JP2002321627A - ステアリングシャフト及びその製造法 - Google Patents

ステアリングシャフト及びその製造法

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JP2002321627A JP2001128403A JP2001128403A JP2002321627A JP 2002321627 A JP2002321627 A JP 2002321627A JP 2001128403 A JP2001128403 A JP 2001128403A JP 2001128403 A JP2001128403 A JP 2001128403A JP 2002321627 A JP2002321627 A JP 2002321627A
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雅之 今井
Isao Fujio
勲 藤生
Ryohei Adachi
良平 安達
Katsutoshi Tsuji
勝利 辻
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インナーシャフトとアウターシャフトとが摺
動自在に連結してテレスコピックタイプのステアリング
シャフトを構成するステアリングシャフトにおいて、滑
らかなテレスコ動作を行うことができるステアリングシ
ャフトを提供すること。 【解決手段】 長手方向に所定の範囲に外周係合部2を
形成したインナーシャフトAと、内周側に前記外周係合
部2に係合する内周係合部5を形成したアウターシャフ
トBとからなること。前記インナーシャフトAの外周係
合部2に被覆された樹脂係合部6をアウターシャフトB
の内周係合部5の形状を転写した係合形状にすること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インナーシャフトとア
ウターシャフトとが摺動自在に連結してテレスコピック
タイプのステアリングシャフトを構成するステアリング
シャフトにおいて、滑らかなテレスコ動作を行うことが
できるステアリングシャフト及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、テレスコ機能を有するステア
リングシャフトの伸縮連結構造として、アウターシャフ
トとインナーシャフトとをスプライン係合等の手段で連
結し、且つその連結箇所に樹脂材を充填しているものが
存在している。その樹脂材は、アウターシャフトにイン
ナーシャフトを適宜挿入配置して、アウターシャフトの
外周部から樹脂材をアウターシャフトとインナーシャフ
トとの連結摺動部間の隙間に注入して、摺動樹脂係合部
材として形成されている。
【0003】また、インナーシャフトの樹脂成形部位を
金型内にセットして、金型の外部から樹脂材を注入し
て、金型内にセットされたインナーシャフトとその金型
との成形空間によってインナーシャフトに連結摺動部を
形成した後、その摺動樹脂係合部をアウターシャフトに
挿入する製造工程としたステアリングシャフトの伸縮連
結構造もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、インナーシ
ャフトとアウターシャフトとを軸方向に係合連結し、ア
ウターシャフトの外部から樹脂材を射出成形 (インジェ
クション) によって注入し、インナーシャフトとアウタ
ーシャフトとの間に樹脂係合部を成形し連結部間を軸方
向に摺動可能とするものでは、インナーシャフトとアウ
ターシャフトとの間に形成される隙間容積に合わせて、
適宜の圧力で樹脂材を注入して樹脂層を形成することで
以下の欠点がある。
【0005】即ち、その樹脂材が固化して成形された樹
脂係合部は、隙間に目一杯埋まり、該樹脂係合部がイン
ナーシャフト及びアウターシャフトの両方に対して押圧
状態で固まり、その結果、両シャフト同士の係合状態は
極めてきつくなって、隙間に余裕が全く無く、シャフト
伸縮方向の摺動が重くなり、容易に摺動性を良好にする
ことが困難である。
【0006】また、射出条件によっては、隙間に注入さ
れた樹脂材が固化するときの樹脂材の収縮のため、イン
ナーシャフト又はアウターシャフトとの間に隙間が発生
