JP2002309497A - サイズ剤分散液 - Google Patents

サイズ剤分散液

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JP2002309497A
JP2002309497A JP2001115741A JP2001115741A JP2002309497A JP 2002309497 A JP2002309497 A JP 2002309497A JP 2001115741 A JP2001115741 A JP 2001115741A JP 2001115741 A JP2001115741 A JP 2001115741A JP 2002309497 A JP2002309497 A JP 2002309497A
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polymer emulsifier
compound
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Kazuki Nagao
和樹 永尾
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Japan PMC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙、板紙等に対するサイズ効
果、及び耐水性に優れ、紙力の低下が少なく、またサイ
ズ剤自体の分散安定性が良好なβ-ケトアミド系サイズ
剤分散液を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1)で表される
2−オキセタノン化合物と一分子中に一級及び二級アミ
ノ基の少なくとも1種を1個〜10個を有する少なくと
も1種のポリアミン化合物を反応させて得られるβ-ケ
トアミド化合物と高分子乳化剤とからなることを特徴と
するサイズ剤分散液。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイズ剤分散液に
関し、さらに詳しくは、紙、及び板紙のサイジング剤あ
るいは改質木材、無機系建築材料の耐水化剤として利用
される2−オキセタノン化合物とポリアミン化合物とを
反応させたβ-ケトアミド化合物と高分子乳化剤とから
なり、紙及び板紙に対してのサイズ効果及び改質木材、
無機系建築材料の耐水性、並びにサイズ剤自体の分散安
定性に優れたサイズ剤分散液に関する。
【0002】
【従来の技術】紙、及び板紙へのサイズ性、耐水性、防
水性の付与、および改質木材、無機系建築材料等への耐
水性、防水性の付与のために、疎水性アミド系サイズ剤
が使用されている。具体的には、印画紙のエッジからの
現像液の浸透を抑える、またパーティクルボード、ハー
ドボード、インシュレーションボード、ロックウールボ
ードの耐水性向上のために疎水性アミド系サイズ剤が使
用されている。
【0003】疎水性アミド系サイズ剤としては、特公昭
38―20601号公報、特公昭39−4507号公報
に記載されている高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミ
ンを反応させた脂肪酸アミド系サイズ剤、特開昭59―
59998号公報、特開平2―139493号公報に記
載されている2−オキセタノンとポリアルキレンポリア
ミンを反応させたβ-ケトアミド系サイズ剤が知られて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特公昭38―
20601号公報、特公昭39−4507号公報の脂肪
酸アミド系サイズ剤は紙に対してのサイズ効果、及び耐
水性が不十分であり、また紙、板紙に使用した場合に紙
力を大きく低下させるという欠点がある。
【0005】また特開昭59―59998号公報、特開
平2―139493号公報に記載のβ-ケトアミド系サ
イズ剤も紙に対してのサイズ効果、及び耐水性が不十分
であり、また紙、板紙に使用した場合に紙力を低下さ
せ、さらに、サイズ剤自体の分散安定性も不十分であ
り、実用上問題がある。
【0006】そこで、本発明の目的は、紙及び板紙に対
するサイズ効果、及び改質木材、無機系建築材料等に対
する耐水性が優れ、紙力の低下が少なく、またサイズ剤
自体の分散安定性が良好なβ-ケトアミド系サイズ剤分
散液を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、2-オキセタノン化
合物とポリアミン化合物を反応させたβ-ケトアミド化
