JP2002324525A - 電池のリード線用フィルム及びそれを用いた電池用包装材料 - Google Patents

電池のリード線用フィルム及びそれを用いた電池用包装材料

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JP2002324525A JP2001125893A JP2001125893A JP2002324525A JP 2002324525 A JP2002324525 A JP 2002324525A JP 2001125893 A JP2001125893 A JP 2001125893A JP 2001125893 A JP2001125893 A JP 2001125893A JP 2002324525 A JP2002324525 A JP 2002324525A
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Rikiya Yamashita
力也 山下
Kazuki Yamada
一樹 山田
Masataka Okushita
正隆 奥下
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電池包装において、ポリプロピレン系樹脂をヒ
ートシール層とする外装体に電池本体を挿入してその周
縁をヒートシールして密封する際に、ヒートシールの熱
と圧力によって外装体のバリア層とリード線とがショー
トすることなく安定して密封可能な電池のリード線用フ
ィルム及びそれを用いた電池用包装材料を提供する 【解決手段】内面にヒートシール性を有する積層体から
なる外装体の周縁シール部に、細長の板または棒状の金
属からなるリード線本体を挟持して、前記外装体の周縁
部を密封シールする際に、前記積層体とリード線本体と
の間に介在させるフィルムを、少なくとも、環状ポリオ
レフィン層を含む多層フィルムとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明の電池のリード線用フ
ィルム及びそれを用いた電池用包装材は、防湿性、耐内
容物性を有する、液体または固体有機電解質(高分子ポ
リマー電解質)を持つ電池、または燃料電池、コンデン
サ、キャパシタ等に用いる包装材料であって電池本体を
包装する外装体と前記電池のリード線部と外装体との間
に介在させるリード線用フィルム及びそれを用いたリー
ド線、電池用包装材、該包装材を外装体とする電池に関
する。
【0002】
【従来の技術】本発明における電池とは、化学的エネル
ギーを電気的エネルギーに変換する素子を含む物、例え
ば、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、燃料
電池等や、または、液体、固体セラミック、有機物等の
誘電体を含む液体コンデンサ、固体コンデンサ、二重層
コンデンサ等の電解型コンデンサを示す。電池の用途と
しては、パソコン、携帯端末装置(携帯電話、PDA
等)、ビデオカメラ、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄
電池、ロボット、衛星等に用いられる。前記電池の外装
体としては、金属をプレス加工して円筒状または直方体
状に容器化した金属製缶、あるいは、プラスチックフィ
ルム、金属箔等のラミネートにより得られる複合フィル
ムからなる積層体を袋状にしたもの(以下、外装体)が
用いられていた。電池の外装体として、次のような問題
があった。金属製缶においては、容器外壁がリジッドで
あるため、電池自体の形状が決められてしまう。そのた
め、ハード側を電池にあわせる設計をするため、該電池
を用いるハードの寸法が電池により決定されてしまい形
状の自由度が少なくなる。そのため、前記袋状の外装体
を用いる傾向にある。前記外装体の材質構成は、電池と
しての必要な物性、加工性、経済性等から、少なくとも
基材層、バリア層、ヒートシール層と前記各層を接着す
る接着層からなり、必要に応じて中間層を設けることが
ある。電池の前記構成の積層体からパウチを形成し、ま
たは、少なくとも片面をプレス成形して電池の収納部を
形成して電池本体を収納し、パウチタイプまたは、エン
ボスタイプ(蓋体を被覆して)において、それぞれの周
縁の必要部分をヒートシールにより密封することによっ
て電池とする。前記ヒートシール層としては、ヒートシ
ール層同士のヒートシール性とともにリード線(金属)
に対してもヒートシール性を有することが求められ、金
属接着性を有する酸変性ポリオレフィン樹脂をヒートシ
ール層とすることでリード線部との密着性は確保され
る。
【0003】しかし、酸変性ポリオレフィン樹脂を外装
体のヒートシール層として積層すると、一般的なポリオ
レフィン樹脂と比較してその加工性が劣ること、また、
コストが高いこと等のために、外装体のヒートシール層
として一般的なポリオレフィン樹脂層とし、リード線部
にヒートシール層とリード線との両方に熱接着可能なリ
ード線用フィルムを介在させる方法が採用されていた。
具体的には、図9(a)に示すように、リード線4と積
層体10’のヒートシール層14’との間に、金属と外
装材のヒートシール層との双方に対してヒートシール性
を有するリード線用フィルム6’を介在させることによ
り、リード線部での密封性を確保していた。前記リード
線用フィルムとしては、前記不飽和カルボングラフトポ
リオレフィン、金属架橋ポリエチレン、エチレンまたは
プロピレンとアクリル酸、またはメタクリル酸との共重
合物からなるフィルムを用いることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、電池の外装体
(以下、外装体)を構成する積層体のヒートシール層が
ポリオレフィン系樹脂からなる場合、電池本体を外装体
に収納し、その周縁をシールして密封するが、例えば、
酸変性ポリオレフィン単層からなるリード線用フィルム
6’を用いる場合、リード線が存在する部分において、
図9(b)に示すように、ヒートシールのための熱と圧
力によって前記外装体のヒートシール層14’とリード
線用フィルム層6’とがともに溶融し、また、加圧によ
って加圧部の領域の外に押出されることがある。その結
果、外装体10’のバリア層12’であるアルミニウム
箔と金属からなるリード線4’とが接触(S)しショー
トすることがあった。本発明の目的は、電池包装におい
て、ポリプロピレン系樹脂をヒートシール層とする外装
体に電池本体を挿入してその周縁をヒートシールして密
