JP2002326326A - 自動車部品用積層体 - Google Patents

自動車部品用積層体

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JP2002326326A
JP2002326326A JP2001132431A JP2001132431A JP2002326326A JP 2002326326 A JP2002326326 A JP 2002326326A JP 2001132431 A JP2001132431 A JP 2001132431A JP 2001132431 A JP2001132431 A JP 2001132431A JP 2002326326 A JP2002326326 A JP 2002326326A
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英樹 江口
Junji Koizumi
順二 小泉
Satoru Watanabe
渡辺  悟
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車部品に要求される強度、剛性およびガ
ソリンバリア性に優れ、長時間ガソリンに浸漬してもそ
れらの特性(特に強度、剛性)が維持され、かつ自動車
部品に要求される安全性に対する信頼性が高い、自動車
部品用積層体を提供する。 【解決手段】 (a)ポリアミド重合体分子中の鎖の骨
格をなす原子100原子当たりのアミド基数が10以上
であるポリアミド重合体70〜99重量%と、(b)エ
ポキシ基を有するエチレン系共重合体1〜30重量%を
含有するポリアミド系樹脂組成物からなるA層、および
(c)酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を含有す
る樹脂組成物からなるB層とが積層され、かつ当該A層
とB層とが熱融着してなることを特徴とする、自動車部
品用積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車部品用積層
体に関し、より詳しくは、自動車部品に要求される強
度、剛性およびガソリンバリア性に優れ、長時間ガソリ
ンに浸漬してもそれらの特性(特に強度、剛性)が維持
され、自動車系部品に要求される安全性に対する信頼性
が高い、自動車部品用積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の燃料タンクの樹脂化が進む中
で、燃料タンクに付属する各種の燃料系部品の樹脂化の
検討も行われており、フッ素系樹脂、エバール樹脂、ポ
リアミド系樹脂等のガソリンバリア性の優れた樹脂が注
目されている。それらの中で有力候補の一つであるナイ
ロン12系樹脂は、燃料系部品用材料としての開発が行
われている。
【0003】しかしながら、ナイロン12系樹脂のガソ
リンバリア性は多くのポリアミド樹脂群の中でも低いた
め、燃料系部品用材料としては十分とは言えない。ま
た、燃料系部品の安全性に対する信頼性を向上させるた
めに、燃料タンクに使用されているポリエチレン系樹脂
との積層体を使用することが検討されているが、ナイロ
ン12系樹脂はポリエチレン系樹脂との熱融着性が悪
く、それを成形してなる燃料系部品は、長時間ガソリン
液中に浸漬していると、熱融着面の接着強度の低下が著
しく、その強度や剛性が低下してしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決しようとするものであり、その目的は、自動車部品
に要求される強度、剛性およびガソリンバリア性に優
れ、長時間ガソリンに浸漬してもそれらの特性(特に強
度、剛性)が維持され、自動車部品に要求される安全性
に対する信頼性が高い、自動車部品用積層体を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するため鋭意研究した結果、特定のポリアミド系樹
脂組成物と特定のポリエチレン系樹脂とが熱融着された
積層体が、自動車部品に要求される強度、剛性およびガ
ソリンバリア性に優れ、また、積層体の熱融着性が良好
であるため、長時間ガソリンに浸漬しても積層体の熱融
着面の接着強度の低下がほとんどなく強度や剛性が維持
され、自動車部品に要求される安全性に対する信頼性が
高いことを見出し、発明を完成するに到った。
【0006】即ち、本発明は以下の通りである。 (1) (a)ポリアミド重合体分子中の鎖の骨格をな
す原子100原子当たりのアミド基数が10以上である
ポリアミド重合体70〜99重量%と、(b)エポキシ
基を有するエチレン系共重合体1〜30重量%を含有す
るポリアミド系樹脂組成物からなるA層、および(c)
酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を含有する樹脂
組成物からなるB層とが積層され、かつ当該A層とB層
とが熱融着してなることを特徴とする、自動車部品用積
層体。 (2) ポリアミド重合体が、メタキシリレンジアミン
とアジピン酸を重縮合して得られたポリメタキシリレン
アジパミド(MXD−6)である、請求項1記載の自動
車部品用積層体。 (3) 自動車部品が燃料タンク付属バルブである、請
求項1または2記載の自動車部品用積層体。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の自動車部品用積層体は、A層およびB層とが積
層され、これらが熱融着してなるものである。
【0008】1.A層 A層は、以下の(a)ポリアミド重合体と(b)エポキ
シ基を有するエチレン系共重合体を含有するポリアミド
系樹脂組成物からなる層である。
【0009】(a)ポリアミド重合体 本発明で使用される(a)ポリアミド重合体としては、
その分子中に酸アミド基(−CONH−)を有するポリ
アミド重合体であって、その分子中の鎖の骨格をなす原
子100原子当たりのアミド基数が10以上であるポリ
アミド重合体である。具体的には、ナイロン3(25.
