JP2002320290A - スピーカ用部品およびその製造方法 - Google Patents

スピーカ用部品およびその製造方法

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JP2002320290A
JP2002320290A JP2001121280A JP2001121280A JP2002320290A JP 2002320290 A JP2002320290 A JP 2002320290A JP 2001121280 A JP2001121280 A JP 2001121280A JP 2001121280 A JP2001121280 A JP 2001121280A JP 2002320290 A JP2002320290 A JP 2002320290A
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rubber
fibers
fiber
rubber material
short fibers
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JP2001121280A
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Toshihiro Ishigaki
敏宏 石垣
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Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
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Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Electronic Corp
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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R7/00Diaphragms for electromechanical transducers; Cones
    • H04R7/16Mounting or tensioning of diaphragms or cones
    • H04R7/18Mounting or tensioning of diaphragms or cones at the periphery
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    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温の環境下においても、振動系部品を正常
な振動状態に支持することが出来るスピーカ用部品を提
供する。 【解決手段】 長さ1.0〜10mmの熱によって軟化
し難い短繊維が0.1〜10重量パーセント添加されて
いるゴム材料によってスピーカ用エッジが成形され、短
繊維がこのエッジの径方向に配向されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピーカ用部
品、特に、振動系の部品を支持する弾性部品およびその
製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、スピーカの振動
系部品を支持する弾性部品、例えば、振動板の外周部に
取り付けられて振動板をフレームに対して振動自在に支
持するエッジには、IIR(イソブチレン-イソプレン-
ラバー)やSBR(スチレン-ブタジエン-ラバー)系、
NBR(アクリロニトリル-ブタジエン-ラバー)、EP
DM(エチレン-プロピレン-エチレンノルボルネン)等
のゴム材料が使用されており、そのゴム硬度は50°,
60°,70°,80°が主に使用されている。
【0003】しかしながら、このような従来のゴム材料
によって成形されたエッジは、そのゴムの種類や硬度を
変更すると、スピーカの音質が大きく変化して、微調整
が非常に難しいという問題点を有している。
【0004】また、スピーカは、通常、振動板と磁気回
路のユニットがスピーカ・ボックス内に取り付けられる
