JP2002315383A - 電動機用制御装置 - Google Patents

電動機用制御装置

Info

Publication number
JP2002315383A
JP2002315383A JP2002015725A JP2002015725A JP2002315383A JP 2002315383 A JP2002315383 A JP 2002315383A JP 2002015725 A JP2002015725 A JP 2002015725A JP 2002015725 A JP2002015725 A JP 2002015725A JP 2002315383 A JP2002315383 A JP 2002315383A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
motor
duty ratio
rotation state
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002015725A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4048785B2 (ja
Inventor
Mitsuyoshi Shimazaki
充由 島崎
Yutaka Inaba
豊 稲葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Electric Drive Systems Co Ltd
Original Assignee
Kokusan Denki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kokusan Denki Co Ltd filed Critical Kokusan Denki Co Ltd
Priority to JP2002015725A priority Critical patent/JP4048785B2/ja
Publication of JP2002315383A publication Critical patent/JP2002315383A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4048785B2 publication Critical patent/JP4048785B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】電機子コイルやスイッチ回路の温度上昇を抑制
することができる電動機用制御装置を提供する。 【解決手段】電動機1の3相の電機子コイルLu〜Lw
にそれぞれ熱的に結合した感温抵抗素子Rtu〜Rtwを並
列に接続し、これらの感温抵抗素子の並列回路の両端に
得た電圧信号Vt をコントローラ13のCPUに入力す
る。電圧信号Vtを換算して得た温度が設定温度を超え
たときに電動機の出力を制限する温度上昇抑制制御を行
う。電動機のロック時と定常運転時とで異なる電圧/温
度換算テーブルを用いることにより、定常運転時に3相
の電機子コイルの温度が同じように異常上昇した場合、
及び電動機のロック時に特定の相の電機子コイルの温度
のみが異常上昇した場合のいずれの場合にも保護動作を
行わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CPUを備えたコ
ントローラにより電動機の駆動電流を制御する電動機用
制御装置に関し、特に電動スクータや、電気自動車等の
電動車両の駆動源として用いる電動車両用ブラシレス直
流電動機を制御するのに好適な電動機用制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に電動機は、界磁を有するロータと
n相(nは2以上の整数)の電機子コイルを有するステ
ータとを備えていて、電機子コイルに流す駆動電流をコ
ントローラにより制御することにより、回転速度を制御
するようにしている。近年コントローラしては、CPU
を用いたものが多く用いられている。
【0003】また電動車両を駆動する電動機としては、
ブラシレス直流電動機が多く用いられている。周知のよ
うに、ブラシレス直流電動機は、磁石界磁を有するロー
タと、2相以上の多相の電機子コイルを有するステータ
とを備えていて、ロータのステータに対する回転角度位
置に応じて電機子コイルの励磁相を切り換えていくこと
によりロータを回転させる。
【0004】この種の電動機の駆動電流を制御する制御
装置は、ロータのステータに対する回転角度位置を検出
する位置検出器と、直流電源から電機子コイルに駆動電
流を流す相を切り換えるために直流電源と電機子コイル
との間に設けられたスイッチ回路と、電動機の回転速度
を調節する際に操作される速度調節部材と、速度調節部
材の変位量をスロットル開度として検出して該スロット
ル開度に相応した大きさのスロットル信号を出力するス
ロットルセンサと、ロータを回転させるべく位置検出器
の出力に応じて駆動電流を流す相を切り換えるようにス
イッチ回路を制御するコントローラとにより構成され
る。
【0005】コントローラは、CPUを備えていて、該
CPUに所定のプログラムを実行させることにより、ス
ロットル信号の値に対して駆動電流のデューティ比を演
算するデューティ比演算手段と、駆動電流をデューティ
比演算手段により演算されたデューティ比を有するPW
M波形の電流とするようにスイッチ回路を制御するPW
M制御手段と、駆動電流を流す相の切換角度をスロット
ル信号に対して演算された制御進み角だけ位置検出器の
出力により決まる基準の切換角度に対してシフトさせる
ように制御する制御進み角制御手段とを構成する。
【0006】ここで駆動電流のデューティ比は、駆動電
流のオンオフの周期に対するオン時間の割合を示すもの
で、駆動電流が流れる時間をton、駆動電流が零になる
時間をtoff 、オンオフの周期をT(=ton+toff )
とした場合、デューティ比DFは、DF=(ton/T)
×100[%]で定義される。
【0007】電動車両においては、アクセルグリップや
アクセルペダル等の速度調節部材を変位させることによ
り電動機の回転速度を調節するが、車両の運転感覚を良
好にし、スムースな運転を行わせるためには、速度調節
部材の変位量(スロットル開度)αに対してのみ駆動電
流のデューティ比DFを制御するのではなく、速度調節
部材に対するデューティ比DFの変化率を電動機の回転
速度N[rpm]に応じて変化させるように、デューテ
ィ比DFをスロットル開度αと回転速度Nとの双方に対
して制御している。
【0008】上記のようにデューティ比DFをスロット
ル開度αと回転速度Nとに対して制御する場合には、ス
ロットル開度αと回転速度Nと駆動電流のデューティ比
DFとの間の関係を与える3次元マップをROMに記憶
させておいて、このマップを用いて、CPUにより回転
速度N及びスロットル開度αに対してデューティ比DF
を演算し、演算されたデューティ比DFで駆動電流を断
続させるように、スイッチ回路のスイッチ素子をオンオ
フ制御する手法がとられる。
【0009】またブラシレス直流電動機においては、駆
動電流を流す電機子コイルの相を切り換える切換角度
(電気角)を、電動機の機械的な構成により決まる理論
的な切換角度に対して所定の角度だけシフトさせてい
る。駆動電流を流す相の切換角度と理論的な切換角度と
の位相差を制御進み角γと呼んでおり、この制御進み角
γは一般には進み側に設定される。
【0010】ブラシレス直流電動機においては、上記制
御進み角γにより発生トルク及び最高回転速度が変化
し、トルクを大きくするように制御進み角γを設定する
と最高回転速度が低くなり、制御進み角γを進角させて
いくと最高回転速度が高くなるが発生トルクは小さくな
っていく。
【0011】通常、電動車両の駆動源としてブラシレス
直流電動機を用いる場合には、低速時に十分に大きなト
ルクを得ることができる制御進み角γを正規の制御進み
角γo として設定しておいて、回転速度が設定値を超え
る領域で回転速度の上昇に応じて制御進み角γを正規の
制御進み角γo に対して進角させ、回転速度が設定され
た進角終了回転速度を超える領域では制御進み角の進角
量を最大値に保持するようにしている。
【0012】上記のような、制御進み角制御を行う場合
には、速度調節部材の変位量(スロットル開度)αと回
転速度Nと制御進み角γとの間の関係を与える3次元マ
ップをROMに記憶させておいて、このマップを用いて
スロットル開度の検出値と回転速度の検出値とに対して
制御進み角γを演算し、電動機の制御進み角を演算され
た制御進み角に等しくするように制御する。
【0013】上記のように、回転速度が設定値を超える
領域で制御進み角γを正規の制御進み角γo よりも進角
させる制御を行う場合、上り坂等で速度調節部材の増速
側への変位量を最大にした状態(フルスロットルの状
態)で運転しているときに、制御進み角γの進角量が最
大値に保たれた状態になり、電動機の駆動電流は定格値
を超えた状態になる。このような状態が長時間続くと、
電機子コイルの温度が上昇して許容値を超え、これらが
破損するおそれがある。
【0014】そのため、電機子コイルの温度を検出する
温度センサを設けて、該温度センサにより異常な温度上
昇が検出されたときに、駆動電流のデューティ比の上限
値を減少させて駆動電流を制限することにより、電動機
の出力を制限して温度上昇を抑制する温度上昇抑制制御
を行なわせている。
【0015】ところが、温度上昇時に駆動電流を制限し
ても、制御進み角が進角したままであると、無効電流が
多く流れるため回転速度が大幅に低下し、走行速度が制
限されるという問題が生じる。実用上、温度上昇抑制制
御を行なう際の回転速度の落ち込みはできるだけ小さく
することが望ましい。
【0016】そこで、特開平8−265919号に示さ
れているように、電機子コイルの温度を検出して、温度
の異常上昇が検出されたときに制御進み角を遅角させる
制御と駆動電流のデューティ比を減少させる制御とを併
せて行うことが提案されている。
【0017】異常な温度上昇が生じたときに制御進み角
を遅角させると、駆動電流が減少するため、電機子コイ
ルの温度上昇を抑制することができる。また制御進み角
を遅角させることにより駆動電流を減少させる方法をと
ると、制御進み角を遅角させることなく、駆動電流のデ
ューティ比のみを減少させる方法をとった場合に比べ
て、回転速度の落ち込みを少なくすることができるた
め、温度上昇抑制制御時に運転のフィーリングが悪くな
るのを防ぐことができる。
【0018】また制御進み角の遅角量が余り大きくなる
と、無効電流が過大になって好ましくないが、制御進み
角を遅角させる制御と、駆動電流のデューティ比を減少
させる制御とを併せて行うようにすると、制御進み角の
遅角量をそれほど大きくする必要がないため、無効電流
が過大になるのを防ぐことができる。
【0019】上記の説明では、駆動電流のデューティ比
と制御進み角とを制御するとしたが、制御進み角の制御
を行わない場合も、フルスロットル状態で負荷が過大に
なると、電機子コイルの温度が異常上昇することがある
ため、電機子コイルの温度を検出してその温度上昇を抑
制するように電動機の出力を制限する制御を行うことが
必要になる。
【0020】また電動車両用のブラシレス直流電動機に
限らず、一般に負荷を駆動するブラシレス直流電動機
や、ステッピングモータや、パルスモータ等において
も、過負荷時に電機子コイルの温度の異常上昇が予想さ
れる場合には、電機子コイルの温度を検出して、検出さ
れた温度が設定値を超えたときに電動機の出力を抑制す
る温度上昇抑制制御を行うことが必要になる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】電機子コイルの温度上
昇を抑制する制御を行うようにした従来の電動機用制御
装置では、多相の電機子コイルのうちのいずれか1相の
電機子コイルに温度センサとしての感温抵抗素子を熱的
に結合して、該感温抵抗素子の抵抗値から電機子コイル
の温度を検出するようにしていた。
【0022】しかしながら、このように、多相の電機子
コイルを有する電動機において、いずれか1相の電機子
コイルの温度のみを検出した場合には、温度が検出され
ていない他の相の電機子コイルで温度の異常上昇があっ
た場合に、その温度の異常上昇を検出することができな
いことがあるため、電機子コイルの保護を適確に図るこ
とができない。
【0023】例えば、ブラシレス直流電動機において、
電動機が過負荷によりロックした場合には、駆動電流の
転流が行われなくなるため、特定の相の電機子コイルに
他の相の電機子コイルよりも大きな電流が流れる状態が
継続してその温度が上昇し、コイルが焼損する。1つの
相の電機子コイルのみに感温抵抗素子を結合した場合に
は、電動機のロック時にロータの停止位置によっては、
電機子コイルの温度の異常上昇を検出することができな
いことがあるため、電機子コイルの保護を適確に図るこ
とができない。
【0024】また電動機がロックしないまでも、その回
転速度が非常に低くなって、駆動電流の転流に要する時
間が長くなったときには、特定の相の電機子コイルに大
きな駆動電流が流れる時間が長くなるため、ロック状態
と同じような状態になって特定の相の電機子コイルが過
熱し、焼損する恐れがある。このような場合にも、1つ
の相の電機子コイルの温度のみを検出するようにした場
合には、電機子コイルの温度の異常上昇を検出できない
ことがあるため、電動機の保護を適確に図ることができ
ない。
【0025】多相の電機子コイルのすべての相の温度を
検出するために、各相の電機子コイル毎に感温抵抗素子
を設けて、各相の電機子コイルに対して設けた感温抵抗
素子から得られる温度検出信号を個別にコントローラの
CPUに入力することが考えられる。しかしながら、こ
のように構成した場合には、コントローラを構成するC
