JP2009117635A - 研磨剤及び基板の研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 研磨傷無く、高速に研磨することが可能な研磨剤及びそれを用いた基板の研磨方法を提供する。
【解決手段】 2種以上の水溶性金属塩混合物を、200〜600℃、10〜50MPaで加熱・加圧して得られる2種以上の金属元素を含有する複合金属酸化物粒子を媒体に分散させる研磨剤。前記複合金属酸化物粒子を構成する金属元素の一方がセリウムであり、他の一方がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ランタノイド系列からなる群から選択された少なくとも1種以上であると好ましい。前記研磨剤を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、半導体チップの酸化珪素絶縁膜が形成された被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨する基板の研磨方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体素子製造技術に使用される研磨剤とそれを用いた研磨方法に関し、基板表面の平坦化工程、特に層間絶縁膜の平坦化工程、シャロー・トレンチ素子分離の形成工程等において使用されるCMP研磨剤、及びこれらのCMP研磨剤を使用した基板の研磨法に関する。
現在のULSI半導体素子製造工程では、高密度・微細化のための加工技術が研究開発されている。その一つであるCMP(ケミカルメカニカルポリッシング)技術は、半導体素子の製造工程において、層間絶縁膜の平坦化、シャロー・トレンチ素子分離形成、プラグ及び埋め込み金属配線形成等を行う際に必須の技術となってきている。
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD、低圧−CVD等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等無機絶縁膜層を平坦化するための化学機械研磨剤としてフュームドシリカ系の研磨剤が一般的に検討されている。フュームドシリカ系の研磨剤は、四塩化珪酸を熱分解する等の方法で粒成長させ、pH調整を行って製造している。しかしながら、この様な研磨剤は、研磨速度が低いという技術課題がある。
また、デザインルール0.25μm以降の世代では、集積回路内の素子分離にシャロー・トレンチ分離が用いられている。シャロー・トレンチ分離では、基板上に成膜した余分の酸化珪素膜を除くためにCMPが使用され、研磨を停止させるために、酸化珪素膜の下に研磨速度の遅いストッパ膜が形成される。ストッパ膜には窒化珪素などが使用され、酸化珪素膜とストッパ膜との研磨速度比が大きいことが望ましい。従来のコロイダルシリカ系の研磨剤は、上記の酸化珪素膜とストッパ膜の研磨速度比が3程度と小さく、シャロー・トレンチ分離用としては実用に耐える特性を有していなかった。
一方、フォトマスクやレンズ等のガラス表面研磨剤として、酸化セリウム研磨剤が用いられている。酸化セリウム粒子はシリカ粒子やアルミナ粒子に比べ硬度が低く、したがって、研磨表面に傷が入りにくいことから、仕上げ鏡面研磨に有用である。また、シリカ研磨剤に比べ、研磨速度が早い利点がある。近年、高純度酸化セリウム砥粒を用いた半導体用CMP研磨剤が使用されている。例えば、その技術は特許文献1に開示されている。
酸化セリウム砥粒は、原料となる炭酸セリウム、シュウ酸セリウム、水酸化セリウムを焼成し、微粉砕することで製造されることが知られている。例えば、この技術は非特許文献1に開示されている。
また、近年、超臨界技術を用いた水熱合成法により微小な金属酸化物粒子を製造する方法も研究されている。この技術は金属塩水溶液を加圧・加熱することで、加水分解・脱水反応を経て金属酸化物を得るものであり、例えば非特許文献2に開示されている。
特開平10−106994号公報 足立吟也(編) 「希土類の化学」 化学同人 1999発行 阿尻雅文、粉体工学会誌、Vol.35、371−382 (1998)
酸化セリウム研磨剤を半導体絶縁膜研磨に適用すると、酸化セリウムの化学的作用と粒子による機械的除去作用で研磨加工が進行するとされる。しかし、研磨剤中に粗大粒子が存在すると、局所的に機械的除去作用が集中し研磨傷が入りやすくなる。そのため、所望な研磨速度と研磨傷等の表面状態になる酸化セリウム2次粒子径を選択しているが、焼成・粉砕工程を経て製造された酸化セリウム粒子を用いる限り、粗大粒子の完全な除去は困難であり、研磨傷フリーの表面を作り出すことは出来ない。
