JP2002310237A - ねじり振動減衰器 - Google Patents
ねじり振動減衰器Info
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Abstract
シュー30を介して半径方向外向きに支持可能であり、
該滑りシュー30が、一方では少なくとも壁領域33に
案内されていて、他方ではコイルばね8の少なくとも1
つの巻条32を支持しており、滑りシュー30が、前記
巻条32の、少なくとも1つの半径方向外側の区分を少
なくとも部分的に取り囲むように把持する少なくとも1
つの領域を有しており、これによって、滑りシュー30
が、コイルばね8の長手方向で該コイルばね8に対して
位置固定されており、さらに、滑りシュー30とコイル
ばね8との間に結合部が設けられており、該結合部が、
コイルばね8に対する滑りシュー30の保持を、コイル
ばね8の長手方向軸線37に対して垂直な方向に行って
いるようにした。
Description
られるねじり振動減衰器であって、回動軸線を中心とし
て回動可能な少なくとも2つの部分が設けられており、
両部分が、少なくとも1つのコイルばねの作用に抗して
互いに相対的に回動運動可能であり、該コイルばねが、
円弧状に延びる収容部内に案内されており、該収容部
が、両部分の少なくとも一方の領域によって形成されて
おり、さらに、収容部が、少なくとも1つの壁領域によ
って仕切られており、該壁領域が、コイルばねの少なく
とも半径方向外側の領域にわたって軸方向で係合してい
て、少なくともコイルばねの長さにわたって当該ねじり
振動減衰器の周方向に延びている形式のものに関する。
スフライホイール」の形のねじり振動減衰器は、たとえ
ばドイツ連邦共和国特許出願公開第4117582号明
細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4214655
号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第44145
84号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第442
0927号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開
第19522718号明細書によって公知である。
で述べた形式のねじり振動減衰器を改良して、ねじり振
動減衰器の減衰特性を最適化することである。特に本発
明によるねじり振動減衰器の構成特徴によって、ねじり
振動減衰器が特により廉価にかつ簡単に製作可能である
と共に組付け可能であることが保証されることが望まし
い。また、ねじり振動減衰器の回転数がより高い場合で
も、ねじり振動減衰器の、特にコイルばねの形のエネル
ギ蓄え器が、付与された機能を最適に果たすことができ
ることが保証されることが望ましい。
に本発明の構成では、冒頭に記載した形式のねじり振動
減衰器において、コイルばねが、少なくとも1つの滑り
シューを介して半径方向外向きに支持可能であり、該滑
りシューが、一方では少なくともばねを半径方向外側で
覆っている壁領域に案内されているかもしくは支持され
ていて、他方ではコイルばねの少なくとも1つの巻条を
支持しており、滑りシューが、前記巻条の、少なくとも
1つの半径方向外側の区分を少なくとも部分的に取り囲
むように把持する少なくとも1つの領域を有しており、
これによって、滑りシューが、コイルばねの長手方向で
該コイルばねに対して位置固定されており、さらに、滑
りシューとコイルばねとの間に結合部が設けられてお
り、該結合部が、コイルばねに対する滑りシューの保持
を、コイルばねの長手方向軸線に対して垂直な方向にも
行っているようにした。
り振動減衰器を形成することによって、少なくとも1つ
の滑りシューが、規定された位置をコイルばねに対して
有しているかもしくは維持していて、さらに、紛失に対
して安全にコイルばねに保持されていることが保証され
る。これによって、コイルばねと滑りシューとを、前組
付けされた構成ユニットとしてねじり振動減衰器の組付
けのために提供することも可能となる。したがって、相
応のコイルばねと、このコイルばねに設けたい滑りシュ
ーとは、すでにばね製造元で前組付けされてよい。
該滑りシューの、コイルばねの1つの巻条を取り囲むよ
うに把持する領域を介して行われており、該領域が、前
記巻条を形成する線材を取り囲むように把持してして、
線材もしくは相応の巻条との摩擦接続的なかつ/または
形状接続的な結合部を有していると有利であり得る。有
