JP2002323764A - 感光性組成物 - Google Patents

感光性組成物

Info

Publication number
JP2002323764A
JP2002323764A JP2001064548A JP2001064548A JP2002323764A JP 2002323764 A JP2002323764 A JP 2002323764A JP 2001064548 A JP2001064548 A JP 2001064548A JP 2001064548 A JP2001064548 A JP 2001064548A JP 2002323764 A JP2002323764 A JP 2002323764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
acid
photosensitive composition
vinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001064548A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Fujita
和男 藤田
Shiro Tan
史郎 丹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001064548A priority Critical patent/JP2002323764A/ja
Publication of JP2002323764A publication Critical patent/JP2002323764A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性、耐刷性、及び耐薬品性に優
れ、バーニング処理を行う事なくUVインキを用いた印
刷を行っても耐刷力の大きい平版印刷版を与え、さら
に、現像条件の範囲が広く、印刷時に汚れを生じない平
版印刷版を与える感光性組成物を提供すること。 【解決手段】 水不溶かつアルカリ性水溶液に可溶なビ
ニル系重合高分子化合物及びo-ナフトキノンジアジドを
含有する感光性組成物であって、該ビニル重合系高分子
化合物が、特定の一般式で示されるアルカリ可溶性基を
有する化合物及び特定の一般式で示されるエステル基を
有する化合物由来のモノマー単位を各々少なくとも一種
づつ含有する共重合体であることを特徴とする感光性組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷版、IC回
路やフォトマスクの製造に適する感光性組成物に関する
ものである。更に詳しくは、ポジ型に作用する感光性化
合物と、耐摩耗性、耐薬品性に優れた高分子化合物から
なる、現像条件の範囲が広く、印刷時に汚れを生じない
感光性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】o−ナフトキノンジアジド化合物とノボ
ラック型フェノール樹脂からなる感光性組成物は、非常
に優れた感光性組成物として平版印刷版の製造やフォト
レジストとして工業的に用いられてきた。しかし主体と
して用いられるノボラック型フェノール樹脂は、その性
質上基板に対する密着性が悪いこと、皮膜がもろいこ
と、塗布性が劣ること、耐摩耗性が劣り、平版印刷版に
用いた時の耐刷が十分でないこと、さらに耐薬品性に乏
しく、特にUVインキを使用すると耐刷力が極めて不十分
である等の改良すべき点がある。これらの諸性能を向上
させる方法としてはバーニング処理(露光、現像後、加
熱処理する事)が一般的に用いられている。しかし、バ
ーニング処理を行うと、画像部の感光層から低分子化合
物が昇華して非画像部に付着し、印刷時に汚れが生じや
すくなるという問題がある。また、かかる問題を解決す
るため種々の高分子化合物が、バインダーとして検討さ
れてきた。たとえば特公昭52−41050号公報に記載され
ているポリヒドロキシスチレンまたはヒドロキシスチレ
ン共重合体は確かに被膜性が改良されたが、耐摩耗性、
耐薬品性が劣るという欠点を有していた。また、特開昭
51−34711号公報中にはアクリル酸誘導体の構造単位を
分子構造中に有する高分子化合物をバインダーとして用
いることが提案されているが、かかる高分子化合物は適
正な現像条件の範囲が狭く、また耐摩耗性も十分でない
などの問題があった。また、特開平2−866号公報中には
スルホンアミド基を有する高分子化合物をバインダーと
して用いることが、特開昭63−89864号公報、特開平1−
35436号公報、特開平1−52139号公報、及び特開平8−33
9082号公報等にはフェノール性水酸基構造を有するアク
リル酸誘導体を分子構造中に有する高分子化合物をバイ
ンダーとして用いることが提案されている。しかし、ま
だ耐摩耗性が十分でなく、また、印刷時に汚れが生じや
すくなるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、水性アルカリ現像液で現像ができ、耐摩耗性が優
れ、かつ耐刷力の大きい平版印刷版を与える感光性組成
物を提供することである。本発明の他の目的は、耐薬品
性に優れ、バーニング処理を行う事なくUVインキを用
いた印刷を行っても耐刷力の大きい平版印刷版を与える
感光性組成物を提供することである。さらに本発明の目
的は、現像条件の範囲が広く、印刷時に汚れを生じない
平版印刷版を与える感光性組成物を提供することであ
る。さらに本発明の目的は基板に対する密着性が良く、
柔軟な皮膜を与え、有機溶剤溶解性の優れた感光性組成
物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ビニル重
合体の共重合組成を種々検討した結果、水不溶かつアル
カリ性水溶液に可溶なビニル系重合高分子化合物及びo-
ナフトキノンジアジドを含有する感光性組成物であっ
て、該ビニル重合系高分子化合物が、後述する(A)及
び(B)で示されるモノマー化合物由来のモノマー単位
を各々少なくとも一種づつ含有する共重合体であること
を特徴とする感光性組成物により、これらの目的が達成
されることを見出し、本発明に到達した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明で使用される、水不溶かつア
ルカリ性水溶液に可溶なビニル重合系高分子化合物と
は、(A)一般式(I)で示される、アルカリ可溶性基を
有するモノマー化合物の少なくとも一種と、(B)一般
式(II)または(III)で示される、エステル基を有するモ
ノマー化合物の少なくとも一種とを含むモノマー組成物
を公知の重合開始剤を用いて適当な溶媒中で重合するこ
とにより得られる高分子化合物である。本発明におい
て、アルカリ可溶性基を有するモノマー化合物(A)
は、一般式(I)で示される化合物である。
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は-Hまたは-CH3を示す。X1は、
-O-または-NR3-を示す。Y1は単結合または2価の有機基
を示す。Z1は、単結合またはアリーレン基を示す。R2
-OH、-COOH、-SO2NHR4、-NHSO2R5、-CONHSO2R6、-SO2NH
COR7、-NHCONHSO2R8、-SO2NHCONHR9、-CONHSO2NHR10、-
NHSO2NHCOR11、-SO2NHSO2R12、-COCH2COR13、-OCONHSO2
R 14、またはSO2NHCOOR15を示す。Y1が単結合でかつR2
-OHの場合、Z1はアリーレン基である。Z1がアリーレン
基を表す場合には、Z1は少なくとも一つのR2’により置
換されていてもよい。R2’の定義はR2と同じであるが、
R2’とR2は同じでも異なっていてもよく、さらに2以上
のR2’で置換されている場合には、各R2’は同じでも異
なっていてもよい。R3は水素原子または置換基を有して
もよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基若しくはアラルキル基を示す。R4、R9、及び
R10は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜12
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基若しくは
アラルキル基を示す。R5、R6、R7、R8、R11、R12
R13、R14、及びR15は置換基を有してもよい炭素数1〜12
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはア
ラルキル基を示す。)
【0008】一般式(I)で示される化合物の内、本発
明において特に好適に使用されるものは、Z1がフェニレ
ン基またはナフチレン基であり、R2が-OH、-COOH、-SO2
NHR4、または-NH2SO2R5-であり、Z1は無置換または一つ
のR2’により置換されており、X1が-NR3-の場合R3が水
素原子であり、R4が水素原子、C1 3のアルキル基また
は置換基を有してもよいフェニレン基であり、R5がC1
3のアルキル基または置換基を有してもよいフェニレン
基である。Y1はX1とZ1或いはZ1が単結合の場合はR2と連
結するものであれば特に限定されないが、2価の有機基
の例としては、例えば、置換基を有してもよいアルキレ
ン基、シクロアルキレン基、アリーレン基や、更にエス
テル連結基、アミド連結基、イミド連結基、エーテル連
結基、ウレタン連結基、ウレア連結基を含むものが挙げ
られる。本発明に特に好適に使用されるY1は単結合、ア
ルキレン基、または連結基を持つアルキレン基である。
【0009】一般式(I)で示されるモノマー化合物は、
例えば、特開昭63-89864号公報、特開昭63-226641号公
