JP2002310809A - 示温剤カプセルおよび示温剤カプセル入り塗料 - Google Patents

示温剤カプセルおよび示温剤カプセル入り塗料

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JP2002310809A
JP2002310809A JP2001116712A JP2001116712A JP2002310809A JP 2002310809 A JP2002310809 A JP 2002310809A JP 2001116712 A JP2001116712 A JP 2001116712A JP 2001116712 A JP2001116712 A JP 2001116712A JP 2002310809 A JP2002310809 A JP 2002310809A
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temperature
capsule
inorganic oxide
solid solution
temperature indicating
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JP2001116712A
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Seisaburo Shimizu
水 征三郎 清
Shintaro Enomoto
本 信太郎 榎
Yutaka Nakai
井 豊 中
Katsuyuki Naito
藤 勝 之 内
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 示温材料の成分が時間経過とともに分離した
り、目的温度での色変化がずれること(示温材料の色変
化の温度あるいは色変化の状態が時間経過および雰囲気
(例えば、温度、酸、アルカリ、ガス、水分)等の影響
によって変動して再現性が低下すること)が防止され
た、確実に着色状態の変化が現れる示温剤を提供するこ
と。 【解決手段】 結晶−非結晶又は相分離−非相分離で着
色状態が変化する示温材料中に無機酸化物粒子が分散さ
れてなる固溶体とこの固溶体を被覆する樹脂被覆層とか
らなることを特徴とする示温剤カプセル、及びこの示温
剤カプセル入りの塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、示温剤カプセルお
よび示温剤カプセル剤入り塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、温度によって色あるいは色の
濃度が変化する示温材料によって、温度ならびに温度履
歴を判断することが行われている。
【0003】このような示温材料は、温度が上下するに
従い何回も色が変化する可逆式のものと、温度で色が変
化すると元に戻らない不可逆式のものとに大別すること
ができる。このうち可逆式のものは、視覚的に判断した
時点の温度条件を表示するもの、例えばビール等の飲み
頃の温度を示すもの、に用いられている。
【0004】一方、不可逆式のものは、判断した時点ま
での温度履歴を表示するもの、例えば青果物、生鮮食料
品などの温度管理用のもの、として用いられている。例
えば特公昭58−10709号公報には、温度履歴が残
るものとして記載されている。
【0005】従来用いられている示温材料としては、呈
色性化合物、顕色剤および可逆剤からなり、温度によっ
て示温材料の結晶構造あるいは相分離状態が変化し、そ
の着色状態が変化することを利用して、温度あるいは温
度履歴を表示するものがある。例えば、特開2000−
131151号公報には環境温度下での不可逆性で結晶
−非結晶または相分離−非相分離を利用した温度管理部
材が記載されている。
【0006】また、特開平8−197853号公報に
は、呈色性化合物と特定のガラス転移温度を有する顕色
剤とを含有した感熱記録媒体が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような、結晶構造
あるいは相分離状態が変化してその着色状態が変化する
ことを利用した示温材料は有用なものであると言える。
しかしながら、このような示温材料は、場合により、多
成分固溶体である示温材料の成分が時間経過とともに分
