JP2002315732A - 磁気共鳴装置及び磁気共鳴装置における信号処理方法 - Google Patents

磁気共鳴装置及び磁気共鳴装置における信号処理方法

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JP2002315732A
JP2002315732A JP2001124681A JP2001124681A JP2002315732A JP 2002315732 A JP2002315732 A JP 2002315732A JP 2001124681 A JP2001124681 A JP 2001124681A JP 2001124681 A JP2001124681 A JP 2001124681A JP 2002315732 A JP2002315732 A JP 2002315732A
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magnetic resonance
compound
spectrum
water
signal
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Hidehiro Watanabe
英宏 渡邉
Kazuya Okamoto
和也 岡本
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異なる被検体間で比較可能な相対的物理量
と、被検体毎の化合物等の絶対量とを取得可能な磁気共
鳴装置及び磁気共鳴装置における信号処理方法を提供す
ること。 【解決手段】 複数の受信RFコイル15から取得され
る水1H信号を再構成した結果得られる水スペクトルか
ら水ピークの面積を求める。各チャンネルの水ピーク面
積を各チャンネルの水ピーク面積の二乗和で割った値を
重み関数として用いて、加算スペクトルを算出する。こ
の結果、受信コイルからの水1H信号のみで重み関数を
算出することができ、かつ定量的な加算スペクトルを提
供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴スペクト
ロスコピーを定量化可能な磁気共鳴装置或いは磁気共鳴
スペクトロスコピーによって得られる信号の処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴装置は、磁気共鳴現象を利用し
て物質の様々な情報を取得でき、化学分析をはじめとし
て広く用いられている装置である。特に、医学の分野で
用いられているMRI(Magnetic Reson
snce Imaging)装置は、生体内の水の分布
を緩和時間等の情報を付与して画像化することにより非
侵襲に形態情報を取得することが可能であり、画像診断
において必須の装置となっている。
【0003】また、磁気共鳴装置の中には、MRS(M
agnetic Resonance Spectro
scopy)、MRSI(Magnetic Reso
nance Spectroscopic Imagi
ng)と称される方法によって、生体内の化合物の
1H、13Cあるいは31P等の磁気共鳴信号を検出し、生
体内の代謝情報を非侵襲に取得することが可能なものが
ある。このMRS或いはMRSIによれば、化合物の分
子構造の違いから生ずる1H等の磁場環境の差、すなわ
ち化学シフトの差が共鳴周波数の若干の差となり、各化
合物ピークを周波数軸上で分離できるようになる。例え
ば、1H MRSでは脳内でNアセチルアスパラギン酸
(NAA)、クレアチン(Cr)、コリン(Cho)等
の化合物ピークを取得することができる。これらの化合
物は脳内の化学変化、すなわち代謝変化により合成され
る物質であるため、この検出により代謝異常を診断でき
ると期待されている。
【0004】ところで、磁気共鳴装置で検出する化合物
の濃度は数10mM程度と低いため、感度良く信号を取
得することが必須である。B.Roemerは、生体内
に豊富に含まれる水のイメージングにおいて、複数個配
置した表面コイルからの磁気共鳴信号を重み付け加算す
ることによって高感度化をはかる方法を特公平4−42
937公報において提案している。この方法では、重み
関数として各々のRFコイルの感度分布が必要である。
しかし、この各々のRFコイルの感度分布を低濃度の化
合物情報から計測するのは困難であることから、当該方
法は磁気共鳴スペクトロスコピーには直接応用できな
い。
【0005】これを解決すべく、重み関数を生体内に豊
富に存在する水の信号を用いて計測する方法が、本発明
者より提案されている(特願平8−187459,特開
平10−28681公報)。この方法では、均一RFコ
イルで送信し均一RFコイルで受信した水1H信号と、
同じく均一RFコイルで送信し複数の受信用RFコイル
で受信した水1H信号とを用いて重み関数を求める。す
なわち、受信用RFコイルで受信した水信号を均一RF
コイルで受信した水信号で割ることにより、受信用RF
コイルの感度を求めることができる。具体的には、以下
の様である。
【0006】すなわち、iチャンネルに対応するコイル
が受信する磁束密度をBi (x)、水濃度をρ(x)、ボク
セル体積をV、送信コイルのQ値をQ、各チャンネル
iの受信コイルのQ値をQRi、比例定数をaとして、