PUに設けられているアナログ入力ポートのうち、電機
子コイルの相数と同じ数のポートを電機子コイルの温度
を読み込むための入力ポートとして用いる必要があるた
め、CPUとしてアナログ入力ポートの数が多いものを
用いることが必要になり、コストが高くなるという問題
が生じる。
【0026】本発明の目的は、特定の相の電機子コイル
の温度のみが上昇する状態が生じた場合でも電機子コイ
ルの保護を適確に図ることができるようにした電動機用
制御装置を提供することにある。
【0027】本発明の他の目的は、電機子コイルのすべ
ての相の温度情報をコントローラのCPUの1つのアナ
ログ入力ポートを用いるだけで読み込むことができるよ
うにして、コストの上昇を伴うことなく、電機子コイル
の保護を適確に図ることができるようにした電動機用制
御装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明は、界磁を有する
ロータとn相(nは2以上の整数)の電機子コイルを有
するステータとを備えた電動機の駆動電流をCPUを備
えたコントローラにより制御する電動機用制御装置に係
わるものである。
【0029】本発明においては、ステータのn相の電機
子コイルにそれぞれ熱的に結合されて互いに並列に接続
されたn個の感温抵抗素子を設けて、該n個の感温抵抗
素子の並列回路の両端に一定の直流電圧を印加し、該n
個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電圧信号
をコントローラのCPUの1つのアナログ入力ポートに
入力する。
【0030】またコントローラは、電動機が設定された
極低回転状態またはロック状態にあるか否かを判定する
回転状態判定手段と、この回転状態判定手段により電動
機が設定された極低回転状態またはロック状態にあると
判定されているときに電圧信号を温度に換算する第1の
電圧/温度換算手段と、回転状態判定手段により電動機
が設定された極低回転状態及びロック状態にないと判定
されているときに電圧信号を温度に換算する第2の電圧
/温度換算手段と、回転状態判定手段により電動機が極
低回転状態またはロック状態にあると判定されている状
態では第1の電圧/温度換算手段により換算された温度
が第1の設定温度を超えたときに換算された温度が高い
場合程電動機の出力を低くするように制御し、回転状態
判定手段により電動機が極低回転状態及びロック状態に
ないと判定されている状態では第2の電圧/温度換算手
段により換算された温度が第2の設定温度を超えたとき
に換算された温度が高い場合程電動機の出力を低くする
ように制御する温度上昇抑制制御手段とを備えた構成と
する。
【0031】上記のように、n相の電機子コイルにそれ
ぞれ熱的に結合したn個の感温抵抗素子を並列に接続し
て、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に一定の直
流電圧を印加すると、n個の感温抵抗素子の並列回路の
両端に得られる電圧信号は、すべての相の電機子コイル
の温度の情報を含む信号となる。
【0032】この場合、電動機が極低回転状態またはロ
ック状態にあって一部の電機子コイルの温度のみが異常
上昇したときと、電動機が定常回転していて、すべての
相の電機子コイルの温度が同じように異常上昇している
ときとでは、異常上昇時の温度が同じであっても、電圧
信号の値は相違する。
【0033】従って電圧信号を温度に換算するために
は、電動機が極低回転状態またはロック状態にあるとき
と、極低回転状態及びロック状態にないときとで、異な
る換算テーブルを用いる必要がある。
【0034】そのため、本発明においては、回転状態判
定手段を設けて、この判定手段により、電動機が設定さ
れた極低回転状態またはロック状態にあると判定されて
いるときに電圧信号を温度に換算する第1の電圧/温度
換算手段と、回転状態判定手段により電動機が設定され
た極低回転状態及びロック状態にないと判定されている
ときに電圧信号を温度に換算する第2の電圧/温度換算
手段とを設けている。上記の構成において、電動機の極
低回転時またはロック時に電動機の出力を制限する制御
を開始するタイミングを決める第1の設定温度と、電動
機の定常回転時に電動機の出力を制限する制御を開始す
るタイミングを決める第2の設定温度とは同じでもよ
く、異なっていてもよいが、電動機が極低回転状態また
はロック状態にあるときには、電動機が定常回転してい
るときに比べて、電機子コイルの温度が短時間のうちに
異常上昇して焼損し易いため、安全のためには、上記第
1の設定温度を、第2の設定温度よりも低くしておくこ
とが好ましい。
【0035】上記のように構成すると、単一の電圧信号
を用いて、特定の相の電機子コイルの温度のみが異常上
昇する状態と、すべての相の電機子コイルの温度が同じ
ように異常上昇する状態との双方を検出して、電機子コ
イルを過熱から確実に保護することができる。
【0036】また上記のように構成すると、コントロー
ラのCPUの1つのアナログ入力ポートを用いるだけ
で、すべての相の電機子コイルの温度が反映された温度
情報を得ることができるので、アナログ入力ポートの数
が多い高価なCPUを用いることなく電機子コイルを過
熱から保護するための制御動作を行わせることができ
る。
【0037】更に上記のように、各相の電機子コイルに
熱的に結合した感温抵抗素子を並列に接続して、該感温
抵抗素子の並列合成抵抗値から温度検出信号を得るよう
にすると、感温抵抗素子の抵抗値のばらつきが制御に与
える影響を少くすることができる。
【0038】上記の構成では、感温抵抗素子の並列回路
の両端に得られる電圧信号を温度に換算して、換算した
温度を設定温度と比較することにより異常な温度上昇が
生じているか否かを判定するようにしたが、電圧信号の
値を温度に換算することなく、所定の設定値と比較する
ことによっても、異常な温度上昇が生じているか否かを
判定することもできる。
【0039】電圧信号の値は、一部の電機子コイルの温
度のみが異常上昇しているときと、すべての相の電機子
コイルの温度が同じように異常上昇しているときとで異
なるため、一部の相の電機子コイルの温度のみが異常上
昇しているか否かを判定するために用いる設定値と、す
べての電機子コイルの温度が同じように異常上昇してい
るか否かを判定するために用いる設定値とは異ならせる
必要がある。
【0040】この場合、コントローラは、電動機が設定
された極低回転状態またはロック状態にあるか否かを判
定する回転状態判定手段と、該回転状態判定手段により
電動機が極低回転状態またはロック状態にあると判定さ
れている状態では上記電圧信号の値を第1の設定値と比
較して該電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から
一部の相の電機子コイルの温度が許容値を超えていると
判定されたときに電圧信号の値と第1の設定値との差が
大きい場合程電動機の出力を低くするように制御し、回
転状態判定手段により電動機が極低回転状態またはロッ
ク状態にないと判定されている状態では電圧信号の値を
第1の設定値と異なる第2の設定値と比較して電圧信号
の値と第2の設定値との大小関係から各電機子コイルの
温度が許容値を超えていると判定されたときに電圧信号
の値と第2の設定値との差が大きい場合程電動機の出力
を低くするように制御する温度上昇抑制制御手段とを備
えた構成とする。
【0041】なお上記のように、電圧信号の値と第1の
設定値とを比較して一部の相の電機子コイルでのみ温度
の異常上昇が生じているか否かを判定する場合、温度の
異常上昇が生じているときの電圧信号の値と第1の設定
値との間の関係は、感温抵抗素子の温度係数が正である
か負であるかにより相違する。即ち、感温抵抗素子の温
度係数が正であるときには、電圧信号の値が第1の設定
値よりも大きくなったことが検出されたときに一部の相
の電機子コイルでのみ温度の異常上昇が生じていると判
定することができる。また感温抵抗素子の温度係数が負
であるときには、電圧信号の値が第1の設定値よりも小
さくなったことが検出されたときに一部の相の電機子コ
イルでのみ温度の異常上昇が生じていると判定すること
ができる。
【0042】上記電圧信号の値を第2の設定値と比較し
て、すべての相の電機子コイルで温度の異常上昇が生じ
ているか否かを判定する場合の電圧信号の値と第2の設
定値との間の大小関係も同様に、感温抵抗素子の温度係
数が正であるか負であるかにより相違する。
【0043】また感温抵抗素子の温度係数が正である場
合には、上記第2の設定値を第1の設定値よりも大きい
値に設定する必要があり、感温抵抗素子の温度係数が負
である場合には、上記第2の設定値を第1の設定値より
も小さい値に設定する必要がある。
【0044】通常電動車両用のブラシレス直流電動機を
制御する制御装置は、ロータのステータに対する回転角
度位置を検出する位置検出器と、直流電源から電機子コ
イルに駆動電流を流す相を切り換えるために直流電源と
電機子コイルとの間に設けられたスイッチ回路と、電動
機の回転速度を調節する際に操作される速度調節部材
と、速度調節部材の変位量をスロットル開度として検出
して該スロットル開度に相応した大きさのスロットル信
号を出力するスロットルセンサと、ロータを回転させる
べく位置検出器の出力に応じて駆動電流を流す相を切り
換えるようにスイッチ回路を制御する手段を有するコン
トローラとを備えていて、コントローラのCPUに所定
のプログラムを実行させることにより、スロットル信号
に対して駆動電流のデューティ比を演算するデューティ
比演算手段と、駆動電流をデューティ比演算手段により
演算されたデューティ比を有するPWM波形の電流とす
るようにスイッチ回路を制御するPWM制御手段とを構
成する。
【0045】このような構成を有する駆動装置に本発明
を適用する場合、コントローラは、電動機が設定された
極低回転状態またはロック状態にあるか否かを判定する
回転状態判定手段と、回転状態判定手段により電動機が
設定された極低回転状態またはロック状態にあると判定
されているときに前記電圧信号を温度に換算する第1の
電圧/温度換算手段と、回転状態判定手段により電動機
が設定された極低回転状態及びロック状態にないと判定
されているときに電圧信号を温度に換算する第2の電圧
/温度換算手段と、回転状態判定手段により電動機が極
低回転状態またはロック状態にあると判定されている状
態では第1の電圧/温度換算手段により換算された温度
が第1の設定温度を超えたときに換算された温度が高い
場合程駆動電流のデューティ比のスロットル開度に対す
る増加割合を小さくするようにデューティ比演算手段に
より演算されたデューティ比を補正し、回転状態判定手
段により電動機が極低回転状態及びロック状態にないと
判定されている状態では第2の電圧/温度換算手段によ
り換算された温度が第2の設定温度を超えたときに換算
された温度が高い場合程駆動電流のデューティ比のスロ
ットル開度に対する増加割合を小さくするようにデュー
ティ比演算手段により演算されたデューティ比を補正す
る温度上昇抑制制御手段とを備えた構成とすることがで
きる。
【0046】またこの場合も、電圧/温度換算手段を設
けることなく、電圧信号の値を設定値と比較することに
より電機子コイルの温度の異常上昇を検出して、温度の
異常上昇が検出されたときに電動機の出力を制限するす
るように温度上昇抑制制御手段を構成することができ
る。
【0047】この場合、温度上昇抑制制御手段は、回転
状態判定手段により電動機が極低回転状態またはロック
状態にあると判定されている状態では電圧信号の値を第
1の設定値と比較して電圧信号の値と第1の設定値との
大小関係から一部の相の電機子コイルの温度が許容値を
超えていると判定されたときに電圧信号の値と第1の設
定値との差が大きい場合程駆動電流のデューティ比のス
ロットル開度に対する増加割合を小さくするようにデュ
ーティ比演算手段により演算されたデューティ比を補正
し、回転状態判定手段により電動機が極低回転状態また
はロック状態にないと判定されている状態では電圧信号
の値を前記第1の設定値と異なる第2の設定値と比較し
て電圧信号の値と第2の設定値との大小関係から各電機
子コイルの温度が許容値を超えていると判定されたとき
に電圧信号の値と第2の設定値との差が大きい場合程駆
動電流のデューティ比のスロットル開度に対する増加割
合を小さくするように、デューティ比演算手段により演
算されたデューティ比を補正する。
【0048】上記の構成では、電機子コイルの温度が設
定値以上になったときに駆動電流のデューティ比のスロ
ットル開度に対する増加割合を小さくすることにより電
動機の出力を制限するようにしたが、スロットル信号に
対して制御進み角を演算する制御進み角演算手段と、駆
動電流を流す相を切り換える切換角度を制御進み角演算
手段により演算された制御進み角だけ位置検出器の出力
により決まる基準の切換角度に対してシフトさせるよう
に制御する制御進み角制御手段とがコントローラに設け
られる場合には、電機子コイルの温度が設定値以上にな
ったことが検出されたときに制御進み角を遅角側に補正
することにより、温度上昇抑制制御を行わせるようにし
てもよい。
【0049】この場合、温度上昇抑制制御手段は、回転
状態判定手段により電動機が極低回転状態またはロック
状態にあると判定されている状態では第1の電圧/温度
換算手段により換算された温度が第1の設定温度を超え
たときに駆動電流を流す相を切り換える切換え角度を制
御進み角演算手段により演算された制御進み角を有する
切換え角度よりも遅角させるように制御進み角演算手段
が演算した制御進み角を補正し、回転状態判定手段によ
り電動機が極低回転状態またはロック状態にないと判定
されている状態では第2の電圧/温度換算手段により換
算された温度が第2の設定温度を超えたときに駆動電流
を流す相の切換え角度を制御進み角演算手段により演算
された制御進み角を有する切換え角度よりも遅角させる
