JP2002313352A - 電池およびその製造方法 - Google Patents

電池およびその製造方法

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JP2002313352A
JP2002313352A JP2001118444A JP2001118444A JP2002313352A JP 2002313352 A JP2002313352 A JP 2002313352A JP 2001118444 A JP2001118444 A JP 2001118444A JP 2001118444 A JP2001118444 A JP 2001118444A JP 2002313352 A JP2002313352 A JP 2002313352A
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copolymer
battery according
battery
acrylonitrile
styrene
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Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Yasushi Inagaki
靖史 稲垣
Tsutomu Noguchi
勉 野口
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 使用済みの電池の処分を含めた、総合的な環
境負荷を低減することを目的とする。 【解決手段】 注液型電池において、電解質容器材料と
して自然崩壊性高分子材料を用いる。ABS樹脂、SA
N樹脂およびNBRゴム等の吸水性高分子電解質材料を
電解質容器に含有させることにより、使用済み電池の処
分が有効に行える。またこれら樹脂は使用済み樹脂から
も製造できるため、資源の有効利用につながり、地域環
境の保全に貢献する事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解質容器が自然
崩壊性高分子材料からなる電池、特に、誘電性液体、好
ましくは水を主体とする液体を注入することにより起電
力を生ぜしむる電池、より好ましくは上記電解質容器に
吸水性高分子電解質材料、特に、(a)アクリロニトリ
ルと(b)スチレンおよび/または共役ジエンの少なく
とも1種類以上とを構成単位として含有する共重合体
(以下、単に「共重合体」と略称することもある)に酸
性基が導入されている共重合体改質物(以下、単に「共
重合体改質物」と略称することもある)が含有されてい
ることを特徴とする電池ならびに該電池の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】アクリロニトリルとスチレンまたは共役
ジエンとを構成ユニットとして含有する樹脂としては、
ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹
脂、SAN(スチレン−アクリロニトリル)樹脂、AA
S(アクリロニトリル−アクリレート−スチレン)樹脂
等に代表されるポリスチレン系樹脂、またはNBR(ア
クリロニトリル−ブタジエン)ゴムなどの合成ゴム等が
挙げられる。これらの樹脂は、比較的安価であり、特
に、前者のポリスチレン系樹脂は、剛性、寸法安定性、
加工性等の特性に優れるため、各種用途のカバーやケー
ス、電気機器や自動車の筐体または各種部品材料等の樹
脂材料として多用されている。また、後者の合成ゴム
は、チューブやホース、各種緩衝材として多用されてい
る。近年、上述のような材料を用いた製品の生産量は増
加しており、これに伴い、これらの材料からなる廃材の
発生量も増加する傾向があり、地球環境保全の関心の高
まりから、該廃材の有効利用に対するニーズも高まって
きている。このような状況下で、これらの材料について
は、さらなる再利用の用途拡大が期待されており、より
付加価値の高いものへの改質に関する検討が望まれてい
る。また、電池の環境負荷の低減が期待されている。
【0003】ところで、上記のような高分子系の廃材
は、大きく分けて、埋め立て、焼却、再溶融の3種類の
手法にて処理されている。この中でも、国内では、埋め
立てと焼却による処理が全体の約9割を占め、ほとんど
がリサイクルされていないのが現状である。また、この
ような高分子系廃材のリサイクル方法としては、加熱溶
融し再成形する(但し、熱可塑性樹脂のみ)方法が一般
的に行われているが、この際、熱による品質の劣化(例
えば、分子量低下、樹脂の酸化等)、ゴミ等の異物の混
入、または種々の着色剤を含有した樹脂が混入すること
により色合わせが必要になる等の多くの問題があった。
このように、高分子系廃材を加熱溶融によりリサイクル
する場合、処理技術やコストが大きな障害となってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、使用
済みの電池の処分を含めた、総合的な環境負荷を低減す
ることである。本発明の他の目的は、緊急用のバックア
ップ電源として優れた電池およびその製造方法を提供す
ることである。本研究のさらに他の目的は、アクリロニ
トリルとスチレンおよび/または共役ジエンとを含有す
る使用済み高分子材料が、より付加価値の高い材料とし
て有効に用いられる電池および該電池の製造方法を提供
することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
目的を達成せんものと鋭意検討を重ねた結果、自然崩壊
性高分子材料からなる電解質容器を用いて電池を構成す
れば、使用済みの電池の処分を含めた、総合的な環境負
荷を低減することができるという知見を得た。また、誘
電性液体、好ましくは水を主体とする液体を注入するこ
とにより起電力を生ぜせしめるという形態の電池とする
ことにより、誘電性液体を注入する前の状態(以下、電
池前駆体ともいう)で長期間保存することができるの
で、普及の著しい携帯電子機器の電源、特に、緊急時の
バックアップ電源として有用であるという知見を得た。
かかる形態の電池は、該電解質容器に吸水性高分子電解
質材料を組み入れることで作製できる。
【0006】さらには、上記吸水性高分子電解質材料と
して、アクリロニトリルとスチレンおよび/または共役
ジエンの少なくとも1種類以上とを構成単位として含有
する共重合体に酸性基を導入した共重合体改質物を用い
ることにより、より環境負荷の低い電池を作製できると