ボクセル内の化合物濃度は均一と近似すれば、均一RF
コイルによる水1H信号強度S(x)、iチャンネルの受
信用RFコイルによる水1H信号強度SRi(x)、及びi
チャンネルの受信用RFコイルの感度Ci (x)は、それ
ぞれ次の様に表現される。
【0007】
【数1】
【0008】但し、送信用コイルのRF分布は均一と考
えていないため、感度Ci (x)は式(1−1)には表現
されない。
【0009】また、化合物濃度をρ(x)としてボクセ
ル内の化合物濃度は均一と近似すると、受信用RFコイ
ルで受信されたiチャンネルでの化合物信号強度をSmi
(x)、重み関数Ki (x)は次の様に表現できる。
【0010】
【数2】
【0011】従って、重み関数Ki (x)の下での加算化
合物信号強度Sadd(x)=Σi i(x)Smi(x)は、以下
の様に求められる。
【0012】
【数3】
【0013】ここで、式(3−2)から式(3−3)へ
の変形において、式(1−3)を利用した。
【0014】式(3−4)によれば、Vは実験条件であ
るから、重み関数Ki(x)=Ci(x)/Σ 2(x)
を用いることにより化合物濃度ρm (x)を求めることが
できる。
【0015】この様な方法に基づく従来の装置において
は、例えば、ある被検体から得られた図9(a)に示す
スペクトルと、他の被検体から得られた図9(b)に示
すスペクトルとを比較する場合、同一のスペクトル上で
求められたNAAとCrの強度比(すなわち、図9
(a)に示すスペクトルでのNAA/Crと、図9
(b)に示すスペクトルでのNAA/Cr)を比較する
手法がとられていた。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記方法に於
いては、次の様な課題が存在する。
【0017】上記方法では、均一RFコイルによっても
1H信号受信する構成を採用している。しかし、均一
RFコイルは送信専用コイルとして用いるのが一般的で
あり、当該均一RFコイルを受信コイルとして使用する
ことは、装置の構成を煩雑にするという問題がある。
【0018】また、従来の手法では、異なる被検体間で
比較可能な化合物相対定量を把握可能なスペクトルを取
得することはできない。一般に、信号強度に影響するR
Fコイルの特性を示すQ値は被検体毎に変化し、従来の
装置によって得られるスペクトルの強度は式(3−4)
に示すようにQ値に依存してしまい、各被検体毎に比較
することはできないからである。従って、例えば各被検
体の所定の化合物ピークの強度を比較することは意味を
なさない。
【0019】また、例えば所定の化合物に含まれる所定
の核種の濃度といった、絶対的な定量(以下、「絶対
量」)を取得することはできない。従来の手法によれ
ば、Q値に依存した強度比等しか得られないからであ
る。
【0020】さらに、上述した強度比NAA/Crを利
用する場合は、S/Nが低いそれぞれの化合物のピーク
強度を利用して演算されるため、精度が劣化するという
欠点がある。
【0021】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、異なる被検体間で比較可能な相対的物理量と、被検
体毎の化合物等の絶対量とを取得可能な磁気共鳴装置及
び磁気共鳴装置における信号処理方法を提供することを
目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下に述べる手段を講じている。
【0023】本発明の第1の視点は、被検体内の所定の
領域に発生する水1H磁気共鳴信号及び化合物1H磁気共
鳴信号を静磁場中に存在する被検体に近接して配置さ
れ、高周波を受信するための複数チャンネルの高周波磁
場コイルを介して受信する受信手段と、前記水1磁気共
鳴信号の再構成により得られる水1Hスペクトルの水ピ
ークの面積を算出し、当該水ピークの面積を用いて重み
関数を算出する重み関数算出手段と、前記重み関数に従
って前記複数のチャンネルで得られた化合物1H磁気共
鳴信号に基づいた重み付け加算によって、化合物1Hス
ペクトルに基づいた物理量を演算する演算手段とを具備
することを特徴とする磁気共鳴装置である。
【0024】本発明の第2の視点は、複数のチャンネル
の高周波を受信する高周波磁場コイルを介して、静磁場
内に存在する被検体内の所定の領域に発生する水1H磁
気共鳴信号及び化合物1H磁気共鳴信号を受信し、信号
処理手段により信号処理を行う磁気共鳴装置において実
行される信号処理方法であって、前記信号処理手段を用
いて、前記水1磁気共鳴信号の再構成により得られる水1
Hスペクトルの水ピークの面積を算出し、当該水ピーク
の面積を用いて重み関数を算出するステップと、前記信
号処理手段を用いて、前記重み関数に従って前記化合物
1H磁気共鳴信号に基づいた重み付け加算によって、化
合物1Hスペクトルに基づいた物理量を演算するステッ
プとを具備することを特徴とする磁気共鳴装置における
信号処理方法である。
【0025】このような構成によれば、本発明は、上記
課題に鑑みてなされたもので、複数の受信コイルからの
1H信号のみを用いて重み関数を算出し、得られた重
み関数を用いて重み付け加算した化合物1Hスペクトル
を収集することによって高感度のスペクトルを算出する
ことで、異なる被検体間で比較可能な相対的物理量と、