封する際に、ヒートシールの熱と圧力によって外装体の
バリア層とリード線とがショートすることなく安定して
密封可能な電池のリード線用フィルム及びそれを用いた
電池用包装材料を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、以下の本
発明により解決することができる。請求項1に記載した
発明は、内面にヒートシール性を有する積層体からなる
外装体の周縁シール部に、細長の板または棒状の金属か
らなるリード線本体を挟持して、前記外装体の周縁部を
密封シールする際に、前記積層体とリード線本体との間
に介在させるフィルムが、少なくとも、環状ポリオレフ
ィン層を含む多層フィルムであることを特徴とする電池
のリード線用フィルムからなる。請求項2に記載した発
明は、環状ポリオレフィン層を含む多層フィルムが、ポ
リプロピレン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリプロピ
レンからなる共押出しフィルムであることを特徴とする
ものである。請求項3に記載した発明は、環状ポリオレ
フィン層を含む多層フィルムが、ポリエチレン、環状ポ
リオレフィン、酸変性ポリエチレンからなる共押出しフ
ィルムであることを特徴とするものである。請求項4に
記載した発明は、前記リード線本体に、前記請求項1〜
請求項3のいずれかに記載のリード線用フィルムが部分
的に装着されたことを特徴とするリード線からなる。請
求項5に記載した発明は、少なくとも基材層、接着層、
アルミニウム、化成処理層、ポリオレフィン系樹脂のヒ
ートシール層から構成される外装体を形成し、電池本体
を挿入し、周縁をヒートシールする際に、前記外装体と
リード線との間に請求項1〜請求項3のいずれかに記載
のリード線用フィルムを介在させることを特徴とする電
池用包装材料からなる。請求項6に記載した発明は、セ
ルとリード線からなる電池本体が、請求項5に記載の包
装材料からなる外装体に封入され、密封されていること
を特徴とする電池からなる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、金属箔からなるバリア
層を含み、内面にヒートシール性を有する積層体からな
る外装体の周縁シール部に、細長の板または棒状の金属
からなるリード線本体を挟持して、前記外装体の周縁部
を密封シールする際に、前記積層体とリード線本体との
間に介在させるフィルムが、少なくとも、環状ポリオレ
フィン層を含む多層フィルムであることを特徴とするも
のである。以下、本発明について、図等を利用してさら
に詳細に説明するが電池を具体例として説明する。
【0007】図1は、本発明のリード線用フィルムを説
明する図で、(a)リード線用フィルムの層構成を示す
断面図、(b)電池リード線、外装体、リード線用フィ
ルムの材質及び位置関係(片側)を説明する図、(c)
リード線部での、ヒートシール前のリード線とリード線
用フィルムと外装体とが接した状態を説明する模式断面
図、(d)ヒートシール後のリード線部の模式断面図で
ある。図2は、電池用包装材料とリード線との接着にお
けるリード線用フィルムの装着方法を説明する斜視図で
ある。図3は、本発明におけるリード線用フィルムのリ
ード線と外装体との間への介在方法を説明する図であ
る。図4は、電池のパウチタイプの外装体を説明する斜
視図である。図5は、電池のエンボスタイプの外装体を
説明する斜視図である。図6は、エンボスタイプにおけ
る成形を説明する、(a)斜視図、(b)エンボス成形
された外装体本体、(c)X2−X2部断面図、(d)Y
1部拡大図である。図7は、電池の外装体を形成する積
層体の層構成例を示す断面図である。図8は、電池の外
装体を形成する他の積層体の層構成例を示す断面図であ
る。
【0008】電池のリード線としては、細長の板状また
は棒状の金属からなり、いた状のリード線用としては、
厚さが50〜2000μm、 巾 が2.5〜20mm程
度であって、その材質としては、 AL、Cu(Niメ
ッキを含む)、Ni、等である。
【0009】また、電池の外装体のヒートシール層は該
ヒートシール層同士がヒートシール可能な樹脂により形
成される。そして、外装体の最内層はリード線に直接ヒ
ートシール可能な樹脂をヒートシール層とすることか望
ましいが、前述したように、一般的なポリオレフィン例
えばポリエチレンやポリプロピレンの単体、またはブレ
ンド物の単層あるいは多層構成からなる樹脂物をヒート
シール層とし、リード線と該ヒートシール層とは、リー
ド線用フィルムにより相互にヒートシールして密封する
方法がとられている。
【0010】電池の外装体は、電池本体の性能を長期に
わたって維持する性能を有することが求められ、基材
層、バリア層、ヒートシール層等を各種のラミネート法
によって積層している。特に、電池の外装体(以下、外
装体)を構成する積層体のヒートシール層がポリオレフ
ィン系樹脂等からなる場合、電池本体を外装体に収納
し、その周縁をシールして密封する際、リード線が存在
する部分において、例えば、リード線用フィルムとして
酸変性ポリオレフィンを用いる場合、図9(a)及び図
9(b)に示すようにヒートシールのための熱と圧力に
よって前記外装体のヒートシール層とリード線用フィル
ム層とがともに溶融し、また、加圧によって、絶縁層と
なっていた外装体のバリア層12’より内側の層、及
び、リード線用フィルム層6’が、ともに加圧部の領域
の外に押し出されることがある。その結果、外装体のバ
リア層12’であるアルミニウム箔と金属からなるリー
ド線本体4’とが接触しショートSすることがあった。
【0011】本発明者らは、前記ショートを防止するこ
とについて、鋭意研究の結果、リード線用フィルムの材
質及び構成を変更することで、前記課題を解決し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。すなわち、本
発明のリード線用フィルムとして、図1(a)及び図1
(b)に示すように金属であるリード線4と外装体のヒ
ートシール層14との間に、次のようなリード線用フィ
ルム20を介在させるが、該フィルム20は、環状ポリ
オレフィン層22を中心層として、その片面に、リード
線に対して熱接着性を有する層23、例えば、酸変性ポ
リオレフィン層を設け、また、他の面には、外装体のヒ
ートシール層と熱接着性を有する層21、例えば、ポリ
オレフィン層を設けた積層体とするものである。すなわ
ち、少なくとも、環状ポリオレフィン層22を含む多層
フィルムであることを特徴とする電池のリード線用フィ
ルムとするものである。
