JP2002322445A - 接着体および接着体包装物 - Google Patents

接着体および接着体包装物

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JP2002322445A
JP2002322445A JP2001124706A JP2001124706A JP2002322445A JP 2002322445 A JP2002322445 A JP 2002322445A JP 2001124706 A JP2001124706 A JP 2001124706A JP 2001124706 A JP2001124706 A JP 2001124706A JP 2002322445 A JP2002322445 A JP 2002322445A
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JP2001124706A
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English (en)
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Masaru Miyauchi
大 宮内
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤の無駄を生ずることなく、容易かつ迅
速に接着剤の塗布作業を行うことができるとともに、作
業工程の中で、接着剤が作業者の衣服や皮膚に付着して
しまったり、あるいは、接着対象面以外の部分に接着剤
が付着してしまうといった不具合の生じない接着体、お
よびこれを保存可能状態とした接着体包装物を提供する
こと。さらに本発明の他の目的は、接着した物体同士の
完全な固着を抑え脆さを緩和することで、全体としての
接着力の高い接着体および接着体包装物を提供するこ
と。 【解決手段】 シート状の3次元網目構造体4の一部ま
たは全部に、接着剤2を含浸させてなることを特徴とす
る接着体10、およびこれを保存可能状態とした接着体
包装物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体同士を接着す
る際に用いられる接着体、およびこれを保存可能状態と
した接着体包装物に関し、特に、建築構造物やその他大
型の構造体等、大きな被接着物における大面積の接着対
象面を接着するのに適した接着体および接着体包装物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、物体同士を接着する際に、各
種接着剤が用いられている。接着剤を用いて物体同士を
接着する場合、接着させる対象となる2つの物体のうち
一方もしくは双方の接着しようとする面(以下、総称し
て「接着対象面」という。)に接着剤を塗布し、前記2
つの物体の接着対象面同士を当接させることにより両者
を接着する。このとき、接着剤が硬化して前記物体同士
の間に所望の接着効果が現れるまでには、一般に、ある
程度の時間を必要とし、当該接着効果が現れるまでの間
は、前記物体同士が剥がれないように何らかの手段で当
接させておくことが要求される。
【0003】なるべく早くある程度の接着効果が現れる
ようにするためには、速乾性の接着剤が用いられる。し
かし、接着剤を前記物体に塗布してから硬化するまでの
時間が短縮されると、今度は作業を短時間で行わなけれ
ばならなくなる。このことは、建築構造物やその他大型
の構造体等、大きな物体において特に問題となり、大面
積の接着対象面に接着剤を塗布して、他の物体を接着し
ようとする場合、接着剤の塗布にある程度の時間を要す
ることから、最初に塗布した接着剤が乾いてしまうとい
った問題があった。
【0004】また、接着剤の塗布作業は、接着剤を収容
したチューブ状の容器から直接、接着対象面に接着剤を
塗布したり、へらや刷毛のようなもので塗り広げるよう
にして行うが、一般に接着剤が粘性の高いゲル体である
ことから、作業工程の中で、接着剤が作業者の衣服や皮
膚に付着してしまったり、あるいは、接着対象面以外の
部分(接着しようとする物体の他の部分、および全く別