被検体毎の化合物等の絶対量とを取得可能な磁気共鳴装
置及び磁気共鳴装置における信号処理方法を提供するこ
とができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の
機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を
付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0027】図1(a)は、本実施形態に係る磁気共鳴
装置の構成を示すブロック図である。同図において、磁
気共鳴装置10は、静磁場磁石11、勾配コイル13、
シムコイル12、送信用RFコイル14、受信用RFコ
イル15、勾配コイル電源16、シムコイル電源17、
送信部18、受信部19、データ収集部20、シーケン
ス制御部21、計算機システム22、コンソール23、
ディスプレイ24を具備している。
【0028】静磁場磁石11は、静磁場を発生する磁石
であり、一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石11
には、例えば永久磁石、超伝導磁石等が使用される。
【0029】勾配コイル13は、静磁場磁石11の内側
に設けられており、勾配コイル電源16から供給される
パルス電流を勾配磁場に変換する。この勾配コイル13
が発生する勾配磁場によって、信号発生部位(位置)が
特定される。
【0030】シムコイル12は、静磁場磁石11の内側
に設けられており、能動的に磁場の均一性を高めるため
のコイルである。このシムコイル12は、シムコイル電
源17により駆動される。
【0031】こシムコイル12及び勾配コイル13によ
り、図示しない被検体に一様な静磁場と、互いに直交す
るx,y,z三方向に線形勾配磁場分布を持つ勾配磁場
が印加される。なお、z軸方向は、便宜上静磁場の方向
と同方向にとるものとする。
【0032】送信用RFコイル14は、勾配コイル13
の内側に設けられており、送信部18からの高周波信号
供給に応じて被検体に高周波(RF波)を印加する。
【0033】受信用RFコイル15は、被検体からの核
磁気共鳴によって生じる信号を受信するRFコイルであ
り、被検体の近傍に複数設置される。当該受信用RFコ
イル15は、部位別に専用の受信コイルを使用する場合
もある。なお、単に「RFコイル」と言う場合には、送
信用RFコイル14と受信用RFコイル15との双方を
指す。
【0034】図1(b)、(c)、(d)に受信用RF
コイル15の設置形態の例を示す。しかし、受信用RF
コイル15の配置方法に限定はなく、本磁気共鳴装置に
よれば何れの形態によって受信された信号に対しても同
様の信号処理等が可能である。
【0035】送信部18は、発振部、位相選択部、周波
数変換部、振幅変調部、高周波電力増幅部(それぞれ図
示せず)を有しており、ラーモア周波数に対応する高周
波パルスをRFコイル14に送信する。当該送信によっ
て送信用RFコイル14から発生した高周波によって、
被検体の所定の原子核(例えば、1H)の磁化は、励起
状態となる。
【0036】受信部19は、増幅部、中間周波数変換
部、位相検波部、フィルタ、A/D変換器(それぞれ図
示せず)を有する。受信部19は、RFコイル14、1
5から受信した、核の磁化が励起状態から基底状態に緩
和するとき放出する磁気共鳴信号(高周波信号)に対し
て、増幅処理、発信周波数を利用した中間周波数変換処
理、位相検波処理、フィルタ処理、A/D変換処理を施
す。
【0037】データ収集部20は、受信部19によって
生成されたディジタル信号を収集する。 シーケンス制
御部21は、勾配コイル電源16、シムコイル電源1
7、送信部18、受信部19およびデータ収集部20を
制御する。
【0038】計算機システム22は、計算機システム2
2はコンソール23から入力される指令に基づいて、シ
ーケンス制御部21を制御する。また、計算機システム
22は、データ収集部20から入力した磁気共鳴信号に
対して後処理、すなわちフーリエ変換等の再構成等を実
行し、被検体内の所望核スピンのスペクトルデータある
いは画像データを求める。
【0039】計算機システム22は、後述する内容によ
って水1H信号に基づく重み関数を算出するみ関数の
取得処理と、当該重み関数を使用して、異なる被検体間
で比較可能な相対的物理量及び被検体毎の化合物等の絶
対的物理量とを取得可能する定量的スペクトルの算出処
理とを実行する。
【0040】コンソール23は、オペレータからの各種
指示・命令・情報をにとりこむため入力装置(マウスや
トラックボール、モード切替スイッチ、キーボード等)
を有している。
【0041】ディスプレイ24は、計算機システム22
から入力したスペクトルデータあるいは画像データ等を
表示する出力手段である。
【0042】(定量的な磁気共鳴スペクトル取得)次
に、本磁気共鳴装置において実現される、複数個のRF
コイルを用いて収集した磁気共鳴信号から定量的な磁気
共鳴スペクトルの取得処理について説明する。本磁気共
鳴スペクトル取得処理は、重み関数の取得処理と、定量
的スペクトルの算出処理とから構成される。1H信号に
よる重み関数の取得処理は、被検体の水1Hと化合物1
とから(すなわち異なる分子に存在する同種の核種1