一方、液相中の水熱反応による酸化セリウム粒子合成では比較的均一な粒径を有する砥粒を製造できるとされている。しかし、研磨傷を低減するため2次粒子径を小さくした場合、所望の研磨速度が得られないという課題がある。また、酸化セリウムは比重が大きいため、重量あたりの粒子数が少なく、研磨速度が向上しがたいのも一因である。今後、半導体素子の多層化・高精細化が進むにつれ、半導体素子の歩留り向上には研磨傷フリーで、かつ高速研磨が可能な研磨剤が必須となる。
本発明は、粗大粒子の発生を抑えつつ、複合酸化物砥粒を用いることで比重を小さくし、粒子数を増大させることにより研磨傷無く、高速に研磨することが可能な研磨剤および基板の研磨法を提供するものである。
本発明は、下記(1)〜(9)に関する。
(1) 2種以上の水溶性金属塩混合物を、200〜600℃、10〜50MPaで加熱・加圧して得られる2種以上の金属元素を含有する複合金属酸化物粒子を媒体に分散させることを特徴とする研磨剤。
(2) 前記複合金属酸化物粒子を構成する金属元素の一方がセリウムであり、他の一方がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ランタノイド系列からなる群から選択された少なくとも1種以上である上記(1)に記載の研磨剤。
(3) (1),(2)に記載の、複合金属酸化物粒子を構成する金属酸化物のうち、酸化セリウムの含有量が20〜90重量%である研磨剤。
(4) (1)〜(3)に記載の、媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の2次粒子径の中央値が10〜300nmである研磨剤。
(5) (1)〜(4)に記載の、媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の1次粒子径が10〜200nmである研磨剤。
(6) (1)〜(5)に記載の、研磨剤のpHが3〜9である研磨剤。
(7) (1)〜(6)に記載の、媒体が水である研磨剤。
(8) (1)〜(7)に記載の、複合金属酸化物研磨剤で所定の基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
(9) (1)〜(7)に記載の研磨剤を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、半導体チップの酸化珪素絶縁膜が形成された被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
粒子による研磨傷を無くすには、粒子の化学的作用を活かし、機械的作用を極力小さくするため、2次粒子径を小さくする必要がある。また2次粒径を小さくしつつ、高研磨速度を達成するためには、粒子数を多くすることが必要である。本発明は、粗大粒子の発生を抑えつつ、複合酸化物砥粒を用いることで比重を小さくし、粒子数を増大させることにより研磨傷無く、高速に研磨することが可能な研磨剤および基板の研磨法を提供する。
本発明によれば、SiO絶縁膜等の被研磨面を傷なく、高速に研磨することが可能である。
本発明の研磨剤は、2種以上の金属元素を含有する複合金属酸化物粒子を媒体に分散させたスラリである。2種以上の金属元素を有する金属酸化物として、結晶母構造を維持しつつ、微量の第2元素が部分置換された固溶体がある。一方、本発明の複合酸化物とは、基材となる酸化セリウムの結晶構造変化を引き起こす程度に第2元素からなる金属酸化物が導入されたものである。本発明における複合金属酸化物粒子を作製する方法としては、2種以上の水溶性金属塩混合物を加熱・加圧することで得られる。反応温度として200〜600℃である。さらに好ましくは250℃以上、500℃以下が用いられる。温度が低すぎると水熱反応が進行せず、高すぎると粒子の溶解により収率が低下する。反応圧力として、10〜50MPaである。さらに好ましくは15MPa以上、40MPa以下が好適に使用される。圧力が低すぎると水熱反応が進行せず、高すぎると粒子の溶解により収率が低下する。
金属塩としては、硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、酢酸塩等の有機酸塩を使用することができる。反応を促進しやすくするため金属塩の混合液に予めアルカリ液を混合しても良い。アルカリ液はアンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが使用できる。金属不純物は次の工程の洗浄で除去できるが、好ましくはアンモニア水が良い。
本発明における研磨剤は、上記方法で合成された複合金属酸化物を水および必要に応じて分散剤からなる組成物によって分散させることによって得られる。分散に先立ち、複合金属酸化物を予め洗浄しても良い。洗浄は遠心分離等で固液分離を数回繰り返す方法等が使用できる。
これらの複合金属酸化物を水中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、超音波分散機、ボールミルなどを用いることができる。