の物体の部分の双方を意味する。以下同様。)に接着剤
が付着してしまうといったことも起こりやすい。接着剤
は、接着するのが目的であるために、衣服や皮膚に付着
してしまった場合にそれを落とすのは一般に困難であ
る。また、接着対象面以外の部分に付着してしまった場
合、その物体が汚れ、あるいは他の物体とくっついてし
まい、その物体が使用できないものとなってしまうこと
もある。
【0005】さらに、大面積の接着対象面に接着剤を塗
布して、他の物体を接着しようとする場合、接着剤を収
容したチューブ状の容器から塗布する際に、必要十分な
量だけの接着剤を塗布することは困難であり、塗布しす
ぎたり、あるいは、接着剤の量が足りなかったりといっ
たことが起こりやすい。前者の場合は、接着剤の無駄で
あるばかりか、接着対象面からはみ出した接着剤が他の
物体や作業者等に付着したり、外観を損ねる原因とな
る。後者の場合は、そのまま接着してしまえば接着力の
低下を招き、接着剤をさらに塗り足せば作業効率が低下
し、既述の通り、最初に塗布した接着剤が乾いてしまう
可能性がある。
【0006】ところで、接着剤を用いて物体同士を接着
した場合、一般に接着剤の特性から、接着剤が強固に固
まり、前記2つの物体が完全に固着した状態となる。し
かし、通常2つの物体が完全に固着した状態は、その結
合は強固ではあるものの脆く、臨界点以上の外力が加え
られると剥がれてしまう。この脆さの問題点は、乾燥後
の状態が柔軟性を有するような接着剤を選択すること
で、ある程度解消することができるが、この場合、接着
剤そのものの接着強度との兼ね合いから乾燥後の接着剤
の柔軟性の度合いには限界がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、接着剤の無駄を生ずることなく、容易かつ迅速
に接着作業を行うことができ、また、作業工程の中で、
接着剤が作業者の衣服や皮膚に付着してしまったり、あ
るいは、接着対象面以外の部分に接着剤が付着してしま
うといった不具合を抑制することが可能な接着体、およ
びこれを保存可能状態とした接着体包装物を提供するこ
とにある。さらに本発明の他の目的は、接着した物体同
士の完全な固着を抑え脆さを緩和することで、全体とし
ての接着力の高い接着体および接着体包装物を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記本発明の目的は、以下
に示す本発明により解決される。すなわち、第1の本発
明は、シート状の3次元網目構造体の一部または全部
に、接着剤を含浸させてなることを特徴とする接着体で
ある。
【0009】第1の本発明の接着体によれば、シート状
の3次元網目構造体の一部または全部に、接着剤が含浸
していることから、接着しようとする2つの物体のうち
一方(以下、「被接着物」と称する。)の接着対象面に
当該接着体を当接させ、かつ、その上からもう一方の物
体(以下、「接着物」と称する。)を当接させて押圧す
ることで、前記3次元網目構造体に含浸した接着剤が被
接着物側と接着物側の双方に染み出し、前記3次元網目
構造体を挟んだ状態で両者を接着することができる。
【0010】第1の本発明の接着体によれば、一定の面
積を一度に接着できるため、容易かつ迅速に接着作業を
行うことができる。接着対象面が大面積の場合には、相
応の面積の接着体を予め用意しておくか、あるいは小さ
目の(例えば規格化された面積の)接着体を接着対象面
に並べるようにして接着すればよいため、接着剤の無駄
を生ずることがない。また、接着剤は3次元網目構造体
に含浸された状態となっていることから、作業工程の中
で、接着剤が作業者の衣服や皮膚に付着してしまった
り、あるいは、接着対象面以外の部分に接着剤が付着し
てしまうといった不具合も生じにくい。
【0011】さらに、被接着物と接着物との間には、接
着剤の他、3次元網目構造体が介在することから、接着
体全体として柔軟性が増し、被接着物と接着物との完全
な固着を抑え脆さを緩和することができ、全体としての
接着力を高めることができる。
【0012】第2の本発明は、第1の本発明の接着体で
あって、さらに、前記接着剤が含浸した前記3次元網目