から)の磁気共鳴信号を同一の受信RFコイル15によ
って受信し、重み関数を算出するものである。一方、定
量的スペクトルの算出処理は、当該重み関数を使用して
定量性のある加算スペクトルを算出するものである。以
下、スペクトルの例として周波数方向に1次元のスペク
トルの例を示すが、当該磁気共鳴スペクトル取得処理
は、多次元スペクトルの場合にも適用可能である。例え
ばF1 軸,F2 軸を有する2次元スペクトルの場合でも
同様の手順により定量性のあるスペクトルを取得するこ
とができる。
【0043】図2は、水信号を用いて重み関数を求める
手順を示したフローチャートである。同図を参照しなが
ら、水1H信号による重み関数の取得処理について説明
する。
【0044】まず、シーケンス制御部21は、所定のパ
ルスシーケンスによって被検体内の水1Hを励起し、化
合物信号を取得すべき所望の領域より、受信RFコイル
の各チャンネルiからの水1Hの磁気共鳴信号を取得す
る(ステップS21)。
【0045】上記所定のパルスシーケンスとしては、例
えば3次元空間の局所励起シーケンスの1つであるPR
ESSシーケンスを用いることができる。
【0046】図5は、PRESSシーケンスを説明する
ための図である。PRESSシーケンスとは、図5に示
したシーケンスにおいて、水信号抑圧パルスを非印加と
するものである。なお、図5にはデータ収集の直前に空
間分布情報を取得するためにエンコード勾配磁場パルス
を印加する例を採用している。
【0047】次に、計算機システム22は、取得した水
1H信号を再構成して水スペクトルを求め、水ピークの
ピーク強度Awi(x)と位相φwi(x)を求める(ステップS
22)。ここで、ピーク強度とは水1Hスペクトルのピ
ーク面積を示し、xは水1H信号を収集したボクセル位
置を示している。
【0048】なお、ピーク面積(すなわち、ピーク強
度)を求める方法は、例えば以下のような方法が挙げら
れる。例えばピーク高さと吸収スペクトルの半値幅との
積により、或いは、カーブフィッティングによりピーク
面積を求める構成であってもよい。また、例えば、水1
Hスペクトルの位相補正により求める。或いは、水1
磁気共鳴信号(MR信号)Sω(x,t)より位相φ
ω(x,t)を求め、この位相を用いて位相補正を施す。
すなわち、Sω(x,t)exp[−iφω(x,t)]を
施した後、再構成を行って水1吸収スペクトルを求め、
吸収スペクトルの積分によりピーク面積を求める方法で
もよい。さらに、吸収スペクトル或いは時間領域デー
タ、すなわち磁気共鳴信号のRF印加直後の信号強度が
ピーク面積に相当することを利用する方法によりピーク
面積を求める構成であってもよい。
【0049】次に、計算機システム22は、ステップS
2において求めた水ピークのピーク強度Awi(x)と位相
φwi(x)とに基づいて、重み関数Ki (x)=Awi(x)/Σi
(Aw i(x))2を算出する(ステップS23)。
【0050】なお、以上の各処理を経て得られた重み関
数Ki (x)は、RFコイルのQ値に依存している。ピー
ク面積Awi(x)がQ値に依存するからである。また、水1
H信号による重み関数の取得処理は、定量的スペクトル
の算出処理前に、患者毎に予め実行される。
【0051】次に、上記重み関数を用いた定量的スペク
トルの算出処理について説明する。
【0052】図3は、定量的スペクトルの算出手順を示
したフローチャートである。
【0053】まず、シーケンス制御部21は、所定のパ
ルスシーケンスによって送信RFコイルからRFを発生
させることで被検体内の化合物1Hを励起し、各受信R
Fコイル15から化合物の1H磁気共鳴信号Smi(x,
t)を同時に収集する。あるいは、化学シフトイメージ
ングシーケンスを用いてSmi(kx,t)を収集してもよ
く、この場合は、k方向の再構成を行い、Smi(x,t)
を求める(ステップS31)。ここで重要な点は、重み
関数の取得処理にて水1H信号を受信した受信RFコイ
ル15と同一のコイルを使用することである。これは、
定量的スペクトルのQ値依存性を排除するためである。
【0054】なお、パルスシーケンスには既述のPRE
SSシーケンスを用いる。この場合、水信号抑圧パルス
を非印加としてもよい。或いは、一般に化合物信号と比
較して巨大な水信号を除去するために、重み関数の取得
処理の場合と異なり、水信号抑圧パルスを印加して化合
物信号を取得できる様にする。
【0055】次に、計算機システム22は、取得した化
合物1H信号を再構成して各チャンネルiのスペクトル
mi(x,ω)を求める(ステップS32)。
【0056】次に、重み関数の取得処理において水1
スペクトルより求めた水ピークの位相φwi(x)を用いて
各スペクトルFmi(x,ω)の0次位相補正を実施する
(ステップS33)。このとき、0次位相補正後の各ス
ペクトルFpmi(x,ω)は、式(4)で表すことができ
る。
【0057】
【数4】
【0058】当該0次位相補正により、取得された化合
物スペクトルの受信RFコイル間の位相差が除去され
る。
【0059】次に、水1Hスペクトルより求めた重み関
数Ki (x)を用いて各チャンネルのスペクトルの重み付
け加算を行う(ステップS34)。結果、チャンネルi
の重み付け加算スペクトルFadd(x,ω)は、式
(5)で表される。
【0060】
【数5】