離したり、雰囲気による影響を受け易く、目的温度での
色変化がずれること、即ち、示温材料は所望の温度にお
いて一定の色変化するように設計されるが、この色変化
の温度あるいは色変化の状態が時間経過および雰囲気
(例えば、温度、酸やアルカリ、ガス、水分)等の影響
によって変動して再現性が低下すること、があった。こ
の問題は、特に食品の温度管理材としての用途において
は重大な問題といえる。食品には、酸、アルカリ、ガ
ス、水分等を発散するものが多くあるが、それらよって
色変化の状態が変動するようでは食品管理材としての機
能、信頼性が保証されないからである。また、示温材料
を塗料化する際に使用されるバインダー樹脂あるいは感
光性材料によって変質する場合があった。
【0008】したがって、安定性が不十分であったり、
さらに塗料化することが困難である等の問題点が見られ
ることがあった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題点
を解決するためになされたものである。
【0010】したがって、請求項1に記載の発明は、結
晶−非結晶または相分離−非相分離で着色状態が変化す
る示温材料中に無機酸化物粒子が分散されてなる固溶体
と、この固溶体を被覆する樹脂被覆層とからなることを
特徴とする、示温剤カプセルに関するものである。
【0011】請求項2に記載の発明は、前記無機酸化物
粒子が、疎水性官能基を有するものであることを特徴と
する、示温剤カプセルに関するものである。
【0012】請求項3に記載の発明は、前記樹脂被覆層
が、ゼラチン−ホルマリン樹脂、レゾシノール−ホルマ
リン、尿素−ホルマリン、レゾシノール−尿素−ホルマ
リン樹脂から選ばれたものであることを特徴とする、示
温剤カプセルに関するものである。
【0013】請求項4に記載の発明は、前記固溶体の表
面に無機酸化物粒子が付着していることを特徴する、示
温剤カプセルに関するものである。
【0014】請求項5に記載の発明は、無機酸化物粒子
が表面に付着している請求項4にキ記載の固溶体と、こ
の固溶体を被覆する請求項4に記載の樹脂被覆層とから
なることを特徴とする、示温剤カプセルに関するもので
ある。
【0015】そして、請求項6に記載の発明は、上記の
示温剤カプセルがバインダー樹脂あるいは感光性材料に
分散されてなることを特徴とする、示温剤カプセル入り
塗料に関するものである。
【0016】このような本発明による示温剤カプセル
は、固溶体が結晶−非結晶または相分離−非相分離で着
色状態が変化する示温材料中に無機酸化物粒子が分散さ
れているものであることにより、示温材料中の各成分の
分散状態が変化することが有効に防止されて、安定した
着色状態、即ち安定した示温能力、を実現することが可
能になる。また、固溶体が樹脂被覆層で被覆されている
ことによって、塗料化される際に使用されるバインダー
樹脂あるいは感光性材料によって示温材料が変質するこ
とがなく、そして示温材料が保存ないし使用状態におい
て受ける外的因子から保護されている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明による示温剤カプセ
ルおよび示温カプセル剤入り塗料の好ましい一実施例に
ついて説明する。
【0018】本発明での示温材料は、結晶−非結晶また
は相分離−非相分離で着色状態が変化するものである。
このような示温材料としては、呈色性化合物、顕色剤お
よび可逆剤からなる示温材料を例示することができる。
【0019】ここで、呈色性化合物とは、色素の前駆体
化合物をいうものである。また、顕色剤とは、前記の呈
色性化合物との相互作用によって、この呈色性化合物の
着色状態を変化させる化合物をいうものである。可逆剤
とは、前記の呈色性化合物と顕色剤との相互作用を可逆
的に変化させる材料をいうものである。通常、呈色性化
合物は電子供与性化合物であり、顕色剤は電子受容性化
合物であって、両者の相互作用が強い場合には着色状態
が実現され、両者の相互作用が弱い場合には消色状態が
実現される。
【0020】本発明において好ましい呈色性化合物とし
ては、ロイコオーラミン類、ジアリールフタリド類、ポ
リアリールカルビノール類、アシルオーラミン類、アリ
ールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリ
ン類、スピロピラン類、フルオラン類、シアニン色素
類、クリスタルバイオレット類などの電子供与性有機化
合物などを挙げることができる。より具体的には、黒
色、青色、青緑色に発色する下記のようなロイコ染料を
例示することができる。
【0021】黒色系:PSD−150、PSD−18
4、PSD−300、PSD−802、PSD−290
(以上、日本曹達製)、CP−101、BLACK−1
5、ODB(以上、山本化成社製)、ETAC、AT
P、BLACK−100、S−205、BLACK−3
05、BLACK−500(以上、山田化学社製)、 青色系:CVL、BLMB(以上、日本曹達製)、BL
UE−63、BLUE−502(以上、山本化成社
製)、BLUE−220(山田化学社製)、BLUE−
3(保土ヶ谷化学社製)、 青緑系:GN−169、GN−2、Green−40
(以上、山本化成社製)、Green−300(山田化
学社製)。
【0022】本発明において好ましい顕色剤としては、
フェノール類、フェノール金属塩類、カルボン酸金属塩
類、スルホン酸類、スルホン酸塩類、リン酸類、リン酸
金属塩類、酸性リン酸エステル類、酸性リン酸エステル
金属塩類、亜リン酸類、亜リン酸金属塩類等の酸化物な
どを挙げることができる。
【0023】例えば、2,4−ジヒドロキシアセトフェ
ノン(2,4−HAP)、2,5−HAP、2,6−H
AP、3,5−HAP、2,3,4−HAP、2、4−
ジヒドロキベンゾフェノン(2,4−HAP)、4,
4’ρ−HBP、2,3,4−HBP、2,2,4’−
HBP、2,2’,4,4’−HBP、2,3−ジヒド
ロ安息香酸、3,5−ジヒドロ安息香酸メチル、4,
4’−ビフェノール、2,3,4,4’−テトラヒドロ
キシベンゾフェノン等を例示することができる。
【0024】本発明で好ましい可逆剤としては、スタノ
ローン、β−シトスロール、メチルアンドロステンジオ
ール、エステラジオール、ベンゾエイト、プレグネノロ
ーン、アセタートアンドロステローン、11α−ヒドロ
キシプロゲスタローンアセテート、エスミラゲニン、コ
レステロールなどを挙げることができる。
【0025】呈色性化合物、顕色剤および可逆剤の配合
比率は、示温材料の具体的用途、目的、使用する各成分
の種類等に応じて異なるが。好ましい配合比率は下記の
通りである。呈色性化合物約1〜約2重量部、顕色剤約
1〜約5重量部、可逆剤約5〜約15重量部、特に好ま
しくは、呈色性化合物約1重量部、顕色剤約1重量部、
可逆剤約10重量部、である。
【0026】本発明では、上記の呈色性化合物、顕色剤
および可逆剤からなる示温材料中に無機酸化物粒子を分
散させる。このように無機酸化物粒子を分散させること
によって、示温材料の目的温度での色変化がずれること
(即ち、示温材料は所望の温度において一定の色変化す
るように設計されるが、この色変化の温度ある色変化の
状態が時間経過および雰囲気等の影響によって変動して
再現性が低下すること)が防止される。この無機酸化物
粒子の上記効果は、無機酸化物粒子によって示温材料中
における各成分の分散状態の変動が抑制されることによ
るものと考えられている。
【0027】無機酸化物粒子は、上記効果が達成される
ものであれば任意のものを使用することができる。本発
明において好ましい無機酸化物粒子は、粒径が約0.3
〜約5μm、特に約0.5〜約2μm、のものであっ
て、粒子表面がある程度の疎水性であるもの(好ましく
は無機酸化物粒子の表面が加水分解などでOH基がない
ことが望ましく、OH基が発生しないようにシランカッ
プリング剤などの処理によって表面が疎水化しているこ
とが望ましい)であり、かつ硬度が約3〜約9(好まし
くは約5〜約9)であるもの、である。
【0028】たとえば、酸化チタン、アルミナ、シリ
カ、酸化錫、酸化亜鉛など白色(透明)な酸化物の表面
に例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、メチルトリイソプロポキシシランなどのシラ
ンカップリング水溶液に浸漬乾燥あるいは蒸気処理する
ことにより表面の疎水化を行い用いることができる。
【0029】この他に、有機金属の塩化物あるいはアル
コキシ物を加水分解して有機基のある酸化物表面疎水の
粒子として用いることが出来る。有機金属の塩化物ある
いはアルコキシ化合物としてメチルトリアルコキシシラ
ン、メチルトリクロルシラン、メチルトリ塩化錫、メチ