報、特開平2-866号公報、特開平8-339082号公報、特開
平12-250216号公報記載の化合物が挙げられ、好ましく
は、次の化合物が挙げられる。
【0010】
【化4】
【0011】水不溶かつアルカリ性水溶液に可溶なビニ
ル重合系高分子化合物のモノマー単位として好適に使用
できるアルカリ可溶性基を有する化合物(A)の含有量
は、共重合体中1〜50モル%である。好ましくは10〜35
モル%である。1モル%未満では、現像不良或いは汚れ
の原因となり、50モル%を超えて多くなると、現像流れ
或いは耐刷劣化の原因となり、不適である。
【0012】(B)エステル基を有するモノマー化合物
は、一般式(II)または(III)で示されるモノマー化
合物である。
【0013】
【化5】
【0014】(式中、R20は-Hまたは-CH3を示す。R21
びR22はそれぞれ炭素数1〜12のアルキレン基を示す。R
23は水素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜12
のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基若しくは
アラルキル基を示す。nは1〜50の数である。)
【0015】一般式(II)または(III)で示される化
合物の内、本発明において特に好適に使用されるもの
は、R21及びR22は炭素数2〜6のアルキレン基、例えば−
CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−(CH2)4−、−(CH2)5−、
−(CH2)6−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−等で
あり、R23は水素原子或いは、置換基を有してもよい炭
素数1〜6のアルキル基であり、特に好ましくは水素原子
或いはテトラヒドロフルフリル基である。nはエステル
鎖の数を示し、1〜50、好ましくは2〜10の数である。n
が2以上である場合、ポリエステル鎖は、すべて同一エ
ステル単位から構成されていてもよく、また互いに異な
る2種以上のエステルが不規則またはブロック的に結合
したものであってもよい。
【0016】具体的な化合物は、カプロラクトンアクリ
レート(UCC製ToneM-100)、カプロラクトン変性2−
ヒドロキシエチルアクリレート(ダイセル製プラクセル
FAシリーズ)、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート(ダイセル製プラクセルFMシリー
ズ)、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリアクリ
レート(日本化薬製カヤラッドTCシリーズ)等が挙げ
られる。
【0017】水不溶かつアルカリ性水溶液に可溶なビニ
ル重合系高分子化合物のモノマー単位として好適に使用
できるエステル基を有するモノマー化合物(B)の含有
量は、共重合体中1〜50モル%である。1モル%未満で
は、現像不良或いは汚れの原因となり、50モル%を超え
て多くなると、現像流れの原因となり、不適である。本
発明に使用される高分子化合物は、(A)アルカリ可溶
性基を有するモノマー化合物と、(B)エステル基を有
するモノマー化合物とのそれぞれ1種以上の共重合体で
あってもよいが、好ましくは1つ以上の重合可能な不飽
和結合を含有し、かつ一般式(I)で示されるアルカリ
可溶性基を有するモノマー化合物及び一般式(II)また
は(III)で示されるエステル基を有するモノマー化合
物を含まない化合物の一種以上との共重合体である。
【0018】このような重合可能な不飽和結合を含有
し、かつ一般式(I)で示されるアルカリ可溶性基を有
するモノマー化合物及び一般式(II)または(III)で
示されるエステル基を有するモノマー化合物を含まない
化合物としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ア
クリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル酸
エステル類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニ
ルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロト
ン類エステル類などから選ばれる重合性不飽和結合を有
する化合物が挙げられる。具体的には、例えばアクリル
酸エステル類、例えばアルキル(該アルキル基の炭素原
子数は1〜10のものが好ましい)アクリレート(例えば
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル
酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−
t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2,2−ジメ
チルヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシ
ペンチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノア
クリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、
グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メト
キシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、など)、アリー
ルアクリレート(例えばフェニルアクリレートなど):
メタクリル酸エステル類、例えば、アルキル(該アルキ
ル基の炭素原子数は1〜10のものが好ましい)メタクリ
レート(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリ
レート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタク
リレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレ
ート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタク
リレート、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメ
タクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、5
−ヒドロキシペンチルメタクリレート、2,2−ジメチル
−3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチロ
ールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、フ
ルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタ
クリレートなど)、アリールメタクリレート(例えば、
フェニルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナ
フチルメタクリレートなど):アクリルアミド類、例え
ばアクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(該ア
ルキル基としては、炭素原子数1〜10のもの、例えばメ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル
基、ヘプチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ヒド
ロキシエチル基、ベンジル基などがある。)、N−アリ
ールアクリルアミド(該アリール基としては、例えばフ
ェニル基、トリル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、
ヒドロキシフェニル基などがある。)、N,N−ジアル
キルアクリルアミド(該アルキル基としては、炭素原子
数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、ブチル
基、イソブチル基、エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基などがある。)、N,N−アリールアクリルアミド
(該アリール基としては、例えばフェニル基などがあ
る。)、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N
−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−
2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド
など:メタクリルアミド類、例えばメタクリルアミド、
N−アルキルメタクリルアミド(該アルキル基として
は、炭素原子数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル
基、t−ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチ
ル基、シクロヘキシル基などがある。)、N−アリール
メタクリルアミド(該アリール基としては、フェニル基
などがある。)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド
(該アルキル基としては、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基などがある。)、N,N−ジアリールメタクリルア