0)、ナイロン4(20.0)、ナイロン5(16.
7)、ナイロン6(14.3)、ナイロン7(12.
5)、ナイロン8(11.1)、ナイロン9(10.
0)、ナイロン46(16.7)、ナイロン66(1
4.3)、ナイロン610(11.1)、MXD−6ナ
イロン(ポリメタキシリレンアジパミド、15.4)、
6Tナイロン(14.3)、6Iナイロン(15.4)
等の重合体またはこれらを成分とする共重合体もしくは
これらのブレンド物等が例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。なお、上記の括弧中の数字は、その
分子中の鎖の骨格をなす原子100原子当たりのアミド
基数である。
【0010】本発明においては、ポリアミド重合体分子
中の鎖の骨格をなす原子とは、例えば、ポリアミド重合
体がナイロン3の場合、
【0011】
【化1】
【0012】の繰り返し単位を有するが、この1つの繰
り返し単位においては、3個の炭素原子と1個の窒素原
子が分子中の鎖の骨格をなす原子となり、そして1つの
アミド結合を有することとなる。
【0013】なお、ポリアミド重合体分子が環構造を有
する場合、環における鎖の骨格をなす原子とは、その環
の結合部位の2個の原子と、当該2個の原子間の原子数
が最短となる2個の原子間の原子である。例えば、ポリ
アミド重合体がMXD−6ナイロンである場合、
【0014】
【化2】
【0015】の繰り返し単位を有するが、この1つの繰
り返し単位においては、矢印部分の3つの炭素原子が環
における鎖の骨格をなす原子となり、従って、11個の
炭素原子と2個の窒素原子が分子中の鎖の骨格をなす原
子となり、そして2つのアミド結合を有することとな
る。
【0016】樹脂のガソリンバリア性については明確な
理論はないが、例えばポリアミド重合体の場合、一般
に、ポリアミド重合体分子中のアミド基の数が多くなる
に従い、ガソリンバリア性は高くなる。従って、本発明
においては、ガソリンバリア性のために、上記ポリアミ
ド重合体分子中の鎖の骨格をなす原子100原子当たり
のアミド基数が10以上であることを必要とする。当該
アミド基数は、好ましくは14以上である。当該アミド
基数が10未満であるようなポリアミド重合体では、そ
れを使用した積層体のガソリンバリア性は不十分とな
る。上記ポリアミド重合体のうち、ガソリンバリア性の
高い重合体の中でも、MXD−6ナイロン(ポリメタキ
シリレンアジパミド、15.4)が自動車部品用積層体
に使用する樹脂として最適である。
【0017】本発明において、上記ポリアミド重合体の
数平均分子量は、好ましくは6,000〜40,000で
あり、より好ましくは10,000〜20,000であ
る。当該分子量が6,000未満であると、そのような
ポリアミド重合体を含有するポリアミド系樹脂組成物が
脆くなり、逆に40,000を超えると、そのようなポ
リアミド重合体を含有するポリアミド系樹脂組成物の成
形時の流動性が不足するので好ましくない。
【0018】本発明において、上記ポリアミド重合体の
アミノ末端濃度は、重合体分子量の観点から、好ましく
は10〜140meq/kg、より好ましくは30〜1
00meq/kgである。また、上記ポリアミド重合体
のカルボキシル末端濃度は、重合体分子量の観点から、
好ましくは10〜140meq/kg、より好ましくは
30〜100meq/kgである。
【0019】(b)エポキシ基を有するエチレン系共重
合体 本発明で使用される(b)エポキシ基を有するエチレン
系共重合体は、エポキシ基を有する限り特に限定されな
いが、グリシジルメタクリレート(GMA)を共重合成
分として含むエチレン系共重合体が好ましく、例えば、
エチレンとGMAとの共重合体、あるいはさらにエチレ
ン以外の重合性不飽和2重結合を有するモノマーを共重
合成分とした共重合体が例示される。上記のエチレン以
外の重合性不飽和2重結合を有するモノマーとしては、
特に限定されないが、例えば、ブテン−1、オクテン−
1、ヘキセン−1、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル、アクリ
ル酸エチル等が例示される。GMAを共重合成分として
含むエチレン系共重合体の具体例としては、エチレン/
GMA共重合体、エチレン/ブテン−1/GMA共重合
体、エチレン/オクテン−1/GMA共重合体、エチレ