【0012】環状ポリオレフィン(シクロオレフィンポ
リマー)は、エチレンと環状モノマーとの共重合体であ
り、ガラス転移点が90℃〜165℃で、高防湿性、耐
熱性に優れた特性を有する。環状ポリオレフィンは、外
装体のヒートシール層として用いられる通常のポリオレ
フィンと比較して、室温下では勿論融点以上の高温下で
の機械的強度、例えば引張り強度、突き刺し強度、圧縮
強度に優れており、外装体のヒートシール条件にて加圧
加熱しても熔融流動化することがない。
【0013】本発明の電池リード線用フィルム6を外装
体とリード線との間に介在させて密封シールをした場合
に、前記リード線用フィルムは、図1(d)に示すよう
に、前記密封のための熱、圧力によっても環状ポリオレ
フィン層22は膜状の層として、外装体のバリア層12
とリード線4との間に残存し、バリア層12とリード線
4とのショートを防止する絶縁層として機能して、前記
ショートを回避することができる。
【0014】本発明のリード線用フィルムは、例えば、
ポリオレフィン,環状ポリオレフィン、酸変性ポリオレ
フィンの層順として共押出し製膜することが望ましい。
層の厚さとしては、環状ポリオレフィン層が5μm以
上、該リード線用フィルム20の総厚は、使用されるリ
ード線の1/3以上有ればよく、たとえば、100μm
の厚さのリード線であれば、リード線用フィルム20の
総厚は30μm以上あれば良い。酸変性ポリオレフィン
としては、不飽和カルボン酸グラフトプロピレン、不飽
和カルボン酸グラフトポリエチレンがある。また、酸変
性ポリオレフィンに代えて、エチレンとメタクリル酸あ
るいはアクリル酸との誘導体との共重合体、金属イオン
結合エチレンを用いることもできる。また、環状ポリオ
レフィン層には、ポリエチレン系樹脂として、低密度ポ
リエチレン、中高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、不飽和カルボン酸をグラフト重合させたポリエ
チレン等の単体やブテン成分、エチレンとブテンとプロ
ピレンの3成分共重合体からなるターポリマー成分、密
度が900kg/m3の低結晶のエチレンとブテンの共
重合体、非晶性のエチレンとプロピレンの共重合体、プ
ロピレンーα・オレフィン共重合体成分を添加すること
もできる。また、プロピレン系樹脂として、ホモタイ
プ、エチレンとプロピレンの共重合体物、エチレンとプ
ロピレンとブテンの共重合体物、不飽和カルボン酸をグ
ラフトさせたポリプロピレンやブテン成分、エチレンと
ブテンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリ
マー成分、密度が900kg/m3の低結晶のエチレン
とブテンの共重合体、非晶性のエチレンとプロピレンの
共重合体、プロピレンーα・オレフィン共重合体成分を
添加することもできる。また、ポリプロピレン系樹脂か
らなるヒートシール層14、及び接着樹脂層にはブテン
成分、エチレンとブテンとプロピレンの3成分共重合体
からなるターポリマー成分、密度が900kg/m3
低結晶のエチレンとブテンの共重合体、非晶性のエチレ
ンとプロピレンの共重合体、プロピレンーα・オレフィ
ン共重合体成分を添加することもできる。
【0015】電池用包装材料は電池本体を包装する外装
体を形成するものであって、その外装体の形式によっ
て、図4に示すようなパウチタイプと、図5(a)、図
5(b)または図5(c)に示すようなエンボスタイプ
とがある。前記パウチタイプには、三方シール、四方シ
ール等及びピロータイプ等の袋形式があるが、図4は、
ピロータイプとして例示している。
【0016】エンボスタイプは、図5(a)に示すよう
に、片面に凹部を形成しても良いし、図5(b)に示す
ように、両面に凹部を形成して電池本体を収納して周縁
の四方をヒートシールして密封しても良い。また、図5
(c)に示すような折り部をはさんで両側に凹部形成し
て、電池を収納して3辺をヒートシールする形式もあ
る。
【0017】外装体のヒートシール層14として金属に
対してヒートシール性を持たない材質とした時に、前述
のように、外装体5とリード線4との間にリード線用フ
ィルム6を介在させるがその具体的方法は、例えば、図
2(a)及び図2(b)に示すように、電池本体2のリ
ード線部密封シール部の上下にリード線用フィルム6を
おいて(実際には仮着シールにより固定して)外装体5
に挿入しリード線部を挟持した状態でヒートシールする
ことによって密封する。
【0018】リード線用フィルム6のリード線4への介
在方法として、図2(d)または図2(e)に示すよう
に、リード線4の所定の位置にリード線用フィルム6の
フィルムを巻き付けてもよい。リード線4とリード線用
フィルム6は、図3(a)に示すように、リード線4に
リード線用フィルム6の酸変性ポリオレフィン21を予
め溶着mkさせて用いてもよい。あるいは、図3(b)
に示すように、リード線4とリード線用フィルム6とを
仮着wkさせた状態で用いてもよい。さらに、図3
(c)または図3(d)に示すように、予め外装体10
のヒートシール層14の面に仮着wkまたは溶着mkさ
せてもよい。
【0019】次に、本発明の電池リード線用フィルム2
0を適用する外装体10の材質について説明する。前記
外装体は、図7(a)、図7(b)に示すように、少な
くとも基材層11、接着層16、化成処理層15
(1)、バリア層12、化成処理層15(2)接着樹脂
層、13ヒートシール層14から構成されるものであ
る。または、図7(c)、図7(d)に示すように少な
くとも基材層11、接着層16、バリア層12、化成処
理層15、接着樹脂層13ヒートシール層14から構成
されるものである。
【0020】本発明の電池用包装材料の層構成は、具体
的な層構成は、図8(a)〜(h)に示す。前記ヒート
シール層14と化成処理層(2)との接着は、ドライラ
ミネート法、サンドイッチラミネート法、共押出しラミ
ネート法、熱ラミネート法のいずれかによって積層され
る。さらに、前記ラミネート法の内、サンドイッチラミ
ネート法、共押出しラミネート法を用いた場合には、得
られた積層体を、後述する前加熱または後加熱により接
着強度の向上を図るものである。
【0021】前記基材層11は、電池として用いられる
場合、ハードと直接接触する部位であるため、基本的に
絶縁性を有する樹脂層がよい。フィルム単体でのピンホ
ールの存在、及び加工時のピンホールの発生等を考慮す
ると、基材層は6μm以上の厚さが必要であり、好まし
い厚さとしては12〜30μmである。