ことによって構成されており、このため、音響出力時に
おいて、振動板がその振動によってスピーカ・ボックス
の前方向(スピーカ・ボックス内から外方向)に突出す
る時に、スピーカ・ボックス内部の気圧が外気に対して
負圧となる。
【0005】このため、この振動板の前方向への振動時
に、振動板をフレームに対して支持しているエッジに
は、このエッジをスピーカ・ボックスの内側方向に引き
込もうとする力が作用する。
【0006】このため、例えば自動車に搭載される車載
用スピーカなどのように、高温の環境下で使用されるス
ピーカにおいては、従来のゴム材料によって成形された
エッジでは、ゴム材料が高温によって軟化した際に、振
動板の振動時のスピーカ・ボックス内外の圧力差に対し
てその形状を維持するための強度が失われて、振動板の
振動に追従することが出来なくなり、その結果、エッジ
がスピーカ・ボックスの内側方向に吸い込まれる、いわ
ゆる「吸い込み」という現象が発生する場合がある。
【0007】すなわち、図8に示されるように、エッジ
1は、振動板3とフレーム2の間に介装されていて、振
動板3をフレーム2に対してスピーカ・ボックスの内外
方向(図8において上下方向)に振動自在に支持してい
る。
【0008】そして、このエッジ1が図示の様にスピー
カ・ボックスの外向き(図8において上向)に膨らんだ
形状を維持している状態においては、このエッジ1によ
って、振動板3が、(a)の定位置を挟んで(b)のス
ピーカ・ボックスの内方向への振幅位置と(c)の外方
向への振幅位置との間での正常な振動状態に保持され
る。
【0009】しかし、高温環境下においてエッジ1を形
成するゴム材料が軟化して、エッジ1の強度が低下する
と、図9に示されるように、振動板3の振動によって発
生するスピーカ・ボックスの内外の圧力差によって、エ
ッジ1がスピーカ・ボックスの内側方向(図9の下側方
向)に引き込まれてしまい、振動板3は、(a)の定位
置を挟んで(b)のスピーカ・ボックスの内方向への振
幅位置と(c)の外方向への振幅位置間を振動する間、
変形したエッジ1によって支持されることになる。
【0010】このため、振動板3が正常な振動を行うこ
とが出来なくなり、異常音を発生させたり故障の原因に
なるといった問題を有している。
【0011】特に、近年、オーディオシステムの小型化
によってスピーカ・ボックスの小型化が要求されている
ことに加えて、スピーカのハイパワー化も進んでいるた
めに、振動板の振動時におけるスピーカ・ボックスの内
外の圧力差も大きくなって、上述したようなエッジの
「吸い込み」が大きな問題になっている。
【0012】この発明は、上記のような従来のスピーカ
の振動系部品を支持する弾性部品が有している問題点を
解決するために為されたものである。すなわち、この発
明は、高温の環境下においても、振動系部品を正常な振
動状態に支持することが出来るスピーカ用部品を提供す
ることを第1の目的としている。
【0013】さらに、この発明は、上記第1の目的を達
成することが出来るスピーカ用部品の製造方法を提供す
ることを第2の目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】第1の発明によるスピー
カ用部品は、上記第1の目的を達成するために、長さ
1.0〜10mmの短繊維が添加されたゴム材料によっ
て、短繊維が所定の方向に配向された状態で成形されて
いることを特徴としている。
【0015】この第1の発明によるスピーカ用部品は、
例えば、エッジなどのようなスピーカの振動系部品を支
持する弾性部品の基材となるゴム材に長さ1.0〜10
mmの短繊維が添加されて練り込まれた後、このゴム材
料が、短繊維が部品の所定の方向に配向されるように押
し伸ばされてスピーカ用部品の所要の形状に成形される
ことにより、製造される。
【0016】したがって、この第1の発明によれば、ス
ピーカ用部品の基材となるゴム材料に添加されて所要の
方向に配向された短繊維によって、スピーカ用部品が、
その短繊維の配向方向において剛性が高められるととも
に、高温環境においても軟化し難くなるので、振動板の
振動によって発生するスピーカ・ボックスの内外の圧力
差によって変形するのが防止される。
【0017】このスピーカ用部品の剛性や耐軟化性など
の物性は、短繊維の種類や長さ,ゴム材料への添加量な
どを調整することによって、任意に調整することが出来