利には、この結合部をスナップ結合部として形成するこ
とができるので、シューを、対応するコイルばねにクリ
ップ式に被せ嵌めることができる。
との間に存在する保持によって、滑りシューに対する少
なくとも1つの巻条の、少なくとも角度に関する僅かな
旋回運動が可能となるように、滑りシューとコイルばね
との間の保持もしくは結合の構造が形成されていると有
利である。これによって、滑りシューの回動もしくは旋
回を生ぜしめる恐れのある応力が滑りシューに加えられ
ることなしに、相応のコイルばねの圧縮時に巻条を働か
せることができるかもしくは変形させることができるこ
とが保証される。
度が、2〜10゜のオーダ内にあると有利である。しか
し、この旋回角度は、滑りシューの領域に存在する巻条
のピッチに関連してより小さく寸法設定されてもよい
し、より大きく寸法設定されてもよい。
し分のない案内および本発明による滑りシューの保持を
保証するためには、少なくとも1つの滑りシューの、コ
イルばねの支持のために設けられた少なくとも1つの巻
条を取り囲むように把持する領域が、前記巻条を形成す
る線材をその横断面に関してだけでなくその長手方向延
在長さにわたっても取り囲むように把持していると特に
有利であり得る。
の長手方向で見て、ばね線材に対して全く遊びを有して
いないかまたは僅かな遊びしか有しておらず、前記領域
の中間の区分の側方で延びる区分は、中間の領域からの
距離の増加に伴って、ばね線材に対して増加した遊びを
有することができる。
有しており、該付設部が、傘状に形成されていてよく、
ばねに対する相応の滑りシューの位置決めもしくは保持
を保証する領域から出発してばねの長手方向に延びてい
ると有利であり得る。滑りシューが、ばねに対する滑り
シューの位置決めを保証する領域の両側に相応の付設部
を有していると有利であり得る。この場合、付設部が、
ばねの長手方向で見て、滑りシューの、1つのばね巻条
を取り囲むように把持する領域からの距離の増加に伴っ
て先細りになる横断面を有している有利であり得る。こ
の横断面が、楔状に形成されていると有利であり得る。
このような形式で付設部を形成することによって、相応
のコイルばねの遠心力負荷時にも、これによって生ぜし
められるコイルばねの変形時にも、少なくとも駆動する
機関の比較的高い回転数にまで、付設部によって覆われ
たばね巻条と、付設部との間に摩擦接触が生ぜしめられ
ないことが保証される。
の保持を保証する領域が、滑りシューと一体に形成され
ていると有利であり得る。滑りシューは、たとえばプラ
スチックから、たとえば射出成形によって製作すること
ができる。しかし、1つのコイルばねに対する滑りシュ
ーの位置固定を保証する領域が、少なくとも部分的に別
個の構成部分によって形成されており、該構成部分と滑
りシューの基体とが、結合部を有していると有利であり
得る。この結合部は、たとえばクリップ結合部もしくは
スナップ結合部として形成することができる。しかし、
保持を保証する領域は滑りシューのベース材料内に射出
成形されてもよい。このことは、特にプラスチックの使
用時に簡単に実現可能である。結合部もしくは保持領域
を形成する構成部分は、少なくとも横断面でU字形に形
成された領域を有することができる。この領域は2つの
側方脚部を形成しており、両側方脚部はその間に相応の
ばね巻条を収容している。前述した別個の構成部分は、
ばね鋼から製作されていてもよいし、適宜な特性を有す
るプラスチックから製作されていてもよい。
円弧状にまたはU字形に延びる横断面を有していると有
利であり得る。この場合、滑りシューが、コイルばねの
ばね巻条を少なくとも90゜の角度にわたって取り囲む
ように形成されていると有利であり得る。滑りシュー
が、ばね巻条の周方向に少なくとも180゜の角度延在
長さを有していても有利であり得る。滑りシューが、1
80゜よりも大きな角度にわたって少なくとも1つのば
ね巻条を取り囲むように延びる内側の面を仕切るように
形成されても有利であり得る。これによって、相応のコ
イルばねの長手方向軸線に対して垂直方向で有効となる
形状接続的な結合部が形成可能となる。すなわち、この
ような形式で滑りシューを形成する場合には、滑りシュ
ーは、形状接続的な結合部が滑りシューとコイルばねと
の間に存在するようにコイルばねを取り囲むように把持
している。
と相俟って使用することができる。この圧縮コイルばね
は大きな長さ/巻条外径比率を有している。この長さ/
巻条外径比率は5〜20のオーダ内にあってよい。この
ような形式のばねでは、有利には、このばねに複数の滑
りシューを設けることができる。1つのばねの長さにわ