【0022】外装体における前記基材層11としては、
延伸ポリエステルまたはナイロンフィルムからなるが、
この時、ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポ
リエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。またナ
イロンとしては、ポリアミド樹脂、すなわち、ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン6とナイロン6,6との
共重合体、ナイロン6,10、ポリメタキシリレンアジ
パミド(MXD6)等が挙げられる。
【0023】基材層11は耐ピンホール性及び電池の外
装体とした時の絶縁性を向上させるために、積層化する
ことも可能である。基材層を積層体化する場合、基材層
が2層以上の樹脂層を少なくとも一つを含み、各層の厚
みが6μm以上、好ましくは、12〜30μmである。
基材層を積層化する例としては、次の1)〜8)が挙げ
られる。 1)延伸ポリエチレンテレフタレート/延伸ナイロン 2)延伸ナイロン/延伸延伸ポリエチレンテレフタレー
ト また、包装材料の機械適性(包装機械、加工機械の中で
の搬送の安定性)、表面保護性(耐熱性、耐電解質
性)、2次加工とて電池用の外装体をエンボスタイプと
する際に、エンボス時の金型と基材層との摩擦抵抗を小
さくする目的あるいは電解液が付着した場合に基材層を
保護するために、基材層を多層化、基材層表面にフッ素
系樹脂層、アクリル系樹脂層、シリコーン系樹脂層、ポ
リエステル系樹脂層、またはこれらのブレンド物からな
る樹脂層等を設けることが好ましい。例えば、 3)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート
(フッ素系樹脂は、フィルム状物、または液状コーティ
ング後乾燥で形成) 4)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト(シリコーン系樹脂は、フィルム状物、または液状コ
ーティング後乾燥で形成) 5)フッ素系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレート/
延伸ナイロン 6)シリコーン系樹脂/延伸ポリエチレンテレフタレー
ト/延伸ナイロン 7)アクリル系樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂は
フィルム状、または液状コーティング後乾燥で硬化) 8)アクリル系樹脂+ポリシロキサングラフト系アクリ
ル樹脂/延伸ナイロン(アクリル系樹脂はフィルム状、
または液状コーティング後乾燥で硬化) また、少なくとも基材層11にエルカ酸アマイド、オレ
イン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、ビスエルカ酸
アマイド、ビスオレイン酸アマイド、ビスステアリン酸
アマイドに代表される一般的にはポリオレフィン系樹脂
に内部添加する滑剤の少なくとも一つを、イソプロピル
アルコール、酢酸エチル、トルエン、メチルーエチルー
ケトン等の溶剤で溶液状とし塗工、塗布することで表面
の滑り性が改善され成形性が向上することも判明した。
【0024】前記バリア層12は、外部から電池の内部
に特に水蒸気が浸入することを防止するための層で、バ
リア層単体のピンホール、及び加工適性(パウチ化、エ
ンボス成形性)を安定化し、かつ耐ピンホールをもたせ
るために厚さ15μm以上のアルミニウム、ニッケルな
どの金属、または、無機化合物、例えば、酸化珪素、ア
ルミナ等を蒸着したフィルムなども挙げられるが、バリ
ア層として好ましくは厚さが20〜80μmのアルミニ
ウムとする。ピンホールの発生をさらに改善し、電池の
外装体のタイプをエンボスタイプとする場合、エンボス
成形におけるクラックなどの発生のないものとするため
に、本発明者らは、バリア層として用いるアルミニウム
の材質が、鉄含有量が0.3〜9.0重量%、好ましく
は0.7〜2.0重量%とすることによって、鉄を含有
していないアルミニウムと比較して、アルミニウムの展
延性がよく、積層体として折り曲げによるピンホールの
発生が少なくなり、かつ前記エンボスタイプの外装体を
成形する時に側壁の形成も容易にできることを見出し
た。前記鉄含有量が、0.3重量%未満の場合は、ピン
ホールの発生の防止、エンボス成形性の改善等の効果が
認められず、前記アルミニウムの鉄含有量が9.0重量
%を超える場合は、アルミニウムとしての柔軟性が阻害
され、積層体として製袋性が悪くなる。
【0025】また、冷間圧延で製造されるアルミニウム
は焼きなまし(いわゆる焼鈍処理)条件でその柔軟性・
腰の強さ・硬さが変化するが、本発明において用いるア
ルミニウムは焼きなましをしていない硬質処理品より、
多少または完全に焼きなまし処理をした軟質傾向にある
アルミニウムがよい。前記、アルミニウムの柔軟性・腰
の強さ・硬さの度合い、すなわち焼きなましの条件は、
加工適性(パウチ化、エンボス成形)に合わせ適宜選定
すればよい。例えば、エンボス成形時のしわやピンホー
ルを防止するためには、成形の程度に応じた焼きなまし
された軟質アルミニウムを用いることが望ましい。
【0026】本発明者らは、電池用包装材料のバリア層
12であるアルミニウムの表、裏面に化成処理を施すこ
とによって、前記包装材料として満足できる積層体とす
ることができた。前記化成処理とは、具体的にはリン酸
塩、クロム酸塩、フッ化物、トリアジンチオール化合物
等の耐酸性皮膜を形成することによってエンボス成形時
のアルミニウムと基材層との間のデラミネーション防止
と、電池の電解質と水分とによる反応で生成するフッ化
水素により、アルミニウム表面の溶解、腐食、特にアル
ミニウムの表面に存在する酸化アルミが溶解、腐食する
ことを防止し、かつ、アルミニウム表面の接着性(濡れ
性)を向上させ、エンボス成形時、ヒートシール時の基
材層11とアルミニウム12とのデラミネーション防
止、電解質と水分との反応により生成するフッ化水素に
よるアルミニウム内面側でのデラミネーション防止効果
が得られることを確認している。各種の物質を用いて、
アルミニウム面に化成処理を施し、その効果について研
究した結果、前記耐酸性皮膜形成物質のなかでも、フェ
ノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、リン酸の3成
分から構成されたものを用いるリン酸クロメート処理が
良好であった。または、少なくともフェノール樹脂を含