構造体の片面または両面に、前記接着剤が含浸していな
い他のシート状の3次元網目構造体を貼り合わせてなる
ことを特徴とする。第2の本発明の接着体は、前記接着
剤が含浸した前記3次元網目構造体の片面または両面
に、前記接着剤が含浸していない他のシート状の3次元
網目構造体を貼り合わせてなるため、少なくともその片
面には前記接着剤が存在しない。したがって、前記接着
剤が存在しない面を持って作業することができ、ハンド
リング性が良好で、接着作業をより容易かつ迅速に行う
ことができるとともに、作業工程の中で、接着剤が作業
者の衣服や皮膚に付着してしまったり、あるいは、接着
対象面以外の部分に接着剤が付着してしまうといった不
具合も、より生じにくい。
【0013】第3の本発明は、第1または第2の本発明
の接着体であって、前記接着剤が含浸した、および/ま
たは、含浸していない3次元網目構造体が、ウレタンフ
ォームであることを特徴とする。ウレタンフォームは、
簡易かつ低コストで3次元網目構造体を製造することが
でき、また、3次元網目構造(例えば、セルの大きさ、
形状等)を製造時容易に制御することができるため、第
3の本発明の接着体によれば、所望の特性の接着体を容
易、低コストで製造することができる。
【0014】第4の本発明は、第1〜第3のいずれか1
の本発明の接着体が、気体遮断性の材料からなる袋体に
内包され、かつ、密封されてなることを特徴とする接着
体包装物である。第1〜第3のいずれか1の本発明の接
着体は、その性質上、放置しておくと乾燥してしまい、
使用不可能な状態となってしまうが、第4の本発明の接
着体包装物によれば、これを気体遮断性の材料からなる
袋体に内包し、かつ、密封することで、保存可能状態と
している。すなわち、作業者は、使用時に前記袋体を開
封し、内包された第1〜第3のいずれか1の本発明の接
着体を取り出すことで、いつでも物体同士を接着するこ
とができる。
【0015】なお、本発明において、「被接着物」およ
び「接着物」との用語が用いられているが、これは接着
体を先に貼り付ける側と、該接着体が貼り付けられた側
に当接させ、接着する側と、を便宜的に概念分けするた
めに異なる用語を用いているのみであり、両者ともに接
着体により接着される対象物を表すものである。本発明
においては、概念上、接着体を先に貼り付ける側を「被
接着物」とし、該接着体が貼り付けられた側に当接さ
せ、接着する側を「接着物」とするが、接着剤により接
着される対象物のうち、どちらを「被接着物」あるいは
「接着物」にするかは、実際の接着作業において適宜決
定される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の接着体および接着
体包装物を、実施の形態に基づいて詳細に説明する。 <<第1の実施形態>>図1は、本発明の第1の実施形
態である接着体を示す断面図である。本実施形態の接着
体10は、シート状の3次元網目構造体4の片面(図1
における下方)から、接着剤2を含浸させてなるもので
ある。本発明において、接着剤2は、3次元網目構造体
4の全体に含浸させてもよいが、本実施形態のように3
次元網目構造体4の片面の全面から厚さ方向に中途ま
で、すなわち反対側の面までは到達させない程度に含浸
させることが望ましい。接着剤2を反対側の面までは到
達させないことで、作業者は当該面を持って接着作業を
行うことができ、接着体10のハンドリング性が良好と
なる。
【0017】接着体10を用いた接着作業について説明
する。接着体10は、図2に示すように接着剤2を含浸
させた面(接着剤2が表面に存在する面)を被接着物6
の接着対象面に向けて、矢印A方向に当接させる。する
と接着剤2の一時的な接着力により被接着物6と接着体
10とが接着する。その後、図3に示すように、接着体
10を被接着物6と接着物8とで挟み込むように、矢印
B方向に接着物8の接着対象面を接着体10に当接さ
せ、さらに図4に示すように矢印C方向に押圧する。押
圧により接着体10の3次元網目構造体4が圧縮し、3
次元網目構造体4に含浸された接着剤2が、3次元網目
構造体4における接着物8と当接する面まで染み出し、
3次元網目構造体4を挟んだ状態で、接着剤2により被