し、シャフト回転方向のガタとなるおそれもあり、操舵
フィーリングを低下させることもある。
【0007】次に、そのインナーシャフトの樹脂係合部
が金型によって成形されることもある。この場合では、
金型の成形形状をアウターシャフトのインナーシャフト
が嵌合する嵌合孔形状と略同一形状として、インナーシ
ャフトに樹脂係合部が成形される。これは、前述したア
ウターシャフトにインナーシャフトを挿入係合して隙間
に樹脂係合部をインジェクション成形するタイプとは異
なる。即ち、インナーシャフトの樹脂係合部をアウター
シャフトとは別の金型で成形することになる。そのため
に、樹脂係合部を成形する寸法精度を高くしなければな
らないが、これは、金型の製造自体が極めて困難で且つ
費用がかかるものである。
【0008】これは、高精度の寸法管理を行って、寸法
のバラツキを最小にし、アウターシャフトの係合孔とイ
ンナーシャフトの樹脂係合部とが良好に摺動できる隙間
寸法を安定に設けることが必要であるからである。この
ように、金型成形状態のままのインナーシャフトの摺動
樹脂係合部をアウターシャフトと連結係合するだけで良
好な連結係合を設けることは困難である。
【0009】このようなことから、金型成形されるイン
ナーシャフトの樹脂係合部を予めアウターシャフトの係
合孔より大きめに成形して、その後仕上げ加工を行っ
て、寸法精度を安定させることもある。しかし、アウタ
ーシャフトの係合孔とインナーシャフトの摺動樹脂係合
部とは別部材であり、互いに安定した寸法精度で連結係
合の隙間を設けたとしても、そのアウターシャフトの係
合とインナーシャフトの樹脂係合部との選択組み合わせ
によっては、その隙間は大きくなったりも、小さくなっ
たりもするものであり、作業効率が低下するものであ
る。
【0010】上記のことから、そのステアリングシャフ
トの伸縮操作を重くしたり、軽くしたり、またはハンド
ル回転方向のガタを発生させたりして操舵フィーリング
を低下させるおそれがあり、容易に良好なステアリング
シャフトの伸縮連結構造を提供することが困難である。
本発明の目的は、ステアリングシャフトにおけるアウタ
ーシャフトとインナーシャフトとの伸縮連結構造におけ
る係合隙間を略均一にして、伸縮方向及び回転方向の操
作性及び操舵フィーリングを容易に改善することを提供
するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、発明者は上記課
題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、本発明を、長
手方向に所定の範囲に外周係合部を形成したインナーシ
ャフトと、内周側に前記外周係合部に係合する内周係合
部を形成したアウターシャフトとからなり、前記インナ
ーシャフトの外周係合部に被覆された樹脂係合部をアウ
ターシャフトの内周係合部の形状を転写した係合形状に
してなるステアリングシャフト及びその製造法等とした
ことにより、インナーシャフトとアウターシャフトとが
摺動自在に連結してテレスコピックタイプのステアリン
グシャフトを構成するステアリングシャフトにおいて、
滑らかなテレスコ動作を行うことができるステアリング
シャフトを極めて効率的に製造することができ、上記課
題を解決したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明する。まず本発明は、主にインナーシャフトAとアウ
ターシャフトBとからなるものであって、そのインナー
シャフトAは、軸本体部1及び外周係合部2から形成さ
れる。該軸本体部1は中空軸であり、その軸本体部1の
軸方向に沿って、適宜の範囲で外周係合部2が形成され
ている。該外周係合部2の具体的には、スプラインであ
るが、セレーション、或いはスプラインの定義に属さな
い歯車形状のものであってもかまわない〔図1(A),
(B)参照〕。その軸本体部1の外周係合部2が形成さ
れている側とは反対側にフランジ板1a等が形成される
こともある。
【0013】また、アウターシャフトBは、アウター軸
本体部4と内周係合部5とからなり、アウター軸本体部
4は中空状に形成され、その内周側面に内周係合部5が
形成されている。該内周係合部5は、前記外周係合部2