ミド(該アリール基としては、フェニル基などがあ
る。)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリル
アミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなど:アリ
ル化合物、例えばアリルエステル類(例えば酢酸アリ
ル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸
アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安
息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、
アリルオキシエタノールなど:ビニルエーテル類、例え
ばアルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエー
テル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテ
ル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビ
ニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロル
エチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロ
ピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテ
ル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリ
コールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエ
ーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチル
アミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテ
ル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど)、ビ
ニルアリールエーテル(例えばビニルフェニルエーテ
ル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエー
テル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニ
ルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテルな
ど):ビニルエステル類、例えばビニルブチレート、ビ
ニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビ
ニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプ
ロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルア
セテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシ
アセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニルアセト
アセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニル
ブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート、
安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビ
ニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル
など:スチレン類、例えばスチレン、アルキルスチレン
(例えばメチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチ
ルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレ
ン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジ
ルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチ
ルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ
ルスチレンなど)、アルコキシスチレン(例えばメトキ
シスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメト
キシスチレンなど)、ハロゲンスチレン(例えばクロル
スチレン、ジクロルスチレン、トリクロルスチレン、テ
トラクロルスチレン、ペンタクロルスチレン、ブロムス
チレン、ジブロムスチレン、ヨードスチレン、フルオル
スチレン、トリフルオルスチレン、2−ブロム−4−トリ
フルオルメチルスチレン、4−フルオル−3−トリフルオ
ルメチルスチレンなど):クロトン酸エステル類、例え
ば、クロトン酸アルキル(例えばクロトン酸ブチル、ク
ロトン酸ヘキシル、グリセリンモノクロトネートな
ど):イタコン酸ジアルキル類(例えばイタコン酸ジメ
チル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルな
ど):マレイン酸あるいはフマル酸のジアルキル類(例
えばジメチルマレエート、ジブチルフマレートなど):
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等がある。これ
らの重合性不飽和結合を有する化合物のうち、好適に使
用されるのはメタクリル酸エステル類、アクリル酸エス
テル類、メタクリルアミド類、アクリルアミド類、アク
リロトリル、メタクリロニトリル、メタクリル酸、アク
リル酸であり、特に好適に使用されるのは、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリルである。
【0019】これらを1種或いは1種以上用いることがで
き、これら共重合成分の好適に使用される含有量は、0
〜98モル%であり、好ましくは0〜80モル%、特に好ま
しくは30から80モル%である。これらの重合性不飽和結
合を有する化合物の1種以上と、(A)一般式(I)で示
されるアルカリ可溶性基を有するモノマー化合物及び
(B)一般式(II)または(III)で示されるエステル
基を有するモノマー化合物の各々1種以上との共重合体
は、ブロック体、ランダム体、グラフト体等いずれも用
いる事ができる。
【0020】このような高分子化合物を合成する際に用
いられる溶媒としては、例えばエチレンジクロリド、シ
クロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタ
ノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−
メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−
ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳
酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒
は単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0021】本発明の高分子化合物の分子量は、好まし
くは重量平均で2,000以上であり、数平均で1,000以上で
ある。更に好ましくは重量平均で5,000〜30万の範囲で
あり、数平均で2,000〜25万の範囲である。また多分散
度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好まし
く、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。また、本発
明の高分子化合物中には、未反応の単量体を含んでいて
もよい。この場合、単量体の高分子化合物中に占める割
合は15質量%以下が望ましい。本発明の高分子化合物は
単独で用いても混合して用いてもよい。感光性組成物中
に含まれる、これらの高分子化合物の含有量は約5〜95
%であり、好ましくは約10〜85%である。
【0022】本発明に使用されるo−ナフトキノンジア
ジド化合物としては、特公昭43-28403号公報に記載され
ている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロライド
とピロガロール−アセトン樹脂とのエステルであるもの
が好ましい。その他の好適なオルトキノンジアジド化合
物としては、米国特許第3,046,120号および同第3,188,2
10号明細書中に記載されている1,2−ジアゾナフトキノ
ンスルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂とのエステルがある。その他の有用なo−ナフト
キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告さ
れ、知られている。たとえば、特開昭47-5303号、同昭4
8-63802号、同昭48-63803号、同昭48-96575号、同昭49-
38701号、同昭48-13354号、特公昭37-18015号、同昭41-
11222号、同昭45-9610号、同昭49-17481号公報、米国特
許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323