合物を高分子乳化剤で分散したサイズ剤が上記課題を解
決できることを見出し、本発明をするに至った。すなわ
ち、本発明は、下記の一般式
【0008】
【化2】 但し、一般式(1)中R及びRは、8〜30個の炭
素原子を有する飽和、または不飽和炭化水素基を表し、
1およびR2は同一であっても相違していても良い。)
で表される少なくとも1種の炭化水素置換2-オキセタ
ノン化合物と、1分子中に1級及び2級アミノ基の少な
くとも1種を1〜10個有する少なくとも1種のポリア
ミン化合物とを反応させて得られる化合物を高分子乳化
剤で分散したサイズ剤分散液であり、前記高分子乳化剤
は,アクリルアミド系高分子乳化剤、スチレン系高分子
乳化剤、及びアクリルエステル系高分子乳化剤から選択
される少なくとも一種である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のサイズ剤分散液の合成に
使用される2-オキセタノン化合物は公知の各種の2-オ
キセタノン化合物がいずれも使用できる。上記一般式
(1)中のR 及びRはそれぞれ飽和又は不飽和の炭
化水素基を示し、例えばデシル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、及びエイコシル基等
のアルキル基、テトラデセニル、ヘキサデセニル、及び
オクタデセニル基等のアルケニル基、オクチルフェニ
ル、及びノニルフェニル基等のアルキル置換フェニル
基、ノニルシクロヘキシル基等のアルキル置換シクロア
ルキル基、並びにフェニルエチル基等のアラルキル基等
を例示でき、これらのうちアルキル基、及びアルケニル
基が好ましい。また、R及びRは同一であっても良
いし、それぞれ異なっていてもよい。2−オキセタノン
の製造方法については特に限定されないが、通常、対応
するカルボン酸を三塩化リン、ホスゲン等でカルボン酸
クロライドに変換し、さらにこのカルボン酸クロライド
をトリエチルアミン等の三級アミンと反応させて製造さ
れる。
【0010】また、本発明におけるポリアミン化合物
は、1分子中に1〜10個の1級及び2級アミノ基の少
なくとも1種を含む。
【0011】このようなポリアミン化合物の少なくとも
1個の活性水素を有するアミノ基が2−オキセタノン化
合物と付加反応し、β−ケトアミド化合物を生じる。
【0012】1分子当りのアミノ基の数が10個を超え
るポリアミン化合物を用いた場合には、得られるβ−ケ
トアミド化合物の粘性が高く、乳化性が劣るという不都
合が生じるので好ましくない。
【0013】本発明のサイズ剤に使用するポリアミン化
合物を例示するならば、ジメチルアミノエチルアミン、
ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノエチル
アミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミ
ノプロピルアミン、エチルアミノエチルアミン、1,2
−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,
4−ジアミノブタン、メチルアミノプロピルアミン、ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプ
ロピレントリアミン、トリプロピレンテトラミン、2−
ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、ビス−(3−
アミノプロピル)−エーテル、ジメチルアミノエトキシ
プロピルアミン、1,2−ビス−(3−アミノプロポキ
シ)−エタン、1,3−ビス−(3−アミノプロポキ
シ)−2,2−ジメチルプロパン、α、ω−ビス−(3
−アミノプロポキシ)−ポリエチレングリコールエーテ
ル、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロ
ピルアミン、ラウリルアミノプロピルアミン、ジエタノ
ールアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペリジ
ン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエ
チルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−
アミノプロピル―2−ピペコリン、N−アミノプロピル
−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、及
び二個以上の1級又は2級アミノ基を有するアミンを部