本発明の研磨剤に使用される複合金属酸化物粒子を構成する金属原子の少なくとも一方は、セリウムであることが好ましい。セリウム以外の他の金属元素として、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ランタノイド系列からなる群から選ばれる少なくとも1種以上のものが好ましい。金属酸化物の比重の観点から、チタン、ジルコニウム、ランタンがより好ましく使用される。
複合金属酸化物粒子を構成する金属酸化物のうち、酸化セリウムの含有量が20〜90重量%の範囲であることが好ましい。更に好ましくは30重量%以上、80重量%以下、より好ましくは40重量%以上、70重量%の範囲が使用される。酸化セリウムの含有量が少なすぎると化学研磨力が低下し、多すぎると粒子数増加による研磨速度の向上が期待できない。
媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の2次粒子径の中央値が、10〜300nmであることが好ましい。本発明で、研磨剤中の粒子の粒径の測定は、光子相関法(例えばMalvern社製Zetasizer HS3000)で測定する。より好ましくは20nm以上、250nm以下、更に好ましくは40nm以上、200nm以下の範囲が好適に使用される。大きすぎると研磨傷が入りやすくなり、小さすぎると所望の研磨速度が得られない。
媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の1次粒子径が、10〜200nmであることが好ましい。本発明で、研磨剤中の粒子の1次粒子径の測定は、XRD(X線回折)精密測定後(例えば理学社製RINT)、リートベルト解析によって決定する。より好ましくは20nm以上、150nm以下、更に好ましくは30nm以上、100nm以下の範囲が好適に使用される。大きすぎると所望の2次粒子径に粉砕・分散ができず、小さすぎると所望の研磨速度が得られない。
研磨剤のpHは、3〜9であることが好ましく、4以上、8以下であることがより好ましく、5以上、7以下であることが特に好ましい。pHが小さくても大きくても化学的作用力が小さくなり、研磨速度が低下する。
媒体としては、水の他、以下の群から選ばれたものが好適である。メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、2-プロピン-1-オール、アリルアルコール、エチレンシアノヒドリン、1-ブタノール、2-ブタノール(S)-(+)-2-ブタノール、2-メチル-1-プロパノール、t-ブチルアルコール、パーフルオロ-t-ブチルアルコール、t-ペンチルアルコール、1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、グリセリン、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール、1,2,6-ヘキサントリオール等のアルコール;ジオキサン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2,2-(ジメトキシ)エタノール、2-イソプロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ジアセトンアルコール、2-メトキシエチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテル;アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン等が挙げられ、その中でも、水、メタノール、エタノール、2-プロパノール、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトンがより好ましく、高研磨速度が得られる点で水が特に好ましい。
また、本発明における研磨剤に、添加剤としてビニルアルコール、酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリルアミドおよびメタアクリルアミドからなる群から選ばれた少なくとも1種のモノマを(共)重合することで得られる水溶性高分子を用いることができる。より好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸を重合してなるアニオン性の水溶性高分子が使用される。また、本発明の研磨剤は他のアニオン性水溶性高分子を使用してもよい。例えばアルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリンゴ酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリビニル硫酸、ポリグリオキシル酸が挙げられる。添加剤として用いる水溶性高分子の添加量は、研磨剤100重量部に対して、0.001重量部以上、10重量部以下の範囲が好ましい。0.01重量部以上、1重量部以下の範囲がさらに好ましい。添加量が少なすぎると高平坦化特性が得られず、多すぎると高粘度化のため流動性が低下する場合がある。