号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,82
5号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第
1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ド
イツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されてい
るものをあげることができる。
【0023】本発明において特に好ましいo−ナフトキ
ノンジアジド化合物は、分子量1,000以下のポリヒドロ
キシ化合物と1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロ
リドとの反応により得られる化合物である。このような
化合物の具体例は、特開昭51-139402号、同58-150948
号、同58-203434号、同59-165053号、同60-121445号、
同60-134235号、同60-163043号、同61-118744号、同62-
10645号、同62-10646号、同62-153950号、同62-178562
号、特公平8-14696号、米国特許第3,102,809号、同第3,
126,281号、同第3,130,047号、同第3,148,983号、同第
3,184,310号、同第3,188,210号、同第4,639,406号など
の各公報または明細書に記載されているものを挙げるこ
とができる。
【0024】これらのo−ナフトキノンジアジド化合物
を合成する際は、ポリヒドロキシ化合物のヒドロキシル
基に対して1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸クロリ
ドを0.2〜1.2当量反応させる事が好ましく、さらに0.3
〜1.0当量反応させる事が好ましい。また得られるo−
ナフトキノンジアジド化合物は、1,2−ジアゾナフトキ
ノンスルホン酸エステル基の位置及び導入量の種々異な
るものの混合物となるが、ヒドロキシル基がすべて1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステルで転換された
化合物がこの混合物中に占める割合(完全にエステル化
された化合物の含有量)は5モル%以上である事が好ま
しく、さらに好ましくは20〜99モル%である。本発明の
感光性組成物中に占めるo−ナフトキノンジアジド化合
物の量は10〜50質量%で、より好ましくは15〜40質量%
である。
【0025】本発明の組成物中には、前記の高分子化合
物の他にフェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾ
ールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアル
デヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド
樹脂、フェノール/クレゾール(m−、p−、又はm−
/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂
などのクレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール変
性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲ
ン化ヒドロキシスチレン等、公知のアルカリ可溶性の高
分子化合物を含有させることができる。これらのアルカ
リ可溶性高分子化合物は、重量平均分子量が500〜20,00
0で数平均分子量が200〜60,000のものが好ましい。特に
フェノール性水酸基を有する樹脂は、本発明のエステル
基含有化合物と相互作用し、混合が均一となる傾向があ
り好ましい。かかるアルカリ可溶性の高分子化合物は全
組成物の70質量%以下の添加量で用いられる。
【0026】更に、米国特許第4,123,279号明細書に記
載されているように、t−ブチルフェノールホルムアル
デヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂
のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有す
るフェノールとホルムアルデヒドとの縮合物を併用する
ことは画像の感脂性を向上させる上で好ましい。
【0027】本発明における感光性組成物中には、感度
を高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸
類を添加することが好ましい。環状酸無水物としては米
国特許第4,115,128号明細書に記載されているように無
水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−Δ4−テトラヒドロ
無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイ
ン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイ
ン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸等がある。
【0028】フェノール類としては、ビスフェノール
A、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェ
ノン、4,4,4″−トリヒドロキシ−トリフェニルメタ
ン、4,4′,3″,4″−テトラヒドロキシ−3,5,3′,5′−
テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。有
機酸類としては、特開昭60-88942号公報、特開平2-9675
5号公報などに記載されている。スルホン酸類、スルフ
ィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、ホスフィン
酸類、リン酸エステル類、カルボン酸類などがあり、具
体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、
フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フ
ェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、
アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香
酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキセン−
2,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウン
デカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0029】上記の環状酸無水物類、フェノール類、有
機酸類の感光性組成物中に占める割合は、0.05〜15質量
%が好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
また、本発明における感光性組成物中には、現像のラチ
チュードを広げるために、特開昭62−251740号公報や、
特開平4−68355号明細書に記載されているような非イオ
ン性界面活性剤、特開昭59−121044号公報、登録263974
1号明細書に記載されているような両性界面活性剤を添
加することができる。
【0030】非イオン性界面活性剤の具体例としては、
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリ
マー、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパ
ルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モ
ノグリセリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレ
ート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなど
が挙げられ、両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、アモーゲンK(商品名、第一工業
(株)製、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型)、2
−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエ
チルイミダゾリニウムベタイン、レボン15(商品名、三
洋化成(株)製、アルキルイミダゾリン系)などが挙げ
られる。この中でも特にポリオキシエチレンポリオキシ
プロピレンブロックポリマーを添加することが好まし
い。
【0031】上記非イオン性界面活性剤、両性界面活性
剤の感光性組成物中に占める割合は0.05%〜15質量%が
好ましく、より好ましくは、0.1〜5質量%である。
【0032】本発明における感光性組成物中には、露光
後直ちに可視像を得るための焼出し剤、画像着色剤とし
ての染料やその他のフィラーなどを加えることができ
る。露光後直ちに可視像を得るための焼出し剤としては
露光によって酸を放出する感光性化合物と塩を形成し得
る有機染料の組合せを代表としてあげることができる。
具体的には特開昭50-36209号公報、特開昭53-8128号公報
に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スル
ホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや特開昭
