JP2002326812A - 結晶性酸化第二セリウムゾル及びその製造方法 - Google Patents
結晶性酸化第二セリウムゾル及びその製造方法Info
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Abstract
ル及びその製造方法に関する。 【解決手段】 ガス吸着法による比表面積から換算した
粒子径が10〜200nmであり、且つ(動的光散乱法
で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径)の比が2〜6の範囲にある結晶性酸化
第二セリウム粒子を含有するゾル。不活性ガス雰囲気下
に水性媒体中でセリウム(III)塩とアルカリ性物質を
反応させて水酸化セリウム(III)の懸濁液を生成した
後、直ちに該懸濁液に酸素又は酸素を含有するガスを吹
き込み結晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾルを生
成する工程、及び得られたゾルを湿式粉砕する工程から
製造する。また、炭酸セリウムを300〜1100℃で
焼成することにより得られた結晶性酸化セリウム粒子を
湿式粉砕する工程から製造する。
Description
酸化第二セリウムゾル及びその製造方法に関するもので
ある。
性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリウム(III)塩とア
ルカリ性物質を化合物を3〜30の(OH)/(C
e3+)のモル比で反応させて水酸化セリウム(III)懸
濁液を生成した後、直ちに該懸濁液に大気圧下、10〜
95℃の温度で酸素又は酸素を含有するガスを吹き込み
酸化させて得られた酸化第二セリウム粒子の製造方法が
開示されている。
4号公報の製造方法で得られた酸化第二セリウム粒子を
水性液中に含有するゾルは、ガス吸着法(BET法)に
よる比表面積が30m2/gであるからBET法換算粒
子径は28nmである。このゾルの動的光散乱法で測定
した粒子径は306nmで、(動的光散乱法で測定した
粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算した粒
子径)の比が11である。そのため、粒子の沈降性につ
いて検討の余地があり、長時間の静置により粒子が沈降
固結する問題があり、研磨剤として使用する場合にディ
スパーなどで激しく攪拌してゾルを再分散する必要があ
る。本願発明は、単分散性の高いゾルの製造方法を提供
し、それらを研磨に用いることで、研磨面での微小な表
面欠陥の発生を防止しようとするものである。
て、ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径が1
0〜200nmであり、且つ(動的光散乱法で測定した
粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算した粒
子径)の比が2〜6の範囲にある結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を含有するゾル、第2観点として、下記(A)工
程及び(B)工程: (A)工程:不活性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリウ
ム(III)塩とアルカリ性物質を3〜30の(OH)/
(Ce3+)のモル比で反応させて水酸化セリウム(II
I)の懸濁液を生成した後、直ちに該懸濁液に大気圧
下、10〜95℃の温度で酸素又は酸素を含有するガス
を吹き込むことにより、ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径が10〜200nm、且つ(動的光散乱
法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積か
ら換算した粒子径)の比が10以上の範囲にある結晶性
酸化第二セリウム粒子を含有するゾルを生成する工程、
及び (B)工程:(A)工程で得られたゾルを湿式粉砕する
工程、からなる第1観点に記載の結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を含有するゾルの製造方法、第3観点として、ア
ルカリ性物質が、アルカリ金属の水酸化物、有機塩基又
はこれらの混合物である第2観点に記載の結晶性酸化第
二セリウム粒子を含有するゾルの製造方法、第4観点と
して、酸素を含有する気体が、空気又は酸素と窒素の混
合ガスである第2観点又は第3観点に記載の結晶性酸化
第二セリウム粒子を含有するゾルの製造方法、第5観点
として、下記(a)工程及び(b)工程: (a)工程:炭酸セリウムを300〜1100℃で焼成
することにより結晶性酸化セリウム粒子を製造する工
