JP2002316140A - 簡易カイロの分離回収方法 - Google Patents

簡易カイロの分離回収方法

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JP2002316140A
JP2002316140A JP2001125654A JP2001125654A JP2002316140A JP 2002316140 A JP2002316140 A JP 2002316140A JP 2001125654 A JP2001125654 A JP 2001125654A JP 2001125654 A JP2001125654 A JP 2001125654A JP 2002316140 A JP2002316140 A JP 2002316140A
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正行 井戸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、簡易カイロを素材ごとに効率良く
分離した後、回収することが可能な、簡易カイロの分離
回収方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の簡易カイロの分離回収方法は、
発熱剤としての金属粉粒物と該金属粉粒物の酸化を促進
する発熱助剤とを含む発熱材と、該発熱材を収納する袋
体とからなる簡易カイロの分離回収方法であって、前記
袋体の中から発熱材を取出す工程と、前記発熱材を金属
粉粒物と発熱助剤とに分離する工程とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使い捨て可能な簡
易カイロの分離回収方法に関する。詳しくは、簡易カイ
ロを素材ごとに分離回収する方法に関する。
【0002】近年、環境保全の観点から資源のリサイク
ルが促進されており、使い捨て可能な簡易カイロにおい
ても廃材を再利用することが望まれている。しかしなが
ら、簡易カイロは複数の素材からなる複合体である。例
えば、一の種類の簡易カイロは発熱剤と発熱反応を促進
する発熱助剤を主成分とする発熱材と該発熱材を収納す
る通気性内装体と、これらを包装する不通気性外装体か
らなり、他の種類の簡易カイロは上記発熱材と該発熱材
を収納する通気性内装体と、該通気性内装体の片面に塗
布された衣服への装着用粘着材と、該粘着材に貼付され
た剥離シートと、これらを包装する不通気性外装体から
なる。更に、上記発熱剤は金属粉粒物を主成分とし、発
熱助剤は電解質と該電解質を水溶液として保持する保水
材等を含む。
【0003】このように、簡易カイロは複数の異なる素
材からなる複合体なので、各素材ごとの分離が不充分な
状態で回収すると様々な不都合を生ずる。具体的には、
使用済みのカイロから回収した鉄粉は酸化されているの
で、カイロの原料として再利用するためには、溶鉱炉で
加熱して還元しなければならない。しかし、使用済みの
カイロから回収した鉄粉に食塩等の電解質等が含まれて
いると溶鉱炉の耐火煉瓦を損傷するので、鉄粉を還元し
て再利用するためには電解質を取除く必要がある。また
活性炭等の木質系材料は土壌改良材として好適なもので
あるが、鉄粉や食塩等の電解質が含まれているものは好
ましくない。特に、食塩が含まれていると、植物を枯ら
す虞がある。
【0004】従って、簡易カイロを各素材ごとに回収す
るためには、まず素材ごとに分離することが要求され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、簡易カ
イロは発熱材と該発熱材を収納する袋体からなる複合体
である。かかる簡易カイロを素材ごとに回収するために
は、まず発熱材と内装体及び外装体等からなる袋体とを
分離し、次に発熱材を金属粉粒物と発熱助剤に分離し、
更に発熱助剤を保水材と電解質に分離しなければならな
い。従って、簡易カイロを素材ごとに回収するには、複
雑で煩雑な工程を必要とすることから、簡易カイロを回
収するのに要求される作業量は過大なものとなる。
【0006】しかしながら、従来は、簡易カイロを素材
ごとに効率良く分離、回収する方法や装置は存在しなか
ったので、簡易カイロの回収を円滑に行なうことができ
なかった。かかる状況の下、不通気性外装体が取外され
た使用済みの簡易カイロや、不通気性外装体で包装され
たままの未使用の簡易カイロを供給するだけで、素材ご
とに効率良く分離し回収することができる方法や、該方
法を実施できる装置があれば極めて便利である。
【0007】本発明は、簡易カイロを素材ごとに効率良
く分離した後、回収することが可能な、簡易カイロの分
離回収方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)発熱剤
としての金属粉粒物と該金属粉粒物の酸化を促進する発
熱助剤とを含む発熱材と、該発熱材を収納する袋体とか
らなる簡易カイロの分離回収方法であって、前記袋体の
中から発熱材を取出す工程と、前記発熱材を金属粉粒物
と発熱助剤とに分離する工程とからなることを特徴とす
る簡易カイロの分離回収方法、(2)袋体が、発熱材を
収容すると共に内部の発熱材に酸素を供給可能な通気性
内装体と、該通気性内装体を包装すると共に酸素の供給
を遮断する非通気性外装体とからなることを特徴とする
前記(1)記載の簡易カイロの分離回収方法、(3)発
熱助剤が、金属粉粒物の酸化を促進する電解質溶液と、
該電解質溶液を保持する保水材とからなることを特徴と
する前記(1)記載の簡易カイロの分離回収方法、
