JP2002309235A - セリウム系研摩材用原料の製造方法及びその方法により製造されるセリウム系研摩材用原料 - Google Patents
セリウム系研摩材用原料の製造方法及びその方法により製造されるセリウム系研摩材用原料Info
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Abstract
温であっても焼結可能であり、異常粒成長のおそれのな
い研摩材用原料を製造する方法を提示すること。 【解決手段】 セリウム系研摩材用原料を製造する際に
セリウム系希土類炭酸塩を600℃〜900℃で、仮焼
時間に応じた時間仮焼する。
Description
成分とするセリウム系研摩材用原料およびその製造方法
に関し、更に、この原料を用いた研摩特性に優れるセリ
ウム系研摩材に関する。
の研摩に用いられており、特に近年では、ハードディス
ク等の磁気記録媒体用ガラス、液晶ディスプレイ(LC
D)のガラス基板といった電気・電子機器で用いられる
ガラス材料の研摩にも用いられており、その応用分野が
広がっている。
化セリウム(CeO2)の粒子と他の希土類金属酸化物
の粒子とからなり、全希土酸化物含有量に対する酸化セ
リウム含有量の割合によって高セリウム研摩材と低セリ
ウム研摩材とに分類されているが、その製造工程に大差
はない。即ち、いずれのセリウム系研摩材を製造する場
合であっても、まず原料を粉砕し、その後に化学処理
(湿式処理)を施す。これは、フッ素成分を添加してセ
リウム系研摩材の高い切削性を確保するためであると共
に、後の焙焼工程時に異常粒成長の原因となるナトリウ
ム等のアルカリ金属を除去するためである。そして、化
学処理後、原料を濾過、乾燥し、その後高温で加熱して
焙焼することで原料粒子同士を焼結し、これを再度粉砕
して分級することにより、所望の粒径、粒度分布を有す
る研摩材を製造している。
用いられる原料としては、従来は、バストネサイトと呼
ばれる希土鉱石を選鉱したバストネサイト精鉱という天
然原料を使用することが多かったが、最近ではバストネ
サイト鉱や比較的安価な中国産複雑鉱を化学処理するこ
とにより、希土類金属濃度を富化したセリウム系希土類
炭酸塩(以下、炭酸希土とも称する)、又は、この炭酸
希土を予め高温で仮焼することにより得られるセリウム
系希土類酸化物(以下、酸化希土とも称する)を原料と
することが多くなっている。
て十分な切削性を確保するためには、焙焼工程において
原料粒子を焼結させ適度な大きさの研摩粒子を製造する
ことが重要である。そのため、上記炭酸希土及び酸化希
土を原料として製造する場合においては、焙焼温度を1
000℃近傍と比較的高温域に設定するのが通常であ
る。これは、いずれの原料を適用するにしても、かかる
温度範囲でなければ、原料粒子の十分な焼結を生じさせ
ることができないことが経験的に明らかとなっているか
らである。
は、焼結を促進するという効果がある一方で異常粒成長
の要因でもある。この異常粒成長により粗大粒子が生ず
ると、それが最終製品である研摩材中に混入するおそれ
がある。このような粗大粒子は、傷の原因となることか
ら、できるだけその含有率を低減させる必要がある。従
来は、焙焼後の分級工程の調製により行なわれていた
が、粗大粒子の濃度を低くしようとするあまり分級条件
を厳密にすることは研摩材の生産効率を低下させそのコ
スト上昇の要因ともなる。
生産効率を確保するためには、焙焼工程における焙焼温
度をできるだけ低くして異常粒成長を抑制できるように
することが望ましいといえる。
焼温度が比較的低温であっても焼結可能であり、異常粒
成長のおそれのない研摩材用原料を製造する方法を提示
することを課題とする。そして、この方法により製造さ
れる研摩材用原料及びこれにより製造される高品位の研
磨面を形成可能なセリウム系研摩材を提供することを課
題とする。
く、本発明者らは、鋭意研究を行い、上記した炭酸希土
及び酸化希土を原料とした際の焙焼時の焼結機構につき
検討した。本発明者らによれば、炭酸希土及び酸化希土
について高温での焙焼が必要な理由としては以下のよう
なものが考えられる。
うなものである。原料として搬入される炭酸希土は、炭
酸希土粒子が結束した粗大な凝集体よりなる。そして、
この炭酸希土を原料とした研摩材の製造工程では、まず
原料を破砕するが、この炭酸希土の凝集体は結束力が強
く、また、湿式粉砕における炭酸希土のスラリーの粘土
は酸化希土のそれに比べて非常に高いため、粉砕効率が