程、及び (b)工程:(a)工程で得られた粒子を湿式粉砕する
工程、からなる第1観点に記載の結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を含有するゾルの製造方法、第6観点として、湿
式粉砕が、湿式ボールミル、サンドグラインダー、アト
ライター、パールミル、超音波ホモジナイザー、圧力ホ
モジナイザー、又はアルティマイザーによって行われる
第2観点乃至第5観点のいずれか一つに記載の結晶性酸
化第二セリウム粒子を含有するゾルの製造方法、及び第
7観点として、水性媒体中で第1観点記載の結晶性酸化
第二セリウム粒子が陰に帯電した高分子ポリマー粒子の
表面に吸着している有機―無機複合体粒子を含有する水
性スラリーである。
酸化第二セリウム粒子を含有する。
(BET法)による比表面積が、4〜83m2/gであ
り、それらの値から換算した粒子径が10〜200nm
である。ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径
は、個々の粒子の粒子径の平均値が観測されるものであ
る。
ECTRONICS 社製)、DLS−6000(大塚電子(株)
製)等の装置によって測定され、その値は20〜800
nmである。動的光散乱法ではゾル中の粒子の粒子径が
観測され、凝集や癒着があるときはそれらの粒子径が観
測される。
セリウム粒子は、ガス吸着法による比表面積から換算し
た粒子径が10〜200nmであり、且つ(動的光散乱
法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積か
ら換算した粒子径)の比が2〜6の範囲にある結晶性酸
化第二セリウム粒子を含有するゾルである。これらから
ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径と、動的
光散乱法で測定した粒子径との差が従来の結晶性酸化第
二セリウム粒子を含有するゾルよりも小さいため、凝集
形態が小さく、単分散に近いゾルである。
程を経由して製造される。
程は、不活性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリウム(II
I)塩とアルカリ性物質を3〜30の(OH)/(Ce
3+)のモル比で反応させて水酸化セリウム(III)懸濁
液を生成した後、直ちに該懸濁液に大気圧下、10〜9
5℃の温度で酸素又は酸素を含有するガスを吹き込み酸
化させ、ガス吸着法(BET法)による比表面積から換
算した粒子径が10〜200nmで、(動的光散乱法で
測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換
算した粒子径)の比が10以上の範囲にある結晶性酸化
第二セリウム粒子を含有するゾルを製造する。
リウム、塩化第一セリウム、硫酸第一セリウム、炭酸第
一セリウム、硝酸アンモニウムセリウム(III)等が挙
げられる。上記のセリウム(III)塩化合物は、単独ま
たは混合物として使用することができる。
酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物またはアンモニ
ア、アミン、水酸化四級アンモニウム等の有機塩基が挙
げられ、特に、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウムが好ましく、これらを単独または混合物として
使用することができる。
どの酸化性ガスと窒素などの不活性ガスとの混合ガスな
どが挙げられるが、空気が経済性、取扱い面から好まし
い。
ルを湿式粉砕する工程である。
(b)工程を経由して製造することができる。
00℃で焼成することにより結晶性酸化セリウム粒子を
製造する。炭酸セリウムは、平均粒子径が数μm〜10
0μmの市販の炭酸セリウムを使用することができる。
が十分に起こらず結晶性酸化第二セリウムが得られない
ため好ましくない。また、焼成温度が1100℃より高
いと、結晶性酸化第二セリウムの一次粒子径が300n
m以上となり好ましくない。
ウム粒子を(b)工程で湿式粉砕して結晶性酸化第二セ
リウム粒子を含有するゾルを製造する。
程及び(b)工程は、(A)及び(a)工程で得られた
結晶性酸化第二セリウムゾル及び結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を湿式粉砕する工程である。この湿式粉砕は湿式
ボールミル、サンドグラインダー、アトライター、パー
ルミル、超音波ホモジナイザー、圧力ホモジナイザー、
アルティマイザーなどの装置を用いて行われる。
(A)工程におけるガス吸着法(BET法)による比表
面積から換算した粒子径を維持しながら、(動的光散乱
法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積か