接着物6と接着物8とが接着される。
【0018】このように、本実施形態によれば、一定の
面積を一度に接着できるため、容易かつ迅速に接着作業
を行うことができる。接着対象面が大面積の場合には、
相応の面積の接着体10を予め用意しておくか、あるい
は小さ目の(例えば規格化された面積の)接着体10を
接着対象面に並べるようにして接着すればよいため、接
着剤2の無駄を生ずることがない。また、接着剤2は3
次元網目構造体4に含浸された状態となっていることか
ら、作業工程の中で、接着剤2が作業者の衣服や皮膚に
付着してしまったり、あるいは、接着対象面以外の部分
に接着剤が付着してしまうといった不具合も生じにく
い。
【0019】さらに、被接着物6と接着物8との間に
は、接着剤2の他、3次元網目構造体4が介在すること
から、接着体10全体として柔軟性が増し、被接着物6
と接着物8との完全な固着を抑え脆さを緩和することが
でき、全体としての接着力を高めることができる。
【0020】次に、本実施形態における各構成要素につ
いて説明する。3次元網目構造体4としては、ウレタン
フォーム、ポリエチレンフォーム、ポリスチレンフォー
ム等の合成樹脂系のものや、天然繊維フェルト、反毛フ
ェルト、化学繊維フェルト等の各種不織布が挙げられ
る。なかでも、簡易かつ低コストで3次元網目構造体4
を製造することができ、また、3次元網目構造(例え
ば、セルの大きさ、形状等)を製造時容易に制御するこ
とができることから、3次元網目構造体4として、ウレ
タンフォームを用いることが望ましい。
【0021】このとき、ウレタンフォームとしては、セ
ル(網目)相互間の膜を無くした(あるいは、少なくし
た)いわゆる膜無しのウレタンフォームを用いることが
望ましい。ウレタンフォームないし膜無しのウレタンフ
ォームは、公知の方法により製造することができる。
【0022】3次元網目構造体4の大きさは、特に限定
されない。面積に関わる縦(図1における奥行方向)お
よび横(図1における幅方向)の長さは、接着対象面に
応じて設定すればよい。また、取り扱いやすい大きさの
縦・横長さのものを予め規格化して、1つあるいは数種
類用意しておき、同種類のものを複数、あるいは複数種
類のものを適宜組み合わせて、これらを接着対象面に並
べるようにして用いることも可能である。
【0023】一方、3次元網目構造体4の厚みとして
は、良好な接着性、柔軟性、ハンドリング性等を考慮す
ると、5mm〜17mmの範囲から選択することが好ま
しく、5mm〜15mmの範囲から選択することがより
好ましく、7mm〜12mmの範囲から選択することが
さらに好ましい。
【0024】3次元網目構造体4のセル(網目)の大き
さとしては、含浸された接着剤2を保持することがで
き、かつ、押圧により3次元網目構造体4の両面に接着
剤2が良好に染み出すように、接着剤2の流動が可能な
程度であれば問題無く、接着剤2の粘度や含浸量等にも
よるが、長さ2.54cm(1インチ)当たりにセルが
10〜20個存在する程度とすることが好ましく、12
〜17個存在する程度とすることがより好ましい。
【0025】3次元網目構造体4に含浸される接着剤2
としては、特に限定されず、あらゆる接着剤を用いるこ
とができる。例えば、でんぷん糊、カゼイン接着剤等の
天然物系接着剤や、フェノール樹脂系、尿素樹脂系、ゴ
ム系、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂
系、シアノアクリレート系等の有機合成高分子系接着剤
等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。特に、乾燥後の接着体10により柔軟性を持た
せ、脆さを解消させたい場合には、具体的にはゴム系等
の接着剤を用いることがより好ましい。
【0026】3次元網目構造体4における接着剤2の含
浸量としては、3次元網目構造体4が押圧により圧縮し
た際に、3次元網目構造体4の両面に接着剤2が染み出
す程度とすればよいが、具体的には、含浸させた接着剤
2の体積(S2)の、3次元網目構造体4の全体積(S
1)に対する比(S2/S1)が、0.25〜1の範囲