に係合するスプライン形状としたり、セレーション、或
いはスプラインの定義に属さない歯車形状のものであっ
てもかまわない。即ち、前記外周係合部2に係合するも
のであればよい。そのアウター軸本体部4の内周係合部
5が形成されている側と反対側にはジョイント部4aが
形成されている〔図1(A),(B)参照〕。
【0014】次に、前記インナーシャフトAの外周係合
部2には、樹脂係合部6が形成される(図2参照)。該
樹脂係合部6は、前記アウターシャフトBの内周係合部
5の形状に対応して合致(略合致も含む)する形状に成
形されたものである〔図2(A),(B)参照〕。その
樹脂係合部6はアウターシャフトBの外部から加熱され
ることにより、樹脂係合部6が軟化して形状の変形が容
易となることで、外周係合部2と内周係合部5との隙間
形状に転写状に形状が変化する。ここで、転写とは軟化
した樹脂係合部6が所定の形状にしたがって変化するこ
とである。
【0015】このため、ステアリングシャフトの伸縮連
結構造における断面がスプライン形状或いは小判形状等
の非円形状であっても、インナーシャフトAの樹脂係合
部6がアウターシャフトBの内周係合部5に従う転写形
状となり、そのインナーシャフトAの樹脂係合部6とア
ウターシャフトBとの連結係合部位の係合形状をお互い
近い形状とすることができ、外周係合部2と内周係合部
5との間に樹脂係合部6が介在して略均一の隙間を有し
て連結係合することができる。
【0016】これによって、ステアリングシャフトの伸
縮操作(テレスコピック)における摺動性を良好にする
とともに、インナーシャフトAとアウターシャフトBと
の係合部の隙間を最小且つ略均一にすることで、摺動性
と剛性感(ガタ感の無い)とを良好に満足させることが
できる。例えば、インナーシャフトAとアウターシャフ
トBとがスプライン連結係合のものは、インナーシャフ
トAとアウターシャフトBとのかみ合うスプラインの形
状がアウターシャフトBの雌スプライン形状に合わせて
インナーシャフトAの樹脂係合部の雄スプライン形状が
加熱による軟化で転写されるので、樹脂係合部6による
インナーシャフトA及びアウターシャフトBに及ぼす圧
力は、強すぎず,弱すぎず丁度良いものとなり、ハンド
ル回転方向のガタの発生を抑止するとができ、操舵フィ
ーリングを向上させることができる。
【0017】次に、製造法について説明する。まず前記
インナーシャフトAの外周係合部2に樹脂係合部6によ
る被覆成形が行われる加工工程は、まずインナーシャフ
トAが金型Cに装着され、その金型Cとワークとするイ
ンナーシャフトAの外周係合部2との空隙に金型Cの外
部から溶融した樹脂が注入される。金型Cは、上下方向
(或いは左右方向)に2分割以上に分割されるもので、
インナーシャフトAの型枠10a,10bには、インナ
ーシャフトAの外周係合部2箇所に樹脂係合部6を成形
するための樹脂成形室11a,11b及びインナーシャ
フトAを固定支持する支持室12a,12bがそれぞれ
形成されている〔図4(A),(B)参照〕。
【0018】また、金型Cには、溶融した樹脂を注入す
る注湯部13が形成され、金型Cの外部より前記樹脂成
形室11a,11b連通している。また、該樹脂成形室
11a,11bは、外歯タイプのスプラインを成形する
ものであり、スプライン形状とした外周係合部2の各ス
プライン歯を被覆する樹脂層を成形することができるよ
うになっている。この金型Cによって、樹脂成形室11
a,11bに収納された外周係合部2には前記注湯部1
3から溶融した樹脂が注入され、外周係合部2の周囲に
樹脂係合部6が成形されるものである〔図4(B)参
照〕。
【0019】このようにして成形された樹脂係合部6
は、外周係合部2よりも平均外形寸法が大きくなり、ま
た前記アウターシャフトBの内周係合部5の内径よりも
僅かに大きい寸法値となる〔図5(A)参照〕。前記ア
ウターシャフトB側の内周係合部5は、中空管の内周面
にスプライン又は非円形状の小判形状等の異形状を成形
する加工工程がある。この加工工程は、スウェージング
加工(絞り加工),引き抜き加工等の塑性加工によって
加工したり、又はブローチ加工などの切削加工によって
加工されることもある。
【0020】前記樹脂係合部6が成形されたインナーシ
