JP2002317818A - 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置 - Google Patents

複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置

Info

Publication number
JP2002317818A
JP2002317818A JP2001120116A JP2001120116A JP2002317818A JP 2002317818 A JP2002317818 A JP 2002317818A JP 2001120116 A JP2001120116 A JP 2001120116A JP 2001120116 A JP2001120116 A JP 2001120116A JP 2002317818 A JP2002317818 A JP 2002317818A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peripheral surface
bearing device
outer peripheral
double
rolling bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001120116A
Other languages
English (en)
Inventor
Seizo Miyazaki
晴三 宮崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001120116A priority Critical patent/JP2002317818A/ja
Publication of JP2002317818A publication Critical patent/JP2002317818A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21JFORGING; HAMMERING; PRESSING METAL; RIVETING; FORGE FURNACES
    • B21J9/00Forging presses
    • B21J9/02Special design or construction
    • B21J9/025Special design or construction with rolling or wobbling dies
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21KMAKING FORGED OR PRESSED METAL PRODUCTS, e.g. HORSE-SHOES, RIVETS, BOLTS OR WHEELS
    • B21K25/00Uniting components to form integral members, e.g. turbine wheels and shafts, caulks with inserts, with or without shaping of the components
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2229/00Setting preload

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複列玉軸受装置1aの予圧付与作業を容易化
と、予圧付与装置の構造の簡略化とを図る。 【解決手段】 軸2を保持する保持具11aと、内輪6
を軸方向に押圧する押し込み腕14aとを、それぞれ回
転しない構造とする。予圧付与作業を行なう際、外筒3
及び外輪8、8を、この外筒3の外周面に摩擦係合させ
た駆動ベルト15を走行させる事により回転させる。こ
れと共に、上記複列玉軸受装置1aのロストルクを、上
記外筒3の外周面から上記駆動ベルト15に作用する反
力を荷重センサ23により測定する事に基づいて測定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る複列転がり軸
受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置は、例えばフレ
キシブルディスクドライブ装置(FDD)、ハードディ
スクドライブ装置(HDD)、光ディスク記憶装置、レ
ーザビームプリンタ(LBP)、テープストリーマ、ビ
デオテープレコーダ(VTR)等に組み込むスピンドル
モータやIC(集積回路)の冷却ファン駆動用モータ、
或はHDDのスイングアームの基端部等、各種精密回転
部分に組み込んでこの回転部分を支承する、複列玉軸受
装置等の複列転がり軸受装置に適正な予圧を付与する為
に利用する。
【0002】
【従来の技術】図20〜21は、上述した様な各種精密
回転部分に組み込んでこの回転部分を支承する、複列玉
軸受装置の1例として、特開平6−221326号公報
に記載されたものを示している。この公報に記載された
複列玉軸受装置1は、互いに同心に配置した内側部材を
構成する軸2と外側部材を構成する外筒3とを、1対の
玉軸受4、4により、回転自在に組み合わせて成る。こ
れら各玉軸受4、4はそれぞれ、外周面に深溝型の内輪
軌道5を形成した、内側部材を構成する軌道部材である
内輪6と、内周面に深溝型の外輪軌道7を形成した、外
側部材を構成する外輪8と、上記内輪軌道5と上記外輪
軌道7との間に保持器9により保持した状態で転動自在
に設けた、それぞれが転動体である複数個の玉10、1
0とから成る。そして、これら各玉軸受4、4を構成す
る各外輪8、8を、それぞれ上記外筒3の内周面に内嵌
固定すると共に、上記各内輪6、6を、それぞれ上記軸
2の外周面に外嵌固定している。
【0003】又、上述の様に構成する複列玉軸受装置1
を使用する際には、この複列玉軸受装置1に必要な剛性
と回転精度とを確保する為に、上記各内輪6、6を互い
に近づけ合う方向に押圧する事で、上記各玉10、10
に所定の予圧を付与する。図示の例の場合、これら各玉
10、10への予圧の付与作業は、次の様にして行な
う。先ず、上記軸2を保持具11に保持すると共に、上
記外筒3の外周面に糸12の一端側部分を巻き付けて固
定する。そして、上記保持具11により上記軸2を回転
させ、この軸2と共に回転しようとする上記外筒3の回
転トルク(ロストルク)を、上記糸12の他端に取り付
けた荷重センサ13により測定する。更に、この様にし
てロストルクを測定しつつ、押し込み腕14により一方
(図20の右方)の内輪6の端面を押圧する事で、この
一方の内輪6を他方(図20の左方)の内輪6に向け変