ら換算した粒子径)の比を2〜6の範囲に到達するまで
湿式粉砕を行うものである。
で得られた結晶性酸化第二セリウム粒子の1次粒子径を
小さくすることなく、粒子同士が点で軽く癒着した状態
を分離させる目的で行うものであり、このため(B)工
程後の粒子のガス吸着法(BET法)から換算した粒子
径の値は、(A)工程の値とほとんど変わらない。
は、(a)工程で得られる結晶性酸化第二セリウム粒子
は一次粒子が面で癒着しており(b)工程の湿式粉砕に
より一次粒子を崩さず粒子を分離させるが、癒着した面
を剥がすため新しい面ができる。そのため(b)工程後
の粒子のガス吸着法(BET法)から換算した粒子径の
値は、(a)工程の値より小さくなる。
ム粒子を含有するゾルは、限外濾過法またはフィルター
プレス洗浄法などの洗浄により不純物を取り除いた後、
第4級アンモニウムイオン(NR4 +、但しRは有機基で
ある)を(NR4 +)/(CeO2)のモル比で0.00
1〜1の範囲に含有させることによりアルカリ性ゾルと
して安定性が向上するので好ましい。
モニウムシリケート、ハロゲン化第4級アンモニウム、
水酸化第4級アンモニウム、又はこれらの混合物を添加
することによって与えられ、特に第4級アンモニウムシ
リケート、水酸化第4級アンモニウムが好ましい。
できる。酸の場合は、水溶性の酸を[H+]/[Ce
O2]モル比で0.001〜1の範囲に含有することに
より酸性ゾルとして安定性が向上するので好ましい。こ
の酸性ゾルは、1〜6のpH、好ましくは2〜6のpH
である。上記水溶性の酸は、例えば塩化水素、硝酸等の
無機酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、クエン酸、乳酸等の有機
酸、これらの酸性塩、又はこれらの混合物が挙げられ
る。また、水溶性の塩基を[OH-]/[CeO2]モル
比で0.001〜1の範囲に含有することによりアルカ
リ性ゾルにすることができる。このアルカリ性ゾルは、
8〜13のpH、好ましくは9〜13のpHである。上
記水溶性の塩基は、上記記載の水酸化第4級アンモニウ
ム、第4級アンモニウムシリケートの他にエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミン、モノプロパノールアミン、及びアンモニ
ア、水酸化カリウム等が挙げられる。
含有するゾルは、(B)工程及び(b)工程の終了後に
上記塩基又は酸の添加によりゾルとして安定化を向上さ
せることができる。しかし、(A)工程及び(a)工程
の終了後に上記塩基又は酸を添加することにより、湿式
ボールミル、サンドグラインダー、アトライター(三井
鉱山(株)製)、パールミル((株)アシザワ製)、超
音波ホモジナイザー(日本精機製作所(株)製)、圧力
ホモジナイザー((株)エスエムティー製)、アルティ
マイザー(スギノマシン(株)製)などで湿式粉砕又は
湿式破砕を行う事もできる。(B)工程及び(b)工程
での安定した操業のためには、(A)工程及び(a)工
程の終了後に上記塩基又は酸を添加する方法を行うこと
が好ましい。
含有するゾルは、水溶性有機高分子、陰イオン性界面活
性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤を
添加することができる。例えばポリビニルアルコール、
アクリル酸重合体及びそのアンモニウム塩、メタクリル
酸重合体及びそのアンモニウム塩等の水溶性高分子類、
オレイン酸アンモニウム、ラウリル硫酸アンモニウム、
ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の陰イオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリエチレ
ングリコールジステアレート、ポリエチレングリコール
モノステアレート等の非イオン性界面活性剤が挙げられ
る。これらの添加量としては、結晶性酸化第二セリウム
粒子100重量部に対し0.01〜100重量部の割合
で添加することができる。
セリウム粒子を含有するゾルは、走査型電子顕微鏡(S
EM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)観察では一次粒
子径で20〜300nmの粒子径を有している。また酸
化第二セリウム粒子を110℃で乾燥して、X線回折パ
ターンを測定したところ、回折角度2θ=28.6°、
47.5°及び56.4°に主ピークを有し、ASTM
カードNo.34−394に記載の立方晶系の結晶性の
高い酸化第二セリウム粒子である。また酸化第二セリウ
ム粒子のガス吸着法(BET法)により比表面積値を測
定し、球体粒子として換算した粒子径(BET法換算粒
子径)は10〜200nmで、しかも(動的光散乱法で
