JP2002326371A - 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置

Info

Publication number
JP2002326371A
JP2002326371A JP2001135309A JP2001135309A JP2002326371A JP 2002326371 A JP2002326371 A JP 2002326371A JP 2001135309 A JP2001135309 A JP 2001135309A JP 2001135309 A JP2001135309 A JP 2001135309A JP 2002326371 A JP2002326371 A JP 2002326371A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
colorant
ink
solid component
print head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001135309A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Yamamoto
有治 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
Priority to JP2001135309A priority Critical patent/JP2002326371A/ja
Publication of JP2002326371A publication Critical patent/JP2002326371A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリントヘッドから出射される着色剤が減少
することに起因した画質劣化を防止する。 【解決手段】 インクリザーバ12の筐体20内の領域
をほぼ二等分するように配置された固定フィルタ31に
重なる位置または重ならない位置のいずれかに移動可能
なように可動フィルタ32を配置する。そして、長時間
プリントを行わないときに、可動フィルタ32を固定フ
ィルタ31に重なる位置に移動させて、プリントヘッド
15に供給されるインク2に含まれる固形成分を少量に
するとともに、小径の固形成分のみがプリントヘッド1
5に供給されるようにする。そのため、プリントヘッド
15に固形成分が滞留するのが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フィルタを有する
着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】静電式インクジェットプリンタにおい
て、所定の電荷を帯電させた顔料粒子を含むインクの液
滴を、静電場の偏向を利用してプリントヘッドから用紙
などの記録媒体に向かって射出することにより、記録媒
体上に画像を形成するものがある。また、このような静
電式インクジェットプリンタでは、インクが貯留された
インクタンクとプリントヘッドとの間に配置されたポン
プによって、インクがプリントヘッドに供給されるのが
一般的である。
【0003】ここで、プリントヘッドに対してポンプを
直接接続してインクを供給する構成の場合には、ポンプ
から流出するインクの脈動によって、プリントヘッドか
ら射出されるインクの量が変動して、用紙上に形成され
る画像の品質が劣化することがある。また、インク中に
含まれる顔料粒子などの固形成分がプリントヘッドの射
出孔の径よりも大きい場合には、固形成分がプリントヘ
ッドの射出孔に詰まってプリントヘッドからインクを適
切に射出することができなくなることがある。かかる問
題を解決するために、プリントヘッドとポンプとの間に
フィルタを有するインクリザーバを設ける技術が知られ
ている。
【0004】上述のように、インクリザーバをプリント
ヘッドとポンプとの間に配置することにより、ポンプか
ら流出するインクの脈動によってプリントヘッドから射
出されるインクの量が変動するのを抑制することができ
る。また、インクリザーバに流入したインクは、フィル
タを通過することにより、フィルタの開口径(格子状メ
ッシュの場合には開口部分の一辺の長さであって、フィ
ルタの開口率により異なる)と同等およびそれよりも大
きい径を有する顔料粒子などの固形成分が取り除かれた
後でプリントヘッドへ供給される。従って、顔料粒子な
どの固形成分がプリントヘッドの射出孔に詰まるのを抑
制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インクリザーバを備え
た静電式インクジェットプリンタでは、プリントを行わ
ないときも、インクタンク、ポンプ、インクリザーバお
よびプリントヘッドを含む循環回路内をインクを循環さ
せる場合がある。しかしながら、上述のような静電式イ
ンクジェットプリンタにおいて長時間プリントを行わな
いときに、フィルタを通過したインクに含まれる顔料粒
子などの固形成分がプリントヘッドなどに滞留してしま
うことがある。このように、プリントヘッドに固形成分
が滞留すると、プリント再開時において、プリントヘッ
ドからインクが出射されにくくなり、用紙に形成される
画像の品質が劣化することがある。
【0006】そこで、本発明の主な目的は、プリントヘ
ッドから出射される着色剤が減少することに起因して、
形成される画像の品質が劣化するのを抑制することがで
きる着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の着色剤リザーバは、着色剤が流入する流
入口と、着色剤が流出する流出口と、前記流入口から前
記流出口に移動する着色剤が通過するフィルタを有して
おり、前記フィルタの着色剤に含まれる固形成分の通過
率および前記フィルタを通過可能な固形成分の大きさの
しきい値の少なくともいずれか一方を少なくとも2段階
に変更可能なフィルタ機構とを備えていることを特徴と
している。
【0008】請求項1によると、フィルタの着色剤に含
まれる固形成分の通過率およびフィルタを通過可能な固
形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか一方を
少なくとも2段階に変更することができる。従って、本
発明の着色剤リザーバを備えた画像形成装置において、
画像形成を行わないときの上述の通過率および/または
しきい値を画像形成時の上述の通過率および/またはし
きい値よりもそれぞれ小さくすることができる。これに
より、長時間画像形成を行わないときに、プリントヘッ
ドに供給される着色剤に含まれる顔料粒子などの固形成
分を少量にするまたは無くすこと、および、小径の固形
成分のみをプリントヘッドに供給することの少なくとも
いずれか一方が可能になるため、プリントヘッドに固形
成分が滞留するのを抑制することができる。
【0009】また、請求項2の着色剤リザーバは、前記