む樹脂成分に、モリブデン、チタン、ジルコン等の金
属、または金属塩を含む化成処理剤が良好であった。
【0027】電池の外装体がパウチタイプの場合には、
アルミの化成処理はパウチで用いる場合、ヒートシール
層側のみの片側または基材層側とヒートシール層側の両
面のどちらでも良い。電池の外装体がエンボスタイプの
場合には、アルミニウムの両面に化成処理することによ
って、エンボス成形の際のアルミニウムと基材層との間
のデラミネーションを防止することができる。
【0028】本発明のリード線用フィルム20を適用す
る場合の外装体のヒートシール層は、ポリエチレン系樹
脂として、低密度ポリエチレン、中高密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、不飽和カルボン酸をグラ
フト重合させたポリエチレン等の単体または多層からな
る層が、また、プロピレン系樹脂として、ホモタイプ、
エチレンとプロピレンの共重合体物、エチレンとプロピ
レンとブテンの共重合体物、不飽和カルボン酸をグラフ
トさせたポリプロピレンの単体、またはブレンド物を用
いた単層または多層からなる層等を用いることができ
る。また、ポリプロピレン系樹脂からなるヒートシール
層14、及び接着樹脂層にはブテン成分、エチレンとブ
テンとプロピレンの3成分共重合体からなるターポリマ
ー成分、密度が900kg/m3の低結晶のエチレンと
ブテンの共重合体、非晶性のエチレンとプロピレンの共
重合体、プロピレンーα・オレフィン共重合体成分を添
加することもできる。
【0029】電池用包装材料をエンボスタイプとする場
合、図6(a)〜図6(d)に示すように、積層された
包装材料10をプレス成形して凹部7を形成する。この
際、プレス成形のオス型31と積層体10のヒートシー
ル層14との滑りが悪いと安定した成形品が得られない
ことがある。
【0030】本発明者らは、成形におけるヒートシール
層の滑り向上対策として、ヒートシール層表面に、流動
パラフィン層19を設けることによって成形性が向上す
るとともに、ヒートシール層の耐クラック性が向上する
ことを確認した。ヒートシール層14に形成した流動パ
ラフィン層19の存在によって、エンボス成形時に発生
する応力が分散し、成形で発生するポリオレフィン樹脂
からなるヒートシール層(電池用包装材料のヒートシー
ル層)でのクラックが低減または無くなり、また、コー
ティングされた流動パラフィンは、滑剤としての効果に
より、表面の滑り性が改善された。
【0031】ヒートシール層14に流動パラフィンをコ
ーティングすることによって、流動パラフィンの一部ま
たは全部がヒートシール層14のポリプロピレン層また
はポリエチレン層内に浸透し、ポリプロピレン層または
ポリエチレン層を膨潤させて、ヒートシール層が柔らか
になり、伸び易くなるものと考えられる。
【0032】本発明のリード線用フィルムに適用する外
装体を形成する電池用包装材料を積層する場合の、バリ
ア層に設けた化成処理層とシーラント層との接着は、例
えば、リチウムイオン電池等における電解液と水分との
反応により発生するフッ化水素酸などによるデラミネー
ション防止のために、以下に述べるラミネートおよび接
着安定化処理を行うことが望ましい。
【0033】本発明者らは、安定した接着強度を示す積
層方法について鋭意研究の結果、少なくともシーラント
層をラミネートする面に化成処理したバリア層12と基
材層11とをドライラミネートした後、図2(a)また
は図2(b)に示すように、バリア層に設けられた化成
処理層とシーラント層との接着法としてドライラミネー
ト法によりラミネート13dする、あるいは、図2
(c)に示すように、前記化成処理層に酸変性ポリオレ
フィンのエマルジョンを化成処理層に塗布乾燥焼付けた
13h後、シーラント層となるフィルムを熱ラミネート
法により積層することによっても所定の接着強度が得ら
れることを確認した。
【0034】また、次のようなラミネート方法によって
も安定した接着強度が得られることを確認した。例え
ば、基材層11とバリア層12の片面とをドライラミネ
ートし、図2(d)に示すように、バリア層12の他の
面(化成処理層)に、酸変性ポリオレフィン13eを押
出してシーラント層14をサンドイッチラミネートする
場合、または、酸変性ポリオレフィン樹脂13とシーラ
ント層とを共押出しして積層体とした後、得られた積層
体を前記酸変性ポリオレフィン樹脂がその軟化点以上に
なる条件に加熱することによって、所定の接着強度を有
する積層体とすることができた。前記加熱の具体的な方
法としては、熱ロール接触式、熱風式、近または遠赤外
線等の方法があるが、本発明においてはいずれの加熱方
法でもよく、前述のように、接着樹脂がその軟化点温度
以上に加熱できればよい。
【0035】また、別の方法としては、前記、サンドイ
ッチラミネートまたは共押出しラミネートの際に、アル
ミニウム12のヒートシール層側の表面温度が酸変性ポ
リオレフィン樹脂の軟化点に到達する条件に加熱するこ
とによっても接着強度の安定した積層体とすることがで
きた。また、ポリエチレン樹脂を接着樹脂として用いる
ことも可能であるが、この場合には、押出したポリエチ
レンの溶融樹脂膜のアルミニウム側のラミネート面をオ
ゾン処理しながらラミネートすることが望ましい。
【0036】本発明の電池用包装材料において、外装体
を形成する積層体における前記の各層には、適宜、製膜
性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボ
ス成形)適性を向上、安定化する目的のために、コロナ
処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活
性化処理をしてもよい。
【0037】
【実施例】本発明の電池リード線用フィルムについて、
実施例によりさらに具体的に説明する。外装体のバリア
層に施した化成処理は、実施例、比較例ともに、処理液
として、フェノール樹脂、フッ化クロム(3)化合物、
リン酸からなる水溶液を、ロールコート法により、塗布
し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼き付
けた。クロムの塗布量は、2mg/m2 (乾燥重量)で
ある。以下の、実施例及び比較例において、パウチタイ
プの外装体としては、巾30mm巾、長さ50mm(い
ずれも内寸)とし、また、エンボスタイプの外装体の場
合は、いずれも片面エンボスタイプとし、成形型の凹部
(キャビティ)の形状を30mm×50mm,深さ3.