分的に脂肪酸等のカルボン酸でアミド化したアミンなど
がある。これらのポリアミン化合物は1種単独で用いて
も良いし、あるいは、2種以上を併用して使用してもよ
い。
【0014】2−オキセタノン化合物とポリアミン化合
物との反応比は特に限定するものではないが、生成した
ケトアミド化合物は当然少なくとも1分子の2−オキセ
タノンが反応している必要がある。前記反応比は通常、
2−オキセタノン1molに対してポリアミン化合物に
おける一級アミノ、二級アミノ基の総アミノ基量が1〜
5mol、好ましくは1〜2molである。
【0015】2−オキセタノン化合物とポリアミン化合
物との反応は、30〜150℃、好ましくは50〜12
0℃で両成分を混合することにより行われる。反応時間
は0.5〜5時間、中でも0.5〜2時間が好ましい。
混合方法に制限はなく、通常はポリアミン化合物に2−
オキセタノン化合物を徐々に添加し反応をスムースに進
行させるのが好ましい。
【0016】本発明のサイズ剤分散液を構成する高分子
乳化剤としては公知のものが使用できる。その中でもア
クリルアミド系高分子乳化剤、スチレン系高分子乳化
剤、アクリルエステル系高分子乳化剤を使用することが
好ましい。アクリルアミド系高分子乳化剤は最大成分と
して(メタ)アクリルアミド系モノマーを重合した高分
子乳化剤のことであり、カチオン性、アニオン性、又は
両性の(メタ)アクリルアミド系共重合体、及び(メ
タ)アクリルアミド/(メタ)アクリル酸(塩)系共重
合物を挙げることができる。スチレン系高分子乳化剤は
最大成分としてスチレン系モノマーを重合した高分子乳
化剤のことであり、スチレン−(メタ)アクリル系共重
合体(塩)、スチレン-(無水)マレイン酸共重合体
(塩)、カチオン性、アニオン性、又は両性のスチレン
系共重合体等を挙げることができる。アクリルエステル
系高分子乳化剤は最大成分としてアクリルエステル系モ
ノマーを重合した高分子乳化剤のことであり、(メタ)
アクリルエステル−アクリル酸系共重合体(塩)、(メ
タ)アクリルエステル−スチレン系共重合体、及びカチ
オン性、アニオン性、又は両性の(メタ)アクリルエス
テル系共重合体等を挙げることができる。尚、ここで最
大成分とは、他の成分に比べて最も多く含まれる成分の
ことである。
【0017】上記高分子乳化剤として、特公平2−53
555号公報、特許2816845号公報、特開昭60
−258244号公報、特開昭60−258245号公
報、特開昭63−120198号公報、特開平1−17
1628号公報、特開平1−229897号公報、特開
平1−203031号公報に記載されているものも使用
できる。
【0018】上記の高分子乳化剤は単独でも2種以上を
併用しても差し支えない。また、低分子の乳化剤を併用
してもよい。上記の高分子乳化剤の使用量はβ−ケトア
ミド化合物100重量部に対して3〜100重量部、好
ましくは5〜30重量部である。
【0019】本発明のサイズ剤分散液は、従来公知の方
法により製造することができる。例えばβ−ケトアミド
化合物を溶融させて、β−ケトアミド化合物と高分子乳
化剤さらには必要に応じて低分子の乳化剤とを水性溶媒
中に混合し、ホモミキサー、高圧吐出型ホモジナイザ
ー、高剪断型回転式乳化分散機、超音波乳化機等の各種
公知の乳化機で均一に分散させることによって得られ
る。
【0020】上記サイズ剤分散液を製紙用サイズ剤とし
て用いて得られる紙としては、特に制限されないが、各
種の紙、及び板紙が挙げられる。紙の種類としては、P
PC用紙、インクジェット印刷用紙、レーザープリンタ
ー用紙、フォーム用紙、熱転写紙、感熱記録原紙、感圧
記録原紙等の記録用紙、印画紙及びその原紙、アート
紙、キャストコート紙、上質コート紙等のコート原紙、
クラフト紙、純白ロール紙等の包装用紙、その他ノート
用紙、書籍用紙、各種印刷用紙、新聞用紙等の各種紙
(洋紙)、マニラボール、白ボール、チップボール等の
紙器用板紙、ライナー、石膏ボード原紙等の板紙が挙げ
られる。紙以外には改質木材、無機系建築材料が挙げら
れ、例えばパーティクルボード、ハードボード、インシ
ュレーションボード、ロックウールボード等を挙げるこ
とができる。
【0021】紙あるいは板紙を製造するに当たって、パ
ルプ原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイ
トパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パル
プ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの
晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段
ボール古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれ
も使用することができる。また、上記パルプ原料と岩
綿、石綿、あるいはポリアミド、ポリイミド、ポリエス
テル、ポリオレフィン、及びポリビニルアルコール等の
合成繊維との混合物も使用することができる。
【0022】填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向
上剤、歩留り向上剤、及び濾水性向上剤などの添加物
も、各々の紙種に要求される物性を発現するために、必
要に応じて使用しても良い。填料としては、クレー、タ
ルク、及び炭酸カルシウム等が挙げられ、これらは単独
で用いても良く、2種以上を併用しても良い。乾燥紙力
向上剤としては、アニオン性ポリアクリルアミド、カチ
オン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、
カチオン化澱粉、及び両性澱粉等が挙げられ、これらは
単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。湿潤
紙力向上剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン
樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂、及び尿素・ホ
ルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、これらは単独で用い
てもよく、アニオン性ポリアクリルアミドを併用しても
良い。歩留り向上剤としては、アニオン性、カチオン
性、又は両性の高分子量ポリアクリルアミド、シリカゾ
ルとカチオン化澱粉の併用、及びベントナイトとカチオ
ン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙げられ
る。濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミン、カチ
オン性又は両性又はアニオン性ポリアクリルアミド等が
挙げられる。また、サイズプレス、ゲートロールコータ
ー、ビルブレードコーター、カレンダーなどで、澱粉、
ポリビニルアルコール、及びアクリルアミド系ポリマー
等の表面紙力向上剤、染料、コーティングカラー、表面
サイズ剤、並びに防滑剤などを必要に応じて塗布しても
良い。また、硫酸バン土は本発明のサイズ剤を添加する
前、添加した後、あるいは同時に添加して使用しても良
い。
【0023】本発明のサイズ剤分散液を使用して紙、板
紙を製造するにあたって、必要に応じて従来のサイズ剤
を1種又は2種以上併用することもできる。従来公知の
サイズ剤としてはステアリン酸ナトリウムのごとき脂肪
酸石鹸のサイズ剤、ロジン、強化ロジン、ロジンエステ
ル系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸の水性エマルシ
ョン、2−オキセタノンの水性エマルション、パラフィ
ンワックスの水性エマルション、カルボン酸と多価アミ
ンとの反応により得られるカチオン性サイズ剤及び脂肪
族オキシ酸と脂肪族アミン又は脂肪族アルコールとの反
応物の水性エマルション、カチオン性スチレン系サイズ
剤等が挙げられる。また、本発明のサイズ剤はサイズプ
レス、ゲートロールコーター、シムサイザー等で紙基体
に塗布されたものであってもよい。
【0024】改質木材、無機系建築材料の製造において
内添又は含浸するときに尿素−メラミン樹脂、フェノー
ル樹脂、澱粉、パラフィンワックスなどを本願発明のサ
イズ剤分散液と併用しても良い。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例において「部」、「%」は特に記載がな
い限り固形分重量によるものである。
【0026】参考例1(アクリルアミド系高分子乳化剤) 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を備えた四
つ口フラスコに、2−アクリルアミド−2−メチルプロ
パンスルホン酸31.1部、アクリルアミドの50%水
溶液192.0部 、イオン交換水190.0部,イソプロ
ピルアルコール222.4部及びノルマルドデシルメル
カプタン1.52部を仕込み、20%水酸化ナトリウム