ルトリアルコキシ錫、メチルトリ塩化亜鉛、メチルトリ
アルコキシ亜鉛、メチルトリアルコキシチタン、メチル
トリ塩化チタンなどが挙げられる。
【0030】無機酸化物粒子は、呈色性化合物、顕色剤
および可逆剤の基本的特性を実質的に劣化させることが
ないものが好ましい。このような粒子は、例えば「トス
パール」(東芝シリコン社製)として市販されている。
【0031】この無機酸化物粒子の配合量は、呈色性化
合物、顕色剤および可逆剤の合計100重量部に対し
て、約30〜約150重量部、好ましくは約60〜約1
20重量部、である。配合量が約30重量部未満では、
無機酸化物粒子の前記効果が十分得られず、一方、配合
量が約150重量部超過では、色提示が薄くなり、時間
経過を読み取るのが難しいという問題が発生する場合が
あるので好ましくない。
【0032】上記の呈色性化合物、顕色剤、可逆剤およ
び無機酸化物の混合は、合目的的な任意の方法を採用す
ることができる。例えば、上記各成分を混合装置に同時
にあるいは別々に、連続的にあるいは逐次的に導入して
行うことができる。混合は常温で行うことができるが、
本発明では、上記各成分を約100〜約150℃、好ま
しくは約100〜約120℃、の溶融温度条件下におい
て行い、その後に約10℃以下、好ましくは約5〜0
℃、に急冷して、溶融物を固形化した後にさらに混合・
粉砕処理を行うことが好ましい。上記の混合・粉砕処理
は、その処理物が平均粒径約0.3〜約50μm、好ま
しく約2〜約10μm、になるまで行うことが好まし
い。混合・粉砕処理は、各種の装置、例えばボールミ
ル、アットマイザー、乳鉢等によって行うことができ
る。このようにして、本発明による示温剤カプセルにお
ける固溶体を製造することができる。
【0033】上記の呈色性化合物、顕色剤、可逆剤、お
よび無機酸化物からなる粒状の示温材料(固溶体)は、
被服層の形成前に予めその表面に前記の無機酸化物を付
着させておくことが好ましい。一般に示温材料は雰囲気
の影響を受けやすく、それにより目的温度での色変化が
ずれたり、変色が起きなくなったりしやすいものであ
る。無機酸化物粒子を示温材料(固溶体)の表面に付着
させることによって、示温材料の外的因子の影響を受け
ることを防止することが出来る。この無機酸化物粒子
は、単に示温材料が外的因子の影響を受けることを防止
するだけでなく、粒状の示温材料の混合・粉砕処理時に
共存させることにより、粒状の示温材料の凝集、粗大化
を防止する。
【0034】示温材料の表面の付着させる無機酸化物粒
子の好ましい具体例としては、前記の示温材料中に分散
させる無機酸化物粒子として、例示したものを挙げるこ
とができる。表面の付着させる無機酸化物粒子の使用量
は、固溶体(即ち、呈色性化合物、顕色剤、可逆剤およ
び無機酸化物粒子)の合計100重量部に対して、約5
〜約40重量部、好ましくは約10〜約20重量部であ
る。配合量が約5重量部未満では、無機酸化物粒子の前
記の被服効果が十分に得られず、一方、配合量が約40
重量部を越えると、示温剤粒子内に多量の無機酸化物粒
子が押し込まれ、光散乱を起して色表示が不十分になる
ばかりでなく、表面を樹脂被服する場合脱落を起し樹脂
被服が不十分なる、という問題が発生する場合があるの
で好ましくない。表面に付着しさせる無機酸化物粒子と
示温剤中に分散させる無機酸化物粒子とは、種類、粒
径、形状、その他が同一であっても異なっていても良
い。
【0035】本発明による示温剤カプセルにおいて、上
記固溶体の表面に設けられる樹脂被覆層は、ゼラチン−
ホルマリン樹脂、レゾノール−ホルマリン、尿素−ホル
マリン、レゾシノール−尿素−ホルマリン樹脂によって
設けることが好ましい。これらの中では、特にゼラチン
−ホルマリン樹脂が好ましい。この被覆層の厚さは固溶
体の大きさによって異なるが、例えば固溶体が直径約5
μmである場合には、約0.3〜約2μmが好ましい。
【0036】この、被覆層の形成、即ち示温材料のカプ
セル化は、コアセルベーション法によって行うことが出
来る。
【0037】以下、コアセルベーション法について説明
する。上記の粉砕した示温剤固溶体粒子あるいはその表
面に無機粒子を付着させた示温剤粒子をホルマリンを除
いた成分を水に溶解した水溶液に分散させる。この水溶
液に粒子の分散性を高めるためにポリビニルアルコール
などの乳化剤を添加しても差し支えない。粒子が十分に