たる滑りシューの分配は、有利には、少なくとも巻条の
区分の密着時に滑りシューが互いに接触しないように行
われ得る。このようなばねの終端区分に設けられる滑り
シューは、有利には、滑りシューによって発生させられ
る摩擦が変形に抵抗することなしに、幾つかのばね巻条
が自由に変形可能となるようにばね端部に対してずらさ
れている。
のさらなる利点、構造上の特徴および機能的な特性は、
図面に基づく種々異なる以下の実施例の説明から得られ
る。
面につき詳しく説明する。
は、分割されたフライホイール1を形成している。この
フライホイール1は、内燃機関の出力軸(図示せず)に
固定可能な第1のはずみ質量体2または一次はずみ質量
体と、第2のはずみ質量体3または二次はずみ質量体と
を有している。この第2のはずみ質量体3には摩擦クラ
ッチが、クラッチディスクを介在させて固定可能であ
る。このクラッチディスクを介して伝動装置の入力軸
(図示せず)が連結・遮断可能となる。両はずみ質量体
2,3は支承手段4を介して互いに回動可能に支承され
ている。この支承手段4は、図示の実施例では、内燃機
関の出力軸への第1のはずみ質量体2の組付けに用いら
れる固定ねじを貫通させるための孔5の外側に半径方向
で配置されている。両はずみ質量体2,3の間では減衰
装置6が有効となる。この減衰装置6は複数のエネルギ
蓄え器7を有している。これらのエネルギ蓄え器7のう
ちの少なくとも1つは圧縮コイルばね8,9によって形
成されている。圧縮コイルばね9は、ばね8の巻条によ
って形成された室内に少なくとも部分的に収容されてい
るかまたは言い換えるならば、両コイルばね8,9はそ
の長手方向延在長さにわたって考慮されて互いに内外に
組み込まれている。ばね9が、ねじり振動減衰器の周方
向で見て、外側のばね8に比べて短く、たとえば15゜
〜60゜のオーダ内、有利には30゜〜50゜の範囲内
に寸法設定されていると有利であり得る。ただし、差長
さもしくは差角度はより大きく寸法設定されていてもよ
いし、より小さく寸法設定されていてもよい。
のための負荷領域14,15;16を有している。図示
の実施例では、負荷領域14,15は、第1のはずみ質
量体2を成す薄板部分17,18に加工成形されたエン
ボス加工部によって形成されている。軸方向で両負荷領
域14,15の間に設けられた負荷領域16は、たとえ
ばリベット19を介して二次はずみ質量体3に結合され
た少なくとも1つのフランジ状の負荷構成部分20によ
って形成されている。この構成部分20はエネルギ蓄え
器7とはずみ質量体3との間のトルク伝達エレメントと
して働く。負荷領域16は、フランジ状の負荷手段20
の外周に設けられた半径方向のアームもしくはブラケッ
ト16によって形成されている。薄板材料の冷間変形加
工によって製作された構成部分17は、第1のはずみ質
量体2もしくは分割されたフライホイール1全体を内燃
機関の出力軸に固定するために役立つ。構成部分17
は、同じく薄板から製作された構成部分18に半径方向
外側で結合されている。両構成部分17,18は環状の
室21を形成している。この室21は、ここでは、トー
ラス状の領域22を形成している。環状の室21もしく
はトーラス状の領域22は粘性の媒体、たとえばグリー
スで少なくとも部分的に充填されていてよい。周方向で
見て、両一体成形部もしくは両負荷領域14,15の間
には、構成部分17,18が湾曲部23,24を形成し
ている。この湾曲部23,24はトーラス状の領域22
を仕切っていて、エネルギ蓄え器7のための収容部を形
成している。少なくとも装置1が回転する場合には、少
なくともばね8の巻条が、構成部分17および/または
構成部分18の、トーラス状の領域22を半径方向外側
で仕切る領域に支持されている。図1に示した実施例で
は、硬化させられた少なくとも1つの薄板介在体もしく
は薄板挿入体によって形成された摩耗防護体25が設け
られている。この摩耗防護体25には、少なくともばね
8が半径方向で支持されている。摩耗防護体25は、弛
緩されたエネルギ蓄え器7の少なくとも全長もしくは全
角度延在長さにわたって周方向に有利な形式で延びてい
る。少なくともばね8の巻条の、遠心力による支持に基
づき、ばね8の巻条と、この巻条に摩擦係合された構成
部分との間には、回転数に関連した摩擦減衰が、エネル
ギ蓄え器7もしくはコイルばね8の長さ変化時もしくは
圧縮時に生ぜしめられる。
もしくはハブ26を半径方向内側に支持している。この
中間部分もしくはハブ26は玉軸受け4の内側の軸受け
レースを収容しているかもしくは支持している。玉軸受
