JP2002320969A - 電解水生成装置 - Google Patents

電解水生成装置

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JP2002320969A
JP2002320969A JP2001127422A JP2001127422A JP2002320969A JP 2002320969 A JP2002320969 A JP 2002320969A JP 2001127422 A JP2001127422 A JP 2001127422A JP 2001127422 A JP2001127422 A JP 2001127422A JP 2002320969 A JP2002320969 A JP 2002320969A
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water
chamber
anode chamber
cathode
anode
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JP2001127422A
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English (en)
Inventor
Kazushige Nakamura
一繁 中村
Keijiro Kunimoto
啓次郎 國本
Takemi Oketa
岳見 桶田
Koji Oka
浩二 岡
Shigeru Shirai
白井  滋
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大量の電解水を必要とせずに、短時間で効率
よく強アルカリ水や強酸性水を得ること。 【解決手段】 隔膜12を介して陽極室13と陰極室1
4を形成し、少なくとも1組の電極15、16を配設
し、陽極室13と陰極室14の水を電解する電解槽11
を備えて、陽極室13内と陰極室14内に圧力差を有す
ることによって、イオンの移動を促進させることができ
るので、大量の電解質を用いなくても短時間で効率よく
強電解水を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解水を生成する
電解水生成装置に関し、特に還元力の強いアルカリ水を
容易に生成できる電解水生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電解水生成装置には、水道等の給水設備
に接続され、流水状態で電解を行い、酸性水やアルカリ
水を生成する流水式と、給水設備に接続しない簡易、低
コスト構造で水を滞留状態で電解するバッチ方式があ
る。流水方式では即座に電解水が取水できるメリットが
あるが、酸化力の強い酸性水や還元力の強いアルカリ水
を得ようとした場合、電極の大型化が必要となり大電力
が必要となるとともに複雑な構成が必要となり、装置全
体のコストアップとなる。一方、バッチ方式では滞留状
態で電解するため長時間にわたる電解が可能であり、簡
易な構成で上記酸性水やアルカリ水が得られやすい。
【0003】従来のバッチ方式の電解水生成装置として
は、特開平8−319958号公報に記載されているよ
うなものがあった。この電解装置は図7に示すように、
隔膜1によって陽極室2と陰極室3を形成するとともに
陽極室2には陽極4を、また陰極室3には陰極5が隔膜
1を介して対向配置されている。6は開閉自在な蓋であ
り、電解時の生成ガスを外部に排出する穴7が設けられ
ている。8は制御回路であり、陽極4と陰極5に通電さ
れる。生成された電解水はそれぞれ酸性水出口9および
アルカリ水出口10より取水される構成となっている。
【0004】この構成において、電解に際しては蓋6を
開放して電解質としての手作業によって所定濃度に調整
した食塩水を電解槽に充填し、制御回路8によって陽極
4と陰極5間に電圧が印可され、電気量(電流と時間の
積)に応じて所望のpHとなるように水が電解されて陽極
室2には酸性水が、陰極室3にはアルカリ水が生成さ
れ、それぞれ酸性水出口9およびアルカリ水出口10よ