また添加剤として用いる水溶性高分子の重量平均分子量は、100〜5,000,000が好ましく、1,000〜1,000,000がより好ましい。添加剤の分子量が100未満の場合は、高平坦化特性が得られず、添加剤の分子量が5,000,000を超えた場合は、粘度が高くなり、研磨剤の保存安定性が低下するからである。
これらの添加剤は、所定のpHに調整するため、アルカリ溶液によってpH調整するか、完全または部分中和塩を使用できる。アルカリ液として、アンモニア水、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムが使用できる。好ましくはアンモニア水が良い。
本発明の研磨剤は、上記スラリをそのまま使用してもよいが、研磨剤のpH安定剤としてカルボン酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、アミン塩を用いることができる。pH安定化剤は、少なくとも一方の構成成分のpKa値が、研磨剤のpHの1.0単位以内にあるものが好ましく使用される。例えば、研磨剤pHを5.0〜6.0に調整する場合、リン酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、クエン酸等及びその塩、及びエチレンジアミン、ピリジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、キサントシン、トルイジン、ピコリン酸、ヒスチジン、ピペラジン、1−メチルピペラジン、2−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、尿酸等及びその塩が好適に使用される。
本発明の研磨剤が使用される無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。定圧CVD法による酸化珪素絶縁膜形成は、Si源としてモノシラン:SiH、酸素源として酸素:Oを用いる。このSiH4−O2系酸化反応を400℃程度以下の低温で行わせることにより得られる。高温リフローによる表面平坦化を図るためにリン:Pをドープするときには、SiH4−O2−PH3系反応ガスを用いることが好ましい。プラズマCVD法は、通常の熱平衡下では高温を必要とする化学反応が低温でできる利点を有する。プラズマ発生法には、容量結合型と誘導結合型の2つが挙げられる。反応ガスとしては、Si源としてSiH、酸素源としてNOを用いたSiH−NO系ガスとテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源に用いたTEOS−O系ガス(TEOS−プラズマCVD法)が挙げられる。基板温度は250〜400℃、反応圧力は67〜400Paの範囲が好ましい。このように、本発明の酸化珪素絶縁膜にはリン、ホウ素等の元素がドープされていても良い。同様に、低圧CVD法による窒化珪素膜形成は、Si源としてジクロルシラン:SiHCl、窒素源としてアンモニア:NHを用いる。このSiHCl−NH系酸化反応を900℃の高温で行わせることにより得られる。プラズマCVD法は、Si源としてSiH、窒素源としてNHを用いたSiH−NH系ガスが挙げられる。基板温度は300〜400℃が好ましい。
所定の基板として、半導体基板すなわち回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に酸化珪素膜或いは酸化珪素膜及び窒化珪素膜が形成された基板が使用できる。このような半導体基板上に形成された酸化珪素膜層を本発明の研磨剤で研磨することによって、酸化珪素膜層表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。シャロー・トレンチ分離の場合には、酸化珪素膜層の凹凸を解消しながら下層の窒化珪素層まで研磨することによって、素子分離部に埋め込んだ酸化珪素膜のみを残す。この際、ストッパとなる窒化珪素との研磨速度比が大きければ、研磨のプロセスマージンが大きくなる。ここで、添加剤として上記水溶性高分子を添加すると、中性pH域において添加剤が窒化珪素膜に選択的に吸着し、より効果的にストッパ膜として機能し、プロセス管理が容易となる。
また、シャロー・トレンチ分離に使用するためには、研磨時に傷発生が少ないことも必要である。ここで本発明による複合金属酸化物を砥粒として使用した研磨剤を使用することで、2次粒子径を小さく保つことで研磨傷の発生を抑制しつつ、複合酸化物であることによる比重の低下、その結果による粒子数の増大のため研磨速度を高速にすることが可能となる。