位させる。そして、上記ロストルクが予め設定した設定
値にほぼ一致した状態で、上記押し込み腕14を停止
し、上記一方の内輪6の変位作業を終了する。
【0004】上述の様な複列玉軸受装置1のロストルク
と予圧量との間に一定の関係がある事は従来から知られ
ている。従って、所定の予圧付与を行なうべき複列玉軸
受装置1と同じ構成を有し、且つ適正な予圧を付与され
た複列玉軸受装置のロストルクを予め測定しておけば、
上述の様に一方の内輪6の変位作業を終了した状態で、
上記各玉10、10に適正な予圧を付与できる。尚、上
記各内輪6、6は上記軸2に対し、接着固定、或は十分
な嵌合強度(予圧付与の反力でずれ動かない強度)を持
った締り嵌めにより固定する。上記各内輪6、6を上記
軸2に対し接着固定する場合には、接着剤が固化するま
で、上記押し込み腕14により上記一方の内輪6を、上
記適正な予圧に相当する荷重で押圧し続ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平6−22
1326号公報に記載された複列玉軸受装置の予圧付与
方法及び予圧付与装置の場合には、次の様な不都合があ
る。即ち、上述した様な従来の予圧付与方法及び予圧付
与装置の場合には、予圧付与を行なう複列玉軸受装置1
毎に、この複列玉軸受装置1を構成する外筒3の外周面
に糸12の一端側部分を巻き付ける必要がある。ところ
が、HDD等に組み込む上記複列玉軸受装置1は小さい
為、上述の様に外筒3の外周面に糸12の一端側部分を
巻き付ける作業は面倒である。この為、所望の予圧付与
作業を容易に行なう事ができず、特に、多数の複列玉軸
受装置1の予圧付与を行なう場合に、この予圧付与作業
の能率化を図る事が難しい。
【0006】又、上述した様な従来の予圧付与方法及び
予圧付与装置の場合には、内側部材である軸2及び内輪
6、6を回転させる為、この軸2を保持する保持具1
1、並びに、一方の内輪6を押圧する為の押し込み腕1
4も、上記軸2及び内輪6、6と共に回転させる必要が
ある。この為、これら保持具11及び押し込み腕14を
含んで構成する装置の構造が複雑になる。本発明の複列
転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置は、上
述の様な事情に鑑みて発明したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の複列転がり軸受
装置の予圧付与方法及び予圧付与装置により所望の予圧
付与を行なう、複列玉軸受装置等の複列転がり軸受装置
は、前述の図20〜21に示した複列玉軸受装置1等の
複列転がり軸受装置と同様、内側部材と、この内側部材
の外周面に互いに間隔をあけて設けた1対の内輪軌道
と、この内側部材の周囲にこの内側部材と同心に配置し
た外側部材と、この外側部材の内周面で上記各内輪軌道
と対向する位置に設けた1対の外輪軌道と、これら各外
輪軌道と上記各内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転
動自在に設けた転動体とを備える。そして、本発明の複
列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置は、
前述した従来方法及び従来装置の場合と同様、上記内側
部材を構成する為その外周面に上記内輪軌道を形成した
軌道部材を、この内輪軌道と他の内輪軌道との間隔を狭
くすべく軸方向に関して変位させる事により、上記各転
動体に所望の予圧を付与すべく、上記内側部材と上記外
側部材とを所定の速度で相対回転させながら上記複列転
がり軸受装置のロストルクを測定しつつ、上記軌道部材
を軸方向に関して変位させ、上記ロストルクが予め設定
した所定値にほぼ一致した状態で、上記軌道部材の軸方
向に関する変位作業を終了する。
【0008】特に、本発明の複列転がり軸受装置の予圧
付与方法及び予圧付与装置のうち、請求項1に記載した
複列転がり軸受装置の予圧付与方法に於いては、上記内
側部材を静止状態のまま保持しつつ、上記外側部材の外
周面にこの外周面の接線方向に向く力をこの外周面に係
合させた駆動手段により付与する事で、上記外側部材を
上記内側部材に対して所定の速度で回転させると共に、
上記駆動手段を介して上記ロストルク測定する。
【0009】又、請求項2に記載した複列転がり軸受装
置の予圧付与装置は、上述の請求項1に記載した複列転
がり軸受装置の予圧付与方法を実施する為のものであっ
て、上記内側部材を回転不能に保持する為の保持手段
と、上記軌道部材を軸方向に関して変位させるべく、こ
の軌道部材に軸方向に関する力を付与する軸力付与手段
と、上記外側部材の外周面に係合させた状態で、この外
周面にこの外周面の接線方向に向く力を付与する事によ
り、この外側部材を上記内側部材に対して所定の速度で
回転させる駆動手段と、この駆動手段を介して複列転が
り軸受装置のロストルクを測定するロストルク測定手段
とを備える。
【0010】
【作用】上述した様な本発明の複列転がり軸受装置の予
圧付与方法及び予圧付与装置の場合、複列玉軸受装置等
の複列転がり軸受装置のロストルクを測定すべく、駆動
手段により外側部材の外周面に接線方向の力を付与する
場合には、この駆動手段をこの外側部材の外周面に係合
(例えば、摩擦係合)させるだけで良い。この為、所望
の予圧を付与する作業を容易に行なえる。この結果、多
数の複列転がり軸受装置の予圧付与作業を行なう場合
に、この予圧付与作業の能率化を図れる。又、軌道部材
を含んで構成する内側部材を回転させない為、この内側
部材を保持する保持手段、並びに、上記軌道部材に軸方
向に関する力を付与する軸力付与手段を、回転させる必
要がない。この為、これら保持手段及び軸力付与手段の
構造を簡単にできる。
【0011】尚、上述した様な本発明の複列転がり軸受
装置の予圧付与方法と、従来から知られている、共振周
波数を測定する事に基づく複列転がり軸受装置の予圧付
与方法{即ち、複列転がり軸受装置を加振して、この複
列転がり軸受装置の共振周波数(予圧剛性)を測定しつ
つ、1対の軌道の間隔を狭め、上記共振周波数が予め設
定した所定値にほぼ一致した状態で、上記1対の軌道の
間隔を狭める作業を終了する、複列転がり軸受装置の予
圧付与方法}とを、互いに前後して、或は同時に実施す
れば、複列転がり軸受装置のロストルクと予圧剛性と
を、双方とも適正範囲内に収まるか否かを検査できる。
これと共に、検査の結果によっては、ロストルクと予圧
剛性との双方を適正範囲内に収めた複列転がり軸受装置
を造れる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1〜2は、請求項1〜3に対応