ように制御進み角演算手段が演算した制御進み角を補正
して電動機の出力を制限する制御を行うように構成され
る。
【0050】またこの場合、回転状態判定手段により電
動機が極低回転状態またはロック状態にあると判定され
ている状態では、電圧信号の値を第1の設定値と比較し
て電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から一部の
相の電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定さ
れたときに駆動電流を流す相を切り換える切換え角度を
制御進み角演算手段により演算された制御進み角を有す
る切換え角度よりも遅角させるように制御進み角演算手
段が演算した制御進み角を補正し、回転状態判定手段に
より電動機が極低回転状態またはロック状態にないと判
定されている状態では電圧信号の値を第1の設定値と異
なる第2の設定値と比較して電圧信号の値と第2の設定
値との大小関係から各電機子コイルの温度が許容値を超
えていると判定されたときに駆動電流を流す相の切換え
角度を制御進み角演算手段により演算された制御進み角
を有する切換え角度よりも遅角させるように制御進み角
演算手段が演算した制御進み角を補正して電動機の出力
を制限する制御を行うように、温度上昇抑制制御手段を
構成することもできる。
【0051】上記のように、電機子コイルの温度上昇時
に制御進み角を制御する場合、温度上昇抑制制御手段
は、回転状態判定手段により電動機が極低回転状態また
はロック状態にあると判定されている状態で温度の異常
上昇が検出されたとき、及び回転状態判定手段により電
動機が極低回転状態またはロック状態にないと判定され
ている状態で温度の異常上昇が検出されたときに、駆動
電流のデューティ比のスロットル開度に対する増加割合
を小さくするようにデューティ比演算手段により演算さ
れたデューティ比を補正する制御を併せて行うように構
成するのが好ましい。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、図1ないし図3を参照し
て、電動車両用の3相ブラシレス直流電動機を制御する
制御装置に本発明を適用した場合の一実施形態を説明す
る。
【0053】図1において、1はロータ2とステータ3
とからなるアウタロータ型のブラシレス直流電動機であ
る。ロータ2は、強磁性材料によりほぼカップ状に形成
されたフライホイール201と、フライホイール201
の周壁部の内周に取り付けられた永久磁石202とから
なっていて、永久磁石202が径方向に着磁されて、2
極の磁石界磁203が構成されている。
【0054】なお磁石界磁は、2極に限られるものでは
なく、一般には2m極(mは1以上の整数)に構成する
ことができる。
【0055】図示の例では、ロータ2の正規の回転方向
を図示の矢印CCL方向(図1において反時計方向)と
している。
【0056】ステータ3は、環状の継鉄部から3個の歯
部Pu〜Pwを放射状に突出させたステータ鉄心301
と、該ステータ鉄心の歯部Pu〜Pwにそれぞれ巻回さ
れた3相の電機子コイルLu〜Lwとからなっており、
電機子コイルLu〜Lwは3相星形結線されている。ス
テータ鉄心301の歯部Pu〜Pwのそれぞれの先端の
外周部がステータ磁極302となっていて、これらのス
テータ磁極が磁石界磁203に所定のギャップを介して
対向させられている。
【0057】なお図示の例ではステータ鉄心を3極に構
成しているが、ステータに設ける電機子コイルの相数を
3とする場合、一般にはステータ鉄心に3n(nは1以
上の整数)個の歯部を設けて、該3n個の歯部に3相の
電機子コイルを巻回する構成をとることができる。
【0058】フライホイール201は、その底壁部の中
央にボス(図示せず。)を備えていて、該ボスが電動車
両の駆動輪に直接または減速機を介して結合される。
【0059】ロータ2のステータ3に対する回転角度位
置を検出するため、ステータ鉄心301に3相の位置検
出器hu〜hwが取り付けられている。
【0060】各位置検出器は、各相の電機子コイルに流
す駆動電流の通電角(電気角)に応じて適宜の位置に配
置される。例えば、ロータ2の回転に伴って電機子コイ
ルLu〜Lwにそれぞれ誘起する無負荷誘起電圧がピー
クに達する位置(磁石界磁203から各相の電機子コイ
ルが巻回された歯部を通してながれる磁束が零点を通過
する位置)の前後90度(電気角)の区間各相の電機子
コイルに駆動電流を流す「180度スイッチング制御」
を行って電動機を回転させる場合には、3相の電機子コ
イルLu〜Lwがそれぞれ巻回されている歯部Pu〜P
wの先端の磁極部の中心位置がロータ2の磁石界磁の各
磁極の中心位置に一致するときのロータの回転角度位置
を検出するように、各相の位置検出器が取り付けられ
る。
【0061】図示のように、3つの歯部Pu〜Pwにそ
れぞれ電機子コイルLu〜Lwが巻回されていて、位置
検出器hu〜hwとしてホールICが用いられる場合に
は、歯部Pu,Pv及びPwのそれぞれの磁極の中心に
対して電気角で90度位相が進んだ位置に位置検出器h
w,hu及びhvを配置して、これらの位置検出器の出
力により決まる駆動相(駆動電流を流す電機子コイルの
相)の切換角度を基準の切換角度とし、この基準の切換
角度に対して実際の切換角度を進角または遅角させるよ
うに制御進み角を演算する。
【0062】10は電機子コイルLu〜Lwと直流電源
11との間に設けられて電機子コイルの励磁相を切り換
えるスイッチ回路である。このスイッチ回路は、一端が
共通接続された上段のスイッチ素子10uないし10w
と、これらの上段のスイッチ素子の他端にそれぞれ一端
が接続され、他端が共通接続された下段のスイッチ素子
10x〜10zとからなるスイッチ素子のブリッジ回路
からなっていて、上段のスイッチ素子10u〜10wの
一端の共通接続点及び下段のスイッチ素子10x〜10
wの他端の共通接続点がそれぞれ直流電源11の正極端
子及び負極端子に接続されている。
【0063】スイッチ回路を構成するスイッチ素子とし
ては、MOSFET、電力用トランジスタ,IGBT等
のオンオフ制御が可能な任意のスイッチ素子を用いるこ
とができるが、図示の例では、各スイッチ素子がMOS
FETからなっている。
【0064】電動車両の制動時に回生電流を流すため、
上段のスイッチ素子10u〜10w及び下段のスイッチ
素子10x〜10zにそれぞれ帰還用ダイオード12u
〜12w及び12x〜12zが並列接続されている。図
示のように各スイッチ素子としてMOSFETを用いる
場合には、これらの帰還用ダイオードとしてFETのド
レインソース間に形成されている寄生ダイオードを用い
ることができる。
【0065】図示の直流電源11は、バッテリBと、該
バッテリの両端に接続されたコンデンサC1 とからなっ
ている。
【0066】スイッチ回路10を制御するため、マイク
ロコンピュータと入出力インターフェースとを備えたコ
ントローラ13と、コントローラ13から与えられる信
号に応じてスイッチ回路のスイッチ素子10u〜10w
及び10x〜10zにそれぞれ駆動信号(スイッチ素子
をオン状態にするための信号)Su〜Sw及びSx〜S
zを与えるドライバ回路14とが設けられ、位置検出器
hu〜hwからそれぞれ得られる位置検出信号Hu〜H
wがコントローラ13に入力されている。
【0067】15は電動車両の速度を調節するアクセル
グリップやアグセルペタル等の速度調節部材の変位量を
スロットル開度αとして検出するスロットルセンサであ
る。図示のスロットルセンサ15は、速度調節部材に可
動接触子15aが連結されたポテンショメータからなっ
ている。スロットルセンサ15を構成するポテンショメ
ータの両端には、図示しない定電圧直流電源回路から得
られる直流定電圧Eが印加されていて、該ポテンショメ
ータの可動接触子15aと接地間にスロットル開度αに
比例したスロットル信号Vαが得られるようになってい
る。スロットルセンサ15から得られるスロットル信号
はコントローラ13に入力されている。スロットル信号
はコントローラ13内に設けられたA/D変換器により
デジタル値Vthに変換されてマイクロコンピュータのC
PUに読み込まれる。
【0068】本発明においてはまた、3相の電機子コイ
ルLu〜Lwのそれぞれの温度を検出するために、3相
の電機子コイルのそれぞれに対して負の温度係数または
正の温度係数を有する感温抵抗素子Rtu〜Rtwが設けら
れて、これらの感温抵抗素子がそれぞれの相の電機子コ
イルに熱的に結合されている。
【0069】なお感温抵抗素子を電機子コイルに熱的に
結合するとは、電機子コイルの温度が直接または間接的
に(例えば鉄心やコイルの絶縁層を通して)感温抵抗素
子に伝達されるように、感温抵抗素子と電機子コイルと
を直接または間接的に結合することを意味する。各相の
電機子コイルの温度を検出する感温抵抗素子は、各相の
電機子コイルの上に接着剤等により固定してもよく、電
機子コイルに近接させた状態で電機子鉄心の上に接着等
により固定するようにしてもよい。
【0070】各相の電機子コイルが複数個ずつ設けられ
ている場合には、複数個ある各相の電機子コイルのいず
れか一つに各相の感温抵抗素子を熱的に結合する。
【0071】図5に示したように、感温抵抗素子Rtu〜
Rtwは互いに並列に接続され、これらの感温抵抗素子に
より電機子コイル用の温度検出器20が構成されてい
る。
【0072】コントローラ13内には、感温抵抗素子R
tu〜Rtwの並列回路の両端に一定の直流電圧を印加する
電圧印加回路21が設けられていて、感温抵抗素子Rtu
〜Rtwの並列回路の両端の電圧(感温抵抗素子Rtu〜R
twの並列合成値に比例した電圧)が温度検出信号として
コントローラ13を構成するマイクロコンピュータのC
PU13Aの1つのアナログ入力ポートP1 に入力され
ている。
【0073】図5に示した例では、図示しない直流定電
圧電源回路の正極性側の出力端子に一端が接続された抵
抗R1 と、該抵抗R1 の他端と接地間に接続されたコン
デンサC1 とからなっていて、コンデンサC1 の両端の
電圧が感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端に印加
され、感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端に感温
抵抗素子Rtu〜Rtwの並列合成抵抗値に比例した電圧信
号Vt が得られるようになっている。この温度検出信号
Vt は、抵抗R2 とコンデンサC2 とからなる積分回路
を通してCPU13Aの1つのアナログ入力ポートP1
に入力されている。
【0074】またこの例では、スイッチ回路10の温度
(スイッチ素子の温度)を検出するため、スイッチ回路
10の構成素子が取り付けられているヒートシンクに感
温抵抗素子Rts(図1参照)が熱的に結合され、この感
温抵抗素子Rtsによりスイッチ回路用の温度検出器が構
成されている。コントローラ13には、感温抵抗素子R
tsの両端に一定の直流電圧を印加する電圧印加回路(図
示せず。)が設けられていて、感温抵抗素子Rtsの両端
に得られる温度検出信号Vtsが、コントローラ13のC
PU13Aに設けられたアナログ入力ポート(図示せ
ず。)に入力されている。
【0075】コントローラ13は、例えば、位置検出器
hu〜hwがそれぞれ発生する矩形波状の位置検出信号
の発生間隔を計測することにより電動機の回転速度Nを
演算し、この回転速度Nと、スロットル信号の値(デジ
タル値)Vthから得られるスロットル開度情報とに基づ
いてブラシレス直流電動機1の電機子コイルに供給する
駆動電流のデューティ比DFと、制御進み角(駆動電流
を流す電機子コイルの相を切り換える実際の切換角度と
位置検出器の配置により決まる基準の切換角度との位相
差)γとを演算する。デューティ比DF及び制御進み角
γの演算は、それぞれ回転速度Nとスロットル開度とデ
ューティ比DFとの間の関係を与えるデューティ比演算
用3次元マップ及び回転速度Nとスロットル開度と制御
進み角γとの間の関係を与える制御進み角演算用3次元
マップ(いずれのマップもROMに記憶されている)を
用いて補間法により行われる。
【0076】コントローラ13を構成するマイクロコン
ピュータが実行するプログラムのうち、上記回転速度を
演算する過程により電動機の回転速度を検出する回転速
度検出手段が実現される。また上記デューティ比演算用
マップを用いてデューティ比を演算する過程により、ス
ロットル信号の値と回転速度とに対して駆動電流のデュ
ーティ比を演算するデューティ比演算手段が構成され、
上記制御進み角演算用マップを用いてスロットル信号に
対して制御進み角を演算する過程により、制御進み角演
算手段が構成される。
【0077】コントローラ13はまた、位置検出器hu
〜hwの出力信号に基づいて駆動電流を流す相を決定し
て、決定した相の電機子コイルに、制御進み角演算手段
により演算された制御進み角を有する切換え角度で駆動
電流を流す相を切り換えながら、デューティ比演算手段
により演算されたデューティ比で断続するPWM波形の
駆動電流を所定の相の電機子コイルに流すべく、スイッ
チ回路10の所定のスイッチ素子に駆動信号を与えるこ
とを指令する指令信号をドライバ回路14に与える。ド
ライバ回路14は、この指令信号に応じて所定のスイッ
チ素子に駆動信号を与える。
【0078】図2(A)ないし(I)は、図1に示した
ブラシレス直流電動機を、180度スイッチング制御を
行って駆動する場合の位置検出信号の波形と、スイッチ
回路10の各スイッチ素子のオンオフ動作波形とを示し
た波形図である。図2(A)ないし(C)はそれぞれ位
置検出器hu〜hwが発生する位置検出信号Hu〜Hw
の一例を示し、図2(D)ないし(F)はそれぞれ、駆
動電流を流す電機子コイルの相を切り換える角度を基準
の切換角度とした場合の、スイッチ回路10の上段のス