研磨する装置としては、半導体基板を保持するホルダーと研磨布(パッド)を貼り付けた回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある定盤を有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布には研磨剤が溜まる様な溝加工を施すことが好ましい。研磨条件には制限はないが、定盤の回転速度は半導体が飛び出さない様に100rpm以下の低回転が好ましい。被研磨膜を有する半導体基板の研磨布への押しつけ圧力が10〜100kPa(100〜1000gf/cm)であることが好ましく、研磨速度のウエハ面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、20〜50kPa(200〜500gf/cm)であることがより好ましい。研磨している間、研磨布には研磨剤をポンプ等で連続的に供給する。この供給量には制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われていることが好ましい。
尚、本発明の研磨剤が被研磨膜表面を傷なく研磨可能であるという特長を活用し、仕上げ研磨用として用いることも可能である。すなわち一段目の研磨を、通常のシリカスラリ、セリアスラリ等を用いて行った後、本発明の研磨剤を用いて仕上げ研磨を行うことで、シャロー・トレンチ分離を行う際、研磨傷の発生を抑制しつつ高速に研磨可能である。
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このようにして、Si基板上にシャロー・トレンチ分離を形成したあと、酸化珪素絶縁膜層及びその上にアルミニウム配線を形成し、その上に形成した酸化珪素膜を平坦化する。平坦化された酸化珪素膜層の上に、第2層目のアルミニウム配線を形成し、その配線間および配線上に再度上記方法により酸化珪素膜を形成後、上記研磨剤を用いて研磨することによって、絶縁膜表面の凹凸を解消し、半導体基板全面に渡って平滑な面とする。この工程を所定数繰り返すことにより、所望の層数の半導体を製造する。
本発明の研磨剤は、半導体基板に形成された酸化珪素膜や窒化珪素膜だけでなく、所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、ガラス及び結晶質材料で構成される光集積回路・光スイッチング素子・光導波路、光ファイバ−の端面、シンチレ−タ等の光学用単結晶、固体レ−ザ単結晶、青色レ−ザ用LEDサファイア基板、SiC、GaP、GaAS等の半導体単結晶、磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等を研磨するために使用される。
(実施例1)
[研磨剤の作製]
26.7gの硫酸セリウム(IV)四水和物と30.0gの硫酸チタン(IV)を943.0gの純水に溶解し、日本分光株式会社製超臨界水合成装置(反応容器容量50mL)を用い、この溶液を400℃、30MPa、1分間加熱・加圧することにより、複合金属酸化物の懸濁液を得た。得られた複合金属酸化物を遠心分離(8,000rpm、15分間)によって、固液分離を施した。液体を除去し、新たに等量の純水を加えて、再び上記条件で遠心分離を行った。
上記の操作を繰り返し、固形分濃度2重量%の複合金属酸化物の懸濁液1000gを得た。
ポリアクリル酸水溶液(重量平均分子量10,000、50重量%水溶液)4gを996gの純水と混合し、25%アンモニア水でpH5.0に調整した。さらに上記方法で得られた複合金属酸化物の懸濁液1000gを混合し、アンモニア水でpHを5.0に再度調整した。その後、超音波分散を施し、さらに1μmのメンブレンフィルタでろ過を行い、研磨剤を得た。純水にて500倍に希釈したサンプルをMalvern社製Zetasizer HS3000を用い、25℃にて研磨剤粒子を光子相関法によって粒径を測定したところ、その中央値は100nmであった。
また、研磨剤の一部を150℃、1時間乾燥し、理学社製X線回折装置RINTを用い、XRD精密測定を行った。測定条件として、2θが20〜90°、ステップ幅0.05°、時定数5秒、電流20mA、電圧40kVとした。得られたデータをリートベルト解析した結果、複合酸化物粒子の1次粒径(結晶子サイズ)は60nmであった。
[絶縁膜層の研磨]