り取水される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の電解水生成装置では、ある程度電解が行われ、陽極室
と陰極室のイオンの濃度差が少なくなるとイオンが移動
しにくくなるので、pHの高い強アルカリ水やpHの低い強
酸性水を得るためには大量の電力と時間そして大量の電
解質を必要とするという課題を有していた。
【0006】本発明ではイオンの移動を促進することに
よって大量の電解質を必要とせず短時間に効率よく強ア
ルカリ水や強酸性水を得る電解水生成装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明の電解水生成装置は、隔膜を介して陽
極室と陰極室を形成する電解水生成装置において、隔膜
間に圧力差を有したものである。
【0008】これによって、イオンの移動が促進される
ため、陽極側と陰極側のイオンの濃度差が少なくなって
も、容易にイオンが移動するため、大量の電解質を必要
とせず、効率的に強アルカリ水や強酸性水を得ることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、隔膜を
介して陽極室と陰極室を形成し、少なくとも1組の電極
を配設し、陽極室と陰極室の水を電解する電解槽を備
え、隔膜間に圧力差を有したことにより、隔膜を介した
イオンの移動を促進させることで、大量の電解質を用い
なくても短時間で効率よく強アルカリ水や強酸性水を得
ることができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、陽極室と陰極室
の水位を異ならせることによる水圧差を利用して、圧力
差を有することができるため、隔膜を介したイオンの移
動を促進させることで、大量の電解質を用いなくても短
時間で効率よく強アルカリ水や強酸性水を得ることがで
きる。
【0011】請求項3に記載の発明は、陽極室と陰極室
のいずれか一方に水を供給し、あふれた水が他方に供給
されることにより、使用者が意識をすることなく容易に
陽極室と陰極室に水位差を設けることができる。
【0012】請求項4に記載の発明は、陽極室内あるい
は陰極室内の圧力を増減させる加圧手段あるいは減圧手
段の少なくとも一方を用いることにより、隔膜間に圧力
差を有することができるため、隔膜を介したイオンの移
動を促進させることで、大量の電解質を用いなくても短
時間で効率よく強アルカリ水や強酸性水を得ることがで
きる。
【0013】請求項5に記載の発明は、加圧手段が、電
解により生じるガスを用いるガス圧生成手段であること
によって、時間と共にガスが充満して内圧が高くなり、
隔膜間の圧力差が大きくなるため、陽極室と陰極室のイ
オン濃度の差が時間と共に少なくなってイオン移動が困
難になるのを防ぐことができる。
【0014】請求項6に記載の発明は、ガス圧生成手段
が陽極室と陰極室に設けられたガス抜き用の通孔を調節
することにより、外部に放出されるガス量を調節するこ
とで、簡単な構造で電解によって生じるガスを利用して
隔膜間に圧力差を設けることができる。
【0015】請求項7に記載の発明は、陽極室あるいは
陰極室の少なくとも一方を、水を連続して供給し流水状
態で電解を行う流水電解室とすることにより、大量の電
解水を得ることができる。また、通常の流水式の電解水
生成装置では酸化力の強い酸性水や還元力の強いアルカ
リ水を得ようとした場合、電極の大型化が必要となり大
電力が必要となるとともに複雑な構成が必要となり、装
置全体のコストアップとなるが、隔膜間に圧力差を設け
ることで、隔膜を介したイオンの移動を促進させること
ができるため、単純な構造で強アルカリ水や強酸性水を
得ることができる。
【0016】請求項8に記載の発明は、電解される被電
解水の流量を調整することにより、隔膜間に圧力差を有
することができるため、隔膜を介したイオンの移動を促
進させることで、大量の電解質を用いなくても短時間で
効率よく強アルカリ水や強酸性水を得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。
【0018】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例における電解水生成装置の構成図を示すものである。