(4)袋体の中から発熱材を取出す工程において、一の
破砕刃と他の破砕刃とを噛合うように逆回転させること
により、袋体を破砕して発熱材を取出すことを特徴とす
る前記(1)又は(2)記載の簡易カイロの分離回収方
法、(5)一の破砕刃の回転の周速度と他の破砕刃の回
転の周速度が異なることを特徴とする前記(4)記載の
簡易カイロの分離回収方法、(6)互いに逆回転する低
速回転部と高速回転部とからなり、上記低速回転部及び
高速回転部は共に回転軸と回転軸の軸方向に沿って設け
られた複数の円盤状の破砕刃とからなり、低速回転部の
破砕刃の周面及び高速回転部の破砕刃の周面には共に複
数の凹部と凸部が形成されており、上記低速回転部と高
速回転部とは互いの破砕刃が互いに噛み合うように組み
合わされている破砕装置を用いて袋体の中から発熱材を
取出すことを特徴とする前記(5)記載の簡易カイロの
分離回収方法、(7)低速回転部の破砕刃の周面に形成
された各々の凸部の上端面から隣接する低速回転部の破
砕刃の一の凸部の上端面に引いた線と回転軸の直角方向
との角度がα度であり、高速回転部の破砕刃の周面に形
成された各々の凸部の上端面から隣接する高速回転部の
破砕刃の一の凸部の上端面に引いた線と回転軸の直角方
向との角度がβ度であり、上記角度αと角度βとの差が
0.1〜30度である破砕装置を用いて袋体の中から発
熱材を取出すことを特徴とする前記(6)記載の簡易カ
イロの分離回収方法、(8)袋体の中から発熱材を取出
す工程において、袋体ごと剪断、袋体ごと穿孔、袋体を
引き千切る、又は袋体を焼却することにより発熱材を取
出すことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の簡易
カイロの分離回収方法、(9)発熱材を金属粉粒物と発
熱助剤とに分離する工程において、比重差を利用するこ
とにより、水中において発熱材を金属粉粒物と発熱助剤
とに分離することを特徴とする前記(1)又は(3)記
載の簡易カイロの分離回収方法、(10)発熱材を金属
粉粒物と発熱助剤とに分離する工程において、発熱材を
粉砕してから遠心分離機を用いて発熱材を金属粉粒物と
発熱助剤とに分離することを特徴とする前記(1)又は
(3)記載の簡易カイロの分離回収方法、(11)発熱
材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離する工程で分離され
た発熱助剤を、電解質溶液と保水材とに分離する工程を
含むことを特徴とする前記(3)、(8)、(9)、又
は(10)のいずれかに記載の簡易カイロの分離回収方
法、(12)電解質溶液と保水材とに分離する工程にお
いて、水を加えた発熱助剤を圧搾機に入れて絞ることに
より保水材と電解質溶液を分離することを特徴とする前
記(11)記載の簡易カイロの分離回収方法、(13)
電解質溶液と保水材とに分離する工程において、水を加
えた発熱助剤を遠心分離機を用いて電解質溶液を脱水す
ることにより、保水材と電解質溶液を分離することを特
徴とする前記(11)記載の簡易カイロの分離回収方法
を要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は簡易カイロを素材ごとに
分離し、回収することを目的とする。該簡易カイロは発
熱材と、該発熱材を収納する袋体とからなり、発熱材は
発熱剤としての金属粉粒物と該金属粉粒物の酸化を促進
する発熱助剤とを含む。
【0010】前記袋体は、発熱材を収容すると共に内部
の発熱材に酸素を供給可能な通気性内装体と、該通気性
内装体を包装すると共に酸素の供給を遮断する非通気性
外装体とからなることが好ましいが、前記通気性内装体
はその片面に衣服への装着用粘着材が塗布され、該粘着
材には剥離シートが貼付されたもの(以下、衣服貼着用
簡易カイロという。)でもよい。発熱材が通気性内装体
に収納されていると、発熱材の飛散を防ぐことができる
と共に酸化反応に必要な空気中の酸素を供給することが
できる。又、発熱材を収容する通気性内装体が非通気性
外装体で包装されていると、発熱材が酸化反応を起こす
とを防いで、簡易カイロを長期間保存することができ
る。また、簡易カイロの使用者が非通気性外装体を破る
だけで、酸化反応を起こすことにより簡単に簡易カイロ
を発熱させることができる。尚、使用済みの簡易カイロ
においては、非通気性外装体は既に取外されているので
存在しない。更に、使用済みの衣服貼着用簡易カイロに
おいては、剥離シートと非通気性外装体は既に取外され
ているので存在しない。
【0011】上記通気性内装体としては、通気性フィル
ム、紙、不織布、化繊紙、有孔プラスチックフィルム等
からなるものが挙げられる。又、上記非通気性外袋体と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱融着性合
成樹脂フィルム、または、ポリ塩化ビニリデン、ポリア
ミド、ナイロン、金属蒸着フィルム、金属酸化物の蒸着
フィルム、金属箔ラミネートフィルム、EVOH(エチ
レン・ビニルアルコール共重合物、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体鹸化物)系フィルムなどのフィルムと熱融着
性フィルムを貼り合せた多層フィルム等からなるものが
挙げられる。
【0012】又、簡易カイロの種類によっては前記袋体
に加えて、形状保持用の素材として、植物性繊維、再生
繊維等の綿、紙、濾紙、クラフトパルプやレーヨン等を
主成分とするティッシュ又は化学繊維等で構成される不
織布、パルプ、綿、ビスコースレーヨン、吸水性化学繊