イッチ素子10uないし10wのオンオフ動作を示して
いる。また図2(G)ないし(I)はそれぞれスイッチ
回路10の下段のスイッチ素子10x〜10zのオンオ
フ動作を示している。
【0079】コントローラ13は、図2(A)ないし
(C)に示された位置検出信号に論理演算を施すことに
より、スイッチ回路10の各スイッチ素子をオン状態に
する区間とオフ状態にする区間とを決定し、各スイッチ
素子をオン状態にする区間そのスイッチ素子に駆動信号
を与える。駆動電流をPWM制御するため、図示の例で
は、下段のスイッチ素子10x〜10zに与える駆動信
号を、デューティ比演算手段により演算されたデューテ
ィ比で断続する波形として、下段のスイッチ素子を所定
のデューティ比でオンオフさせている。
【0080】図2に示した例では、コントローラのCP
Uが実行するプログラムのうち、スイッチ素子10x〜
10zに与える駆動信号をデューティ比演算手段により
演算されたデューティ比で断続させる過程により、駆動
電流をスロットル信号に対して演算されたデューティ比
を有するPWM波形の電流とするようにスイッチ回路1
0を制御するPWM制御手段が構成される。
【0081】ブラシレス直流電動機においては、制御進
み角γによって駆動電流の大きさが変り、最大発生トル
ク及び最高回転速度が変化する。一般には、電動機の用
途や要求されるトルク特性、或いは必要とされる最高回
転速度等に応じて制御進み角の大きさを設定している。
電動車両を駆動するブラシレス直流電動機の場合は、電
動機の回転速度が設定値以下であるときに制御進み角γ
を正規の制御進み角γo に固定し、電動機の回転速度が
設定された進角開始回転速度を超える範囲で制御進み角
γを回転速度の上昇に伴って正規の制御進み角γo より
も進角させ、電動機の回転速度が設定された進角終了回
転速度以上になる範囲では制御進み角の進角量を設定さ
れた最大値に固定するように、制御進み角γを制御する
ことが多い。
【0082】制御進み角γを制御する場合には、駆動電
流を流す相を切り換える切換角度をスロットル信号に対
して演算された制御進み角だけ位置検出器の出力により
決まる基準の切換角度に対してシフトさせるように制御
する制御進み角制御手段がコントローラ13に設けられ
る。
【0083】この制御進み角制御手段は、コントローラ
13のCPUが実行するプログラムの一連の過程のう
ち、制御進み角演算手段により演算された制御進み角と
位置検出器の出力により決定される基準の切換角度とか
ら、駆動電流を流す相を切り換えるタイミングを決定す
る過程により構成される。
【0084】正規の制御進み角γo をどのように設定す
るかは任意であるが、一般には、電動車両の発進時のト
ルクを大きくするために、最大トルクが得られる制御進
み角を正規の制御進み角γo とする。
【0085】回転速度Nが設定値を超える領域で制御進
み角γを正規の制御進み角γo よりも進角させる制御を
行う場合、上り坂等で速度調節部材の増速側への変位量
を最大にした状態(フルスロットルの状態)で運転して
いるときに、制御進み角γの進角量が最大値に保たれた
状態になり、電動機の駆動電流は定格値を超えた状態に
なる。このような状態が長時間続くと、電機子コイルの
温度が上昇して許容値を超え、焼損するおそれがある。
【0086】特に、電動機の回転速度が非常に低い状態
になったり、過負荷により電動機がロック状態になった
ときには、特定の相の電機子コイルに他の相の電機子コ
イルよりも大きな駆動電流が流れる状態が相当に長い時
間継続することになるため、特定の相の電機子コイルの
温度が他の相の電機子コイルの温度に比べて上昇する。
【0087】例えば、図1に示したブラシレス直流電動
機において図2に示すような180°スイッチング制御
を行った場合には、電源から各相のコイルに流れ込んだ
電流が他の2相のコイルに分流して電源に戻るため、電
動機がロック状態になると、1つの相の電機子コイルに
他の2相の電機子コイルをそれぞれ流れる駆動電流の2
倍の電流が流れる状態が継続するため、大きな電流が流
れている1つの相の電機子コイルの温度が急激に上昇す
る。また電動機がロックするまでに至らない場合でも、
その回転速度が非常に低くなったときには、1つの相の
電機子コイルに他の2相の電機子コイルを流れる駆動電
流の2倍の電流が流れる状態が長い時間継続するため、
特定の相の電機子コイルの温度のみが異常上昇する状態
が生じる。電機子コイルの温度が異常上昇したときに
は、その焼損を防止するために、電動機の出力を直ちに
低下させる必要がある。
【0088】上記のように、特定の相の電機子コイルの
温度のみが異常上昇するおそれがある場合に電動機の保
護を適確に図るためには、1相の電機子コイルの温度の
みを検出するのではなく、すべての相の電機子コイルの
温度を検出することが必要である。
【0089】そこで、本発明においては、図1に示した
ように3相の電機子コイルLu〜Lwにそれぞれ感温抵
抗素子Rtu〜Rtwを熱的に結合して、これらの感温抵抗
素子を互いに並列に接続し、これらの感温抵抗素子の並
列回路の両端に一定の直流電圧を印加する。そして、感
温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端に得られる電圧
信号Vt と電機子コイルに対して設定された設定値との
大小関係から、電機子コイルの温度の異常上昇の有無を
検出し、温度の異常上昇が検出されたときに、電動機の
出力を低下させる制御を行って、電機子コイルの温度の
上昇を抑制する。
【0090】上記のように、3相の電機子コイルにそれ
ぞれ熱的に結合した感温抵抗素子Rtu〜Rtwを並列に接
続して、これらの感温抵抗素子の並列回路の両端に一定
の直流電圧を印加すると、感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並
列回路の両端に得られる電圧信号Vt は、すべての相の
電機子コイルの温度の情報を含むことになる。従って、
上記電圧信号Vt の値を温度tに換算することにより、
3相の電機子コイルの温度の情報を得ることができる。
【0091】上記電圧信号Vt の値を温度に換算するに
は、例えば、電圧信号Vt の値と温度tとの関係を与え
るテーブル(表)を電圧/温度換算テーブルとして予め
実験的に求めてROMに記憶させておき、一定のサンプ
リング周期でサンプリングした電圧信号Vt の値と、該
電圧信号の値に対してテーブルから読み出した温度とを
用いて、各電圧信号に対応する温度を補間演算するよう
にすればよい。
【0092】上記のように3相の電機子コイルLu〜L
wの温度をそれぞれ検出する感温抵抗素子Rtu〜Rtwの
並列回路の両端に一定の電圧を印加して、これらの感温
抵抗素子の並列回路の両端から電圧信号Vt を得た場
合、電動機が設定回転速度を超える回転速度で回転して
いる状態で、各相の電機子コイルの温度が許容範囲を超
えたときに感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
圧Vt1と、電動機がロック状態になって特定の相の電機
子コイルの温度のみが許容範囲を超えたときに感温抵抗
素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端に得られる電圧Vt2と
は異なる値をとる。
【0093】従って電圧信号を温度に換算する際には、
電動機が極低回転状態またはロック状態にあるときと、
極低回転状態及びロック状態にないときとで、異なる電
圧/温度換算テーブルを用いる必要がある。
【0094】そこで本発明においては、図7に示したよ
うに、電動機が設定された極低回転状態(ロック状態に
近く、特定の相の電機子コイルの温度のみが異常上昇す
る状態が生じ易い低回転速度)またはロック状態にある
か否かを判定する回転状態判定手段13Aを設けて、こ
の判定手段により、電動機が極低回転状態またはロック
状態にあると判定されたときには、極低回転時及びロッ
ク時用の第1の電圧/温度換算テーブルを用いて、感温
抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端の電圧信号Vt1の
値を温度t1 に換算する。
【0095】また上記回転状態判別手段により電動機が
極低回転状態またはロック状態にないと判定されたとき
には、定常運転時用の第2の電圧/温度換算テーブルを
用いて、感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端の電
圧信号Vt2の値を温度t2 に換算する。
【0096】上記第1の電圧/温度換算テーブルを用い
て電圧信号Vt1を温度t1 に換算する過程により、図7
の第1の電圧/温度換算手段13Bを構成し、第2の電
圧/温度換算テーブルを用いて電圧信号Vt2を温度t2
に換算する過程により、第2の電圧/温度換算手段13
Cを構成する。
【0097】そして、回転状態判定手段13Aにより電
動機が極低回転状態またはロック状態にあると判定され
ている状態では、上記第1の電圧/温度換算手段13B
により換算された温度t1 が第1の設定温度t1sを超え
たときに換算された温度が高い場合程電動機の出力を低
くする制御を行わせる第1の電動機出力制御手段13D
と、回転状態判定手段13Aにより電動機が極低回転状
態及びロック状態にないと判定されている状態では、第
2の電圧/温度換算手段13Cにより換算された温度t
2 が第2の設定温度t2sを超えたときに換算された温度
が高い場合程電動機の出力を低くする制御を行わせる第
2の電動機出力制御手段13Eとにより、温度上昇抑制
制御手段13Fを構成する。
【0098】前述のように、第1の設定温度t1sと第2
の設定温度t2sとは等しくてもよく、異なっていてもよ
いが、電動機が極低回転状態またはロック状態にあると
きには、電動機の定常回転時に比べて、電機子コイルの
温度が短時間のうちに異常上昇して焼損し易いため、安
全のためには、電動機の極低回転時またはロック時に電
動機の出力を制限する制御(温度上昇抑制制御)を開始
するタイミングを決める第1の設定温度t1sを、電動機
の定常回転時に電動機の出力を制限する制御を開始する
タイミングを決める第2の設定温度t2sよりも低く設定
しておくのが好ましい。
【0099】温度上昇抑制制御を行う必要がある極低回
転状態は、スロットル開度が設定開度以上になっている
ときに電動機の回転速度が設定値よりも低くなっている
か否かを判定することにより検出することができる。ま
た温度上昇抑制制御を必要とする電動機のロック状態
は、スロットル開度が設定値以上になっているときに電
動機の回転速度が零になっているか否かを見ることによ
り判定することができる。したがって、コントローラ1
3のCPUに実行させるプログラムに、スロットル開度
が設定値以上であるか否かを判定する過程と、スロット
ル開度が設定値以上になっているときに電動機の回転速
度が設定値よりも低くなっているか否かを判定する過程
とを設けることにより、図7の回転状態判定手段13A
を構成することができる。
【0100】上記の構成では、感温抵抗素子Rtu〜Rtw
の並列回路の両端に得られる電圧信号Vt を温度に換算
して、換算した温度を設定温度と比較することにより電
機子コイルで異常な温度上昇が生じているか否かを判定
するようにしたが、電圧信号Vt の値を温度に換算する
ことなく、所定の設定値と比較することによっても、異
常な温度上昇が生じているか否かを判定することもでき
る。
【0101】電圧信号Vt の値は、一部の電機子コイル
の温度のみが異常上昇しているときと、すべての相の電
機子コイルの温度が同じように異常上昇しているときと
で異なるため、一部の相の電機子コイルの温度のみが異
常上昇しているか否かを判定するために用いる設定値
と、すべての電機子コイルの温度が同じように異常上昇
しているか否かを判定するために用いる設定値とは異な
らせる必要がある。
【0102】この場合、コントローラは、図8に示すよ
うに、電動機1が設定された極低回転状態またはロック
状態にあるか否かを判定する回転状態判定手段13A
と、回転状態判定手段13Aにより電動機が極低回転状
態またはロック状態にあると判定されている状態では上
記電圧信号Vt1の値を第1の設定値Vt1s と比較して該
電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から一部の相
の電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定され
たときに電圧信号Vt1の値と第1の設定値Vt1sとの差
が大きい場合程電動機の出力を低くするように制御する
第1の電動機出力制御手段13D´と、回転状態判定手
段13Aにより電動機が極低回転状態またはロック状態
にないと判定されている状態では電圧信号Vt2の値を第
1の設定値と異なる第2の設定値Vt2s と比較して電圧
信号の値と第2の設定値との大小関係から各電機子コイ
ルの温度が許容値を超えていると判定されたときに電圧
信号Vt2の値と第2の設定値Vt2s との差が大きい場合
程電動機の出力を低くするように制御する第2の電動機
出力制御手段13E´とにより温度上昇抑制制御手段1
3Fを構成する。
【0103】上記のように、電圧信号Vt1の値と第1の
設定値Vt1s とを比較して一部の相の電機子コイルでの
み温度の異常上昇が生じているか否かを判定する場合、
温度の異常上昇が生じているときの電圧信号の値と第1
の設定値との間の関係は、感温抵抗素子Rtu〜Rtwの温
度係数が正であるか負であるかにより相違する。即ち、
感温抵抗素子の温度係数が正であるときには、電圧信号
の値が第1の設定値よりも大きくなったことが検出され
たときに一部の相の電機子コイルでのみ温度の異常上昇
が生じていると判定することができる。また感温抵抗素
子の温度係数が負であるときには、電圧信号の値が第1