図1において、11は電解槽であり、隔膜12によって
陽極室13と陰極室14が形成されており、陽極室13
と陰極室14の水位にはhだけ差がついている。また、
陽極15および陰極16が隔膜12を介して対向配置さ
れている。なお、隔膜12として陽イオン交換膜を用い
ている。電解槽の下方には陽極水出口17と陰極水出口
18が設けられており、上方には給水口19を有する着
脱自在の蓋20が設けられている。蓋20には原水に含
まれる異物を濾過するフィルタ部材21が設けられてお
り、ここでは原水のスケール成分となる陽イオンを除去
して軟水化するイオン交換樹脂が設けられている。ま
た、蓋20には、給水口19より供給された水を電解槽
11に注水するための注水口22が陽極室13の上部に
設けられている。また注水口22は、電解時に陽極室か
ら生成される塩素ガスや酸素ガス、陰極室から生成され
る水素ガスを外部に排気する役割も担っている。陰極室
14には、所定量以上に供給された水を排水するための
排水口23が設けられており、所定量以上の水は排水路
24より排出される。
【0019】25は着脱自在のキャップ26および電解
質床27を有する食塩タンクであり、ここでは電解質と
して食塩(塩化ナトリウム)が充填されている。なお電
解質としては、食塩のほかに珪酸塩、炭酸塩、重炭酸塩
などの水溶性電解質を用いることができる。食塩タンク
25には陽極室13の上部に設けられた食塩タンク給水
口28からパルスポンより構成される給液手段29によ
って電解槽11に入れられた原水が導入路30を経て食
塩タンク25の上方に送られる。導入された水は食塩と
混合して過飽和食塩水となり、電解質床27および給塩
路31を通じて食塩供給口32から食塩溶液が陽極室1
3に供給される構成となっている。
【0020】ここで、給塩路31の食塩供給口32近傍
には陽極室13の原水の侵入を阻止する方向に逆止弁3
3が設けられている。陰極水出口18の下流にはギヤー
ドポンプなどの比較的大流量を制御する吐出手段34が
設けられており、駆動されることで吐出路35を通じ
て、陰極室14で生成されたアルカリ水が吐出口36か
ら電解水容器37に取水される。また陽極水出口17の
下流には酸性水排水弁38が設けられており、酸性水排
出手段39によって制御されている。そして、陽極室1
3で生成された酸性水は、酸性水排出手段39が酸性水
排水弁38を開くことにより、排水路24から排出され
る。
【0021】40は後述する操作パネル41と制御回路
42から成る制御手段であり、電解水容器37の存在を
検知する容器検知手段43の信号が制御回路42に入力
され、容器検知手段43によって電解水容器37が吐出
口36の対向位置に存在する時のみ取水動作を行うよう
に構成されている。また44はパルスポンプからなる給
液手段29の駆動パルスをカウントするパルスカウンタ
であり、累積パルス数をカウントすることで食塩の消費
量が擬似的に検出され、所定パルス数に達した時点で食
塩補給の報知を行うように構成されている。
【0022】操作パネル41は図2に示すように電源ス
イッチ45と電解スイッチ46および取水スイッチ47
を有するとともに容器検知手段43によって電解水容器
が存在することを報知する容器セット報知手段48とパ
ルスカウンタ44の累積パルスが所定値に達した時点で
食塩補給を報知する食塩補給報知手段49を有してお
り、電解スイッチ46を投入することで制御回路42が
動作して給液手段29、陽/陰極15、16が駆動され
るように構成されている。そして、取水スイッチ47を
投入することで、吐出手段34が駆動されるように構成
されている.以上のように構成された電解水生成装置に
ついて、以下その動作、作用を説明する。
【0023】電解前に給水口19から電解槽11の所定
水位まで原水を入れる。この際、原水は陽イオン交換樹
脂からなるフィルタ部材21を通過することとなり、原
水に含まれる比較的大きな異物が濾過されるとともに、
カルシウム、マグネシウムイオンなどの陽イオンが除去
されて軟水化される。バッチ方式では水道に直結せず、
食塩水生成時点で異物が混入する可能性があり、電解に
よってその異物が隔膜に付着して隔膜を劣化させる場合
があるが、フィルタ部材21で濾過することにより異物
混入が防止されて隔膜12の長寿命化が図れる。
【0024】また、水道水の硬度(導電率)には大きな
ばらつきがあり、例えば硬水では水酸化カルシウムなど
のスケール成分を多く含み、陰極16へのスケール析出
にばらつきが発生するとともに、所定時間電解した場
合、硬度によってpH値にばらつきが生じるが、給水時に
陽イオン交換樹脂を通過することで、軟水化されるので
硬度差によるpH値のばらつきが解消されるとともに、陰
極16へのスケール析出を低減できる。
【0025】そして、フィルタ部材21を通過した水
は、まず陽極室13の上部に設けられた注水口22を通
り陽極室13に注ぎ込まれる。そして、陽極室13から
あふれ出た水が陰極室14に流れ込むことにより電解槽
11に水が供給される。なお、使用者が所定量以上の水
を電解槽11に供給した場合、余分な水は排水口23、
排水路24を通り排出される。このことにより、使用者
は水位差を付けることを意識することなく、容易に陽極
室13と陰極室14の水位にhだけ差をつけることがで
きる。
【0026】次に、図2に示した操作パネル41の電源
スイッチ45を投入し、電解スイッチ46を投入するこ
とで電解動作が開始される。
【0027】洗浄水生成時の電解動作について図3に示
したタイムチャートに基づいて説明する。電解スイッチ
46を投入すると、まず給液手段29が所定時間tpだ
け駆動され、陽極室13の原水が導入路30を経て食塩
タンク25に送られる。食塩タンク25は水密状態に構
成されており、原水が導入されることにより飽和状態の
食塩水が電解質床27、給塩路31、逆止弁33を経て
食塩供給口32から陽極室13内に所定量供給され、所
定濃度の食塩希釈水となる。次いで制御回路42が動作
して陽極15と陰極16間に逆極性、つまり陽極15側
を−極、陰極16側を+極として電流が所定時間tr印
可される。これにより前回の電解によって陰極16の表
面に析出したスケール成分が酸化還元されて洗浄され
る。すなわち、原水には各種のイオンが含まれており、
特にカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの陽イ
オンは陰極室14側の水酸基と反応して水酸化カルシウ
ムや水酸化マグネシウムとなり、溶解限界を越えると陰
極16や隔膜12の表面に析出し、電解電流の妨害因子
となるが、電解前に逆電洗浄を所定時間tr行うことで
良好に洗浄されてスケール成分が分解され、電極の長寿
命化が実現できる。
【0028】その後通常極性で所定時間teだけ電解さ
れる。電解時の陽極室13では(化1)に示した反応が
生じて酸性水が生成される。
【0029】(化1) 2Cl-→Cl2↑+2e- Cl2+H2O→HCl+HClO 2H2O→O2↑+4H++4e- 一方、陰極室14では化式2に示した反応が生じて水酸
基OH-を中和するためナトリウムイオンが隔膜12を
通過して移動し、アルカリ水が生成される。
【0030】(化2) 2H2O+2e-→H2↑+2OH- Na++e-→Na 2Na+2H2O→2NaOH+H2↑ ここで、陽極室13のみに食塩溶液が供給されるので短
時間に還元力の強いアルカリ水が得られる。すなわち、
陽極15と陰極16間に電圧が印可されると被電解水に
含まれるイオンは電気吸引力により陽/陰極15、16
と逆極性のイオンが隔膜12を通過して移動することと
なる。したがって陽極室13に導入された食塩に含まれ
るナトリウムイオンは隔膜12を経て陰極室14へと即
座に移動する。この電気吸引力以外にも例えば拡散理論
にしたがえば、ナトリウムイオンが拡散によってイオン
濃度を均一にするように作用する。
【0031】しかし、陰極室14内の圧力が陽極室13
内の圧力よりも高い場合、ナトリウムイオンの移動が妨
げられ、陰極室14に生成されるアルカリ水のナトリウ
ムイオン濃度が上がらず、その結果pHが低くなってしま
う。2Aの電流を10分間流し、400ccのアルカリ
水を得る場合、陰極室14の水位を陽極室13の水位よ
りも40mm高くすると、アルカリ水のナトリウムイオン
濃度は510ppmであり、pHは12.0であった。
【0032】そこで、本実施例のように陽極室13内の
圧力が陰極室14内の圧力より高くなるように水位差を
つけると、陽極室13から陰極室14へのナトリウムイ
オンの移動が促進されるため、ナトリウムイオン濃度が
高く、pHの高いアルカリ水を得ることができる。前述の
例の場合、水位差hを40mmに設定すると、アルカリ水
のナトリウムイオン濃度は、陰極室14内の圧力が陽極
室13内の圧力よりも高い場合と比べ、30%増の67
0ppmであり、pHは12.2であった。これは、電解
効率で1.6倍の値である。
【0033】また、時間と共に陽極室13と陰極室14
のナトリウムイオン濃度差が少なくなり、さらにナトリ
ウムイオンは移動の際に少量の水分子を伴って移動する
ため、陽極室13の水位が下がり陰極室14の水位が上
がっていく。そのため、ナトリウムイオンの移動が困難
になってしまう。そこで、あらかじめ電解中は陽極室1
3と陰極室14の水位差が逆転しないような水位差にh
を設定することが望ましい。
【0034】この結果、短時間に還元力の強いアルカリ
水が得られる。この還元力の強いアルカリ水は油脂の鹸
化や乳化作用および蛋白質に対する加水分解作用を有
し、家具や住宅建材、電気製品などの表面の洗浄水とし
て利用できる。
【0035】また陽極室13のみに食塩溶液が供給され
ることで陰極室14には塩素イオン濃度の低いアルカリ
水が生成される。塩素イオンは洗浄力を阻害する因子と
なるため、陽極室13のみに食塩溶液が供給することで
洗浄力の高いアルカリ水を生成できる。
【0036】さらに、本実施例では隔膜として陽イオン
交換膜を用いることにより、陽極室13の水位が陰極室
14の水位よりも高くても塩素イオンが陽極室13から
陰極室14に移動することを防いでいる。しかし、陽極
室13と陰極室14の水位差hが大きすぎると圧力差に
よって塩素イオンが陽極室13から陰極室14へ染み出
してしまう。そこで、hは大きくても80mm以下である
ことが望ましい。これは、水位差hが80mm以上である
と、水位差が無いあるいは陽極室13の水位が陰極室1
4の水位よりも高い場合に比べて3倍以上もの塩素イオ
ンがアルカリ水中に含まれてしまうからである。
【0037】陽極室13に生成される塩素ガスCl
2↑、酸素ガスO2↑および陰極室14に生成される水素
ガスH2↑は注水口22、フィルタ部材21を通過して
外部に排出される。
【0038】そして、所定時間te電解を行った後、酸
性水排水手段39が制御手段40によって一定時間作動
し、酸性水排水弁38を開くことで排水路24から酸性
水を排出させる。このことにより、電解終了後に水位差
が解除されるため、隔膜12を介しての酸性水とアルカ
リ水の浸透混入が防止できる。そして、使用者が取水ス
イッチ47を押すと、吐水手段34が駆動し、吐出路3
5を通過して吐出口36から電解水容器37に注入され
る。なお、この時電解水容器37が吐出口36に対向す
る位置に載置されていない場合は容器検知手段43によ
って検出され、取水動作に移行しない。これにより誤っ
て容器外に電解水を吐出することがなくなる。なお、取
水スイッチを設けず、制御手段40により、電解終了後
直ちに吐水手段34を駆動し、アルカリ水を取り出す方
式にしてもよい。この場合も電解隔膜を介しての酸性水
とアルカリ水の浸透混入による中和が防止でき、pH値の
劣化が防止できる。また、電解水容器37には噴霧機構
(図示せず)を設けて被洗浄面に直接スプレー噴霧して
使用することもできる。
【0039】本実施例では、陽極室13で生成される酸
性水は、酸性水排水手段39が作動することにより、酸
性水排水弁38が開き、排水路24より排出される。し
かし、陽極室13の陽イオンが陰極室14に移動するた
め、この酸性水は塩素イオンリッチでpHの低い強酸性水
であるので、殺菌水として利用してもよい。
【0040】また、パルスカウンタ44はパルスポンプ
から構成される給液手段29の駆動信号であるパルス数
をカウントする。このパルス数によって食塩の消費量が
決まり、所定パルス数すなわち食塩タンク25内の食塩
残量が少なくなった時点で操作パネル41の食塩補給報
知手段49が点灯もしくは点滅し、食塩の補給が使用者
に報知される。
【0041】また、給塩路31に逆止弁33を設けたの
で陽極室13への給水時に食塩タンク25側への原水の
逆流が防止され、電解質溶液の原水逆流による希釈が防
止される。この結果、常に所望の濃度の電解質溶液が精
度良く食塩供給口32から電解槽へ供給されることとな
り、安定したpH値が得られる。
【0042】さらに、陽極室13側の水を食塩タンク2
5に供給する構成としているので、陰極16や陰極室1
4内に生成されるスケール片による給液手段29の目詰
まりを防止できる。すなわち電解を行うことで原水に含
まれるカルシウムやマグネシウムイオンが水酸基と反応
して水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムなどのスケ
ールとなって陰極16や陰極室14壁面に付着し、電解
槽11に原水を入れる際の剥離作用によって微少なスケ
ール片となって原水に混入される場合がある。したがっ
て陰極室14側の水を食塩タンク25に供給する構成と
した場合、微少流量を制御する給液手段29にスケール
片が堆積して目詰まりが発生し、電解質溶液が供給され
なくなる場合があるが、陽極室13側の水を食塩タンク
25に供給することで上記不具合が防止され、給液手段
29の長寿命化が図れる。
【0043】なお、本実施例では陽極室13の水位を陰
極室14の水位よりもhだけ高くし、ナトリウムイオン
の移動を促進させて強アルカリ水と強酸性水を得る構成
にしたが、陰極室14の水位を陽極室13の水位よりも
高くすることで、塩素イオンの移動を促進させて強酸性
水と強アルカリ水を得る構成にしてもよい。なお、この
場合は隔膜として陰イオン交換膜を用いることで、より
効果的に塩素イオンを移動させることができる。また、
陰極室14に供給される水道水中の塩素イオンも陽極室
13に移動するため、塩素イオン濃度の低い強アルカリ
水を得ることができる。
【0044】(実施例2)図4は本発明の第2の実施例
の電解水生成装置の構成図である。なお、実施例1の電
解水生成装置と同一構造のものは同一符号を付与し、説
明を省略する。同図において、実施例1と異なる点は、
陽極室13と陰極室14にそれぞれガス抜き用の通孔で
ある陽極通孔51、陰極通孔52を備えた着脱自在の陽
極室蓋53と陰極室蓋54が設けられ、減圧手段として
陰極室蓋54の上に排気手段55が、加圧手段としてガ
ス圧生成手段が設けられている点である。このガス圧生
成手段は、陽極通孔51の孔径を小さくすることで電解
によって陽極室13で生成される酸素ガスや塩素ガスを
充満させるものである。これら減圧手段(排気手段55
と加圧手段(陽極室通孔51)によって、隔膜12間に
圧力差を設けている。
【0045】上記構成において次に動作、作用について
説明する。なお、実施例1の電解水生成装置と同じ動
作、作用のものは説明を省略する。
【0046】まず使用者は、陽極室蓋53および陰極室
蓋54を空け、中に水を供給する。この際、実施例1の
ようにフィルタを通した水を供給することで、異物やス
ケール成分を除去することができる。なお、陽極室13
と陰極室14に水を供給する際に実施例1のように水位
に差をつける必要は無いが、水位差を設けることでより
効率的にイオンの移動を促進することができる。
【0047】そして、電解を行うと、化式1、化式2の
反応が起こり、陽極室13からは塩素ガスと酸素ガス
が、陰極室14からは水素ガスが発生する。このガスは
それぞれ陽極通孔51と陰極通孔52より外部に排気さ
れるが、本実施例では、加圧手段(ガス圧生成手段)と
して、陽極通孔51を小さく設計しているため、陽極室
13にガスが充満し陽極室13内の圧力が増加する。ま
た、陰極室14から発生した水素ガスは排気手段55
(減圧手段)によって陰極室14内の空気と共に外部に
排気されるため、陰極室14内の圧力が減少する。これ
ら減圧手段(排気手段55)と加圧手段(陽極室通孔5
1)によって、隔膜12間に圧力差が設けられている。
【0048】また、電解を行うと共に、ナトリウムイオ
ンの移動に伴い陽極室13と陰極室14のナトリウムイ
オン濃度に差が少なくなり、ナトリウムイオンが陽極室
13から陰極室14へ移動しにくくなるが、電解を行う
と共にガスがさらに充満し、陽極室13内の圧力が増す
ことで、隔膜12間の圧力差が増していくため、ナトリ
ウムイオン移動促進効果が持続される。
【0049】なお、電解終了後に陽極通孔51を大きく
し、陽極室13内に充満したガスを開放する構成にする
ことで、陽極室13内の圧力を開放し、陽極室13内と
陰極室14内の圧力差を解除することができるので、電
解終了後の隔膜12を介しての酸性水とアルカリ水の浸
透混入が防止できる。
【0050】なお、本実施例では加圧手段によって陽極
室13内の圧力を増加させ、減圧手段によって陰極室1
4内の圧力を減少させることにより、ナトリウムイオン
の移動を促進させて強アルカリ水と強酸性水を得る構成
にしたが、加圧手段が陰極通孔52を小さくすることで
陰極室14内の圧力を増加させ、減少手段が陽極室13
内の圧力を減少することで、塩素イオンの移動を促進さ
せて強酸性水と強アルカリ水を得る構成にしてもよい。
なお、この場合は隔膜として陰イオン交換膜を用いるこ
とで、より効果的に塩素イオンを移動させることができ
る。また、陰極室14に供給される水道水中の塩素イオ
ンも陽極室13に移動するため、塩素イオン濃度の低い
強アルカリ水を得ることができる。
【0051】(実施例3)図5は本発明の第3の実施例
の電解水生成装置の構成図である。なお、実施例1の電
解水生成装置と同一構造のものは同一符号を付与し、説
明を省略する。同図において、実施例1と異なる点は、
陽極室13の陽極水出口17に対向する位置に陽極室給
水口61を、陰極室14の陰極水出口18に対向する位
置に陰極水給水口62を設け、水道蛇口63から連続し
て水を給水して電解を行う点である。また、陽極水出口
17を絞ることにより、陽極室13内の圧力を増加させ
て隔膜12間に圧力差を設けている。
【0052】上記構成において次に動作、作用について
説明する。なお、実施例1の電解水生成装置と同じ動
作、作用のものは説明を省略する。
【0053】まず、水道蛇口63を開き、図6に示した
操作パネル41の電源スイッチ45を投入した後、電解
スイッチ46を投入すると、制御回路42が動作して給
水弁64を開き、水を陽極室13と陰極室14に供給す
る。同時に制御回路は給液手段29を駆動し、飽和状態
の食塩水が陽極室13に供給され、陽極室給水口61か
ら供給される水と混合し、所定濃度の食塩水となる。本
実施例では、実施例1と異なり、水が連続的に供給され
るため、電解中は陽極室13内の食塩濃度が所定濃度に
なるように給液手段29によって高濃度の食塩溶液が連
続的に供給される。
【0054】そして、陽極15、陰極16に通電を行う
ことで水が電気分解され、陽極室13には酸性水が、陰
極室14にはアルカリ水が生成される。生成された酸性
水は陽極水出口17を通り排水弁39から排出される。
一方、生成されたアルカリ水は陰極水出口18、吐出路
35を通り排出口36から電解水容器37に注入され
る。ここで、陽極水出口17を絞ることにより、陽極室
13内の圧力を増加させて陽極室13から陰極室14へ
のナトリウムイオンの移動を促進させている。このこと
によって、ナトリウムイオン濃度の高い強アルカリ水を
大量に得るものである。なお、本実施例では、陽極室1
3で生成される酸性水を排出しているが、この酸性水は
ナトリウムイオンなどの陽イオンが陰極室14に移動し
ているため、塩素イオンリッチでpHの低い強酸性水であ
るので、容器(図示せず)に取水して殺菌水として利用
してもよい。
【0055】なお、本実施例では陽極水出口17を絞る
ことにより陽極室13内の圧力を陰極室14の圧力より
も高くし、ナトリウムイオンの移動を促進させて強アル
カリ水と強酸性水を生成する構成にしたが、陰極水出口
18を小さくして陰極室14内の圧力を陽極室13内の
圧力よりも高くすることで、塩素イオンの移動を促進さ
せて強酸性水と強アルカリ水を得る構成にしてもよい。
なお、この場合は隔膜として陰イオン交換膜を用いるこ
とで、より効果的に塩素イオンを移動させることができ
る。また、陰極室14に供給される水道水中の塩素イオ
ンも陽極室13に移動するため、塩素イオン濃度の低い
強アルカリ水を得ることができる。
【0056】また、本実施例では陽極室13と陰極室1
4の両方とも連続して水を供給し、流水状態で電解を行
う流水電解方式で電解水を生成したが、陽極室13と陰
極室14のいずれか一方を、水を滞留させた状態で電解
を行う滞留電解方式とした構成において隔膜12間に圧
力差を有することで、同様の効果を得ることができる。
また、この場合、陽極室13を滞留電解方式とし、陰極
室14を流水電解方式にすることで、排水される酸性水
の量を減らすことができる。逆に陰極室14を滞留電解
方式とし、陽極室13を流水電解方式とすると、よりpH
の高いアルカリ水を得ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上のように、請求項1から8に記載の
発明によれば、陽極室内と陰極室内の圧力差によりイオ
ンの移動を促進させることで、大量の電解質を用いなく
ても短時間で効率よく強電解水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における電解水生成装置の構
成図
【図2】本発明の実施例1における操作パネルの構成図
【図3】本発明の実施例1における給液手段、電解電
流、吐出手段の動作を示すタイチャート
【図4】本発明の実施例2における電解水生成装置の構
成図
【図5】本発明の実施例3における電解水生成装置の構
成図
【図6】本発明の実施例3における操作パネルの構成図
【図7】従来の電解水生成装置の構成図
【符号の説明】
11 電解槽 12 隔膜 13 陽極室 14 陰極室 15 陽極 16 陰極 17 陽極水出口(被電解水流量調節手段) 18 陰極水出口 51 陽極通孔(ガス圧生成手段、加圧手段) 52 陰極通孔 55 送風手段(減圧手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桶田 岳見 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岡 浩二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 白井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4D061 DA03 DB07 DB08 EA02 EB05 EB12 EB16 EB37 EB39 ED13 FA08 FA13 GA30 GC02 GC04 GC16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隔膜を介して陽極室と陰極室を形成し、
    少なくとも1組の電極を配設し、前記陽極室と前記陰極
    室の水を電解する電解槽を備え、前記隔膜間に圧力差を
    有する電解水生成装置。
  2. 【請求項2】 陽極室と陰極室の水位を異ならせること
    により、隔膜間に圧力差を有する請求項1に記載の電解
    水生成装置。
  3. 【請求項3】 陽極室と陰極室のいずれか一方に水を供
    給し、あふれた水が他方に供給される請求項2に記載の
    電解水生成装置。
  4. 【請求項4】 陽極室内あるいは陰極室内の圧力を増減
    させる加圧手段あるいは減圧手段の少なくとも一方を用
    いることにより、隔膜間に圧力差を有する請求項1に記
    載の電解水生成装置。
  5. 【請求項5】 加圧手段が、電解により生じるガスを用
    いるガス圧生成手段である請求項4に記載の電解水生成
    装置。
  6. 【請求項6】 ガス圧生成手段が陽極室と陰極室に設け
    られたガス抜き用の通孔を調節する請求項5に記載の電
    解水生成装置。
  7. 【請求項7】 陽極室あるいは陰極室の少なくとも一方
    を、水を連続して供給し流水状態で電解を行う流水電解
    室とする請求項1に記載の電解水生成装置。
  8. 【請求項8】 電解される被電解水の流量を調整するこ
    とにより、隔膜間に圧力差を有する請求項7に記載の電
    解水生成装置。
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JP2020026576A (ja) * 2018-05-16 2020-02-20 住友金属鉱山株式会社 硫酸溶液の製造方法およびこの製造方法で用いられる電解槽

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