る。
【0018】そして、ゴム材料に添加される短繊維の長
さを1.0〜10mmとすることによって、ゴム材料に
対してスピーカ用部品に必要な剛性を付与することが出
来るとともに、ゴム材料に容易に練り込むことが出来る
ようになる。
【0019】第2の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記短繊維が、ゴム材料に対して0.1〜10重量
パーセント添加されていることを特徴としている。
【0020】この第2の発明によるスピーカ用部品によ
れば、ゴム材料に添加される短繊維の量が、ゴム材料に
対して0.1〜10重量パーセントに設定されることに
よって、ゴム材料に対してスピーカ用部品に必要な剛性
を付与することが出来るとともに、ゴム材料への練り込
みを容易にし、さらに、短繊維の添加量が過多になるこ
とによってゴム材料が脆くなるのを防止することが出来
る。
【0021】第3の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記短繊維が、アラミド繊維,PBO繊維,液晶ポ
リマ繊維,金属繊維,アクリル繊維,ボロン繊維,アモ
ルファス繊維,セラミックス繊維,炭化ケイ素繊維,フ
ッ素樹脂繊維,アセテート繊維,絹繊維の中から選択さ
れた1または2種以上の短繊維であることを特徴として
いる。
【0022】この第3の発明によるスピーカ用部品によ
れば、スピーカ用部品を形成する基材となるゴム材料
に、ゴム材料よりも高温において軟化し難い種類の短繊
維が添加されることにより、高温環境下においてゴム材
料のヤング率が低下してスピーカ用部品が軟化するのが
防止され、スピーカ用部品に作用する外力によってスピ
ーカ用部品が変形するのが防止される。
【0023】そして、ゴム材料に添加される短繊維が上
記の繊維の中から選択されることによって、ゴム材料へ
の練り込みの際に短繊維が分断されて、この短繊維によ
る高温環境下における軟化防止効果が減少するのが防止
される。
【0024】第4の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記ゴム材料が、IIR,NBR,SBR,EPD
M,クロロプレンゴム,イソプレンゴム,エチレンプロ
ピレンゴム,ポリノルボルネンゴム,シリコンゴム,エ
ピクロルヒドリンゴム,天然ゴムの中の少なくとも1種
を主材料としていることを特徴としており、このゴム材
料に短繊維が添加されてスピーカ用部品が成形される。
【0025】第5の発明によるスピーカ用部品は、前記
第1の目的を達成するために、第1の発明の構成に加え
て、前記ゴム材料によって成形されるスピーカ用部品が
振動板を支持するエッジであり、短繊維がエッジのほぼ
径方向に沿って配向されていることを特徴としている。
【0026】この第5の発明によるスピーカ用部品によ
れば、スピーカの振動板の外周縁に取り付けられてこの
振動板をフレームに対して振動自在に支持するエッジ
が、その基材となるゴム材料に高温において軟化し難い
短繊維が添加され、さらに、この短繊維がエッジの径方
向に配向された状態で成形されていることによって、エ
ッジの径方向における剛性が高められるとともに、エッ
ジが高温環境においても軟化し難くなるので、振動板の
振動にともなって発生するスピーカ・ボックス内外の圧
力差によってエッジがスピーカ・ボックスの内側に引き
込まれて変形する所謂「吸い込み」現象が発生するのが
防止される。
【0027】第6の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、長さ1.0〜
10mmの短繊維が添加されたゴム材料をローラによっ
て練り込むことにより短繊維をローラの送り方向に配向
させる練り工程と、この練り工程によって練られたゴム
材料を短繊維の配向方向とほぼ直交する方向に切断して
所要の幅を有するゴムコンパウンドを製作する製作工程
と、この製作工程によって製作されたゴムコンパウンド
をプレスしてこのゴムコンパウンドを短繊維のほぼ配向
方向に沿って押し伸ばすことによりスピーカ用部品の所
要の形状に成形するプレス工程とを備えていることを特
徴としている。
【0028】この第6の発明によるスピーカ用部品の製
造方法によれば、先ず、練り工程においてゴム材料に長
さ1.0〜10mmの短繊維が添加されて練り込まれ、