であることが好ましく、0.5〜0.75の範囲である
ことがより好ましい。
【0027】<<第2の実施形態>>図5は、本発明の
第2の実施形態である接着体を示す断面図である。本実
施形態の接着体20は、接着剤を含浸させたシート状の
3次元網目構造体14の片面に、前記接着剤が含浸して
いない他のシート状の3次元網目構造体12を貼り合わ
せてなるものである。
【0028】本実施形態の接着体20も、第1の実施形
態の接着体10と同様の使用方法により接着物と被接着
物とを接着することができる。すなわち、接着体20に
おける接着剤を含浸させた面である3次元網目構造体1
4側の面を被接着物に当接させ、その後は第1の実施形
態で説明したと同様にして、接着物と被接着物とを接着
することができる。
【0029】本実施形態の接着体によれば、第1の実施
形態と同様の作用および効果が得られる。すなわち、一
定の面積を一度に接着できるため、容易かつ迅速に接着
作業を行うことができ、接着剤の無駄を生ずることがな
い。また、被接着物と接着物との間には、接着剤の他、
3次元網目構造体が介在することから、接着体全体とし
て柔軟性が増し、被接着物と接着物との完全な固着を抑
え脆さを緩和することができ、全体としての接着力を高
めることができる。
【0030】本実施形態において使用可能な、接着剤を
含浸させたシート状の3次元網目構造体および接着剤と
しては、第1の実施形態において説明したものと同様の
ものを好ましく使用することができる。本実施形態にお
いて、接着剤を含浸させたシート状の3次元網目構造体
において、接着剤の含浸量としては、その片面に前記接
着剤が含浸していない他のシート状の2つの3次元網目
構造体12が存在することから、接着剤を含浸させたシ
ート状の3次元網目構造体全部に含浸させても問題な
い。ただし、押圧により接着体20における3次元網目
構造体12の表面に接着剤が染み出すような量であれ
ば、接着剤を含浸させたシート状の3次元網目構造体の
一部に含浸させても構わない。具体的な接着剤の含有量
としては、第1の実施形態において説明した好ましい範
囲の記載において、「S1」の代わりに、3次元網目構
造体12および3次元網目構造体14の合計体積「S
T」を適用すればよい。
【0031】接着剤が含浸していない他のシート状の3
次元網目構造体12としては、接着剤を含浸させたもの
と同様のものを用いることができ、接着剤を含浸させた
ものと同一のものであっても、異なるものであってもよ
い。特に、接着剤が含浸していない他のシート状の3次
元網目構造体12としては、ハンドリング時に3次元網
目構造体12側の表面に接着剤が容易に染み出さないよ
うに、3次元網目構造体14よりもセルが細かいものと
することが好ましい。
【0032】本実施形態の接着体20全体の厚みとして
は、接着剤を含浸させたシート状の3次元網目構造体1
4と、前記接着剤が含浸していない他のシート状の3次
元網目構造体12との合計厚みとして考えて、第1の実
施形態と同様である。
【0033】<<第3の実施形態>>図6は、本発明の
第3の実施形態である接着体を示す断面図である。本実
施形態の接着体30は、接着剤を含浸させたシート状の
3次元網目構造体24の両面に、前記接着剤が含浸して
いない他のシート状の2つの3次元網目構造体22,2
6を貼り合わせてなるものである。
【0034】本実施形態の接着体30も、第1の実施形
態の接着体10と同様の使用方法により接着物と被接着
物とを接着することができるが、本実施形態の接着体3
0においては、前記接着剤が含浸した3次元網目構造体
24の両面に、接着剤が含浸していない他のシート状の
3次元網目構造体22,26を貼り合わせているため、
両面とも接着剤が表面に存在しない。したがって、被接
着物に当接させる面は、いずれであってもよいが、被接
着物に当接させただけでは何ら接着力が生じないため、
例えば、被接着物の垂直面に接着物を接着しようとする
場合には、被接着物に当接させた状態で保持しながら接
着物を当接させたり、被接着物に当接させた後、接着体
30の一部を押圧して内部の接着剤を染み出させ、被接
着物に1次接着させる等の工夫が望まれる。被接着物の
接着対象面を上に向けて置き、そこに接着体30を載せ