維等や、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン
等からなる熱融着性繊維等も使用される。
【0013】又、衣服貼着用簡易カイロにおいては、合
成接着剤、天然接着剤の中から適宜選択して用いられ、
好ましくはアクリル系接着剤、ビニル系接着剤、セルロ
ース系接着剤が通気性内装体に塗布される粘着剤として
使用される。
【0014】前記発熱材は発熱剤としての金属粉粒物と
該金属粉粒物の酸化を促進する発熱助剤とを含む。該金
属粉粒物としては、鉄粉、アルミニウム粉等が挙げら
れ、上記鉄粉としては、還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、い
もの鉄粉等が挙げられる。
【0015】前記発熱助剤は、金属粉粒物の酸化を促進
する電解質溶液と、該電解質溶液を保持する保水材とか
らなることが好ましく、発熱助剤には、さらに酸化促進
剤として機能する四三酸化鉄、四三酸化鉛、四三酸化マ
ンガン、酸化第二銅を添加してもよい。
【0016】前記電解質としては、塩化ナトリウム、塩
化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙
げられるが、通常は入手しやすく取扱が簡便な塩化ナト
リウムが使用される。
【0017】前記保水材としては、ヤシガラ活性炭、木
粉炭、石炭、コークス炭、瀝青炭、泥炭、シリカ、バー
ミキュライト、吸水性ポリマー、木粉等が挙げられ、上
記吸水性ポリマーとしては、ポリアクリル酸ソーダ、ポ
リアクリル酸塩架橋物等が挙げられる。
【0018】本発明の簡易カイロの分離回収方法は、前
記袋体の中から発熱材を取出す工程(以下、発熱材取出
工程という。)と、前記発熱材を金属粉粒物と発熱助剤
とに分離する工程(以下、金属粉粒物分離工程とい
う。)とからなる。即ち、発熱材取出工程において袋体
の中から発熱材を取出すことにより袋体と発熱材を分離
して回収し、次に金属粉粒物分離工程において、発熱材
を金属粉粒物と発熱助剤とに分離して別々に回収する。
本発明においては、このように簡易カイロを構成する素
材ごとに分離して回収するので、各素材のリサイクルが
可能になる。
【0019】前記発熱材取出工程においては、一の破砕
刃と他の破砕刃とを噛合うように逆回転させて袋体を破
砕することにより、発熱材を取出すことが好ましい。こ
のように一の破砕刃と他の破砕刃とを噛合うように逆回
転させると、袋体は破砕されて破砕片になると共に、発
熱材は破砕されて破砕粉となる。発熱材と袋体がこのよ
うに破砕されていると発熱材を取出すことにより、両者
を分離して別々に回収し、袋体は再度ペレット化するこ
とにより再利用できる。また、発熱材が破砕されて、細
かな破砕粉になっていると、後述する金属粉粒物分離工
程において発熱材を金属粉粒物と発熱助剤に分離するこ
とが容易になる。
【0020】前記一の破砕刃の回転の周速度と他の破砕
刃の回転の周速度は異なることが好ましい。両破砕刃の
回転の周速度が異なっていると破砕力が強くなるので、
発熱材や袋体、特に袋体を効果的に引き千切って、均一
に且つ効率良く破砕することができる。具体的には、両
破砕刃の回転の周速度の比は、1.3〜10であること
が好ましく、1.5〜7であることがより好ましく、2
〜4であることが特に好ましい。尚、上記回転の周速度
とは、破砕刃の周縁が回転する速度をいう。
【0021】前記発熱材取出工程における破砕は、図1
に示す破砕装置1を用いることが好ましい。該破砕装置
1は、互いに逆回転する低速回転部2と高速回転部6と
からなり、上記低速回転部2及び高速回転部6は共に回
転軸3,7と回転軸3,7の軸方向に沿って設けられた
複数の円盤状の破砕刃4,破砕刃8とからなり、低速回
転部2の破砕刃4の周面及び高速回転部6の破砕刃8の
周面には共に複数の凹部と凸部5,9が形成されてお
り、上記低速回転部2と高速回転部6とは互いの破砕刃
4,破砕刃8が互いに噛み合うように組み合わされてい
る。かかる装置を使用すると、発熱材と袋体を効率良く
連続して破砕することができ、後述する篩い機と組み合
わせることにより発熱材を容易に取出すことができ、袋
体も分離回収することができる。
【0022】上記図1に示す態様の装置においては、図
3に示すように、低速回転部2の破砕刃4の周面に形成
された各々の凸部5の上端面から隣接する低速回転部2
の破砕刃4の一の凸部5の上端面に引いた線と回転軸3
の直角方向との角度が角度αであり、図4に示すよう
に、高速回転部6の破砕刃8の周面に形成された各々の
凸部9の上端面から隣接する高速回転部6の破砕刃8の
一の凸部9の上端面に引いた線と回転軸7の直角方向と
の角度が角度βであり、上記角度αと角度βとの差が
0.1〜30度であることが好ましい。角度αと角度β
との差がかかる範囲外の場合は、袋体を効率的に破砕で
きなくなる虞がある。
【0023】前記破砕刃4の周面に形成された各々の凸
部5の上端面から隣接する破砕刃の一の凸部5の上端面
に引いた線とは、破砕刃4の周面に形成された各々の凸
部5の上端面に接すると共に隣接する破砕刃の一の凸部
5の上端面に接する線をいう。このように引かれた線
は、図3に示すように、速回転軸3の軸方向を中心とす
る螺旋Hとなり、螺旋Hの本数は破砕刃4の周面に
形成された凸部5の数と同じになり、各々の凸部5は螺
旋Hに接するように配置されることとなる。但し、角
度αが90度の場合は、螺旋Hは回転軸3の軸方向に
平行な直線となる。
【0024】又、前記破砕刃8の周面に形成された各々
の凸部9の上端面から隣接する破砕刃の一の凸部9の上
端面に引いた線とは、破砕刃8の周面に形成された各々