け4の外側の軸受けレースははずみ質量体3を支持して
いる。
摩耗防護体25との間に生ぜしめられる前記摩擦に基づ
き、特に機関回転数が高い場合には、エネルギ蓄え器7
もしくは圧縮コイルばね8および/または圧縮コイルば
ね9の僅かなもしくは不十分な弛緩しか生ぜしめられな
い。これによって、ねじり振動減衰器の減衰特性が低下
させられる。これによって、特に自動車の運転時に負荷
交番(トラクション運転;Zug/エンジンブレーキ運
転;Schub)が生ぜしめられる場合には、煩わしい
騒音が生ぜしめられ得る。なぜならば、この場合、エネ
ルギ蓄え器7が比較的硬いストッパとして働き、エネル
ギ蓄え器7のばね巻条が、少なくとも部分的に緊縮され
た状態を前記摩擦に基づき維持し、したがって、高いば
ね強さを生ぜしめるからである。
ネルギ蓄え器7もしくは少なくともコイルばね8の少な
くとも著しく大きな弛緩を機関回転数がより高い場合で
も保証するためには、特に図2から明らかであるよう
に、滑りシュー30が使用される。この滑りシュー30
は、それぞれ圧縮コイルばね8の1つの巻条32の半径
方向外側の区分31に差し被せられている。滑りシュー
30は、ねじり振動減衰器1の回転時にコイルばね8
(場合によっては図1に示したコイルばね9)に作用す
る遠心力によって半径方向外向きに負荷され、コイルば
ね8を少なくとも半径方向外側で取り囲む壁33に支持
されている。図2に示した実施例では、滑りシュー30
は壁33に直接支持されている。しかし、有利には、こ
の壁33と滑りシュー30との間に中間層を設けること
ができる。この中間層は、有利には、滑りシュー30
と、この滑りシュー30を支持する面との間の回動抵抗
をさらに最小限に抑えるために、高い耐摩耗性および/
または良好な滑り特性を有している。前記回動抵抗を減
少させるためには、図1に関して説明したように、潤滑
部を設けることができる。さらに、潤滑膜の構造を改善
するために、摩擦接触させられる少なくとも一方の面
が、少なくとも1つの微細な表面構造化部を有している
と有利であり得る。この表面構造化部は、摩擦シュー3
0と、この摩擦シュー30を支持する面34との間での
潤滑媒体、特にグリースの維持をも助成している。この
維持は、たとえば互いに協働する滑り面もしくは支持面
の少なくとも一方に、ある程度のむらもしくは粗さが設
けられていることによって獲得することができる。有利
には、互いに協働する滑り面もしくは支持面の少なくと
も一方が、たとえば滑り軸受けの事例のように、被覆部
を有していてもよい。このような形式の滑り面は、たと
えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、グラフ
ァイト(黒鉛)または銅を有することができる。
から成っていてよい。これによって、滑りシュー30は
簡単に、つまり射出成形によって製作可能となる。
うに、滑りシュー30は領域35,36を有している。
この領域35,36は半径方向内向きに張り出してい
て、ここでは、突起状のもしくはフック状の領域35,
36によって形成されている。突起35,36は、それ
ぞれコイルばね巻条32の半径方向外側の区分31を取
り囲むように把持している。これによって形成された、
滑りシュー30と、対応した巻条32との間の形状接続
(Formschluss)は、ばね8の長手方向での
滑りシュー30の位置決めもしくは位置規定を少なくと
も保証している。
あるように、領域もしくは突起35,36の特殊な構成
によって、滑りシュー30と、対応したばね巻条32と
の間の有利には形状接続的(formschluess
ig)な結合が半径方向でも保証される。これにより形
成された、ばね9の長手方向軸線37に対して垂直な方
向での、対応した巻条32に対する滑りシュー30の保
持によって、有利には、相応のばね8への滑りシュー3
0の前組付けが可能となる。これによって、ねじり振動
減衰器1の組付けが著しく簡単となる。有利には、滑り
シュー30を備えたコイルばね8は湾曲させられて形成
されている。これによって、このコイルばね8の組付け
が容易となる。
相俟って使用されるコイルばね8は、すでに説明したよ
うに、有利には縦長に形成されている、すなわち、大き
なばね長さ/巻条外径比率を有している。このばね長さ
/巻条外径比率は5〜20の間のオーダ内にあってよ
い。
のばね8が、ここでは両はずみ質量体2,3によって形
成されているねじり振動減衰器1の入力部分と出力部分
との間の相対回動を制限するように行われる。このため
には、半径方向内側に位置する巻条区分38が密着する
ように、すなわち、図3に示したように、互いに直接接