フィルタ機構が、前記フィルタの開口率を変更すること
を特徴としている。また、請求項3の着色剤リザーバ
は、前記フィルタ機構が、前記フィルタの重なり枚数を
変更することを特徴としている。請求項2、3による
と、フィルタの着色剤に含まれる固形成分の通過率およ
びフィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値を
容易に変更することができる。
【0010】また、請求項4の着色剤リザーバは、前記
フィルタ機構が、前記流入口から流入した着色剤に含ま
れる固形成分に電気的な力を作用させることを特徴とし
ている。請求項4によると、フィルタの着色剤に含まれ
る固形成分の通過率を容易に変更することができる。
【0011】また、請求項5は、請求項1〜4のいずれ
か1項に記載の着色剤リザーバを備えた画像形成装置で
ある。請求項5によると、プリントヘッドに固形成分が
滞留するのを抑制することができるため、速やかに画像
形成を再開できるとともに、プリントヘッドから射出さ
れる着色剤が減少することに起因して、形成される画像
の品質が劣化することが抑制される。また、上述の画像
形成装置では、プリントヘッドのメンテナンスが簡略化
されるまたは不要になる。
【0012】また、請求項6の画像形成装置は、画像形
成終了時からの時間を検出するための時間検出手段と、
前記フィルタ機構を制御するための制御手段とをさらに
備え、前記時間検出手段において検出される時間が所定
時間に達すると、前記制御手段は、前記フィルタの着色
剤に含まれる固形成分の通過率および前記フィルタを通
過可能な固形成分の大きさのしきい値の少なくともいず
れか一方を変更するための命令を前記フィルタ機構に供
給することを特徴としている。
【0013】請求項6によると、画像形成終了時からの
時間が所定時間に達したときに、フィルタの着色剤に含
まれる固形成分の通過率および/またはフィルタを通過
可能な固形成分の大きさのしきい値を画像形成時の透過
率および/またはしきい値よりも小さくすることができ
る。これにより、画像形成中断時に、プリントヘッドに
供給される着色剤に含まれる固形成分を少量にするまた
は無くすこと、および、小径の固形成分のみをプリント
ヘッドに供給することの少なくともいずれか一方が可能
になるため、プリントヘッドに固形成分が滞留するのを
抑制することができる。また、画像形成中断後すぐに上
述の通過率および/またはしきい値を変更しないため、
短い周期で画像形成の実行と中断とが繰り返される場合
であっても、形成される画像の濃度をほぼ一定に保つこ
とができる。
【0014】また、請求項7の画像形成装置は、前記画
像形成装置に対する電源オフ命令を検出するための命令
検出手段と、前記フィルタ機構を制御するための第1の
制御手段と、前記着色剤リザーバに着色剤を供給するた
めの着色剤供給手段と、前記着色剤供給手段を制御する
ための第2の制御手段と、前記着色剤供給手段が駆動し
ている時間を検出するための時間検出手段とをさらに備
え、前記命令検出手段において電源オフ命令が検出され
ると、前記第1の制御手段は、前記フィルタの着色剤に
含まれる固形成分の通過率および前記フィルタを通過可
能な固形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか
一方を変更するための命令を前記フィルタ機構に供給
し、さらに、前記第2の制御手段は、前記第1の制御手
段が前記命令を出力してから前記時間検出手段において
検出される時間が所定時間に達するまで前記着色剤供給
手段を駆動することを特徴としている。
【0015】請求項7によると、命令検出手段において
画像形成装置に対する電源オフ命令が検出されると、フ
ィルタの着色剤に含まれる固形成分の通過率および/ま
たはフィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値
を画像形成時の透過率および/またはしきい値よりも小
さくすることができる。さらに、上述の透過率および/
またはしきい値を変更してから時間検出手段において検
出される時間が所定時間に達するまで着色剤供給手段を
駆動して、着色剤リザーバからプリントヘッドに着色剤
が供給される。これにより、既にプリントヘッドに滞留
している固形成分を回収することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の第1の実施の形態であるインクリザーバを備えた静電
式インクジェットプリンタの概略構成を示す図である。
【0017】まず、本実施の形態のインクリザーバ12
を備えた静電式インクジェットプリンタの概略構成につ
いて、図1を参照して説明する。図1に示す静電式イン
クジェットプリンタ1は、インクタンク10と、ポンプ
11と、フィルタ機構30を備えたインクリザーバ12
と、プリントヘッド15とを備えている。ここで、ポン
プ11、プリントヘッド15およびフィルタ機構30
は、コントローラ40(図2参照)に接続されている。
そして、インクタンク10、ポンプ11、インクリザー
バ12およびプリントヘッド15を含む第1循環回路
と、インクタンク10、ポンプ11およびインクリザー
バ12を含む第2循環回路とを形成するように、それぞ
れが配管によって接続されている。なお、インクタンク
10とポンプ11とを接続する配管およびポンプ11と
インクリザーバ12とを接続する配管は、いずれの循環
回路においても共通である。
【0018】インクタンク10は、画像を形成するため
に用いるインク2を貯留するためのものである。ここ
で、インク2は、正に帯電する性質を有する顔料粒子2
aと、この顔料粒子2aが分散した液状媒体2bとを含
んでいるものである。ポンプ11は、第1および第2循
環回路においてインク2を循環させるためのものであ
る。また、インクリザーバ12は、ポンプ11に起因す
るインク2の脈動がプリントヘッド15に伝わるのを防
止するとともに、内部に配置された固定フィルタ31
(図2参照)を有するフィルタ機構30によって比較的
大きい径を有する顔料粒子2aなどの固形成分を除去す
るためのものである。なお、インクリザーバ12の詳細
な構成については後述する。また、プリントヘッド15
は、用紙5上にインク2を射出して画像を形成するため
のものである。ここで、プリントヘッド15は、主走査
方向に延びるように配置された射出孔が形成されたノズ
ル16を有しており、ノズル16内には多数の電極17
が主走査方向に沿って配置されている。
【0019】ここで、静電式インクジェットプリンタ1
において、用紙5上に所望のプリントを行う場合には、
インクタンク10に貯留されたインク2は、ポンプ11
によりインクリザーバ12に供給される。流入口21
(図2参照)からインクリザーバ12に流入したインク
2の一部は、固定フィルタ31表面近傍を固定フィルタ
31表面とほぼ平行な方向に移動して、流出口23(図
2参照)を介してインクリザーバ12から流出し、イン
クタンク10内に戻される(以上、上述の第2循環回路
