JP2004229173A - スピーカ用ダンパー及びその製造方法ならびにこれを用いたスピーカ - Google Patents

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Abstract

【課題】支持可動部が複数のアーム構造からなるダンパーであっても、小型スピーカにおいてもスティフネスを小さくでき、さらに長期の使用によってもスピーカ特性の変化が少なく、不良を発生することがないスピーカ用ダンパー及びこれを用いたスピーカを提供する。
【解決手段】本発明のスピーカ用ダンパーは、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備え、支持可動部が、アーム部と、アーム部を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響再生のためのスピーカに用いるダンパー、およびこれを用いたスピーカに関する。
【0002】
【従来の技術】
スピーカ、特に動電型スピーカにおいては、振動板及びボイスコイルボビンを含む振動系を所定位置に支持し、かつ、良好に振動可能にするために、ダンパーが設けられる。ダンパーは、その内周部がボイスコイルボビンに接合され、その外周部がフレーム又は磁気回路等に接合されて固定され、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備える。ダンパーの形状および材料などについては、様々な検討がなされている。
【0003】
図3は、従来からの支持可動部が複数のアーム構造からなるダンパー3についての上面図である。ダンパー3は、スピーカのボイスコイルボビン(図示せず)と接合する内周部31と、スピーカのフレーム(図示せず)と接合する外周部32と、内周部31と外周部32とを連結する4個のアーム部33とを備えている。このようなダンパーは、その支持可動部の形状および材料を工夫することにより、振動系が振幅して支持可動部が変形した場合の直線性等の改善を図っている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−309489号公報 (第2−5頁、図4)
【0005】
これらのダンパーには、ガラス繊維を基材としてマトリックス樹脂としてポリイミド樹脂を採用した基板を打ち抜いたものや、アルミ等の金属薄板若しくは織布を基材とし熱硬化性樹脂を含浸した樹脂板を打ち抜いたものや、成形した熱可塑性エラストマー等の樹脂材料を用いたものがある。熱可塑性エラストマーを用いる場合には、射出成形により成形されるのが一般的である。
【0006】
しかし、このような支持可動部が複数のアーム構造からなるダンパーについては、そのスティフネスが、支持可動部の形状および用いられる材料の特性に強く影響されるという課題がある。スピーカの再生周波数帯域の拡大を図るために、スピーカの最低共振周波数f0を十分に低くするには、スティフネスを小さく(つまり、柔らかく)しなければならないが、材料の硬度の大きさにより、小型スピーカにおいては形状の工夫だけではスティフネスを小さくすることに限界がある。また、材料によっては、内部損失が小さいためにアーム部での望ましくない共振現象などが起きる。
【0007】
さらに、スピーカへ大入力が長期にわたって印加されると、支持可動部における変形が弾性変形を超えて塑性変形となり、特定の箇所で材料の疲労が生じる。その結果、ダンパーのスティフネスが低下し、長期の使用によりスピーカの最低共振周波数f0が低く変化してしまう問題がある。塑性変形がさらに進んだ場合には、このようなスピーカ特性の変化は大きくなり、さらには支持可動部が破断してしまう等のスピーカ不良が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の従来の技術が有する問題を解決するためになされたものであり、その目的は、支持可動部が複数のアーム構造からなるダンパーであっても、小型スピーカにおいてもスティフネスを小さくでき、さらに長期の使用によってもスピーカ特性の変化が少なく、不良を発生することがないスピーカ用ダンパー及びこれを用いたスピーカを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本発明のスピーカ用ダンパーは、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備え、前記の支持可動部が、アーム部と、アーム部を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部を備える。
【0011】