する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、
本例の特徴は、複列転がり軸受装置の1種である複列玉
軸受装置1aの予圧付与方法、並びに、この予圧付与方
法を実施する為の予圧付与装置にある。上記複列玉軸受
装置1a自体の構造に就いては、前述の図20〜21に
示した複列玉軸受装置1と同様である為、同等部分には
同一符号を付して、重複する説明を省略若しくは簡略に
し、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。但し、
本発明を実施する場合に、内側部材の外周面に形成する
1対の内輪軌道5、5のうちの一方の内輪軌道5のみを
内輪6の外周面に形成し、他方の内輪軌道5を軸2の外
周面に直接形成する事もできる。又、1対の外輪軌道
7、7に関しては、何れも外筒3の内周面に直接形成す
る事もできる。更に、本発明は、予圧を付与する転がり
軸受装置であれば、複列玉軸受装置に限らず、複列円す
いころ軸受ユニットで実施する事もできる。
【0013】予圧付与を行なうべき上記複列玉軸受装置
1aを構成する内側部材である、中空円筒状の軸2は、
保持手段である保持具11aにより、静止状態のまま保
持している。又、この軸2に外嵌した、それぞれが内側
部材を構成する軌道部材である、1対の内輪6、6のう
ちの一方(図1の上方)の内輪6の上端面に、軸力付与
手段である押し込み腕14aの先端面を突き当ててい
る。そして、この押し込み腕14aにより上記一方の内
輪6の上端面を押圧し、この一方の内輪6を他方(図1
の下方)の内輪6に向け変位させる事で、上記複列玉軸
受装置1aを構成する複数個の玉10、10に予圧を付
与自在としている。
【0014】又、上記複列玉軸受装置1aを構成する外
側部材である外筒3の外周面には、駆動手段を構成する
駆動ベルト15の外周面を摩擦係合自在としている。こ
の駆動ベルト15は、やはり、それぞれが駆動手段を構
成する、支持台16に支持固定した電動モータ17によ
り回転駆動自在な駆動プーリ18と、この支持台16に
回転自在に支持した従動プーリ19との間に掛け渡す状
態で設けている。そして、図示の様に予圧付与作業を行
なう状態で、上記駆動ベルト15の外周面のうち、上記
駆動プーリ18と上記従動プーリ19との間に存在する
部分を、上記外筒3の外周面に押し付ける事により、こ
れら駆動ベルト15の外周面と外筒3の外周面とを十分
な(予圧付与作業の際に、これら両外周面同士の間に滑
りが生じない程度の)摩擦力を持って摩擦係合させてい
る。尚、この様な十分な摩擦力を得る為に、上記駆動ベ
ルト15は、ゴム等の摩擦係数の大きい材料により構成
する。
【0015】又、上記電動モータ17や駆動ベルト15
等を支持した支持台16は、ロストルク測定手段を構成
する支持装置である、エアスライド20により、このエ
アスライド20の中心軸α方向に関する変位自在に支持
している。静圧式リニア気体軸受である、この様なエア
スライド20は、このエアスライド20を支持した部分
(図示せず)に固定したハウジング21と、このハウジ
ング21の内側に、圧縮空気の膜を介して上記中心軸α
方向に関する変位自在に支持された変位部材22とから
成る。上記支持台16は、上記ハウジング21外に突出
した、上記変位部材22の両端部に結合する状態で設け
ている。又、図示の様に予圧付与を行なう状態で、上記
中心軸αの方向を、上記外筒3の外周面のうち上記駆動
ベルト15の外周面を当接させた部分の接線方向と一致
させている。又、上記中心軸α方向に関する上記支持台
16の一端面(図1の手前面、図2の下端面)には、ロ
ストルク測定手段を構成する変位力測定装置である、荷
重センサ23を構成する検出部24の先端部を突き当て
ている。これにより、上記支持台16が上記中心軸αに
沿って、上記検出部24に向かう方向に変位する傾向と
なった場合に、この変位する方向に加わる力を測定自在
としている。
【0016】上述の様に構成する本例の場合、上記複列
玉軸受装置1aの予圧付与を行なう際には、上述の様に
外筒3の外周面に駆動ベルト15の外周面を十分な摩擦
力で摩擦係合させた状態で、上記駆動プーリ18を回転
駆動する事により、上記駆動ベルト15を、図2のイ方
向に走行させる。これにより、上記両外周面同士の摩擦
係合部を介して上記外筒3の外周面に、上記イ方向の接
線力を付与する事で、この外筒3及び外輪8、8を前記
軸2及び内輪6、6に対して所定の速度で回転させる。
この結果、上記摩擦係合部を介して上記駆動ベルト15
に、上記複列玉軸受装置1aのロストルクに基づく反力
が、ロ方向(上記イ方向と反対方向で、上記検出部24
に向かう方向)に作用し、上記支持台16が同方向に変
位する傾向となる。そこで、この支持台16が上記ロ方
向に変位しようとする力(上記ロストルクに基づく反
力)を上記荷重センサ23により測定する事で、このロ
ストルクを測定する。更に、この様にロストルクを測定
しつつ、前記押し込み腕14aにより一方の内輪6の上
端面を押圧する事で、この一方の内輪6を他方の内輪6
に向け変位させる。そして、上記ロストルクが予め設定
した設定値にほぼ一致した状態で、上記押し込み腕14
aを停止し、上記一方の内輪6の変位作業を終了する。
【0017】前述した通り、上述の様な複列玉軸受装置
1aのロストルクと予圧の大きさとの間に一定の関係が
ある事は従来から知られている。従って、予圧付与を行
なうべき複列玉軸受装置1aと同じ構成を有し、且つ適
正な予圧を付与された複列玉軸受装置のロストルク{H
DD等に組み込む小型の複列玉軸受装置1aでは、一般
に0.2 mN・m(2gf・cm)以下}を予め測定してお
けば、上述の様に一方の内輪6の変位作業を終了した状
態で、前記各玉10、10に適正な予圧を付与できる。
尚、やはり前述した通り、上記各内輪6、6は上記軸2
に対し、接着固定、或は十分な嵌合強度(予圧付与の反
力でずれ動かない強度)を持った締り嵌めにより固定す
る。上記各内輪6、6を上記軸2に対し接着固定する場
合には、接着剤が固化するまで、上記押し込み腕14a
により上記一方の内輪6を、上記適正な予圧に相当する
荷重で押圧し続ける。
【0018】上述した様な本例の複列転がり軸受装置の
予圧付与方法及び予圧付与装置の場合、上記複列玉軸受
装置1aのロストルクを測定すべく、上記駆動ベルト1
5により上記外筒3の外周面に接線方向の力を付与する
場合には、この駆動ベルト15をこの外筒3の外周面に
摩擦係合させるだけで良い。この為、予圧付与作業を容
易に行なえる。この結果、多数の複列玉軸受装置1aの
予圧付与作業を行なう場合に、この予圧付与作業の能率