に対応する)。また、インクリザーバ12に流入したイ
ンク2のうち固定フィルタ31を通過したインク2は、
インク供給口22(図2参照)を介してプリントヘッド
15に供給される。そして、プリントヘッド15に供給
されたインク2のうち、プリントヘッド15から射出さ
れなかったインク2は、インクタンク10内に戻される
(以上、上述の第1循環回路に対応する)。
【0020】また、インクリザーバ12からプリントヘ
ッド15へインク2が供給された後、コントローラ40
からプリントヘッド15のノズル16内に配置された電
極17に対して、所定のピーク電圧値および所定のパル
ス電圧幅を有する正のパルス電圧が印加されると、ノズ
ル16内の所定量の液体媒体2bとそれに含まれる顔料
粒子2aとによりインク液滴3が構成される。そして、
顔料粒子2aと同じ極性の電極17との反発力によっ
て、ノズル16からインク液滴3が負の極性に帯電され
た、または、接地された(グランドになっている)用紙
5に向かって射出される。
【0021】プリントヘッド15のノズル16から射出
されたインク液滴3は、用紙5上に所定の大きさのドッ
トを形成する。ここで、ノズル16から射出されるイン
ク液滴3の1滴あたりの量は、コントローラ40から電
極17に対して印加されるパルス電圧幅によって決定さ
れる。つまり、コントローラ40によりパルス電圧幅を
適宜変更することによって、ノズル16から射出される
インク液滴3の1滴あたりの量を制御することができ
る。従って、インク液滴3に含まれる顔料粒子2aの量
および用紙5上に形成されるドットの大きさ(径)を変
更することが可能であり、用紙5上に所望の画像を形成
することができる。
【0022】次に、第1の実施の形態に係るインクリザ
ーバ12の詳細な構造について、図2に基づいて説明す
る。図2は、図1に示すインクジェット式プリンタに含
まれるインクリザーバの断面図である。
【0023】インクリザーバ12は、外形がほぼ直方体
の筐体20を有しており、その上面には上方に向かって
突出するように平板状の空間を有する突出部20aが形
成されている。筐体20には、右底面に流入口21が、
左底面にインク供給口22が、そして、右側面上方に流
出口23がそれぞれ形成されている。また、インクリザ
ーバ12は、筐体20の内部に配置された固定フィルタ
31および可動フィルタ32と、可動フィルタ32を移
動させるためのフィルタ移動装置33を有するフィルタ
機構30を備えている。ここで、フィルタ機構30のフ
ィルタ移動装置33はコントローラ40に接続されてい
る。
【0024】筐体20の右底面に設けられた流入口21
は、ポンプ11から供給されたインク2をインクリザー
バ12内に取り入れるためのものである。また、筐体2
0の左底面に設けられたインク供給口22は、固定フィ
ルタ31に対して流入口21とは反対側(つまり、筐体
20内部空間の左側)にあり、インク供給口22から流
出したインク2はプリントヘッド15に供給される。
【0025】また、筐体20の右側面上方に設けられた
流出口23は、固定フィルタ31に対して流入口21と
同じ側(つまり、筐体20内部空間の右側)に属する領
域に設けられている。従って、流入口21からインクリ
ザーバ12に流入したインク2のうち固定フィルタ31
を通過しないインク2は、流出口23から流出する。
【0026】フィルタ機構30の固定フィルタ31は、
筐体20内の領域をほぼ左右二等分するように、ほぼ鉛
直に配置されている。また、可動フィルタ32は、フィ
ルタ移動装置33に連結されており、フィルタ移動装置
33によって上下方向に移動可能であって、固定フィル
タ31に隣接するように配置されている。従って、可動
フィルタ32は、固定フィルタ31に重なる位置(図2
中で示す位置)と突出部20a内に収納される位置(図
2中で一点鎖線で示す位置)とを選択的に取り得ること
ができる。
【0027】また、可動フィルタ32の開口径は、固定
フィルタ31の開口径よりも小さく、固定フィルタ31
の開口径は10μm〜20μmであり、可動フィルタ3
2の開口径は1μm以下が好ましい。なお、固定フィル
タ31および可動フィルタ32の開口径は、プリントヘ
ッド15の射出孔の径およびインク2に含まれる顔料粒
子2aの径などを考慮して変更されるのが好ましい。従
って、インクリザーバ12内に流入したインク2が固定
フィルタ31、または、固定フィルタ31および可動フ
ィルタ32を通過することにより、固定フィルタ31お
よび可動フィルタ32の開口径と同等およびそれより大
きいインク2に含まれる顔料粒子2aなどの固形成分が
取り除かれる。
【0028】なお、コントローラ40は、ポンプ11、
プリントヘッド15およびフィルタ機構30を制御する
ための制御部40aと、プリント終了時からの時間およ
びポンプ11の駆動時間(インク2が第1および第2の
循環回路内を循環しており、プリントヘッド15にイン
ク2が供給されている時間)を検出するための時間検出
部40bと、静電式インクジェットプリンタ1に対する
電源オフ命令を検出するための命令検出部40cとを有
している。従って、コントローラ40は、時間検出部4
0bにおいて検出される時間および命令検出部40cに
おいて検出される命令に基づいて、制御部40aによっ
てポンプ11およびフィルタ機構30を制御することが
できる。
【0029】次に、第1の実施の形態に係るインクリザ
ーバ12の動作およびインクの流れの詳細について説明
する。
【0030】静電式インクジェットプリンタ1におい
て、用紙5上に所望のプリントを行うときには、可動フ
ィルタ32は突出部20a内に収納される位置に配置さ
れている。そして、ポンプ11によりインクリザーバ1
2へ供給されるインク2は、流入口21から筐体20内
に流入する。筐体20内に流入したインク2は、右側領
域に形成された流出口23に向かって移動する。そし
て、固定フィルタ31表面とほぼ平行な方向へ移動する
インク2の一部は、固定フィルタ31を通過して左側領
域に移動して、インク供給口22からプリントヘッド1
5に対して供給される。このように、プリントヘッド1
5に供給されるインク2は、インクリザーバ12内の固
定フィルタ31を通過した後のものであるため、比較的
大きな顔料粒子2aなどの固形成分が取り除かれてい
る。従って、プリントヘッド15のノズル16の射出孔
に大径の顔料粒子2aなどの固形成分が詰まることはほ
とんどない。
【0031】そして、静電式インクジェットプリンタ1
において、プリントを中断するときには、時間検出部4
0bにおいてプリント中断前の最後のプリント終了時か
らの時間が検出されており、その時間が所定時間に達す
ると、制御部40aは可動フィルタ32を移動する旨の
命令をフィルタ機構30に供給する。すると、突出部2
0a内に収納されている可動フィルタ32は、フィルタ
移動装置33により下方向に移動し、固定フィルタ31
に重なる位置に配置される。従って、可動フィルタ32
および固定フィルタ31を通過して右側領域から左側領