の設定値よりも小さくなったことが検出されたときに一
部の相の電機子コイルでのみ温度の異常上昇が生じてい
ると判定することができる。
【0104】上記電圧信号Vt2の値を第2の設定値Vt2
s と比較して、すべての相の電機子コイルで温度の異常
上昇が生じているか否かを判定する場合の電圧信号Vt2
の値と第2の設定値との間の大小関係も同様に、感温抵
抗素子の温度係数が正であるか負であるかにより相違す
る。
【0105】また感温抵抗素子の温度係数が正である場
合には、上記第2の設定値を第1の設定値よりも大きい
値に設定する必要があり、感温抵抗素子の温度係数が負
である場合には、上記第2の設定値を第1の設定値より
も小さい値に設定する必要がある。
【0106】電機子コイルの温度の異常上昇時に電動機
の出力を低下させるためには、例えば、デューティ比演
算手段により演算されたデューティ比に補正係数K(<
100%)を乗じることにより、デューティ比を補正し
て、電機子コイルに流す駆動電流を減少させればよい。
【0107】この場合コントローラ13は、CPUに所
定のプログラムを実行させることにより、図9に示すよ
うに、電動機が設定された極低回転状態またはロック状
態にあるか否かを判定する回転状態判定手段13Aと、
回転状態判定手段13Aにより電動機が設定された極低
回転状態またはロック状態にあると判定されているとき
に電圧信号を温度t1 に換算する第1の電圧/温度換算
手段13Bと、回転状態判定手段13Aにより電動機が
設定された極低回転状態及びロック状態にないと判定さ
れているときに電圧信号を温度t2 に換算する第2の電
圧/温度換算手段13Cと、回転状態判定手段13Aに
より電動機が極低回転状態またはロック状態にあると判
定されている状態では第1の電圧/温度換算手段13B
により換算された温度t1 が第1の設定温度t1sを超え
たときに換算された温度が高い場合程駆動電流のデュー
ティ比のスロットル開度に対する増加割合を小さくする
ようにデューティ比演算手段により演算されたデューテ
ィ比を補正する第1のデューティ比補正手段13Gと、
回転状態判定手段13Aにより電動機が極低回転状態及
びロック状態にないと判定されている状態では第2の電
圧/温度換算手段13Cにより換算された温度t2 が第
2の設定温度t2sを超えたときに換算された温度が高い
場合程駆動電流のデューティ比のスロットル開度に対す
る増加割合を小さくするようにデューティ比演算手段に
より演算されたデューティ比を補正する第2のデューテ
ィ比補正手段13Hとを実現する。この場合は、第1の
デューティ比補正手段13Gと第2のデューティ比補正
手段13Hとにより温度上昇抑制制御手段13Fが構成
される。
【0108】なお図9において、13Jは、電動機のロ
ータを回転させるべく位置検出器hu〜hwの出力に応
じて駆動電流を流す相を切り換えるようにスイッチ回路
10を制御するスイッチ制御手段、13Kはスロットル
センサ15が出力するスロットル信号に対して駆動電流
のデューティ比を演算するデューティ比演算手段、13
Lは駆動電流をデューティ比演算手段13Kにより演算
されたデューティ比で断続するPWM波形の電流とする
ようにスイッチ回路10を制御するPWM制御手段であ
る。
【0109】上記のように駆動電流のデューティ比を補
正するには、換算された温度に対して、例えば図3に示
すような関係を有する補正係数K(<100%)を求め
て、この補正係数Kをデューティ比演算手段13Hによ
り演算されたデューティ比に乗じればよい。
【0110】図3の横軸は、電圧信号Vt を換算して得
た温度tを示し、縦軸は補正係数Kを示している。この
例では、電動機が設定された極低回転状態またはロック
状態にあるときに、曲線aのように、換算された温度t
が第1の設定値ts1(図示の例では120℃)以上にな
っているときに、補正係数Kを温度tの上昇に伴って減
少させ、電動機が設定された極低回転状態またはロック
状態にないとき(定常走行時)には、曲線bのように、
換算された温度tが第1の設定値よりも高い第2の設定
値ts2(図示の例では160度)以上になっているとき
に、補正係数Kを温度tの上昇に伴って減少させるよう
にしている。
【0111】本実施形態では、温度tと補正係数Kとの
関係を与える補正係数演算用のマップとして、電動機の
極低回転状態またはロック状態が検出されているときに
用いるロック状態時温度補正マップ(図3の曲線aにし
たがって補正係数を演算するためのマップ)と、極低回
転状態またはロック状態が検出されていないときに用い
る定常走行時温度補正マップ(図3の曲線bにしたがっ
て補正係数を演算するためのマップ)との2種類のマッ
プを用意しておいて、回転状態判定手段による判定の結
果に応じて、これらいずれかのマップを用いて、温度検
出信号から求められた温度に対して補正係数Kを演算す
る。
【0112】図4は、本発明に係わる温度上昇抑制制御
において、温度検出信号により検出された温度が設定値
を超えたときに補正係数Kを演算するために実行される
補正係数演算用サブルーチンのアルゴリズムを示したも
ので、このサブルーチンは、電動機が設定された極低回
転状態またはロック状態にあると判定されている状態で
温度検出信号により検出された温度が第1の設定値ts1
を超えたとき、及び電動機が設定された極低回転状態ま
たはロック状態にないと判定されている状態で温度検出
信号により検出された温度が第2の設定値ts2を超えた
ときに実行される。
【0113】図4に示したアルゴリズムに従う場合に
は、先ずステップ1において電動機が極低回転状態また
はロック状態にあるか否かを判定する。その結果、極低
回転状態またはロック状態にあると判定されたときに
は、ステップ2に進んでROMに記憶されているロック
状態時温度補正マップを検索し、ステップ3においてこ
のマップを用いて補正係数K(図3の曲線aにより与え
られる補正係数)を演算してRAMに記憶させる。
【0114】またステップ2において、電動機が極低回
転状態またはロック状態にないと判定されたときには、
ステップ4において定常走行時温度補正マップを検索
し、ステップ3においてこのマップを用いて補正係数K
(図3の曲線bにより与えられる補正係数)を演算して
RAMに記憶させる。
【0115】上記のようにして演算した補正係数を用い
てデューティ比演算手段により演算されたデューティ比
を補正した場合、定常走行時のスロットル開度αとPW
M制御のデューティ比との関係は例えば図6に示すよう
に温度tにより変化する。図6の折れ線aは、温度検出
信号により検出された温度が設定値ts2よりも低いとき
にスロットル開度αに対して演算されたデューティ比を
示しており、デューティ比は、スロットル開度が全閉状
態に近い角度α1 から全開状態に近い角度α2まで変化
する間に、スロットル開度αに対して直線的に増加して
いく。
【0116】また図6の折れ線bないしdはそれぞれ、
温度検出信号により検出された温度がt1 ,t2 及びt
3 (ts2<t1 <t2 <t3 )のときに演算された補正
係数を同図aのデューティ比に乗じることにより求めら
れた補正後のデューティ比を示している。検出された温
度が高い場合程、スロットル開度の単位当りの増加分に
対するデューティ比の増加割合が小さくなっていく。
【0117】また本実施形態では、スイッチ回路10に
対して設けられた感温抵抗素子Rtsによりスイッチ回路
の温度が該スイッチ回路に対して設定された設定値以上
になったことが検出されたときに、デューティ比演算手
段により演算されたデューティ比に補正係数を乗じて、
駆動電流のデューティ比を演算された値よりも小さい値
に補正する制御を行わせるようにしている。
【0118】即ち、本実施形態においては、感温抵抗素
子Rtu〜Rtwにより構成される電機子コイル用温度検出
器により検出された温度が電機子コイルに対して設定さ
れた設定温度(極低速時及びロック時の設定温度と定常
運転時の設定温度)以上になったとき、またはスイッチ
回路用温度検出器により検出された温度がスイッチ回路
に対して設定された設定温度以上になったときに、デュ
ーティ比演算手段により演算されたデューティ比のスロ
ットル開度に対する増加割合を検出された温度が高い場
合程小さくするようにデューティ比演算手段により演算
されたデューティ比を検出された温度に応じて補正する
温度上昇抑制制御を行わせている。
【0119】本発明においては、電機子コイルの温度の
異常上昇が検出されたときに、電動機の駆動電流を零に
するのではなく、電機子コイルの温度の異常上昇を抑制
する上で支障を来さない範囲の駆動電流を流し続けるよ
うにしている。このように構成しておくと、温度上昇抑
制制御が働いた時に電動機がいきなり停止したり、逆転
したりするのを防ぐことができる。
【0120】特に、電動車両の場合には、フルスロット
ルの状態で上り坂を走行しているときに電機子コイルの
温度が上昇しやすいが、このとき電動機の駆動電流をい
きなり零にすると、駆動トルクが失われて車両が逆走行
するおそれがあり危険である。本発明のように、温度上
昇抑制制御を行う際に電動機に駆動電流を流し続けるよ
うにしておくと、坂道で温度上昇抑制制御が働いて車両
が停止した状態でも駆動車輪にトルクを与え続けること
ができるため、車両が逆走行するのを防ぐことができ
る。
【0121】上記の構成では、感温抵抗素子の並列回路
の両端に得られる電圧信号を温度に換算して、換算した
温度を設定温度と比較することにより異常な温度上昇が
生じているか否かを判定するようにしたが、電圧信号の
値を温度に換算することなく、所定の設定値と比較する
ことによって異常な温度上昇が生じているか否かを判定
するようにしてもよい。
【0122】感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端
から得た電圧信号Vt の値を温度に換算することなく温
度上昇抑制制御を行う場合には、図10に示したよう
に、温度上昇抑制制御手段13Fを、回転状態判定手段
13Aにより電動機が設定された極低回転状態またはロ
ック状態にあると判定されている状態で、感温抵抗素子
の並列回路の両端に得られる電圧信号Vt1の値を第1の
設定値Vt1s と比較して、該電圧信号と第1の設定値と
の大小関係から一部の相の電機子コイルの温度が許容範
囲を超えたと判定されたときに、駆動電流のデューティ
比のスロットル開度に対する増加割合を、電圧信号Vt1
の値と第1の設定値Vt1s との差が大きい場合程(温度
上昇が大きい場合程)小さくするように、デューティ比
演算手段により演算されたデューティ比を補正する第1
のデューティ比補正手段13G´と、回転状態判定手段
13Aにより電動機が設定された極低回転状態またはロ
ック状態にないと判定されている状態では、電圧信号V
t2を第1の設定値ts1と異なる第2の設定値Vt2s と比
較して、該電圧信号と第2の設定値との大小関係から各
相の電機子コイルの温度が許容範囲を超えたと判定され
たときに、駆動電流のデューティ比のスロットル開度に
対する増加割合を電圧信号の値と第2の設定値との差が
大きい場合程小さくするように、デューティ比演算手段
により演算されたデューティ比を補正する第2のデュー
ティ比補正手段13H´とを備えた構成とする。この場
合、第1のデューティ比補正手段13G´と第2のデュ
ーティ比補正手段13H´とにより温度上昇抑制制御手
段13Fが構成される。
【0123】前述のように、電動機が設定回転速度を超
える回転速度で回転している状態ですべての相の電機子
コイルの温度が同じように許容範囲を超えたときに感温
抵抗素子の並列回路の両端に得られる電圧Vt1と、電動
機がロック状態になって特定の相の電機子コイルの温度
のみが許容範囲を超えたときに感温抵抗素子Rtu〜Rtw
の並列回路の両端に得られる電圧Vt2とは異なる値をと
る。例えば、感温抵抗素子Rtu〜Rtwが負の温度係数を
有しているときには、Vt1<Vt2となる。そのため、上
記のように、感温抵抗素子Rtu〜Rtwの並列回路の両端
に得られる電圧信号の値を設定値と比較して電機子コイ
ルの温度が異常上昇しているか否かを判定する場合に
は、電動機がロック状態にあるときと、ないときとで温
度の異常上昇の有無を判定するための設定値を異ならせ
る必要がある。
【0124】また上記設定値は、感温抵抗素子の温度係
数が正であるか負であるかによっても相違する。感温抵
抗素子が正の温度係数を有している場合には、上記電圧
信号の値が第1の設定値Vt1s よりも小さくなったとき
に一部の電機子コイルで許容範囲を超える温度上昇が生
じていると判定することができる。
【0125】また感温抵抗素子が負の温度係数を有して
いる場合には、上記電圧信号の値が第1の設定値Vt1s
よりも小さい第2の設定値Vt2s よりも小さくなったと
きに電機子コイルLu〜Lwで許容範囲を超える温度上
昇が生じていると判定することができる。
【0126】上記の例では、電機子コイル用温度検出器
から得られる温度検出信号により検出される温度が電機
子コイルに対して設定された設定値以上になったとき
に、デューティ比演算手段により演算されたデューティ
比を小さい値に補正することにより駆動電流のデューテ
ィ比を小さくして、電動機の出力を低下させるようにし
ているが、温度の異常上昇が検出されたときに、制御進
み角を遅角させることにより電動機の出力を低下させる
ようにしてもよい。
【0127】即ち、電動機が設定された極低回転状態ま
たはロック状態にあると判定されている状態で、感温抵
抗素子の並列回路の両端から得られる電圧信号を換算し
て得た温度が第1の設定温度を超えているときに、駆動
電流を流す相を切り換える切換え角度を制御進み角演算
手段により演算された制御進み角を有する切換え角度よ
りも遅角させるように制御進み角演算手段が演算した制
御進み角を補正し、電動機が設定された極低回転状態ま
たはロック状態にないと判定されている状態では、換算