【0061】以上の処理により、定量性のある重み付け
加算スペクトルが求められる。ここで重要な点は、式
(5)はRFコイルのQ値に依存していないことであ
る。この点は、後述する式(14)において証明され
る。
【0062】なお、図3に示した例では、各チャンネル
の信号を再構成して化合物1Hスペクトルを求め(ステ
ップS32)、その後位相補正(ステップS33)及び
重み付け加算(ステップS34)を施しているが、図4
に示すように、各チャンネルの化合物1H磁気共鳴信号
mi(x,t)の0次位相補正(ステップS42)、重み
付け加算(ステップS43)の後、再構成して化合物1
H重み付け加算スペクトルを求めても良い。
【0063】また、上記ステップS11〜S14に示し
た定量的スペクトルの算出処理において、渦電流磁場等
の時間的に変化する磁場に対する補正も可能である。
【0064】図6、図7は、渦電流磁場等の時間依存す
る磁場に対する補正を含む場合の定量的スペクトルの算
出処理の手順を示したフローチャートである。以下、係
る場合について説明する。
【0065】図6において、まずステップ21と同様に
1H磁気共鳴信号を取得する(ステップS61)。
【0066】次に、各チャンネルiの受信RFコイルの
1H磁気共鳴信号から位相φwi(x,t)を求め、再構
成の結果得られる水スペクトルからピーク強度Awi(x)
を求め(ステップS62)、ステップ23と同様重み関
数Ki (x)=Awi(x)/Σi(Aw i(x))2を算出する(ス
テップS63)。
【0067】次に、各チャンネルiの受信RFコイルの
化合物1H磁気共鳴信号Smi(x,t)を同時に収集す
る。あるいは、化学シフトイメージングシーケンスを用
いてSm i(kx,t)を収集する。
【0068】すなわち、図7において、Smi(kx,t)の
場合には、k方向の再構成によりS mi(x,t)を求める
(ステップ71)。つづくステップ72では、水信号位
相φ wi(x,t)を用いてSmi(x,t)に位相補正を施
す。すなわち、
【数6】 を求める。これにより、時間変動する磁場の補正が可能
となる。これに続くステップ73にて、Spmi(x,t)
を再構成してFpmi(x,ω)を求める。次に、ステップ
64にて、水1Hスペクトルより求めた重み関数Ki (x)
を用いて各チャンネルiのスペクトルの重み付け加算を
行い、式(5)が得られる。すなわち、定量性のある重
み付け加算スペクトルが求められる。
【0069】次に、定量的スペクトルの算出処理によっ
て得られた重み付け加算スペクトルFadd(x,ω)
が、磁気スペクトル上の化合物ピークの面積を異なる被
検体間で比較可能である物理量であること、及び絶対的
定量としての化合物濃度を導出可能な物理量であること
を示す。なお、本実施形態では周波数方向に1次元のス
ペクトルについて考察するためピーク面積という言葉を
用いている。しかし、1次元のスペクトルに限定され
ず、多次元スペクトルでも可能である。例えば、F 1
2 軸を有する2次元スペクトルでは化合物ピーク体積
となる。
【0070】一般に、例えばD.I.Hoult等がJ
ournal of magnetic Resona
nce vol.24,pp.74−85(1976)
にて示している様に、単位体積当たりの磁化の大きさM
0 および増幅器を介して受信される磁気共鳴信号の強度
ψrmsは以下の式で表すことができる。
【0071】
【数7】
【0072】ここで、Nは単位体積当たりの1Hスピン
数、γは1Hの磁気回転比、エイチバーはプランク定数
hを2πで割ったもの、Iはスピン量子数で1Hの場合
は1/2であり、B0 は静磁場強度、kはボルツマン定
数、Ts は被検体の所望領域の温度、QはRFコイルの
Q値、aは比例定数、Vはボクセル体積である。
【0073】上記重み関数の取得処理において、重み関
数のために用いる1Hと化合物1Hとは核種が1Hで同じ
であり、また同一の受信RFコイルにて1Hと化合物1
とからの磁気共鳴信号を受信している。従って、式
(7)、式(8)において、水ピーク面積と化合物ピー
ク面積で異なる因子は単位体積当たりの1Hスピン数N
のみである。また、一分子当たりの1Hスピン数Nは物
質によって決まっている物理量である。ここでは簡単の
ため、水に関するスピン数と化合物に関する一分子当た
りのスピン数とは等しいとして説明する。この場合、単
位体積当たりの1Hスピン数Nは、対象物質の濃度ρに
比例する。従って、ボクセル体積V以外の比例定数をs
とおき磁気共鳴信号強度をψrmsとすれば、ψrms
は次の式(9)によって表すことができる。但し、sは
比例定数であり、この場合RFコイルのQ値は、係数s
に含まれる。
【0074】
【数8】
【0075】ところで、磁気共鳴信号の強度ψ
rmsは、スペクトル上ではピーク面積と同等である。
このため、所望のボクセルの体積をV、水および化合物
の濃度をそれぞれρw (x),ρm (x),水1H信号および
化合物1H信号の緩和による信号減衰をそれぞれf
w (x),fm (x)とすると、水1Hスペクトルの水ピーク
のピーク面積Awi(x)は、次の式(10)によって表さ
れる。
【0076】
【数9】
【0077】一方、化合物水1Hスペクトルの化合物の
ピーク面積Ami(x)は、次の式(11)で与えられる。
【0078】
【数10】
