JP2002316567A - 床下格納シート - Google Patents

床下格納シート

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JP2002316567A
JP2002316567A JP2001126934A JP2001126934A JP2002316567A JP 2002316567 A JP2002316567 A JP 2002316567A JP 2001126934 A JP2001126934 A JP 2001126934A JP 2001126934 A JP2001126934 A JP 2001126934A JP 2002316567 A JP2002316567 A JP 2002316567A
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floor
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JP2001126934A
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English (en)
Inventor
Atsuhiko Suwa
敦彦 諏訪
Takenori Kiyose
健則 清瀬
Hiroyuki Kobayashi
裕之 小林
Kaname Matsuo
要 松尾
Takeshi Yumoto
剛 湯元
Hitoshi Hakamata
均 袴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tachi S Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Tachi S Co Ltd
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作性、安全性、および小型車等への適応性
の改善をはかる。 【構成】 床体18の格納凹部20内に床体側支点30f,30r
を配した前リンク28f、後リンク28rによって、シート本
体16を格納凹部内外間で昇降可能に支持している。そし
て、後リンクのシート側支点34rとして配したロック機
構付きヒンジ手段36によるその回動規制によって、この
シート本体16を格納凹部20内の格納位置、および格納凹
部上方の使用位置にそれぞれ保持可能とするとともに、
前リンク、後リンクのシート側支点34f,34rでのデッド
ポイント(直線48)より前後各リンクを下方傾動させた
位置に、シート本体の格納位置を規定、設定している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シートクッショ
ン、シートバックからなるシート本体を所定の格納形態
に折り畳み、この格納形態のシート本体を、床体に形成
された格納凹部にその移動のもとで格納可能とした床下
格納シートに関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、シートクッション、シートバ
ックからなるシート本体を折り畳んで所定位置に格納可
能とした格納シート、特に、格納形態のシート本体を、
床体に形成された格納凹部にその移動のもとで格納可能
とした、いわゆる床下格納シートが、荷物室、乗員室を
兼用化、あるいは共用化するRV系自動車やワンボック
ス車、あるいは小型多目的自動車等のリヤシート等とし
て広く提供されている。
【0003】この種の床下格納シートとして、たとえ
ば、シートクッション上へのシートバックの倒伏姿勢を
シート本体の折り畳み形態、つまりは格納形態とするも
のが知られている。そして、シートバックの倒伏のもと
で折り畳まれたシート本体を、シートクッションの後端
下部等に配された格納ヒンジを中心とする天地反転回動
によってその使用位置後方の格納凹部に格納可能とする
構成が、この種の床下格納シートとして一般的に知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の床
下格納シートにおける格納位置、使用位置間でのシート
本体の移動、つまり格納ヒンジを中心とした天地反転回
動は、通常、乗員等による手動のもとで行われる。しか
し、シート本体をほぼ180°の間で回動させるその天地
反転回動においては、その移動ストロークが大きくなる
ため、その操作性は確実に低下される。
【0005】そして、シートクッション後端下部に配し
た格納ヒンジを中心とするシート本体の天地反転回動
は、その回動半径を大きくすることから、場合によって
は、このシート本体自体がその操作の妨げとなる虞れも
多分に考えられる。
【0006】更に、格納凹部の前部スペースが、使用位
置でのシート本体の配置スペースとなるため、シート本
体の天地反転回動のもとでシート本体を格納可能とする
公知の構成においては、格納凹部の大きさと合わせて、
床体上でのその必要スペースの大型化が避けられない。
つまり、公知の床下格納シートにおいては、床体上のス
ペースに制限のある小型自動車等への適応性が劣りやす
い。
【0007】この発明は、操作性、安全性、および小型
車等への適応性の改善された床下格納シートの提供を目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明によれば、床体の格納凹部内に床体側支点
を配した、平行リンクをなす前後一対の回動自在な前リ
ンク、後リンクによって、シート本体を格納凹部内外間
で昇降可能に支持している。そして、前リンク、後リン
クのいずれかの、床体側支点、あるいはこの床体側支点
に対するシート側支点のいずれか一方として配した、2
ポジションロックとしてなるロック機構付きヒンジ手段
によるその回動規制によって、このシート本体を格納凹
部内の格納位置、および格納凹部上方の使用位置にそれ
ぞれ保持可能とするとともに、前リンク、後リンクのシ
ート側支点でのデッドポイントより前後各リンクを下方
傾動させた位置に、シート本体の格納位置を規定、設定
している。
【0009】なお、床体側支点とシート側支点とを結ぶ
想定直線に床体側支点で位相をずらしてなる、この想定
直線に対する交差線上に各端部の枢着点を配したコント
ロールバーによって、前リンク、後リンク間を連動可能
に連結することが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながらこの発