ン/ヘキセン−1/GMA共重合体、エチレン/アクリ
ル酸メチル/GMA共重合体、エチレン/メタクリル酸
メチル/GMA共重合体、エチレン/アクリル酸/GM
A共重合体、エチレン/メタクリル酸/GMA共重合
体、エチレン/酢酸ビニル/GMA共重合体、エチレン
/アクリル酸エチル/GMA共重合体等が例示され、中
でも、エチレン/GMA共重合体が特に好ましい。
【0020】GMAを共重合成分として含むエチレン系
共重合体中のGMAの含有量は、好ましくは1〜30重
量%、より好ましくは2〜20重量%である。GMAの
含有量が1重量%未満の場合、積層体の熱融着性が劣る
ため、長時間ガソリンに浸漬すると積層体の熱融着面の
接着強度が低下して積層体の強度や剛性が低下し、自動
車部品に要求される安全性に対する信頼性が低下する恐
れがある。逆に、30重量%を超える場合、過剰のエポ
キシ基がポリアミノ重合体の末端アミノ基と反応すると
考えられるため、やはり積層体の熱融着性が劣り、長時
間ガソリンに浸漬すると積層体の熱融着面の接着強度が
低下して積層体の強度や剛性が低下し、自動車部品に要
求される安全性に対する信頼性が低下する恐れがある。
【0021】本発明においては、ポリアミド系樹脂組成
物中の(a)ポリアミド重合体の含有量は70〜99重
量%、好ましくは75〜95重量%、より好ましくは8
0〜90重量%であり、(b)エポキシ基を含有するエ
チレン系共重合体の含有量は1〜30重量%、好ましく
は5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%で
ある。エポキシ基を含有するエチレン系共重合体の含有
量が1重量%未満(即ち、ポリアミド重合体の含有量が
99重量%を超える)の場合、積層体のガソリンバリア
性は優れるが、積層体の熱融着性が劣るため、長時間ガ
ソリンに浸漬すると積層体の熱融着面の接着強度が低下
して積層体の強度や剛性が低下し、自動車部品に要求さ
れる安全性に対する信頼性が低下する。逆に、エポキシ
基を含有するエチレン系共重合体の含有量が30重量%
を超える(即ち、ポリアミド重合体の含有量が70重量
%未満)場合、積層体のガソリンバリア性が劣り、加え
て、過剰のエポキシ基がポリアミノ重合体の末端アミノ
基と反応すると考えられるため、やはり積層体の熱融着
性が劣り、長時間ガソリンに浸漬すると積層体の熱融着
面の接着強度が低下して積層体の強度や剛性が低下し、
自動車部品に要求される安全性に対する信頼性が低下す
る。
【0022】本発明においては、A層を構成するポリア
ミド系樹脂組成物は、本発明の目的とする諸特性を損な
わない範囲で、ガラス繊維や炭素繊維、各種ウイスカ
ー、タルク、マイカ、カオリン、クレー、シリカ等の無
機強化物を含有してもよい。また、通常のポリアミド樹
脂組成物に用いられる耐候性改良材としてカーボンブラ
ックや銅酸化物および/またはハロゲン化アルカリ金属
化合物;光または熱安定剤としてフェノール系酸化防止
剤やリン系酸化防止剤;顔料;染料;帯電防止剤;難燃
剤;滑材等も含有してもよい。
【0023】B層 B層は、以下の(c)酸無水物で変性したポリエチレン
系樹脂を含有する樹脂組成物からなる層である。
【0024】(c)酸無水物で変性したポリエチレン系
樹脂 本発明で使用される(c)酸無水物で変性したポリエチ
レン系樹脂は、重合性不飽和2重結合を有する酸無水物
を共重合成分として含むポリエチレン樹脂であり、具体
的には、特に限定されないが、重合性不飽和2重結合を
有する酸無水物を共重合成分として含む、高密度ポリエ
チレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチ
レン樹脂、高分子量ポリエチレン樹脂、超高分子量ポリ
エチレン樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂等が例示
される。ここで、上記の重合性不飽和2重結合を有する
酸無水物としては、特に限定されないが、例えば、無水
マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、安息香酸無
水物等が例示され、中でも、無水マレイン酸が特に好ま
しい。酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂の好適な
具体例としては、無水マレイン酸で変性した中密度ポリ