いう思いがけない知見を得た。また、上記共重合体とし
て使用済み樹脂を用いることにより、かかる高分子系廃
材を付加価値の高い材料へ転換することができるという
知見を得た。これにより、増加していく該廃材のリサイ
クルが促進されるという利点がある。
【0007】より詳しくは、上述の目的を達成した本発
明に係る電池は、自然崩壊性高分子材料を用いた電解質
容器から少なくとも構成される。好ましくは、この容器
に吸水性高分子電解質材料を存在せしめる。該吸水性高
分子電解質材料として、アクリロニトリルとスチレンま
たは共役ジエンとを含有する高分子材料および同使用済
み廃材の少なくともスチレン部に酸性基が導入された親
水性ゲルを所望により脱水処理したものを用いるのがよ
り好ましい。本発明に係る電池は、さらに、正負電極と
を組み合わせてなる。本発明における好ましい態様とし
ては、自然崩壊性高分子材料からなる電解質容器に上記
親水性ゲルを存在せしめた電池前駆体に、要時に誘電性
液体を吸収させ、上記親水性ゲルを膨潤させてイオン導
電性の電解質とし、電池を形成させる。かかる電池は、
使用済み後の廃棄において、環境負荷を極力低くするこ
とができるという利点がある。
【0008】また、本発明に係る電池は、自然崩壊性高
分子材料からなる電解質容器を用い、正負電極を組み込
み、好ましくは、誘電性液体および/または吸水性高分
子電解質材料を組み合わせることにより製造することが
できる。
【0009】すなわち、本発明は、(1)電解質容器が
自然崩壊性高分子材料からなることを特徴とする電池、
(2)自然崩壊性高分子材料が、特定の用途を目的とし
て成形された使用済み樹脂であることを特徴とする前記
(1)に記載の電池、(3)誘電性液体を注入すること
により起電力を生ぜしむることを特徴とする前記(1)
記載の電池、(4)電解質容器に吸水性高分子電解質材
料が含有されていることを特徴とする前記(2)記載の
電池、(5)誘電性液体が、水を主体とする液体である
ことを特徴とする前記(4)記載の電池、(6)吸水性
高分子電解質材料が、(a)アクリロニトリルと(b)
スチレンおよび/または共役ジエンの少なくとも1種類
以上とを構成単位として含有する共重合体に酸性基が導
入されている共重合体改質物であることを特徴とする前
記(4)記載の電池、(7)共重合体が、アクリロニト
リルユニットを5〜80モル%含有していることを特徴
とする前記(6)記載の電池、(8)共重合体が、スチ
レンおよび/または共役ジエンの少なくとも1種類以上
を20〜95モル%含有していることを特徴とする前記
(6)記載の電池、
【0010】(9)共重合体が、ABS(アクリロニト
リル−ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン
−アクリロニトリル)樹脂およびNBR(アクリロニト
リル−ブタジエン)ゴムからなる群から選択される少な
くとも1種類以上であることを特徴とする前記(6)記
載の電池、(10)共重合体が、さらに無機顔料を含有
していることを特徴とする前記(6)記載の電池、(1
1)無機顔料が、カーボンブラックおよび/または酸化
チタンであることを特徴とする前記(10)記載の電
池、(12)無機顔料が、共重合体(乾燥重量)に対し
て0.01〜5重量%含有されていることを特徴とする
前記(10)記載の電池、(13)共重合体改質物中の
酸性基が、スルホ基、−PO(OH)および−CH
PO(OH)からなる群から選択される少なくとも1
種類以上の酸性基であることを特徴とする前記(6)記
載の電池、(14)共重合体改質物中の酸性基が、スル
ホ基であることを特徴とする前記(6)記載の電池、
(15)共重合体改質物中の酸性基が、該共重合体改質
物中の全ユニットに対して5〜95モル%であることを
特徴とする前記(6)記載の電池、に関する。
【0011】また、本発明は、(16)自然崩壊性高分
子材料からなる電解質容器と、特定の用途を目的として
成形された使用済み樹脂からなる吸水性高分子電解質材
料と、誘電性液体とからなることを特徴とする電池、
(17)自然崩壊性高分子材料が、特定の用途を目的と
して成形された使用済み樹脂であることを特徴とする前
記(16)記載の電池、(18)吸水性高分子電解質材
料が、(a)アクリロニトリルと(b)スチレンおよび
/または共役ジエンの少なくとも1種類以上とを構成単
位として含有する共重合体からなる特定の用途を目的と
して成形された使用済み樹脂に酸性基が導入されている
共重合体改質物であることを特徴とする前記(16)記
載の電池、(19)共重合体が、アクリロニトリルユニ
ットを5〜80モル%含有していることを特徴とする前
記(18)記載の電池、(20)共重合体が、スチレン
および/または共役ジエンの少なくとも1種類以上を2
0〜95モル%含有していることを特徴とする前記(1
8)記載の電池、(21)共重合体が、ABS(アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(ス
チレン−アクリロニトリル)樹脂およびNBR(アクリ
ロニトリル−ブタジエン)ゴムからなる群から選択され
る少なくとも1種類以上であることを特徴とする前記
(18)記載の電池、
【0012】(22)共重合体が、さらに無機顔料を含
有していることを特徴とする前記(18)記載の電池、
(23)無機顔料が、カーボンブラックおよび/または
酸化チタンであることを特徴とする前記(22)記載の
電池、(24)無機顔料が、共重合体(乾燥重量)に対
して0.01〜5重量%含有されていることを特徴とす
る前記(22)記載の電池、(25)共重合体改質物中
の酸性基が、スルホ基、−PO(OH)および−CH
PO(OH)からなる群から選択される少なくとも
1種類以上の酸性基であることを特徴とする前記(1
8)記載の電池、(26)共重合体改質物中の酸性基が
スルホ基であることを特徴とする前記(18)記載の電
池、(27)共重合体改質物中の酸性基が、該共重合体
改質物中の全ユニットに対して5〜95モル%であるこ
とを特徴とする前記(18)記載の電池、に関する。
【0013】また、本発明は、(28)自然崩壊性高分
子材料からなる電解質容器を用いることを特徴とする電
池の製造方法、(29)自然崩壊性高分子材料が、特定
の用途を目的として成形された使用済み樹脂であること
を特徴とする前記(28)記載の電池の製造方法、(3
0)自然崩壊性高分子材料からなる電解質容器と、誘電
性液体と正負電極とを組み合わせることを特徴とする前
記(28)記載の電池の製造方法、(31)電解質容器
