、胚芽としては、これら食用米麦類及び豆
類の胚芽が例示されるが、小麦胚芽、米糠などが好んで
用いられる。なお、これらは複数種で用いているのが良
い。
【0009】個々の食用米麦類及び豆類の好適な組合せ
としては、大豆、鳩麦、小麦胚芽及び米糠が挙げられ、
その使用量は、各々重量で2:1:1:2の配合割合が
例示される。これらの原料はできるだけ高品質で新鮮な
ものを用いることが好ましい。特に、胚芽、中でも糠は
酸化され易いので精米直後のものを用いることが好まし
い。
【0010】本発明の製造の焙煎工程における焙煎と
は、食用米麦類及び豆類などの原材料中の有効成分の重
合を解き、低分子化するために必要な熱を、焦がさない
ような条件で与えることを指す。それぞれの焙煎温度は
食用米麦類及び豆類の種類や加熱時間によって異なる
が、80〜90℃で5〜6時間じっくり焙煎する。加熱
方法も、種子や胚芽などの粒子の内層と外層の温度差が
小さくなるように均一に加熱できるような手段を採用す
ることが必要である。そのために遠赤外線による加熱、
恒温槽による均一な加熱、流動床による加熱などが採用
されるが、石や陶器などの釜又は容器を用いることが好
ましい。
【0011】各食用米麦類及び豆類原料をそれぞれ焙煎
したあと、粉砕工程で種類別に粉末にする。この場合、
製麹工程で種麹と良く混合するための粉砕なので、必ず
しも微粉末にする必要はない。粉砕工程の後、焙煎した
粉末をそれぞれ蒸煮工程で蒸煮する。蒸煮は通常の方法
によれば良いが、蒸煮し過ぎないように注意する。蒸煮
は、次の発酵を容易にするためであるが、蒸煮し過ぎる
と発酵が進み過ぎるので、粉末に若干の湿り気を与える
程度でよい。
【0012】蒸煮工程の後、発酵のため種麹を蒸煮した
粉末に種付けする。ここで発酵とは、微生物により有機
物を分解することを意味し、代謝物が単純な化合物にな
る場合のみを指すものではない。例えば、麹かびやイー
ストなどによる穏和な分解も包含し、むしろ好ましい。
この発酵過程において麹かびなどに含有されているアミ
ラーゼやプロテアーゼなどの酵素作用により、蛋白質な
どの低分子化が進み、生体への浸透が容易となって抗酸
化作用が強化される。
【0013】この製麹工程においては、蒸煮した粉末の
種類ごとに種付けをする。種麹は粉末が良く、3種類ぐ
らい用意し、粉末の種類ごとに異なる種麹を充分に混ぜ
合わせて行なうことが好ましい。種付けを終えた粉末
を、容器(陶器又はプラスチック製)に移し、発酵させ
る。熟成温度は35〜36℃で最低3日から2週間を要
する。気温や湿度によって日数は変動するので温度管理
には充分な配慮をしなければならない。かかる熟成中に
抗酸化性物質が生成される。
【0014】製麹工程の後、製麹したものにアルコール
を独立に添加し撹拌して発酵を停止させる。発酵停止し
たものを独立に乾燥してアルコールを除去し、それぞれ
麹原料を直ちに乾燥工程で乾燥する。乾燥は通常の乾燥
器を用いるが、乾燥温度は100℃以下で行なう。乾燥
後の麹原料をそれぞれ粉砕し、得られた各粉末を全量混
合する。粉砕方法は限定されず、粉末をタイラー標準篩
400メッシュ程度の微粉末にすることが好ましい。微
粉末にすることによって、これら生体の体内での成分吸
収も向上する。このようにして第1混合物である発酵粉
砕原料を得る。一方、混合して得られる発酵粉砕原料と
は別に、食用種子類を焙煎して摺りつぶしたマッシュ状
の粉砕物と、ビタミンC又はビタミンC誘導体を含有す
る植物体の粉砕物と、を混合攪拌した第2混合物を用意
する。
【0015】ここで食用種子類としては、胡麻、大豆、
とうもろこし、菜種などが挙げられるが、胡麻が最適で
ある。これは胡麻には脂質の過酸化を抑制するビタミン
Eが多く含まれているからである。これら食用種子類は
前述した焙煎工程を経なければならない。また、ビタミ