の凸部9の上端面に接すると共に隣接する破砕刃の一の
凸部9の上端面に接する線をいう。このように引かれた
線は、図4に示すように、速回転軸7の軸方向を中心と
する螺旋Hとなり、螺旋Hの本数は破砕刃8の周面
に形成された凸部9の数と同じになり、各々の凸部9は
螺旋Hに接するように配置されることとなる。但し、
角度βが90度の場合は、螺旋Hはそれぞれ回転軸7
の軸方向に平行な直線となる。
【0025】角度α、角度βは、発熱材等を効率良く破
砕することができるという点から、それぞれが好ましく
は30度〜150度、より好ましくは60度〜120
度、更に好ましくは85度〜90度の範囲内で定めるこ
とが好ましく、特に角度αは90度であることが好まし
い。
【0026】回転軸3,7を構成する材料は、スチール
鋼、ステンレス鋼等が用いられる。回転軸3,7の直径
は、十分な強度を有すると共に装置の製作が容易である
という点から、10〜300mmが好ましく、10〜2
00mmがより好ましく、20〜100mmが更に好ま
しい。また低速回転軸3の長さは10〜5000mmが
好ましく、30〜4000mmがより好ましく、50〜
2000mmが更に好ましい。
【0027】破砕刃4,破砕刃8を構成する材料は、耐
摩耗性に優れるヘルテン鋼等を使用することが好まし
い。
【0028】破砕刃4,破砕刃8の直径は、破砕装置1
の製作、維持が容易であると共に複合体を効率良く破砕
できるという点から、50〜500mmが好ましく、1
00〜400mmがより好ましく、150〜350mm
が更に好ましい。破砕刃4,破砕刃8の厚さは、十分な
強度を有すると共に発熱材等を効率良く破砕できるとい
う点から、5〜30mmが好ましく、10〜20mmが
より好ましく、12〜16mmが更に好ましい。尚、破
砕刃8と破砕刃4は同じ材料を用いて、直径及び厚さを
同一に構成することが、破砕装置1の製作が容易である
ことから好ましい。
【0029】破砕刃4,破砕刃8の枚数は、破砕装置1
の製作、維持が容易であると共に、発熱材等を効率良く
破砕することができるという点から、2〜100枚が好
ましく、3〜90枚がより好ましく、5〜50が更に好
ましい。尚、破砕刃8と破砕刃4の枚数は同一であるこ
とが好ましいが、どちらかの枚数が1枚多く構成されて
いても良い。
【0030】凹部と凸部5,9は、複合体を均一に破砕
できると共に製作が容易であるということから、破砕刃
4,破砕刃8の周面に沿って同一形状のものを等間隔に
形成することが好ましい。
【0031】凸部5,9の寸法は、発熱材等を効率良く
破砕できるという観点から、長さは通常5〜50mm、
好ましくは10〜40mmであり、高さは通常5〜50
mm、好ましくは10〜40mmである。
【0032】破砕刃4,破砕刃8の少なくとも一方の円
盤面には、図2(a)(b)に示すように、破砕片除去
用凹部10が設けられていることが好ましい。かかる破
砕片除去用凹部10が設けられていると、破砕粉や破砕
片が破砕刃4と破砕刃8との間に挟まることを防いで、
破砕刃4,破砕刃8を円滑に回転させることができるの
で、袋体や発熱材を効率的に破砕することができる。
【0033】破砕片除去用凹部10は製作が容易である
ことから、円形であることが好ましく、該円形の直径は
破砕刃4,破砕刃8の直径より3mm〜100mm小さ
いことが好ましく、5mm〜60mm小さいことがより
好ましい。又、破砕片除去用凹部10の深さは、3〜5
0mmが好ましく、5〜30mmがより好ましい。
【0034】低速回転軸3の周面と破砕刃8の凸部5の
上端面との間隙G1、回転軸7の周面と破砕刃4の凸部
9との間隙G2、破砕刃4の円盤面と破砕転刃8の円盤
面との間隙G3は、発熱材等を均一に破砕することがで
きるという点から、共に0.5〜10mmであることが
好ましく、1〜5mmであることがより好ましく、1.
5〜3mmであることが更に好ましい。
【0035】高速回転部6の破砕刃8の凸部9の上端面
における回転の周速度は、発熱材や袋体、特に袋体を効
果的に引き千切って、均一に且つ効率良く破砕するとい
う観点から、低速回転部2の破砕刃4の凸部5の上端面
における回転の周速度の1.3〜10倍であることが好
ましく、1.5〜7倍であることがより好ましく、2〜
4倍であることが特に好ましい。
【0036】破砕装置1は、図5に示すように、上部が
開放が開放されたケーシング21の中に設けられている
ことが好ましい。このように構成されていると、簡易カ
イロを上方から落下させることによって簡易カイロを効
率良く破砕することができるので、作業性が優れた装置
となる。
【0037】前記ケーシング21においては、図5に示
すように、破砕装置1の下方部に篩い22を設けること
により、発熱材の破砕粉と袋体の破砕片を分離すること
が好ましく、該篩い22は篩いを上下左右に振動する振
動篩い機として構成されているものがより好ましい。篩
い22が設けられていると、発熱材と袋体を容易に分離
し、別々に回収することができる。尚、上記篩い22は
1〜10mmの網目のものを使用することが好ましい。
【0038】本発明においては、前記発熱材取出工程
が、袋体ごと剪断、袋体に穿孔、袋体を引き千切る、又
は袋体を焼却することにより発熱材を取出す工程であっ
てもよい。即ち、発熱材を収容した袋体ごと剪断した
後、発熱材と袋体を分離することにより発熱材を取出す
ことができ、発熱材を収容した袋体を穿孔した後、その
孔から発熱材を取出すことができ、袋体を引き千切るこ
とにより発熱材を取出すことができ、又発熱材を収容す
る袋体を燃やすことにより発熱材を取出すことができ
る。