明の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】図1に示すように、この発明に係る床下格
納シート10においては、シートクッション12とシートバ
ック14との組み合わせとしてなる折り畳み可能なシート
本体16が、床体18に形成された格納凹部20内に、その格
納形態で格納可能に構成されている。
【0012】この発明においては、シートクッション12
上への前倒しによるシートバック14の倒伏姿勢が、シー
ト本体16の折り畳み形態、つまりは格納形態となってお
り、この倒伏を可能に、シートバックは、たとえば、ヒ
ンジ手段22を介してシートクッションに連結、支持され
ている。
【0013】このヒンジ手段22は、ヒンジ、つまりはリ
クライニングヒンジ24を有して形成されており、たとえ
ばロック機構(図示しない)による回動規制のもとでシ
ートバック14を起立位置と倒伏位置とにそれぞれ保持す
るものとして構成されている(図2の一点鎖線、および
実線参照)。
【0014】なお、シートクッション12上へのシートバ
ック14の倒伏の可能な、ヒンジ手段22を備えたシート本
体16自体は公知であり、この折り畳みの可能なシート本
体の構成自体はこの発明の趣旨でないため、ここでの詳
細な説明は省略する。
【0015】図1、図2を見るとわかるように、この発
明においては、シート本体16が、平行リンク28をなす前
後一対の回動自在な前リンク28f、後リンク28rによっ
て、格納凹部20の内外間を昇降可能に、床体18に対して
連結、支持されるとともに、床体に対して前後各リンク
の対応端部を枢着、連結する、前後各リンク毎の床体側
支点30f,30rが、格納凹部内にそれぞれ配設されてい
る。
【0016】たとえば図2に、図3を加えて見るとわか
るように、自動車等の進行方向(図1の左右方向)に対
する格納凹部20の左右の側壁20a(図3の左方壁参照)
には、固定ブラケット32がその前後方向(図1の左右方
向)に延びて固定的に配設され、この固定ブラケットへ
の、たとえばマウントブラケット(図示しない)を介し
た、枢支ピンによる前リンク28f、後リンク28rの対応端
部の枢着により、前後各リンクの床体側支点30f,30rは
それぞれ形成されている。
【0017】ここで、図2に示すように、前リンク28f
の対応端部をシート本体16、ひいてはシートクッション
12に対して枢着、連結する、前リンクのシート側支点34
fは、たとえば、前後各リンクの床体側支点30f,30rと同
様に、通常、枢支ピンによって形成される。これに対
し、この発明の実施の形態においては、後リンク28rの
対応端部をシート本体16のシートクッション12に枢着、
連結する、後リンクのシート側支点34rが、たとえばロ
ック機構付きヒンジ手段36のヒンジピンにより形成され
ている。
【0018】このロック機構付きヒンジ手段36において
は、たとえば、シート側支点34rとなるヒンジピンによ
り、後リンク28r側の回動アーム38がシート本体16に固
定されたベースプレート40に枢支、連結されている。そ
して、これに設けられたロック機構(図示しない)によ
る、ベースプレート40に対する回動アーム38の回動規制
のもとで、図1に示す格納位置、および図2に示す使用
位置でのシート本体16の設定、保持を可能に、このロッ
ク機構付きヒンジ手段36は構成されている。
【0019】このロック機構付きヒンジ手段36のロック
機構として、たとえば、離間の2ポジションでのロッ
ク、つまりはベースプレート40に対する回動アーム38の
回動規制を可能とした、いわゆる2ポジションロックが
利用でき、この発明においては、格納凹部20内に規定さ
れた、図1に示すシート本体16の格納位置、および格納
凹部の外部上方に規定された、図2に示す使用位置のそ
れぞれに対応する角度で回動アームをロック可能に、こ
のロック機構は構成されている。
【0020】なお、このような回動アーム38、ベースプ
レート40、およびロック機構等を備えたロック機構付き
ヒンジ手段36の基本構成としては、シートバックを揺動
可能に支持するリクライニング装置の構成が応用でき
る。たとえば、特開平03−049714号公報や特開平11−16
9252号公報等に開示の構成が、このロック機構付きヒン
ジ手段36、特にそのロック機構の基本構成として応用で
きることから、この実施の形態においては、このロック
機構に対する詳細な説明を省略する。
【0021】また、公知のリクライニング装置と同様
に、このロック機構付きヒンジ手段36にも、ロック機構
のロック解除を行うロック解除レバー42が設けられてい
る。そして、このロック解除レバー42の回動操作によっ
て、ロック機構のロック解除、つまりはベースプレート
40に対する回動アーム38の回動規制の解除が確保可能と
なっている。
【0022】このような構成においては、床体側支点30
f,30r、およびシート側支点34f,34rを支点とした前リン
ク28f、後リンク28rの一体的な回動により、シート本体
16は、格納凹部20の内外間でほぼ平行に昇降される。そ
して、ロック機構付きヒンジ手段36のロック機構による
各ロックポジションでのロックによって、格納凹部20内
に規定された図1に示す格納位置、および格納凹部上方
に規定された図2に示す使用位置に、シート本体16はそ
れぞれ設定される。
【0023】ここで、この発明においては、使用位置方
向への上昇サポート力として、サポートばね44の偏倚力
をシート本体16に対して付与している。たとえば図1を
見るとわかるように、サポートばね44として、ロック機
構付きヒンジ手段36のヒンジピン(シート側支点)34r
に巻装されたぜんまいばねが利用でき、このサポートば
ねの内端44i、外端44oをベースプレート40のヒンジピ
ン、および回動アーム38の係止片46にそれぞれ係止する
ことによって、立ち上がり方向への偏倚力を回動アー
ム、ひいては後リンク28rに付与するように、このサポ
ートばねは構成されている。
【0024】なお、このサポートばね44は、一般的なリ
クライニング装置に設けられる、シートバックを前方に
偏倚するためのリターンばね等と同様の機能、構成を持
つものとして具体化できる。そして、このサポートばね
44の偏倚力は、シート本体16の荷重より小さい、つまり
このサポートばねの偏倚力のみではシート本体を上昇さ
せることのできない程度の偏倚力に設定される。
【0025】また、図1を見るとわかるように、この発
明においては、前リンク28f、後リンク28rのシート側支