ることとすれば、勿論、引力のみで接着体20は被接着
物表面に保持されるため、特に上記のような工夫は必要
ない。
【0035】本実施形態の接着体30は、上述の如く、
両面とも接着剤が表面に存在しない。したがって、前記
接着剤が存在しない面を持って作業することができ、ハ
ンドリング性が良好で、接着作業をより容易かつ迅速に
行うことができるとともに、作業工程の中で、接着剤が
作業者の衣服や皮膚に付着してしまったり、あるいは、
接着対象面以外の部分に接着剤が付着してしまうといっ
た不具合もより生じにくい。
【0036】本実施形態において使用可能な、接着剤を
含浸させたシート状の3次元網目構造体および接着剤と
しては、第1の実施形態において説明したものと同様の
ものを好ましく使用することができる。ただし、接着剤
を含浸させたシート状の3次元網目構造体の厚みとして
は、その両面に前記接着剤が含浸していない他のシート
状の2つの3次元網目構造体22,26が存在すること
から、3mm〜15mmの範囲から選択することが好ま
しく、3mm〜13mmの範囲から選択することがより
好ましく、5mm〜10mmの範囲から選択することが
さらに好ましい。
【0037】本実施形態において、接着剤を含浸させた
シート状の3次元網目構造体において、接着剤の含浸量
としては、その両面に前記接着剤が含浸していない他の
シート状の2つの3次元網目構造体22,26が存在す
ることから、接着剤を含浸させたシート状の3次元網目
構造体全部に含浸させても問題ない。ただし、押圧によ
り接着体30の両面に接着剤が染み出すような量であれ
ば、接着剤を含浸させたシート状の3次元網目構造体の
一部に含浸させても構わない。具体的な接着剤の含有量
としては、第1の実施形態において説明した好ましい範
囲の記載において、「S1」の代わりに、2つの3次元
網目構造体22,26および3次元網目構造体24の合
計体積「ST’」を適用すればよい。
【0038】接着剤が含浸していない他のシート状の3
次元網目構造体22,26としては、第2の実施形態に
おける3次元網目構造体12と同様の材質のものが好ま
しく用いられ、接着剤を含浸させたものと同一のもので
あっても、異なるものであってもよい。
【0039】接着剤が含浸していない他のシート状の3
次元網目構造体22,26の厚みとしては、接着剤を含
浸させたシート状の3次元網目構造体の厚みや接着剤の
含浸量にもよるが、1mm〜5mmの範囲から選択する
ことが好ましく、1mm〜3mmの範囲から選択するこ
とがより好ましく、1mm〜2mmの範囲から選択する
ことがさらに好ましい。本実施形態の接着体30全体の
厚みとしては、接着剤を含浸させたシート状の3次元網
目構造体24と、前記接着剤が含浸していない他のシー
ト状の3次元網目構造体22,26との合計厚みとして
考えて、第1の実施形態と同様である。
【0040】本実施形態の接着体によれば、第1の実施
形態と同様の作用および効果が得られる。すなわち、一
定の面積を一度に接着できるため、容易かつ迅速に接着
作業を行うことができ、接着剤の無駄を生ずることがな
い。また、被接着物と接着物との間には、接着剤の他、
3次元網目構造体が介在することから、接着体全体とし
て柔軟性が増し、被接着物と接着物との完全な固着を抑
え脆さを緩和することができ、全体としての接着力を高
めることができる。
【0041】さらに、本実施形態の接着体によれば、接
着剤は3次元網目構造体に含浸され、かつ、前記接着剤
が含浸していない他のシート状の3次元網目構造体で挟
まれた状態となっていることから、作業工程の中で、接
着剤が作業者の衣服や皮膚に付着してしまったり、ある
いは、接着対象面以外の部分に接着剤が付着してしまう
といった不具合がより一層生じにくい。
【0042】<<第4の実施形態>>図7は、本発明の
第4の実施形態である接着体包装物を示す断面図であ
る。本実施形態の接着体包装物は、第3の実施形態の接
着体30が、気体遮断性の材料からなる袋体28に内包
され、かつ、密封されてなるものである。したがって、
接着体30自体の機能、作用および効果、並びに、各構
成要素の詳細については、第3の実施形態と同様である
ため、その説明は割愛する。
【0043】袋体28は、接着体30全体を包み込むよ
うに位置し、その縁端32が封止されて構成される。縁
端32の封止は、適当な接着剤によってもよいし、ヒー
トシールによってもよい。また、袋体28の封止は、必
ずしも接着体30の全周において接着あるいはヒートシ
ール等されていなくてもよく、例えば、シートを2つ折
りにしてその間に接着体30を挟み込み、残りの3つの
縁端を接着あるいはヒートシール等により封止すること
としてもよい。
【0044】本発明の接着体は、その性質上、放置して
おくと乾燥してしまい、使用不可能な状態となってしま
う。しかし、本実施形態の接着体包装物によれば、接着
体30を気体遮断性の材料からなる袋体28に内包し、
かつ、密封することで、保存可能状態としている。すな
わち、作業者は、使用時に袋体28を開封し、内包され
た接着体30を取り出すことで、いつでも物体同士を接
着することができる。
【0045】袋体28の材質としては、気体遮断性があ
れば如何なる材料も用いることができるが、成形が容易
であり、かつ安価であるプラスチック材料、あるいはプ
ラスチック材料を貼り付けた紙等を用いることが好まし
い。用い得る具体的なプラスチック材料としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、フッ素系樹脂、ポリカー
ボネート、ポリエステル等が挙げられる。また、アルミ
ニウムやアルミナを蒸着させたプラスチック材料あるい
は紙等を用いることも可能である。
【0046】また、袋体28としては、接着体30を実
際に使用に供する前に、含浸された接着剤が、乾燥や水
分の吸収により固化してしまうことが無いよう、できる
限り高い気体遮断性、および/または、低い透湿性を有
する材料からなることが好ましい。高い気体遮断性を有
する材料としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリアミド、アルミニウ
ムやアルミナを蒸着させたプラスチック材料あるいは紙
等が挙げられ、低い透湿性を有する材料としては、例え
ば、ポリクロロトリフルオロエチレン、アルミニウムや
アルミナを蒸着させたプラスチック材料あるいは紙等が
挙げられる。
【0047】袋体28の厚みとしては、特に限定され
ず、用いる材料や所望とする気体遮断性等により適宜選
択すればよい。また、密封された袋体28内部は、通常
の空気であっても飽和蒸気圧の関係から接着剤が乾燥し
てしまうことはないが、酸素による酸化を防ぐために
は、窒素や希ガス等の不活性ガスで置換しておくことが
望ましい。
【0048】以上、本発明を4つの実施形態を挙げて説
明してきたが、本発明は、上記実施の形態に挙げたもの
に限定されるものでなく、公知の知見に基づいて、種々
の変更を加えることができる。また、上記各実施形態の
構成要素同士を任意に組合せても、勿論構わない。
【0049】
【実施例】図7に示す構造の本発明の接着体包装物を作
製した。具体的には、以下の通りである。まず、100
mm角で厚さ7mmの、SFフォーム12ppi(ブリ
ヂストン社製、長さ2.54cm(1インチ)当たりに
セルが12個存在するウレタンフォーム)の全体に、接
着剤(コニシ社製、KU909C)をナイフにて塗り込
み、接着剤が含浸した3次元網目構造体24を得た。
【0050】一方、接着剤が含浸していない他のシート
状の3次元網目構造体22,26としての100mm角
で厚さ2mmの、SFフォーム17ppi(ブリヂスト
ン社製、長さ2.54cm(1インチ)当たりにセルが
17個存在するウレタンフォーム)を2枚用意した。前
記得られた3次元網目構造体24の両面に、用意した3
次元網目構造体22,26を積層させ、接着剤の1次接
着力によりこれらを接着することで、接着体を作製し
た。
【0051】さらに、ポリプロピレンフィルム(200
mm×400mm、厚さ0.1mm)を2つ折りにし、
その間に前記得られた接着体を挟み込み、ポリプロピレ
ンフィルムの3方の縁端部をヒートシール機によりヒー
トシール加工することで、前記接着体を内包し、かつ、
密封して、実施例の接着体包装物を作製した。
【0052】得られた接着体包装物から、ポリプロピレ