53-36223号、同54-74728号、同60-3626号、同61-143748号、
同61-151644号、同63-58440号公報に記載されているトリ
ハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せをあげる
ことができる。
【0033】かかるトリハロメチル化合物は、オキサジ
アゾール系化合物とトリアジン系化合物があり、どちら
も、経時安定性に優れ、明瞭な焼出し画像を与えるが、
酸化皮膜量が 1.0g/m2以上のアルミニウム支持体を用
いた感光性平版印刷版では現像後の残色が特に劣化す
る。かかる化合物を含有した感光性組成物を用いた場合
に特に本発明は有効で、残色がほとんどない平版印刷版
を得ることができる。
【0034】画像の着色剤として前記の塩形成性有機染
料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性有機
染料を含めて好適な染料として油溶性染料および塩基性
染料をあげることができる。具体的には、オイルイエロ
ー#101、オイルイエロー#130、オイルピンク#312、
オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブル
ー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、
オイルブラックT−505(以上、オリエント化学工業株
式会社製)ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオ
レット(CI42555)、エチルバイオレット(CI4260
0)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB
(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、
メチレンブルー(CI52015)などをあげることができ
る。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染
料は特に好ましい。
【0035】本発明における感光性組成物は、上記各成
分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここ
で使用する溶媒としては、γ−ブチロラクトン、エチレ
ンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケト
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルア
セテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキ
シ−2−プロピルアセテート、トルエン、酢酸エチル、
乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、水、N−メ
チルピロリドン、テトラヒドロフルフリルアルコール、
アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノ
ール、イソプロパノール、ジエチレングリコールジメチ
ルエーテルなどがあり、これらの溶媒を単独あるいは混
合して使用する。そして、上記成分中の濃度(固形分)
は、2〜50質量%である。また、塗布量は用途により異
なるが、例えば感光性平版印刷版についていえば一般的
に固形分として 0.5〜3.0 g/m2が好ましい。塗布量が
薄くなるにつれ感光性は大になるが、感光膜の物性は低
下する。
【0036】本発明における感光性組成物中には、塗布
性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−1709
50号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を
添加することができる。好ましい添加量は、全感光性組
成物の0.01〜1質量%さらに好ましくは0.05〜0.5質量%
である。
【0037】本発明の感光性組成物を用いて平版印刷版
を製造する場合、その支持体としては、アルミニウム板
が好ましい。アルミニウム板には純アルミニウム及びア
ルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金として
は種々のものが使用でき、例えばけい素、銅、マンガ
ン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッ
ケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。こ
れらの組成物は、いくらかの鉄およびチタンに加えてそ
の他無視し得る程度の量の不純物をも含むものである。
【0038】アルミニウム板は、必要に応じて表面処理
される。例えば砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコ
ニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あ
るいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていること
が好ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書に記
載されているように、砂目立てしたのち珪酸ナトリウム
水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許第3,18
1,461号明細書に記載されているようにアルミニウム板
を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金属珪酸塩の水溶
液に浸漬処理したものも好適に使用される。上記陽極酸
化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無
機酸、若しくは蓚酸、スルフアミン酸等の有機酸または
これらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を
組み合わせた電界液中でアルミニウム板を陽極として電
流を流すことにより実施される。
【0039】また、米国特許第3,658,662号明細書に記
載されているようなシリケート電着も有効である。これ
らの親水化処理は、支持体の表面を親水性とする為に施
される以外に、その上に設けられる感光性組成物との有
害な反応を防ぐ為や、感光層との密着性を向上させる為
に施されるものである。アルミニウム板を砂目立てする
に先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去すること
及び清浄なアルミニウム面を表出させるためにその表面
の前処理を施しても良い。前者のためには、トリクレン
等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。又後者のた
めには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ
・エッチング剤を用いる方法が広く行われている。
【0040】砂目立て方法としては、機械的、化学的お
よび電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機
械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽
石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで
擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法として
は、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱
酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適し
ており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸またはこれ
らの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が
好ましい。このような粗面化方法の内、特に特開昭55−
137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電
気化学的粗面化を組合せた粗面化方法は、感脂性画像の
支持体への接着力が強いので好ましい。
【0041】上記の如き方法による砂目立ては、アルミ
ニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ha)が 0.3〜1.0
μとなるような範囲で施されることが好ましい。このよ
うにして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて
水洗および化学的にエッチングされる。エッチング処理
液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水
溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面
に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異
なる被膜が形成されないものでなければならない。好ま
しいエッチング剤を例示すれば、塩基性物質としては水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウ
ム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二