水溶液にてpH4.0に調整した。この混合液を撹拌し
ながら窒素ガスを導入して酸素を除去し、60℃まで昇
温した。60℃にて過硫酸アンモニウムの5%水溶液
3.42部を加え、重合を開始した。その後78℃まで
昇温し、1.5時間78℃に保持した後、過硫酸アンモ
ニウムの5%水溶液1.05部を追加した。さらに、1
時間同温度に保持した後、イオン交換水200部を加
え、イソプロピルアルコールの留去を始めた。留去開始
より2時間後にイソプロピルアルコールと水との混合留
去物285.5部を得て、留去を終了した。得られた重
合生成物にイオン交換水85.5部を加え、不揮発分2
0.3%、ブルック・フィールド粘度(以下粘度とい
う)220mPa・sの高分子乳化剤を得た。
【0027】参考例2(スチレン系高分子乳化剤) 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入
管を付した5つ口フラスコにスチレン35部、t−ブチ
ルメタクリレート35部、ジメチルアミノエチルメタク
リレート30部、アゾビスイソブチロニトリル2部及び
イソプロピルアルコール100部を仕込み、窒素ガスで
反応系内の酸素を除去して、攪拌しつつ70℃に昇温し
6時間保持した。次いで酢酸11.5部を加えた後、1
31部の温水を加え水中油型エマルションを形成させ
た。更に100℃付近まで昇温することでイソプロピル
アルコールを水と共沸させ除いた。温度を50℃まで下
げた後、エピクロロヒドリン17.7部を除々に滴下
し、80℃で1.5時間反応させた。反応終了後、水を
加え固形分25%に調整した。得られた高分子乳化剤溶
液の粘度は270mPa・sであった。
【0028】実施例1 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入
管を付した5つ口フラスコに、トリエチレンテトラミン
14.6部(0.1mol)を仕込み、これを80℃に
昇温した。次にパルミチン酸/ステアリン酸(=5/9
5)を原料として製造した2-オキセタノン(平均分子量
530)212部(0.4mol)を70℃で溶融して
滴下ロートで30分かけてフラスコに仕込み、さらに3
0分間保持した。得られた樹脂30部とトルエン30部
を混合し80℃で加熱溶解した。別途準備した参考例1
の高分子乳化剤29.6部(固形分6.0部)と水170
部を混合し80℃に加温しておいたものと混合し、ホモ
ジナイザーで処理した。得られた分散液からトルエンを
留去した後、水を加えて固形分を15%に調整して実施
例1のサイズ剤分散液を得た。
【0029】実施例2〜10 使用した2−オキセタノン化合物、ポリアミンの種類と
仕込み量、分散処方を表1に記載したものに変えた以外
は、実施例1と同様に比較例2〜10のサイズ剤分散液
を得た。
【0030】比較例1 ジエチレントリアミン255部(2.5mol)とステ
アリン酸1420部(5.0mol)とを180℃に加
熱、攪拌し、反応して生成する水を蒸留溜去しつつ反応
を進めた。留出液が無くなる時点を以って終了とした。
次いで反応生成物を50部とり、水175部を加え80
℃で分散し、更に攪拌を続けてエピクロルヒドリン7.
3部を滴下し、6時間反応を続けた。その後、塩酸でp
H4.6に調整し、室温まで冷却し比較例1のサイズ剤
分散液を得た。
【0031】比較例2 攪拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入
管を付した5つ口フラスコに、トリエチレンテトラミン
14.6部(0.1mol)を仕込み、これを70℃に
昇温した。次に、パルミチン酸/ステアリン酸(=35/
65)を原料として製造した2−オキセタオン(平均分
子量510)102部(0.2mol)を70℃で溶融
して滴下ロートで仕込み、これを1時間で前記フラスコ
内に滴下し、80℃で2時間反応させて中間体物質を調
製した。この中間体物質に90℃の温水50部を混合
し、この溶液にエピクロロヒドリン27.8部(0.3
mol)を加え、85℃に3時間保温した。得られた反
応生成物に温水706部を加えて固形分15%、粘度1
0mPa・sの乳化液からなる比較例2のサイズ剤分散
液を得た。
【0032】比較例3 ソルビタンモノステアレート0.7部、ソルビタンモノ
ステアレートエチレンオキシド付加物0.7部、ポリエ
チレンイミン3.5部、水67部、及び実施例1で得た
樹脂7部を混合し、80℃にて直径2mmのガラス玉存
在下で攪拌することによって固形分10%の比較例3の
サイズ剤分散液を得た。
【0033】応用例1 晒広葉樹クラフトパルプをカナディアン・スタンダード