低く、これを完全に微粒にすることは困難である。した
がって、粉砕後の微粒炭酸希土の中に部分的に粗大粒子
が残留した状態になる。
フッ化処理においては、炭酸希土中のCO3がフッ素と
交換され、炭酸希土はフッ化炭酸希土となり、これに伴
い粗大粒子の破壊が生ずる。しかし、フッ化処理で添加
されるフッ素の量は最終製品のフッ素濃度との関係で制
限されており、粗大粒子の破壊は十分にはなされない。
このとき炭酸希土中の炭酸成分がCO2として放出さ
れ、これにより炭酸希土粒子が密度の低い多孔質の形骸
粒子となる。また焙焼中の炭酸希土中には粗大粒子が多
く残留しており、多くの粗大な形骸粒子が生成される。
形骸粒子であること及び粒子が粗大であることはいずれ
も焼結速度を遅くする要因であるため、粗大な形骸粒子
は焼結速度が極めて遅く、高温でなければ焼結が進行し
ない。このような理由から炭酸希土を原料として研摩材
を製造する際、焙焼温度を高温にする必要があると考え
られる。
2のようになる。上記のように、酸化希土は炭酸希土を
高温で仮焼したものである。酸化希土の原料である炭酸
希土は図1と同様に粗大粒子を形成しており、これを仮
焼すると、炭酸成分が放出して原料が形骸粒子化する。
形骸粒子は脆く仮焼中に受ける衝撃によって徐々に崩壊
してより微粒になり、この微粒の炭酸希土はさらなる加
熱により酸化が進んで酸化希土となる。
子同士が焼結して凝集体を形成する。この酸化希土の凝
集体は結束力が強く、その後粉砕されるものの、その一
部が凝集体として残留する。このような酸化希土につい
てフッ化処理を行っても、凝集体の内部までフッ化され
ることなく中心部の酸化希土粒子は酸化物のままとな
る。
焼時における焼結に対して悪影響を与える。即ち、かか
るフッ化が不均一になされた凝集体は、焙焼工程下にお
ける加熱、衝撃により崩壊するがこれによりフッ化が十
分なされた酸化希土粒子とフッ化されていない又はフッ
素濃度の低い酸化希土粒子とが混在した状態となる。そ
して、前者は速やかに焼結するが、後者は焼結速度が遅
く相当高温下でなければ十分な焼結速度が得られない。
このような理由から酸化希土を原料として研摩材を製造
する際には、焙焼温度を高温にする必要があると考えら
れる。
酸化希土の焼結機構を考慮し、焙焼時に形骸粒子を存在
させず、且つ、フッ化処理を均一に行うことができる原
料を製造する方法として、酸化希土と同様に粉砕前の炭
酸希土を仮焼し、この仮焼によって炭酸希土から酸化希
土への変化が部分的に生ずるようにすることで、上記課
題を解決可能であると考えた。このような部分的仮焼の
過程を図3に示す。
様、炭酸希土を仮焼するものであるから、仮焼初期にお
いて炭酸希土粒子に生ずる変化は酸化希土を製造する過
程において生ずる変化と同様である。つまり、炭酸成分
がCO2として放出され、炭酸希土粒子が形骸粒子とな
り崩壊して微粒の炭酸希土を形成する。そして、これら
炭酸希土の微粒子は酸化され、加熱時間の経過に伴い粒
子中の酸化物の割合が増加する。本発明に係る部分的仮
焼は、炭酸希土の全てが酸化希土となる前に仮焼を中止
して、原料を構成する粒子を酸化物炭酸塩とからなる混
合希土とするものである。
粒子は、その後の粉砕及びフッ化処理によって残留した
形骸粒子が破壊されることで、更に微粒子化される。ま
た、フッ化処理においては、酸化希土とは異なり凝集体
が存在していないので、均一にフッ化される。その結
果、仮焼においては形骸粒子やフッ化の不十分な粒子の
ような焼結を妨げる要因がないので、比較的低温におい
ても焼結が進行する。
仮焼によれば、炭酸希土及び酸化希土が有する、高温で
なければ焼結が生じがたいという問題を生じさせること
のない研磨材用原料が製造可能である。
何に炭酸希土を適度に酸化させて混合希土とするかが肝
要である。加熱が過度であると、炭酸希土が完全に酸化
希土になって上述のように不均一にフッ化されるおそれ
があり、その一方で加熱が不足すると、十分な形骸粒子
の破壊が生じず、いずれも原料としては焼結性に問題が
ある。本発明者らは、このような部分的仮焼を行って研
摩材用原料を製造するにあたり差異的な条件を見出すべ
く鋭意検討を行う中で、本願請求項1に記載の発明を相
当するに至った。
ウム系希土類炭酸塩を600℃〜900℃で仮焼するセ
リウム系研摩材用原料の製造方法である。
土から炭酸成分が適度に放出されて酸化希土が生成され
る。即ち、900℃より高温にすると酸化希土の凝集体
が生成されるおそれがある。また、形骸粒子の破壊は4