【0039】袋体を剪断により発熱材を取出す方法とし
ては、例えば、図9に示すように、簡易カイロ51をベ
ルトコンベヤー52で搬送しながら、一乃至複数の剪断
刃53を用いて袋体ごと剪断する方法が挙げられる。袋
体を穿孔することにより発熱材を取出す方法としては、
例えば、図10に示すように、簡易カイロ51をベルト
コンベヤー52で搬送しながら、先の鋭い穿孔刃54が
多数設けられた治具を用いて袋体ごと穿孔する方法が挙
げられる。袋体を引き千切ることにより発熱材を取出す
方法としては、例えば、図11に示すように、簡易カイ
ロ51をベルトコンベヤー52で搬送しながら、マジッ
クハンド55を用いて袋体を引張って引き千切る方法が
挙げられる。袋体を焼却することにより発熱材を取出す
方法としては、例えば、簡易カイロ51をベルトコンベ
ヤー52で搬送しながら、図12に示すようにオーブン
56を用いて加熱して袋体を焼却する方法が挙げられ
る。
【0040】前記金属粉粒物分離工程においては、比重
差を利用することにより、水中において発熱材を金属粉
粒物と発熱助剤とに分離することが好ましい。例えば、
発熱助剤が電解質と保水材からなる場合、発熱材を水中
において攪拌することによって金属粉粒物と発熱助剤と
を分離させた後、電解質を水に溶解させ、更に金属粉粒
物を沈殿させると共に保水材を浮遊させることによっ
て、発熱材を金属粉粒物と発熱助剤に分離することが好
ましい。かかる方法によれば、金属粉粒物と発熱助剤と
を確実に分離することができる。このようにして分離さ
れ、回収された金属粉粒物は食塩等の電解質等が完全に
取除かれており、加熱されても溶鉱炉の耐火煉瓦を損傷
することなく還元することができるので、簡易カイロの
製造に再度使用することができる。
【0041】金属粉粒物分離工程において、水中におい
て比重差を利用することにより、金属粉粒物と発熱助剤
とに分離するに際しては、発熱材を前述したように破砕
して破砕粉としたものを用いることが、発熱材を効率的
に金属粉粒物と発熱助剤とに分離することができるので
好ましい。
【0042】前記金属粉粒物分離工程における比重差の
利用による分離は、図6に示す計量攪拌装置31を用い
ることが好ましい。該計量攪拌装置31は、攪拌羽根3
2が設けられた水槽33と分離タンク36を備え、水槽
33と分離タンク36を連結する排出弁35を有する装
置である。
【0043】次に、計量攪拌装置31を用いて発熱材の
破砕粉を金属粉粒物と発熱助剤とを分離する方法につい
て、発熱助剤が、金属粉粒物の酸化を促進する電解質溶
液と、該電解質溶液を保持する保水材とからなる場合を
例にとって説明する。
【0044】まず、発熱材の破砕粉と水を計量して水槽
33に投入する。次に、攪拌羽根32を回転させると、
破砕片を構成する金属粉粒物や、発熱助剤中を構成する
活性炭等の保水材は、細かい固体粒子が水中に懸濁して
いるデイ状のスラリーとなって水中に分散する。このと
き金属粉粒物と保水材とは分離した状態となり、電解質
は水に溶解する。次に、排出弁35を開いて水槽33中
の分散液を分離タンク36に排出して放置すると、分離
タンク36中において金属粉粒物は下方に沈殿し、活性
炭等の保水材は上方に浮遊する。次に、沈殿した金属粉
粒物を金属粉粒物搬送用のスクリューフィーダー37を
用いて金属粉粒物回収タンク38に搬送し、回収タンク
36内の発熱助剤の分散液(保水材が電解質の水溶液に
分散したもの)に水を加えてオーバーフローさせて、浮
遊した保水材を分散液に溶解した電解質と共に分散液の
貯槽40に排出する。このように計量攪拌装置31を用
いれば、金属粉粒物と発熱助剤とを容易に分離して別々
に回収できると共に、装置の維持、清掃も容易である。
尚、図6において、34は攪拌羽根32の駆動装置を、
39は架台をそれぞれ示す。
【0045】計量攪拌装置31を用いて破砕粉を水中に
おいて攪拌する場合、破砕粉の重量と水の重量の配合に
制限はないが、水の重量は破砕粉の重量の1〜10倍で
あることが好ましく、1〜3倍であることがより好まし
い。水の重量が破砕粉の重量と同量未満の場合は、破砕
粉と水の攪拌が不十分で金属粉粒物と発熱助剤を分離で
きない虞がある。一方、10倍を超える場合は金属粉粒
物を沈殿させるのに長時間を要すると共に浮遊物の回収
にも長時間を要するので、分離効率が悪くなる虞があ
る。
【0046】破砕粉を水中において攪拌する速度は、制
限はないが、10〜90rmpであることが好ましい。
該速度が10rpm未満の場合は、攪拌が不十分になる
虞があり、該速度が90rpmを超えると、装置に負担
がかかりすぎる割には効率よく分離できない虞がある上
に、水や破砕粉が飛散する虞がある。
【0047】本発明の金属粉粒物分離工程においては、
発熱材を粉砕してから遠心分離機を用いて発熱材を金属
粉粒物と発熱助剤とに分離することもできる。図13に
金属粉粒物分離工程において用いる遠心分離機の一例を
示す。該遠心分離機61は、実験室において使用される
遠心分離機と同様な構造を有し、中心軸62と中心軸6
2の回りに回転可能に設けられた複数の容器63を備
え、容器63は遠心分離機61が静止している間は開口
部64を上に向けて直立し(図13(a))、遠心分離機
61が回転している間は遠心力により開口部64を中心
軸62側に向けて水平になって回転する(図13
(b))。
【0048】上記遠心分離機61を用いて、細かく粉砕
された発熱材を水と共に容器63に入れて、容器を回転
させると金属粉粒物分離は容器63の底に沈殿し、発熱
助剤は水に浮遊した状態となるので、金属粉粒物分離と
発熱助剤を容易に分離することができる。