ャフトAと、前記内周係合部5が成形されたアウターシ
ャフトBとを揃える。そして、インナーシャフトAの外
周係合部2側をアウターシャフトBの内周係合部5が挿
入される〔図3(A),(B)参照〕。このとき外周係
合部2と内周係合部5とがスプライン構成である場合に
は、スプライン方向に沿って外周係合部2と内周係合部
5が係合する。そして、両スプライン同士には隙間が存
在する遊挿状態となるが、外歯スプライン形状とした樹
脂係合部6は、内周係合部5に対して圧入状態となる。
このようにして、インナーシャフトAとアウターシャフ
トBとが連結され、樹脂係合部6が内周係合部5に対し
てしまり嵌め状態となる。
【0021】次に、インナーシャフトAとアウターシャ
フトBとを連結した状態で、アウターシャフトBの外周
側からその樹脂係合部6が加熱される工程となる。この
加熱工程は、ステアリングシャフトの外部から加熱部材
又は加熱装置による加熱手段14を近接させて加熱する
〔図3(C)参照〕。また、前記ステアリングシャフト
を加熱装置に装着して加熱することもある。
【0022】その加熱手段14の具体例としては、ステ
アリングシャフトの連結係合部周辺に高周波コイルの加
熱部材が近接配置され、誘導加熱によりステアリングシ
ャフトの連結係合部の外部から内部の樹脂係合部6が加
熱され、該樹脂係合部6が軟化される。このように、高
周波加熱による加熱手段14とすることでアウターシャ
フトBの内周面側形状があたかも鋳型としても役目をな
し、アウターシャフトBの内周係合部5と係合するイン
ナーシャフトAの樹脂係合部6は、前記内周係合部5に
対応する形状となるものである。
【0023】加熱によって、樹脂係合部6を適宜軟化さ
せることで、該樹脂係合部6はアウターシャフトBの内
周係合部5(例えば,スプライン形状であれば、その形
状に近くなる)に軟化変形して、略相似形状とすること
ができる〔図5(C)参照〕。そのまま自然放置冷却に
より軟化変形の樹脂係合部が固化して、インナーシャフ
トAの樹脂係合部6は、アウターシャフトBの内周係合
部5を金型とする成形品となる。そして、インナーシャ
フトAとアウターシャフトBとの係合部の隙間が略均一
となり、且つ最小にすることができる〔図5(D)参
照〕。
【0024】これによって、インナーシャフトAとアウ
ターシャフトBとの伸縮摺動性を極めて良好にすること
ができ、且つその伸縮係合部の遊びを最小限とし、剛性
感を高め、回転方向のガタを防止することができる。な
お図5(B)は、組付の初期状態において外周係合部2
及び内周係合部5に対して樹脂係合部6がまだ完全に馴
染まず、均一に装着されていない状態を示している。こ
の状態から加熱手段14により、樹脂係合部6が軟化
し、外周係合部2及び内周係合部5に馴染むものであ
る。
【0025】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。この実施形態は、前記インナーシャフトAとアウ
ターシャフトBとを連結係合してから、溶融した樹脂を
注入し、樹脂係合部6を転写するものである(図6参
照)。そのインナーシャフトAとアウターシャフトBと
の間に溶融した樹脂が注入されつつ、アウターシャフト
Bの外部より加熱手段14を介して加熱が行われるもの
である〔図6(E)参照〕。
【0026】そのアウターシャフトBとインナーシャフ
トAとの外周係合部2と内周係合部5との隙間である空
隙部に溶融した樹脂材が高い圧力で注入される。なお、
前記アウターシャフトBのアウター軸本体部4には、注
湯口4bが形成され、該注湯口4bから溶融した樹脂材
が注入される〔図6(C)参照〕。この注入される樹脂
は、過大に行われる。即ち、外周係合部2と内周係合部
5との隙間である空隙部の容積以上の樹脂材が注入され
る。高い圧力で注入することによって、空隙部の容積が
拡大され、容積以上の樹脂材が注入されるともいえる
〔図6(C),(D)参照〕。
【0027】ただし、この容積の拡大により、アウター
シャフトBのアウター軸本体部4が溶融した樹脂から受
ける圧力にて膨らむように変形するが、これはアウター
シャフトBの弾性変形範囲以内である。この過大樹脂係
合部がアウターシャフトBを外部から加熱してアウター