エチレン等が挙げられる。
【0025】酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂中
の酸無水物の含有量は、好ましくは0.01〜15重量
%、より好ましくは0.05〜0.8重量%である。酸
無水物の含有量が0.01重量%未満の場合、積層体の
熱融着性が劣るため、長時間ガソリンに浸漬すると積層
体の熱融着面の接着強度が低下して積層体の強度や剛性
が低下し、自動車部品に要求される安全性に対する信頼
性が低下する恐れがある。逆に、酸無水物の含有量が1
5重量%を超える場合、酸無水物で変性したポリエチレ
ン系樹脂が脆くなって、積層体の強度や剛性が低下する
恐れがある。
【0026】本発明においては、B層を構成する樹脂組
成物は、本発明の目的とする諸特性を損なわない範囲
で、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
可塑剤、滑剤、結晶核剤、離型剤、帯電防止剤、難燃
剤、顔料、染料、強化剤、あるいは他種ポリマーを含有
してもよい。
【0027】本発明の自動車部品用積層体は、(a)ポ
リアミド重合体と(b)エポキシ基を有するエチレン系
共重合体を含有するポリアミド系樹脂組成物からなるA
層と、(c)酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を
含有する樹脂組成物からなるB層とを積層成形し、当該
A層とB層とを熱融着させることにより製造され、その
積層成形方法と熱融着方法は、特に限定されず、従来公
知の方法が採用され得る。具体的には、例えば、(c)
酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を含有する樹脂
組成物を射出成形した後、直ちに金型を回転して、当該
成形品の内部表面の全面または一部表面に、(a)ポリ
アミド重合体と(b)エポキシ基を有するエチレン系共
重合体を含有するポリアミド系樹脂組成物を積層成形
し、熱融着させる「二色成形法」;(c)酸無水物で変
性したポリエチレン系樹脂で予め成形し、当該成形品を
射出成形機の金型のキャビテイに装着し、当該成形品の
内部表面または一部表面に、(a)ポリアミド重合体と
(b)エポキシ基を有するエチレン系共重合体を含有す
るポリアミド系樹脂組成物で追加成形を行い、熱融着さ
せる「アウトサートまたはインサート成形法」;等が挙
げられ、これらの積層成形法に限定されるものではない
が、これらの方法は一体成形できる安価な成形法であ
る。
【0028】また、熱融着の条件としては、B層の射出
温度として、金型温度を約20〜80℃、シリンダー温
度を約140〜230℃とし、A層の射出温度として、
金型温度を約60〜90℃、シリンダー温度を約230
〜330℃とすること等が挙げられるが、これらの条件
に限定されるものではない。
【0029】本発明の自動車部品用積層体は、上記のよ
うな(a)特定のポリアミド重合体70〜99重量%と
(b)エポキシ基を有するエチレン系共重合体1〜30
重量%を含有するポリアミド系樹脂組成物からなるA層
と、(c)酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を含
有する樹脂組成物からなるB層とが積層され熱融着され
たものである。当該積層体のA層中では、ポリアミド重
合体のカルボキシル基とエポキシ基を有するエチレン系
共重合体のエポキシ基とが反応して(ここで、当該エポ
キシ基はポリアミド重合体のアミノ基とはほとんど反応
しない。)、ポリアミド重合体とエポキシ基を有するエ
チレン系共重合体とが相溶化して、マトリックスがポリ
アミド重合体でドメインがエポキシ基を有するエチレン
共重合体であるポリマーアロイとなる。また、熱融着に
より、A層中のポリアミド重合体のアミノ基とB層中の
酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂の酸無水物基と
が反応して、積層体の熱融着面の接着強度が良好とな
る。これらのことにより、積層体の強度および剛性が優
れたものとなり、また、長時間ガソリンに浸漬しても積
層体の熱融着面の接着強度の低下がほとんどなく、強度
および剛性は維持されるのである。具体的には、好まし
くは10.0(MPa)以上、より好ましくは11.0
(MPa)以上の引張強度と、好ましくは20(%)以