化を図れる。又、上記軸2及び内輪6、6を回転させな
い為、この軸2を保持する保持具11a、並びに、一方
の内輪6を押圧する押し込み腕14aを、回転可能な構
造とする必要がない。この為、これら保持具11a及び
押し込み腕14aの構造を簡単にできる。
【0019】次に、図3〜4は、やはり、請求項1〜3
に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示してい
る。本例の場合には、外筒3の外周面に接線方向の力を
付与する駆動手段として、支持台16aに支持固定した
電動モータ17により回転駆動自在な駆動ローラ25を
使用している。この様な駆動ローラ25は、その外周面
を上記外筒3の外周面に、十分な摩擦力を持って摩擦係
合自在としている。尚、この様な十分な摩擦力を得る為
に、上記駆動ローラ25のうち、少なくとも上記外筒3
の外周面と接触する外周縁部分は、ゴム等の摩擦係数の
大きい材料により構成する。そして、図示の様に、上記
駆動ローラ25の外周面を上記外筒3の外周面に十分な
摩擦力を持って摩擦係合させた状態で、この駆動ローラ
25を回転駆動する事により、上記外筒3の外周面に接
線方向の力を付与自在としている。
【0020】又、本例の場合、エアスライド20aを構
成するハウジング21a及び変位部材22aを円弧状に
形成する事により、このエアスライド20aの中心軸
α′を円弧状としている。そして、図示の様に予圧付与
作業を行なう状態で、上記エアスライド20aの中心軸
α′を、複列玉軸受装置1aの中心軸を中心とする円弧
上に配置している。従って、本例の場合、上記外筒3の
外周面から上記駆動ローラ25の外周面に、上記複列玉
軸受装置1aのロストルクに基づく反力が作用した場合
には、上記エアスライド20aに支持された上記支持台
16aが、上記外筒3の円周方向に変位する傾向とな
る。その他の構成及び作用は、上述の図1〜2に示した
第1例の場合と同様である。
【0021】次に、図5〜6は、請求項1〜4に対応す
る、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の
場合には、エアスライド20bにより支持台16を、こ
のエアスライド20bの中心軸α方向だけでなく、この
中心軸α(請求項4に記載した「ほぼ水平な軸」)を中
心とする、回転も自在に支持している。この為に本例の
場合には、上記エアスライド20bを構成する部材のう
ち、その両端部を上記支持台16に結合した変位部材2
2bの中間部外周面と、この外周面と対向するハウジン
グ21bの内周面とを、それぞれ円筒面とする事によ
り、上記変位部材22bを上記ハウジング21bに対し
回転自在に支持している。
【0022】一方、上記支持台16並びにこの支持台1
6に支持した電動モータ17、駆動プーリ18、従動プ
ーリ19、駆動ベルト15には、これら各部材15〜1
9の自重に基づく上記中心軸α回りのモーメントMが作
用するが、本例の場合には、上述の様に支持台16を上
記中心軸αを中心とする回転自在に支持している為、こ
の支持台16は、上記モーメントMに基づいて上記中心
軸αを中心に、下方に向け回動自在である。そこで、本
例の場合には、上記モーメントMに基づく力Fにより、
上記駆動ベルト15の外周面を外筒3の外周面に押し付
けて、これら両外周面同士の当接部に十分な摩擦力が作
用する様にしている。
【0023】又、本例の場合、上述の様に駆動ベルト1
5の外周面を外筒3の外周面に摩擦係合させる作業を、
上記支持台16の下方に設けたプランジャ26を昇降さ
せる事で行なえる様にしている。即ち、複列玉軸受装置
1aの予圧付与作業を行なわない場合には、上記プラン
ジャ26を上昇させて、このプランジャ26により上記
支持台16の下面を押圧する。これにより、この支持台
16を上記モーメントMに抗して上方に揺動変位させ、
上記駆動ベルト15の外周面を上記外筒3の外周面から
退避させる。一方、上記予圧付与作業を行なう場合に
は、上記プランジャ26を下降させる事により、上記支
持台16を上記モーメントMに基づいて下方に揺動変位
させ、上記駆動ベルト15の外周面を上記外筒3の外周
面に押し付ける(摩擦係合させる)。この様に構成する
本例の場合には、上記駆動ベルト15の外周面を上記外
筒3の外周面に押し付ける力を、上記モーメントMに基
づいて発生させる事ができる。この為、この押し付ける
力を発生させる為の別個の装置を設ける必要がなくな
り、予圧付与装置の構造を簡単にできる。
【0024】又、本例の場合には、前述した様なロスト
ルクを測定する事に基づく複列転がり軸受装置の予圧付
与方法だけでなく、従来から知られている、共振周波数
(予圧剛性)を測定する事に基づく複列転がり軸受装置
の予圧付与方法をも、実施できる様にしている。この為
に、本例の場合には、軸2を保持する保持具11aと、
一方の内輪6の上端面を押圧する押し込み腕14aと
を、それぞれ圧電素子27、27により支持している。
そして、これら両圧電素子27、27により、上記軸2
と1対の内輪6、6とを、軸方向(図5の上下方向)に
関して互いに同期して(一方の圧電素子27が押す瞬間
に他方の圧電素子27が引く様にして)加振できる様に
している。又、上記外筒3の上端面に振動センサ28の
検出部29を突き当てる事により、複列玉軸受装置1a
の共振周波数を測定できる様にしている。
【0025】共振周波数を測定する事に基づく複列玉軸
受装置の予圧付与方法を実施する場合には、上記両圧電
素子27、27により上記軸2及び内輪6、6を加振し
ながら、上記振動センサ28により上記複列玉軸受装置
1aの共振周波数を測定しつつ、上記一方の内輪6の上
端面を上記押し込み腕14aにより押圧し、上記共振周
波数が予め設定した所定値にほぼ一致した状態で、上記
押し込み腕14aによる押し込み作業を終了する。上述
の様な複列玉軸受装置1aの共振周波数と予圧量との間
に一定の関係がある事は従来から知られている。従っ
て、予圧付与を行なうべき複列玉軸受装置1aと同じ構
成を有し、且つ適正な予圧を付与された複列玉軸受装置
の共振周波数を予め測定しておけば、上述の様に一方の
内輪6の変位作業を終了した状態で、前記各玉10、1
0に適正な予圧を付与できる。
【0026】尚、上述した様な共振周波数を測定する事
に基づく予圧付与方法と、前述した様なロストルクを測
定する事に基づく予圧付与方法とは、互いに前後して、
或は同時に実施する。これら両予圧付与方法を実施でき
る本例の場合、上記複列玉軸受装置1aのロストルクと
予圧剛性とを、双方とも適正範囲内に収める事ができる
か否かを検査できる。これと共に、検査の結果によっ
て、ロストルクと予圧剛性との双方を適正範囲内に収め