触するように、コイルばね8が密着負荷されると有利で
ある。さらに、滑りシュー30の保持領域35,36の
圧潰もしくは損傷を回避するために、ばね8の湾曲させ
られた配置によって、コイルばね8のばね巻条の半径方
向外側の区分39の領域に周方向で十分に自由室が存在
していることが保証される。この自由室は、ばね8を形
成するばね線材、巻条直径、少なくとも個々の巻条のピ
ッチおよびばねに規定される曲率半径の適宜な選択によ
って実現することができる。滑りシュー30を取り付け
る複数の巻条32が、これらの巻条32の間に設けられ
た巻条と異なる構造を有していると有利であり得る。し
たがって、たとえば前記巻条32は、隣り合って位置す
る巻条に比べて半径方向外向きに張り出していてよい。
このことは、たとえば巻条32の楕円形の構造によって
得ることができる。また、巻条32は、隣り合って位置
する巻条よりも大きな外径を有していてよい。
ように、領域35,36は、対応する巻条32に背後か
ら係合する区分40,41を形成するように成形されて
いる。領域35,36は、ある程度の弾性もしくはばね
弾性を有するように形成されているので、滑りシュー3
0は、相応に対応した巻条32にクリップ式に被せ嵌め
ることができる。すなわち、本発明によれば、滑りシュ
ー30と、対応した巻条32との間にスナップ結合部を
設けることができる。このスナップ結合部は、対応した
ばね8に対するシュー30の、紛失に対して安全な保持
を保証している。
5,36も有する領域42は、有利には、巻条32が滑
りシュー30に対して角度に関するある程度の自由度を
有するように形成されているので、巻条32はばね8の
圧縮時にかつ弛緩時に変形することができる。この場
合、これによって、滑りシュー30に旋回力もしくは回
動力が加えられることはない。これによって、滑りシュ
ー30が常に最適な位置決めひいては申し分のない機能
を維持していることが保証される。このために必要とな
る旋回角度は、主として、ばね巻条32のピッチ角度に
関連している。滑りシュー30とばね巻条32との間の
可能な旋回角度が2〜10゜のオーダ内にあると有利で
あり得る。しかし、この角度はより大きく寸法設定され
ていても有利であり得る。
に、滑りシュー30の、1つの巻条32を取り囲む領域
42は、巻条32を形成する線材43(図6参照)をそ
の横断面に関してだけでなくその長手方向延在長さにわ
たっても取り囲んで把持するように形成されている。図
示の実施例では、突起35,36は領域42の中間の区
分44の一部である。この中間の区分44の側方では領
域42が区分45を有している。この区分45は、図示
の実施例では、巻条32の両側に円弧状の突出部もしく
は張出し部46,47を形成している。この円弧状の突
出部46,47は、コイルばね8の長手方向軸線37に
関して、保持領域もしくは突起35,36よりも僅かな
半径方向の高さを有している。区分45もしくはこの区
分45を側方で仕切る突出部46,47は、中間の領域
44からの距離の増加に伴って、1つの巻条32を形成
するばね線材の遊びが増加するように形成されている。
この遊びに基づき、相応のばね巻条32は、対応した滑
りシュー30に対してばね弾性的に変形することができ
る、すなわち、これによって、旋回力が滑りシュー30
に導入されることなしにばね巻条32の角度ピッチを変
化させることができる。中間の領域44もしくはこの領
域44に対応配置された保持領域35,36は、ここに
収容されたばね区分31が僅かな遊びしか有していない
かまたは全く遊びを有していないように形成することが
できる。
滑りシュー30は、1つのばね巻条32を収容するかも
しくは支持する領域42の両側に、ばね8の長手方向に
延びる付設部もしくは突出部49を有している。この付
設部もしくは突出部49は、有利には、ばね巻条を特定
の角度の分だけ取り囲んでいる。付設部49は、図示の
実施例では、横断面において、領域42からの距離の増
加に伴って先細りになるように形成されている。図示の
実施例では、付設部もしくは突出部49は横断面で楔形
に形成されている。付設部もしくは突出部49の特殊な
構成によって、回転数がより高い場合でも、巻条32に
隣り合って位置する巻条が滑りシュー30に接触しない
ことが保証されるので、ばね8の圧縮および弛緩の間の
滑りシュー30に対する巻条の摩擦を実際に回避するこ
とができる。図2および図3から知ることができるよう
に、複数の滑りシュー30は、周方向で互いに接触する
ことなしにばね8の密着負荷を可能にするように形成さ