に吸水性高分子電解質材料を組み込むことを特徴とする
前記(28)記載の電池の製造方法、(32)誘電性液
体が水を主体とする液体であることを特徴とする前記
(31)記載の電池の製造方法、(33)吸水性高分子
電解質材料が、(a)アクリロニトリルと(b)スチレ
ンおよび/または共役ジエンの少なくとも1種類以上と
を構成単位として含有する共重合体に酸性基が導入され
ている共重合体改質物であることを特徴とする前記(3
1)記載の電池の製造方法、(34)共重合体が、アク
リロニトリルユニットを5〜80モル%含有しているこ
とを特徴とする前記(33)記載の電池の製造方法、
(35)共重合体が、スチレンおよび/または共役ジエ
ンの少なくとも1種類以上を20〜95モル%含有して
いることを特徴とする前記(33)記載の電池の製造方
法、(36)共重合体が、ABS(アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−アク
リロニトリル)樹脂およびNBR(アクリロニトリル−
ブタジエン)ゴムからなる群から選択される少なくとも
1種類以上であることを特徴とする前記(33)記載の
電池の製造方法、
【0014】(37)共重合体が、さらに無機顔料を含
有していることを特徴とする前記(33)記載の電池の
製造方法、(38)無機顔料が、カーボンブラックまた
は/および酸化チタンであることを特徴とする前記(3
7)記載の電池の製造方法、(39)無機顔料が、共重
合体(乾燥重量)に対して0.01〜5重量%含有され
ていることを特徴とする前記(37)記載の電池の製造
方法、(40)共重合体改質物中の酸性基が、スルホ
基、−PO(OH)および−CHPO(OH)
らなる群から選択される少なくとも1種類以上の酸性基
であることを特徴とする前記(33)記載の電池の製造
方法、(41)共重合体改質物中の酸性基が、スルホ基
であることを特徴とする前記(33)記載の電池の製造
方法、(42)共重合体改質物中の酸性基が、該共重合
体改質物中の全ユニットに対して5〜95モル%である
ことを特徴とする前記(33)記載の電池の製造方法、
に関する。
【0015】さらに、本発明は、(43)自然崩壊性高
分子材料からなる電解質容器と、特定の用途を目的とし
て成形された使用済み樹脂からなる吸水性高分子電解質
材料と、誘電性液体と、正負電極とを組み合わせること
を特徴とする電池の製造方法、(44)自然崩壊性高分
子材料が、特定の用途を目的として成形された使用済み
樹脂であることを特徴とする前記(43)記載の電池の
製造方法、(45)吸水性高分子電解質材料が、(a)
アクリロニトリルと(b)スチレンおよび/または共役
ジエンの少なくとも1種類以上とを構成単位として含有
する共重合体からなる特定の用途を目的として成形され
た使用済み樹脂に酸性基が導入されている共重合体改質
物であることを特徴とする前記(43)記載の電池の製
造方法、(46)共重合体が、アクリロニトリルユニッ
トを5〜80モル%含有していることを特徴とする前記
(45)記載の電池の製造方法、(47)共重合体が、
スチレンおよび/または共役ジエンの少なくとも1種類
以上を20〜95モル%含有していることを特徴とする
前記(45)記載の電池の製造方法、(48)共重合体
が、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニトリル)樹脂
およびNBR(アクリロニトリル−ブタジエン)ゴムか
らなる群から選択される少なくとも1種類以上であるこ
とを特徴とする前記(45)記載の電池の製造方法、
【0016】(49)共重合体が、さらに無機顔料を含
有していることを特徴とする前記(45)記載の電池の
製造方法、(50)無機顔料が、カーボンブラックまた
は/および酸化チタンであることを特徴とする前記(4
9)記載の電池の製造方法、(51)無機顔料が、共重
合体(乾燥重量)に対して0.01〜5重量%含有され
ていることを特徴とする前記(49)記載の電池の製造
方法、(52)共重合体改質物中の酸性基が、スルホ
基、−PO(OH)および−CHPO(OH)
らなる群から選択される少なくとも1種類以上の酸性基
であることを特徴とする前記(45)記載の電池の製造
方法、(53)共重合体改質物中の酸性基が、スルホ基
であることを特徴とする前記(45)記載の電池の製造
方法、(54)共重合体改質物中の酸性基が、該共重合
体改質物中の全ユニットに対して5〜95モル%である
ことを特徴とする前記(45)記載の電池の製造方法、
に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の自然崩壊性高分子材料と
は、自然界に放置した場合に、太陽光を主体とする自然
光により崩壊され又は崩壊が促進される材料、自然界の
酸素による酸化により崩壊され又は崩壊が促進される材
料、自然界の水分により崩壊され又は崩壊が促進される
材料、さらには、自然界の微生物を主体とする生物の生
理活動により崩壊され又は崩壊が促進される材料、また
は、これらの機作の複合作用により崩壊が促進される材
料を指す。かかる自然崩壊性高分子材料は、新たに製造
された未使用材料であってもよいし、廃材などの特定の
用途を目的として成形された使用済み樹脂であってもよ
い。
【0018】自然崩壊性高分子材料のうち、光により崩
壊され又は崩壊が促進される材料としては、エチレン−
一酸化炭素共重合体、エチレン−メチルビニルケトン、
エチレン−エチルビニルケトンで代表されるビニルケト
ン共重合体が挙げられる。かかる共重合体に用いられる
ビニル化合物としては、例えばスチレンまたはプロピレ
ンなどが適宜使用できる。又、カルボニル基を代表とす
る官能基を有する光増感剤であるベンゾフェノン、アセ
トフェノン、アントラキノンなどの芳香族ケトンなどを
ブレンドした有機高分子材料、あるいは、光分解を促進
する金属化合物をブレンドした有機高分子材料、さらに
は、酸化チタン、酸化亜鉛のような光半導体をブレンド
した有機高分子材料などが光により崩壊され又は崩壊が
促進される材料として挙げられる。
【0019】また、自然崩壊性高分子材料としては、自
然界の微生物を主体とする生物の生理活動により崩壊さ
れ又は崩壊が促進される材料を含む生分解性高分子材料
も挙げられる。かかる生分解性高分子材料として、天然
高分子材料もしくは合成高分子材料、または生分解性高
分子材料と非生分解性高分子材料のブレンド物である天
然高分子材料もしくは合成高分子材料がある。天然高分
子材料としては、例えば、デンプン、セルロース、キチ
ン・キトサン、微生物セルロース、デキストラン、プル