カリウム等;酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、
塩酸及びその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化
傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケ
ル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成す
るから好ましくない。
【0042】これ等のエッチング剤は、使用濃度、温度
の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の
溶解速度が浸漬時間1分あたり0.3グラムから40グラム/
m2になる様に行なわれるのが最も好ましいが、これを上
回るあるいは下回るものであっても差支えない。エッチ
ングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬した
り、該アルミニウム板にエッチング液を塗布すること等
により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲と
なるように処理されることが好ましい。
【0043】上記エッチング剤としては、そのエッチン
グ速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用するこ
とが好ましい。この場合、スマットが生成するので、通
常デスマット処理される。デスマット処理に使用される
酸は、硝酸、硫酸、りん酸、クロム酸、ふっ酸、ほうふ
っ化水素酸等が用いられる。エッチング処理されたアル
ミニウム板は、必要により水洗及び陽極酸化される。陽
極酸化は、この分野で従来より行なわれている方法で行
なうことができる。具体的には、硫酸、りん酸、クロム
酸、蓚酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等ある
いはそれらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶
液中でアルミニウムに直流または交流の電流を流すと、
アルミニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させるこ
とができる。
【0044】陽極酸化の処理条件は使用される電解液に
よって種々変化するので一概には決定され得ないが一般
的には電解液の濃度が1〜80質量%、液温5〜70℃、電流
密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間30
秒〜50分の範囲が適当である。これらの陽極酸化処理の
内でも、とくに英国特許第1,412,768号明細書に記載さ
れている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法、米国
特許第4,211,619号明細書に記載されているような低濃
度の硫酸中で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,
661号明細書に記載されている燐酸を電解浴として陽極
酸化する方法が好ましい。
【0045】上記のように粗面化され、さらに陽極酸化
されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理して
も良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066
号及び同第3,181,461号に開示されているようなアルカ
リ金属シリケート、例えば珪酸ナトリウム水溶液または
特公昭36-22063号公報に開示されている弗化ジルコニウ
ム酸カリウムおよび米国特許第4,153,461号明細書に開
示されているようなポリビニルスルホン酸で処理する方
法がある。
【0046】また、上述のように粗面化され、陽極酸化
され、更に必要に応じて親水化処理されたアルミニウム
板上には水溶性化合物からなる下塗層を設けることがで
きる。このような水溶性化合物の例としては特公昭57-1
6349号公報に開示されている水溶性金属塩と親水性セル
ロースの組合せ(例えば、塩化亜鉛とカルボキシメチル
セルロース、塩化マグネシウムとヒドロキシエチルセル
ロースなど)、米国特許3,511,661号明細書に開示され
ているポリアクリルアミド、特公昭46-35685号公報に開
示されているポリビニルホスホン酸、特開昭60-149491
号公報に開示されているアミノ酸およびその塩類(Na
塩、K塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、塩酸
塩、蓚酸塩、酢酸塩、りん酸塩等)、特開昭60-232998
号公報に開示されている水酸基を有するアミン類および
その塩類(塩酸塩、蓚酸塩、りん酸塩等)、更に特開昭
63-165183号公報に開示されているアミノ基及びホスホ
ン酸基を有する化合物又はその塩、特開平3-261592号公
報に開示されている(a)アミノ基および(b)ホスホン酸
基、ホスフィン酸基、又はリン酸基を1つずつ有する化
合物又はその塩、特開平5-246171号公報に開示されてい
る脂肪族又は芳香族のホスホン酸又はホスフィン酸類又
はその塩などが挙げられる。中でも特願平2-59592号公
報、特開平5-246171号公報に開示されている化合物が特
に好ましい。このような水溶性化合物の下塗り層は固型
分で1mg/m2〜80mg/m2の範囲で設けるのが好ましい。
【0047】上記のようにして設けられた感光層の表面
は、真空焼枠を用いた密着露光の際の真空引きの時間を
短縮し、かつ焼きボケを防ぐ為、マット化することが好
ましい。具体的には、特開昭50-125805号、特公昭57-65
82号、同61-28986号の各公報に記載されているようなマ
ット層を設ける方法、特公昭62-62337号公報に記載され
ているような固体粉末を熱融着させる方法などがあげら
れる。
【0048】本発明の感光性組成物に対する現像液は、
実質的に有機溶剤を含まないアルカリ性の水溶液が好ま
しく、具体的には珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三
リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸
アンモニウム、第二リン酸アンモニウム、メタ珪酸ナト
リウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、重炭酸カリウム、アンモニア水などのような水溶
液が適当であり、それらの濃度が0.1〜10質量%、好ま
しくは0.5〜5質量%になるように添加される。
【0049】これらの中でもケイ酸カリウム、ケイ酸リ
チウム、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリを含有す
る現像液は、印刷時の汚れが生じにくいため好ましく、
ケイ酸アルカリの組成がモル比で〔SiO2〕/〔M〕=0.5
〜2.5(ここに〔SiO2〕、〔M〕はそれぞれ、SiO2のモル
濃度と総アルカリ金属のモル濃度を示す。)であり、か
つSiO2を0.8〜8質量%含有する現像液が好ましく用いら
れる。また該現像液中には、例えば亜硫酸ナトリウム、
亜硫酸カリウム、亜硫酸マグネシウムなどの水溶性亜硫
酸塩や、レゾルシン、メチルレゾルシン、ハイドロキノ
ン、チオサリチル酸などを添加することができる。これ
らの化合物の現像液中における好ましい含有量は0.002
〜4質量%で、好ましくは、0.01〜1質量%である。
【0050】また該現像液中に、特開昭50-51324号公
報、同59-84241号公報に記載されているようなアニオン
性界面活性剤、及び両性界面活性剤、特開昭59-75255号
公報、同60-111246号公報及び同60-213943号公報等に記
載されているような非イオン性界面活性剤のうち少なく
とも一種を含有させることにより、または特開昭55-959
46号公報、同50-142528号公報に記載されているように
高分子電解質を含有させることにより、感光性組成物へ
の濡れ性を高めたり、現像の安定性(現像ラチチュー
ド)を高めたりすることができ、好ましく用いられる。
かかる界面活性剤の添加量は0.001〜2質量%が好まし
く、特に0.003〜0.5質量%が好ましい。
【0051】さらに該ケイ酸アルカリのアルカリ金属と
して、全アルカリ金属中、カリウムを20モル%以上含む
ことが現像液中で不溶物発生が少ないため好ましく、よ
り好ましくは90モル%以上、最も好ましくは100モル%
の場合である。更に本発明に使用される現像液には、若
干のアルコール等の有機溶媒や特開昭58-190952号公報
に記載されているキレート剤、特公平1-30139号公報に
記載されているような金属塩、有機シラン化合物などの
消泡剤を添加することができる。露光に使用される光源
としてはカーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、
タングステンランプ、メタルハライドランプなどがあ
る。
【0052】本発明の感光性組成物を用いた感光性平版
印刷版は、特開昭54-8002号、同55-115045号、特開昭59
-58431号の各公報に記載されている方法で製版処理して
もよいことは言うまでもない。即ち、現像処理後、水洗
してから不感脂化処理、またはそのまま不感脂化処理、
または酸を含む水溶液での処理、または酸を含む水溶液
で処理後不感脂化処理を施してもよい。さらに、この種
の感光性平版印刷版の現像工程では、処理量に応じてア
ルカリ水溶液が消費されアルカリ濃度が減少したり、あ