【0049】本発明の簡易カイロの分離回収方法におい
ては、発熱助剤が前述したように電解質溶液と、保水材
とからなる場合は、前記金属粉粒物分離工程において回
収された発熱助剤を電解質溶液と保水材とに分離する工
程(以下、電解質溶液分離工程という。)が設けられて
いることが好ましい。このようにして分離され、回収さ
れた電解質溶液は簡易カイロの製造に再利用することが
できる。
【0050】前記電解質溶液分離工程においては、水を
加えた発熱助剤を圧搾機に入れて絞ることにより保水材
と電解質溶液を分離することが好ましい。具体的には、
図7に示すような圧搾装置41を用いて、水が加えられ
た発熱助剤をポンプ(図示はしない。)を用いて濾布製
の袋体42に入れ、次に濾布製の袋体42を圧搾し、電
解質水溶液を絞り出すことにより、電解質と保水材とを
分離し、別々に回収することが好ましい。かかる方法に
よれば、発熱助剤を電解質と保水材に容易に分離するこ
とができる。又、活性炭や木粉等を主成分とする保水材
は、電解質がほぼ完全に取除かれているので土壌改良剤
として使用できる。尚、図7において、42は濾布製の
袋体を、43は圧縮機を、45は架台をそれぞれ示す。
【0051】前記濾布製の袋体42の大きさに制限はな
いが500〜2000リットル程度のものが製作が容易
である上に、扱い易いので好ましい。圧搾能力も制限は
ないが、500〜20000L/日が効率良く脱水で
き、装置に過度の負担がかからないという点で好まし
い。
【0052】又、電解質溶液分離工程においては、水を
加えた発熱助剤を遠心分離機を用いて電解質溶液を脱水
することにより、保水材と電解質溶液を分離することも
できる。図14に電解質溶液分離工程において用いる遠
心分離機の一例を示す。該遠心分離機71は、洗濯機の
脱水槽と同様な構造を有し、回転軸72を中心として回
転可能な内側槽73と外側槽74とを備え、内側槽73
の周囲には微少穴75が形成されている。尚、電解質と
保水材を完全に分離するためには、内側槽63の内側に
は濾布製の袋体76を設けておくことが好ましい。
【0053】上記遠心分離機71を用いて、水が加えら
れた発熱助剤を内側槽73に入れて内側槽73を回転さ
せれば、電解質の水溶液は微少穴75を通って内側槽7
3と外側槽の間に放出され、保水材は内側槽73の内部
に残るので、保水材と電解質を容易に分離することがで
きる。尚、77は排水口である。
【0054】本発明においては、以上説明した図5に示
すケーシング21の中に破砕装置1と篩い22が設けら
れた装置と、図6に示す計量攪拌装置31及び貯槽40
と、図7に示す圧搾装置41を用いて、前述した各工程
が連続して行われるように構成することが好ましく、そ
の好ましい一例を図8に示す。各装置が図8のように構
成されていると、簡易カイロを包装されたままの状態で
供給するだけで、素材ごとに効率良く完全に分離し回収
することができるので極めて便利である。尚、図8にお
いて、25は篩い22を通過した破砕粉を次の工程に搬
送するスクリューフィーダを、23は篩い22を通過せ
ずに落ちてきた袋体の破砕片を回収する回収箱をそれぞ
れ示す。
【0055】本発明の方法は、既に非通気性の袋体が取
外されている使用済みの簡易カイロを、各素材ごとに回
収する場合に使用することもできれば、非通気性の袋体
で包装されたままの簡易カイロ、例えば、品質保証期限
が過ぎたために販売店より返品されたものを各素材ごと
に回収する場合に使用することもできる。又、酸化鉄を
利用した脱酸素剤を分離回収する場合にも使用できる。
【0056】
【実施例】以下、実施例を挙げてさらに詳細に説明す
る。
【0057】発熱材取出工程においては、図5に示す、
ケーシングの中に破砕装置と篩い機が設けられた装置を
用いて発熱材を取出した。即ち、破砕処理を行なって発
熱材を破砕粉とし袋体を破砕片とした後、破砕粉と破砕
片を分離した。破砕装置の低速回転部、高速回転部は共
に、直径60mm、長さ900mmの回転軸と、等間隔
に設けられた直径500mm、厚さ12mmの20枚の
破砕刃とからなり、該低砕刃の周面には長さ30mm、
高さ20mmの凸部を等間隔で16個所形成した。尚、
前記角度αは90度、角度βは85度に設定した。
【0058】上記低速破砕刃の両方の円盤面、高速破砕
刃の両方の円盤面には共に、直径260mm、深さ20
mm(?破砕刃の厚さが12mmです。)の破砕片除去
用凹部を設けた。
【0059】上記低速回転軸の周面と高速破砕刃の周面
との間隙G1、高速回転軸の周面と低速破砕刃の周面と
の間隙G2、低速破砕刃の円盤面と高速回転刃の円盤面
との間隙はG3は、共に2mmとなるように低速回転部
と高速回転部を組み立てた。
【0060】低速回転部は減速機付電動機を用いて回転
させ、高速回転部は可変速機付電動機を用いて回転させ
た。
【0061】破砕装置は、図5に示すように、上部が開
放された縦900mm、横900mm、高さ500mm
のケーシングの中に取付けた。
【0062】篩いは、網目10mmのものが低速回転部
と高速回転部の下方に5度の傾きをもって設けられてお
り、上下左右に振動する機能を有するものを用いた。
【0063】金属粉粒物分離工程においては、図6に示
す態様の計量攪拌装置及び貯槽を用いた。該攪拌装置の
水槽の直径は1200mm、深さは1000mmであ
る。
【0064】電解質溶液分離工程においては、図7に示
す圧搾装置を用いた。該圧搾装置の濾布製の袋体の容量
は2000リットルである。
【0065】実施例 簡易カイロは、発熱剤としての鉄粉と、塩化ナトリウム
水溶液と活性炭を主成分とする発熱助剤とからなる発熱