域に移動するインク2に含まれる固形成分が、固定フィ
ルタ31だけを通過して右側領域から左側領域に移動す
る場合と比較して少量になるとともに、小径の固形成分
のみが右側領域から左側領域に移動するようになる。そ
のため、インク供給口22からプリントヘッド15に供
給されるインク2に含まれる固形成分が少量になるとと
もに、小径の固形成分のみが供給されるようになる。
【0032】また、全てのプリントが終了して、静電式
インクジェットプリンタ1に対してその電源をオン状態
からオフ状態に切り換えるための操作が施されると、命
令検出部40cによりその電源オフ命令が検出されて、
制御部40aは可動フィルタ32を移動する旨の命令を
フィルタ機構30に供給する。すると、突出部20a内
に収納されている可動フィルタ32は、フィルタ移動装
置33により下方向に移動し、固定フィルタ31に重な
る位置に配置される。従って、可動フィルタ32および
固定フィルタ31を通過して右側領域から左側領域に移
動するインク2に含まれる固形成分が、固定フィルタ3
1だけを通過して右側領域から左側領域に移動する場合
と比較して少量になるとともに、小径の固形成分のみが
右側領域から左側領域に移動するようになる。そのた
め、インク供給口22からプリントヘッド15に供給さ
れるインク2に含まれる固形成分が少量になるととも
に、小径の固形成分のみが供給されるようになる。さら
に、可動フィルタ32が固定フィルタ31に重なる位置
に移動すると、制御部40aがポンプ11を駆動して、
インクリザーバ12からプリントヘッド15にインク2
が供給される。そして、可動フィルタ32が固定フィル
タ31に重なる位置に移動してから時間検出部40bに
おいて検出される時間が所定時間に達すると、制御部4
0aがポンプ11を停止して、インクリザーバ12から
プリントヘッド15にインク2が供給されなくなる。
【0033】以上のように、第1の実施の形態のインク
リザーバ12によると、流入口21からインク供給口2
2に移動するインク2が通過するフィルタのインク2に
含まれる顔料粒子2aなどの固形成分の通過率およびフ
ィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値を、可
動フィルタ32を上下に移動させて、固定フィルタ31
に重なる位置または突出部20a内に収納される位置に
移動させることにより変更することができる。従って、
本実施の形態のインクリザーバ12を備えた静電式イン
クジェットプリンタ1では、プリントを行わないときの
上述の通過率およびしきい値をプリント時の上述の通過
率およびしきい値よりも小さくすることができる。これ
により、長時間プリントを行わないときに、インクリザ
ーバ12からプリントヘッド15に供給されるインク2
に含まれる固形成分が少量になるとともに、小径の固形
成分のみが供給されるようになるため、プリントヘッド
15に固形成分が滞留するのが抑制される。従って、速
やかにプリントを再開できるとともに、プリントヘッド
15から射出されるインク2が減少することに起因し
て、形成される画像の品質が劣化することを抑制するこ
とができる。また、静電式インクジェットプリンタ1で
は、プリントヘッド15のメンテナンスが簡略化される
または不要になる。
【0034】また、静電式インクジェットプリンタ1の
フィルタ機構30は、可動フィルタ32が固定フィルタ
31に重なる位置と突出部20a内に収納される位置と
を選択的に取り得る構成であり、可動フィルタ32を上
下方向に移動させることによって、流入口21からイン
ク供給口22に移動するインク2が通過するフィルタの
インク2に含まれる固形成分の通過率およびフィルタを
通過可能な固形成分の大きさのしきい値を容易に変更す
ることができる。
【0035】また、プリント中断時に、プリント中断前
の最後のプリント終了時から所定時間が経過すると、フ
ィルタのインク2に含まれる固形成分の通過率およびフ
ィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値をプリ
ント時の透過率およびしきい値よりも小さくすることが
できる。従って、プリントヘッド15に供給されるイン
ク2に含まれる固形成分が少量になるとともに、小径の
固形成分のみが供給されるようになるため、インクリザ
ーバ12からプリントヘッド15にインク2に含まれる
固形成分が滞留するのが抑制される。また、プリント中
断後すぐに上述の通過率およびしきい値を変更しないた
め、短い周期でプリントの実行と中断とが繰り返される
場合であっても、プリントされる画像の濃度をほぼ一定
に保つことができる。
【0036】また、静電式インクジェットプリンタ1に
対してその電源をオン状態からオフ状態に切り換えるた
めの操作が施されたとき、フィルタのインク2に含まれ
る固形成分の通過率およびフィルタを通過可能な固形成
分の大きさのしきい値をプリント時の通過率およびしき
い値よりも小さくすることができる。さらに、上述の透
過率およびしきい値を変更してから時間検出部40bで
検出される時間が所定時間に達するまでポンプ11を駆
動して、インクリザーバ12からプリントヘッド15に
インク2を供給することができる。これにより、既にプ
リントヘッド15に滞留している固形成分を回収するこ
とができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。ここで、第2の実施の
形態であるインクリザーバを備えた静電式インクジェッ
トプリンタの概略構成は、図1と同様であるため、その
説明は省略する。
【0038】ここで、第2の実施の形態に係るインクリ
ザーバ52の詳細な構造について、図3〜図5を参照し
て説明する。図3は、第2の実施の形態のインクリザー
バの断面図である。図4は、仕切板の模式図である。図
5は、回転フィルタの模式図である。図3のインクリザ
ーバ52が、図2のインクリザーバ12と異なる点は、
インクリザーバ12のフィルタ機構30が可動フィルタ
32が上下に移動する構成であるのに対して、インクリ
ザーバ52のフィルタ機構70は回転フィルタ71が回
転する構成である点である。なお、その他の構成は、図
2のインクリザーバ12と同一であるので、同一符号を
付して説明を省略する。
【0039】次に、インクリザーバ52の詳細な構造に
ついて、図3〜図5を参照して説明する。インクリザー
バ52は、外形がほぼ直方体の筐体20を有しており、
筐体20内の領域をほぼ左右二等分する位置に仕切板6
0がほぼ鉛直に固設されている。仕切板60には、図4
に示すように、仕切板60の中心部65を中心とする円
の下半分に対応する略半円形の開口60aが形成されて
いる。
【0040】また、インクリザーバ52は、筐体20の
内部に配置された回転フィルタ71および回転フィルタ
71を回転させるためのフィルタ回転装置72を有する
フィルタ機構70を備えている。回転フィルタ71は、
図5に示すように、開口径の異なる2種類の半円形のフ
ィルタ71a、71bが接合されており、仕切板60の