ンC又はビタミンC誘導体を含有する植物体としては緑
茶葉、大根の若葉、レモン、柚子、ほうれん草など(以
下、ビタミンC野菜と略す)が例示されるが、これらに
限定されない。レモン、柚子などは果汁として用いられ
る。これらの中では緑茶葉が最も好ましいので、これに
大根の若葉と柚子汁を加えたものを用いる。これにより
食用種子類の酸化が防止される。これら緑茶葉及び大根
の若葉を乾燥し、粉砕して用いるのが好ましい。とくに
緑茶葉については、通常の加熱方法で炒りながら乾燥さ
せ粉末にしていくが、タイラー標準篩500メッシュを
全量通過するように微粉末にして用いることが好まし
い。
【0016】これらの食用種子類のマッシュ状の粉砕物
及びビタミンC又はビタミンC誘導体を含有する植物体
の粉砕物の各使用割合は、代表的な例を挙げれば、第1
混合物である発酵粉砕原料の85重量部に対しビタミン
C野菜10重量部、食用種子類5重量部、又は発酵粉砕
原料の90重量部に対しビタミンC野菜5重量部、食用
種子類5重量部を用いる。
【0017】次に、前記の緑茶葉、胡麻、大根の若葉、
柚子汁の第2混合物と、別途調製した第1混合物である
前記発酵粉砕原料と混合し、充分攪拌する。この混合工
程を終えた混合物が仕上げ原料粉となる。仕上げ原料粉
には水分が12%程度含まれており、そのままでは再発
酵の恐れがあることや、生成物の化学反応に際する移送
性を改善するために、原料粉を造粒工程にかける。造粒
は、流動造粒乾燥機を用いて真空内乾燥を行いながら造
粒する。こうして抗酸化組成物が完成する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施例を図面
を参照しつつ具体的に説明する。 <抗酸化組成物からなる紫外線障害予防剤の調製>新鮮
な大豆30重量部、小麦胚芽15重量部、鳩麦15重量
部及び精米直後の糠30重量部を、図1のステップ1に
示すようにそれぞれ個別に焙煎した。すなわち、大豆、
小麦胚芽、鳩麦及び糠をそれぞれ恒温槽内において温度
80℃で5時間だけ均一に加熱した。その後これら種子
を、図1のステップ2に示すように粉砕し粉末にした。
【0019】焙煎した粉末を、図1のステップ3に示す
ようにそれぞれ温度110〜120℃で30分だけ蒸煮
した。次に、麹かびを蒸煮した粉末に充分に混ぜ合わせ
て種付けした。種付けを終えた粉末を、陶器容器に移
し、温度35〜36℃で2週間だけ、図1のステップ4
の製麹工程にて発酵させた。製麹後、図1のステップ5
の工程にて製麹したものにアルコールを独立に添加し撹
拌して発酵を停止させる。発酵停止したものを、図1の
ステップ6の工程にて独立に温度100℃で乾燥してア
ルコールを除去する。乾燥後の麹原料をそれぞれタイラ
ー標準篩400メッシュ程度の微粉末に粉砕した。
【0020】図1のステップ7の工程にて、得られた各
粉末を全量混合し、発酵粉砕原料(第1混合物)を得
た。一方、発酵粉砕原料とは別に、図1のステップ8,
9の工程にて、胡麻を焙煎して摺りつぶしマッシュ状の
ものを調製した。また、緑茶葉を図1のステップ10,
11の工程にて、炒りながら乾燥し、タイラー標準篩5
00メッシュ程度の微粉末を調製した。
【0021】さらに、大根の若葉を図1のステップ1
2,13の工程にて、炒りながら乾燥し、タイラー標準
篩500メッシュ程度の微粉末を調製した。柚子を図1
のステップ14の工程にて、圧搾して果汁を絞り柚子汁
を調製した。これら胡麻マッシュ並び緑茶葉粉末と大根
の若葉と柚子汁とを図1のステップ15の工程にて全量
混合し、第2混合物を得た。
【0022】これら第1及び第2混合物を、図1のステ
ップ16の工程にて、充分混合攪拌し原料粉を調製し
た。使用配合割合は、第1混合物の85重量部に対し、
ビタミンC野菜(緑茶葉粉末と大根の若葉と柚子汁)1