点34f,34rでのデッドポイントより前後各リンクを下方
傾動させた位置に、シート本体16の格納位置を規定、設
定している。
【0026】この発明のような、床体側支点30f,30rを
支点とした前リンク28f、後リンク28rの回動のもとでシ
ート本体16を昇降させる構成においては、前後各リンク
の床体側支点を連続して通る直線48上にその前後各リン
クのシート側支点34f,34rの整列された点が、このシー
ト側支点でのデッドポイント(死点)となり、このデッ
ドポイントにおいては前後各リンクを回動させる分力が
その上下方向のいずれにも働かないことから、その回動
力の伝達がこのデッドポイントでは不利となっている。
【0027】ここで、たとえば図2に、図4を加えて見
るとわかるように、この発明の実施の形態においては、
前リンク28f、後リンク28r間が、コントロールバー50に
よって連動可能に連結されている。
【0028】このコントロールバー50の各端部の枢着
点、つまり前リンク側枢着点52f、および後リンク側枢
着52rは、前リンク28f、および後リンク28rの床体側支
点30f,30rとシート側支点34f,34rとを結ぶそれぞれの想
定直線54に床体側支点で位相をずらしてなる、この想定
直線に対する交差線56上に配置されている。
【0029】なお、この発明の実施の形態においては、
この交差線56が、床体側支点30f,30rで想定直線54に対
して直交する、いわゆる直交線として例示されている。
【0030】この実施の形態においては、コントロール
バーの前リンク側枢着点52f、および後リンク側枢着点5
2rが、前リンク28f、後リンク28rに、たとえば枢着され
た枢支ピンから形成されている。そして、図4を見ると
わかるように、この枢支ピン(前リンク側枢着点52f、
後リンク側枢着点52r)の遊挿される、前リンク28f、後
リンク28rのそれぞれの遊挿孔58f,58rのうち、たとえば
前リンクの遊挿孔58fが、想定直線54に直交する線、つ
まり直交線としてなる交差線56に沿って延びた長孔とし
て、この実施の形態においては形成されている。
【0031】なお、他方の遊挿孔、つまり後リンクの遊
挿孔58rは、後リンク側枢着点52rとなる枢支ピンの遊挿
可能な丸孔として形成されている。
【0032】以下、この床下格納シート10の動作の概略
を説明する。
【0033】たとえば、図1に示す、シート本体16の格
納位置をその初期位置、つまりはこの床下格納シート10
の初期状態として仮定する。図1に加えて図5を見ると
わかるように、このシート本体16の格納位置において
は、前リンク28f、後リンク28rが、デッドポイントとな
る直線48に対する下方傾動位置に設定されている。
【0034】この格納位置からのシート本体16の引き上
げにあたっては、まず、ロック機構付きヒンジ手段36の
ロック解除レバー42を、たとえば図1に示す矢印の方向
(図中時計方向)に回動させることによって、そのロッ
ク機構のロックを解除する。そして、たとえば、シート
バック14の背面(背裏ともいう)14aの凹部60内に露出
配置された把手62を把持し、これによってシート本体16
を引き上げることで、格納位置からのその引き上げ、つ
まりは使用位置方向へのシート本体の上昇が確保でき
る。
【0035】ところで、この発明においては、上述した
ように、デッドポイントとなる直線48に対する前リンク
28f、後リンク28rの下方傾動位置に、シート本体16の格
納位置が規定、設定されているため、格納位置からのシ
ート本体の引き上げの際には、前後各リンクが、図6、
および図7に示すようなデッドポイントへの到達を経
て、その上方に更に回動されることになる。
【0036】しかしながら、この発明においては、床体
側支点30f,30rで想定直線54に交差(直交)する、この
想定直線から位相をずらした交差線56上にその枢着点52
f,52rを配したコントロールバー50により、前リンク28
f、後リンク28r間が連動可能に連結されている。つま
り、シート側支点34f,34rがデッドポイント(直線48)
上、あるいはその近傍にたとえ位置しても、デッドポイ
ント以外の位置にその枢着点52f,52rを位置させたコン
トロールバー50によって前リンク28f、後リンク28r間で
の力の伝達は確実に行えるため、感触程度の僅かな規制
は受けるものの、シート本体16の引き上げ操作は十分、
かつ容易に継続できる。
【0037】そして、この実施の形態においては、前リ
ンクの遊挿孔58fが、交差線56に沿って延びた長孔とし
てなるため、図7を見るとわかるように、シート側支点
34f,34rでのデッドポイント(直線48)近傍では、その
長孔の延びる方向が、この直線48に対するほぼ直交方向
となっている。
【0038】この構成によれば、シート側支点34f,34r
でのデッドポイント(直線48)近傍における前リンク28
f、後リンク28r間での回動力が、コントロールバー50に
より、過剰な遊び(クリアランス)を介することなく的
確に伝達されるため、デッドポイント近傍を介した前後
各リンクの回動、つまりはシート本体16の引き上げ操作
の継続性が一層向上される。
【0039】また、この発明においては、サポートばね
44の偏倚力が、後リンク28rの立ち上がり方向、つまり
はシート本体16の上昇方向に付与されている。つまり、
このサポートばね44の偏倚力が、シート本体16の引き上
げ時における、その荷重を軽減させるサポート力として
シート本体に作用するため、その引き上げに対する操作
力の低減により、その操作性は確実に向上される。
【0040】デッドポイント(直線48)を上方に越えた
前リンク28f、後リンク28rの回動によって、シート本体
16がその使用位置に上昇し到達すると、図2、および図
4に示すように、所定の固定部材、たとえばマウントブ
ラケット33(図3参照)等に設けられたバンパーラバー
63への前後各リンクの当接、およびロック機構付きヒン
ジ手段36の持つロック機構のロックのもとで、シート本
体はその使用位置に設定、保持される。そして、図2に
実線で示すシートクッション12上の倒伏位置から、シー
トバック14を一点鎖線で示すその起立位置に揺動、保持
させることで、着座の可能なシート本体16の着座姿勢が
設定される。
【0041】なお、図2、および図4に示すように、こ
の発明の実施の形態においては、前後各リンクの床体側
支点30f,30Rを通る鉛直線64より前方にシート側支点34
f,34rを位置させた前リンク28f、後リンク28rの前方傾