5mmとしてプレス成形して成形性の評価をした。以
下、酸変性ポリエチレンは、不飽和カルボン酸グラフト
ポリエチレンであり、また、酸変性ポリプロピレンは不
飽和カルボン酸グラフトプロピレンである。 [実施例1]アルミニウム20μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ポリエステルフィル
ム(厚さ12μm)をドライラミネート法により貼り合
わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤
外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリエチレ
ン樹脂(不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン)の軟
化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリエチレン樹
脂(不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン20μm)
を接着樹脂として、ヒートシール層となる線状低密度ポ
リエチレン樹脂フィルム(30μm)をサンドイッチラ
ミネートして得られた積層体を用いピロータイプのパウ
チを形成した。また、リード線用フィルムは、線状低密
度ポリエチレン20μm/環状ポリオレフィン8μm/
酸変性ポリエチレン10μmを共押出し製膜したものと
した。100μmの厚さ、4mm巾からなるアルミニウ
ム製のリード線を有する電池本体のリード線部の上下に
前記リード線用フィルムの酸変性ポリエチレン層の面を
リード線側として仮着して、前記外装体中に挿入し、ヒ
ートシール条件を190℃、1.0MPa、3.0se
cとして密封し。検体実施例1とした。 [実施例2]アルミニウム20μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ポリエステルフィル
ム(厚さ12μm)をドライラミネート法により貼り合
わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤
外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピ
レン樹脂の軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポ
リプロピレン樹脂(不飽和カルボン酸グラフトポリプロ
ピレン,20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層
となるポリプロピレンフィルム(ランダムタイプ、30
μm)をサンドイッチラミネートして得られた積層体を
用いピロータイプのパウチを形成した。また、リード線
用フィルムは、ランダムポリプロピレン10μm/環状
ポリオレフィン6μm/酸変性ポリプロピレン20μm
を共押出し製膜したものとした。100μmの厚さ、4
mm巾からなるアルミニウム製のリード線を有する電池
本体のリード線部の上下に前記リード線用フィルムの酸
変性ポリプロピレン層の面をリード線側として仮着し
て、前記外装体中に挿入し、ヒートシール条件を190
℃、1.0MPa、3.0secとして密封し。検体実
施例2とした。 [実施例3]アルミニウム20μmのヒートシール層側
のみに化成処理を施し、化成処理していない方の面に延
伸ポリエステルフィルム(厚さ12μm)をドライラミ
ネート法により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミ
ニウムの他の面にヒートシール層となる線状低密度ポリ
エチレン(100μm)をドライラミネートして得られ
た積層体を用いピロータイプのパウチを形成した。ま
た、リード線用フィルムは、線状低密度ポリエチレン1
5μm/環状ポリオレフィン15μm/エチレンとメタ
クリル酸メチルとの共重合体15μmを共押出し製膜し
たものとした。100μmの厚さ、10mm巾からなる
アルミニウム製のリード線を有する電池本体のリード線
部の上下に前記リード線用フィルムの酸変性ポリプロピ
レン層の面をリード線側として仮着した後、前記外装体
中に挿入し、ヒートシール条件を190℃、2.0MP
a、3.0secとして密封し。検体実施例3とした。 [実施例4]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変
性ポリエチレンを接着樹脂(不飽和カルボン酸グラフト
ポリエチレン,厚さ20μm)として、低密度ポリエチ
レンフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラミネー
トして一次積層体とした。該一次積層体を,熱風により
酸変性ポリエチレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱して
二次積層体としエンボス成形してトレイとした。成形し
ない二次積層体を蓋材として外装体とした。また、リー
ド線用フィルムは、低密度ポリエチレン15μm/環状
ポリオレフィン15μm/金属イオン結合ポリエチレン
20μmを共押出し製膜したものとした。200μmの
厚さ、10mm巾からなるアルミニウム製のリード線を
有する電池本体のリード線部の上下にリード線側が酸変
性ポリエチレン側になる様に前記リード線用フィルムを
溶着して、前記トレイに挿入し、蓋体を被覆した後ヒー
トシール条件を190℃、1.0MPa、5.0sec
として密封し。検体実施例4とした。 [実施例5]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変
性ポリプロピレンのエマルジョンを塗布乾燥し、さら
に、190℃の温度で焼付けした後、該焼付け面に、プ
ロピレンフィルム(ランダムタイプ、厚さ30μm)を
熱ラミネートして積層体とした。得られた積層体をエン
ボス成形してトレイとし、成形しない積層体を蓋材とし
て外装体とした。また、リード線用フィルムは、ランダ
ムタイプポリプロピレン15μm/環状ポリオレフィン
15μm/酸変性ポリプロピレン10μmを共押出し製
膜したものとした。100μmの厚さ、6.0mm巾か
らなるアルミニウム製のリード線を有する電池本体のリ
ード線部の上下にリード線側が酸変性ポリプロピレンに
なるように前記リード線用フィルムを溶着させ、前記外
装体中に挿入し、ヒートシール条件を190℃、2.0
MPa、10.0secとして密封し。検体実施例5と
した。 [実施例6]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ30μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面を遠赤外
線と熱風とにより、接着樹脂である酸変性ポリプロピレ
ン樹脂(不飽和カルボン酸グラフトポリプロピレン)の
軟化点以上に加熱した状態として、酸変性ポリプロピレ
ン樹脂(20μm)を接着樹脂として、ヒートシール層
となるポリプロピレンフィルム(ランダムタイプ30μ
m)をサンドイッチラミネートして得られた積層体を用
いてエンボス成形して、トレイとし、成形しない積層体
を蓋体とした。また、リード線用フィルムは、ランダム
ポリプロピレン5μm/環状ポリオレフィン10μm/
酸変性ポリプロピレン20μmを共押出し製膜したもの
とした。100μmの厚さ、4mm巾からなるアルミニ
ウム製のリード線を有する電池本体のリード線部の上下
に前記リード線用フィルムの酸変性ポリプロピレン層の
面をリード線側として仮着して、前記トレイ中に挿入
し、蓋体を被覆してヒートシール条件を190℃、1.