れていて、ばね8の長さにわたって配置されている(図
3参照)。互いに連続する2つのシュー30の間の間隔
は、有利には、ばね8の、互いに連続する2つのシュー
30の間に存在する部分領域が半径方向で十分に剛性的
であるように寸法設定されている。これによって、滑り
シュー30のための案内面34へのばね巻条の接触は、
少なくとも機関の大きな回転数範囲にわたって阻止され
る。しかし、それにもかかわらず、回転数がより高い
(たとえば4000rpmよりも大きい)場合には、こ
のような形式の接触が場合によっては生ぜしめられ得
る。しかも、この場合に生ぜしめられる、ばね8の相応
の巻条と案内面34との間の支持力は減少させられてい
る。
の終端領域に設けられた滑りシュー30は、相応のばね
端部に対してずらされているように配置されている。こ
れによって、たとえば2〜5の若干の巻条が、相応の支
持領域42に対して自由に張り出していることが保証さ
れる。したがって、これらの巻条は自由にばね弾性的で
あってよい。
シュー130が、コイルばね108の長手方向軸線の方
向に張り出した領域142を有している。この領域14
2は円弧状の構造を有することができる。張り出した領
域142は、コイルばね108の、互いに隣り合って位
置する2つの巻条132aの間に係合している。これに
よって、滑りシュー130はばね108の長手方向でこ
のばね108に対して位置決めされている。領域142
は、ばね108の長手方向軸線に対して垂直な方向への
滑りシュー130の位置固定も保証するように形成され
ている。このためには、図示の実施例では、領域142
が区分135,136を有している。この区分135,
136は、それぞれ互いに隣り合って位置する巻条13
2aに背後から係合している。すなわち、区分135,
136は領域142の拡幅部を形成している。この拡幅
部は、ばね108の長手方向で考慮された延在長さを有
している。この延在長さは、ばね108の弛緩された状
態での両巻条132aの間の間隔よりも大きく寸法設定
されている。これによって、ばね108と摩擦シュー1
30との間に形状接続的な結合部が形成される。コイル
ばね108に対する滑りシュー130の保持を保証する
区分135,136は、図4〜図6に示した突起35,
36に関して説明した実施例と同様に、セグメント状の
もしくは円弧状の一体成形部142の中間の領域にしか
設けることができない。
た、互いに隣り合って位置する巻条132aの間で延び
る領域142は、有利には、旋回力がシュー130に導
入されることなしに巻条132aの変形が行われ得るよ
うに形成されている。このためには、たとえば突出した
領域142の、ばね108の長手方向で考慮された幅も
しくは延在長さが、区分135,136からの距離の増
加に伴ってより小さく寸法設定され得る。
は、この滑りシュー30,130と、対応するコイルば
ね8,108との固定を保証する領域が滑りシュー3
0,130に一体に形成されている。
は、ばね208に対する滑りシュー230の位置固定を
保証する中間部もしくは領域が別個の構成部分242に
よって形成されている。図示の実施例では、この構成部
分242は横断面でU字形に形成されていて、2つの脚
部235,236を有している。両脚部235,236
は、図4〜図6に示した突起35,36に類似の形式で
1つの巻条232の一区分を収容しているかもしくは取
り囲むように把持している。構成部分242はばね鋼か
ら成っていてもよいし、適宜なプラスチックから成って
いてもよい。U字形に形成された構成部分242は、滑
りシュー230の基体230aの横方向ウェブ230b
にクリップ式に被せ嵌められている。このウェブ230
bを形成するためには、基体230aに適宜な切欠き、
たとえばスリットが設けられている。図9から明らかで
あるように、構成部分242は、基体230aに対する
構成部分242の保持が保証されているように、この構
成部分242と協働する基体230aの輪郭に関して調
和されている。このためには、両構成部分242,23
0aの間にスナップ結合部が存在するように両構成部分
242,230aが形成されている。別の構成(図示せ
ず)によれば、ばね弾性的な領域235,236を装備
した構成部分242を、滑りシュー230の、プラスチ
ックから製作された基体230a内に射出成形すること
も有利であり得る。
には、いわゆる「ダブルマスフライホイール」と相俟っ
て使用することができる。このダブルマスフライホイー
ルは、たとえばドイツ連邦共和国特許出願公開第411
7582号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第4