された温度が第1の設定温度よりも高い第2の設定温度
を超えているときに駆動電流を流す相の切換え角度を制
御進み角演算手段により演算された制御進み角を有する
切換え角度よりも遅角させるように制御進み角演算手段
が演算した制御進み角を補正して電動機の出力を制限す
るように、温度上昇抑制制御手段を構成してもよい。
【0128】感温抵抗素子の並列回路の両端から得た電
圧信号を第1の設定値または第2の設定値と比較するこ
とにより、電機子コイルの温度の異常上昇の有無を検出
する場合にも、同様に、温度の異常上昇時に制御進み角
を遅角させることにより電動機の出力を低下させる方法
をとることができる。
【0129】上記のように、温度上昇時に制御進み角を
遅角側に補正する制御を行う場合、温度上昇抑制制御手
段は、回転状態判定手段により前記電動機が極低回転状
態またはロック状態にあると判定されている状態で前記
電圧信号を換算して得た温度が第1の設定温度を超えて
いるときに、駆動電流のデューティ比のスロットル開度
に対する増加割合を換算された温度が高い場合程小さく
するように、デューティ比演算手段により演算されたデ
ューティ比を検出された温度に応じて補正し、回転状態
判定手段により電動機が極低回転状態またはロック状態
にないと判定されている状態で換算された温度が第1の
設定値よりも高い第2の設定値以上になっているとき
に、駆動電流のデューティ比のスロットル開度に対する
増加割合を検出された温度が高い場合程小さくするよう
に、デューティ比演算手段により演算されたデューティ
比を換算された温度に応じて補正する制御を併せて行う
ように構成するのが好ましい。
【0130】上記の例では、スイッチ回路の下段のスイ
ッチ素子をオンオフさせることによりPWM波形の駆動
電流を得るようにしているが、スイッチ回路の上段のス
イッチ素子をオンオフさせることによりPWM波形の駆
動電流を得るようにしてもよく、上段のスイッチ素子と
下段のスイッチ素子との双方をオンオフさせることによ
りPWM波形の駆動電流を得るようにしてもよい。
【0131】上記の例では、位置検出器hw,hu及び
hvを構成するホールICをU相ないしW相の電機子コ
イルが巻回された歯部Pu,Pv及びPwの中心に対し
て電気角で90°進んだ位置に配置したが、位置検出器
はロータのステータに対する回転角度位置を検出すれば
良く、その配設位置は上記の例に限定されない。
【0132】上記の例では、180°スイッチング制御
を行わせているが、ブラシレス直流電動機の駆動の仕方
は上記の例に限られるものではなく、例えば各相の電機
子コイルが巻回された歯部を通してながれる磁束が零点
を通過する位置の前後60度(電気角)の区間各相の電
機子コイルに駆動電流を流す「120度スイッチング制
御」を行って電動機を回転させる場合にも本発明を適用
することができる。
【0133】3相ブラシレス直流電動機において120
°スイッチング制御を行わせる場合には、電源から各相
の電機子コイルに流入した駆動電流が他の1相の電機子
コイルを通して電源に戻る。この場合、電動機がロック
状態になると、特定の2相の電機子コイルに駆動電流が
流れ、他の1相の電機子コイルには駆動電流が流れない
状態が継続するため、特定の2相の電機子コイルの温度
のみが上昇する。したがって、この場合も特定の1相の
電機子コイルの温度を検出したのでは、温度上昇抑制制
御を適確に行わせることができない。温度上昇抑制制御
を適確に行わせるためには、3相の電機子コイルLu〜
Lwのすべての温度を検出することが必要である。
【0134】また上記の例では、位置検出器としてホー
ルICを用いているが、ホールICに代えて、フォトエ
ンコーダ等の位置検出器を用いるようにしてもよい。
【0135】本発明を適用する電動車両は、電動機の出
力を車両の駆動輪に直接伝達する構造のものでもよく、
電動機の出力を減速機を介して駆動輪に伝達するように
したものでもよい。
【0136】上記の例では、ロータの界磁が永久磁石に
より構成されているが、ロータの界磁を巻線により構成
する場合にも本発明を適用することができる。
【0137】上記の例では、3相のブラシレス電動機を
例にとったが、本発明は、電機子コイルの相数nが2以
上である場合に適用することができる。
【0138】またブラシレス直流電動機に限らず、ステ
ッピングモータやパルスモータ等、ステータ側にn相の
電機子コイルが設けられる他の電動機においても、極低
回転時またはロック時に特定の相の電機子コイルに駆動
電流が流れ続ける状態が生じた場合には、その電機子コ
イルで異常な温度上昇が生じる。したがって、ロータに
界磁が設けられ、ステータ側にn相の電機子コイルが設
けられる他の電動機においても、温度上昇抑制制御を行
う場合に、本発明のようにすべての相の電機子コイルに
感温抵抗素子を熱的に結合して、相数分の感温抵抗素子
を並列に接続する構成をとることが有用である。
【0139】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、n相の
電機子コイルにそれぞれ熱的に結合し感温抵抗素子の並
列回路の両端に一定の直流電圧を印加することにより、
該感温抵抗素子の並列回路の両端にn相の電機子コイル
の温度情報を含む電圧信号を得るとともに、電動機が設
定された極低回転状態またはロック状態にあるか否かを
判定する回転状態判定手段を設けて、該回転状態判定手
段により電動機が極低回転状態またはロック状態にある
と判定されているときには、上記電圧信号を換算して得
た温度が第1の設定温度を超えたときに電動機の出力を
低下させる制御を行い、回転状態判定手段により電動機
が極低回転状態またはロック状態にないと判定されてい
るときには換算された温度が上記第1の設定温度よりも
高い第2の設定温度を超えたときに電動機の出力を低下
させる制御を行わせるようにしたので、電動機の極低回
転時及びロック時にも、また定常回転時にも、電機子コ
イルの異常温度上昇が生じた時に電動機の出力を低下さ
せて、電機子コイルの保護を適確に図ることができる。
【0140】また本発明によれば、コントローラのCP
Uの1つのアナログ入力ポートを用いるだけで、すべて
の相の電機子コイルの温度が反映された温度情報を読み
込むことができるので、アナログ入力ポートの数が多い
高価なCPUを用いることなく電機子コイルを過熱から
確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す構成図である。
【図2】図1のブラシレス直流電動機における位置検出
信号の波形と、スイッチ回路の各スイッチ素子のオンオ
フ動作波形とを示した波形図である。
【図3】本発明に係わる駆動装置において駆動電流のデ
ューティ比を補正する際に用いる補正係数と温度との関
係の一例を示した線図である。
【図4】本発明に係わる駆動装置において駆動電流のデ
ューティ比の補正係数を演算する際に実行されるサブル
ーチンを示したフローチャートである。
【図5】本発明に係わる駆動装置において3相の電機子
コイルに対してそれぞれ設けられた感温抵抗素子と、該
感温抵抗素子から得られる信号をコントローラのCPU
に入力する入力回路とを示した回路図である。
【図6】本発明に係わる駆動装置において、電機子コイ
ルの温度上昇時に駆動電流のデューティ比を小さくする
制御を行った場合のデューティ比対スロットル開度特性
の一例を温度をパラメータとして示した線図である。
【図7】本発明の一実施形態においてコントローラに設
けられる機能実現手段を示した機能ブロック図である。
【図8】本発明の他の実施形態においてコントローラに
設けられる機能実現手段を示した機能ブロック図であ
る。
【図9】本発明の更に他の実施形態においてコントロー
ラに設けられる機能実現手段を示した機能ブロック図で
ある。
【図10】本発明の更に他の実施形態においてコントロ
ーラに設けられる機能実現手段を示した機能ブロック図
である。
【符号の説明】
1…ブラシレス直流電動機、2…ロータ、3…ステー
タ、Lu〜Lw…電機子コイル、hu〜hw…位置検出
器、10…スイッチ回路、13…コントローラ、13A
…回転状態判定手段、13B…第1の電圧/温度変換手
段、13C…第2の電圧/温度変換手段、13D,13
D´…第1の電動機出力制御手段、13E,13E´…
第2の電動機出力制御手段、13F…温度上昇抑制制御
手段、13G,13G´…第1のデューティ比補正手
段、13H,13H´…第2のデューティ比補正手段、
13J…スイッチ制御手段、13K…デューティ比演算
手段、13L…PWM制御手段、15…スロットルセン
サ、Rtu〜Rtw…感温抵抗素子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H115 PA08 PC06 PG04 PI16 PI29 PU11 PV09 PV23 PV24 QN03 RB21 RB22 TO05 TO30 TR01 TR04 TU12 TU20 TW10 TZ09 UI13 UI14 5H560 AA08 BB04 BB05 BB07 BB12 DA03 DB20 DC05 EB01 EC10 GG01 GG04 JJ06 JJ07 RR10 SS02 TT15 TT20 UA02 UA05 UA06 XA12 XA15

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界磁を有するロータとn相(nは2以上
    の整数)の電機子コイルを有するステータとを備えた電
    動機の駆動電流をCPUを備えたコントローラにより制
    御する電動機用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧が印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記コントローラのCPUの1つのアナログ入
    力ポートに入力され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    設定された極低回転状態またはロック状態にあると判定
    されているときに前記電圧信号を温度に換算する第1の
    電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段により前
    記電動機が設定された極低回転状態及びロック状態にな
    いと判定されているときに前記電圧信号を温度に換算す
    る第2の電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段
    により前記電動機が極低回転状態またはロック状態にあ
    ると判定されている状態では前記第1の電圧/温度換算
    手段により換算された温度が第1の設定温度を超えたと
    きに換算された温度が高い場合程前記電動機の出力を低
    くするように制御し、前記回転状態判定手段により前記
    電動機が極低回転状態及びロック状態にないと判定され
    ている状態では前記第2の電圧/温度換算手段により換
    算された温度が第2の設定温度を超えたときに換算され
    た温度が高い場合程前記電動機の出力を低くするように
    制御する温度上昇抑制制御手段とを備えていること、 を特徴とする電動機用制御装置。
  2. 【請求項2】 界磁を有するロータとn相(nは2以上
    の整数)の電機子コイルを有するステータとを備えた電
    動機の駆動電流をCPUを備えたコントローラにより制
    御する電動機用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧が印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記コントローラのCPUの1つのアナログ入
    力ポートに入力され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    極低回転状態またはロック状態にあると判定されている
    状態では前記電圧信号の値を第1の設定値と比較して前
    記電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から一部の
    相の電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定さ
    れたときに前記電圧信号の値と第1の設定値との差が大
    きい場合程前記電動機の出力を低くするように制御し、
    前記回転状態判定手段により前記電動機が極低回転状態
    またはロック状態にないと判定されている状態では前記
    電圧信号の値を前記第1の設定値と異なる第2の設定値
    と比較して前記電圧信号の値と第2の設定値との大小関
    係から各電機子コイルの温度が許容値を超えていると判
    定されたときに前記電圧信号の値と第2の設定値との差
    が大きい場合程前記電動機の出力を低くするように制御
    する温度上昇抑制制御手段とを備えていること、 を特徴とする電動機用制御装置。
  3. 【請求項3】 磁石界磁を有するロータとn相(nは2
    以上の整数)の電機子コイルを有するステータとを備え
    た電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の前記ロータの
    ステータに対する回転角度位置を検出する位置検出器
    と、直流電源から前記電機子コイルに駆動電流を流す相
    を切り換えるために前記直流電源と電機子コイルとの間
    に設けられたスイッチ回路と、電動機の回転速度を調節
    する際に操作される速度調節部材と、前記速度調節部材
    の変位量をスロットル開度として検出して該スロットル
    開度に相応した大きさのスロットル信号を出力するスロ
    ットルセンサと、前記ロータを回転させるべく前記位置