測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換
算した粒子径)の比が2〜6の範囲にあるため単分散に
近い状態の結晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾル
である。このため、長時間放置しても粒子の沈降が少な
く軽い攪拌や振とう等で容易に製造時の分散状態に戻
り、常温に保存しても1年以上安定である。
セリウムゾルは、水媒体、水溶性有機溶媒または水と水
溶性有機溶媒の混合溶媒に再分散させる事により酸化第
二セリウムのゾルとして研磨剤以外にも紫外線吸収材
料、触媒用材料及び燃料電池用材料等にすることができ
る。
ムゾルは、結晶性粒子であり、しかも単分散粒子に近い
状態で分散している。このため陽に帯電した本願発明の
酸化第二セリウム粒子は、水性媒体中で陰に帯電した高
分子ポリマー粒子の表面に均一に吸着することができる
ことで、この酸化セリウム−高分子ポリマー複合体は研
磨剤として有用であると考えられる。ここで陰に帯電し
た高分子ポリマー粒子は、表面に水酸基、カルボキシル
基やスルホン基などの陰イオン官能基を有する高分子ポ
リマーが好ましい。また、高分子ポリマーの粒子径は、
本願発明の結晶性酸化第二セリウム粒子が均一に覆うた
めには、結晶性酸化第二セリウム粒子のガス吸着法によ
る比表面積から換算した粒子径より大きくなければなら
なく、結晶性酸化第二セリウムの粒子径の5〜10倍以
上大きいものがより好ましい。この高分子ポリマーの粒
径は、通常、1〜100μmの範囲で用いられる。陽に
帯電した結晶性酸化第二セリウム粒子は、陰に帯電した
高分子ポリマーの粒子の表面を覆うが、その量は通常、
(結晶性酸化第二セリウム粒子)/(高分子ポリマー)
の重量比で、下限値=0.05、上限値=3.0であ
る。この上限値を超えて添加しても良いが、有機−無機
複合体粒子と結晶性酸化セリウム粒子の混合物である。
ル中の粒子には、ランタン、ネオジウム、プラセオジウ
ムの稀土類元素等が含有していても、その性能を阻害さ
れないため、これらの稀土類元素を加えることができ
る。
するゾルは粒子同士が軽い癒着を起こし粒子同士の結び
つきにより大きな粒子として存在しているため、粒子の
沈降が起こりやすく、一旦これら沈降が発生すると再分
散し、完全に元の状態に戻すことは難しかった。また、
これらの結晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾルを
研磨剤に使用した場合は、それら研磨剤で研磨した研磨
面の表面性が充分なものとはいえなかった。ところが、
本願発明では一旦生成した結晶性酸化第二セリウム粒子
を含有するゾルに湿式粉砕を施した場合、剪断力や衝撃
力を加えることにより癒着されていた粒子同士が分離す
ることにより単分散に近いゾルが得られるものである。
そしてこの分離された粒子同士は再び癒着や、凝集する
ことがない。この湿式粉砕はディスパー等の高速の攪拌
力よりはむしろ大きな剪断力や衝撃力を発生する装置を
用いて達成される。それら装置としては湿式ボールミ
ル、サンドグラインダー、アトライター、パールミル、
超音波ホモジナイザー、圧力ホモジナイザー、及びアル
ティマイザー等の装置が好ましい。本願発明では、一旦
生成した結晶性酸化第二セリウムのコロイド粒子に剪断
力や衝撃力を加えることにより癒着した粒子を分離でき
ることを見出し、それらを達成する手段として本願発明
の(B)工程及び(b)工程では湿式粉砕を行うもので
ある。
され、従来では難しかった単分散に近い結晶性酸化第二
セリウム粒子を含有するゾルを製造することができたも
のである。これら単分散性の結晶性酸化第二セリウムゾ
ルを研磨剤として用いて、使用時、例えば研磨剤の供給
源から研磨機までの配管内での沈降固結の問題や、それ
らを長時間使用する際の沈降固結の問題が発生しないの
で、常に一定の品質で研磨剤を供給でき、常に一定の研
磨性能を発揮できる。この研磨剤は高い研磨速度を維持
しながら良好な研磨面が得られる。
gとNH3 /Ce3+=6(モル比)に相当する25%の
アンモニア水溶液94.8kgを仕込み、液温を30℃
に保ちながらの樹脂製のノズルより3Nm3 /時間の窒
素ガスを吹き込み、CeO2に換算した濃度が7.84
重量%の硝酸セリウム(III)水溶液508.0kgを
攪拌しながら30分かけて徐々に添加し、水酸化物の懸
濁液を得た。続いてこの懸濁液を80℃まで昇温させた
後、樹脂製のノズルからの吹き込みを窒素ガスから4N
m3 /時間の空気に切り替えセリウム(III)がセリウ
ム(IV)にする酸化反応を開始した。5時間で酸化反応
が終了した。反応が終了した液を室温に戻し、白色の微
粒子を有するpH=9.4の反応液が得られた。
((株)コトブキ技研製)で洗浄を行い、固形分23.