ラン、カートラン、アルギン酸、もしくはヒアルロン酸
などの多糖類、またはこれらの改質物が挙げられる。ま
た、天然高分子材料としてはポリペプチドも挙げられ、
具体的には、例えば、グルテン、ゼイン、コラーゲン、
ゼラチン、フィブロイン、セリシン、ケラチン、カゼイ
ン、アルブミン、フィブリノーゲン、その他のポリアミ
ノ酸などのポリペプチド、またはこれらの改質物が挙げ
られる。さらに、天然高分子材料として、例えばポリヒ
ドロキシ酪酸に代表される微生物または植物産生ポリエ
ステルなども挙げられる。
【0020】合成高分子としては、例えば、ポリ-ε-カ
プロラクトン、ポリ-β-プロピオラクトン、ポリ-β-ブ
チロラクトン、ポリ-γ-ブチロラクトン、ポリグリコー
ル酸、ポリ乳酸、ポリグラクチン、ポリジオキサノン、
ポリグリコナート、ポリグリカプロン、ポリリンゴ酸、
ポリコハク酸ブチレン、ポリコハク酸エチレン、ポリア
ジピン酸ブチレン、ポリアジピン酸エチレンなどのポリ
エステル、異なるモノマーユニット単位からなる共重合
体である開環重合型ポリエステル、または、異なるジカ
ルボン酸とジオールのユニット単位からなる共縮合体で
ある縮合型ポリエステルが挙げられる。または、合成高
分子として、ポリ(エステル−エーテル)、脂肪族ポリカ
ーボネート、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリ
アミド(ポリアミノ酸を含む)など、またはこれらのブレ
ンド物もしくはポリイソシアネートで代表される鎖長延
長剤などで改質した改質物が挙げられる。
【0021】本発明の吸水性高分子電解質材料として
は、アクリロニトリルとスチレンおよび/または共役ジ
エンの少なくとも1種類以上とを構成単位として含有す
る共重合体に酸性基を導入した共重合体改質物が好まし
い。該共重合体改質物は、特定の用途を目的として成形
された使用済み樹脂を原料として用いることができ、そ
のように廃材を有効に利用することにより、環境問題に
資することができる。
【0022】本発明の吸水性高分子電解質材料として
は、上記のような共重合体改質物を用いるのが好ましい
が、既存の吸水性高分子材料を、全部または一部に用い
ることもでき、所望により、さらに無機もしくは有機電
解質を添加して使用することもできる。かかる既存の吸
水性高分子材料としては、例えば、ポリアクリル酸塩、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリオキ
シエチレン、ポリアミノ酸、ポリ(N−アルキルビニル
アセトアミド)などのゲル架橋物、またはそのユニット
を主体とした共重合物のゲル架橋物、さらには、デンプ
ンもしくはセルロースなどの多糖類などを含めた親水性
高分子と架橋・グラフトさせた改質物などが挙げられ
る。
【0023】本発明に係る吸水性高分子電解質材料の好
ましい態様の一つである上記共重合体改質物の原料とな
る、アクリロニトリルとスチレンおよび/または共役ジ
エンの少なくとも1種類以上とを構成単位として含有す
る共重合体としては、該共重合体中にアクリロニトリル
ユニットを約5〜80モル%程度、好ましくは約10〜
60モル%程度、さらに好ましくは約20〜50モル%
程度含有しているものが好ましい。共重合体を酸処理し
た際に、得られる共重合体改質物が実質的に水溶性を示
すことなく、取り扱いが容易になるように、共重合体の
アクリロニトリル単位の含有量は、約5モル%程度以上
が好適である。また、共重合体が堅くなることを避け、
電池の製造工程において共重合体を小片に粉砕するのを
容易にし、一方で共重合体中のスチレンおよび/または
共役ジエン単位の含有量が少なくなり、酸性基の導入率
が低下することを避け、共重合体改質物が電解質として
の効果を有効に発揮するために、共重合体中のアクリロ
ニトリル単位の含有率は、約80モル%程度以下が好適
である。
【0024】本発明において用いる上記共重合体は、ア
クリロニトリル以外の構成単位としてスチレンおよび/
または共役ジエン(例えば、ブタジエンまたはイソプレ
ンなど)の少なくとも1種類以上を、約20〜95モル
%程度、好ましくは約40〜85モル%程度、さらに好
ましくは約50〜80モル%程度含有しているものが好
ましい。共重合体を酸処理した際に、得られる共重合体
改質物が実質的に水溶性を示すことなく、取り扱いが容
易となるように、共重合体中の上記構成単位の含有量
は、約95モル%程度以下が好適である。また、共重合
体が堅くなるのを避け、電池の製造工程において共重合
体を小片に粉砕するのを容易にし、かつ、酸性基の導入
率を上げ、共重合体改質物が電解質としての効果を有効
に発揮するために、共重合体の上記構成単位の含有量
は、約20モル%程度以上が好適である。
【0025】本発明において用いる上記共重合体には、
上記アクリロニトリルとスチレンおよび/または共役ジ
エンとが所定量含有されていれば、更に別の構成ユニッ
トが含有されていても良い。これら他の構成ユニットと
しては、特に限定されないが、例えば、無水マレイン
酸、無水イタコン酸、α-メチルスチレン、アクリルア
ミド、メタアクリルアミド、アクリル酸もしくはアクリ
ル酸エステル、メタアクリル酸もしくはメタアクリル酸
エステル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチレン、プロピ
レン、ブチレン、ビニルピロリドンまたはビニルピリジ
ン等を挙げることができる。なお、アクリル酸エステル
およびメタクリル酸エステルは、炭素数が1〜10程度
のものが好ましく、飽和であっても不飽和であってもよ
い。
【0026】本発明において用いる上記共重合体の重量
平均分子量(Mw)は、通常は約1,000〜20,00
0,000程度、さらに好ましくは約10,000〜1,
000,000程度である。共重合体を酸処理した際
に、得られる共重合体改質物が実質的に水溶性を示すこ
となく、求めるゲル状の電解質とするためには、重量平
均分子量(Mw)が約1,000程度以上であることが
好適である。また、共重合体に酸性基を導入するための
酸処理の反応を効率よく進ませ、反応時間を短くすると
ともに、酸性基の導入密度を上げるため、重量平均分子
量(Mw)が約20,000,000程度以下であること
が好適である。
【0027】本発明において用いる上記共重合体とし
て、例えばABS(アクリロニトリル−ブタジエン−ス
チレン)樹脂、SAN(スチレン−アクリロニトリル)
樹脂、ASA(アクリロニトリル−スチレン−アクリル
アミド)樹脂、ACS(アクリロニトリル−塩素化ポリ