好ましい実施形態においては、本発明のスピーカ用ダンパーは、前記の弾性接合部が、アーム部の内周側端部および外周側端部に設けられ、弾性接合部を介してアーム部と内周部および外周部とが連結されている。
【0012】
さらに好ましい実施形態においては、前記内周部と、前記外周部と、前記アーム部とが、同一の硬度の材料により構成される。
【0013】
さらに好ましい実施形態においては、本発明のスピーカ用ダンパーは、前記内周部、前記外周部、前記アーム部および前記弾性接合部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであり、弾性接合部を構成する熱可塑性エラストマーの硬度が、内周部、外周部およびアーム部を構成する熱可塑性エラストマーの硬度よりも小さい。
【0014】
好ましい実施形態においては、本発明のスピーカは、上記の本発明によるスピーカ用ダンパーを備える。
【0015】
本発明の別の側面においては、スピーカ用ダンパーの製造方法が提供される。この方法は、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、該内周部と該外周部とを連結する支持可動部のアーム部とを、第1のゲートから射出成形する工程と、前記工程と同時に、支持可動部の弾性接合部を第2のゲートから射出成形する工程とを含む。
【0016】
以下、本発明の作用について説明する。
【0017】
本発明のスピーカ用ダンパーは、ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、内周部と外周部とを連結する支持可動部とを備え、支持可動部が、アーム部と、アーム部を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部を備える。好ましくは、弾性接合部は、アーム部の内周側端部および外周側端部に設けられ、弾性接合部を介してアーム部と内周部および外周部とが連結されている。さらに好ましくは、内周部と、外周部と、アーム部とが、同一の硬度の材料により構成される。従って、従来の支持可動部の全てが同一の材料により構成されるダンパーに比べて、弾性接合部の材料の硬度を適切に選択することにより、任意のスティフネスのダンパーを得ることができ、本発明のダンパーを用いたスピーカは、最低共振周波数f0の設計が容易である。
【0018】
さらに、本発明のスピーカ用ダンパーは、支持可動部において応力が集中する支持可動部のアーム部の内周側端部と外周側端部に、硬度が小さい弾性接合部を設けているので、支持可動部における変形が弾性変形を超えて塑性変形となることによる材料の疲労が生じない。その結果、従来の支持可動部の全てが同一の材料により構成されるダンパーに比べて、長期の使用により、ダンパーのスティフネスが低下してスピーカの最低共振周波数f0が低く変化することがない。従って、本発明のダンパーを用いたスピーカは、長期の使用によってもスピーカ特性の変化を少なくでき、支持可動部が破断する等のスピーカ不良を防止できる。
【0019】
さらに、本発明のスピーカ用ダンパーは、好ましくは、内周部と、外周部と、アーム部と、弾性接合部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであって、弾性接合部を構成する熱可塑性エラストマー(以下、便宜的にエラストマーAとする。)の硬度が、内周部と、外周部と、アーム部とを構成する熱可塑性エラストマー(以下、便宜上、エラストマーBとする。)の硬度よりも小さい。また、エラストマーAは、エラストマーBよりも、弾性率が小さく、内部損失が大きい。従って、本発明のスピーカ用ダンパーは、支持可動部の実質的なスティフネスを小さくすることができ、小型スピーカにおいてもスピーカの最低共振周波数f0を十分に低くすることができる。また、本発明のスピーカ用ダンパーは、アーム部が弾性接合部を介して結合されているので、本発明のダンパーを用いたスピーカでは、アーム部での望ましくない共振現象などを防止できる。
【0020】
さらに、本発明のスピーカ用ダンパーの製造方法においては、上記のようなダンパーが、簡便、かつ、低コストで得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態によるスピーカ用ダンパー及びこれを用いたスピーカについて、図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0022】