動位置に、シート本体16の使用位置が規定、設定されて
いる。そして、この実施の形態においては、バンパーラ
バー63への前リンク28f、後リンク28rの当接、およびロ
ック機構のロックのもとで、シート本体16をその使用位
置に設定、保持しているため、使用位置でのシート本体
に作用する着座者等からの荷重は、ロック機構に集中的
に作用することなく、このロック機構、およびストッパ
のそれぞれに分散して作用されることになる。
【0042】つまり、この構成によれば、ロック機構へ
の荷重の集中的作用が防止できるため、ロック機構、ひ
いてはロック機構付きヒンジ手段36の構成の簡素化が確
実にはかられるとともに、その安全性が確実に向上され
る。
【0043】上述した、格納位置から使用位置へのシー
ト本体16の設定操作とは逆に、シート本体をその使用位
置から格納凹部20内に格納する場合においては、上述の
設定操作手順を、ほぼその逆に順次行えばよい。
【0044】つまり、シート本体16の使用位置において
は、まず、図2に実線で示すように、シートクッション
12上へのシートバック14の倒伏のもとでシート本体を折
り畳み、ロック解除レバー42の回動操作のもとでロック
機構のロックを解除することにより、格納凹部20に対す
るシート本体16の下降は可能となる。
【0045】ここで、上述したように、この発明の実施
の形態においては、前リンク28f、後リンク28rの前方傾
動位置に、シート本体16の使用位置が規定、設定されて
いる。つまり、シート本体16の使用位置でロック機構の
ロックを解除しても、このシート本体は前リンク28f、
後リンク28rの前傾方向に移動しようとし、また、前後
各リンクは、シート本体の荷重のもとで、その前方に位
置するバンパーラバー63に当接するため、シート本体の
使用位置においてロック機構をロック解除しても、シー
ト本体の対応方向に外力が付与されない限り、格納方
向、つまりは下降方向へのシート本体の不意な移動は確
実に防止される。
【0046】従って、この点においても、シート本体16
の使用位置における安全性の向上が十分にはかられる。
【0047】シート本体16の使用位置におけるロック機
構のロック解除後、たとえば、シート本体を後方(図2
の右方)に押すことで、シート本体は、前リンク28f、
および後リンク28rの一体的な回動を伴って下降され
る。
【0048】ここで、この発明においては、上述したよ
うに、シート本体16の上昇方向への偏倚力が、サポート
ばね44から後リンク28r、ひいてはシート本体に付与さ
れている。つまり、このサポートばね44の偏倚力による
シート本体16の荷重の軽減により、その下降力自体が低
減されるため、シート本体の荷重を操作者がその引き上
げ方向に支持する必要はなくなり、操作者は、シート本
体を後方、あるいは下方に軽く押せばよいものとなる。
【0049】従って、この点においても、操作者に重量
的負担を負わせる必要がないことから、その操作性の改
善は確実にはかられる。
【0050】前リンク28f、後リンク28rが、鉛直線64を
越えてシート本体16の下降方向に回動すると、前後各リ
ンクは、次に、図6、および図7に示す、シート側支点
34f,34rでのデッドポイントに入る。しかし、このシー
ト側支点34f,34rでのデッドポイントにおいては、コン
トロールバー各端部の枢着点52f,52rが、前リンク28f、
後リンク28rのデッドポイント以外の、その力の伝達に
有利な位置にあることから、シート本体16の下降の継続
性は十分に確保される。
【0051】なお、デッドポイント(直線48)を下方に
越える前リンク28f、後リンク28rの下方傾動を伴った下
降によって、シート本体16がその格納位置に到達する
と、ロック機構のロックのもとで、シート本体はその格
納位置に設定、保持されて、図1に示す初期状態に戻さ
れる。
【0052】上記のように、この発明の床下格納シート
10においては、格納凹部20内へのシート本体16の格納、
および使用位置へのその引き上げが、平行リンク28とし
てなる前リンク28f、後リンク28rの回動を伴う、上下方
向でのその平行移動のもとで得られるため、格納位置、
使用位置間でのシート本体の移動ストロークは確実に小
幅化される。
【0053】そして、移動ストロークが小さくなること
に加えて、使用位置方向への偏倚力がサポートばね44か
らシート本体16に付与されているため、その荷重、つま
りシート本体の荷重の軽減も、この発明によれば確実に
はかられる。
【0054】このように、この発明によれば、シート本
体16を、小幅化された移動ストローク分だけ、軽減され
た荷重に対応する小さな操作力のもとで移動させれば足
りるため、その操作性が確実に改善される。
【0055】そして、前リンク28f、後リンク28rの回動
半径も小さくて足り、また、シート本体16の昇降に要す
るスペースも確実に小型化されるため、このシート本体
自体がその操作の妨げとなることもないことから、この
点においても、その操作性が向上される。
【0056】また、この発明においては、格納凹部20内
に床体側支点30f,30rを配した前リンク28f、後リンク28
rの回動により、格納凹部内外でのシート本体16の昇降
を得ているため、前後方向でのシート本体の移動量も確
実に小幅化される。つまり、前後方向での必要スペース
が十分に抑制できるため、小型自動車等への適応性が確
実に向上される。
【0057】更に、格納凹部20内に床体側支点30f,30r
を配し、なおかつ、シート側支点34f,34rでのデッドポ
イント(直線48)に対する前リンク28f、後リンク28rの
下方傾動位置をシート本体16の格納位置として規定、設
定しているため、シートバック14の倒伏により折り畳ま
れたシート本体の格納に十分な格納凹部の深さの確保、
および格納凹部上方となる使用位置でのシート本体の高
さの確保が、前後各リンクを長く設定することなく可能
となる。つまり、前リンク28f、後リンク28rの長さが十
分に抑制できるため、この点においても、その操作性が
向上される。
【0058】そして、シート本体16の格納位置を、シー
ト側支点34f,34rでのデッドポイント(直線48)に対す
る前リンク28f、後リンク28rの下方傾動位置として規
定、設定していることから、前後各リンクの床体側支点
30f,30rの配置高さが、格納凹部内の比較的高い位置に
設定できる。従って、床体18に対する床下格納シート10
の組付け作業を、格納凹部20の底部付近において行う必
要がなくなることから、その作業性が向上される。