るいは、自動現像液の長時間運転により空気によってア
ルカリ濃度が減少するため処理能力が低下するが、その
際、特開昭54-62004号公報に記載のように補充液を用い
て処理能力を回復させてもよい。この場合、米国特許第
4,882,246号に記載されている方法で補充することが好
ましい。また、上記のような製版処理は、特開平2-7054
号、同2-32357号公報に記載されているような自動現像
機で行うことが好ましい。また、本発明の感光性組成物
を用いた感光性平版印刷版を画像露光し、現像し、水洗
又はリンスしたのちに、不必要な画像部の消去を行なう
場合には、特公平2-13293号公報に記載されているよう
な消去液を用いることが好ましい。更に製版工程の最終
工程で所望により塗布される不感脂化ガムとしては、特
公昭62-16834号、同62-25118号、同63-52600号、特開昭
62-7595号、同62-11693号、同62-83194号の各公報に記
載されているものが好ましい。更にまた、本発明の感光
性組成物を用いた感光性平版印刷版を画像露光し、現像
し、水洗又はリンスし、所望により消去作業をし、水洗
したのちにバーニングする場合には、バーニング前に特
公昭61-2518号、同55-28062号、特開昭62-31859号、同6
1-159655号の各公報に記載されているような整面液で処
理することが好ましい。
【0053】
【実施例】以下、本発明を合成例、実施例により更に詳
細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定される
ものではない。 [合成例1]撹拌機、冷却管、滴下ロートを備えた200
ml三ツ口フラスコにに、N-(p-アミノスルホニルフェ
ニル)メタクリルアミド4.81g(0.020mole)、ダイセル製
プラクセルFM−4(カプロラクトン変性 2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート)2.93g(0.005mole)、メタクリ
ル酸メチル1.50g(0.015mole)、アクリロニトリル3.18
g(0.06mole)及びN,N-ジメチルアセトアミド20gを入
れ、湯水浴により65℃に加熱しながら撹拌した。この混
合物にV−65(和光純薬(株)製)0.25gを加え65℃に保ち
ながら窒素気流下2時間撹拌した。この反応混合物にさ
らにN-(p-アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド
4.81g、プラクセルFM−4 2.93g、メタクリル酸メ
チル1.50g、アクリロニトリル3.18g及びN,N-ジメチル
アセトアミド20g及びV−65 0.25gの混合物を2時間
かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後さらに65
℃で2時間撹拌した。反応終了後メタノール40gを加え
冷却し、水2Lに撹拌下投入し、30分間撹拌した後濾過
乾燥することにより20gの白色固体を得た。ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィーによりこの高分子化合物
の重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ
62000であった。(本発明の高分子化合物(a))
【0054】[合成例2〜6]合成例1と同様にして表
1に示される高分子化合物(b)〜(f)を合成した。
【0055】
【表1】
【0056】[実施例1〜9および比較例1〜3]厚さ
0.30mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッ
シュのパミストンの水懸濁液を用いてその表面を砂目立
てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナトリウム溶
液中に70℃で60秒間浸漬してエッチングした後、流水で
水洗し、20%HNO3で中和洗浄、水洗した。これをVA
=12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%
硝酸水溶液中で160クーロン/dm2の陽極自電気量で電解
粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、
0.6μ(Ra表示)であった。ひきつづいて30%のH2SO4
溶液中に浸漬し55℃で2分間デスマットした後、20%H2S
O4水溶液中、電流密度2A/dm2において厚さが2.7g/m
2になるように陽極酸化し、基板を調整した。このよう
に処理された基板の表面に下記組成の下塗り液(A)を塗
布し、80℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は30mg
/m2であった。
【0057】 下塗り液(A) アミノエチルホスホン酸 0.01g フェニルホスホン酸 0.15g トリエタノールアミン 0.05g β−アラニン 0.10g メタノール 40g 純水 60g このようにして基板(I)を作成した。
【0058】次にこの基板(I)上に次の感光液(B)また
は(C)をロッドコーティングで、25ml/m2塗設し、10
0℃で1分間乾燥してポジ型感光性平版印刷版[B]−1
〜[B]−8、[C]−1〜[C]−4を得た。乾燥後の
塗布量は約1.3g/m2であった。感光液中において使用
した高分子化合物については表2に記載した。
【0059】 感光液(B) 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−ス ルホニルクロリドとのエステル化物(エステル化率;90mol%) 0.45g クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(メタ、パラ比;6対4、重量平均 分子量3,000、数平均分子量1,100、未反応のクレゾールを0.7%含有) 0.2g m−クレゾール−ホルムアルデヒドノボラック樹脂(重量平均分子量1,700、数平 均分子量600、未反応のクレゾールを1%含有) 0.3g ピロガロールとアセトンの縮合成生物(重量平均分子量2,200、数平均分子量700) 0.1g 本発明の高分子化合物(または比較高分子化合物) 1.1g p−ノルマルオクチルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂(米国特許第4,123,279 号明細書に記載されているもの) 0.02g ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g 4−[p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル]−2,6−ビス(トリク ロロメチル)−s−トリアジン 0.02g N−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルオキシ)−シクロヘキサ ノン−1,2−ジカルボン酸イミド 0.01g ビクトリアピュアブルーBOH[保土谷化学(株)製]の対アニオンを1−ナフタレ ンスルホン酸に変えた染料 0.05g 1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エチ ル]−4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エチ ル]ベンゼン(特開平6−282067号明細書の化合物(X)) 0.04g メガファックF-176(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.01g メチルエチルケトン 10g γ−ブチロラクトン 5g 1−メトキシ−2−プロパノール 5g
【0060】 感光液(C) 2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン−1,2−ジアジド−5−ス ルホニルクロリドとのエステル化物(エステル化率;90mol%) 0.45g 本発明の高分子化合物(または比較高分子化合物) 1.7g ナフトキノンジアジド−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.01g テトラヒドロ無水フタル酸 0.02g 安息香酸 0.02g 4−[p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル]−2,6−ビス(トリク ロロメチル)−s−トリアジン 0.02g N−(1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルオキシ)−シクロヘキサ ノン−1,2−ジカルボン酸イミド 0.01g ビクトリアピュアブルーBOH[保土谷化学(株)製]の対アニオンを1−ナフタレ ンスルホン酸に変えた染料 0.05g 1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エチ ル]−4−[α,α−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジヒドロキシメチルフェニル)エチ ル]ベンゼン(特開平6−282067号明細書の化合物(X)) 0.04g メガファックF-176(大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.01g メチルエチルケトン 10g γ−ブチロラクトン 5g 1−メトキシ−2−プロパノール 5g
【0061】感光性平版印刷版[B]−1〜8及び[C]
−1〜4の感光層上に線画及び網点画像のポジ透明原画を
密着させ、30アンペアのカーボンアーク灯で70cmの距