2重量%、pH9.1、電気伝導度40μS/cmの白
色スラリー(A−1)172kgが得られた。
EM)で観察したところ40〜80nmの粒子であっ
た。また、微粒子を乾燥して粉末X線回折を測定したと
ころ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び5
6.4°に主ピークを有し、ASTMカード34−39
4に記載の立方晶系の結晶性酸化第二セリウムの特性ピ
ークと一致した。また、酸化第二セリウム粒子のガス吸
着法(BET法)による比表面積値は30m2/gで、
ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として2
8nmであった。またN4(COULTER ELECTONICS,INS
製)で測定した動的光散乱法による粒子径は385nm
であった。このため(動的光散乱法で測定した粒子径)
/(ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径)の
比は13.8であった。
アンモニウムシリケートを(NR4 +)/(CeO2)の
モル比で0.015になるように添加し、更に純水で濃
度調整をして、固形分21.1重量%、pH10.9、
電気伝導度1850μS/cm、粘度1.8mPa・s
のアルカリ性ゾル(A’−1)81kgを得た。
れ、出力1200ワットの超音波ホモジナイザー(日本
精機製作所(株)製)に1.1リットル/分の流量で供
給し、ゾルを循環させながら、19時間粉砕を行った。
粉砕して得られたゾル(B−1)は、固形分21.1重
量%、pH10.6、電気伝導度1670μS/cm、
粘度1.8mPa・sであり、動的光散乱法で測定した
粒子径は163nmであった。このため(動的光散乱法
で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径)の比は5.8になった。
gとφ0.5mmの部分安定化ジルコニアビーズ121
7gを容積700mlのサンドグラインダーに仕込み、
攪拌羽根を1000rpmで回し、3時間粉砕した。粉
砕して得られたゾル(B−2)は、固形分21.1重量
%、pH10.5、電気伝導度1630μS/cm、粘
度1.8mPa・sであり、動的光散乱法で測定した粒
子径は92nmであった。このため(動的光散乱法で測
定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算
した粒子径)の比は3.3になった。
gとNH3 /Ce3+=6(モル比)に相当する25%の
アンモニア水溶液94.8kgを仕込み、液温を30℃
に保ちながらの樹脂製のノズルより3Nm3 /時間の窒
素ガスを吹き込み、CeO2に換算した濃度が7.84
重量%の硝酸セリウム(III)水溶液508.0kgを
攪拌しながら30分かけて徐々に添加し、水酸化物の懸
濁液を得た。続いてこの懸濁液を85℃まで昇温させた
後、樹脂製のノズルからの吹き込みを窒素ガスから4N
m3 /時間の空気に切り替えセリウム(III)がセリウ
ム(IV)にする酸化反応を開始した。5時間で酸化反応
が終了した。反応が終了した液を室温に戻し、白色の微
粒子を有するpH=9.2の反応液が得られた。
((株)コトブキ技研製)で洗浄を行い、固形分21.