分散したら、ホルマリンを添加して約50から約90℃
の範囲で加熱し(好ましくは約50℃〜約70℃)、酢
酸などの酸の滴下し、重合を行なう。その後水洗乾燥を
行い示温剤カプセルを作製する。
【0038】本発明では、示温材料(固溶体)中に無機
酸化物粒子が分散していること、さらに、固溶体表面に
無機酸化物粒子、固溶体が樹脂被覆されている、あるい
は固溶体表面を無機酸化物粒子で被覆しさらに樹脂被覆
することにより相互に相乗効果により、示温材料が外的
因子から保護されかつ目的温度での色変化がずれたりす
ることが防止ないし抑制されている。
【0039】このような本発明による示温剤カプセル
は、その優れた特性を利用して、各種の用途に適用する
ことが出来るものである。たとえば、塗料に適用が出来
る。
【0040】本発明では、示温材料(固溶体)中に無機
酸化物粒子が分散していること、さらに、固溶体表面に
無機酸化物粒子、固溶体が樹脂被覆されている、あるい
は固溶体表面を無機酸化物粒子で被覆しさらに樹脂被覆
することにより相互に相乗効果により、示温材料が外的
因子から保護されかつ目的温度での色変化がずれたりす
ることが防止ないしは抑制されている。
【0041】このような本発明による示温剤カプセル
は、その優れた特性を利用して、各種の用途に適用する
ことができるものである。例えば、塗料に適用すること
ができるものである。
【0042】本発明は、また、示温剤カプセル入り塗料
に関するものである。すなわち、本発明による示温剤カ
プセル入り塗料は、示温剤カプセルがバインダー樹脂あ
るいは感光性材料に分散されてなること、を特徴とする
ものである。
【0043】示温剤カプセル入り塗料におけるバインダ
ー樹脂としては、樹脂、特に感光性樹脂、が使用可能で
ある。樹脂として、温度に応じて、ポリオレフィン類、
ポリ酢酸ビニル共重合体類、アクリル、メタクリル重合
体あるいは共重合体類、ポリブタジエン類、ポリエステ
ル類、フッ素ケイ樹脂、ポリアミド類、セルロース類、
ポリウレタン類など、塗料化できる樹脂であれば合目的
的な任意のものが使用可能である。これらの中では、特
にアクリル、メタクリル樹脂が透明性が優れているので
好ましい。
【0044】感光性樹脂として、感光性エポキシ、感光
性アクリルあるいはメタクリルなどの感光性樹脂あるい
は感光性モノマー類のブレンド材料など、合目的的な任
意のものが使用可能である。これらの中では、特に感光
性アクリルが好ましい。
【0045】バインダー樹脂と示温剤カプセルとの配合
比率は、バインダー樹脂量が約20〜約80重量%、好
ましくは約40〜約60重量%である。配合量が約20
重量%以下である場合は塗布しずらい、あるいは脱落す
るなどの問題が発生し、配合量が約80重量%を越える
と変色量が不足し、探知が難しくなる。という問題が発
生する場合があるので好ましくない。
【0046】
【実施例】<実施例1>示温材料として、ロイコ染料
(GN−2)/顕色剤(2,3,4.4’テトラヒドロ
キシベンゾフェノン)/可逆剤(コレステロール)/ト
スパール=約1部/約1部/約10部/約5部を約12
0℃で加熱し、溶融混練した。次いで、この混練物を約
0℃に急冷し、ボールミルに入れ、トスパールを約5部
入れ、攪拌粉砕して、表面にトスパールの付着した示温
材料粉末(平均粒径約5μm)を得た。
【0047】水約100部にゼラチン約5部を溶解した
溶液に、上記で作製した示温材料粉末を攪拌分散した。
ホルマリン約1部を添加攪拌し、酢酸を加えて約PH5
にし、約40℃で約8時間加熱攪拌した。濾過洗浄乾燥
して、本発明による示温剤カプセルを作製した。
【0048】作製した上記の示温剤カプセルを約100
℃で加熱し、青色が無色になることを確認した後、約0
℃に急冷し、無色状態を保持した。約15℃の温度条件
下に放置すると、徐々に色が現れ約10時間後に元の青
色になった。また、約5℃の温度条件下に10日放置し
たところ、無色のままであった。
【0049】<比較例1>実施例と同様の示温剤組成物
をトルエンに溶解してガラス板に塗布乾燥した。150
℃で加熱し、すぐに5℃の氷水に入れ急冷した。作製し
た試料を−20℃冷凍庫に保管した。また、作製直後に
20℃の恒温槽に入れ変色状態観察した。
【0050】その結果、徐々に変色を始め3時間後色変
化が止まった。冷凍庫に保管した試料を1ヶ月後取り出