0重量部、胡麻マッシュ5重量部を用いた。原料粉を図
1のステップ17の工程にて、造粒し抗酸化組成物を得
た。
【0023】上記により得られた抗酸化組成物(以下、
AOBと略す)の脂質過酸化抑制作用を動物実験により
確認した。 (実験方法)動物はすべて雄性のSDラット(Sprague-
Dawley rat)(体重:200g〜220g)を用いた。
in vitro実験ではAOBは0.5%CMC懸濁液として
用いた。また、ラット脳ホモジネートにおける脂質過酸
化はTBA反応性物質(TBARS)を測定することに
よって指標とした。ex vivo実験においては、ラットを
個別ケージで飼い、対照群には粉末の基本食のみを与
え、AOB群にはその基本食に1g又は5gのAOBを
混ぜ、混餌飼料として与えた。これらのラットを1又は
3日飼育し、その後血獎を採取してESR法のサンプル
とした。スピントラッピング剤としてDMPO(5,5-dimeth
yl-1-pyrroline-1-oxide)を用い、ESR分光計(JEOL
-JES-FR80:日本電子会社製)にてヒポキサンチン−キサ
ンチンオキシダーゼ系によるスーパーオキシド生成系を
用いてAOB懸濁液及び血獎中のスーパーオキシド消去
作用を調べた。
【0024】その結果、ESRスピントラッピング法に
おいて、AOB群はin vitro及びexvivo実験共に強いス
ーパーオキシド消去作用を示した。AOB懸濁液におけ
るスーパーオキシドの50%抑制量は42μg/mlであっ
た。また、12倍稀釈した対照群の血獎はSOD活性に
換算して0.152±0.017U/mlであったが、AOBをlg/day
/ratで1日又は3日飼育した後のAOB群の血獎は0.23
3±0.01U/ml、0.280±0.042U/mlの活性を示した。同様
に5g/day/ratで飼育したAOB群の血獎は0.233±0.016
U/ml、0.280±0.042U/mlの活性を示した。さらに、AO
B群はラット脳ホモジネートの脂質過酸化を強く抑制
し、その50%抑制率は8μg/mlであった。
【0025】従って、フラボノイド類、タンニン、トコ
フェロール類、アスコルビン酸などを含むAOBは大変
強い抗酸化作用を有している。このAOBの強い抗酸化
作用はその中に含まれる成分の発酵により得られた物質
の相加相乗作用によって現われ、従来のものより油分が
極めて少ないので、酸化油による過酸化脂質の増加がな
いためと推定される。
【0026】発明者は、AOB活性酸素抑制組成物が、
植物油を含有していないので、唾液、胃液の分泌が少な
い老人が摂取した場合、胃垂れて胸やけなく容易には消
化されることを確認した。本発明による、複数種の食用
米麦類及び豆類並びに食用米麦類及び豆類の胚芽又は糠
をそれぞれ独立に焙煎し、その後の粉砕し、その後の蒸
煮し、その後の製麹し、その後のアルコールによる発酵
停止を経て乾燥した粉末をすべて混合した第1混合物
に、粉砕された食用種子類及びビタミンC又はビタミン
C誘導体を含有する植物体の粉砕物を添加して混合し、
これを造粒してなる抗酸化組成物は、生体内の高い抗酸
化作用を有し胸やけをもたらすことなく容易に消化され
る。
【0027】<紫外線障害予防剤としてのAOB組成>
AOBは大豆、小麦、米胚芽、小麦胚芽、鳩麦、緑茶、
ユズ、緑葉及び麦芽などの発酵抽出物である。AOBの
成分は表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】AOBは日本食品分析センターで分析さ
れ、試験結果としてその成分リストを表2〜表6に示
す。
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】<紫外線障害予防剤の試験> <材料及び培養法>ヒト目の結膜上皮細胞CHE株(ク
