JP2002311275A - 樹脂光導波路の作製方法 - Google Patents

樹脂光導波路の作製方法

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JP2002311275A
JP2002311275A JP2001121397A JP2001121397A JP2002311275A JP 2002311275 A JP2002311275 A JP 2002311275A JP 2001121397 A JP2001121397 A JP 2001121397A JP 2001121397 A JP2001121397 A JP 2001121397A JP 2002311275 A JP2002311275 A JP 2002311275A
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trench
resin
optical waveguide
waveguide
core
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Nagahiro Moroi
長広 諸井
Hidetoshi Nanai
秀寿 七井
Yuji Yamamoto
雄二 山本
Shigeki Sakaguchi
茂樹 坂口
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Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低損失で、光学特性に優れた樹脂光導波路の形
成と歩留まり向上の手段を提供する。 【解決手段】基板1上の下部クラッド樹脂層2にトレン
チ4を形成してこれにコア材5を塗布、焼成してコアを
形成するトレンチ法による光導波路製造方法において、
コア材5の塗布、焼成を複数回繰り返してコアを形成す
る。 【効果】極めて狭いギャップ領域での埋め込み不良およ
びコアパターンの変形を防止し、導波特性の向上した、
樹脂製光導波路の製造法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低損失で、光学特
性に優れた樹脂光導波路の作製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報通信システムの基盤技術として光通
信技術が浸透していくにつれて光導波路は、光ネットワ
ーク用キーデバイスとして益々その重要性が高まると同
時に、電子回路配線基板等の分野への応用に向けて開発
が進められている。光導波路デバイスの普及には低価格
化と量産化が要望されており、樹脂製光導波路がその有
力な候補として開発されている。
【0003】従来、樹脂導波路の作製方法として、シリ
コン等の基板上に作製した下部クラッド樹脂層にトレン
チを設け、これにコア材を埋め込み、その上に上部クラ
ッド層を形成する方法(以下トレンチ法と言う)があ
る。
【0004】導波路用の樹脂材料としては、アクリル樹
脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネイト樹
脂、シロキサン樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられ、近
赤外の光通信波長帯域である1.3〜1.5ミクロン帯
での透明性を確保するために、C−H結合をC−D結合
やC−F結合に置換した樹脂材料が用いられている。な
かでも、フッ素化ポリイミド樹脂は近赤外領域での透過
特性がすぐれており、そのうえ、最も耐熱性が高く、強
度も確保できるところから、樹脂導波路用の材料として
は最も適している。
【0005】しかしながら、上記樹脂材料を用いたトレ
ンチ法による導波路作製においては、埋め込み工程での
埋め込み不良等による欠陥のため、光学特性の低下、歩
留まりの低下が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光導波路の作製方法に
おいて、上に述べたトレンチを形成してこれを埋め込む
方法では、通常フォトリソグラフィ技法によって導波路
パターンを形成するため、極めて精度の高い導波路パタ
ーンが形成できる利点がある。しかしながら、技術的課
題も多く、特に埋め込み工程での技術課題が大きい。
【0007】すなわち、10ミクロン程度のコアパター
ンに樹脂を埋め込む場合、泡が発生しやすく、そのまま
残留することにより、光学特性を低下させることがあ
る。また、光導波路の基本パターンには、1本の導波路
をY字状に二つに分岐するY分岐、二つの光導波路を近
接させて光信号の相互作用を引き起こす方向性結合器等
がある。Y分岐では、2本の導波路の分岐角度が1〜2
度程度と小さいため分岐部分に極めて幅の狭いギャップ
が形成される。同様に、方向性結合器では2本の光導波