【0059】更に、前リンク、後リンクの床体側支点30
f,30rを、床体の格納凹部20内で、格納位置のシート本
体16より下方に位置させる必要もないため、格納凹部の
深さも十分に抑制される。従って、床体18の深さ方向に
おけるその必要スペースの小型化も、この発明によれば
十分にはかられる。
【0060】また、前リンク28f、後リンク28r間をコン
トロールバー50によって連動可能に連結するとともに、
その各端部の枢着点52f,52rを、床体側支点30f,30rとシ
ート側支点34f,34rとを結ぶ想定直線54に床体側支点で
交差する交差線56上にそれぞれ配しているため、シート
側支点でのデッドポイント(直線48)における前後各リ
ンクの回動継続性の低下が、このコントロールバーによ
って防止される。従って、この点においても、その操作
性の向上が確実にはかられる。
【0061】ここで、上述したこの発明の実施の形態に
反して、コントロールバー50による前リンク28f、後リ
ンク28r間の連結を省略する構成としてもよい。しかし
ながら、交差線56上に各端部の枢着点52f,52rを配した
コントロールバー50による前リンク28f、後リンク28r間
の連結を省略すると、シート側支点34f,34rでのデッド
ポイント(直線48)近傍を挟んだ前後各リンクの回動の
継続性に、ある種の規制を受けることは否定できず、ま
た、前後各リンクの回動の安定性も低下する虞れのある
ことから、コントロールバーによって前後各リンク間を
連動可能に連結することが、その操作性の点から望まし
い。
【0062】また、この実施の形態においては、コント
ロールバーの前リンク側枢着点52fの遊挿される前リン
クの遊挿孔58fを、想定直線54に直交する直交線に沿っ
て延びた長孔、具体的には交差線56に沿って延びた長孔
とすることで、前後各リンクの遊挿孔58f,58rとコント
ロールバー各端部の枢着点52f,52rとの枢支位置にばら
つきがあっても、前リンク28f、後リンク28rの回動継続
性の低下が防止できるが、前後各リンクの回動の円滑化
をはかれば足りるため、この長孔に限定されず、たとえ
ば、枢支ピンの遊動を可能とする、いわゆるバカ孔に、
前リンクの遊挿孔を形成してもよい。
【0063】しかしながら、この実施の形態のように、
前リンクの遊挿孔58fを想定直線54に直交する交差線56
に沿って延びた長孔とすれば、シート側支点34f,34rで
のデッドポイント(直線48)近傍において、長孔の延び
る方向が直線48に対してほぼ直交方向となるため、この
前リンク側枢着点52fでの遊びが確実に制限され、コン
トロールバー50による回動の伝達が確実化、かつ円滑化
される。従って、シート側支点34f,34rでのデッドポイ
ント(直線48)近傍における前リンク28f、後リンク28r
の回動継続性の向上が、この構成によれば一層はかられ
る。
【0064】なお、この実施の形態においては、前リン
クの遊挿孔58fを長孔として具体化している。しかし、
前リンク28fに限定されず、後リンクの遊挿孔58rを交差
線56に沿った長孔としても、同様の効果の得られること
はいうまでもない。
【0065】また、この発明の実施の形態においては、
コントロールバー各端部の枢着点52f,52rの配される交
差線56を、想定直線54に対する直交線として例示してい
るが、想定直線から位相のずれた線上であれば足りるた
め、直交線に限定されず、他の角度の線上に、このコン
トロールバー各端部の枢着点を配してもよい。
【0066】なお、この場合においては、前リンク、後
リンクの遊挿孔58f,58rのいずれかが、交差線56の向き
とは無関係な、想定直線54に直交する直交線に沿った長
孔として形成される。
【0067】また、この実施の形態においては、鉛直線
64に対する前リンク28f、後リンク28rの前方傾動位置
を、シート本体16の使用位置における前後各リンクの設
定位置として規定しているが、シート本体の使用位置
は、格納凹部20内に規定された格納位置より上方であれ
ば足りるため、これに限定されず、たとえば、鉛直線
上、あるいは鉛直線に対する後方傾動位置等に前後各リ
ンクを位置させる高さとして、この使用位置を規定、設
定してもよい。
【0068】しかし、この実施の形態のように、シート
本体16の使用位置を前リンク28f、後リンク28rの前方傾
斜位置に規定、設定し、なおかつ、この前方傾動位置で
前後各リンクの少なくともいずれかをバンパーラバー63
に当接可能とすることで、シート本体からの、ロック機
構への荷重の集中的作用が確実に防止できるため、ロッ
ク機構の安全性が確保できるとともに、その安定性が向
上する。そして、ロック機構のロック解除時における、
シート本体16の下降方向への、前リンク28f、後リンク2
8rの不意の回動が防止できるため、操作時の安全性が一
層向上される。
【0069】また、この発明の実施の形態においては、
前リンク28f、後リンク28rの回動規制を行うロック機構
付きヒンジ手段36として、リクライニング装置と同様の
構成を持つものを例示し具体化しているが、シート本体
16の格納位置、使用位置における前後各リンクの回動規
制を可能とすれば足りるため、リクライニング装置と異
なる構成として、ロック機構付きヒンジ手段を構成して
もよい。
【0070】しかしながら、ロック機構付きヒンジ手段
36としてリクライニング装置の構成を基本的に応用すれ
ば、ロック機構付きヒンジ手段自体の構成の簡素化がは
かられる。そして、ヒンジを有するこのリクライニング
装置の構成であれば、この発明ような、前リンク28f、
後リンク28rいずれかの、床体側支点30f,30r、あるいは
シート側支点34f,34rのいずれかとして配することが、
その構成の煩雑化等を伴うことなく容易に可能となるこ
とから、その全体的な構成の簡素化も十分にはかられ
る。
【0071】また、ロック機構付きヒンジ手段36を、た
とえば後リンクのシート側支点34rとして配設すること
で、シート本体16を格納位置、使用位置の双方に保持可
能とする機構部が、この後リンクのシート側支点におい
て完結できるため、車体等の精度や組立精度等の影響を
受け難い床下格納シート10が、この構成によれば容易に
確保できる。
【0072】なお、この実施の形態においては、このロ
ック機構付きヒンジ手段36を後リンクのシート側支点34
rとして配設しているが、上記のように、このロック機
構付きヒンジ手段の配置個所は前リンク28f、後リンク2
8rいずれかの、床体側支点30f,30r、あるいはシート側