1μmのプラズマTEOSが成膜された200mmシリコンウェハを用いて、得られた研磨剤の研磨特性を評価した。エバラ製作所製研磨装置EPO−111の、保持する基板取り付け用の吸着パッドを貼り付けたホルダーに上記ブランケットウエハをセットし、一方、直径600mmの研磨定盤にロデール社製多孔質ウレタン樹脂製の研磨パッドIC−1000(パーフォレート)を貼り付けた。該パッド上に絶縁膜面を下にして前記ホルダーを載せ、さらに加工荷重30kPaに設定した。定盤上に上記実施例1に記載の複合酸化物研磨剤を200mL/分の速度で滴下しながら、定盤とウエハとをそれぞれ50rpmで作動させて1分間ウエハを研磨した。研磨後のウエハを純水で良く洗浄後、乾燥した。その後、ナノメトリクス社製光干渉式膜厚装置Nanospec AFT−5100を用いて、絶縁膜の残膜厚を測定した。残膜厚の変化を研磨時間で除することによって研磨速度を決定した。その結果、研磨速度は352nm/minであった。また、光学顕微鏡(1000倍)を用い、暗視野にて研磨後の絶縁膜表面を観察したところ、明確な研磨傷は観察されなかった。
(比較例1)
[研磨剤の作製]
金属塩として53.4gの硫酸セリウム(IV)四水和物を946.5gの純水に溶解した以外は実施例1と同様の操作を行い、酸化セリウム研磨剤2000g(砥粒濃度1重量%)を得た。研磨剤粒子を光子相関法によって粒径を測定したところ、その中央値は105nmであった。
また、酸化セリウム粒子の1次粒径(結晶子サイズ)は60nmであった。
[絶縁膜層の研磨]
実施例1と同様の方法で、酸化セリウム研磨剤のプラズマTEOS膜に対する研磨速度を評価した。その結果、研磨速度は291nm/minであった。また、光学顕微鏡(1000倍)を用い、暗視野にて研磨後の絶縁膜表面を観察したところ、明確な研磨傷は観察されなかった。
(比較例2)
[研磨剤の作製]
金属塩として60.0gの硫酸チタン(IV)を940gの純水に溶解した以外は実施例1と同様の操作を行い、酸化チタン研磨剤2000g(砥粒濃度1重量%)を得た。研磨剤粒子を光子相関法によって粒径を測定したところ、その中央値は90nmであった。
また、酸化チタン粒子の1次粒径(結晶子サイズ)は45nmであった。比較例1で作製した酸化セリウム研磨剤500gに対し、上記酸化チタン研磨剤500gを混合して、酸化セリウムと酸化チタン混合研磨剤を作製した。
[絶縁膜層の研磨]
実施例1と同様の方法で、酸化セリウムと酸化チタン混合研磨剤のプラズマTEOS膜に対する研磨速度を評価した。その結果、研磨速度は103nm/minであった。また、光学顕微鏡(1000倍)を用い、暗視野にて研磨後の絶縁膜表面を観察したところ、明確な研磨傷は観察されなかった。
以上の結果をまとめて表1に示した。
Figure 2009117635
表1に示すように、実施例1に示す複合酸化物研磨剤の研磨速度は352nm/minであり、同程度の粒子径の比較例1の酸化セリウム研磨剤より高速研磨が可能であった。一方、比較例2に示す、単純に酸化セリウム粒子と酸化チタン粒子を混合した研磨剤は、最も低い研磨速度を示し、酸化チタン単独では高研磨速度化に寄与しないことがわかる。上記の結果から、本発明の複合酸化物粒子を用いた研磨剤を使用することで、研磨傷の発生を抑制しつつ研磨速度を向上することが可能である。

Claims (9)

  1. 2種以上の水溶性金属塩混合物を、200〜600℃、10〜50MPaで加熱・加圧して得られる2種以上の金属元素を含有する複合金属酸化物粒子を媒体に分散させることを特徴とする研磨剤。
  2. 前記複合金属酸化物粒子を構成する金属元素の一方がセリウムであり、他の一方がチタン、ジルコニウム、ハフニウム、ランタノイド系列からなる群から選択された少なくとも1種以上である請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記複合金属酸化物粒子を構成する金属酸化物のうち、酸化セリウムの含有量が20〜90重量%である請求項1又は請求項2に記載の研磨剤。
  4. 媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の2次粒子径の中央値が10〜300nmである請求項1ないし請求項3のいずれか記載の研磨剤。
  5. 媒体に分散させた前記複合金属酸化物粒子の1次粒子径が10〜200nmである請求項1ないし請求項4のいずれか記載の研磨剤。
  6. 研磨剤のpHが、3〜9である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の研磨剤
  7. 媒体が水である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の研磨剤。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の研磨剤で所定の基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の研磨剤を研磨定盤上の研磨パッドに供給し、半導体チップの酸化珪素絶縁膜が形成された被研磨面と研磨パッドを相対運動させて研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
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