ローン1−5c−4):大日本製薬株式会社(大阪)か
ら購入した株を用いた。ダルベッコウのDMEM培養液
(20%ウシ胎仔血清を含む)を入れた培養用プラスチ
ックデイッシュを用い、5%CO2ガス、湿度100%
の炭酸ガス培養装置で37℃で24時間培養した。 <紫外線発生源>20ワットの殺菌灯(FL20SE、
東芝製)を用い、紫外線強度20マイクロワット/cm
2、紫外線量1.25mJ/cm2、5mJ/cm2の照
射を行った(文献7)。 <照射紫外線波長>波長257nm〜410nm(最大
発生波長310nm)のUV−Bを照射した。 <過酸化水素(H22)生成の検出>細胞内に発生する
過酸化水素は、2’,7’−ジクロロフルオレッセイン
・ダイアセテート試薬によって2’,7’−ジクロロフ
ルオレッセインとなり、紫外域エキサイティションによ
って蛍光を発し、蛍光顕微鏡で観察される(DCF法:
文献8)ので、紫外線照射によるCHE細胞のH22
成をDCF法による蛍光で観測する。顕微鏡観察には倒
立型蛍光顕微鏡(オリンパスオプテイクス、東京)を供
した。 <陽性対照>ビタミンE(α−トコフエロール)(エー
ザイ株式会社)を実験に供した。 <紫外線照射による生存成績>紫外線による1.25m
J/cm2、5mJ/cm2の紫外線照射によって、図2
に示すように、CHE細胞内にH22が生成した。AO
Bを1mg/mlの割合で添加すると、図3に示すよう
に、H22の生成は消失した。
【0036】1.25mJ/cm2、5.0mJ/cm2
の紫外線照射による生存率を測定した。表7に結果を示
す。
【0037】
【表7】
【0038】1.25mJ/cm2、5.0mJ/cm2
紫外線照射の生存率は、それぞれ56%と10%であっ
た。AOBを1mg/mlの割合で添加すると、それぞ
れの生存率は100%と24%に改善され、AOBは紫
外線による細胞死を防ぐことが明らかになった。 <陽性対照の試験結果>陽性対照のビタミンEは、20
0μg/mlで5mJ/cm2の紫外線照射による生存
率10%を62%に改善した(表7中の+ビタミン
E)。
【0039】AOBは穀類、緑葉、ゴマなどの混合物を
麹で醗酵し焙煎した醗酵食品であるため、原料にはビタ
ミンEやビタミンCなどの抗酸化物質が含まれている
が、その合計量から計算した活性は低いにもかかわら
ず、発明されたAOB自体の機能が紫外線の人体への障
害を防ぐことが明らかとなった。陽性対照のビタミンE
と同様にAOBは紫外線予防作用を示した。その活性
は、晴れた日に通常浴びる紫外線量を十分防ぐものであ
る。
【0040】本発明は、紫外線照射によって人体内で活
性酸素が生成するとき、AOBがこれを分解することに
よって皮膚炎、皮膚癌、眼瞼炎、白内障、皮膚の老化、
皮膚血管炎、光線過敏症、ベーチェット病などの紫外線
に起因する疾患を予防することができる。さらに、AO
Bは、活性酸素による脂質の過酸化反応を抑制すること
(文献2)、白血球による障害性活性酸素生成を阻害し
て炎症反応を抑制すること(文献3)、活性酸素による
脳組織の過酸化反応を抑制すること(文献4)、抗癌剤
が生成する活性酸素によって生じる副作用を抑制するこ
と(文献5)、活性酸素生成による除草剤パラコートの
肺障害を抑制することが確認された。 (文献のリスト) 文献1.伊藤敦、伊藤隆:可視光・紫外光:光増感過程
による活性酸素の生成、蛋白質核酸酵素(1988)33、27
95−2802. 文献2.Komuro E., Yamamoto Y. and Niki E.: inhibit
ion of lipid peroxidations by Antioxidant Biofacto
r. Vitamins (1993) 67、455-518. 文献3.葉山浩幸、平井圭一:ヒト白血球フリーラジカ
ル生成に対する抗炎症性物質の影響:細胞化学的研究.