図1は、本発明の好ましい実施形態によるダンパー1についての上面図である。ダンパー1は、スピーカのボイスコイルボビン(図示せず)と接合する内周部11と、スピーカのフレーム(図示せず)と接合する外周部12と、内周部11と外周部12とを連結する4個のアーム構造からなる支持可動部とを備えている。これらの支持可動部は、アーム部13と、アーム部13を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部14a、14bを備える。
【0023】
ここで、ダンパーを構成する材料の硬度とは、弾性の法則の範囲における塑性変形に対するかたさを意味する。硬度が大きい材料は、硬い材料であり、一方、硬度が小さい材料は、柔らかい材料である。一般に、硬度が大きく、硬い材料については、弾性率が大きく、内部損失が小さい。例えば、硬度の指標としては、JIS等の工業的測定方法により規定される表面硬度や、曲げ弾性率、引張弾性率等がある。
【0024】
弾性接合部14a、14bは、代表的には、支持可動部のアーム部13の内周側端部と外周側端部に設けられる。好ましくは、弾性接合部14a、14bを介して連結される内周部11と、外周部12と、アーム部13とは、同一の硬度の材料により構成される。従って、内周部11、外周部12およびアーム部13と、弾性接合部14a、14bの材料の硬度を適切に選択することにより、任意のスティフネスのダンパーを得ることができ、本発明のダンパー1を用いたスピーカは、最低共振周波数f0の設計が容易である。
【0025】
さらに、好ましい実施形態においては、弾性接合部14a、14bを構成する材料の硬度が、内周部11、外周部12およびアーム部13を構成する材料の硬度よりも小さく設定される。振動系が振幅して支持可動部が変形した場合に、応力が集中する箇所に弾性接合部14a、14bを設けることにより、本発明のダンパー1を用いたスピーカは、長期の使用によっても、ダンパーのスティフネスの変化が少なく、支持可動部が破断してしまう等のスピーカ不良を防止できる。
【0026】
図2は、本発明の別の実施形態によるダンパー2についての上面図である。本実施形態のダンパー2もまた、スピーカのボイスコイルボビン(図示せず)と接合する内周部21と、スピーカのフレーム(図示せず)と接合する外周部22と、内周部21と外周部22とを連結する4個のアーム構造からなる支持可動部とを備え、支持可動部は、アーム部23と、アーム部23を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部24a、24bを備える。このように、弾性接合部24a、24bは、支持可動部の形状にあわせて、内周部21および外周部22およびアーム部23と適切に結合されればよい。
【0027】
もちろん、本発明のスピーカ用ダンパーは、支持可動部が4個のアーム構造からなる場合に限られるものではなく、内周部と接合する振動板及びボイスコイルボビンを含む振動系を、所定位置に支持し、かつ、良好に振動可能にするのに足りる複数(例えば、3個、6個、8個)のアーム構造があればよい。
【0028】
本発明の好ましい実施形態のダンパーにおいては、内周部と、外周部と、アーム部と、弾性接合部を構成する材料は、弾性を有する樹脂、金属、ゴム、または熱可塑性エラストマーである。上記の熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーが挙げられる。なかでも、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマーが好ましい。幅広い温度領域で優れた機械的強度を保ち、耐疲労性に優れるからである。
【0029】
具体的には、本発明のダンパーが熱可塑性エラストマーを成形加工したものである場合には、弾性接合部を構成するエラストマーAの硬度は、内周部、外周部およびアーム部を構成するエラストマーBの硬度よりも小さく設定される。すなわち、エラストマーAの硬度は、エラストマーBよりも小さく、また、エラストマーAの弾性率は、エラストマーBよりも小さく、エラストマーAの内部損失は、エラストマーBよりも大きく設定される。その結果、本発明の好ましい実施形態のダンパーは、内周部と、外周部と、アーム部とが、これらを構成する材料よりも硬度が小さく、弾性率が小さく、内部損失が大きい材料からなる弾性接合部を介して連結されている。
【0030】
エラストマーAの硬度は、エラストマーBの硬度よりも小さければよいが、好ましくは、例えば表面硬度の測定値において、エラストマーBの1/2以下、さらに好ましくは、1/3以下である。同様に、エラストマーAの弾性率は、エラストマーBの弾性率よりも小さければよいが、好ましくは、例えば曲げ弾性率の測定値において、エラストマーBの1/10以下、さらに好ましくは、1/50以下である。弾性接合部を構成するエラストマーAの硬度と、内周部、外周部およびアーム部を構成するエラストマーBの硬度を大きく異ならせることにより、変形の際に弾性接合部に集中する応力を緩和させることができるからである。