開口60aを十分に塞ぐことが可能な大きさを有する円
形の部材である。また、フィルタ71bの開口径は、フ
ィルタ71aの開口径よりも小さく、フィルタ71aの
開口径は10μm〜20μmであり、フィルタ71bの
開口径は1μm以下が好ましい。なお、回転フィルタ7
1のフィルタ71a、71bの開口径は、プリントヘッ
ド15の射出孔の径およびインク2に含まれる顔料粒子
2aの径などを考慮して変更されるのが好ましい。従っ
て、インクリザーバ12内に流入したインク2が回転フ
ィルタ71を通過することにより、回転フィルタ71の
フィルタ71aまたはフィルタ71bの開口径と同等お
よびそれよりインク2に含まれる大きい顔料粒子2aな
どの固形成分が取り除かれる。
【0041】回転フィルタ71は、その中心位置75に
軸部材77が固設されている。そして、その軸部材77
が仕切板60の中心位置65に対応する位置に形成され
た開口(図示しない)に嵌挿されている。また、回転フ
ィルタ71は、仕切板60に接するように配置されてい
る。従って、筐体20の右側領域のインク2は回転フィ
ルタ71を通過することなく、筐体20の左側領域に移
動することはできない。
【0042】ここで、回転フィルタ71は、軸部材77
を介して、コントローラ40に接続されたフィルタ回転
装置72に連結されている。従って、コントローラ40
においてフィルタ回転装置72が制御されることによっ
て、回転フィルタ71はその中心位置75の回りを回転
することが可能である。このように、回転フィルタ71
は、フィルタ71aが仕切板60の開口60aに対応す
る位置と、フィルタ71bが仕切板60の開口60aに
対応する位置とを選択的に取り得るように回転すること
ができるようになっている。
【0043】インクリザーバ52を備えた静電式インク
ジェットプリンタにおいて、プリントを中断するときに
は、時間検出部40bにおいてプリント中断前の最後の
プリント終了時からの時間が検出されており、その時間
が所定時間に達すると、制御部40aは回転フィルタ7
1を回転する旨の命令をフィルタ機構70に供給する。
すると、回転フィルタ71は、フィルタ回転装置72に
よりフィルタ71aが仕切板60の開口60aに対応す
る位置からフィルタ71bが仕切板60の開口60aに
対応する位置に回転する。従って、フィルタ71bを通
過して右側領域から左側領域に移動するインク2に含ま
れる固形成分が、フィルタ71aを通過して右側領域か
ら左側領域に移動する場合と比較して少量になるととも
に、小径の固形成分のみが右側領域から左側領域に移動
するようになる。そのため、インク供給口22からプリ
ントヘッド15に供給されるインク2に含まれる固形成
分が少量になるとともに、小径の固形成分のみが供給さ
れるようになる。
【0044】また、全てのプリントが終了して、この静
電式インクジェットプリンタに対してその電源をオン状
態からオフ状態に切り換えるための操作が施されると、
命令検出部40cによりその電源オフ命令が検出され
て、制御部40aは回転フィルタ71を回転する旨の命
令をフィルタ機構70に供給する。すると、回転フィル
タ71は、フィルタ回転装置72によりフィルタ71a
が仕切板60の開口60aに対応する位置からフィルタ
71bが仕切板60の開口60aに対応する位置に回転
する。従って、フィルタ71bを通過して右側領域から
左側領域に移動するインク2に含まれる固形成分が、フ
ィルタ71aを通過して右側領域から左側領域に移動す
る場合と比較して少量になるとともに、小径の固形成分
のみが右側領域から左側領域に移動するようになる。そ
のため、インク供給口22からプリントヘッド15に供
給されるインク2に含まれる固形成分が少量になるとと
もに、小径の固形成分のみが供給されるようになる。さ
らに、フィルタ71bが仕切板60の開口60aに対応
する位置に回転すると、制御部40aがポンプ11を駆
動して、インクリザーバ12からプリントヘッド15に
インク2が供給される。そして、フィルタ71bが仕切
板60の開口60aに対応する位置に回転してから時間
検出部40bにおいて検出される時間が所定時間に達す
ると、制御部40aがポンプ11を停止して、インクリ
ザーバ12からプリントヘッド15にインク2が供給さ
れなくなる。
【0045】以上のように、第2の実施の形態のインク
リザーバ52によると、流入口21からインク供給口2
2に移動するインク2が通過するフィルタのインク2に
含まれる顔料粒子2aなどの固形成分の通過率およびフ
ィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値を、回
転フィルタ71を回転させて、フィルタ71aが仕切板
60の開口60aに対応する位置またはフィルタ71b
が仕切板60の開口60aに対応する位置に切り換える
ことにより変更することができる。従って、本実施の形
態のインクリザーバ52を備えた静電式インクジェット
プリンタでは、プリントを行わないときの上述の通過率
およびしきい値をプリント時の上述の通過率およびしき
い値よりも小さくすることができる。これにより、第1
の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】次に、本発明の第3の実施の形態につい
て、図面を参照しつつ説明する。ここで、第3の実施の
形態であるインクリザーバ82を備えた静電式インクジ
ェットプリンタの概略構成は、図1と同様であるため、
その説明は省略する。
【0047】ここで、第3の実施の形態に係るインクリ
ザーバ82の詳細な構造について、図6および図7を参
照して説明する。図6は、第3の実施の形態のインクリ
ザーバの断面図である。図7は、導電性部材の模式図で
ある。図6のインクリザーバ82が、図1のインクリザ
ーバ12と異なる点は、インクリザーバ12のフィルタ
機構30が可動フィルタ32が上下に移動する構成であ
るのに対して、インクリザーバ82のフィルタ機構90
は固定フィルタ91および導電性部材92に所定の電荷
を付与する構成である点である。なお、その他の構成
は、図2のインクリザーバ12と同一であるので、同一
符号を付して説明を省略する。
【0048】次に、インクリザーバ82の詳細な構造に
ついて、図6を参照して説明する。インクリザーバ82
は、外形がほぼ直方体の筐体20を有している。そし
て、インクリザーバ82は、固定フィルタ91、導電性
部材92若しくは固定フィルタ91および導電性部材9
2に所定の極性の電荷を付与するための電荷付与装置9
3を有するフィルタ機構90を備えている。
【0049】固定フィルタ91は、導電性を有する板状
のフィルタであり、筐体20内の領域をほぼ左右二等分
する位置にほぼ鉛直に固設されている。ここで、固定フ
ィルタ91の開口径は10μm〜20μmである。な
お、固定フィルタ91の開口径は、プリントヘッド15
の射出孔の径およびインク2に含まれる顔料粒子2aの
径などを考慮して変更されるのが好ましい。従って、イ
ンクリザーバ12内に流入したインク2が固定フィルタ