た複列玉軸受装置1aを得られる。その他の構成及び作
用は、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様であ
る。
【0027】次に、図7〜8は、やはり、請求項1〜4
に対応する、本発明の実施の形態の第4例を示してい
る。本例の場合には、外筒3の外周面に接線方向の力を
付与する駆動手段として、前述の図3〜4に示した第2
例の場合と同様の、駆動ローラ25を使用している。そ
して、上述の図5〜6に示した第3例と同様に、この駆
動ローラ25を上記外筒3の外周面に、支持台16をエ
アスライド20bに対し回転自在に支持する事に基づく
モーメントMにより、押し付けている。その他の構成及
び作用は、前述の図3〜4に示した第2例、或は、上述
の図5〜6に示した第3例の場合と同様である。
【0028】尚、上述した第1〜4例の場合には、支持
台16(16a)がエアスライド20(20a、20
b)の中心軸α(α′)方向に関して変位しようとする
力(ロストルクに基づく反力)を測定する為の変位力測
定装置として、荷重センサ23を使用したが、本発明
は、これに限るものではない。例えば、上記変位力測定
装置として、その一端部を上記支持台16(16a)の
一部に結合したばねと、上記中心軸α(α′)方向に関
する上記支持台16の変位量を測定自在な変位センサと
を組み合わせて成るものを使用する事もできる。
【0029】又、上記変位力測定装置として、上記エア
スライド20(20a、20b)の中心軸α(α′)を
水平方向に対し傾斜させた状態で、上記支持台16(1
6a)が上記中心軸α(α′)に沿って低い側に移動し
ようとする力{上記支持台16(16a)等の自重に基
づく力}と、同じく高い側に移動しようとする力(上記
ロストルクに基づく反力)とを比較する事により、この
ロストルクに基づく反力を測定する構造を採用する事も
できる。この場合、上記両力を比較する方法としては、
上記支持台16(16a)が上記中心軸α(α′)上で
不動となる様に、水平方向に対するこの中心軸α
(α′)の傾斜角度を調節する方法や、この中心軸α
(α′)の傾斜角度を固定した状態で、上記支持台16
(16a)がこの中心軸α(α′)に沿って高い側に移
動し始める瞬間(ロストルクに基づく反力が自重に基づ
く力を越える瞬間)を見張る方法等を採用できる。
【0030】次に、図9は、請求項1、2、5に対応す
る、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例の
場合、駆動ローラ25を回転駆動自在な電動モータ17
は、エアスライド等の変位を許容する支持装置には支持
していない。本例の場合には、上記駆動ローラ25によ
り外筒3の外周面に接線方向の力を付与する状態で、こ
の駆動ローラ25並びにこの駆動ローラ25を回転駆動
する電動モータ17が、実質的に変位しない様にしてい
る。又、上記駆動ローラ25は、上記電動モータ17へ
の通電に基づいて回転駆動するが、本例の場合には、こ
の電動モータ17への通電量(通電に基づく消費電力)
を測定する事に基づいて、複列玉軸受装置1aのロスト
ルクを測定する様にしている。
【0031】即ち、上記外筒3及び外輪8、8を軸2及
び内輪6、6に対して所定の速度で回転させる為に必要
となる上記電動モータ17への通電量と、上記複列玉軸
受装置1aのロストルクとの間には、一定の関係があ
る。従って、予圧付与を行なうべき複列玉軸受装置1a
と同じ構成を有する複列玉軸受装置のロストルクと上記
電動モータ17への通電量との関係を予め調べておけ
ば、この電動モータ17への通電量を測定する事に基づ
いて上記ロストルクを測定する事ができる。その他、こ
の様にロストルクを測定する事に基づいて上記複列玉軸
受装置1aの予圧付与を行なう際の作用は、上述した各
例の場合と同様である。
【0032】次に、図10は、やはり、請求項1、2、
5に対応する、本発明の実施の形態の第6例を示してい
る。本例の場合、外筒3の周囲には円筒状のダミーハウ
ジング30を、この外筒3に対する回転を防止した状態
で支持している。この為に、本例の場合には、上記外筒
3の外周面に上記ダミーハウジング30の内周面を、十
分な摩擦力(予圧付与作業の際に、これら両周面同士の
間に滑りを生じない程度で、且つ、作業者が上記外筒3
の外周面と上記ダミーハウジング30の内周面との係脱
作業を容易に行なえる程度の摩擦力)で摩擦係合させて
いる。又、上記ダミーハウジング30の外周面に、全周
に亙りロータ31を固定すると共に、このロータ31の
外周面(の円周方向に関する少なくとも一部)に、ステ
ータ32の内周面を近接対向させている。これにより、
上記ステータ32への通電に基づいて、上記ロータ31
を固定したダミーハウジング30並びに上記外筒3を、
回転若しくは揺動自在としている。そして、本例の場合
も、上述の図9に示した第5例の場合と同様、複列玉軸
受装置1aのロストルクを、上記ステータ32への通電
量(通電に基づく消費電力)に基づいて測定する様にし
ている。
【0033】上述の様に構成する本例の場合も、上記外
筒3に対する上記ダミーハウジング30の係脱作業を容
易に行なえるので、予圧付与作業の容易化を図れる。そ
の他の構成及び作用は、上述の図9に示した第5例の場
合と同様である。
【0034】次に、図11は、請求項1、2、6に対応
する、本発明の実施の形態の第7例を示している。本例
の場合も、前述の図9に示した第5例の場合と同様、駆
動ローラ25により外筒3の外周面に接線方向の力を付
与する状態で、この駆動ローラ25並びにこの駆動ロー
ラ25を回転駆動する電動モータ17が実質的に変位し
ない様にしている。又、本例の場合、上記駆動ローラ2
5は、上記電動モータ17を構成する出力軸33(回転
体)の先端部(図11の上端部)に結合固定している
が、本例の場合には、上記出力軸33のトルクを、上記
電動モータ17の基端部(図11の下端部)に設けた回
転型のトルクセンサ34により測定自在としている。そ
して、複列玉軸受装置の予圧付与作業を行なう際に、上
記トルクセンサ34により上記出力軸33のトルクを、
複列玉軸受装置1aのロストルクとして測定する。その
他、この様にロストルクを測定する事に基づいて上記複
列玉軸受装置1aの予圧付与を行なう際の作用は、上述
した各例の場合と同様である。
【0035】次に、図12は、やはり、請求項1、2、
6に対応する、本発明の実施の形態の第8例を示してい
る。本例の場合、外筒3の外周面に接線方向の力を付与
する駆動ローラ25は、回転体である回転軸35の一端
部(図12の下端部)に結合固定している。又、この回
転軸35の他端部(図12の上端部)と電動モータ17