【0031】
また、エラストマーAの内部損失は、エラストマーBの内部損失よりも大きければよいが、好ましくは、エラストマーBの2倍以上である。さらに好ましくは、エラストマーAの内部損失は、エラストマーBの3倍以上であればよい。弾性接合部を構成するエラストマーAの内部損失を大きくすることにより、エラストマーBで構成されるアーム部の望ましくない共振現象を抑えることができるからである。
【0032】
次に、図1を参照して、本発明の好ましい実施態様によるスピーカー用ダンパーの製造方法について説明する。
【0033】
本発明のスピーカ用ダンパー1の製造方法は、ボイスコイルボビンと接合する内周部11、フレームと接合する外周部12および支持可動部のアーム部13を第1のゲートから射出成形する工程と、この工程と同時に、支持可動部の弾性接合部14a、14bを第2のゲートから射出成形する工程とを含む。つまり、本発明のスピーカ用ダンパーは、2種類のゲートから異なる材料を射出成形するいわゆる2色成形法により得られる。
【0034】
一例としては、ダンパー1を成形する金型には、2色成形のための第1ゲートと第2ゲートが設けられ、この金型は、射出成型機にセットされる。エラストマーAを射出成型機の第2チャンバーに投入し、第2チャンバー内で温度230℃で溶融する。同様に、エラストマーBを射出成型機の第1チャンバーに投入し、第1チャンバー内で温度220℃で溶融する。第1のチャンバーのエラストマーBを第1ゲートから、第2のチャンバーのエラストマーAを第2ゲートから、同時に金型に射出し、その後冷却して金型から取出すことで、ダンパー1が成形される。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0036】
(実施例1)
表1の硬度が異なる2種類の樹脂材料(熱可塑性エラストマーXおよびY)を用いて、図1のダンパーの形状について2色成形の射出成形により、実施例1のダンパー1aを得た。ここで、表1の熱可塑性エラストマーX、YおよびZ(以下、便宜的にエラストマーX、エラストマーY、エラストマーZとする。)は、東レ・デュポン製ポリエステル・エラストマー「ハイトレル」であり、相互にグレードが異なる。ダンパーの弾性接合部は、エラストマーXから構成され、内周部、外周部およびアーム部は、エラストマーYから構成される。なお、このダンパーは、口径10cmのスピーカに用いられるダンパーであって、外周部直径が約60mm、内周部直径が約20mmである。
【0037】
(実施例2)
エラストマーYをエラストマーZに変えたこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の実施例2のダンパー2aを得た。
【0038】
(比較例)
エラストマーYのみを用いて射出成形することにより、実施例1と同一形状の比較例のダンパー1bを得た。
【0039】
【表1】
Figure 2004229173
【0040】
実施例1のダンパー1aおよび比較例のダンパー1bを使用し、その他の部品を共通として、それぞれ口径10cmのスピーカを組み立て、これらの最低共振周波数f0を測定した。さらに、これらのスピーカを下記の連続負荷試験にかけ、連続負荷試験終了後にあらためて最低共振周波数f0を測定し、その低下率ならびに不良の発生の有無を調べた。
連続負荷試験1 : ホワイトノイズ負荷、20W、500時間
連続負荷試験2 : ホワイトノイズ負荷、25W、500時間
【0041】
実施例1: 連続負荷試験前 f0=65Hz
連続負荷試験1後 f0=60Hz(低下率 約7.7%)
連続負荷試験2後 f0=60Hz(低下率 約7.7%)
比較例 : 連続負荷試験前 f0=90Hz
連続負荷試験1後 f0=75Hz(低下率 約16.7%)
連続負荷試験2後 アーム部破断、測定不能
【0042】
本発明の実施例1のダンパー1aを用いたスピーカは、同一の口径のスピーカでありながら比較例のダンパー1bを用いたスピーカよりも最低共振周波数f0を低く設定でき、スピーカの再生周波数帯域の拡大を図ることができる。なぜなら、本発明の実施例1のダンパー1aでは、弾性接合部の材料であるエラストマーXを、内周部と外周部とアーム部とを構成するエラストマーYよりも、硬度を小さく、弾性率を小さく、内部損失を大きく設定しているからである。このように、本発明において任意のスティフネスのスピーカ用ダンパーを得るためには、弾性接合部を構成する熱可塑性エラストマーの硬度および弾性率および内部損失を適切に調整すればよい。本発明のダンパー1aを用いれば、比較例のような従来の支持可動部の全てが同一の熱可塑性エラストマーにより構成されるダンパー1bを用いたスピーカに比べて、最低共振周波数f0の設計が容易である。