エチレン−スチレン)樹脂、AAS(アクリロニトリル
−アクリレート−スチレン)樹脂、NBR(アクリロニ
トリル−ブタジエン)ゴム等の高分子材料を用いること
が好適である。これらの材料は、新たに製造された未使
用の樹脂粒状物(バージンペレット)であっても良い
し、特定の用途を目的として成形された使用済み樹脂ま
たは廃材であっても良い。廃材としては、例えば、樹脂
原料や成形品の生産過程での排出品(半端品)、電気製
品や自動車等にすでに使用された筐体や各種部品材料、
またはチューブやホース、各種緩衝材などが挙げられ
る。該使用済み樹脂とは、上記のような廃材から回収さ
れる樹脂をいう。本発明における廃材は、工場や販売
店、家庭等から出る廃材のいずれであっても良いが、家
庭等からの一般廃棄物よりは、工場や販売店等から回収
された、例えば半端品などの廃材の方が比較的組成がそ
ろったものが多いためより好ましい。
【0028】本発明において用いる上記共重合体として
は、上記高分子材料と他の樹脂とのアロイ物であっても
良く、例えば、顔染料、安定剤、難燃剤、可塑剤、充填
剤、その他補助剤等の自体公知の添加剤を含んだ使用済
み樹脂または廃材であっても良い。また、使用済み樹脂
または廃材と未使用材料(バージン材料)との混合物で
あっても良い。上記アロイ物における上記高分子材料と
混合可能な他の樹脂としては、自体公知の樹脂を用いて
よいが、本発明の酸処理を阻害しない樹脂であることが
好ましく、かかる樹脂として具体的には、例えば、ポリ
フェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、ポリアミドまたはポリエステル等
が挙げられる。なお、これらの樹脂の混合量は、上記高
分子材料に対して約60重量%程度以下であることが好
ましい。酸処理による酸性基形成において、酸性基密度
を上げ、共重合体改質物が電解質としての性能を有効に
発揮するためには、上記範囲が好ましい。
【0029】本発明において用いる上記共重合体は、酸
性基を導入するための酸処理における便宜のため、小片
にしておくことが好ましい。小片にする方法としては、
特に限定されないが、以下の方法を挙げることができ
る。例えば、粉砕機による粉砕の後、振るい分けすると
いう方法が挙げられる。特に、共重合体がゴム成分を含
んでいる場合、凍結処理後に粉砕すると好適である。ま
た、加熱溶融して微少なビーズ状にペレタイズ(粒状
化)する方法も挙げられる。上記共重合体の小片のサイ
ズとしては、約3.5メッシュ程度以下にすることが好
ましい。被反応物の表面積が大きくして酸処理反応を容
易に、反応時間を短くすると共に、酸処理による酸性基
形成において、酸性基密度を上げ、共重合体改質物が電
解質としての性能を有効に発揮するため、上記範囲が好
ましい。
【0030】本発明の共重合体中にさらに無機物が含有
されていると、酸性基を導入するための酸処理が促進さ
れる(無機顔料周辺が酸処理され易くなる、すなわち反
応時に同無機顔料が該共重合体からはずれて酸が同共重
合体表面に浸透し易くなる)ため、該酸処理による酸性
基形成において、酸性基密度が高まり、共重合体改質物
が有す電解質としての性能が向上する。したがって、本
発明においては共重合体に無機物を含有させることが好
ましい。
【0031】該無機物としては、カーボンブラックまた
は/および酸化チタンが好ましい。これらのカーボンブ
ラックや酸化チタンは、例えば、プラスチックの着色剤
や補強剤、電気伝導性付与剤として一般に用いられてい
るもので良い。具体的には、該カーボンブラックとして
は、例えば、チャンネル法、ファーネス法、サーマル法
のいずれの方法によって製造されたものでも良く、それ
ぞれを単独で用いても良く、または複数を併用しても良
い。なお、平均粒子径は、通常は約5〜500μm程
度、好ましくは約10〜50μm程度である。また、該
酸化チタンは、例えば、ルチル型、アナターゼ型、超微
粒子チタンのいずれのタイプでも良く、それぞれを単独
で用いても良く、または複数を併用しても良い。なお、
平均粒子径は、通常は約0.01〜50μm程度、好ま
しくは約0.05〜10μm程度である。共重合体中に
含まれる上記カーボンブラックや酸化チタンの含有量
は、共重合体の乾燥重量に対して約0.01〜5重量%
程度、好ましくは約0.05〜3重量%程度である。
【0032】本発明の電池としては、上述の共重合体に
酸性基が導入されている共重合体改質物が吸水性高分子
電解質として、自然崩壊性高分子材料からなる電解質容
器に含有されている電池が好ましい態様の一つとして挙
げられる。上述の共重合体に酸性基を導入する方法とし
ては、自体公知の方法を用いてよい。中でも、上記共重
合体を酸処理し、ゲル状の吸水性高分子電解質材料であ
る共重合体改質物へ転換を行うという方法を用いるのが
好ましい。上記酸処理により改質した共重合体改質物の
分析によると、上記共重合体中のアクリロニトリルの一
部は加水反応をうけ、ニトリル基がアミド基に変換さ
れ、一方、スチレンや共役ジエンの方には酸性基が導入
される。
【0033】本発明の上記酸処理に使用する酸として
は、スチレンや共役ジエンに酸性基を導入することがで
きる無機酸が好適である。該無機酸としては、具体的
に、例えば、濃硫酸、無水硫酸、発煙硫酸、クロルスル
ホン酸等のスルホ化剤や硝酸、発煙硝酸、燐酸、塩化
燐、酸化燐等が挙げられる。これらの中では、濃硫酸、
無水硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸が好ましく、特
に、約70重量%程度以上の濃硫酸がより好ましい。ま
た、これらの無機酸はそれぞれ単独で使用しても良い
し、2種類以上を併用しても良い。併用する場合は、混
合しても良いし、逐次添加しても良い。例えば、共重合
体を最初濃硫酸で処理した後、次に、無水硫酸を添加す
ることにより、水系で形状安定なゲル状の親水性高分子
電解質材料としての共重合体改質物を得ることができ
る。これは、濃硫酸の処理によりまず該共重合体中のニ
トリル部分が主に加水反応をうけ、次に、無水硫酸で処
理することによりスチレンや共役ジエン部が強制的にス
ルホン架橋されることより架橋度の高いゲルが得られる
ためである。したがって、上記酸処理は、本発明におけ
る酸処理の好ましい態様の一つである。
【0034】反応に用いる無機酸の量(仕込み量)とし
ては、共重合体の重量に対して約1〜500倍程度、好
ましくは約10〜200倍程度である。スチレンや共役
ジエンへの酸性基の導入率やアクリロニトリルユニット
のニトリル基の加水反応率を上げることにより、酸性基
の生成を促進し、かつ親水性を持たせるために、無機酸
の仕込み量は、共重合体の重量に対して約1倍程度以上
が好適である。また、経済性および作業性の観点から、
無機酸の仕込み量は、共重合体の重量に対して約500
倍程度以下が好適である。
【0035】本発明における上記酸処理は無機酸中で行
っても良いが、有機溶媒を用いた系で行っても良い。酸
処理において使用可能な有機溶媒としては、例えば、炭
素数1〜2程度の脂肪族ハロゲン化炭化水素(好ましく
は1,2−ジクロロエタン 、クロロホルム、ジクロロ
メタン、1,1−ジクロロエタン等)、脂肪族環状炭化
水素(好ましくは、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サン、シクロペンタン等)、ニトロメタン、ニトロベン
ゼン、二酸化イオウ、パラフィン系炭化水素(好ましく
は、炭素数が約1〜7程度)、アセトニトリル、二硫化
炭素、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,
2-ジメトキシエタン、アセトン、メチルエチルケト
ン、チオフェン等が挙げられる。好ましくは、炭素数1
〜2程度の脂肪族ハロゲン化炭化水素、脂肪族環状炭化
水素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、二酸化イオウで
ある。これら溶媒は単独で用いても良いし複数を混合し
て用いても良い。混合溶媒においては、その混合比率に
特に制限は無い。これら有機溶媒は、共重合体重量に対
して約200倍程度未満が好適である。酸処理の反応率
を上げるとともに、経済的観点からも、上記範囲が好ま
しい。
【0036】また、上記酸処理の際には、所望によりル
イス塩基を用いても良い。ルイス塩基としては、例え
ば、アルキルフォスフェート(例えば、トリエチルフォ
スフェートまたはトリメチルフォスフェート等)、ジオ
キサン、無水酢酸、酢酸エチル、パルチミン酸エチル、
ジエチルエーテル、チオキサン等が挙げられる。なお、
上記酸処理に一度使用した無機酸や有機溶媒は、反応終
了後回収してそのまま、もしくは抜き取りや蒸留等の方
法により回収して再度反応に使用しても良い。
【0037】本発明においては、共重合体を上述した酸
処理に付することで、スチレンおよび/または共役ジエ
ンユニットには酸性基が導入され、一方、アクリロニト
リルユニットは加水反応によりアミド化して親水性の樹
脂に改質され、親水性ゲル電解質が得られる。上記酸処
理によりスチレンまたは共役ジエンユニットに導入され
る酸性基としては、例えば、スルホ基〔−SOH〕、
−PO(OH)、−CHPO(OH) などを挙
げることができる。また該酸性基としては、−OSO
H、−OPO(OH)、−OHなども挙げられる。こ
れらの酸性基の中では、スルホ基が好ましい。これら酸
性基は1種類のみが該共重合体に導入されていても良い
し、2種類以上が該共重合体に導入されていても良い。
ただし、本発明の電池に用いられる共重合体改質物が親
水性ゲル電解質としての性能を満足するためには、共重
合体改質物に含有される酸性基の量は、全ユニットに対
して約5〜95モル%程度、好ましくは約10〜70モ
ル%程度である。共重合体改質物が実質的に水溶性を示
さず、形状安定なゲルにするために、共重合体改質物に
含有される酸性基の量は、全ユニットに対して約95モ
ル%程度以下が好適である。また、酸性基の導入率を上
げ、吸水性およびイオン性を持たせ、共重合体改質物が
親水性電解質ゲルとして有効であるために、共重合体改
質物に含有される酸性基の量は、全ユニットに対して約
5モル%程度以上が好適である。
【0038】上記共重合体改質物中の酸性基がスルホ基
である場合は、共重合体と前述の例えば、濃硫酸、無水
硫酸、発煙硫酸、クロルスルホン酸等の自体公知のスル
ホ化剤と、そのままで、もしくは溶媒中で反応させるこ
とで共重合体にスルホ基を導入できる。また、上記共重
合体改質物中の酸性基が−PO(OH) 基である場
合には、溶媒中に三酸化燐を添加し、さらに加水分解す
ることにより共重合体に導入できる。上記共重合体改質
物中の酸性基が−CHPO(OH)または−OPO
(OH)の場合も同様にして導入できる。また、上記
共重合体改質物中の酸性基が−OHの場合は、共重合体
と硫酸を反応させることにより、共重合体に導入するこ
とができる。
【0039】本発明における上記酸処理反応は、共重合
体に上記所定量の酸性基を導入するために、以下の条件
で行うことが好ましい。反応温度は、有機溶媒の使用の
有無で大きく異なるので一概には言えないが、概ね0〜
200℃程度、好ましくは約30〜120℃程度であ
る。実用性の観点から反応速度をある程度速くするた
め、また、良好な性能を有する吸水性高分子電解質材料
としての共重合体改質物を得るため、反応温度は、約0
℃程度以上であることが好適である。また、熱分解によ
って共重合体の分子鎖が切断され、共重合体改質物が水
に対して溶解するようになることを避けるため、反応温
度は約200℃程度以下であることが好適である。該酸
処理の反応時間は、反応温度によって大きく異なるので
一概には言えないが、概ね1分〜40時間程度、好まし
くは約5分〜2時間程度である。反応を充分に進行させ
るとともに、一方で生産効率を上げるため、上記範囲が
好ましい。
【0040】本発明に係る共重合体改質物には、さら
に、所望により有機もしくは無機酸あるいはそれらの
塩、もしくは水酸化物を加えることができる。これら有
機あるいは無機の酸としては、例えば、炭酸類、ハロゲ
ン酸、硫酸類、リン酸類、有機酸(例えば、酢酸、クエ
ン酸、乳酸、アミノ酸(例えば、グルタミン酸、アスパ
ラギン酸など)、アルギン酸、リンゴ酸、グルゴン酸な
ど)がある。さらに、これらの塩もしくは水酸化物とし
ては、例えばアンモニウム、アルカリ金属(例えばナト
リウム、リチウム、カリウム等)やアルカリ土類金属
(例えばマグネシウム、カルシウム等)やその他金属
(アルミニウム、チタニウム、ゲルマニウム、スズ、
鉄、亜鉛、銅、インジウム、ガリウム、珪素、ジルコニ
ウム、ニッケル、コバルト、バナジウム、銀、マンガ
ン、ビスマス等)の水酸化物、炭酸塩、ハロゲン酸塩、
硫酸塩、リン酸塩、有機酸(例えば、酢酸、クエン酸、
乳酸、アミノ酸(例えば、グルタミン酸、アスパラギン
酸など)、アルギン酸、リンゴ酸、グルゴン酸など)塩
等の化合物が挙げられる。これらを、吸水性高分子材料
としての共重合体改質物に併用することで、電解質とし
ての機能の向上を図ることができる。以上のようにして
得られる共重合体改質物はゲル状である。この後、例え
ば、天日、加熱、減圧、遠心、プレス等の脱水処理また
は乾燥処理を行うことが好ましい。
【0041】本発明に係る電池は、自然崩壊性高分子材
料からなる容器に正負電極を組み込んで製造する。本発
明において用いる正負電極は、金属、合金、または金属
酸化物、金属含水酸化物もしくは金属ハロゲン化物など
の金属化合物の中から適宜、相対的に貴なものを正極
に、相対的に卑なものを負極に、組み合わせることによ
り構成される。これらの金属としては、当業界で用いら
れる自体公知のものを用いてよいが、例えば、亜鉛、ア
ルミニウム、マグネシウム、鉄、錫、銅、銀、白金など
が挙げられる。これら電極は、それ自身が活物質になる
場合もあるが、水素または酸素などが活物質であり、水
素イオン、水酸イオンまたは酸素イオン等を生成あるい
は、それらから生成する反応系である場合もありえる。
また、複数の価数を有するイオンの酸化・還元サイクル
を用いることもできる。
【0042】本発明にかかるより好ましい態様の電池
は、自然崩壊性高分子材料からなる電解質容器と、正負
電極と、吸水性高分子材料、好ましくは上述の共重合体
改質物と、誘電性液体とを組み合わせて製造できる。本
発明に係る電池の好ましい態様としては、上記金属ある
いその化合物の正負電極を上記電解質容器内に対向さ
せ、その対向部分に、前記所望により脱水処理した共重
合体改質物を存在させ、ここに誘電性液体を注入するこ
とにより、前記共重合体改質物は膨潤し、前記対向した
電極部間をイオン伝導性による導電性で電気的に導通さ
せる電池、すなわち、誘電性液体を注入することにより
起電力を生ぜしむる電池が挙げられる。ここで、本発明
で用いる誘電性液体としては、誘導率を有する液体であ
れば、特に限定されない。具体的には、電解質液はもち
ろん、蒸留水、メタノールもしくはエタノールなどのア
ルコール、またはこれらの混合物などを用いることがで
きる。中でも、水を主体とした液体が好適に用いられ
る。
【0043】本発明に係る電池においては誘電性液体を
注入するまで、または本発明にかかる好ましい態様の電
池においては前記共重合体改質物に誘電性液体を入れて
膨潤させ正負電極間がイオン電導的に導通状態になるま
で、電池の出力その他の特性が低下することがない。す
なわち、誘電性液体を注入する前の状態(電池前駆体と
もいう)で本発明に係る電池を保存しておけば、保存状
態での劣化が殆どないのが特長である。このような電池
は、現在、普及の著しい携帯電子機器の電源、特に、緊
急時のバックアップ電源として有用である。さらに、使
用済みの該電池の環境負荷を低下させることができる。
【0044】
【実施例】ここで、実際に本研究に係わる電池として、
実施例1の試料を作成し、その評価を行ったが、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0045】〔実施例1〕90重量部の濃硫酸(96重
量%)の中に、3.5重量部のABS(アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン)樹脂廃材を加え、60℃で
60分間反応させた。その後、0.5重量部の発煙硫酸
(SOを60重量%含有)を追加添加し、さらに30
分間反応を行った。なお、ABS樹脂廃材としては、パ
ソコン筐体の白色部分に用いられていた樹脂であって、
スチレンの含有量が48モル%、アクリロニトリルの含
有量が39モル%、ブタジエンの含有量が13モル%で
あって、さらに、酸化チタンが1重量%含有されている
樹脂を、冷凍シュレッダーにより粉砕した16〜32メ
ッシュの分級物を用いた。反応終了後、系中の固形物を
水洗濾過した。これを乾燥器にて2時間乾燥を行った。
この操作により白色の固形物が得られた。この固形物中
のスルホ基は、全モノマーユニット中の42モル%であ
った。これに、硫酸鉄アンモニウムを、上記固形物10
重量部に対して1重量部を、水に溶解して含浸し、薄板
状のブロックに成形し、乾燥させた。
【0046】図に示すセルを作成した。積層電極2は、
鉄板の片面に亜鉛を厚膜めっきしたものを使用した。各
スタック1は、ポリ乳酸で溶融成形し、上記電極端部も
一体成形した。パッキング5は、ポリコハク酸エチレン
で形成した。上記の乾燥させた吸水性電解質材料3aと
しての薄板状のブロックを内包させ、このパッキングを
介して、上記スタックを積層し、支柱ネジ6にて締め上
げた。これに透水孔4より給水し注水し、携帯型ミニデ
ィスク再生機のACアダプターより給電し、音声再生を
行うことができた。
【0047】
【発明の効果】本発明にかかる電池は、電解質容器が自
然崩壊性高分子材料から構成されているので、使用済み
の電池の処分を含めた、総合的な環境負荷が低減でき
る。本発明にかかる好ましい態様としての電池は、要時
に誘電性液体を注入し、起電力を生ぜしむる。かかる態
様の電池は、誘電性液体を注入する前の状態で保存する
ことにより長期間保存できるので、普及の著しい携帯電
子機器の電源、特に、緊急時のバックアップ電源として
有用である。本発明に係る好ましい態様としての電池に
含有されている吸水性高分子電解質は、使用済み樹脂か
らでも製造できるため 、資源の有効利用につながり、
地球の環境保全に貢献することができる。また、高分子
系廃材を本発明により付加価値の高い製品へ転換するこ
とが可能となるため、増加していく該廃材のリサイクル
が促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られた電池の注水前状態における縦
断面図である。
【図2】図1のA−A’断面図である。
【図3】実施例で得られた電池の注水状態における縦断
面図である。
【符号の説明】
1 スタック 2 積層電極 3a 乾燥状態の吸水性高分子電解質 3b 吸水膨潤状態の吸水性高分子電解質 4 透水孔 5 パッキング 6 支柱ネジ 7 締め上げナット 8 集電バネ 9 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 55/02 C08L 55/02 101/12 ZAB 101/12 ZAB (72)発明者 野口 勉 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AB011 AB041 AB051 AC072 AC112 AD001 AD011 AD021 AD031 BC062 BN152 CF031 CF101 CF181 CF191 CG011 CJ001 CL001 DA036 DE136 DE137 GQ00 5H025 AA13 CC30 CC39 CC40 MM10

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質容器が自然崩壊性高分子材料から
    なることを特徴とする電池。
  2. 【請求項2】 誘電性液体を注入することにより起電力
    を生ぜしむることを特徴とする請求項1記載の電池。
  3. 【請求項3】 電解質容器に吸水性高分子電解質材料が
    含有されていることを特徴とする請求項2記載の電池。
  4. 【請求項4】 誘電性液体が、水を主体とする液体であ
    ることを特徴とする請求項3記載の電池。
  5. 【請求項5】 吸水性高分子電解質材料が、(a)アク
    リロニトリルと(b)スチレンおよび/または共役ジエ
    ンの少なくとも1種類以上とを構成単位として含有する
    共重合体に酸性基が導入されている共重合体改質物であ
    ることを特徴とする請求項3記載の電池。
  6. 【請求項6】 共重合体が、アクリロニトリルユニット
    を5〜80モル%含有していることを特徴とする請求項
    5記載の電池。
  7. 【請求項7】 共重合体が、スチレンおよび/または共
    役ジエンの少なくとも1種類以上を20〜95モル%含
    有していることを特徴とする請求項5記載の電池。
  8. 【請求項8】 共重合体が、ABS(アクリロニトリル
    −ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−ア
    クリロニトリル)樹脂およびNBR(アクリロニトリル
    −ブタジエン)ゴムからなる群から選択される少なくと
    も1種類以上であることを特徴とする請求項5記載の電
    池。
  9. 【請求項9】 共重合体が、さらに無機顔料を含有して
    いることを特徴とする請求項5記載の電池。
  10. 【請求項10】 無機顔料が、カーボンブラックおよび
    /または酸化チタンであることを特徴とする請求項9記
    載の電池。
  11. 【請求項11】 無機顔料が、共重合体(乾燥重量)に
    対して0.01〜5重量%含有されていることを特徴と
    する請求項9記載の電池。
  12. 【請求項12】 共重合体が、特定の用途を目的として
    成形された使用済み樹脂からなることを特徴とする請求
    項5記載の電池。
  13. 【請求項13】 共重合体改質物中の酸性基が、スルホ
    基、−PO(OH)および−CHPO(OH)
    らなる群から選択される少なくとも1種類以上の酸性基
    であることを特徴とする請求項5記載の電池。
  14. 【請求項14】 共重合体改質物中の酸性基がスルホ基
    であることを特徴とする請求項5記載の電池。
  15. 【請求項15】 共重合体改質物中の酸性基が、該共重
    合体改質物中の全ユニットに対して5〜95モル%であ
    ることを特徴とする請求項5記載の電池。
  16. 【請求項16】 自然崩壊性高分子材料からなる電解質
    容器を用いることを特徴とする電池の製造方法。
  17. 【請求項17】 自然崩壊性高分子材料からなる電解質
    容器と、誘電性液体と、正負電極とを組み合わせること
    を特徴とする請求項16記載の電池の製造方法。
  18. 【請求項18】 電解質容器に吸水性高分子電解質材料
    を組み込むことを特徴とする請求項17記載の電池の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 誘電性液体が、水を主体とする液体で
    あることを特徴とする請求項18記載の電池の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 吸水性高分子電解質材料が、(a)ア
    クリロニトリルと(b)スチレンおよび/または共役ジ
    エンの少なくとも1種類以上と構成単位として含有する
    共重合体に酸性基が導入されている共重合体改質物であ
    ることを特徴とする請求項18記載の電池の製造方法。
  21. 【請求項21】 共重合体が、アクリロニトリルユニッ
    トを5〜80モル%含有していることを特徴とする請求
    項20載の電池の製造方法。
  22. 【請求項22】 共重合体が、スチレンおよび/または
    共役ジエンの少なくとも1種類以上を20〜95モル%
    含有していることを特徴とする請求項20記載の電池の
    製造方法。
  23. 【請求項23】 共重合体が、ABS(アクリロニトリ
    ル−ブタジエン−スチレン)樹脂、SAN(スチレン−
    アクリロニトリル)樹脂およびNBR(アクリロニトリ
    ル−ブタジエン)ゴムからなる群から選択される少なく
    とも1種類以上であることを特徴とする請求項20記載
    の電池の製造方法。
  24. 【請求項24】 共重合体が、さらに無機顔料を含有し
    ていることを特徴とする請求項20記載の電池の製造方
    法。
  25. 【請求項25】 無機顔料が、カーボンブラックまたは
    /および酸化チタンであることを特徴とする請求項24
    記載の電池の製造方法。
  26. 【請求項26】 無機顔料が、共重合体(乾燥重量)に
    対して0.01〜5重量%含有されていることを特徴と
    する請求項24記載の電池の製造方法。
  27. 【請求項27】 共重合体が、特定の用途を目的として
    成形された使用済み樹脂からなることを特徴とする請求
    項20記載の電池の製造方法。
  28. 【請求項28】 共重合体改質物中の酸性基が、スルホ
    基、−PO(OH)および−CHPO(OH)
    らなる群から選択される少なくとも1種類以上の酸性基
    であることを特徴とする請求項20記載の電池の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 共重合体改質物中の酸性基が、スルホ
    基であることを特徴とする請求項20記載の電池の製造
    方法。
  30. 【請求項30】 共重合体改質物中の酸性基が、該共重
    合体改質物中の全ユニットに対して5〜95モル%であ
    ることを特徴とする請求項20記載の電池の製造方法。
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