し20℃の恒温槽に入れ、変色状態を観察した。結果、
1時間経過しても色変化が現れず、2時間経過した時点
で徐々に変色を始め5時間後色変化は止まったが、色は
初期の1/3程度であった。
【0051】<実施例2>実施例1と同様に作製した示
温剤材料の粉末を、約1%ポリビニルアルコール水溶液
約100部に分散させ、ここにレゾシノール約3部、尿
素約3部を溶解させた。ホルマリン約1部を加え、酢酸
で約PH5にし約40℃で約8時間加熱攪拌した。濾過
洗浄乾燥し、示温剤カプセルを作製した。
【0052】作製した示温剤カプセルを約100℃で加
熱して青色が無色となることを確認した後、約0℃に急
冷し、無色状態を保持した。約15℃放置すると徐々に
色が現れ約10時間後元の青色になった。また、約5℃
の温度条件下に10日放置したところ無色のままであっ
た。
【0053】<実施例3>実施例2で作製した示温剤カ
プセル約10部を、感光性アクリルである(「商品名」
日本化薬社製)約50部に分散させて、感光性塗料を作
製した。
【0054】作製した塗料を、ガラス板上に塗布し、感
光し、示温剤塗膜作製した。塗膜を約100℃で加熱し
たのち、約0℃に急冷し、無色化した。これを、約15
℃の温度条件下に放置すると徐々に色が現れ約10時間
後元の青色になった。約5℃の温度条件下に10日放置
したところ無色のままであった。
【0055】
【発明の効果】上記のように、本発明による示温剤カプ
セルおよび示温剤カプセル入り塗料は、温度によって確
実に着色状態の変化が現れるものである。即ち、示温材
料の成分が時間経過とともに分離したり、目的温度での
色変化がずれること(示温材料の色変化の温度あるいは
色変化の状態が時間経過および雰囲気(例えば、温度、
酸やアルカリ、ガス、水分)等の影響によって変動して
再現性が低下すること)が防止されたものである。
【0056】このような本発明による示温剤カプセルお
よび示温剤カプセル入り塗料から構成された示温部材
は、例えば青果物や生鮮食料品の温度管理材として特に
有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中 井 豊 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 内 藤 勝 之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 4J038 CG141 DA002 DA072 DA142 DA222 DB001 EA011 HA146 HA216 HA446 JA63 JC31 JC32 JC38 KA08 KA12 KA15 KA20 KA21 NA18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】結晶−非結晶または相分離−非相分離で着
    色状態が変化する示温材料中に無機酸化物粒子が分散さ
    れてなる固溶体と、この固溶体を被覆する樹脂被覆層と
    からなることを特徴とする、示温剤カプセル。
  2. 【請求項2】前記無機酸化物粒子が、その表面が疎水性
    のものであることを特徴とする、請求項1に記載の示温
    剤カプセル。
  3. 【請求項3】前記樹脂被覆層が、ゼラチン−ホルマリン
    樹脂、レゾシノール−ホルマリン、尿素−ホルマリン、
    レゾシノール−尿素−ホルマリン樹脂から選ばれたもの
    であることを特徴とする、請求項1または2に記載の示
    温剤カプセル。
  4. 【請求項4】前記固溶体の表面に無機酸化物粒子が付着
    していることを特徴する、請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の示温剤カプセル。
  5. 【請求項5】無機酸化物粒子が表面に付着している請求
    項4に記載の固溶体と、この固溶体を被覆する請求項3
    に記載の樹脂被覆層とからなることを特徴とする、請求
    項1または2に記載の示温剤カプセル。
  6. 【請求項6】前記請求項1〜5のいずれか1項に記載の
    示温剤カプセルがバインダー樹脂あるいは感光性材料に
    分散されてなることを特徴とする、示温剤カプセル入り
    塗料。
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