4重量%、pH8.0、電気伝導度24μS/cmの白
色スラリー(A−2)187kgが得られた。
EM)で観察したところ40〜100nmの粒子であっ
た。また、微粒子を乾燥して粉末X線回折を測定したと
ころ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び5
6.4°に主ピークを有し、ASTMカード34−39
4に記載の立方晶系の結晶性酸化第二セリウムの特性ピ
ークと一致した。また、酸化第二セリウム粒子のガス吸
着法(BET法)による比表面積値は20m2/gで、
ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として4
2nmであった。またDLS−6000(大塚電子
(株)製)で測定した動的光散乱法で測定した粒子径は
417nmであった。このため(動的光散乱法で測定し
た粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算した
粒子径)の比は10であった。
(HNO3)/(CeO2)のモル比で0.005になる
ように10重量%の硝酸水溶液を添加し、更に純水で濃
度調整をして、固形分20.1重量%、pH4.8、電
気伝導度39μS/cm、粘度1.9mPa・sの酸性
ゾル(A’−2)117kgを得た。
圧力400kg/cm2の圧力ホモジナイザー(エスエ
ムティー製)にゾルを1リットル/分の流量で通液して
粉砕した。この操作を3回繰り返し、固形分20.1重
量%、pH4.8、電気伝導度57μS/cm、粘度
1.5mPa・sのゾル(B−3)が得られた。このゾ
ルの動的光散乱法で測定した粒子径は177nmであっ
た。このため(動的光散乱法で測定した粒子径)/(ガ
ス吸着法による比表面積から換算した粒子径)の比は
4.2になった。
gとNH3 /(Ce3++La3+)=6(モル比)に相当
する25%のアンモニア水溶液94.8kgを仕込み、
液温を30℃に保ちながらの樹脂製のノズルより3Nm
3 /時間の窒素ガスを吹き込み、CeO2に換算した濃
度が7.84重量%の硝酸セリウム(III)水溶液50
8.0kgとLa2O3に換算した濃度が14.0重量%
の硝酸ランタン(III)14.3kgを攪拌しながら3
0分かけて徐々に添加し、水酸化物の懸濁液を得た。続
いてこの懸濁液を75℃まで昇温させた後、樹脂製のノ
ズルからの吹き込みを窒素ガスから4Nm3/時間の空
気に切り替えセリウム(III)がセリウム(IV)にする
酸化反応を開始した。5時間で酸化反応が終了した。反
応が終了した液を室温に戻し、白色の微粒子を有するp
H=9.8の反応液が得られた。
((株)コトブキ技研製)で洗浄を行い、固形分21.
7重量%、pH9.1、電気伝導度98μS/cmの白
色スラリー(A−3)185kgが得られた。
EM)で観察したところ40〜100nmの粒子であっ
た。また、微粒子を乾燥して粉末X線回折を測定したと
ころ、回折角度2θ=28.6°、47.5°及び5
6.4°に主ピークを有し、ASTMカード34−39
4に記載の立方晶系の結晶性酸化第二セリウムの特性ピ
ークと一致した。また、酸化第二セリウム粒子のガス吸
着法(BET法)による比表面積値は20m2/gで、
ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径として4
1nmであった。またDLS−6000(大塚電子
(株)製)で測定した動的光散乱法で測定した粒子径は
480nmであった。このため(動的光散乱法で測定し
た粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算した
粒子径)の比は12であった。
(HNO3)/(CeO2)のモル比で0.003になる
ように10重量%硝酸水溶液を添加し、更に純水で濃度
調整をして、固形分20.3重量%、pH4.5、電気
伝導度29μS/cm、粘度40.8mPa・sの酸性
ゾル(A’−3)48kgを得た。この酸性ゾル500
gを500ccのポリウレタン容器に入れ、出力120
0ワットの超音波ホモジナイザー(日本精機製作所
(株)製)で10分間粉砕した。そして固形分20.3
重量%、pH4.8、電気伝導度26μS/cm、粘度
40.5mPa・sのゾル(B−4)が得られた。この
ゾルの動的光散乱法で測定した粒子径で190nmであ
った。このため(動的光散乱法で測定した粒子径)/
(ガス吸着法による比表面積から換算した粒子径)の比
は4.6になった。
回折法での平均粒子径38μm)を0.5m3の電気炉を
用い750℃で15時間焼成することにより、走査型電
子顕微鏡(SEM)観察で一次粒子径が15〜30nm
の粒子の焼成粉を36kg得られた。これを粉末X線回
折装置で測定したところ、回折角度2θ=28.6°、
47.5°及び56.4°に主ピークを有し、ASTM