91を通過することにより、固定フィルタ91の開口径
と同等およびそれよりインク2に含まれる大きい顔料粒
子2aなどの固形成分が取り除かれる。
【0050】導電性部材92は、図7に示すように、流
出口23と同じ形状の開口92aが形成された平板状の
導電性を有する部材であり、インクリザーバ82の筐体
20の右側面内側に、その開口92aが流出口23に対
応するように配置されている。また、固定フィルタ91
および導電性部材92は、コントローラ40に接続され
た電荷付与装置93に接続されており、コントローラ4
0において電荷付与装置93を制御することによって、
固定フィルタ91および導電性部材92にそれぞれ所定
の極性を有する電荷を付与することが可能である。な
お、インクリザーバ82を備えた静電式インクジェット
プリンタにおいてプリントを行うときには、固定フィル
タ91および導電性部材92にはほとんど電荷は保持さ
れていない。
【0051】インクリザーバ82を備えた静電式インク
ジェットプリンタにおいて、プリントを中断するときに
は、時間検出部40bにおいてプリント中断前の最後の
プリント終了時からの時間が検出されており、その時間
が所定時間に達すると、制御部40aは固定フィルタ9
1および導電性部材92に所定の極性の電荷を付与する
旨の命令をフィルタ機構90に供給する。すると、電荷
付与装置93により固定フィルタ91には顔料粒子2a
が帯電しているのと同じ極性の正の電荷が、導電性部材
92には顔料粒子2aが帯電しているのとは反対の極性
の負の電荷が付与される。従って、固定フィルタ91お
よび導電性部材92に所定の電荷を付与した場合に右側
領域から左側領域に移動するインク2に含まれる固形成
分が、固定フィルタ91および導電性部材92に所定の
電荷を付与しない場合に右側領域から左側領域に移動す
る場合と比較して少量になる。そのため、インク供給口
22からプリントヘッド15に供給されるインク2に含
まれる固形成分が少量になる。
【0052】また、全てのプリントが終了して、この静
電式インクジェットプリンタに対してその電源をオン状
態からオフ状態に切り換えるための操作が施されると、
命令検出部40cによりその電源オフ命令が検出され
て、制御部40aは固定フィルタ91および導電性部材
92に所定の極性の電荷を付与する旨の命令をフィルタ
機構90に供給する。すると、電荷付与装置93により
固定フィルタ91には顔料粒子2aが帯電しているのと
同じ極性の正の電荷が、導電性部材92には顔料粒子2
aが帯電しているのとは反対の極性の負の電荷が付与さ
れる。従って、固定フィルタ91および導電性部材92
に所定の電荷を付与した場合に右側領域から左側領域に
移動するインク2に含まれる固形成分が、固定フィルタ
91および導電性部材92に所定の電荷を付与しない場
合に右側領域から左側領域に移動する場合と比較して少
量になる。そのため、インク供給口22からプリントヘ
ッド15に供給されるインク2に含まれる固形成分が少
量になる。さらに、固定フィルタ91および導電性部材
92に所定の極性の電荷が付与されると、制御部40a
がポンプ11を駆動して、インクリザーバ12からプリ
ントヘッド15にインク2が供給される。そして、固定
フィルタ91および導電性部材92に所定の極性の電荷
が付与されてから時間検出部40bにおいて検出される
時間が所定時間に達すると、制御部40aがポンプ11
を停止して、インクリザーバ12からプリントヘッド1
5にインク2が供給されなくなる。
【0053】以上のように、第3の実施の形態のインク
リザーバ82によると、流入口21からインク供給口2
2に移動するインク2が通過するフィルタのインク2に
含まれる顔料粒子2aなどの固形成分の通過率を、固定
フィルタ91および導電性部材92にそれぞれ所定の極
性の電荷を付与することにより変更することができる。
従って、本実施の形態のインクリザーバ82を備えた静
電式インクジェットプリンタでは、プリントを行わない
ときの上述の通過率をプリント時の上述の通過率よりも
小さくすることができる。これにより、第1の実施の形
態と同様の効果を得ることができる。
【0054】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様
々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、
第1〜第3の実施の形態では、可動フィルタ32が移動
する、回転フィルタ71が回転するまたは固定フィルタ
91および導電性部材92に電荷を付与する構成のフィ
ルタ機構30、70、90について説明しているが、こ
れに限らず、それが有しているフィルタのインク2に含
まれる固形成分の通過率およびフィルタを通過可能な固
形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか一方を
少なくとも2段階に変更可能なフィルタ機構であれば、
どのような構成のものであってもよい。従って、第1の
実施の形態において、フィルタの重なり枚数が1または
2枚である場合に限らず、1または3枚以上など任意に
変更することができる。また、第2の実施の形態におい
て、開口径の異なる2種類のフィルタが接合されている
場合に限らず、開口径の異なる3種類以上のフィルタが
接合されているものであってもよい。
【0055】また、第1の実施の形態では、上下方向に
移動可能な可動フィルタ32を用いてフィルタの重なり
枚数を変更するものについて説明しているが、これに限
らず、例えば水平方向に移動可能な可動フィルタ32ま
たはその端部を軸として回転することにより固定フィル
タ31に重なる位置と重ならない位置とを選択的に取り
得る可動フィルタ32を用いてフィルタの重なり枚数を
変更するものなど、フィルタの重なり枚数を変更するた
めの構成はどのようなものであってもよい。また、固定
フィルタ31および可動フィルタ32の開口径は、必ず
しも異なる必要はなく、それぞれの開口径は同一であっ
てもよい。なお、この場合には、可動フィルタ32が固
定フィルタ31に重なる位置に配置されるとき、固定フ
ィルタ31および可動フィルタ32は密着させるように
配置するのが好ましい。
【0056】また、第2の実施の形態では、開口径の異
なる2種類のフィルタが接合されている回転フィルタ7
1を用いてフィルタの開口率を変更するものについて説
明しているが、これに限らず、例えば、開口径の異なる
2種類のフィルタを交換する構成のものなど、フィルタ
の開口率を変更するための構成はどのようなものであっ
てもよい。また、回転フィルタ71および仕切板60の
開口60aの形状は、任意に変更することができる。
【0057】また、第3の実施の形態では、筐体20内
にその側面と同一の形状である平板状の導電性部材92
を配置したものについて説明しているが、これに限ら
ず、導電性部材92は必ずしも配置する必要はなく、ま
たこれを配置する場合であってもその形状および位置
は、任意に変更することができる。ただし、導電性部材