0MPa、3.0secとして密封し。検体実施例6と
した。
【0038】[比較例1]アルミニウム20μmの両面
に化成処理を施し、化成処理した一方の面に延伸ポリエ
ステルフィルム(厚さ12μm)をドライラミネート法
により貼り合わせ、次に、化成処理したアルミニウムの
他の面を遠赤外線と熱風とにより、接着樹脂である酸変
性ポリエチレン樹脂の軟化点以上に加熱した状態とし
て、酸変性ポリエチレン樹脂(不飽和カルボン酸グラフ
トポリエチレン,20μm)を接着樹脂として、ヒート
シール層となる線状低密度ポリエチレン樹脂フィルム
(30μm)をサンドイッチラミネートして得られた積
層体を用いピロータイプのパウチを形成した。また、リ
ード線用フィルムは、50μm厚さの酸変性ポリエチレ
ン(不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン)とした。
100μmの厚さ、4mm巾からなるアルミニウム製の
リード線を有する電池本体のリード線部の上下に前記リ
ード線用フィルム仮着して、前記外装体中に挿入し、ヒ
ートシール条件を190℃、1.0MPa、2.5se
cとして密封し。検体比較例1とした。 [比較例2]アルミニウム20μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ポリエステルフィル
ム(厚さ12μm)をドライラミネート法により貼り合
わせ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面にヒー
トシール層となるポリプロピレンフィルム(100μ
m)をドライラミネートして得られた積層体を用いピロ
ータイプのパウチを形成した。また、リード線用フィル
ムとして、酸変性ポリプロピレン(不飽和カルボン酸グ
ラフトポリプロピレン)200μmを用意した。100
μmの厚さ、4mm巾からなるアルミニウム製のリード
線を有する電池本体のリード線部の上下に前記リード線
用フィルムを仮着して、前記外装体中に挿入し、ヒート
シール条件を190℃、2.0MPa、3secとして
密封し。検体比較例2とした。 [比較例3]アルミニウム40μmの一方の面に延伸ナ
イロンフィルム(厚さ25μm)をドライラミネート法
により貼り合わせ、次に、アルミニウムの他の面を酸変
性ポリエチレンの軟化点以上に加熱した状態として、酸
変性ポリエチレンを接着樹脂(不飽和カルボン酸グラフ
トポリエチレン,厚さ20μm)として、線状低密度ポ
リエチレンフィルム(厚さ30μm)をサンドイッチラ
ミネートして積層体とした。該積層体を,熱風により酸
変性ポリエチレン樹脂の軟化点以上の温度に加熱した
後、エンボス成形して、成形しない積層体を蓋材として
外装体とした。また、リード線用フィルムは、200μ
m厚さの酸変性ポリエチレン(不飽和カルボン酸グラフ
トポリエチレン)とした。200μmの厚さ、4mm巾
からなるアルミニウム製のリード線を有する電池本体の
リード線部の上下に前記リード線用フィルムの酸変性ポ
リエチレン(不飽和カルボン酸グラフトポリエチレン)
の面をリード線側として仮着して、前記外装体中に挿入
し、ヒートシール条件を190℃、1.0MPa、5s
ecとして密封し。検体比較例3とした。 [比較例4]アルミニウム40μmの両面に化成処理を
施し、化成処理した一方の面に延伸ナイロンフィルム
(厚さ25μm)をドライラミネート法により貼り合わ
せ、次に、化成処理したアルミニウムの他の面に、酸変
性ポリプロピレンを接着樹脂(不飽和カルボン酸グラフ
トポリプロピレン,厚さ20μm)として、ポリプロピ
レンフィルム(密度0.921、厚さ30μm)をサン
ドイッチラミネートして一次積層体とした。積層体をエ
ンボス成形してトレイとし、成形しない積層体を蓋材と
して外装体とした。また、リード線用フィルムとして、
100μmの厚さの酸変性ポリプロピレン(不飽和カル
ボン酸グラフトポリプロピレン)を用意した。100μ
mの厚さ、4mm巾からなるアルミニウム製のリード線
を有する電池本体のリード線部の上下に前記リード線用
フィルムを仮着して、前記外装体中に挿入し、ヒートシ
ール条件を190℃、0.2MPa、10.0secと
して密封し、検体比較例4とした。
【0039】<評価方法> (1)リード線と外装体のバリア層との短絡の有無 リード線部と外装体とのショート状態とを、リード線部
のヒートシール部を断裁し、断面写真により確認し、リ
ード線と外装体のバリア層とのショートのおそれのある
ものについては、テスターによって接触を確認し、断面
写真によって、リード線と外装体のバリア層との間に皮
膜が見られないものをショート寸前とし、その内でテス
ターによりショートが確認された検体をショート数とし
た。 2)もれとデラミネーションの確認 ヒートシール品を80℃、24時間保存し、リード線部
からの内容物のもれと、内容物側の積層体のデラミネー
ション(以下デラミ)を確認した。内容物:電解液1M
LiPF6となるようにしたエチレンカーボネート、
ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(1:
1:1)の混合液、3g。
【0040】<結果>実施例1〜実施例6はいずれも、
リード線部でのショート及び内容物のもれは皆無であっ
た。比較例1においては、100検体中15検体におい
てショート寸前であり、実際にショートしたのは2検体
であった。また、漏れはなかった。比較例2において
は、100検体中12検体においてショート寸前であ
り、実際にショートしたのは2検体であった。また、漏
れはなかった。比較例3においては、100検体中4検
体においてショートした。漏れはなかったが100検体
中25検体でデラミした。比較例4においては、100
検体中12検体においてショート寸前であり、実際にシ
ョートしたのは4検体であった。また、漏れはなかった
が100検体中42にアルミニウムとシーラント層との
間でデラミが認められた。
【0041】
【発明の効果】本発明の電池用包装材料から形成された
外装体のパウチまたはエンボス成形部に電池本体を収納
しその周縁をヒートシールして密封する際、電池のリー
ド線と外装体との間介在させるリード線用フィルムを、