を構成する出力軸33の先端部とに、それぞれプーリ3
6、36を固定すると共に、これら両プーリ36、36
の間に無端ベルト37を掛け渡す事により、上記回転軸
35を、上記電動モータ17により回転駆動自在として
いる。又、この回転軸35の中間部には、回転型のトル
クセンサ34を設けて、この回転軸35のトルクを測定
自在としている。そして、複列玉軸受装置の予圧付与作
業を行なう際に、上記トルクセンサ34により上記回転
軸35のトルクを、複列玉軸受装置1aのロストルクと
して測定する様にしている。その他の構成及び作用は、
上述の図11に示した第7例の場合と同様である。
【0036】尚、上述した第7〜8例を実施する場合、
外筒3の外周面と駆動ローラ25の外周面との間に作用
する押し付け力に基づいて、回転体である出力軸33又
は回転軸35が曲げ方向に弾性変形すると、トルクセン
サ34により測定されるトルクの値に、誤差を生じる可
能性がある。従って、このトルクセンサ34により測定
されるトルクの値は、上記出力軸33又は回転軸35の
曲げ方向の弾性変形量を考慮して、適宜補正するのが好
ましい。
【0037】次に、図13〜14は、請求項1、2、7
に対応する、本発明の実施の形態の第9例を示してい
る。本例の場合、予圧付与を行なうべき複列玉軸受装置
1aは、この複列玉軸受装置1aの中心軸を水平方向に
ほぼ一致させた状態で支持している。そして、この複列
玉軸受装置1aを構成する外筒3の外周面の上半部に、
駆動手段を構成する紐38の中間部を掛け渡している。
この紐38は、例えば、ゴム紐等、その中間部を上記外
筒3の外周面に十分な摩擦力を持って摩擦係合自在なも
のである。この様な紐38の一端には、荷重センサ23
を構成する検出部24の先端部を結合している。一方、
上記紐38の他端には、この紐38に張力を付与する為
(この紐38の中間部と上記外筒3の外周面との間に十
分な摩擦力が働く様にする為)の重り39を吊り下げて
いる。
【0038】本例の場合、複列玉軸受装置1aの予圧付
与作業を行なう際には、上記紐38の中間部を上記外筒
3の外周面に十分な摩擦力を持って摩擦係合させたま
ま、この紐38の一端を上記荷重センサ23により下方
に引っ張る。これにより、上記紐38の中間部と上記外
筒3の外周面との摩擦係合部を介してこの外筒3の外周
面に、この外周面の接線方向に向く力を付与する事で、
この外筒3及び外輪8、8を、軸2及び内輪6、6に対
して所定の速度で回転させる。そして、この際に、上記
紐38の一端を引っ張るのに要した力を上記荷重センサ
23により測定する事に基づいて、上記複列玉軸受装置
1aのロストルクを測定する。その他、この様にロスト
ルクを測定する事に基づいて複列玉軸受装置1aの予圧
付与を行なう際の作用は、上述した各例の場合と同様で
ある。特に、本例の場合には、上記紐38の中間部を上
記外筒3の外周面に摩擦係合させる作業を、この紐38
の中間部をこの外筒3の外周面に掛け渡すだけで容易に
行なえる為、予圧付与作業の容易化を図れる。
【0039】次に、図15〜16は、やはり、請求項
1、2、7に対応する、本発明の実施の形態の第10例
を示している。本例の場合、外筒3の外周面に掛け渡し
た紐38の他端は、その一端を図示しない固定の部分に
結合した引っ張りばね40の他端に結合する事により、
この紐38に張力を付与している。尚、この引っ張りば
ね40の引っ張り力は、上記紐38の中間部と外筒3の
外周面との間に十分な摩擦力を働かせる事ができ、且
つ、上記紐38の一端を荷重センサ23により引っ張る
際の大きな抵抗とならない程度の大きさにしている。そ
の他の構成及び作用は、上述の図13〜14に示した第
9例の場合と同様である。
【0040】次に、図17〜18は、やはり、請求項
1、2、7に対応する、本発明の実施の形態の第11例
を示している。本例の場合、外筒3の外周面に掛け渡し
た紐38の両端には、それぞれ荷重センサ23、23を
構成する検出部24、24の先端部を結合している。本
例の場合、複列玉軸受装置1aの予圧付与作業を行なう
際には、この紐38の両端を、それぞれ上記両荷重セン
サ23、23により引っ張る事で、この紐38に張力を
付与し、この紐38の中間部と上記外筒3の外周面とを
十分な摩擦力を持って摩擦係合させる。そして、この様
に摩擦係合させたままの状態で、何れか一方の荷重セン
サ23(上記紐38の何れか一方の端)を他方の荷重セ
ンサ23(同じく他方の端)よりも強い力で引っ張る。
これにより、上記外筒3の外周面に接線方向の力を付与
する事で、この外筒3及び外輪8、8を、軸2及び内輪
6、6に対して所定の速度で回転させる。そして、この
際に、上記紐38の両端を引っ張るのに要した力の差
(上記両荷重センサ23、23同士の検出値の差)を測
定する事に基づいて、上記複列玉軸受装置1aのロスト
ルクを測定する。その他の構成及び作用は、前述の図1
3〜14に示した第9例の場合と同様である。
【0041】尚、上述した第9〜11例を実施する場
合、上記荷重センサ23により上記紐38を引っ張る方
向は、図示の例に限定される事はない。即ち、この紐3
8の中間部と上記外筒3の外周面との間に働く摩擦力を
十分に確保できれば(両部位同士の間に滑りが生じない
様にすれば)、何れの方向に引っ張っても良い。例え
ば、前述の図15〜16に示した第10例の場合には、
図19に示す様に、上記荷重センサ23により上記紐2
3の一端を引っ張る方向と、引っ張りばね40によりこ
の紐23の他端を引っ張る方向とのなす角度を、90度
(他の角度であっても良い。)とする事もできる。
【0042】尚、本発明により予圧付与を行なう複列玉
軸受装置1aが、軸方向に関して互いに相対変位させる
1対の内輪6、6を、それぞれ軸2に対して圧入(締り
嵌め)により嵌合固定する構造である場合には、押し込
み腕14aにより一方の内輪6を軸方向に押圧する際
に、上記軸2等の部材が軸方向(圧縮方向)に関して弾
性変形する。そして、上記押し込み腕14aにより上記
一方の内輪6を軸方向に押圧する力を解除した場合に、
上述の様に弾性変形していた軸2等の部材が弾性的に復
元し、この様に復元した分だけ、上記複列玉軸受装置1
aに付与されている予圧が低下する。この為、上記各内
輪6、6を上記軸2に対して圧入により嵌合固定する構
造の場合、上記複列玉軸受装置1aに付与する予圧量を
適正にする為には、上述の様に予圧が低下する分を見積
もって、上記押し込み腕14aにより上記一方の内輪6
を押圧する力(軸方向の変位量)を大きくするのが好ま
しい。
【0043】
【発明の効果】本発明の複列転がり軸受装置の予圧付与
方法及び予圧付与装置は、以上に述べた様に構成され作
用する為、予圧付与作業を容易に行なえる。この結果、