材(重量50g)と、大きさ93mm×55mmの不織
布の通気性内装体(重量2.4g)とからなるものを用
いた。
【0066】発熱材取出工程において、524kgの上
記簡易カイロを1000kg/hrで前記破砕機に供給
し、低速回転部の破砕刃の回転の周速度を3.1mm/
sec、高速回転部の破砕刃の回転の周速度を6.2m
m/secに設定して、簡易カイロを破砕した。尚、上
記破砕刃の回転の周速度は、低速回転部及び高速回転部
共に破砕刃の凸部の上端面における回転速度である。
【0067】発熱材取出工程において、発熱材を破砕し
て得られた破砕粉と袋体を破砕して得られた破砕片を、
前記篩いを用いて分離し別々に回収した。尚、発熱材取
出工程が終了した時点での回収率は、破砕粉については
99%、破砕片については99%であった。
【0068】金属粉粒物分離工程において、発熱材取出
工程で得られた破砕粉約500kgと水500kgとを
計量して前記計量攪拌装置に供給し、攪拌速度40rp
mで3分攪拌し、鉄粉と保水材が塩化ナトリウム水溶液
に分散した分散液としてから、該分散液を分離タンクに
排出した。分散液を分離タンクの中で放置して鉄粉を沈
殿させた後、該鉄粉をスクリューフィーダーで取出して
回収し、分離タンクに水を加えてオーバーフローさせる
ことにより、保水材が分散した塩化ナトリウム水溶液を
貯槽に回収した。金属粉粒物分離工程において、合計1
90kgの鉄粉(乾燥後)を回収することができた。鉄
粉の回収率は99%であった。
【0069】電解質溶液分離工程において、前記金属粉
粒物分離工程において回収した分散液を2000Lの濾
布製の袋体に入れて圧搾し、塩化ナトリウム水溶液を分
離回収した。電解質溶液分離工程において得られた保水
材は30kg(乾燥後)で、回収率は90%であった。
【0070】
【発明の効果】本発明の簡易カイロ方法は、前述したよ
うに、袋体の中から発熱材を取出す工程と、発熱材を金
属粉粒物と発熱助剤とに分離する工程からなるので、簡
易カイロから、金属粉粒物と発熱助剤を分離して回収す
ることができる。
【0071】本発明方法においては、低速の破砕刃と高
速の破砕刃とを噛合うように逆回転させて袋体を破砕す
るという構成を採用すると、袋体を破砕することにより
発熱材を容易に取出すことができる。同時に、発熱材も
破砕することができるので、後工程において発熱材を金
属粉粒物と発熱助剤に分離することが容易になる。
【0072】前記発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分
離する工程において、比重差を利用することにより、水
中において発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離する
という構成を採用すると、金属粉粒物と発熱助剤とを確
実に分離することができる。このとき、発熱材として前
記破砕粉を用いると金属粉粒物と発熱助剤とを分離する
ことが容易になると共に、分離された金属粉粒物は食塩
等の電解質等が完全に取除かれたものとなる。このよう
に回収された鉄粉は、溶鉱炉の耐火煉瓦を損傷すること
なく還元することができるので、簡易カイロの製造に再
度使用することができる。
【0073】本発明方法においては、前記分離された発
熱助剤を電解質溶液と保水材とに分離する工程を設ける
と、回収された電解質溶液を簡易カイロの製造に再利用
することができる。該工程において、水を加えた発熱助
剤を圧搾機に入れて絞るという方法を採用すると、発熱
助剤を電解質と保水材に容易に分離することができる上
に、保水材から電解質を完全に取除くことができるの
で、保水材を土壌改良剤として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発熱材取出工程において使用される破
砕装置の一例を示す平面図である。
【図2】図2(a)は破砕刃の正面図である。図2
(b)は図2(a)のIIb−IIb線に沿う断面図であ
る。
【図3】図3は破砕装置の低速回転部の正面図である。
【図4】図4は破砕装置の高速回転部の正面図である。
【図5】図5はケーシングの中に破砕装置と篩いが設け
られた一例を示す図面である。
【図6】図6は、金属粉粒物分離工程において用いられ
る計量攪拌装置の一例を示す図面である。
【図7】図7は、電解質溶液分離工程において用いられ
る圧搾装置の一例を示す図面である。
【図8】図8は、本発明における好ましい工程の流れの
一例を示す図面である。
【図9】図9は、簡易カイロを剪断刃を用いて袋体ごと
剪断する方法の説明図である。
【図10】図10は、簡易カイロを穿孔刃を用いて袋体
ごと剪断する方法の説明図である。
【図11】図11は、簡易カイロの袋体を引張って引き
千切る方法の説明図である。
【図12】図12は、簡易カイロの袋体を加熱して焼却
する方法の説明図である。
【図13】図13(a)は、金属粉粒物分離工程において
用いる遠心分離機が静止した状態の一例を示す平面図で
ある。図13(b)は、金属粉粒物分離工程において用い
る遠心分離機が回転している状態の一例を示す平面図で
ある。
【図14】図14は、電解質溶液分離工程において用い
る遠心分離機の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 破砕装置 2 低速回転部 3 低速回転軸 4 破砕刃 5 凸部 6 高速回転部 7 回転軸 8 破砕刃 9 凸部 10 破砕片除去用凹部 22 篩い 31 計量攪拌装置 32 攪拌羽根 33 水槽 36 分離槽 41 圧搾装置 42 濾布製の袋体 51 簡易カイロ 53 剪断刃 54 穿孔刃 55 マジックハンド 56 オーブン 61 金属粉粒物分離工程において用いる遠心分離機 71 電解質溶液分離工程において用いる遠心分離機