92を配置する場合には、導電性部材92に所定の電荷
を付与したときに、インク2に含まれる顔料粒子2aが
固定フィルタ91から離反するような位置に配置するの
が好ましい。
【0058】また、第1〜第3の実施の形態では、着色
剤として、顔料粒子2aを含むインク2を用いているも
のについて説明しているが、これに限らず、液体トナー
など静電式インクジェットプリンタにより用紙上に画像
が形成することができるものであれば、どのような着色
剤であってもよい。また、第1〜第3の実施の形態で
は、ほぼ直方体の筐体20を有するインクリザーバにつ
いて説明しているが、これに限らず、どのような形状の
筐体を有するインクリザーバであってもよい。
【0059】また、第1〜第3の実施の形態では、イン
クリザーバ内にフィルタがほぼ鉛直に配置されたものに
ついて説明しているが、これに限らず、どのような方向
に配置されているものであってもよい。また、第1〜第
3の実施の形態では、静電式インクジェットプリンタに
設けられたインクリザーバについて示しているが、本発
明の着色剤リザーバは、静電式インクジェットプリンタ
に限らず、着色剤を使用して画像の形成が行われる機器
であればどのような機器であっても適用することが可能
である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、フィルタの着色剤に含まれる固形成分の通過率およ
びフィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値の
少なくともいずれか一方を少なくとも2段階に変更する
ことができる。従って、本発明の着色剤リザーバを備え
た画像形成装置において、画像形成を行わないときの上
述の通過率および/またはしきい値を画像形成時の上述
の通過率および/またはしきい値よりもそれぞれ小さく
することができる。これにより、長時間画像形成を行わ
ないときに、プリントヘッドに供給される着色剤に含ま
れる顔料粒子などの固形成分を少量にするまたは無くす
こと、および、小径の固形成分のみをプリントヘッドに
供給することの少なくともいずれか一方が可能になるた
め、プリントヘッドに固形成分が滞留するのを抑制する
ことができる。
【0061】請求項2、3によると、フィルタの着色剤
に含まれる固形成分の通過率およびフィルタを通過可能
な固形成分の大きさのしきい値を容易に変更することが
できる。請求項4によると、フィルタの着色剤に含まれ
る固形成分の通過率を容易に変更することができる。
【0062】請求項5によると、プリントヘッドに固形
成分が滞留するのを抑制することができるため、速やか
に画像形成を再開できるとともに、プリントヘッドから
射出される着色剤が減少することに起因して、形成され
る画像の品質が劣化することが抑制される。また、上述
の画像形成装置では、プリントヘッドのメンテナンスが
簡略化されるまたは不要になる。
【0063】請求項6によると、画像形成終了時からの
時間が所定時間に達したときに、フィルタの着色剤に含
まれる固形成分の通過率および/またはフィルタを通過
可能な固形成分の大きさのしきい値を画像形成時の透過
率および/またはしきい値よりも小さくすることができ
る。これにより、画像形成中断時に、プリントヘッドに
供給される着色剤に含まれる固形成分を少量にするまた
は無くすこと、および、小径の固形成分のみをプリント
ヘッドに供給することの少なくともいずれか一方が可能
になるため、プリントヘッドに固形成分が滞留するのを
抑制することができる。また、画像形成中断後すぐに上
述の通過率および/またはしきい値を変更しないため、
短い周期で画像形成の実行と中断とが繰り返される場合
であっても、形成される画像の濃度をほぼ一定に保つこ
とができる。
【0064】請求項7によると、命令検出手段において
画像形成装置に対する電源オフ命令が検出されると、フ
ィルタの着色剤に含まれる固形成分の通過率および/ま
たはフィルタを通過可能な固形成分の大きさのしきい値
を画像形成時の透過率および/またはしきい値よりも小
さくすることができる。さらに、上述の透過率および/
またはしきい値を変更してから着色剤供給手段を駆動す
る時間が所定時間に達するまで着色剤供給手段を駆動す
ることができる。これにより、既にプリントヘッドに滞
留している固形成分を回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態であるインクリザー
バを備えた静電式インクジェットプリンタの概略構成を
示す図である。
【図2】図1に示す静電式インクジェットプリンタに含
まれるインクリザーバの断面図である。
【図3】第2の実施の形態のインクリザーバの断面図で
ある。
【図4】仕切板の模式図である。
【図5】回転フィルタの模式図である。
【図6】第3の実施の形態のインクリザーバの断面図で
ある。
【図7】導電性部材の模式図である。
【符号の説明】
1 静電式インクジェットプリンタ 2 インク 2a 顔料粒子 10 インクタンク 11 ポンプ(着色剤供給手段) 12、52、82 インクリザーバ(着色剤リザーバ) 15 プリントヘッド 20 筐体 21 流入口 22 インク供給口(流出口;第1の流出口) 23 流出口(第2の流出口) 30、70、90 フィルタ機構 31 固定フィルタ 32 可動フィルタ 33 フィルタ移動装置 40 コントローラ 40a 制御部(制御手段;第1の制御手段;第2の制
御手段) 40b 時間検出部(時間検出手段) 40c 命令検出部(命令検出手段) 60 仕切板 71 回転フィルタ 72 フィルタ回転装置 91 固定フィルタ 92 導電性部材 93 電荷付与装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤が流入する流入口と、 着色剤が流出する流出口と、 前記流入口から前記流出口に移動する着色剤が通過する
    フィルタを有しており、前記フィルタの着色剤に含まれ
    る固形成分の通過率および前記フィルタを通過可能な固
    形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか一方を
    少なくとも2段階に変更可能なフィルタ機構とを備えて
    いることを特徴とする着色剤リザーバ。
  2. 【請求項2】 前記フィルタ機構は、前記フィルタの開
    口率を変更することを特徴とする請求項1に記載の着色
    剤リザーバ。
  3. 【請求項3】 前記フィルタ機構は、前記フィルタの重
    なり枚数を変更することを特徴とする請求項1に記載の
    着色剤リザーバ。
  4. 【請求項4】 前記フィルタ機構は、前記流入口から流
    入した着色剤に含まれる固形成分に電気的な力を作用さ
    せることを特徴とする請求項1に記載の着色剤リザー
    バ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の着
    色剤リザーバを備えた画像形成装置。