00℃以上であれば起こるが、600℃より低温では強
熱減量1%以下にするのは困難である。
を放出させる観点から、請求項2に記載のように、60
0℃〜750℃で部分的仮焼を行うにあたっては、仮焼
時間をy1時間〜y2時間とするのが好ましい。y1お
よびy2は次の式により定まる。
行うにあたっては、仮焼時間をy3時間〜y4時間とす
るのが好ましい。y3およびy4は次式により定まる。
究を進める中で、仮焼時間が長いほど焼結が進んで酸化
希土粒子同士の凝集体が形成されるおそれが高くなるこ
と、また仮焼時間があまりに短いと十分な仮焼の効果を
得られないことを見出したからである。なお、600℃
〜750℃で部分的仮焼を行う際の仮焼時間の条件とし
て、請求項3に記載のように、4時間〜70時間という
条件を用いてもよく、また750℃〜900℃で部分的
仮焼を行う際の仮焼時間の条件として、請求項5に記載
のように、1時間〜40時間という条件を用いてもよ
い。これらの条件を用いると、請求項2又は請求項4に
記載の条件を用いた場合と同様に好ましい結果が得ら
れ、しかも仮焼時間をより簡便に定めることができる。
リウム系研摩材の製造工程にそのまま適用でき、粉砕及
びフッ化処理を行った際、より粗大粒子が少なくなる
上、より均一にフッ化される。これにより焙焼工程の焙
焼温度を低くすることができる。
(以下、LOI(Loss On Ignition)
ともいう。)という物性に着目し、強熱減量と仮焼条件
(仮焼温度及び仮焼時間)との関係を検討した結果、請
求項6に記載のように、請求項1から請求項5のいずれ
か一項に記載の方法により製造されたセリウム系研摩材
用原料を1000℃で1時間加熱した場合の強熱減量が
乾燥重量基準で0.05%〜5.0%であると、炭酸希
土から炭酸成分が適度に放出されており、しかも酸化希
土の凝集体が生成されておらず、十分に形骸粒子が破壊
されていることを期待できることが判った。また、セリ
ウム系研摩材用原料の強熱減量がこの範囲であれば、焙
焼時の焼結性に優れる上に、原料運搬時の利便性に優れ
ると共に最終製品である研摩材の生産性が向上する。
減少率をいう。セリウム系研摩材用原料において、この
強熱減量が高いということは、焙焼される原料重量が同
じでも焙焼後に得られる最終製品の重量が少なく、生産
性が悪いということを意味する。この強熱減量の値は、
炭酸希土は約30%、また酸化希土は0%であることが
判っている。従って、本発明においてLOIの値は炭酸
希土と酸化希土の存在比率を間接的に表示する指標とも
いえる。なお、本発明において強熱減量を1000℃で
1時間加熱した後に測定することにしたのは、希土塩の
場合、500℃以上の加熱で強熱減量の値が安定し始め
ることが実験的に確認されており、1000℃での加熱
が最も安定的な指標として適用可能であるという考えに
基づくものである。
は比較的低温で焙焼しても十分な焼結速度にて焼結可能
である。そこで、請求項7に記載の発明は、この原料を
粉砕しフッ化処理を行った後、フッ化処理後のセリウム
系研摩材用原料を700℃〜1000℃で焙焼する工程
を有するセリウム系研摩材の製造方法とした。このよう
に低温で焙焼することにより、異常粒成長を抑制し、傷
発生のない高品位の研摩面が形成可能なセリウム系研摩
材を製造することができる。
おいては、焙焼工程前にフッ化処理を行うが、このフッ
化処理はフッ化アンモニウムを用いて行うのが好まし
い。フッ化処理についてはフッ酸も適用可能であるが、
フッ化アンモニウムはフッ化反応が緩やかに進行するの
で、原料中にフッ素をより均一に分布させることができ
る。これにより、より低温での焙焼が可能となる。
を説明する。
下、TREOという)が69.5%(酸化セリウム含有
率/TREO=58%)の炭酸希土3kgを電気炉によ
り、650℃で48時間仮焼することでセリウム系研摩
材用原料を製造した。そして、この際のLOIを測定し
た。
量を測定したるつぼに研摩材用原料を入れその重量を測
定した後、電気炉中で1000℃、1時間加熱した後乾
燥雰囲気下で放冷した。放冷後るつぼの重量を測定し、
下記計算式に従いLOIの値を求めた。その結果、本実
施形態により製造された研摩材用原料のLOIは0.2
%であった。
(リットル)とを、直径5mmの鋼製の粉砕媒体(ボー
ル)12kgが充填された湿式ボールミルにて5時間粉
砕し、平均粒径(マイクロクラット法D50(累積50
%粒径))が1μmの粉体からなるスラリーとした。平
均粒径は粒度分布測定装置(製品名:マイクロトラッ