路を1〜3ミクロンの極めて狭いギャップで近接させる
必要がある。
【0008】これらのギャップは下部クラッドで形成さ
れるが、きわめて薄い構造となるため、両側のコアパタ
ーンにコア材を埋め込む時、樹脂の収縮や泡の存在等に
より、両側から受ける力のバランスが崩れ、変形しやす
いという問題があった。すなわち、トレンチ法で形成さ
れた光導波路は、コア材をトレンチに埋め込む際、泡に
よる光学特性の劣化や、Y分岐部で形成されるような狭
いギャップ部の変形が発生し、過剰損失発生の原因にな
っていた。また、方向性結合器においても、ギャップ部
の変形や、泡を取り込むなどして散乱要因となる欠陥が
発生する場合があった。
【0009】このように、トレンチ導波路では、泡の発
生や、極めて狭いギャップ領域での、変形等による欠陥
が発生しやすく、過剰損失の発生による損失特性の劣化
や、歩留まり低下を引き起こす等の問題があり、製造方
法の改善が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレンチ導波
路作製において、パターニングされたトレンチへ、コア
材を埋め込む際、コア材の塗布、焼成を複数回繰り返す
ことによりコアを形成し、泡の取り込みや極めて狭いギ
ャップ領域での導波路パターンの変形を防止することに
より、低損失で、光学特性に優れた樹脂光導波路の作製
方法であり、また、導波路用樹脂材料がフッ素化ポリイ
ミド樹脂、フッ素化アクリル樹脂、シリコン樹脂、シロ
キサン樹脂のいずれかであることを特徴とする樹脂光導
波路の作製方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明により、トレンチ
法での樹脂光導波路の作製工程を説明する図である。樹
脂光導波路は以下のような工程で作製される。トレンチ
法においては、図1(a)では、シリコン等の基板1上
に下部クラッド層2とマスク層3が成膜され、図1
(b)では、このマスク層にフォトリソグラフィと反応
性イオンエッチング(RIE:Reactive Io
n Etching)の技法により光導波路パターンが
形成される。図1(c)では、パターン形成されたマス
ク層により、下部クラッド層に光導波路コアに相当する
トレンチ4が形成される。続いて図1(d)では、形成
されたトレンチをコア材5で埋め込み、図1(e)で
は、上部クラッド層6を成膜して光導波路が作製される
ものである。なお、トレンチパターンはマスク層を設け
ず、鋳型を下部クラッド層に押し付ける方法によって形
成することもできる。
【0012】トレンチへのコア材5の埋め込みについ
て、さらに詳しく説明する。すなわち、トレンチへのコ
ア材5の埋め込みにおいては、コア材の塗布、焼成を複
数回繰り返すことによりコア層を形成する。コア層の形
成を複数回に分割することにより、1回の塗布、焼成に
より形成される膜厚が薄膜化し、泡の発生や取り込みを
防止することができる。さらに、コア層形成を複数回に
分割することにより、コア材の1回の塗布、焼成で発生
する応力を低減することになり、微細な導波路パターン
の変形を防止することができる。
【0013】なお、コア材の塗布、焼成を複数回繰り返
すにあたり、1回目の塗布、焼成で得られるコアの膜厚
をトレンチの深さよりも薄くすることが必要である。ト
レンチの深さより厚い場合には複数回繰り返す効果はな
く、良好な結果が得られない。すなわち、1回目の塗
布、焼成で得られるコアの膜厚はトレンチの深さ以下で
あり、形成したトレンチの深さにもよるが、好ましくは
5ミクロン以下、より好ましくは3ミクロン以下であ
る。
【0014】コア材の塗布後の焼成条件としては、導波
路用樹脂材料の熱分解温度以下であり、少なくとも塗布
したコア材にタック性が無くなる温度/時間であれば良
く、必ずしもコア材に含まれる溶剤を完全に除去する必
要はない。ただし、コア材の最後の塗布後の焼成は、溶
剤を完全に除去できる温度/時間であり、さらには導波
路用樹脂材料の特性が十分発現される温度で実施するこ
とは言うまでもない。
【0015】塗布、焼成の繰り返し回数は形成したトレ
ンチの深さにもよるが、製造工程に問題を生じさせない
範囲であれば、その回数に制限はないが、20回以上で
は生産性が悪く、実質上量産製造には不向きである。埋
め込み性および生産性の双方を考慮すると、その回数は
好ましくは10回以下であり、より好ましくは2〜8回
である。
【0016】このように、コア材の塗布、焼成を複数回
繰り返すことにより、発生する泡の取り込みによる埋め
込み不良、および微細な導波路パターンの変形を防止す
ることができる。
【0017】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0018】
【実施例】〔実施例1〕光導波路に用いた樹脂はフッ素
化ポリイミドである。4インチシリコン基板上に屈折率