上、より好ましくは100(%)以上の引張伸度を有
し、60℃で7日間ガソリンに浸漬した後は、好ましく
は5.0(MPa)以上、より好ましくは6.0(MP
a)以上の引張強度と、好ましくは3.0(%)以上、
より好ましくは10.0(%)以上の引張伸度を有す
る。
【0030】また、本発明の自動車部品用積層体は、特
定の(即ち、分子中の鎖の骨格をなす原子100原子当
たりのアミド基数が10以上の)ポリアミド重合体を含
有するので、ガソリンバリア性にも優れる。具体的に
は、好ましくは10.0(g・mm/m2・day)以
下、より好ましくは2.0(g・mm/m2・day)
以下のガソリンバリア性(40℃における)を有する。
さらに、本発明の自動車部品用積層体は、燃料タンク等
の自動車部品にも使用されているポリエチレン系樹脂を
含有している。
【0031】以上のことにより、本発明の自動車部品用
積層体は、自動車部品に要求される安全性に対する極め
て信頼性が高く、例えば、燃料タンク付属バルブ等に好
適に使用できる。
【0032】
【実施例】次に本発明について実施例を用いて具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0033】ポリアミド系樹脂組成物(A層を構成す
る)の製造 (a)ポリアミド重合体として、MXD−6(東洋紡績
(株)製ナイロンT−600、数平均分子量15,70
0、アミド基数15.4、アミノ末端濃度80meq/
kg、カルボキシル末端濃度47meq/kg)と、
(b)エポキシ基を有するエチレン系共重合体として、
レクスパールRA3150(エチレン/GMA共重合
体、GMA含有量;15重量%、日本ポリオレフィン
(株)製)、を表1に示す割合で混合し、二軸押出機で
285℃のシリンダー温度で混練、カットし、ペレット
とした。
【0034】但し、比較例1では、ポリアミド重合体と
して、ナイロン12(宇部興産(株)製、ウベスタ30
20U)を表1に示す割合で使用した。また、比較例4
では、エポキシ基を有するエチレン系共重合体の代わり
に、酸無水物で変性したエチレン系共重合体(三井化学
(株)製、タフマーMH5020、無水マレイン酸変性
EPR、無水マレイン酸含有量;0.8重量%、)を表
1に示す割合で使用した。
【0035】酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂
(B層を構成する) 無水マレイン酸で変性した中密度ポリエチレン(比重:
0.93、融点:130℃、MFR:0.5g/10分
(190℃)、無水マレイン酸含有量:0.2重量%)
を使用した。
【0036】積層成形品の製造 上記の酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を用い
て、ASTM D−638に準じた引張り試験用ダンベ
ルを成形し、引張りダンベルの中心部から切断した。次
に切断したダンベルを引張り試験金型のキャビテイに装
着し、上記のポリアミド系樹脂組成物を追加成形した。
この引張りダンベルの中心部が熱融着された接合面とな
る。なお、ポリアミド系樹脂組成物の追加成形条件は、
シリンダー温度285℃、金型温度80℃であった。
【0037】得られた積層成形品について、以下の特性
について評価した。その結果を表1に示す。
【0038】1.ガソリンバリア性 A層を構成するポリアミド系樹脂組成物について、JI
S−Z 0208 に準じてカップ法で測定した。テス
ト溶液として、トルエン:イソオクタン=1:1溶液
(容量比)90vol%と、エタノール10vol%を
含む混合溶液を使用した。測定は40℃で行った。この
ポリアミド系樹脂組成物のガソリンバリア性を測定する
ことにより、積層成形品のガソリンバリア性を判断し
た。
【0039】2.引張強度および引張伸度 ASTM D−638に準じて測定した。3.ガソリン浸漬テスト 浸漬液として、トルエン:イソオクタン=1:1溶液
(容量比)85vol%と、メタノール15vol%を
含む混合溶液を使用し、60℃で7日間浸漬した後、取
り出して、上記と同様の方法により、引張強度および引
張伸度を測定した。
【0040】
【表1】
【0041】表1より、実施例1〜6では、ポリアミド
系樹脂組成物のガソリンバリア性は極めて優れているの
で、積層成形品のガソリンバリア性も優れていると判断
できた。また、積層成形品は引張強度および引張伸度に