・フリーネス300に叩解し、得られたパルプスラリー
固形分として100部に対してカチオン化澱粉(日本エ
ヌエスシー(株)製Cato304)1.5部、実施例1
〜10及び比較例1〜3のサイズ剤0.3部、2−オキ
セタノンサイズ剤(日本ピー・エム・シー(株)製サイ
ズ剤AS263)0.26部、ポリアミドエピクロロヒド
リン樹脂(日本ピー・エム・シー(株)製紙力剤WS5
25)0.3部を加えてpH8にて抄紙し、110℃のド
ラムドライヤーで90秒間乾燥し、坪量180g/m
の原紙を得た(実施例1〜10及び比較例1〜3のサイ
ズ剤を使用した原紙をそれぞれ応用例1〜10、比較応
用例1〜3とした)。
【0034】なお、実施例のサイズ剤を使用しない原紙
も作成し、比較応用例4とした。
【0035】上記のごとくして得られた実施応用例1〜
10、比較応用例1〜4について、インターナルボンド
テスター(熊谷理機工業社製)を使用し、スコットボン
ドを測定した。これは内部強度を示す。測定結果を表2
に示す。
【0036】上記の如くして得られたそれぞれの原紙を
カレンダーで2回通紙(ニップ圧25kN/m)し、通常
の方法により表面及び裏面にポリエチレンをコーテング
して写真印画紙用支持体を得た。この写真印画紙用支持
体を8cm 幅に裁断し、市販現像液(カラー用)を用
いて40℃で2分間現像処理したときの裁断面からの現
像液の浸透距離を、ルーペを使用して測定した。その結
果を表2に示す。
【0037】応用例2 実施例1〜10、比較例1〜3で得られた各サイズ剤分
散液の分散安定性を、23℃で1ヶ月間経時観察したサ
イズ剤分散液の分離状態で評価した。尚、次の基準で
○、△、×で判定した。○は1ヶ月後でも分離が見られ
ないもの、△は2週間で分離またはゲル化したもの、×
は1日後に分離またはゲル化したものを示し、結果を表
2に示した。
【0038】
【表1】
【0039】(註1)%は樹脂100部に対する使用量
を表す。 (註2)2−オキセタノンは使用していない。 表中の略号は次の通りである。DETA;ジエチレント
リアミン、TETA;トリエチレンテトラミン、TEP
A;テトラエチレンペンタミン、Epi;エピクロロヒ
ドリン、SMS;ソルビタンモノステアレート、SMS
EO;ソルビタンモノステアレートエチレンオキシド付
加物、PEI;ポリエチレンイミン
【0040】
【表2】
【発明の効果】本発明によれば、2−オキセタノン化合
物とポリアミン化合物とを反応させて得られるβケトア
ミド化合物を高分子乳化剤で分散してなるサイズ剤分散
液は分散安定性が良好であり、また、本サイズ剤分散液
を含有してなる紙、板紙等のサイズ効果が良好であるば
かりか、紙力を落しにくい特長がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 D21H 17/17 D21H 17/17 17/56 17/56 G03C 1/775 G03C 1/775 1/79 1/79 Fターム(参考) 2H023 FA03 FA04 4J002 BC021 BG041 BG131 EP006 EP016 EP026 EP036 FA01 FD311 GK04 HA07 4L055 AA03 AC06 AG40 AG63 AG71 AG72 AG80 AG87 AG89 EA30 FA17 GA32

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1)で表される2−オキ
    セタノン化合物と一分子中に一級及び二級アミノ基の少
    なくとも1種を1個〜10個を有する少なくとも1種の
    ポリアミン化合物とを反応させて得られるβ-ケトアミ
    ド化合物、及び高分子乳化剤からなることを特徴とする
    サイズ剤分散液。 【化1】 (但し、上式中R1及びRは、8〜30個の炭素原子
    を有する飽和、または不飽和炭化水素基を表し、R1
    よびR2は同一であっても相違していても良い。)
  2. 【請求項2】 高分子乳化剤がアクリルアミド系高分子
    乳化剤、スチレン系高分子乳化剤、及びアクリルエステ
    ル系高分子乳化剤から選択される少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1に記載のサイズ剤分散液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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