金沢医大誌(1993)18、277−282. 文献4.Minamiyama Y., Yoshikawa T., Tanigawa T., T
akahashi S., Naito Y.,Ichikawa H. and Kondo M.: An
tioxidative effects of a processed grain food. (19
94) 467-477. 文献5.Minamiyama Y., 文献6.Ariyatma J., Shimada H., Aono M., Tsuchida
H. and Hirai K.-I.:Propofol improves recovery from
paraquat acute toxicity in vitro and invivo. Inte
nsive Care Med. (2000) 26, 981-987. 文献7.Shui Y.-B., Sasaki H., Pan J.-H., Hata I.,
Kojima M., Yamada Y.,Hirai K.-I. and Sasaki K.: Mo
rphological observation on cell death and phagocyt
osis induced by ultraviolet irradiation in a cultu
red human lensepithellal cell line. Exp. Eye Res.
(2000) 文献8.Rosenkranz A. R., Schmaldienst S., Stuhlmei
er K. M., Chen W., Knapp W. and Zlabinger G. J.: A
microplate assay for the detection of oxidative p
roducts using 2' ,7'-dichlorofluosescindiacetate.
J. Immunol. Meth. (1992) 156, 39-45.
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による抗酸化組成物を生成する方法のフ
ローチャートを示す線図。
【図2】1.25mJ/cm2の紫外線照射によるCH
E細胞のH22生成を示すDCF法による蛍光を示す顕
微鏡写真。
【図3】AOBの1mg/ml添加による、1.25m
J/cm2の紫外線照射後CHE細胞のH22除去を示
すDCF法の蛍光消失を示す顕微鏡写真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/30 A23L 1/30 B A61K 7/42 A61K 7/42 A61P 17/16 A61P 17/16 C09K 3/00 104 C09K 3/00 104Z Fターム(参考) 4B018 LE02 MD49 MD51 MD52 MD53 MD58 MD59 ME06 MF04 MF07 MF08 MF13 4C083 AA111 AA112 AD642 CC19 DD21 EE09 EE17 4C088 AB12 AB15 AB45 AB61 AB62 AB73 AB74 AB77 AC01 AC04 AC05 BA07 CA02 CA25 MA07 MA43 MA52 NA14 ZA33 ZA89 ZB26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大豆、鳩麦、小麦胚芽及び米糠並びに茶
    を含む植物抗酸化組成物であって、大豆、鳩麦、小麦胚
    芽及び米糠をそれぞれ独立に焙煎し、その後の粉砕、蒸
    煮、製麹、乾燥を経て得られた粉末をすべて混合した醗
    酵粉砕原料に、独立に焙煎し粉砕した油糧種子の粉砕
    物、独立に焙煎し粉砕した茶葉の粉末、独立に乾燥し粉
    砕した緑葉類の粉末及び独立に搾出した果実汁からなる
    混合粉砕物を添加して混合し、これを造粒してなる紫外
    線障害予防剤。
  2. 【請求項2】 前記油糧種子が胡麻であり、前記緑葉類
    が大根葉及びほうれん草の少なくとも一方であり、前記
    果実汁がレモン及び柚子の少なくとも一方の汁であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の紫外線障害予防剤。
  3. 【請求項3】 前記大豆、鳩麦、小麦胚芽及び米糠の重
    量配合割合が2:1:1:2であることを特徴とする請
    求項1記載の紫外線障害予防剤。
  4. 【請求項4】 前記醗酵粉砕原料の85〜90重量部に
    対し、前記茶葉及び緑葉類の粉末及び前記果実汁5〜1
    0重量部並びに前記油糧種子5重量部の割合で添加して
    混合することを特徴とする請求項1記載の紫外線障害予
    防剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1588711A1 (en) * 2004-04-21 2005-10-26 AOL Corporation Composition trapping radicals in organism
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