が1.50(波長は1.3ミクロンで測定した。以下同
じ)のフッ素化ポリイミド樹脂をスピンコーティング装
置により塗布した後、不活性雰囲気に保持したオーブン
を用いて350℃で焼成して、下部クラッド層を25ミ
クロン成膜した。この下部クラッド層上にマスク層とし
てシリコンをマグネトロンスパッタにより1.2ミクロ
ンに成膜した。このマスク層上にはさらにレジスト層を
成膜し、アライナを用いて光導波路パターンを露光し、
パターニングしたレジスト層を形成した。次に、レジス
ト層に保護されていないマスク層のシリコンをRIE装
置を用いて、CF4ガスを流入させながらエッチングし
た。引き続いてO2ガスを流入させてマスク層のシリコ
ンに保護されていない下部クラッド層部分をエッチング
により除去して、導波路コアに相当するトレンチを形成
した。トレンチは長さ70mm、幅、深さ共に8ミクロ
ンの分岐角度2度のY分岐コアパターンとした。その
後、屈折率が1.51であり、コア−クラッドの比屈折
率が0.75%となるコア層に対応するフッ素化ポリイ
ミド樹脂をトレンチへ埋め込んだ。トレンチへの埋め込
みにおいては、まず、スピンコーティング装置により塗
布した後、不活性雰囲気に保持したオーブンを用いて3
50℃で焼成して、3ミクロンのコア層をトレンチ内に
形成した(1回目)。引き続いて、同様に5ミクロンの
コア層を形成し(2回目)、完全にトレンチを埋め込ん
だ。その後、下部クラッド層と同種の屈折率1.50の
フッ素化ポリイミド樹脂により18ミクロンの上部クラ
ッド形成をおこなった。
【0019】作製したY分岐導波路において、分岐部で
の泡の取り込みによる埋め込み不良および微細な導波路
パターンの変形は認められず良好であった。また、1.
3ミクロンの光を通して光損失を測定したところ、Y分
岐部での過剰損失は理論値に近い1.5dBであり、Y
分岐光導波路として好適なものが得られた。なお、マス
ク層としてAlやCrを用いた場合にも全く同様な結果
が得られている。
【0020】〔比較例1〕コア層のトレンチへの埋め込
み以外は実施例1と同様におこなった。トレンチへの埋
め込みにおいては、スピンコーティング装置により塗布
した後、不活性雰囲気に保持したオーブンを用いて35
0℃で焼成して、8ミクロンのコア層を1回の塗布、焼
成により形成し、完全にトレンチを埋め込んだ。
【0021】作製したY分岐導波路において、分岐部で
の泡の取り込みによる埋め込み不良が認められ、微細な
導波路パターンに変形も生じていた。また、1.3ミク
ロンの光を通して光損失を測定したところ、Y分岐部で
の過剰損失は3.1dBであり、Y分岐光導波路として
不適であった。
【0022】
【発明の効果】トレンチ導波路作製において、トレンチ
にコア材を埋め込む際、コア材の塗布、焼成を複数回繰
り返すことによりコア層を形成することで、極めて狭い
ギャップ領域での泡の取り込みによる埋め込み不良およ
び微細な導波路パターンの変形を防止することができ、
欠陥の発生が少なくなる。その結果、低損失で、光学特
性に優れた樹脂光導波路が作製できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例によるトレンチ法によ
る光導波路作製工程を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン等の基板 2 下部クラッド層 3 マスク層 4 トレンチ 5 コア層 6 上部クラッド層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 雄二 埼玉県川越市今福中台2805番地 セントラ ル硝子株式会社化学研究所内 (72)発明者 坂口 茂樹 東京都千代田区神田錦町3丁目7−1 セ ントラル硝子株式会社本社内 Fターム(参考) 2H047 KA04 PA02 PA21 PA28 QA02 QA05 TA42

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレンチ法導波路作製において、トレン
    チにコア材を埋め込む際、コア材の塗布、焼成を複数回
    繰り返すことによりコア層を形成することを特徴とする
    樹脂光導波路の作製方法。
  2. 【請求項2】 コア材の1回目の塗布、焼成により得ら
    れる膜厚が、トレンチの深さよりも薄いことを特徴とす
    る請求項1に記載した樹脂光導波路の作製方法。
  3. 【請求項3】 導波路用樹脂材料がフッ素化ポリイミド
    樹脂、フッ素化アクリル樹脂、シリコン樹脂、シロキサ
    ン樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項1に記
    載した樹脂光導波路の作製方法。
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