さらに、ローラによって押し伸ばされることによって、
添加されている短繊維がゴム材料のローラによる送り出
し方向に沿って配向される。
【0029】そして、次に、製作工程において、練り工
程において練られたゴム材料が短繊維の配向方向とほぼ
直交する方向に切断された所要の幅を有するゴムコンパ
ウンドが製作され、さらに、次のプレス工程において、
このゴムコンパウンドがプレスされて、短繊維の配向方
向にほぼ沿う方向に押し伸ばされることにより、所要の
形状を有するスピーカ用部品が成形される。
【0030】この第6の発明によれば、スピーカ用部品
の基材となるゴム材料に短繊維を添加するとともにこの
短繊維を所要の方向に容易に配向させることが出来、こ
れによって、短繊維の配向方向における剛性が高められ
て高温環境においても軟化し難く、振動板の振動によっ
て発生するスピーカ・ボックスの内外の圧力差によって
正規の形状から変形することがないスピーカ用部品の提
供が可能になる。
【0031】第7の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、第6の発明の
構成に加えて、前記練り工程において、短繊維をゴム材
料に対して0.1〜10重量パーセント添加することを
特徴としている。
【0032】この第7の発明によるスピーカ用部品の製
造方法によれば、練り工程においてゴム材料に添加され
る短繊維の量を、ゴム材料に対して0.1〜10重量パ
ーセントに設定することによって、ゴム材料に対してス
ピーカ用部品に必要な剛性を付与することが出来るとと
もに、ゴム材料への練り込みを容易にし、さらに、短繊
維の添加量が過多になることによってゴム材料が脆くな
るのを防止することが出来る。
【0033】第8の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、第6の発明の
構成に加えて、前記練り工程において、アラミド繊維,
PBO繊維,液晶ポリマ繊維,金属繊維,アクリル繊
維,ボロン繊維,アモルファス繊維,セラミックス繊
維,炭化ケイ素繊維,フッ素樹脂繊維,アセテート繊
維,絹繊維の中から選択された1種または2種以上の短
繊維をゴム材料に添加することを特徴としている。
【0034】この第8の発明によるスピーカ用部品の製
造方法によれば、練り工程において、スピーカ用部品を
形成する基材となるゴム材料に、ゴム材料よりも高温に
おいて軟化し難い種類の短繊維を添加することによっ
て、高温環境下においてゴム材料のヤング率の低下が小
さくなり、これによって、外力による変形が少ないスピ
ーカ用部品の提供が可能になる。
【0035】そして、ゴム材料に添加される短繊維が上
記の繊維の中から選択されることによって、練り工程に
おいてゴム材料に添加された短繊維が分断されて、この
短繊維による高温環境下における軟化防止効果が減少す
るのが防止される。
【0036】第9の発明によるスピーカ用部品の製造方
法は、前記第2の目的を達成するために、第6の発明の
構成に加えて、前記練り工程において、IIR,NB
R,SBR,EPDM,クロロプレンゴム,イソプレン
ゴム,エチレンプロピレンゴム,ポリノルボルネンゴ
ム,シリコンゴム,エピクロルヒドリンゴム,天然ゴム
の中の少なくとも1種を主材料とするゴム材料に短繊維
を添加することを特徴としており、練り工程においてこ
のゴム材料に短繊維が添加されて、スピーカ用部品の成
形が行われる。
【0037】第10の発明によるスピーカ用部品の製造
方法は、前記第2の目的を達成するために、第6の発明
の構成に加えて、前記製作工程において、短繊維が添加
されて練り込まれたゴム材料を短繊維の配向方向とほぼ
直交する方向に切断して帯状のゴムコンパウンドを製作
し、前記プレス工程において、帯状のゴムコンパウンド
を金型の型面内にリング状に仕込んだ後プレスしてその
幅方向に押し伸ばされることにより、スピーカの振動板
を支持するエッジの形状に成形することを特徴としてい
る。
【0038】この第10の発明によるスピーカ用部品の
製造方法によれば、製作工程までの工程において短繊維
が添加されて一方向に配向されているゴム材料が、製作
工程において、短繊維の配向方向とほぼ直交する方向に
切断されて帯状のゴムコンパウンドが製作され、この帯
状のゴムコンパウンドが、金型の型面内において、その
長手方向が円周方向に沿うようにリング状に仕込まれた