    検出器の出力に応じて前記駆動電流を流す相を切り換え
    るように前記スイッチ回路を制御する手段を有するコン
    トローラとを備え、前記コントローラはCPUを備えて
    いて、前記スロットル信号に対して前記駆動電流のデュ
    ーティ比を演算するデューティ比演算手段と、前記駆動
    電流を前記デューティ比演算手段により演算されたデュ
    ーティ比を有するPWM波形の電流とするように前記ス
    イッチ回路を制御するPWM制御手段とを有している電
    動機用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧を印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記CPUの1つのアナログ入力ポートに入力
    され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    設定された極低回転状態またはロック状態にあると判定
    されているときに前記電圧信号を温度に換算する第1の
    電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段により前
    記電動機が設定された極低回転状態及びロック状態にな
    いと判定されているときに前記電圧信号を温度に換算す
    る第2の電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段
    により前記電動機が極低回転状態またはロック状態にあ
    ると判定されている状態では前記第1の電圧/温度換算
    手段により換算された温度が第1の設定温度を超えたと
    きに換算された温度が高い場合程前記駆動電流のデュー
    ティ比のスロットル開度に対する増加割合を小さくする
    ように前記デューティ比演算手段により演算されたデュ
    ーティ比を補正し、前記回転状態判定手段により前記電
    動機が極低回転状態及びロック状態にないと判定されて
    いる状態では前記第2の電圧/温度換算手段により換算
    された温度が第2の設定温度を超えたときに換算された
    温度が高い場合程前記駆動電流のデューティ比のスロッ
    トル開度に対する増加割合を小さくするように前記デュ
    ーティ比演算手段により演算されたデューティ比を補正
    する温度上昇抑制制御手段とを備えていること、 を特徴とする電動機用制御装置。
  4. 【請求項4】 磁石界磁を有するロータとn相(nは2
    以上の整数)の電機子コイルを有するステータとを備え
    た電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の前記ロータの
    ステータに対する回転角度位置を検出する位置検出器
    と、直流電源から前記電機子コイルに駆動電流を流す相
    を切り換えるために前記直流電源と電機子コイルとの間
    に設けられたスイッチ回路と、電動機の回転速度を調節
    する際に操作される速度調節部材と、前記速度調節部材
    の変位量をスロットル開度として検出して該スロットル
    開度に相応した大きさのスロットル信号を出力するスロ
    ットルセンサと、前記ロータを回転させるべく前記位置
    検出器の出力に応じて前記駆動電流を流す相を切り換え
    るように前記スイッチ回路を制御する手段を有するコン
    トローラとを備え、前記コントローラはCPUを備えて
    いて、前記スロットル信号に対して前記駆動電流のデュ
    ーティ比を演算するデューティ比演算手段と、前記駆動
    電流を前記デューティ比演算手段により演算されたデュ
    ーティ比を有するPWM波形の電流とするように前記ス
    イッチ回路を制御するPWM制御手段とを有している電
    動機用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧を印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記CPUの1つのアナログ入力ポートに入力
    され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    極低回転状態またはロック状態にあると判定されている
    状態では前記電圧信号の値を第1の設定値と比較して前
    記電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から一部の
    相の電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定さ
    れたときに前記電圧信号の値と第1の設定値との差が大
    きい場合程前記駆動電流のデューティ比のスロットル開
    度に対する増加割合を小さくするように前記デューティ
    比演算手段により演算されたデューティ比を補正し、前
    記回転状態判定手段により前記電動機が極低回転状態ま
    たはロック状態にないと判定されている状態では前記電
    圧信号の値を前記第1の設定値と異なる第2の設定値と
    比較して前記電圧信号の値と第2の設定値との大小関係
    から各電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定
    されたときに前記電圧信号の値と第2の設定値との差が
    大きい場合程前記駆動電流のデューティ比のスロットル
    開度に対する増加割合を小さくするように前記デューテ
    ィ比演算手段により演算されたデューティ比を補正する
    温度上昇抑制制御手段とを備えていること、 を特徴とする電動機用制御装置。
  5. 【請求項5】 磁石界磁を有するロータとn相(nは2
    以上の整数)の電機子コイルを有するステータとを備え
    た電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の前記ロータの
    ステータに対する回転角度位置を検出する位置検出器
    と、直流電源から前記電機子コイルに駆動電流を流す相
    を切り換えるために前記直流電源と電機子コイルとの間
    に設けられたスイッチ回路と、電動機の回転速度を調節
    する際に操作される速度調節部材と、前記速度調節部材
    の変位量をスロットル開度として検出して該スロットル
    開度に相応した大きさのスロットル信号を出力するスロ
    ットルセンサと、前記ロータを回転させるべく前記位置
    検出器の出力に応じて前記駆動電流を流す相を切り換え
    るように前記スイッチ回路を制御する手段を有するコン
    トローラとを備え、前記コントローラは、前記スロット
    ル信号に対して前記駆動電流のデューティ比を演算する
    デューティ比演算手段と、前記駆動電流を前記デューテ
    ィ比演算手段により演算されたデューティ比を有するP
    WM波形の電流とするように前記スイッチ回路を制御す
    るPWM制御手段と、前記スロットル信号に対して制御
    進み角を演算する制御進み角演算手段と、前記駆動電流
    を流す相を切り換える切換角度を前記制御進み角演算手
    段により演算された制御進み角だけ前記位置検出器の出
    力により決まる基準の切換角度に対してシフトさせるよ
    うに制御する制御進み角制御手段とを有している電動機
    用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧が印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記CPUの1つのアナログ入力ポートに入力
    され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    設定された極低回転状態またはロック状態にあると判定
    されているときに前記電圧信号を温度に換算する第1の
    電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段により前
    記電動機が設定された極低回転状態及びロック状態にな
    いと判定されているときに前記電圧信号を温度に換算す
    る第2の電圧/温度換算手段と、前記回転状態判定手段
    により前記電動機が極低回転状態またはロック状態にあ
    ると判定されている状態では前記第1の電圧/温度換算
    手段により換算された温度が第1の設定温度を超えたと
    きに前記駆動電流を流す相を切り換える切換え角度を前
    記制御進み角演算手段により演算された制御進み角を有
    する切換え角度よりも遅角させるように前記制御進み角
    演算手段が演算した制御進み角を補正し、前記回転状態
    判定手段により前記電動機が極低回転状態またはロック
    状態にないと判定されている状態では前記第2の電圧/
    温度換算手段により換算された温度が第2の設定温度を
    超えたときに前記駆動電流を流す相の切換え角度を前記
    制御進み角演算手段により演算された制御進み角を有す
    る切換え角度よりも遅角させるように前記制御進み角演
    算手段が演算した制御進み角を補正して前記電動機の出
    力を制限する温度上昇抑制制御手段とを備えているこ
    と、 を特徴とする電動機用制御装置。
  6. 【請求項6】 前記温度上昇抑制制御手段は、前記回転
    状態判定手段により前記電動機が極低回転状態またはロ
    ック状態にあると判定されている状態では前記第1の電
    圧/温度換算手段により換算された温度が第1の設定温
    度を超えたときに換算された温度が高い場合程前記駆動
    電流のデューティ比のスロットル開度に対する増加割合
    を小さくするように前記デューティ比演算手段により演
    算されたデューティ比を補正し、前記回転状態判定手段
    により前記電動機が極低回転状態またはロック状態にな
    いと判定されている状態では前記第2の電圧/温度換算
    手段により換算された温度が第2の設定温度を超えたと
    きに換算された温度が高い場合程前記駆動電流のデュー
    ティ比のスロットル開度に対する増加割合を小さくする
    ように前記デューティ比演算手段により演算されたデュ
    ーティ比を補正して前記電動機の出力を制限する制御を
    更に行うように構成されていること、 を特徴とする請求項5に記載の電動機用制御装置。
  7. 【請求項7】 磁石界磁を有するロータとn相(nは2
    以上の整数)の電機子コイルを有するステータとを備え
    た電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の前記ロータの
    ステータに対する回転角度位置を検出する位置検出器
    と、直流電源から前記電機子コイルに駆動電流を流す相
    を切り換えるために前記直流電源と電機子コイルとの間
    に設けられたスイッチ回路と、電動機の回転速度を調節
    する際に操作される速度調節部材と、前記速度調節部材
    の変位量をスロットル開度として検出して該スロットル
    開度に相応した大きさのスロットル信号を出力するスロ
    ットルセンサと、前記ロータを回転させるべく前記位置
    検出器の出力に応じて前記駆動電流を流す相を切り換え
    るように前記スイッチ回路を制御する手段を有するコン
    トローラとを備え、前記コントローラは、前記スロット
    ル信号に対して前記駆動電流のデューティ比を演算する
    デューティ比演算手段と、前記駆動電流を前記デューテ
    ィ比演算手段により演算されたデューティ比を有するP
    WM波形の電流とするように前記スイッチ回路を制御す
    るPWM制御手段と、前記スロットル信号に対して制御
    進み角を演算する制御進み角演算手段と、前記駆動電流
    を流す相を切り換える切換角度を前記制御進み角演算手
    段により演算された制御進み角だけ前記位置検出器の出
    力により決まる基準の切換角度に対してシフトさせるよ
    うに制御する制御進み角制御手段とを有している電動機
    用制御装置において、 前記ステータのn相の電機子コイルにそれぞれ熱的に結
    合されて互いに並列に接続されたn個の感温抵抗素子が
    設けられて、該n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に
    一定の直流電圧が印加され、 前記n個の感温抵抗素子の並列回路の両端に得られる電
    圧信号が前記CPUの1つのアナログ入力ポートに入力
    され、 前記コントローラは、前記電動機が設定された極低回転
    状態またはロック状態にあるか否かを判定する回転状態
    判定手段と、前記回転状態判定手段により前記電動機が
    極低回転状態またはロック状態にあると判定されている
    状態では前記電圧信号の値を第1の設定値と比較して前
    記電圧信号の値と第1の設定値との大小関係から一部の
    相の電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定さ
    れたときに前記駆動電流を流す相を切り換える切換え角
    度を前記制御進み角演算手段により演算された制御進み
    角を有する切換え角度よりも遅角させるように前記制御
    進み角演算手段が演算した制御進み角を補正し、前記回
    転状態判定手段により前記電動機が極低回転状態または
    ロック状態にないと判定されている状態では前記電圧信
    号の値を前記第1の設定値と異なる第2の設定値と比較