支点34f,34rのいずれかであれば足りるため、このいず
れの位置に、ロック機構付きヒンジ手段を配設してもよ
い。
【0073】また、この実施の形態においては、ロック
機構付きヒンジ手段36に設けたぜんまいばねをサポート
ばね44として具体化しているが、前リンク28f、後リン
ク28rのいずれかに立ち上がり方向への回動力としてこ
の偏倚力を付与可能とすれば足りるため、これに限定さ
れず、他の支点にこのサポートばねを設けてもよい。
【0074】更に、前リンク28f、後リンク28rへの偏倚
力の付与に限定されず、たとえば、格納凹部20の底面と
シートクッション12の下面との間に架設、張設した圧縮
コイルばね等によって、シート本体16に直接的に偏倚力
を付与する構成としてもよい。
【0075】しかし、この実施の形態のように、ロック
機構付きヒンジ手段36にサポートばね44を設ければ、床
下格納シート10の全体的な小型化が可能となり、また、
その露出も防止可能となるため、外観品質、および安全
性の向上が確実にはかられる。そして、ロック機構付き
ヒンジ手段36の内部においてその取り付け、および調整
が得られるため、この点からも、車体等の精度や組立精
度等の影響を受け難い構成が確保可能となる。
【0076】ところで、この発明の床下格納シート10に
おいては、前リンク28f、後リンク28rがシート本体16、
つまりはシートクッション12の左右の離間位置にそれぞ
れ並置、配設されている。そして、その左右の前リンク
28f間、および後リンク28r間が、図3に示すように、た
とえば連結バー66によって一体的に連結されている。
【0077】図示のように、この発明においては、前リ
ンク28f、後リンク28rが周縁にフランジ68を一体に有す
る剛体としてそれぞれ形成され、たとえば、この前後各
リンクの面に直交方向の固定片70aを有したリンク側ブ
ラケット70が、その基部70bの、たとえば溶接のもと
で、前後各リンクのシート本体内方面に一体的に突設さ
れている。そして、左右のリンク側ブラケット70間に連
結バー66を架設、固定することによって、左右の前リン
ク28f間、および後リンク28r間を、前後各リンク間毎に
一体的に連結している。
【0078】このような構成によれば、前リンク28f、
後リンク28rの剛性強化により、前後各リンクに対する
連結バー66の直交維持が確実にはかられる。そして、前
リンク28f、後リンク28rに対する連結バー66の直交維持
により、シート本体16からの荷重は、前後各リンクの床
体側支点30f,30rに対し、そのせん断力として入力され
ることから、この床体側支点への曲げモーメントの入力
が、これによれば十分に緩和される。
【0079】更に、着座者の不快感等を与える虞れのあ
る、連結バー66の長手方向における前リンク28f、後リ
ンク28rのガタツキ、いわゆる横ガタも、これによれば
十分に緩和可能となる。
【0080】従って、この構成によれば、前リンク、後
リンクの床体側支点30f,30rの剛性が十分に高く確保で
きるとともに、その安全性、および快適性が一層向上さ
れる。
【0081】なお、この発明の実施の形態においては、
連結バー66が、たとえば、本体パイプ72の各端末にバー
側ブラケット74を固着した形態として具体化されてい
る。
【0082】ここで、このような構成においては、たと
えば、前リンク28f、後リンク28rに対する連結バー66の
固定を、上下方向で重ね合わされたリンク側ブラケット
の固定片70a、および連結バー端部のバー側ブラケット7
4に対するボルト76での共締めにより行うものとし、更
には、このボルトを挿通可能にリンク側ブラケット、お
よびバー側ブラケットに設けられた挿通孔78,80の少な
くともいずれか一方、たとえばバー側ブラケットの挿通
孔80を、連結バーの長手方向に延びる長孔として形成し
ている。
【0083】なお、ボルト76は、連結バー66の一端部の
複数箇所、たとえば2ヶ所に設けるものとし、これによ
って、その固定の安定化、および確実化をはかってい
る。
【0084】このような構成によれば、前リンク28fの
左右間、および後リンク28rの左右間の間隔ずれ、およ
びそのバラツキが、この長孔としてなる挿通孔80により
吸収できるため、その部品精度、および組付け精度等の
緩和が十分にはかられる。
【0085】なお、この実施の形態においては、バー側
ブラケットの挿通孔80を長孔として具体化しているが、
これに限定されず、リンク側ブラケットの挿通孔78を、
連結バー66の長手方向に延びる長孔としてもよい。更
に、リンク側ブラケットの挿通孔78、およびバー側ブラ
ケットの挿通孔80の一方のみに限定されず、たとえばこ
の挿通孔の双方を、同様の長孔として形成してもよい。
【0086】ここで、この発明の実施の形態において
は、床体の格納凹部20を、その前後左右の囲まれた形態
として具体化している(図1、図3等参照)。しかし、
格納凹部20は、シート本体16を床体18の表面以下に格納
可能とする形態であれば足りるため、たとえば、その前
方、あるいは後方のいずれかの開放された、いわゆる段
形状のものも、ここでいう格納凹部に含まれるものとす
る。
【0087】上述した実施の形態は、この発明を説明す
るためのものであり、この発明を何等限定するものでな
く、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたも
のも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0088】
【発明の効果】上記のように、この発明に係る床下格納
シートによれば、平行リンクとしてなる前リンク、後リ
ンクによってシート本体を昇降可能としているため、シ
ート本体を、その昇降ストローク分だけ平行に昇降させ
れば足りる。従って、その操作性が確実に改善される。
【0089】そして、前リンク、後リンクの回動半径も
小さくて足り、また、シート本体の昇降に要するスペー
スも確実に小型化されるため、このシート本体自体がそ
の操作の妨げとなることもない。従って、この点におい
ても、その操作性が向上される。
【0090】更に、格納凹部内に床体側支点を配した前
リンク、後リンクの回動により、格納凹部内外でのシー
ト本体の昇降を得ているため、前後方向でのシート本体
の移動量も確実に小幅化される。つまり、前後方向での
必要スペースが十分に抑制できるため、小型自動車等へ
の適応性が確実に向上される。
【0091】また、格納凹部内に床体側支点を配し、な