シャフトBとインナーシャフトAとの間の過大樹脂係合
部を溶湯状態に維持させて、アウターシャフトBと過大
樹脂係合部との間に生じた荷重を解除しつつ、容積以上
の樹脂材がアウターシャフトBの内周係合部5に転写さ
れ、且つ余剰分の樹脂材をその空隙部からシャフト間の
隙間へ流出させて、アウターシャフトBとインナーシャ
フトAとの間の樹脂係合部6を形成することができる。
このように、樹脂材を連結係合したステアリングシャフ
トに射出成形して形成される樹脂係合部にアウターシャ
フトBの内周係合部形状を確実に転写形成することがで
きる。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明は、長手方向に所定の範
囲に外周係合部2を形成したインナーシャフトAと、内
周側に前記外周係合部2に係合する内周係合部5を形成
したアウターシャフトBとからなり、前記インナーシャ
フトAの外周係合部2に被覆された樹脂係合部6をアウ
ターシャフトBの内周係合部5の形状を転写した係合形
状にしてなるステアリングシャフトとしたことにより、
テレスコ機能を有するステアリングシャフトは、連結係
合部にガタが生じることなく、且つテレスコ調整におけ
るフィーリングを良好なものにできるものである。
【0029】請求項2の発明においては、長手方向に所
定の範囲に外周係合部2を形成したインナーシャフトA
と、内周側に前記外周係合部2に係合する内周係合部5
を形成したアウターシャフトBとからなり、前記インナ
ーシャフトAの外周係合部2を樹脂係合部6で被覆し、
該インナーシャフトAの外周係合部2を前記アウターシ
ャフトBの内周係合部5に挿入し、インナーシャフトA
の樹脂係合部6箇所をアウターシャフトBの外部から加
熱して樹脂係合部6を軟化させ、該樹脂係合部6を前記
外周係合部2と内周係合部5との隙間形状にしてなるス
テアリングシャフトの製造法としたことにより、インナ
ーシャフトAとアウターシャフトBとが摺動自在に連結
して構成するテレスコピックタイプのステアリングシャ
フトにおいて、滑らかなテレスコ動作を行うことができ
るステアリングシャフトを極めて効率的に製造すること
ができる効果を奏する。
【0030】上記効果を詳述すると、インナーシャフト
Aの外周係合部2と、アウターシャフトBの内周係合部
5とが連結係合され、樹脂係合部6が加熱手段14によ
る軟化で前記外周係合部2及び内周係合部5に対して転
写形成されるので、外周係合部2及び内周係合部5に対
して樹脂係合部6を良好に適合させることができる。こ
れによって、樹脂係合部6と外周係合部2或いは樹脂係
合部6と内周係合部5との隙間を略均一で且つ最小とす
ることができる。
【0031】したがって、ステアリングシャフトの伸縮
操作(テレスコピック)における摺動性を良好にし、ハ
ンドル回転方向のガタの発生を抑止するとができ、操舵
フィーリングを向上させることができるものである。ま
た、樹脂係合部6を成形するための特別な高精度加工設
備や、厳しい寸法管理を必要とすることなく、容易にア
ウターシャフトBとインナーシャフトAの樹脂係合部と
の高い係合精度を得ることができる。
【0032】さらに、アウターシャフトBとインナーシ
ャフトAとの樹脂係合部6との連結係合部において、高
精度加工による係合組み合わせをすることなく、係合隙
間を適宜良好に形成することができる。また、製造方法
において、係合隙間の厳しい工程管理などをすることな
く、容易に高精度の連結係合部を形成することができ、
特別な高精度加工装置も必要なく品質を安定して製造す
ることができる。
【0033】請求項3の発明は、長手方向に所定の範囲
に外周係合部2を形成したインナーシャフトAと、内周
側に前記外周係合部2に係合する内周係合部5を形成し
たアウターシャフトBとからなり、前記インナーシャフ
トAの外周係合部2をアウターシャフトBの内周係合部
5に挿入し、前記外周係合部2と内周係合部5との間に
溶融した樹脂を注入しつつ、アウターシャフトBを外周
から加熱し、その軟化樹脂を前記外周係合部2と内周係
合部5との隙間形状にしてなるステアリングシャフトの
製造法としたことにより、製造するための設備を簡単に
することができる。これは、外周係合部2と内周係合部