後、他方の金型のよってプレスされて、型面に対応した
形状のスピーカ用エッジが成形される。
【0039】そして、この金型によるプレスの際に、型
面内に仕込まれたゴムコンパウンドが、リングの径方向
に沿って押し伸ばされることによって、ゴム材料内に添
加されている短繊維がさらにその径方向に沿うように配
向される。
【0040】これによって、径方向における剛性が高め
られるとともに高温環境においても軟化し難く、振動板
の振動にともなって発生するスピーカ・ボックス内外の
圧力差によってスピーカ・ボックスの内側に引き込まれ
て変形する所謂「吸い込み」現象が発生するのを防止す
ることが出来るエッジを製造することが出来るようにな
る。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明の最も好適と思わ
れる実施形態について、スピーカ用の振動系部品である
エッジを例に挙げて説明を行う。
【0042】この発明の実施形態におけるスピーカ用エ
ッジは、IIR,NBR,SBR,EPDM,クロロプ
レンゴム,イソプレンゴム,エチレンプロピレンゴム,
ポリノルボルネンゴム,シリコンゴム,エピクロルヒド
リンゴム等の合成ゴムまたは天然ゴムの少なくとも1種
を主材料とするゴム材料によって成形され、このゴム材
料に、長さ1.0〜10mmの短繊維、例えば、アラミ
ド繊維,PBO繊維,液晶ポリマ繊維,金属繊維,アク
リル繊維,ボロン繊維,アモルファス繊維,セラミック
ス繊維,炭化ケイ素繊維,フッ素樹脂繊維,アセテート
繊維,絹繊維のうちの1種または複数の短繊維が0.1
〜10重量%添加されて、図1に示されるように、この
短繊維fが、エッジ10の形状に整形されたゴム材R内
においてその径方向に配向されているものである。
【0043】このエッジ10は、基材であるゴム材R
に、ゴム材料と比較して高温において軟化し難い上記の
ような各種繊維が添加され、この添加された短繊維fが
エッジ10の径方向に配向されることによって、その径
方向における剛性が高められるとともに、高温環境にお
いても軟化し難くなって、エッジの所謂「吸い込み」現
象が発生するのを防止することが出来る。
【0044】このような、エッジ10の剛性や耐軟化性
などの物性は、このエッジ10が使用されるスピーカの
特性に合わせて、短繊維fの種類や長さ,添加量を調整
することによって、任意に調整される。
【0045】ここで、ゴム材Rに添加される短繊維fの
長さは、繊維長が1.0mmよりも短い場合には、エッ
ジ10の径方向の剛性をあまり大きくすることができ
ず、また、10mmよりも長い場合には、ゴム材Rと混
ざりに難くなるため、上述したように、1.0〜10m
mが好適である。
【0046】そして、短繊維fの基材となるゴム材Rに
対する添加量が10重量%以上になると、短繊維fとゴ
ム材Rとの混練りが困難になるとともに、ゴム材Rが脆
くなる等の問題が発生するため、その添加量は、前述し
たように、ゴム材Rに対して0.1〜10重量%に設定
するのが好適である。
【0047】また、ゴム材Rに添加される短繊維fを炭
素繊維とすることも考えられるが、この炭素繊維を添加
する場合には、炭素繊維がゴム材Rとの混練り中に分断
されるため、エッジ1の剛性をあまり大きくすることが
出来ず、さらに、炭素繊維が1mm以下にまで分断され
ると、エッジの物性におけるゴム材の特性が支配的にな
って高温環境下における軟化防止効果を期待することが
出来なくなるので、前述した繊維のなかからゴム材Rに
添加する短繊維fを選択するのが、好適である。
【0048】次に、上記エッジ1の製造方法について、
図2ないし5を参照しながら説明を行う。
【0049】エッジ1の製造は、先ず、前述したような
種類のゴム材料と繊維からそれぞれ任意にゴム材Rと短
繊維fを選択し、選択されたゴム材Rに、1.0〜10
mmの短繊維fをゴム材Rに対して0.1〜10重量%
添加した後、混練りする。
【0050】そして、この短繊維fが練り込まれたゴム
材Rを、図2に示される様に、一対のローラ20の間を
通過させることによってシート状に引き延ばしてゆく。
【0051】このゴム材Rが一対のローラ10間におい
て圧延されてその送り方向に沿って引き延ばされてゆく
ことにより、練り込まれているそれぞれの短繊維fが、
図3に示される様に、ゴム材RのシートR1内において