優れ、ガソリンに浸漬しても引張強度および引張伸度に
優れていた。
【0042】一方、比較例1では、ポリアミド系樹脂組
成物がエポキシ基を有するエチレン系共重合体を含有し
ていないため、積層成形品の熱融着性が劣り、ガソリン
浸漬後、熱融着面の接着強度が低下し、引張強度および
引張伸度は低下した。
【0043】比較例2では、ポリアミド重合体が、鎖の
骨格をなす原子100原子当たりのアミド基数が10未
満であるナイロン12であるため、ポリアミド系樹脂組
成物のガソリンバリア性に劣っており、従って、積層成
形品のガソリンバリア性も劣っていると判断できた。ま
たポリアミド系樹脂組成物がエポキシ基を有するエチレ
ン系共重合体を含有していないため、積層成形品の熱融
着性が劣り、ガソリン浸漬後、熱融着面の接着強度が低
下し、ガソリン浸漬後の引張強度および引張伸度は低下
した。
【0044】比較例3では、ポリアミド系樹脂組成物中
のポリアミド重合体の含有量が少ないため、ポリアミド
系樹脂組成物のガソリンバリア性に劣っており、従っ
て、積層成形品のガソリンバリア性も劣っていると判断
できた。また、ポリアミド系樹脂組成物中のエポキシ基
を有するエチレン系共重合体の含有量が多いため、過剰
のエポキシ基がポリアミド重合体の末端アミノ基と反応
して、その結果、積層成形品の熱融着性が劣り、ガソリ
ン浸漬後、熱融着面の接着強度が低下し、ガソリン浸漬
後の引張強度および引張伸度は低下した。
【0045】比較例4は、ポリアミド系樹脂組成物がエ
ポキシ基を有するエチレン系共重合体を含有せず代わり
に酸無水物変性エチレン共重合体を含有し、この共重合
体の酸無水物基がポリアミド重合体の末端アミノ基と反
応して、その結果、積層成形品の熱融着性が劣り、ガソ
リン浸漬後、熱融着面の接着強度が低下し、ガソリン浸
漬後の引張強度および引張伸度は低下した。
【0046】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、自動車部品に要求される強度、剛性およびガソ
リンバリア性に優れ、長時間ガソリンに浸漬してもそれ
らの特性(特に強度、剛性)が維持され、自動車部品に
要求される安全性に対する信頼性が高い、自動車部品用
積層体を提供することができる。このような積層体は、
例えば、燃料タンク付属バルブや他の自動車部品等に好
適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 77/06 B60K 15/02 Z 23:08) A (72)発明者 江口 英樹 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 小泉 順二 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 渡辺 悟 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 3D038 CA06 CC04 CC19 4F100 AK04A AK04B AK46A AK53A AL05A AL07B BA02 BA07 GB16 JD05 YY00A 4J002 BB072 CL011 CL031 GF00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ポリアミド重合体分子中の鎖の骨
    格をなす原子100原子当たりのアミド基数が10以上
    であるポリアミド重合体70〜99重量%と、(b)エ
    ポキシ基を有するエチレン系共重合体1〜30重量%を
    含有するポリアミド系樹脂組成物からなるA層、および
    (c)酸無水物で変性したポリエチレン系樹脂を含有す
    る樹脂組成物からなるB層とが積層され、かつ当該A層
    とB層とが熱融着してなることを特徴とする、自動車部
    品用積層体。
  2. 【請求項2】 ポリアミド重合体が、メタキシリレンジ
    アミンとアジピン酸を重縮合して得られたポリメタキシ
    リレンアジパミド(MXD−6)である、請求項1記載
    の自動車部品用積層体。
  3. 【請求項3】 自動車部品が燃料タンク付属バルブであ
    る、請求項1または2記載の自動車部品用積層体。
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