【0079】ここで、各チャンネルiの受信コイルのボ
クセル位置xでの上記比例定数、すなわちボクセル体積
V以外の比例定数をsi (x)としている。
【0080】式(10)を、重み関数取得処理で求めた
重み関数Ki (x)=Awi(x)/Σi(Awi(x))2に代入す
ると、重み関数Ki (x)は式(12)で表すことができ
る。
【0081】
【数11】
【0082】さらに、式(11)、式(12)より重み
付け加算した化合物スペクトルFad d(x,ω)上の化
合物ピークのピーク面積Amadd(x)は、次の式(13)
で表すことができる。
【0083】
【数12】
【0084】式(13)より、化合物スペクトルのピー
ク面積は、緩和項のみが含まれる水の濃度で規格化され
た化合物濃度であることがわかる。
【0085】なお、ピーク面積を求める方法は、上記方
法に限定されない。例えばピーク高さと吸収スペクトル
の半値幅との積により、或いは、カーブフィッティング
によりピーク面積を求める構成であってもよい。また、
例えば、スペクトル位相補正後、吸収スペクトルの積分
によりピーク面積を求める構成であってもよい。
【0086】また、緩和項fw (x)は、被検体内の水の
緩和時間を計測することにより算出することができる。
また、繰り返し時間TRを長くとって水信号を計測する
方法によっても、緩和項fw (x)〜1とすることができ
る。化合物に関しても、緩和項fm (x)は緩和時間を計
測することにより算出することができる。また、繰り返
し時間TRを長くとって化合物信号を計測する方法によ
っても、緩和項fm (x)〜1とすることができる。
【0087】以上の緩和時間を考慮する方法を用いる
と、本磁気共鳴装置によって得られる化合物スペクトル
のピーク面積Amadd(x)は、式(14)に示すように水
濃度で規格化された化合物濃度によって表すことができ
る。
【0088】
【数13】
【0089】上記式(14)から、次のことがわかる。
まず、RFコイルの特性を示すQ値に依存していない。
従って、本磁気共鳴装置によって得られた化合物スペク
トルのピーク面積Amadd(x)は、いわば同等の物理的条
件によって計測されるものとなるから、その値は異なる
患者間で化合物濃度を比較するための指標とすることが
できる。式(14)に示すように、化合物スペクトルの
ピーク面積Amadd(x)は比の値であり、無次元量となっ
ている。この式(14)で表される無次元量を相対定量
と呼ぶことにすれば、当該相対定量は、式(14)より
化合物濃度ρm (x)に比例することから、当該相対定量
の比較によって例えば患者間で化合物濃度等を相対的に
比較することができる。なお、この様にピーク面積A
madd(x)が係数s、すなわちQ値に依存しないのは、本
磁気共鳴装置は、式(12)で表された重み関数にて加
算処理を行う構成をとるからである。
【0090】また、式(14)において、ρw (x)と化
合物スペクトルのピーク面積Amadd(x)とに適当な値を
代入することにより、化合物濃度ρm (x)の絶対量を求
めることができる。なお、ここでは、上記相対量(無次
元量)に対して、次元をもつ物理量を絶対量と呼ぶこと
とした。
【0091】ρw (x)の値を求める方法は、例えば水の
絶対量化を行う方法、浮腫等の場合を除き生体内の水の
量は安定している性質を利用して既知水濃度を用いる方
法等が挙げられる。
【0092】なお、以上述べた説明においては、説明の
簡単のため、水と化合物とで1Hスピン数を等しいとし
た。しかし、当然ながら1Hスピン数の考慮(すなわち
水分子の場合は1分子辺りの1H数は2であること)及
び化合物1H数の考慮は行う必要がある。物質によって
決まる値であるからである。前述の通り、例えば水分子
の場合一分子当たりの1H数は2である。また、グルタ
ミン酸等の1H−1H同核種カップリングJHHを有するス
ピン系では、JHHによるピーク面積への影響を別途考慮
する必要がある。このJHHの影響は、例えばJHHを有す
るスピン系の密度演算子展開を計算することにより推定
することが可能である。
【0093】ところで、上記式(14)は、本磁気共鳴
装置によって計測された化合物スペクトルのピーク面積
madd(x)から、水1Hのみの情報に基づいて化合物濃度
ρm(x)を求める立場である。これに対し、本磁気共鳴装
置によって計測された化合物スペクトルのピーク面積A
madd(x)から、既知濃度の試薬に関する情報と水1Hに関
する情報とを用いて化合物濃度ρm (x)を求める立場も
とることができる。この方法は、例えば1Hスペクトル
のピークが複数現れる分子構造を有する化合物の濃度ρ
m (x)を求める場合に実益がある。以下、この方法を、
グルタミン酸を例にとり説明する。
【0094】まず、グルタミン酸試薬ファントムを用
い、上述した定量的スペクトルの算出処理を実施する。
このとき、試薬ファントムの場合均一分布と考えて良い
ため、位置情報xには依存しない。従って、当該定量的
スペクトルの算出処理の結果、加算ファントムスペクト
ル上のグルタミン酸ピーク面積は、式(13)を用いて
次の式(15)として表すことができる。
【0095】
【数14】
【0096】ここで、グルタミン酸試薬ファントムにお
けるグルタミン酸の対象とする1Hの緩和項fphm,水1