その引き延ばし方向dに沿って配向される。
【0052】次に、このゴム材RのシートR1を、図4
に示されるように、その引き延ばし方向dに対して直角
向き、すなわち、短繊維fが配向されている方向と直交
する方向に、所要の幅mずつ帯状に切断した後、このゴ
ム材Rの帯R1’をリング状にして、図5に示されるよ
うに、固定金型M1に形成された円形の型面Ma内に装
填する。
【0053】図6(a)は、この固定金型M1の型面M
a内にゴム材Rの帯(未加硫ゴムのゴムコンパウンド)
R1’が装填されている状態を示しており、次に、
(b)に示されるように、型面Ma内のゴムコンパウン
ドR1’を可動側金型M2によってプレスすることによ
って、ゴムコンパウンドR1’を、(c)に示されるよ
うな半円形の断面を有するエッジ10に成形する(図1
参照)。
【0054】なお、このとき、固定金型M1と可動金型
M2によるプレス圧によって、ゴムコンパウンドR1’
が、金型の型面に沿って径方向の内側および外側方向
(図(b)において左右の方向)に流れ、ゴム材Rに添
加された短繊維fがエッジ10の径方向に沿ってさらに
配向される。
【0055】以上のようにして、ゴム材R内において短
繊維fが径方向に沿って配向された図1に示されるよう
なエッジ10が成形される。
【0056】なお、ゴム材R内における短繊維fの径方
向への配向は、ゴム材Rに短繊維fが練り込まれたゴム
コンパウンドを金型によってプレスするだけでも、ある
程度は行うことが出来るが、短繊維fの量が多い場合や
ゴム材Rが硬い場合には、短繊維fの配向をうまくコン
トロールすることが出来ず、配向のばらつきによってエ
ッジの形状をうまく出せない場合があるが、上記のよう
な手法によってエッジ1の成形を行うことにより、短繊
維fの量が多い場合や短繊維fの長さが長い場合、さら
には、ゴム材Rの硬度が高い場合などでも、短繊維fを
エッジ10中にその径方向にきれいに配向させることが
出来るようになる。
【0057】図7は、IIR70°(繊維無しゴム材)
とIIR60°〈繊維入りゴム材)によって成形された
エッジ10の径方向におけるヤング率を、周波数に対す
るグラフとして示したものである。
【0058】IIR60°の繊維入りゴム材は、IIR
60°のゴム材に3.0mm長のアラミド繊維を1.5
重量%添加したものであり、この図7から、IIR60
°のゴム材にアラミド繊維を添加して配向させることに
よってゴム材の剛性が増すことにより、室温(23℃)
において、各周波数に亘って、IIR70°の繊維無し
ゴム材とほぼ同等のヤング率を有していることが分か
る。
【0059】そして、高温環境下における軟化の状態を
調べるために、このIIR70°(繊維無しゴム材)と
IIR60°〈繊維入りゴム材)のそれそれのゴム材の
80℃の環境下における状態を比較すると、IIR60
°〈繊維入りゴム材)の方が、IIR70°(繊維無し
ゴム材)よりもヤング率の低下が小さく、高温環境下に
おいてエッジ10が柔らかくなり難くいことが分かる。
【0060】したがって、この繊維入りゴム材によって
スピーカ用エッジを成形すれば、高温環境下において、
エッジに所謂「吸い込み」現象が発生するのを有効に防
止出来ることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態におけるエッジを示す部分
斜視図である。
【図2】同エッジを製造する際の練り工程を示す説明図
である。
【図3】同練り工程によって短繊維が一方向に配向され
ている状態を示す説明図である。
【図4】同エッジを製造するためのゴムコンパウンドの
製作工程を示す説明図である。
【図5】同ゴムコンパウンドが金型に仕込まれている状
態を示す説明図である。
【図6】同ゴムコンパウンドをプレスする工程を示す説
明図である。
【図7】短繊維が添加されたゴム材料のヤング率の温度
による変化を示すグラフである。
【図8】スピーカ用エッジの正常な動作状態を示す説明
図である。
【図9】吸い込みが生じたスピーカ用エッジの動作状態
を示す説明図である。
【符号の説明】
1,10 …エッジ(スピーカ用部品) 2 …フレーム 3 …振動板 20 …ローラ R …ゴム材(ゴム材料) R1 …シート R1’ …ゴムコンパウンド M1 …固定金型 M2 …可動金型 Ma …型面 f …短繊維