    して前記電圧信号の値と第2の設定値との大小関係から
    各電機子コイルの温度が許容値を超えていると判定され
    たときに前記駆動電流を流す相の切換え角度を前記制御
    進み角演算手段により演算された制御進み角を有する切
    換え角度よりも遅角させるように前記制御進み角演算手
    段が演算した制御進み角を補正して前記電動機の出力を
    制限する温度上昇抑制制御手段とを備えていること、 を特徴とする電動機用制御装置。
  8. 【請求項8】 前記温度上昇抑制制御手段は、前記回転
    状態判定手段により前記電動機が極低回転状態またはロ
    ック状態にあると判定されている状態では前記電圧信号
    の値を第1の設定値と比較して前記電圧信号の値と第1
    の設定値との大小関係から一部の相の電機子コイルの温
    度が許容値を超えていると判定されたときに前記電圧信
    号の値と第1の設定値との差が大きい場合程前記駆動電
    流のデューティ比のスロットル開度に対する増加割合を
    小さくするように前記デューティ比演算手段により演算
    されたデューティ比を補正し、前記回転状態判定手段に
    より前記電動機が極低回転状態またはロック状態にない
    と判定されている状態では前記電圧信号の値を前記第1
    の設定値と異なる第2の設定値と比較して前記電圧信号
    の値と第2の設定値との大小関係から各電機子コイルの
    温度が許容値を超えていると判定されたときに前記電圧
    信号の値と第2の設定値との差が大きい場合程前記駆動
    電流のデューティ比のスロットル開度に対する増加割合
    を小さくするように前記デューティ比演算手段により演
    算されたデューティ比を補正する制御を更に行うように
    構成されていることを特徴とする請求項7に記載の電動
    機用制御装置。
JP2002015725A 2001-02-06 2002-01-24 電動機用制御装置 Expired - Fee Related JP4048785B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002015725A JP4048785B2 (ja) 2001-02-06 2002-01-24 電動機用制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001029250 2001-02-06
JP2001-29250 2001-02-06
JP2002015725A JP4048785B2 (ja) 2001-02-06 2002-01-24 電動機用制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002315383A true JP2002315383A (ja) 2002-10-25
JP4048785B2 JP4048785B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=26608975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002015725A Expired - Fee Related JP4048785B2 (ja) 2001-02-06 2002-01-24 電動機用制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4048785B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005025923A1 (ja) * 2003-09-16 2005-03-24 Aisin Aw Co., Ltd. 車両を駆動するモータの制御装置
JP2006042466A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Toyota Motor Corp 多相交流モータ制御装置
JP2007049785A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Kokusan Denki Co Ltd 電動車両用モータの制御装置
CN100368226C (zh) * 2004-11-09 2008-02-13 丰田自动车株式会社 动力输出装置及其控制方法和汽车
WO2008032562A1 (fr) 2006-09-12 2008-03-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension pour véhicule
JP2008154431A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Toshiba Corp モータ制御装置
JP2010183657A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 回転電機の駆動制御装置
DE102015108888A1 (de) 2014-06-13 2015-12-17 Fanuc Corporation Überhitzungserkennungsvorrichtung für einen Elektromotor, ausgestatttet mit mehreren PTC Thermistoren
JP2019132695A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 三菱電機株式会社 巻線試験装置
KR20210034028A (ko) * 2018-07-19 2021-03-29 로베르트 보쉬 게엠베하 모터 및 그 제어 방법
US11955398B2 (en) 2020-08-12 2024-04-09 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005025923A1 (ja) * 2003-09-16 2006-11-16 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 車両を駆動するモータの制御装置
WO2005025923A1 (ja) * 2003-09-16 2005-03-24 Aisin Aw Co., Ltd. 車両を駆動するモータの制御装置
US7911167B2 (en) 2003-09-16 2011-03-22 Aisin Aw Co., Ltd. Control device for a vehicle motor
JP2006042466A (ja) * 2004-07-26 2006-02-09 Toyota Motor Corp 多相交流モータ制御装置
CN100368226C (zh) * 2004-11-09 2008-02-13 丰田自动车株式会社 动力输出装置及其控制方法和汽车
JP2007049785A (ja) * 2005-08-08 2007-02-22 Kokusan Denki Co Ltd 電動車両用モータの制御装置
JP4692137B2 (ja) * 2005-08-08 2011-06-01 国産電機株式会社 電動車両用モータの制御装置
US8285448B2 (en) 2006-09-12 2012-10-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
WO2008032562A1 (fr) 2006-09-12 2008-03-20 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Système de suspension pour véhicule
EP2062756A1 (en) * 2006-09-12 2009-05-27 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
US8370022B2 (en) 2006-09-12 2013-02-05 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Suspension system for vehicle
EP2062756A4 (en) * 2006-09-12 2010-11-17 Toyota Motor Co Ltd SUSPENSION SYSTEM FOR VEHICLE
JP2008154431A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Toshiba Corp モータ制御装置
JP2010183657A (ja) * 2009-02-03 2010-08-19 Nissan Motor Co Ltd 回転電機の駆動制御装置
DE102015108888A1 (de) 2014-06-13 2015-12-17 Fanuc Corporation Überhitzungserkennungsvorrichtung für einen Elektromotor, ausgestatttet mit mehreren PTC Thermistoren
JP2016005314A (ja) * 2014-06-13 2016-01-12 ファナック株式会社 複数のptcサーミスタを備えた電動機の過熱検出装置
US10018518B2 (en) 2014-06-13 2018-07-10 Fanuc Corporation Overheat detection device for electric motor equipped with multiple PTC thermistors
DE102015108888B4 (de) 2014-06-13 2021-07-15 Fanuc Corporation Überhitzungserkennungsvorrichtung für einen Elektromotor, ausgestattet mit mehreren PTC Thermistoren
JP2019132695A (ja) * 2018-01-31 2019-08-08 三菱電機株式会社 巻線試験装置
JP7112157B2 (ja) 2018-01-31 2022-08-03 三菱電機株式会社 巻線試験装置
KR20210034028A (ko) * 2018-07-19 2021-03-29 로베르트 보쉬 게엠베하 모터 및 그 제어 방법
JP2022539925A (ja) * 2018-07-19 2022-09-14 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング モータ及びその制御方法
KR102594748B1 (ko) 2018-07-19 2023-10-30 로베르트 보쉬 게엠베하 모터 및 그 제어 방법
US11955398B2 (en) 2020-08-12 2024-04-09 Fuji Electric Co., Ltd. Semiconductor device

Also Published As

Publication number Publication date
JP4048785B2 (ja) 2008-02-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7402968B2 (en) Field winding synchronous generator-motor
JP3489285B2 (ja) 電動車両用モータ制御装置
JP5331208B2 (ja) 永久磁石型同期電動機の異常検出装置
US7737648B2 (en) Motor controller
US9660560B2 (en) Motor drive circuit and method of driving a motor
JP4305449B2 (ja) 車両を駆動するモータの制御装置
JP5635032B2 (ja) 同期モータの駆動装置、および、これを用いた送風装置
JP4048785B2 (ja) 電動機用制御装置
JP2010045941A (ja) モータ制御回路,車両用ファン駆動装置及びモータ制御方法
JP4578142B2 (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置
JP4110865B2 (ja) 永久磁石型電動機の制御システム
JP2006304462A (ja) モータ駆動システム及び永久磁石モータ制御方法
JP3770094B2 (ja) 電動車両駆動用電動機の制御装置
US20110062904A1 (en) Alternating current motor control system
JP3333442B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP4110784B2 (ja) 電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の駆動装置
JP3915894B2 (ja) 電動車両駆動用ブラシレス直流電動機の駆動装置
JP2000197204A (ja) 電動車両の回生制動制御方法
JP4333006B2 (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動方法
JP5441951B2 (ja) 回転電機
JP2004015968A (ja) ブラシレスモータ駆動制御装置
JP2001069797A (ja) 始動発電機の電流調整装置
JP7444001B2 (ja) モータの制御装置
JP3544249B2 (ja) モータの制御回路
JP2001339981A (ja) 直流ブラシレスモータの駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees