JP2002313269A - 電界放射型電子銃 - Google Patents

電界放射型電子銃

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JP2002313269A
JP2002313269A JP2001111007A JP2001111007A JP2002313269A JP 2002313269 A JP2002313269 A JP 2002313269A JP 2001111007 A JP2001111007 A JP 2001111007A JP 2001111007 A JP2001111007 A JP 2001111007A JP 2002313269 A JP2002313269 A JP 2002313269A
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extraction electrode
emitter
potential
voltage
electron gun
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Mikiaki Kai
幹朗 甲斐
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電界放射型電子銃に関し、放電を抑
制することができる電界放射型電子銃を提供することを
目的としている。 【解決手段】 電子を放射するエミッター1と、該エミ
ッター1に加速電圧を印加するための高電圧ケーブル4
と、前記エミッター1の周囲に配置された引き出し電極
2と、該引き出し電極2の外側に配置されたアノード3
とにより構成された電界放射型電子銃において、前記高
電圧ケーブル4を保持し、引き出し電極取り付け用に設
けられた高電圧絶縁碍子5の引き出し電極取り付け部に
メタライズした溝10を設け、この溝10の部分の電位
を引き出し電位とするように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型電子銃
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子線を用いた分析装置には、電
子流密度が高く、エネルギー幅が小さい電界放射型電子
銃(FEG:Field Emission Gun)
が用いられている。このFEGは、エミッターと呼ばれ
る電子発生源と、エミッターに強電界を印加して電子を
引き出させるための引き出し電極(対エミッターに対し
+数kV)、引き出された電子を加速させるためのアノ
ード(対エミッター+数10kV、大地0V)で構成さ
れ、電位的にはエミッターの電位と加速電圧は等しく、
引き出し電圧は加速電圧に重畳されている。
【0003】図7は従来の電界放射型電子銃の構成概念
図、図8は電界放射型電子銃の電圧の印加状態を示す図
である。図8において、1は電子を放射するエミッタ
ー、E3は該エミッター1に電位を与える電圧、2はエ
ミッター1の周囲に配置された引き出し電極、3は引き
出し電極2の外側に配置されたアノードである。該アノ
ード3は接地され、その電位は0Vである。エミッター
1には、アノード3との間に加速電圧E1が印加され、
引き出し電極2には電圧E2が印加されている。引き出
し電圧E2は、加速電圧E1に重畳された形となってい
る。このような電位の印加状態により、エミッター1か
ら電子線EBが放射され、引き出し電極2の真ん中に開
けられた開口を通過する。引き出し電極2を通過した電
子線EBは、アノード3により加速され、アノード3に
開けられた開口を通過する。
【0004】図7において、図8と同一のものは、同一
の符号を付して示す。図7において、1はエミッター、
2は引き出し電極、3はアノードである。4はエミッタ
ー1に加速電圧を与えると共に、引き出し電極2に引き
出し電圧を与える高電圧ケーブルである。5は高電圧ケ
ーブル4を保持し、引き出し電極取り付け用に設けられ
た高電圧絶縁碍子である。6、7はエミッター1に加速
電圧を与える導線、8は引き出し電極2に引き出し電圧
を与える導線で、いずれも高電圧ケーブル4を介して与
えられている。9はFEGを取り囲むガンチャンバーで
あり、その内部は高真空に保たれている。
【0005】引き出し電極2の電圧は−数10kVで、
エミッター1との間の電位差は数kVである。このよう
な構成により、エミッター1から放射された電子線EB
は引き出し電極2により加速され、次に引き出し電極2
の開口を通過した電子はアノード3により引っ張られ、
アノード3の開口を通過して出ていく。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この種の装置では、図
中Aに示す部分で引き出し電極2と高電圧絶縁碍子5と
の間が狭くなり電位勾配がきつくなるため、この部分で
放電が起きることがある。図9は、図7に示す構成図の
一点鎖線部分の電位分布を示す図である。図7のA部分
の電位勾配がきつくなっていることが分かる。なお、電
位勾配に示した数字90、80、〜10等は印加電圧に
対する電圧の割合(%)を示しており、例えば印加電圧
が100kVの場合、90(%)と記載されている部分
は90kVの電位であることを示している。
【0007】ここで、図9の破線部分を拡大した図が、
右側に示されている。図中、実線で示す矢印が放電経路
を示している。高電圧絶縁碍子5と引き出し電極2の隙
間から放電が発生し、電位勾配に従い、碍子沿面に到達
し、碍子沿面での電子なだれ現象により、チャンバー9
(0V)に向かって放電していく。電位勾配がきつい
(電位の線が密集している)ほど、放電経路はできやす
い。
【0008】FEGでの放電により、エミッター1を直
接破壊することがある。このことは、FEGの品質低下
だけでなく、ユーザに対する装置の信頼性も低下する。
従って、極力、放電を抑制する必要がある。前述したよ
うに、一般に放電は電極と碍子の隙間から発生し、電位
勾配に従い、碍子沿面に到着し、碍子沿面での電子なだ
れ現象により、チャンバー9(0V)に向かって放電し
ていく。このため、電極2と碍子5の隙間の電位勾配が
きついほど放電経路ができやすく、放電が生じやすかっ
た。
【0009】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、放電を抑制することができる電界放射型
電子銃を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1)前記した課題を解
決する請求項1記載の発明は、電子を放射するエミッタ
ーと、該エミッターに加速電圧を印加するための高電圧
ケーブルと、前記エミッターの周囲に配置された引き出
し電極と、該引き出し電極の外側に配置されたアノード
とにより構成された電界放射型電子銃において、前記高
電圧ケーブルを保持し、引き出し電極取り付け用に設け
られた高電圧絶縁碍子の引き出し電極取り付け部にメタ
ライズした溝を設け、この溝の部分の電位を引き出し電
位とするように構成したことを特徴とする。
【0011】このように構成すれば、引き出し電極と高
電圧絶縁碍子5の隙間部分の電位勾配を緩和することが
できるので、放電の発生を抑止することができる。 (2)請求項2記載の発明は、前記溝の形状は、角を丸
めた形状であることを特徴とする。
【0012】このように構成すれば、溝の角を丸めるこ
とで、発熱等により高電圧絶縁碍子部にクラックが入る
ことを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形
態例を示す構成図である。図7と同一のものは、同一の
符号を付して示す。図において、1はエミッター、2は
引き出し電極、3はアノード、4は高電圧ケーブル、5
は高電圧絶縁碍子、6〜8は導線、9はガンチャンバー
である。これらの構成要素の配置は、図7にて説明した
通りである。
【0014】引き出し電極2の電位は、例えば−数10
kVであり、アノード3の電位は接地電位(0V)であ
る。そして、エミッター1と引き出し電極2間にかかる
電位差は数kVである。
【0015】10は高電圧ケーブル4を保持し、引き出
し電極2の取り付け用に設けられた高電圧絶縁碍子5の
引き出し電極取り付け部に設けられた溝であり、その表
面はメタライズされている。且つ、この溝10の電位は
引き出し電極2と接続され、引き出し電極の電位と同電
位になっている。
【0016】図2はFEGの電位分布を示す図であり、
図1の一点鎖線部で示す領域の電位分布を示している。
図9に示す従来装置の電位分布と比較すると、図1のA
に示す領域の電位勾配が緩和されていることが分かる。
破線で示す領域を拡大したものが右側に示されている。
【0017】本発明によれば、FEG用高電圧絶縁碍子
5の引き出し電極取り付け部にメタライズした溝10を
設け、この溝10の電位を引き出し電極2の電位と同じ
にしているため、碍子内部の電位勾配が褶曲することに
より、電極と碍子の隙間の電位勾配が緩和される。これ
により、加速電圧は安定して印加され、放電は抑止さ
れ、より信頼性のあるFEGとすることが可能となる。
【0018】図3は従来装置と本発明の拡大部の電位分
布比較を示す図である。(a)は従来装置の電位分布
図、(b)は本発明装置の電位分布図である。(a)に
示す電位分布は、電位勾配がきつく、放電経路ができや
すいので放電しやすい。これに対し、(b)に示す電位
分布は電位勾配が緩和され、放電経路ができず、加速電
圧の安定印加ができる。
【0019】図4は本発明による溝の形状を示す図であ
る。(a)は角に丸み(ラウンド:R)を付けた場合、
(b)は丸みをつけない場合をそれぞれ示す。図に矢印
で示す領域(図1のA部)の電位勾配の緩和状況は同等
である。従って、双方共に放電抑止効果がある点で共通
である。
【0020】しかしながら、(b)に示す丸みのない溝
の場合、該当部分が発熱することにより、クラックが入
りやすい。そこで、(b)の角に丸みをつけることによ
り、クリックの発生を防止することができる。
【0021】図5は本発明の効果の説明図である。メタ
ライズした溝を持つ場合、碍子沿面の電位勾配が低く、
電位勾配が緩和されているので、加速電圧の安定印加が
可能となる。
【0022】図6は溝をつけず碍子沿面にメタライズの
み行なった場合の効果の説明図である。(a)は何も手
を加えていない場合の特性を、(b)は碍子沿面に少し
メタライズした場合の特性を、(c)は碍子沿面に多く
メタライズした場合の特性をそれぞれ示している。
【0023】(a)の場合、A部の電位勾配がきつく、
放電経路ができやすい。一方、(b)の場合、碍子の沿
面に少しメタライズしたものであるが(図中の太い実
線)、電位勾配は緩和されておらず、単に碍子沿面をメ
タライズしただけでは特性は改善されていないことが分
かる。(c)の場合、メタライズ端の電位勾配が高くな
るため、この部分から放電しやすくなる。
【0024】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、以下のような効果が得られる。
【0025】(1)請求項1記載の発明によれば、引き
出し電極と高電圧絶縁碍子の隙間部分の電位勾配を緩和
することができるので、放電の発生を抑止することがで
きる。
【0026】(2)請求項2記載の発明によれば、溝の
形状として、角を丸めることにより、発熱等により高電
圧絶縁碍子部にクラックが入ることを防止することがで
きる。
【0027】このように、本発明によれば電極と碍子の
隙間の電位勾配が緩和され、加速電圧の安定印加が可能
となり、FEGの品質が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例を示す構成図である。
【図2】本発明によるFEGの電位分布を示す図であ
る。
【図3】従来装置と本発明の拡大部の電位分布比較を示
す図である。
【図4】本発明による溝の形状を示す図である。
【図5】本発明の効果の説明図である。
【図6】碍子沿面にメタライズのみ行なった場合の効果
の説明図である。
【図7】従来の電界放射型電子銃の構成概念図である。
【図8】電界放射型電子銃の電圧の印加状態を示す図で
ある。
【図9】FEGの電位分布と放電の発生を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 エミッタ 2 引き出し電極 3 アノード 4 高電圧ケーブル 5 高電圧絶縁碍子 6〜8 導線 9 ガンチャンバー 10 溝

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子を放射するエミッターと、該エミッ
    ターに加速電圧を印加するための高電圧ケーブルと、前
    記エミッターの周囲に配置された引き出し電極と、該引
    き出し電極の外側に配置されたアノードとにより構成さ
    れた電界放射型電子銃において、 前記高電圧ケーブルを保持し、引き出し電極取り付け用
    に設けられた高電圧絶縁碍子の引き出し電極取り付け部
    にメタライズした溝を設け、この溝の部分の電位を引き
    出し電位とするように構成した電界放射型電子銃。
  2. 【請求項2】 前記溝の形状は、角を丸めた形状である
    ことを特徴とする請求項1記載の電界放射型電子銃。
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