ンフィルムの包装を外し、中の接着体を取り出した。さ
らにこれを120mm×120mm、厚さ5mmの鉄板
2枚に挟み込み、これをクランプで固定して、48次間
放置した。その後クランプを開放させたところ、2枚の
鉄板が強固に接着されていることが確認された。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
接着剤の無駄を生ずることなく、容易かつ迅速に接着作
業を行うことができ、また、作業工程の中で、接着剤が
作業者の衣服や皮膚に付着してしまったり、あるいは、
接着対象面以外の部分に接着剤が付着してしまうといっ
た不具合を抑制することが可能な接着体、およびこれを
保存可能状態とした接着体包装物を提供することができ
る。さらに本発明によれば、接着した物体同士の完全な
固着を抑え脆さを緩和することで、全体としての接着力
の高い接着体および接着体包装物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態である接着体を示す断面図で
ある。
【図2】 図1の接着体を用いて接着作業を行う経過を
説明するための模式断面図である。
【図3】 図1の接着体を用いて接着作業を行う経過を
説明するための模式断面図である。
【図4】 図1の接着体を用いて接着作業を行う経過を
説明するための模式断面図である。
【図5】 第2の実施形態である接着体を示す平面図で
ある。
【図6】 第3の実施形態である接着体を示す平面図で
ある。
【図7】 第4の実施形態である接着体を示す平面図で
ある。
【符号の説明】
2 接着剤 4、14、24 3次元網目構造体(接着剤が含浸し
た) 6 被接着物 8 接着物 10、20、30 接着体 12、22、26 3次元網目構造体(接着剤が含浸し
ていない) 28 袋体 32 縁端
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 CA13 CA47 DA03 DA06 DC01 EA35 4F100 AK07 AK51A AK51B AK51C AR00D BA03 BA04 BA06 BA10B BA10C CB00A DA02 DB06D DC11A DC11B DC11C DD32D DJ00A DJ00B DJ00C DJ01A DJ01B DJ01C EJ83A GB90 JD02D JL01 JL11 4J004 AA01 AA04 AA05 AA10 AA12 AA13 AA14 CA06 CB01 CB04 CC02 CE00 CE03 FA08 GA03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート状の3次元網目構造体の一部また
    は全部に、接着剤を含浸させてなることを特徴とする接
    着体。
  2. 【請求項2】 さらに、前記接着剤が含浸した前記3次
    元網目構造体の片面または両面に、前記接着剤が含浸し
    ていない他のシート状の3次元網目構造体を貼り合わせ
    てなることを特徴とする請求項1に記載の接着体。
  3. 【請求項3】 前記接着剤が含浸した、および/また
    は、含浸していない3次元網目構造体が、ウレタンフォ
    ームであることを特徴とする請求項1または2に記載の
    接着体。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1に記載の接着
    体が、気体遮断性の材料からなる袋体に内包され、か
    つ、密封されてなることを特徴とする接着体包装物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008047402A1 (fr) * 2006-10-16 2008-04-24 Inoac Corporation Feuille d'élastomère
JP2021160171A (ja) * 2020-03-31 2021-10-11 積水化成品工業株式会社 樹脂複合体

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