カード34−394に記載の立方晶系の結晶性酸化第二
セリウムの特性ピークと一致した。また、酸化第二セリ
ウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面積値は
17m2/gで、ガス吸着法による比表面積から換算し
た粒子径として50nmであった。この酸化第二セリウ
ム96gを純水193gに分散させ、更に10重量%硝
酸水溶液2gを添加し、酸化第二セリウムスラリー29
1gを作成した。0.5mmφの部分安定化ジルコニア
ビーズ1.05kgを内容積700mlのサンドグライ
ンダーに仕込み、更に酸化第二セリウムスラリー291
gを加え、回転数1500rpmで5時間湿式粉砕し
た。粉砕後、250gの純水を使用しビーズを分離し、
pH6.1、電気伝導度77μS/cm、固形分18重
量%の酸性ゾル(B−5)が500g得られた。酸化第
二セリウム粒子のガス吸着法(BET法)による比表面
積値は52m2/gで、ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径として16nmであった。またDLS−
6000(大塚電子(株)製)で測定した動的光散乱法
で測定した粒子径は100nmであった。このため(動
的光散乱法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比
表面積から換算した粒子径)の比は6であった。
ート重合体粉末(平均粒子径5μm)8.8gを純水9
4g中に分散させた後、酸性ゾル(B−5)を122g
と10重量%硝酸水溶液0.4gを加え、CeO2換算
で10重量%、pH5.1、電気伝導度44μS/cmの
酸性ゾル(B−6)を作成した。このゾルを透過型電子
顕微鏡で観察したところ、平均粒子径5μmの真球状ポ
リマーの表面に15〜30nm粒子径を有する結晶性酸
化第二セリウム粒子が均一に付着しているのが確認され
た。
ル(A’−1、A’−2、A’−3、B−1、B−3、
B−4、B−5、B−6)を純水でCeO2として10
重量%に調整し、研磨試験を行った。また120ccの
スチロール瓶に入れ、3日間静置し沈降固結性の程度を
比較した。
プマスター(株)製)、 研磨布:ポリウレタン含浸の不織布ポリテックスDG
(ロデールニッタ(株)製)、 被研磨物:石英ガラス(φ95.5mm)、 回転数:40rpm 、 研磨圧力:80g/cm2 、 研磨時間:10分間で行った。
400倍の偏光顕微鏡観察によって行い、大きな欠陥が
観察された時は(×)印を記載し、微小な欠陥が観察さ
れた時は(○)印を記載し、欠陥が全くない時は(◎)
印を記載した。
に120ccのスチロール瓶の底に沈降物が存在するか
どうかによって行い、沈降物が目視で検出された時は
(有り)を記載し、沈降物が目視で検出されない時は
(なし)を記載した。
を超音波ホモジナイザーや圧力ホモジナイザー等で粉砕
し、(遠心沈降法で測定した粒子径)/(ガス吸着法に
よる比表面積から換算した粒子径)の比、及び(動的光
散乱法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面
積から換算した粒子径)の比を2〜6の範囲に粉砕した
B−1、B−3、B−4、B−5及びB−6は、研磨速
度は同等であり、しかも研磨面は面質が向上し、沈降固
結量も少なかった。また、B−6は研磨速度が向上して
いるのが確認された。
媒体中でセリウム(III)塩とアルカリ性物質を化合物
を3〜30の(OH)/(Ce3+)のモル比で反応させ
て水酸化セリウム(III)の懸濁液を生成した後、直ち
に該懸濁液に大気圧下、10〜95℃の温度で酸素又は
酸素を含有するガスを吹き込み酸化させて得られたガス
吸着法による比表面積から換算した粒子径が10〜20
0nm、且つ(動的光散乱法で測定した粒子径)/(ガ
ス吸着法による比表面積から換算した粒子径)の比が1
0以上である結晶性酸化第二セリウムゾルを湿式粉砕す
ることにより、ガス吸着法による比表面積から換算した
粒子径を維持して、しかも(動的光散乱法で測定した粒
子径)/(ガス吸着法による比表面積から換算した粒子
径)の比が2〜6の範囲にあり、結晶性酸化第二セリウ
ム粒子がゾル中で単分散に近い状態にあることが特徴で
ある結晶性酸化第ニセリウムゾルである。
で焼成することにより得られた結晶性酸化セリウム粒子
を湿式粉砕することにより、ガス吸着法による比表面積
から換算した粒子径を維持して、しかも(動的光散乱法
で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径)の比が2〜6の範囲にあり、結晶性酸
化第二セリウム粒子がゾル中で単分散に近い状態にある
ことが特徴である結晶性酸化第ニセリウムゾルである。
ムゾルは、ゾルとしての保存安定性に優れ、しかもシリ
カを主成分とする基板の研磨剤として、結晶性酸化第二