Hの緩和項をfphw,グルタミン酸及び水濃度をそれぞ
れρphm,ρphwとしている。
【0097】式(15)は、試薬ファントムの場合も緩
和時間を考慮する方法を用いることにより、次の式(1
6)の様に表すことができる。
【0098】
【数15】
【0099】従って、式(14)、式(16)を用いる
ことにより、式(17)に示す様に、ピーク面積Amadd
(x)から、既知濃度の試薬に関する情報と水1Hに関する
情報とを用いて化合物濃度ρm (x)を絶対量化すること
ができる。
【0100】
【数16】
【0101】従って、式(17)によれば、例えば別途
求めた生体内の水濃度、或いは既知の生体内の水濃度を
用いることにより、生体内のグルタミン酸の濃度を上述
の密度演算子展開を用いること無く求めることができ
る。
【0102】図8は、以上述べたファントムを用いた絶
対量化手順を示したフローチャートである。図8におい
て、ステップ34或いはステップ74で求めた重み付け
加算スペクトルFadd(x,ω)より、化合物ピークの
カーブフィッティング等を行い、ピーク面積Amadd(x)
を求める(ステップS81)。結果、式(13)で示し
たようにAmadd(x)=f(x) ρ(x)/f(x) ρ
(x)の関係式で表すことができる。
【0103】次に、既述の緩和項の考慮から式(1
4)、すなわちAmadd(x)=ρ(x)/ρ (x)の関係式
を得る(ステップS82)。
【0104】最後に、上述の様に別途求めておいたファ
ントムを用いた値に基づいて、式(17)を用いて化合
物濃度を求める(ステップS83)。
【0105】なお、例えばファントムを用いて求めた値
は、予め計算機システムに記憶させておくことができ
る。
【0106】以上述べた構成によれば、以下の効果を得
ることができる。
【0107】本磁気共鳴装置では、送信RFコイル14
と受信RFコイル15とを別体としている。従って、同
一のコイルによって送受信を行う必要がなく、装置の構
成が煩雑にならない。
【0108】また、本磁気共鳴装置によって取得された
化合物スペクトルに関する物理量はQ値に依存しないか
ら、異なる患者間で化合物濃度を比較するための相対的
な指標とすることができる。さらに、本磁気共鳴装置に
よって取得された化合物スペクトルに関する物理量か
ら、化合物濃度ρm (x)の絶対量を求めることができ
る。従って、精度が低い信号強度比NAA/Cr等を利
用する必要がない。
【0109】以上、本発明を実施形態に基づき説明した
が、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各
種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら
変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するもの
と了解され、その要旨を変更しない範囲で種々変形可能
である。
【0110】また、各実施形態は可能な限り適宜組み合
わせて実施してもよく、その場合組合わせた効果が得ら
れる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含
まれており、開示される複数の構成要件における適宜な
組合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実
施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削
除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた
課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果
の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が
削除された構成が発明として抽出され得る。
【0111】
【発明の効果】以上本発明によれば、異なる被検体間で
比較可能な相対的物理量と、被検体毎の化合物等の絶対
量とを取得可能な磁気共鳴装置及び磁気共鳴装置におけ
る信号処理方法を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本実施形態に係る磁気共鳴装置
の構成を示すブロック図である。図1(b)、(c)、
(d)は、受信用RFコイル15の設置形態の例を示し
た図である。
【図2】図2は、水信号を用いて重み関数を求める手順
を示したフローチャートである。
【図3】図3は、定量的スペクトルの算出手順を示した
フローチャートである。
【図4】図4は、定量的スペクトルの別の算出手段を示
したフローチャートである。
【図5】図5は、RESSシーケンスを説明するための
図である。
【図6】図6は、渦電流磁場等の時間依存する磁場に対
する補正を含む場合の定量的スペクトルの算出処理の手
順を示したフローチャートである。
【図7】図7は、渦電流磁場等の時間依存する磁場に対
する補正を含む場合の定量的スペクトルの算出処理の手
順を示したフローチャートである。
【図8】図8は、以上述べたファントムを用いた絶対量
化手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、被検体の頭部から得られる1Hスペク