多数の複列転がり軸受装置の予圧付与を行なう場合に、
この予圧付与作業の能率化を図れる。又、内側部材を保
持する保持手段と軌道部材に軸方向の力を付与する軸力
付与手段との構造を、それぞれ簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を、一部を切断し
た状態で示す図。
【図2】一部を省略して示す、図1の上方から見た図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を、一部を切断し
た状態で示す図。
【図4】一部を省略して示す、図3の上方から見た図。
【図5】本発明の実施の形態の第3例を、一部を切断し
た状態で示す図。
【図6】一部を省略して示す、図5の上方から見た図。
【図7】本発明の実施の形態の第4例を、一部を切断し
た状態で示す図。
【図8】一部を省略して示す、図7の上方から見た図。
【図9】本発明の実施の形態の第5例を、一部を切断し
た状態で示す図。
【図10】同第6例を、一部を切断した状態で示す図。
【図11】同第7例を、一部を切断した状態で示す図。
【図12】同第8例を、一部を切断した状態で示す図。
【図13】同第9例を、一部を切断した状態で示す図。
【図14】一部を省略して示す、図13の左方から見た
図。
【図15】本発明の実施の形態の第10例を、一部を切
断した状態で示す図。
【図16】一部を省略して示す、図15の上方から見た
図。
【図17】本発明の実施の形態の第11例を、一部を切
断した状態で示す図。
【図18】一部を省略して示す、図17の上方から見た
図。
【図19】紐を引っ張る方向を異ならせて示す、図16
と同様の図。
【図20】従来技術の1例を示す半部断面図。
【図21】図20の側方から見た図。
【符号の説明】
1、1a 複列玉軸受装置 2 軸 3 外筒 4 玉軸受 5 内輪軌道 6 内輪 7 外輪軌道 8 外輪 9 保持器 10 玉 11 保持具 12 糸 13 荷重センサ 14、14a 押し込み腕 15 駆動ベルト 16、16a 支持台 17 電動モータ 18 駆動プーリ 19 従動プーリ 20、20a、20b エアスライド 21、21a、21b ハウジング 22、22a、22b 変位部材 23 荷重センサ 24 検出部 25 駆動ローラ 26 プランジャ 27 圧電素子 28 振動センサ 29 検出部 30 ダミーハウジング 31 ロータ 32 ステータ 33 出力軸 34 トルクセンサ 35 回転軸 36 プーリ 37 無端ベルト 38 紐 39 重り 40 引っ張りばね

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内側部材と、この内側部材の外周面に互
    いに間隔をあけて設けた1対の内輪軌道と、この内側部
    材の周囲にこの内側部材と同心に配置した外側部材と、
    この外側部材の内周面で上記各内輪軌道と対向する位置
    に設けた1対の外輪軌道と、これら各外輪軌道と上記各
    内輪軌道との間にそれぞれ複数個ずつ転動自在に設けた
    転動体とを備えた複列転がり軸受装置で、上記内側部材
    を構成する為その外周面に内輪軌道を形成した軌道部材
    を、この内輪軌道と他の内輪軌道との間隔を狭くすべく
    軸方向に関して変位させる事により、上記各転動体に所
    望の予圧を付与すべく、上記内側部材と上記外側部材と
    を所定の速度で相対回転させながら上記複列転がり軸受
    装置のロストルクを測定しつつ、上記軌道部材を軸方向
    に関して変位させ、上記ロストルクが予め設定した所定
    値にほぼ一致した状態で、上記の軌道部材の軸方向に関
    する変位作業を終了する、複列転がり軸受装置の予圧付
    与方法に於いて、上記内側部材を静止状態のまま保持し
    つつ、上記外側部材の外周面にこの外周面の接線方向に
    向く力をこの外周面に係合させた駆動手段により付与す
    る事で、上記外側部材を上記内側部材に対して所定の速
    度で回転させると共に、上記駆動手段を介して上記ロス
    トルク測定する事を特徴とする複列転がり軸受装置の予
    圧付与方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した複列転がり軸受装置
    の予圧付与方法を実施する為の予圧付与装置であって、
    内側部材を静止状態のまま保持する為の保持手段と、軌
    道部材を軸方向に関して変位させるべく、この軌道部材
    に軸方向に関する力を付与する軸力付与手段と、外側部
    材の外周面に係合させた状態で、この外周面にこの外周
    面の接線方向に向く力を付与する事により、この外側部
    材を上記内側部材に対して所定の速度で回転させる駆動
    手段と、この駆動手段を介して複列転がり軸受装置のロ
    ストルクを測定するロストルク測定手段とを備えた複列
    転がり軸受装置の予圧付与装置。
  3. 【請求項3】 ロストルク測定手段が、駆動手段を外側
    部材の外周面の接線方向若しくは円周方向に関して変位
    自在に支持する支持装置と、この支持装置により支持さ
    れた上記駆動手段が上記接線方向若しくは円周方向に変
    位しようとする力を測定する変位力測定装置とから成
    る、請求項2に記載した複列転がり軸受装置の予圧付与
    装置。
  4. 【請求項4】 支持装置により駆動手段を、ほぼ水平な
    軸を中心とする回転自在に支持する事により、上記駆動
    手段の一部を外側部材の外周面に、少なくともこの駆動
    手段の自重に基づいてこの駆動手段に作用する上記軸回
    りのモーメントに基づく力により押し付ける事で、上記
    駆動手段の一部と上記外側部材の外周面とを係合自在と
    した、請求項3に記載した複列転がり軸受装置の予圧付
    与装置。
  5. 【請求項5】 駆動手段が、この駆動手段への通電に基
    づいて外側部材の外周面に付与する接線方向の力を発生
    させるものであり、ロストルク測定手段が、上記駆動手
    段への通電に基づく消費電力を測定する事に基づいて複
    列転がり軸受装置のロストルクを測定するものである、
    請求項2に記載した複列転がり軸受装置の予圧付与装
    置。
  6. 【請求項6】 駆動手段が、この駆動手段を構成する回
    転体を回転させる事に基づいて外側部材の外周面に付与
    する接線方向の力を発生させるものであり、ロストルク
    測定手段が、上記回転体のトルクを測定する事に基づい
    て複列転がり軸受装置のロストルクを測定するものであ