少なくとも、環状ポリオレフィン層を含む多層フィルム
とすることによって、電池の密封シールの際に、外装体
のバリア層とリード線とが接触(ショート)することが
なくなった。また、外装体のアルミニウムの両面に施し
た化成処理によって、エンボス成形時、及びヒートシー
ル時の基材層とアルミニウムとの間でのデラミネーショ
ンの発生を防止することができ、また、ヒートシール層
をサンドイッチラミネート法または共押出ラミネート法
により形成した場合に、積層体の形成時の加熱、または
積層体形成後の加熱によって、電池の電解質と水分との
反応により発生するフッ化水素によるアルミニウム面の
腐食を防止できることにより、アルミニウムとの内容物
側の層とのデラミネーションをも防止できる外装体であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリード線用フィルムを説明する図で、
(a)リード線用フィルムの層構成を示す断面図、
(b)電池リード線、外装体、リード線用フィルムの材
質及び位置関係(片側)を説明する図、(c)リード線
部での、ヒートシール前のリード線とリード線用フィル
ムと外装体とが接した状態を説明する模式断面図、
(d)ヒートシール後のリード線部の模式断面図であ
る。
【図2】電池用包装材料とリード線との接着におけるリ
ード線用フィルムの装着方法を説明する斜視図である。
【図3】本発明におけるリード線用フィルムのリード線
と外装体との間への介在方法を説明する図である。
【図4】電池のパウチタイプの外装体を説明する斜視図
である。
【図5】電池のエンボスタイプの外装体を説明する斜視
図である。
【図6】エンボスタイプにおける成形を説明する、
(a)斜視図、(b)エンボス成形された外装体本体、
(c)X2−X2部断面図、(d)Y1部拡大図である。
【図7】電池の外装体を形成する積層体の層構成例を示
す断面図である。
【図8】電池の外装体を形成する他の積層体の層構成例
を示す断面図である。
【図9】従来のリード線用フィルムを用いてバリア層と
リード線とがショートした状態を示す断面図である。
【符号の説明】
S リード線とバリア層とのショート部 H ヒートシール熱板 wk 仮着 mk 溶着 1 電池 2 電池本体 3 セル(蓄電部) 4 リード線(電極) 5 外装体 6 リード線用フィルム(リード線部) 7 凹部 8 側壁部 9 シール部 10 積層体(電池用包装材料) 11 基材層 12 アルミニウム(バリア層) 13 酸変性ポリオレフィン層(押出) 14 ヒートシール層(ポリオレフィン) 15 化成処理層 16 接着層 17 スリップ剤層 19 流動パラフィン層 20 リード線用フィルムの積層体 21 架橋酸変性ターポリマー層 22 環状ポリオレフィン層 23 ポリオレフィン層 30 プレス成形部 31 オス型 32 メス型 33 キャビティ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥下 正隆 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 5H011 AA03 AA09 CC02 CC06 CC10 DD13 DD23 FF02 GG01 JJ02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内面にヒートシール性を有する積層体から
    なる外装体の周縁シール部に、細長の板または棒状の金
    属からなるリード線本体を挟持して、前記外装体の周縁
    部を密封シールする際に、前記積層体とリード線本体と
    の間に介在させるフィルムが、少なくとも、環状ポリオ
    レフィン層を含む多層フィルムであることを特徴とする
    電池のリード線用フィルム。
  2. 【請求項2】環状ポリオレフィン層を含む多層フィルム
    が、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリ
    プロピレンからなる共押出しフィルムであることを特徴
    とする請求項1に記載の電池のリード線用フィルム。
  3. 【請求項3】環状ポリオレフィン層を含む多層フィルム
    が、ポリエチレン、環状ポリオレフィン、酸変性ポリエ
    チレンからなる共押出しフィルムであることを特徴とす
    る請求項1に記載の電池のリード線用フィルム。
  4. 【請求項4】前記リード線本体に、前記請求項1〜請求
    項3のいずれかに記載のリード線用フィルムが部分的に
    装着されたことを特徴とするリード線。
  5. 【請求項5】少なくとも基材層、接着層、アルミニウ
    ム、化成処理層、ポリオレフィン系樹脂のヒートシール
    層から構成される外装体を形成し、電池本体を挿入し、
    周縁をヒートシールする際に、前記外装体とリード線と
    の間に請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリード線
    用フィルムを介在させることを特徴とする電池用包装材
    料。
  6. 【請求項6】セルとリード線からなる電池本体が、請求
    項5に記載の包装材料からなる外装体に封入され、密封
    されていることを特徴とする電池。
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JP2007242411A (ja) * 2006-03-08 2007-09-20 Sony Corp 電池及び電解液組成物
KR102498916B1 (ko) * 2022-02-14 2023-02-09 주식회사 엘지에너지솔루션 전지셀 및 이를 포함하는 전지 모듈

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023153673A1 (ko) * 2022-02-14 2023-08-17 주식회사 엘지에너지솔루션 전지셀 및 이를 포함하는 전지 모듈

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