トルの模式図である。
【符号の説明】
10…磁気共鳴装置 11…静磁場磁石 12…シムコイル 13…勾配コイル 16…勾配コイル電源 17…シムコイル電源 18…送信部 19…受信部 20…データ収集部 21…シーケンス制御部 22…計算機システム 23…コンソール 24…ディスプレイ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体内の所定の領域に発生する水1H磁
    気共鳴信号及び化合物1H磁気共鳴信号を静磁場中に存
    在する被検体に近接して配置され、高周波を受信するた
    めの複数チャンネルの高周波磁場コイルを介して受信す
    る受信手段と、 前記水1磁気共鳴信号の再構成により得られる水1Hスペ
    クトルの水ピークの面積を算出し、当該水ピークの面積
    を用いて重み関数を算出する重み関数算出手段と、 前記重み関数に従って前記複数のチャンネルで得られた
    化合物1H磁気共鳴信号に基づいた重み付け加算によっ
    て、化合物1Hスペクトルに基づいた物理量を演算する
    演算手段と、 を具備することを特徴とする磁気共鳴装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段は、前記重み関数に従って前
    記複数のチャンネルで得られた化合物1H磁気共鳴信号
    或いは当該化合物1H磁気共鳴信号を再構成することで
    得られる化合物スペクトル或いはMR信号を重み付け加
    算することで、化合物1Hスペクトルに基づいた物理量
    を演算することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴装
    置。
  3. 【請求項3】前記重み関数算出手段は、前記複数のチャ
    ンネルの全てに関して和をとった場合に1となるように
    規格化された前記チャンネル毎の水ピークの面積を重み
    関数として演算することを特徴とする請求項1又は2に
    記載の磁気共鳴装置。
  4. 【請求項4】前記演算手段は、予め計測された前記被検
    体内の水濃度情報と前記化合物1Hスペクトルに基づい
    て前記化合物の濃度を算出すること、 を特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の
    磁気共鳴装置。
  5. 【請求項5】前記演算手段は、予め計測された前記被検
    体内の水濃度情報、予め当該磁気共鳴装置によって取得
    された所定の試薬に関する1Hスペクトル、前記化合物1
    Hスペクトルに基づいて前記化合物の濃度を演算するこ
    と、 を特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴装置。
  6. 【請求項6】前記磁気共鳴装置によって予め取得された
    所定の試薬の1Hスペクトルに関する情報を記憶する記
    憶手段をさらに具備し、 前記演算手段は、予め計測された前記被検体内の水濃度
    情報、前記記憶手段に記憶された前記所定の試薬に関す
    1Hスペクトル、前記化合物1Hスペクトルに基づいて
    前記化合物の濃度を演算すること、 を特徴とする請求項1又は2記載の磁気共鳴装置。
  7. 【請求項7】複数のチャンネルの高周波を受信する高周
    波磁場コイルを介して、静磁場内に存在する被検体内の
    所定の領域に発生する水1H磁気共鳴信号及び化合物1
    磁気共鳴信号を受信し、信号処理手段により信号処理を
    行う磁気共鳴装置において実行される信号処理方法であ
    って、 前記信号処理手段を用いて、前記水1磁気共鳴信号の再
    構成により得られる水1Hスペクトルの水ピークの面積
    を算出し、当該水ピークの面積を用いて重み関数を算出
    するステップと、 前記信号処理手段を用いて、前記重み関数に従って前記
    化合物1H磁気共鳴信号に基づいた重み付け加算によっ
    て、化合物1Hスペクトルに基づいた物理量を演算する
    ステップと、 を具備することを特徴とする磁気共鳴装置における信号
    処理方法。
  8. 【請求項8】前記重み関数は、前記複数のチャンネルの
    全てに関して和をとった場合に1となるように規格化さ
    れた前記チャンネル毎の水ピークの面積であることを特
    徴とする請求項7記載の磁気共鳴装置における信号処理
    方法。
  9. 【請求項9】前記化合物1Hスペクトルと予め算出され
    た前記被検体内の水濃度情報とから前記化合物の濃度を
    算出するステップをさらに具備することを特徴とする請
    求項7又は8記載の磁気共鳴装置における信号処理方
    法。
  10. 【請求項10】前記化合物1Hスペクトルと、予め計測
    された前記被検体内の水濃度情報と、予め前記磁気共鳴
    装置によって取得された所定の試薬に関する1Hスペク
    トルと、に基づいて前記化合物の濃度を演算するステッ
    プをさらに具備することを特徴とする請求項7又は8記
    載の磁気共鳴装置における信号処理方法。
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