おかつ、シート側支点でのデッドポイントに対する前リ
ンク、後リンクの下方傾動位置をシート本体の格納位置
として規定、設定しているため、シートバックの倒伏に
より折り畳まれたシート本体の格納に十分な格納凹部の
深さの確保、および格納凹部上方となる使用位置でのシ
ート本体の高さの確保が、前後各リンクを長く設定する
ことなく可能となる。つまり、前リンク、後リンクの長
さが十分に抑制できるため、この点においても、その操
作性が向上される。
【0092】そして、シート本体の格納位置を、シート
側支点でのデッドポイントに対する前リンク、後リンク
の下方傾動位置として規定、設定していることから、前
後各リンクの床体側支点の配置高さが、格納凹部内の比
較的高い位置に設定できる。従って、床体に対する床下
格納シートの組付け作業を、格納凹部の底部付近におい
て行う必要がなくなることから、その作業性が向上され
る。
【0093】更に、前リンク、後リンクの床体側支点
を、床体の格納凹部内で、格納位置のシート本体より下
方に位置させる必要もないため、格納凹部の深さも十分
に抑制される。従って、床体の深さ方向におけるその必
要スペースの小型化も、この発明によれば十分にはから
れる。
【0094】また、前リンク、後リンク間をコントロー
ルバーによって連動可能に連結するとともに、その各端
部の枢着点を、床体側支点とシート側支点とを結ぶ想定
直線から位相のずれた交差線上にそれぞれ配しているた
め、シート側支点でのデッドポイントにおける前後各リ
ンクの回動継続性の低下が、このコントロールバーによ
って防止される。従って、この点においても、その操作
性の向上が確実にはかられる。
【0095】そして、コントロールバー各端部の枢着点
に対する前リンク、後リンクいずれかの遊挿孔を、想定
直線に対する直交線に沿って延びた長孔とすれば、シー
ト側支点でのデッドポイント近傍におけるコントロール
バー端部での遊びが確実に制限されるため、コントロー
ルバーによる回動の伝達が確実化、かつ円滑化される。
従って、シート側支点でのデッドポイント近傍における
前リンク、後リンクの回動継続性の向上が、この構成に
よれば一層はかられる。
【0096】また、鉛直線に対する前リンク、後リンク
の前方傾動位置を、シート本体の使用位置における前後
各リンクの設定位置として規定、設定し、なおかつ、こ
の前方傾動位置で前後各リンクの少なくともいずれかを
バンパーラバーに当接可能とすることにより、シート本
体からの、ロック機構への荷重の集中的作用が確実に防
止できるため、ロック機構の安全性が確保できるととも
に、その安定性が向上する。そして、ロック機構のロッ
ク解除時における、シート本体の下降方向への、前後各
リンクの不意の回動が防止できるため、操作時の安全性
が一層向上される。
【0097】更に、ロック機構付きヒンジ手段を、2ポ
ジションのロック機構によりベースプレートに対する回
動アームの回動規制を行うものとするとともに、サポー
トばねを、回動アームに偏倚力を付与するぜんまいばね
とすれば、ロック機構付きヒンジ手段としてリクライニ
ング装置の構成を基本的に応用することができるため、
その構成の簡素化がはかられる。
【0098】そして、ヒンジを有するこの構成であれ
ば、前リンク、後リンクいずれかの、床体側支点、ある
いはシート側支点のいずれかとして配することができる
ため、シート本体を格納位置、使用位置の双方に保持可
能とする機構部が、この後リンクのシート側支点におい
て完結できる。従って、車体等の精度や組立精度等の影
響を受け難い床下格納シートが、この構成によれば容易
に確保できる。
【0099】更に、前リンク、後リンクを周縁にフラン
ジを有する剛体とし、この左右の前リンク間、および後
リンク間を連結バーによって一体的に連結すれば、前後
各リンクの剛性強化により、これらに対する連結バーの
直交維持が確実にはかられる。そして、前リンク、後リ
ンクに対する連結バーの直交維持により、シート本体か
らの荷重は、前後各リンクの床体側支点に対し、そのせ
ん断力として入力されることから、この床体側支点への
曲げモーメントの入力が、これによれば十分に緩和可能
となるとともに、連結バーの長手方向における前後各リ
ンクのガタツキの緩和も、これによれば十分にはかられ
る。
【0100】従って、この構成によれば、前リンク、後
リンクの床体側支点の剛性が十分に高く確保できるとと
もに、その安全性、および快適性が一層向上される。
【0101】そして、前リンク、後リンクに対する連結
バーの固定を、上下方向で重ね合わされたリンク側ブラ
ケットと連結バー端部とに対するボルトでの共締めによ
り行うものとし、更には、このボルトを挿通可能にリン
ク側ブラケット、および連結バー端部に設けられた挿通
孔の少なくともいずれか一方を、連結バーの長手方向に
延びる長孔とすれば、前リンクの左右間、および後リン
クの左右間の間隔ずれ、およびそのバラツキが、この長
孔としてなる挿通孔により吸収できるため、その部品精
度、および組付け精度等の緩和が十分にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】格納位置における、この発明に係る床下格納シ
ートの概略側面図である。
【図2】使用位置における、床下格納シートの概略側面
図である。
【図3】前リンク、および後リンクを示す、床下格納シ
ートの部分断面図である。
【図4】使用位置における、前リンク、および後リンク
の概略正面図である。
【図5】格納位置における、前リンク、および後リンク
の概略正面図である。
【図6】シート側支点でのデッドポイントにおける、床
下格納シートの概略側面図である。
【図7】シート側支点でのデッドポイントにおける、前
リンク、および後リンクの概略正面図である。
【符号の説明】
10 床下格納シート 16 シート本体 20 格納凹部 28f,28r 前リンク、後リンク 30f,30r 床体側支点 34f,34r シート側支点 36 ロック機構付きヒンジ手段 44 サポートばね 48 直線(デッドポイント) 50 コントロールバー 52f,52r 枢着点 58f,58r 遊挿孔 63 ストッパ 66 連結バー 68 フランジ 70 リンク側ブラケット 78,80 挿通孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清瀬 健則 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 小林 裕之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 松尾 要 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 湯元 剛 東京都昭島市松原町3丁目2番12号 株式 会社タチエス内 (72)発明者 袴田 均 東京都昭島市松原町3丁目2番12号 株式 会社タチエス内 Fターム(参考) 3B087 CA09 3D003 AA19 BB03 CA14 DA19