5との間に溶融した樹脂を注入するために、金型は不要
であり、したがって設備を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一部断面にした側面図 (B)は(A)の要部拡大断面図
【図2】(A)はインナーシャフトの一部断面にした要
部拡大斜視図 (B)は(A)の一部拡大斜視図 (C)は(A)の一部断面にした側面図
【図3】(A)は第1実施形態におけるインナーシャフ
トがアウターシャフトに挿入される前の状態の工程図 (B)はインナーシャフトがアウターシャフトに挿入さ
れた状態の工程図 (C)はアウターシャフトの外部から加熱手段を近接さ
せて加熱している工程図
【図4】(A)は金型の分離した状態の縦断側面図 (B)は金型でインナーシャフトに樹脂係合部を成形す
る縦断側面図
【図5】(A)は外周係合部と樹脂係合部の断面図 (B)は外周係合部及び内周係合部と樹脂係合部とが馴
染まない状態の拡大図 (C)は外周係合部及び内周係合部と樹脂係合部とが馴
染んだ状態の拡大図 (D)は外周係合部及び内周係合部と樹脂係合部とが馴
染んだ状態図
【図6】(A)は第2実施形態におけるインナーシャフ
トがアウターシャフトに挿入される前の状態の工程図 (B)はインナーシャフトがアウターシャフトに挿入さ
れた状態の工程図 (C)は外周係合部と内周係合部との隙間に容積以上の
樹脂材が注入された工程図 (D)は(C)の要部拡大図 (E)はアウターシャフトの外部から加熱手段を近接さ
せて加熱している工程図
【符号の説明】
A…インナーシャフト B…アウターシャフト 2…外周係合部 5…内周係合部 6…樹脂係合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安達 良平 群馬県桐生市広沢町1丁目2757番地 株式 会社山田製作所内 (72)発明者 辻 勝利 群馬県桐生市広沢町1丁目2757番地 株式 会社山田製作所内 Fターム(参考) 3D030 DD65 4F204 AD03 AD35 AH12 AH19 AK11 EA03 EB01 EB12 EF27 EK13 EW02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に所定の範囲に外周係合部を形
    成したインナーシャフトと、内周側に前記外周係合部に
    係合する内周係合部を形成したアウターシャフトとから
    なり、前記インナーシャフトの外周係合部に被覆された
    樹脂係合部をアウターシャフトの内周係合部の形状を転
    写した係合形状にしてなることを特徴とするステアリン
    グシャフト。
  2. 【請求項2】 長手方向に所定の範囲に外周係合部を形
    成したインナーシャフトと、内周側に前記外周係合部に
    係合する内周係合部を形成したアウターシャフトとから
    なり、前記インナーシャフトの外周係合部を樹脂係合部
    で被覆し、該インナーシャフトの外周係合部を前記アウ
    ターシャフトの内周係合部に挿入し、インナーシャフト
    の樹脂係合部箇所をアウターシャフトの外部から加熱し
    て樹脂係合部を軟化させ、該樹脂係合部を前記外周係合
    部と内周係合部との隙間形状にしてなることを特徴とす
    るステアリングシャフトの製造法。
  3. 【請求項3】 長手方向に所定の範囲に外周係合部を形
    成したインナーシャフトと、内周側に前記外周係合部に
    係合する内周係合部を形成したアウターシャフトとから
    なり、前記インナーシャフトの外周係合部をアウターシ
    ャフトの内周係合部に挿入し、前記外周係合部と内周係
    合部との間に溶融した樹脂を注入しつつ、アウターシャ
    フトを外周から加熱し、その軟化樹脂を前記外周係合部
    と内周係合部との隙間形状にしてなることを特徴とする
    ステアリングシャフトの製造法。
JP2001128403A 2001-04-25 2001-04-25 ステアリングシャフトの製造法 Expired - Fee Related JP3728218B2 (ja)

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