セリウム粒子の1次粒子径の大きさが維持されているた
め、研磨速度が低下することなく、非常に良好な研磨面
が得られる。
リウムゾルは、結晶性粒子であり、しかも単分散粒子に
近い状態で分散している。このため陽に帯電した本願発
明の酸化第二セリウム粒子は、水性媒体中で陰に帯電し
た高分子ポリマー粒子の表面に均一に吸着することがで
きることで、この酸化セリウム−高分子ポリマー複合体
は、研磨剤として優れた研磨特性が得られる。
リシング:Chemical Mechanical Polishing)と通常称
されている半導体デバイス製造工程における平坦化研磨
に用いる研磨剤として好適である。特に、保護膜として
用いられる窒化ケイ素膜にダメージを与えることなく精
密に研磨することができるため、STI(シャロートレ
ンチアイソレーション:Shallow Trench Isolation)と
通常称されている半導体デバイスの素子分離工程に用い
る研磨剤として好適である。また、シロキサン系、有機
ポリマー系、多孔質材料系、CVDポリマー系等の半導
体デバイスの層間絶縁膜用低誘電率材料の研磨に用いる
研磨剤としても好適である。シロキサン系の材料例とし
ては、水素化シルセスキオキサン、メチルシルセスキオ
キサン、水素化メチルシルセスキオキサンがあげられ
る。有機ポリマー系の材料の例としては、ポリアリーレ
ンエーテル、熱重合性炭化水素、パーフロロ炭化水素、
ポリキノリン、フッ素化ポリイミドがあげられる。多孔
質材料系の材料の例としては、キセロゲル、シリカコロ
イドがあげられる。CVDポリマー系の材料の例として
は、フロロカーボン、芳香族炭化水素ポリマー、シロキ
サン系ポリマーがあげられる。
えば水晶、石英ガラス、ガラス製ハードディスク、半導
体デバイスの有機膜、層間絶縁膜及びトレンチ分離のC
MPなどを指す。また他の基板としてニオブ酸リチウ
ム、タンタル酸リチウム等の光学結晶材料、窒化アルミ
ニウム、アルミナ、フェライト、ジルコニア等のセラミ
ックス材料、アルミニウム、銅、タングステンなどの金
属の研磨にも適応できる。
Claims (7)
- 【請求項1】 ガス吸着法による比表面積から換算した
粒子径が10〜200nmであり、且つ(動的光散乱法
で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径)の比が2〜6の範囲にある結晶性酸化
第二セリウム粒子を含有するゾル。 - 【請求項2】 下記(A)工程及び(B)工程: (A)工程:不活性ガス雰囲気下に水性媒体中でセリウ
ム(III)塩とアルカリ性物質を3〜30の(OH)/
(Ce3+)のモル比で反応させて水酸化セリウム(II
I)の懸濁液を生成した後、直ちに該懸濁液に大気圧
下、10〜95℃の温度で酸素又は酸素を含有するガス
を吹き込むことにより、ガス吸着法による比表面積から
換算した粒子径が10〜200nm、且つ(動的光散乱
法で測定した粒子径)/(ガス吸着法による比表面積か
ら換算した粒子径)の比が10以上の範囲にある結晶性
酸化第二セリウム粒子を含有するゾルを生成する工程、
及び (B)工程:(A)工程で得られたゾルを湿式粉砕する
工程、からなる請求項1に記載の結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を含有するゾルの製造方法。 - 【請求項3】 アルカリ性物質が、アルカリ金属の水酸
化物、有機塩基又はこれらの混合物である請求項2に記
載の結晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾルの製造
方法。 - 【請求項4】 酸素を含有する気体が、空気又は酸素と
窒素の混合ガスである請求項2又は請求項3に記載の結
晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾルの製造方法。 - 【請求項5】 下記(a)工程及び(b)工程: (a)工程:炭酸セリウムを300〜1100℃で焼成
することにより結晶性酸化セリウム粒子を製造する工
程、及び (b)工程:(a)工程で得られた粒子を湿式粉砕する
工程、からなる請求項1に記載の結晶性酸化第二セリウ
ム粒子を含有するゾルの製造方法。 - 【請求項6】湿式粉砕が、湿式ボールミル、サンドグラ
インダー、アトライター、パールミル、超音波ホモジナ
イザー、圧力ホモジナイザー、又はアルティマイザーに
よって行われる請求項2乃至請求項5のいずれか1項に
記載の結晶性酸化第二セリウム粒子を含有するゾルの製
造方法。 - 【請求項7】水性媒体中で請求項1記載の結晶性酸化第
二セリウム粒子が陰に帯電した高分子ポリマー粒子の表
面に吸着している有機―無機複合体粒子を含有する水性
スラリー。
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