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッション上へのシートバックの
    倒伏により折り畳んだシート本体を、床体に形成された
    格納凹部内にその移動のもとで格納可能とした床下格納
    シートにおいて、 床体の格納凹部内に床体側支点を配した、平行リンクを
    なす前後一対の回動自在な前リンク、後リンクによっ
    て、シート本体を格納凹部内外間で昇降可能に支持し、
    前リンク、後リンクのいずれかの、床体側支点、あるい
    はこの床体側支点に対するシート側支点のいずれか一方
    として配した、2ポジションロックとしてなるロック機
    構付きヒンジ手段によるその回動規制によって、このシ
    ート本体を格納凹部内の格納位置、および格納凹部上方
    の使用位置にそれぞれ保持可能とするとともに、 前リンク、後リンクのシート側支点でのデッドポイント
    より前後各リンクを下方傾動させた位置に、シート本体
    の格納位置を規定、設定したことを特徴とする床下格納
    シート。
  2. 【請求項2】 シートクッション上へのシートバックの
    倒伏により折り畳んだシート本体を、床体に形成された
    格納凹部内にその移動のもとで格納可能とした床下格納
    シートにおいて、 床体の格納凹部内に床体側支点を配した、平行リンクを
    なす前後一対の回動自在な前リンク、後リンクによっ
    て、シート本体を格納凹部内外間で昇降可能に支持し、
    前リンク、後リンクのいずれかの、床体側支点、あるい
    はこの床体側支点に対するシート側支点のいずれか一方
    として配した、2ポジションロックとしてなるロック機
    構付きヒンジ手段によるその回動規制によって、このシ
    ート本体を格納凹部内の格納位置、および格納凹部上方
    の使用位置にそれぞれ保持可能とするとともに、 前リンク、後リンクのシート側支点でのデッドポイント
    より前後各リンクを下方傾動させた位置に、シート本体
    の格納位置を規定、設定し、床体側支点とシート側支点
    とを結ぶ想定直線に床体側支点で位相をずらしてなる、
    この想定直線に対する交差線上に各端部の枢着点を配し
    たコントロールバーによって、前リンク、後リンク間を
    連動可能に連結したことを特徴とする床下格納シート。
  3. 【請求項3】 コントロールバーの各端部の枢着点を枢
    支ピンにより形成し、この枢支ピンの遊挿される遊挿孔
    を前リンク、後リンクにそれぞれ設けるとともに、床体
    側支点とシート側支点とを結ぶ想定直線に直交する線に
    沿って延びた長孔として、この遊挿孔のいずれか一方を
    形成した請求項2記載の床下格納シート。
  4. 【請求項4】 前リンク、後リンクの床体側支点を通る
    鉛直線よりその前方にシート側支点を位置させた前後各
    リンクの前方傾動位置に、シート本体の使用位置を規
    定、設定するとともに、前リンク、後リンクの少なくと
    もいずれかの当接可能なバンパーラバーを所定の固定部
    材に設けることにより、この前方傾動位置での前後各リ
    ンクの過剰前方傾動を阻止可能とした請求項1ないし3
    のいずれか記載の床下格納シート。
  5. 【請求項5】 ロック機構付きヒンジ手段が、ヒンジピ
    ンによって枢支、連結されたベースプレート、および回
    動アームを備え、このベースプレートに対する回動アー
    ムの回動規制をシート本体の格納位置、および使用位置
    のそれぞれにおいて行う2ポジションロックとして、そ
    のロック機構が形成されるとともに、 ヒンジピンに巻装されたぜんまいばねとしてなるサポー
    トばねが、ベースプレート、および回動アームに対する
    その内端、外端のそれぞれの係止のもとで、その偏倚力
    を、使用位置方向への上昇サポート力としてシート本体
    に付与可能に配設された請求項1ないし4のいずれか記
    載の床下格納シート。
  6. 【請求項6】 シート本体の左右位置に離間並置された
    前リンク、後リンクが、周縁にフランジの設けられた剛
    体として形成されるとともに、この前後各リンクのシー
    ト本体内方面に、リンク側ブラケットが一体的に突設さ
    れ、 左右の各リンクのリンク側ブラケット間に連結バーを架
    設、固定することによって、左右の各リンク間を、前後
    各リンク間毎に一体的に連結した請求項1ないし5のい
    ずれか記載の床下格納シート。
  7. 【請求項7】 前リンク、後リンクに対する連結バーの
    固定が、上下方向で重ね合わされたリンク側ブラケッ
    ト、および連結バー端部に対するボルトでの共締めによ
    り行われるとともに、このボルトを挿通可能にリンク側
    ブラケット、および連結バー端部に設けられた挿通孔の
    少なくともいずれか一方が、連結バーの長手方向に延び
    る長孔として形成された請求項6記載の床下格納シー
    ト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1452387A2 (en) 2003-02-28 2004-09-01 Araco Kabushiki Kaisha Retractable seats
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US9085251B2 (en) 2013-02-27 2015-07-21 Kia Motors Corporation Storage apparatus for seat of vehicle

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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