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 105:14 B29K 105:14 B29L 31:38 B29L 31:38 Fターム(参考) 4F204 AA45 AB25 AH39 FA01 FA06 FB01 FB02 FN21 5D016 AA12 HA01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ1.0〜10mmの短繊維が添加さ
    れたゴム材料によって、短繊維が所定の方向に配向され
    た状態で成形されていることを特徴とするスピーカ用部
    品。
  2. 【請求項2】 前記短繊維が、ゴム材料に対して0.1
    〜10重量パーセント添加されている請求項1に記載の
    スピーカ用部品。
  3. 【請求項3】 前記短繊維が、アラミド繊維,PBO繊
    維,液晶ポリマ繊維,金属繊維,アクリル繊維,ボロン
    繊維,アモルファス繊維,セラミックス繊維,炭化ケイ
    素繊維,フッ素樹脂繊維,アセテート繊維,絹繊維の中
    から選択された1または2種以上の短繊維である請求項
    1に記載のスピーカ用部品。
  4. 【請求項4】 前記ゴム材料が、IIR,NBR,SB
    R,EPDM,クロロプレンゴム,イソプレンゴム,エ
    チレンプロピレンゴム,ポリノルボルネンゴム,シリコ
    ンゴム,エピクロルヒドリンゴム,天然ゴムの中の少な
    くとも1種を主材料としている請求項1に記載のスピー
    カ用部品。
  5. 【請求項5】 前記ゴム材料によって成形されるスピー
    カ用部品が振動板を支持するエッジであり、短繊維がエ
    ッジのほぼ径方向に沿って配向されている請求項1に記
    載のスピーカ用部品。
  6. 【請求項6】 長さ1.0〜10mmの短繊維が添加さ
    れたゴム材料をローラによって練り込むことにより短繊
    維をローラの送り方向に配向させる練り工程と、 この練り工程によって練られたゴム材料を短繊維の配向
    方向とほぼ直交する方向に切断して所要の幅を有するゴ
    ムコンパウンドを製作する製作工程と、 この製作工程によって製作されたゴムコンパウンドをプ
    レスしてこのゴムコンパウンドを短繊維のほぼ配向方向
    に沿って押し伸ばすことによりスピーカ用部品の所要の
    形状に成形するプレス工程と、 を備えていることを特徴とするスピーカ用部品の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記練り工程において、短繊維をゴム材
    料に対して0.1〜10重量パーセント添加する請求項
    6に記載のスピーカ用部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記練り工程において、アラミド繊維,
    PBO繊維,液晶ポリマ繊維,金属繊維,アクリル繊
    維,ボロン繊維,アモルファス繊維,セラミックス繊
    維,炭化ケイ素繊維,フッ素樹脂繊維,アセテート繊
    維,絹繊維の中から選択された1種または2種以上の短
    繊維をゴム材料に添加する請求項6に記載のスピーカ用
    部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記練り工程において、IIR,NB
    R,SBR,EPDM,クロロプレンゴム,イソプレン
    ゴム,エチレンプロピレンゴム,ポリノルボルネンゴ
    ム,シリコンゴム,エピクロルヒドリンゴム,天然ゴム
    の中の少なくとも1種を主材料とするゴム材料に短繊維
    を添加する請求項6に記載のスピーカ用部品。
  10. 【請求項10】 前記製作工程において、短繊維が添加
    されて練り込まれたゴム材料を短繊維の配向方向とほぼ
    直交する方向に切断して帯状のゴムコンパウンドを製作
    し、前記プレス工程において、帯状のゴムコンパウンド
    を金型の型面内にリング状に仕込んだ後プレスしてその
    幅方向に押し伸ばすことにより、スピーカの振動板を支
    持するエッジの形状に成形する請求項6に記載のスピー
    カ用部品の製造方法。
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