離から露光を行った。露光された感光性平版印刷版
[B]−1〜8及び[C]−1〜4をDP−4(商品名:富士
写真フィルム(株)製)の8倍希釈水溶液で25℃において40
秒間自動現像(800U:富士写真フィルム(株)製自動現像
機による)を行った。
【0062】得られた平版印刷版[B]−1〜8及び
[C]−1〜4を用いてハイデルベルグ社製KOR型印刷
機で市販の通常インキ及びUVインキを用いて上質紙に
印刷した。平版印刷版[B]−1〜8及び[C]−1〜4の
最終印刷枚数及び印刷物の汚れを調べたところ、表2に
示すとおりであった。
【0063】表2から明らかな様に、本発明の高分子化
合物を用いた平版印刷版[B]−1〜6及び[C]−1〜3
(実施例1〜9)は、通常インキ、UVインキのどちらを
用いた場合においても印刷枚数が多く、耐刷性において
非常に優れ、また汚れ性能においても優れたものであっ
た。これに対し、本発明の高分子化合物を用いない平版
印刷版[B]−7、8、[C]−4(比較例1〜3)では、
通常インキ、UVインキのいずれを用いた場合において
も耐刷性が低く、また汚れ性能においても劣る結果を示
した。
【0064】
【表2】 目視評価 ○:良好、×:激しい汚れあり
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の、上記
(A)及び(B)で示される単量体成分を有する共重合体を
含有する感光性組成物を感光性平版印刷版の製造に用い
た場合、感光層の基板に対する密着性が良く、柔軟な被
膜を与え、有機溶剤溶解性の優れるため、支持体上に塗
布する際の塗布性に優れ、また塗布、乾燥、画像露光
後、露光部を水性アルカリ現像液で使用する際の現像性
に優れ、また、得られたレリーフ像は耐摩耗性、支持体
上への密着性が良く、印刷版として使用した場合、良好
な印刷物が多数枚得られる感光性平版印刷版を与える。
さらに、本発明の感光性組成物は、耐薬品性に優れ、バ
ーニング処理を行う事なくUVインキを使用した印刷を
行った場合においても良好な印刷物が多数枚得られ、耐
刷性に優れ、印刷時に汚れが生じない平版印刷版を提供
するという効果を奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/28 C08K 5/28 C08L 33/14 C08L 33/14 33/26 33/26 G03F 7/00 503 G03F 7/00 503 Fターム(参考) 2H025 AA04 AA06 AA07 AA12 AA13 AA14 AB03 AC01 AD03 BE01 CB08 CB14 CB15 FA17 2H096 AA06 BA10 CA03 EA02 GA08 4J002 BG071 BG131 EQ036 GH01 GP03 4J027 AC02 AC06 BA08 BA14 CD10 4J100 AL08P AL08Q AM21P BA03P BA03Q BA16P BA22Q BA28P BA37P BA38P BA58P BA59P CA04 JA07 JA37

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水不溶かつアルカリ性水溶液に可溶なビ
    ニル重合系高分子化合物及びo-ナフトキノンジアジドを
    含有する感光性組成物であって、該ビニル重合系高分子
    化合物が、下記(A)及び(B)で示されるモノマー化
    合物由来のモノマー単位を各々少なくとも一種づつ含有
    する共重合体であることを特徴とする上記感光性組成
    物。 (A)下記一般式(I)で示される、アルカリ可溶性基
    を有するモノマー化合物: 【化1】 (式中、R1は-Hまたは-CH3を示す。X1は、-O-または-NR
    3-を示す。Y1は単結合または2価の有機基を示す。Z
    1は、単結合またはアリーレン基を示す。R2は-OH、-COO
    H、-SO2NHR4、-NHSO2R5、-CONHSO2R6、-SO2NHCOR7、-NH
    CONHSO2R8、-SO2NHCONHR9、-CONHSO2NHR10、-NHSO2NHCO
    R11、-SO2NHSO2R12、-COCH2COR13、-OCONHSO2R 14、また
    はSO2NHCOOR15を示す。Y1が単結合でかつR2が-OHの場
    合、Z1はアリーレン基である。Z1がアリーレン基を表す
    場合には、Z1は少なくとも一つのR2’により置換されて
    いてもよい。R2’の定義はR2と同じであるが、R2’とR2
    は同じでも異なっていてもよく、さらに2以上のR2’で
    置換されている場合には、各R2’は同じでも異なってい
    てもよい。R3は水素原子または置換基を有してもよい炭
    素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール
    基若しくはアラルキル基を示す。R4、R9、及びR10は水
    素原子または置換基を有してもよい炭素数1〜12のアル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基若しくはアラル
    キル基を示す。R5、R6、R7、R8、R11、R12、R13、R14
    及びR15は置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基
    を示す。)。 (B)下記一般式(II)または(III)で示される、エ
    ステル基を有するモノマー化合物: 【化2】 (式中、R20は-Hまたは-CH3を示す。R21及びR22はそれ
    ぞれ炭素数1〜12のアルキレン基を示す。R23は水素原子
    または置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル
    基、シクロアルキル基、アリール基若しくはアラルキル
    基を示す。nは1〜50の数である。)。
JP2001064548A 2001-02-22 2001-03-08 感光性組成物 Pending JP2002323764A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001064548A JP2002323764A (ja) 2001-02-22 2001-03-08 感光性組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-46424 2001-02-22
JP2001046424 2001-02-22
JP2001064548A JP2002323764A (ja) 2001-02-22 2001-03-08 感光性組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002323764A true JP2002323764A (ja) 2002-11-08

Family

ID=26609886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001064548A Pending JP2002323764A (ja) 2001-02-22 2001-03-08 感光性組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002323764A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0769605B2 (ja) 感光性組成物
JP2709535B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2775526B2 (ja) 感光性平版印刷版
EP1136886B1 (en) Positive-working presensitized plate useful for preparing a lithographic printing plate
US6660445B2 (en) Photosensitive composition comprising a vinyl copolymer and an o-naphthoquinone diazide compound
JPH05150453A (ja) 感光性組成物
JP2648981B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2002268219A (ja) 感光性組成物
JP2002122984A (ja) 感光性平版印刷版の作成方法
JP2577629B2 (ja) 感光性組成物
JP2002122989A (ja) 感光性組成物
JP2001109138A (ja) 感光性平版印刷版
JP2930310B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2002323764A (ja) 感光性組成物
JP3743174B2 (ja) 感光性平版印刷版
JP2002268218A (ja) 感光性組成物
JP2001051408A (ja) 感光性平版印刷版
JP2002323763A (ja) 感光性組成物
JP3335015B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びポジ型感光性平版印刷版の製造方法
JP2002265806A (ja) 感光性組成物
JP2001051407A (ja) 感光性平版印刷版
JPH0736185A (ja) 感光性組成物
JP2002082435A (ja) 感光性平版印刷版
EP1077392A1 (en) Photosensitive lithographic printing plate
JP2004117982A (ja) 感光性平版印刷版