【0043】
さらに、本発明の実施例1のダンパー1aを用いたスピーカは、比較例よりも最低共振周波数f0の変化率が少ない。加えて、上記の連続負荷試験2の後にあっては、比較例のダンパー1bを用いたスピーカは、アーム部が破断して不良を発生しているが、本発明のダンパー1aを用いたスピーカは、最低共振周波数f0の変化率が少ないまま動作が可能である。比較例のダンパー1bのアーム部が破断したのは、振動系の振動変位に従って働く応力が集中したためであり、応力が集中する箇所であるアーム部の内周側端部と外周側端部に、アーム部よりも硬度が低く、弾性率が小さく、内部損失が大きい弾性接合部を設けた本発明の実施例1においては、塑性変形を起こすことがなく、材料の疲労が生じない結果、不良となっていない。従って、本発明のダンパー1aを用いたスピーカは、長期の使用によっても、ダンパーのスティフネスの変化が少なく、支持可動部が破断してしまう等のスピーカ不良を防止できる。
【0044】
さらに、本発明の実施例1のダンパー1aにおいては、アーム部が、内部損失の大きい弾性接合部を介して結合されているので、比較例のダンパー1bのアーム部にみられる望ましくない共振現象などを防止できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のスピーカ用ダンパー及びこれを用いたスピーカは、小型スピーカにおいてもスティフネスを小さくでき、スピーカの再生周波数帯域の拡大を図ることができる。加えて、最低共振周波数f0の設計が容易である。本発明においては、任意のスティフネスのスピーカ用ダンパーを得るためには、弾性接合部を構成する材料の硬度および弾性率および内部損失を適切に調整すればよい。さらに、本発明のスピーカ用ダンパー及びこれを用いたスピーカは、長期の使用によってもスピーカ特性の変化が少なく、ダンパーの破断等の不良を発生しない。加えて、本発明のスピーカ用ダンパーは、2色成形の工程により得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるダンパーについての上面図である。
【図2】本発明の別の好ましい実施形態によるダンパーについての上面図である。
【図3】支持可動部が複数のアーム構造からなる従来からのダンパーについての上面図である。
【符号の説明】
1 スピーカ用ダンパー
11 内周部
12 外周部
13 アーム部
14a 弾性接合部
14b 弾性接合部
2 スピーカ用ダンパー
21 内周部
22 外周部
23 アーム部
24a 弾性接合部
24b 弾性接合部
3 スピーカ用ダンパー
31 内周部
32 外周部
33 アーム部

Claims (6)

  1. ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、該内周部と該外周部とを連結する支持可動部とを備え、
    該支持可動部が、アーム部と、該アーム部を構成する材料と硬度が異なる材料から構成される弾性接合部を備える
    スピーカ用ダンパー。
  2. 前記弾性接合部が、前記アーム部の内周側端部および外周側端部に設けられ、該弾性接合部を介して該アーム部と前記内周部および前記外周部とが連結されている
    請求項1に記載のスピーカ用ダンパー。
  3. 前記内周部と、前記外周部と、前記アーム部とが、同一の硬度の材料により構成される
    請求項1または2に記載のスピーカ用ダンパー。
  4. 前記内周部、前記外周部、前記アーム部および前記弾性接合部を構成する材料が、熱可塑性エラストマーであり、
    該弾性接合部を構成する熱可塑性エラストマーの硬度が、該内周部、該外周部および該アーム部を構成する熱可塑性エラストマーの硬度よりも小さい
    請求項1から3のいずれかに記載のスピーカ用ダンパー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のスピーカ用ダンパーを備えたスピーカ。
  6. ボイスコイルボビンと接合する内周部と、フレームと接合する外周部と、該内周部と該外周部とを連結する支持可動部のアーム部とを、第1のゲートから射出成形する工程と、
    該工程と同時に、該支持可動部の弾性接合部を第2のゲートから射出成形する工程とを含む、
    スピーカ用ダンパーの製造方法。
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