214655号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願公開
第4414584号明細書、ドイツ連邦共和国特許出願
公開第4420927号明細書およびドイツ連邦共和国
特許出願公開第19522718号明細書によって公知
である。しかし、基本的には、本発明は、コイルばねを
有する任意のあらゆるねじり振動減衰器、たとえばクラ
ッチディスクまたはベルトプーリダンパと共に使用する
こともできる。
1つのコイルばねを有する、たとえばドイツ連邦共和国
特許出願公開第4229416号明細書、ドイツ連邦共
和国特許出願公開第4406826号明細書、ドイツ連
邦共和国特許出願公開第19603248号明細書、ド
イツ連邦共和国特許出願公開第19648342号明細
書、ドイツ連邦共和国特許出願公開第19909044
号明細書およびドイツ連邦共和国特許出願公開第199
12970号明細書によって提案されたエネルギ蓄え器
を使用することができる。
ではない。それどころか、本発明の枠内で多数の変化実
施例が可能となる。
減衰装置の断面図である。
コイルばねの配置形式を示す図である。
す図である。
とができる滑りシューの構成を示す第1の図である。
とができる滑りシューの構成を示す第2の図である。
とができる滑りシューの構成を示す第3の図である。
す第1の図である。
す第2の図である。
み質量体、 4 支承手段、 5 孔、 6 減衰装
置、 7 エネルギ蓄え器、 8 ばね、 9ばね、
14 負荷領域、 15 負荷領域、 16 負荷領
域、 17 薄板部分、 18 薄板部分、 19 リ
ベット、 20 負荷構成部分、 21室、 22 領
域、 23 湾曲部、 24 湾曲部、 25 摩耗防
護体、26 ハブ、 30 滑りシュー、 31 区
分、 32 巻条、 33 壁、34 面、 35 領
域、 36 領域、 37 長手方向軸線、 38 巻
条区分、 39 区分、 40 区分、 41 区分、
42 領域、 43線材、 44 区分、 45 区
分、 46 突出部、 47 突出部、 49付設部、
108 ばね、 130 滑りシュー、 132a
巻条、 135 区分、 136 区分、 142 領
域、 208 ばね、 230 滑りシュー、 230
a 基体、 230b 横方向ウェブ、 232 巻
条、 235 脚部、 236 脚部、 242 構成
部分
Claims (19)
- 【請求項1】 特に自動車に用いられるねじり振動減衰
器であって、回動軸線を中心として回動可能な少なくと
も2つの部分が設けられており、両部分が、少なくとも
1つのコイルばねの作用に抗して互いに相対的に回動運
動可能であり、該コイルばねが、円弧状に延びる収容部
内に案内されており、該収容部が、両部分の少なくとも
一方の領域によって形成されており、さらに、収容部
が、少なくとも1つの壁領域によって仕切られており、
該壁領域が、コイルばねの少なくとも半径方向外側の領
域にわたって軸方向で係合していて、少なくともコイル
ばねの長さにわたって当該ねじり振動減衰器の周方向に
延びている形式のものにおいて、コイルばねが、少なく
とも1つの滑りシューを介して半径方向外向きに支持可
能であり、該滑りシューが、一方では少なくとも壁領域
に案内されていて、他方ではコイルばねの少なくとも1
つの巻条を支持しており、滑りシューが、前記巻条の、
少なくとも1つの半径方向外側の区分を少なくとも部分
的に取り囲むように把持する少なくとも1つの領域を有
しており、これによって、滑りシューが、コイルばねの
長手方向で該コイルばねに対して位置固定されており、
さらに、滑りシューとコイルばねとの間に結合部が設け
られており、該結合部が、コイルばねに対する滑りシュ
ーの保持を、コイルばねの長手方向軸線に対して垂直な
方向に行っていることを特徴とする、ねじり振動減衰
器。 - 【請求項2】 コイルばねに対する滑りシューの保持
が、該滑りシューの、コイルばねの1つの巻条を取り囲
むように把持する領域を介して行われており、該領域
が、前記巻条を形成する線材を取り囲むように把持して
して、前記巻条との摩擦接続的なかつ/または形状接続
的な結合部を有している、請求項1記載のねじり振動減
衰器。 - 【請求項3】 ばね巻条に対する滑りシューの半径方向
の保持が、スナップ結合部を介して行われている、請求
項1または2記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項4】 滑りシューと、対応するばね巻条との間