フロントページの続き Fターム(参考) 4D004 AA50 AB06 BA05 CA04 CA08 CA10 CA13 CA28 CA40 CA42 CB13 CB34 CB50 4D065 CA12 CB01 CC01 DD05 EB20 ED21 ED29 EE19 4D067 EE12 GA20 GB03

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱剤としての金属粉粒物と該金属粉粒
    物の酸化を促進する発熱助剤とを含む発熱材と、該発熱
    材を収納する袋体とからなる簡易カイロの分離回収方法
    であって、前記袋体の中から発熱材を取出す工程と、前
    記発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離する工程とか
    らなることを特徴とする簡易カイロの分離回収方法。
  2. 【請求項2】 袋体が、発熱材を収容すると共に内部の
    発熱材に酸素を供給可能な通気性袋体と、該通気性袋体
    を包装すると共に酸素の供給を遮断する非通気性袋体と
    からなることを特徴とする請求項1記載の簡易カイロの
    分離回収方法。
  3. 【請求項3】 発熱助剤が、金属粉粒物の酸化を促進す
    る電解質溶液と、該電解質溶液を保持する保水材とから
    なることを特徴とする請求項1記載の簡易カイロの分離
    回収方法。
  4. 【請求項4】 袋体の中から発熱材を取出す工程におい
    て、一の破砕刃と他の破砕刃とを噛合うように逆回転さ
    せることにより、袋体を破砕して発熱材を取出すことを
    特徴とする請求項1又は2記載の簡易カイロの分離回収
    方法。
  5. 【請求項5】 一の破砕刃の回転の周速度と他の破砕刃
    の回転の周速度が異なることを特徴とする請求項4記載
    の簡易カイロの分離回収方法。
  6. 【請求項6】 互いに逆回転する低速回転部と高速回転
    部とからなり、上記低速回転部及び高速回転部は共に回
    転軸と回転軸の軸方向に沿って設けられた複数の円盤状
    の破砕刃とからなり、低速回転部の破砕刃の周面及び高
    速回転部の破砕刃の周面には共に複数の凹部と凸部が形
    成されており、上記低速回転部と高速回転部とは互いの
    破砕刃が互いに噛み合うように組み合わされている破砕
    装置を用いて袋体の中から発熱材を取出すことを特徴と
    する請求項5記載の簡易カイロの分離回収方法。
  7. 【請求項7】 低速回転部の破砕刃の周面に形成された
    各々の凸部の上端面から隣接する低速回転部の破砕刃の
    一の凸部の上端面に引いた線と回転軸の直角方向との角
    度がα度であり、高速回転部の破砕刃の周面に形成され
    た各々の凸部の上端面から隣接する高速回転部の破砕刃
    の一の凸部の上端面に引いた線と回転軸の直角方向との
    角度がβ度であり、上記角度αと角度βとの差が0.1
    〜30度である破砕装置を用いて袋体の中から発熱材を
    取出すことを特徴とする請求項6記載の簡易カイロの分
    離回収方法。
  8. 【請求項8】 袋体の中から発熱材を取出す工程におい
    て、袋体ごと剪断、袋体ごと穿孔、袋体を引き千切る、
    又は袋体を焼却することにより発熱材を取出すことを特
    徴とする請求項1又は2記載の簡易カイロの分離回収方
    法。
  9. 【請求項9】 発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離
    する工程において、比重差を利用することにより、水中
    において発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離するこ
    とを特徴とする請求項1又は3記載の簡易カイロの分離
    回収方法。
  10. 【請求項10】発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離
    する工程において、発熱材を粉砕してから遠心分離機を
    用いて発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離すること
    を特徴とする請求項1又は3記載の簡易カイロの分離回
    収方法。
  11. 【請求項11】発熱材を金属粉粒物と発熱助剤とに分離
    する工程で分離された発熱助剤を、電解質溶液と保水材
    とに分離する工程を含むことを特徴とする請求項3、
    8、9、又は10のいずれかに記載の簡易カイロの分離
    回収方法。
  12. 【請求項12】電解質溶液と保水材とに分離する工程に
    おいて、水を加えた発熱助剤を圧搾機に入れて絞ること
    により保水材と電解質溶液を分離することを特徴とする
    請求項11記載の簡易カイロの分離回収方法。
  13. 【請求項13】電解質溶液と保水材とに分離する工程に
    おいて、水を加えた発熱助剤を遠心分離機を用いて電解
    質溶液を脱水することにより、保水材と電解質溶液を分
    離することを特徴とする請求項11記載の簡易カイロの
    分離回収方法。
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