  6. 【請求項6】 画像形成終了時からの時間を検出するた
    めの時間検出手段と、 前記フィルタ機構を制御するための制御手段とをさらに
    備え、 前記時間検出手段において検出される時間が所定時間に
    達すると、前記制御手段は、前記フィルタの着色剤に含
    まれる固形成分の通過率および前記フィルタを通過可能
    な固形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか一
    方を変更するための命令を前記フィルタ機構に供給する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記画像形成装置に対する電源オフ命令
    を検出するための命令検出手段と、 前記フィルタ機構を制御するための第1の制御手段と、 前記着色剤リザーバに着色剤を供給するための着色剤供
    給手段と、 前記着色剤供給手段を制御するための第2の制御手段
    と、 前記着色剤供給手段が駆動している時間を検出するため
    の時間検出手段とをさらに備え、 前記命令検出手段において電源オフ命令が検出される
    と、前記第1の制御手段は、前記フィルタの着色剤に含
    まれる固形成分の通過率および前記フィルタを通過可能
    な固形成分の大きさのしきい値の少なくともいずれか一
    方を変更するための命令を前記フィルタ機構に供給し、
    さらに、前記第2の制御手段は、前記第1の制御手段が
    前記命令を出力してから前記時間検出手段において検出
    される時間が所定時間に達するまで前記着色剤供給手段
    を駆動することを特徴とする請求項5に記載の画像形成
    装置。
JP2001135309A 2001-05-02 2001-05-02 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置 Withdrawn JP2002326371A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001135309A JP2002326371A (ja) 2001-05-02 2001-05-02 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001135309A JP2002326371A (ja) 2001-05-02 2001-05-02 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002326371A true JP2002326371A (ja) 2002-11-12

Family

ID=18982795

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001135309A Withdrawn JP2002326371A (ja) 2001-05-02 2001-05-02 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002326371A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052246A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010052246A (ja) * 2008-08-28 2010-03-11 Brother Ind Ltd インクジェット記録装置
JP4720876B2 (ja) * 2008-08-28 2011-07-13 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
US8292412B2 (en) 2008-08-28 2012-10-23 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink-jet recording apparatus
US8905532B2 (en) 2008-08-28 2014-12-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Ink-jet recording apparatus

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101306005B1 (ko) 잉크순환시스템과 잉크젯 기록장치 및 잉크 순환방법
JP4875997B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置
JP5133412B2 (ja) 印刷装置
JP6597777B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェット記録装置
JP7313568B2 (ja) 塗装ロボット
JP2008012910A (ja) インク循環装置及びインクジェットプリンタ
JP2007137026A (ja) 液体吐出装置および液体攪拌方法
JP2009285900A (ja) ライン型ヘッドユニット
JP2009000961A (ja) 液体噴射記録装置
JP4970100B2 (ja) インクジェットヘッド
JP3303003B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2006068904A (ja) 液滴吐出装置
JP6919267B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出方法
JP4455277B2 (ja) 印刷方法、ヘッドモジュール及び印刷装置
JP6939008B2 (ja) 液体吐出装置および液体吐出方法
JP2007137023A (ja) 液体吐出装置および液体攪拌方法
JP2009090534A (ja) 液滴噴射装置
JP2002326371A (ja) 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置
JP2002326370A (ja) 着色剤リザーバ、その制御装置および画像形成装置
JP6569577B2 (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録装置のリフレッシュ方法
US10300719B2 (en) Rotating a printhead relative to vertical
JP2007296640A (ja) 液体噴射記録装置
JP2007137025A (ja) 液体吐出装置および液体攪拌方法
JP2021011058A (ja) 液体噴射装置、液体噴射装置のメンテナンス方法
JP2003063023A (ja) 着色剤リザーバおよびこれを備えた画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805