に存在する保持によって、滑りシューに対する前記巻条
の、少なくとも角度に関する僅かな旋回運動が可能であ
る、請求項1から3までのいずれか1項記載のねじり振
動減衰器。 - 【請求項5】 前記旋回運動が、2〜10゜のオーダ内
にある、請求項4記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項6】 滑りシューの、前記巻条を取り囲むよう
に把持する領域が、前記巻条を形成する線材をその横断
面に関してだけでなくその長手方向延在長さにわたって
も取り囲むように把持しており、前記領域の中間の区分
が、ばねの長手方向で見て、線材に対して全く遊びを有
していないかまたは僅かな遊びしか有しておらず、前記
領域の中間の区分の側方で延びる区分が、中間の区分か
らの距離の増加に伴って、前記巻条を形成する線材に対
して増加した遊びを有している、請求項1から5までの
いずれか1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項7】 滑りシューが、少なくとも1つの付設部
を有しており、該付設部が、ばねの長手方向に延びてい
て、滑りシューの、1つのばね巻条を取り囲むように把
持する領域から出発している、請求項1から6までのい
ずれか1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項8】 滑りシューが、1つのばね巻条を取り囲
むように把持する領域の両側に、ばねの長手方向に延び
る付設部を有している、請求項1から7までのいずれか
1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項9】 付設部が、ばねの長手方向で見て、滑り
シューの、ばね巻条を取り囲むように把持する領域から
の距離の増加に伴って先細りになる横断面を有してい
る、請求項7または8記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項10】 付設部が、楔状に形成されている横断
面を有している、請求項7から9までのいずれか1項記
載のねじり振動減衰器。 - 【請求項11】 滑りシューの、1つのばね巻条を取り
囲むように把持する領域が、滑りシューと一体に形成さ
れている、請求項1から10までのいずれか1項記載の
ねじり振動減衰器。 - 【請求項12】 滑りシューの、1つのばね巻条を取り
囲むように把持する領域が、少なくとも部分的に別個の
構成部分によって形成されており、該構成部分が、滑り
シューに結合されている、請求項1から10までのいず
れか1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項13】 前記構成部分が、U字形の横断面を有
しており、これによって形成された側方脚部が、互いの
間に1つのばね巻条を収容している、請求項12記載の
ねじり振動減衰器。 - 【請求項14】 前記構成部分が、ばね鋼から成ってい
て、対応するばね巻条と協働してスナップ結合部を形成
するように構成されている、請求項12または13記載
のねじり振動減衰器。 - 【請求項15】 滑りシューが、ばね巻条の周方向で見
て、円弧状にまたはU字形に延びる横断面を有してい
る、請求項1から14までのいずれか1項記載のねじり
振動減衰器。 - 【請求項16】 滑りシューが、少なくとも90゜の角
度にわたってばね巻条を取り囲んでいる、請求項1から
15までのいずれか1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項17】 滑りシューが、ばね巻条の周方向に少
なくとも180゜の角度延在長さを有している、請求項
1から16までのいずれか1項記載のねじり振動減衰
器。 - 【請求項18】 コイルばねが、少なくとも90゜にわ
たって当該ねじり振動減衰器の周方向に延びていて、少
なくとも2つの滑りシューを支持している、請求項1か
ら17までのいずれか1項記載のねじり振動減衰器。 - 【請求項19】 当該ねじり振動減衰器が、分割された
フライホイールを形成しており、一次フライホイール
が、機関の出力軸に結合可能であり、二次フライホイー
ルが、伝動装置の入力軸に結合可能であり、少なくとも
一方のフライホイールの領域が、環状の室を仕切ってお
り、該室内に、全周にわたって分配された少なくとも2
つのコイルばねが収容されている、請求項1から18ま
でのいずれか1項記載のねじり振動減衰器。
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