    る、請求項2に記載した複列転がり軸受装置の予圧付与
    装置。
  7. 【請求項7】 駆動手段が、その中間部を外側部材の外
    周面の一部に掛け渡す状態で摩擦係合させた紐の一端を
    引っ張る事により、この外側部材の外周面にこの外周面
    の接線方向に向く力を付与するものであり、ロストルク
    測定手段が、少なくとも上記紐の一端を引っ張る力を測
    定する事に基づいて複列転がり軸受装置のロストルクを
    測定するものである、請求項2に記載した複列転がり軸
    受装置の予圧付与装置。
JP2001120116A 2001-04-18 2001-04-18 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置 Pending JP2002317818A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120116A JP2002317818A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001120116A JP2002317818A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002317818A true JP2002317818A (ja) 2002-10-31

Family

ID=18970218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001120116A Pending JP2002317818A (ja) 2001-04-18 2001-04-18 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002317818A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292133A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Nsk Ltd 軸受装置の製造方法軸受予圧設定装置
WO2007105655A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Nsk Ltd. 複列転がり軸受ユニット用予圧測定装置
JP2013198949A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Seiko Instruments Inc 転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法
CN109520735A (zh) * 2018-10-26 2019-03-26 中国第汽车股份有限公司 轴承承载损失测试系统

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006292133A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Nsk Ltd 軸受装置の製造方法軸受予圧設定装置
WO2007105655A1 (ja) 2006-03-10 2007-09-20 Nsk Ltd. 複列転がり軸受ユニット用予圧測定装置
US8864382B2 (en) 2006-03-10 2014-10-21 Nsk Ltd. Preload measuring device for double row rolling bearing unit
JP2013198949A (ja) * 2012-03-23 2013-10-03 Seiko Instruments Inc 転がり軸受装置の製造装置および転がり軸受装置の製造方法
CN109520735A (zh) * 2018-10-26 2019-03-26 中国第汽车股份有限公司 轴承承载损失测试系统
CN109520735B (zh) * 2018-10-26 2021-01-15 中国第一汽车股份有限公司 轴承承载损失测试系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6394657B1 (en) Preloading method for preload-adjustable rolling bearing and manufacture of the same
US6446339B2 (en) Preloading method for preload-adjustable rolling bearing
JP3405235B2 (ja) ラジアル転がり軸受用回転精度及び動トルク測定装置
JP3419015B2 (ja) 予圧を付与された転がり軸受装置の製造方法
JPH0510835A (ja) 転がり軸受の予圧を測定する方法と装置
JP3613899B2 (ja) 転がり軸受装置の軸振れを低減する方法と軸振れを低減した転がり軸受装置
JP3428264B2 (ja) 転がり軸受用回転精度測定装置
EP2985583B1 (en) Inspection device
JP2002317818A (ja) 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置
JP3254825B2 (ja) 予圧を付与された転がり軸受装置の製造方法
JP3452010B2 (ja) 転がり軸受用回転精度測定装置
JP2016121956A (ja) 転がり軸受のトルク測定装置
JP2002317819A (ja) 複列転がり軸受装置の予圧付与装置
JPH0276647A (ja) ベアリング組付方法
JP3896803B2 (ja) 複列転がり軸受装置の予圧付与方法及び予圧付与装置
JP2874388B2 (ja) ころがり玉軸受の予圧測定方法
JPH0296625A (ja) 回転体のトルク測定装置
US7908737B2 (en) Production method of fluid dynamic-pressure bearing in spindle motor
JP2001059519A (ja) 複列転がり軸受装置
JP2003056559A (ja) 予圧を付与された転がり軸受装置
JPH06307439A (ja) 電動モータ用転がり軸受装置
JP2001330031A (ja) 転がり軸受装置およびその予圧決定方法
JP2002349560A (ja) 複列予圧軸受装置
JP2001065562A (ja) 予圧を付与された転がり軸受装置の製造方法
CN218271160U (zh) 一种用于组对微型深沟球轴承的启动摩擦力矩测量装置