ク、日機装社製)を用いて測定した。その後、このスラ
リーに濃度1mol/lのフッ化アンモニウム溶液を添
加し、純水で洗浄後濾過してケーキを得た。次に、この
ケーキを乾燥後、920℃で2時間焙焼して再度粉砕し
た後、分級してセリウム系研摩材を得た。
た炭酸希土と同様の炭酸希土を仮焼温度及び仮焼時間だ
けを変え、それ以外は第1実施形態と同様の条件でセリ
ウム系研摩材を製造した。また、仮焼によって得られた
研摩材用原料についてLOIの値を測定した。各実施形
態における仮焼温度、仮焼時間および得られた研摩材用
原料のLOIの測定値は、第2実施形態では650℃、
12時間および3.2%、第3実施形態では750℃、
24時間および0.1%、第4実施形態では750℃、
6時間および3.0%、第5実施形態では850℃、1
2時間および0.1%、そして第6実施形態では850
℃、3時間および2.9%であった。
た炭酸希土と同様の炭酸希土を仮焼温度及び仮焼時間だ
けを変え、それ以外は各実施形態と同様の条件でセリウ
ム系研摩材を製造した。また、仮焼によって得られた研
摩材用原料のLOIの値を測定した。仮焼温度はいずれ
の比較例とも1000℃であり、この温度で第1比較例
では2時間仮焼した。LOIの値は0.1%であった。
また第2比較例では0.5時間仮焼した。LOIの値は
3.0%であった。
と同様の炭酸希土を仮焼して製造した研摩材用原料(酸
化希土)を用いてセリウム系研摩材を製造した。仮焼条
件は、電気炉によって1000℃で5時間仮焼するとい
うものであった。また、仮焼によって得られた研摩材用
原料のLOIの値は、0.05%未満であった。なお、
得られた研摩材用原料からセリウム系研摩材を製造する
際の条件は、焙焼温度を980℃とした以外は各実施形
態と同様であった。
と同様の炭酸希土そのもの(LOIは30%)を研摩材
用原料として用いてセリウム系研摩材を製造した。この
炭酸希土からセリウム系研摩材を製造する際の条件は、
焙焼温度を含めて比較例3と同様である。
れたセリウム系研摩材について研摩試験を行い、研摩値
の測定および研摩面の状態評価(傷評価)を行った。研
摩試験では、高速研摩試験機を試験装置として用い、6
5mmφの平面パネル用ガラスを被研摩材とし、このガ
ラスをポリウレタン製の研摩パッドを用いて研摩した。
研摩試験では、まず研摩材を水に分散させてスラリー濃
度が10重量%の研磨材スラリーを調製した。研摩条件
は、調製した研摩材スラリーを5ml/minの速度で
供給し、研摩面に対する圧力を15.7kg/cm2に
設定し、研摩試験機の回転速度を1000rpmに設定
するというものであった。研摩後のガラス材料は、純水
で洗浄し無塵状態で乾燥させた。
のガラス重量を測定することにより求められたガラス重
量の減量を基に求められた値である。傷についての評価
は、研摩面の状態を評価したものであり、研摩表面の傷
の有無および研磨材粒子の研摩面への残存の有無を基準
として行ったものである。具体的には、研摩後のガラス
の表面に30万ルクスのハロゲンランプを照射し、反射
法にてガラス表面を観察して、傷の程度(大きさ)を見
極めて点数化し、100点満点からの減点方式にて評価
点を定めた。また、研摩値と傷の評価点とに基づく総合
評価をした。これは、各実施形態や比較例によって製造
されたセリウム系研摩材の品質を簡便に、かつ相対的に
把握できるようにするものであり、総合評価に用いたし
きい値(例えば、総合評価BとCとを分ける基準である
研摩値102)は絶対的基準ではない。試験の結果を次
の表に示す。
り得られたセリウム系研摩材の研摩値はいずれも良好で
あった。また研摩面での傷発生が少なく、研摩面も優れ
ていることが判った。特に第1実施形態から第4実施形
態により得られたセリウム径研摩材の傷発生が少ないこ
とから、仮焼温度は800℃以下がより好ましいことが
解った。一方、第1、第2及び第3比較例の方法により
得られた各セリウム系研摩材については、研摩値は良好
であったが、傷評価は各実施形態と比較して劣ってい
た。これは、各実施形態の仮焼温度と比較して高温であ
る1000℃という温度で仮焼したため、焼結が進んで
異常粒成長が生じ、その後粉砕をしたが粗大粒子が残っ
たと考えられる。なお、仮焼時間が長いほど焼結が進
み、傷評価が低下する傾向にあることが解った。また、
第4比較例の方法により得られたセリウム系研摩材につ
いては、傷評価は良好であったが、研摩値は各実施形態
と比較して劣っていた。炭酸希土は粉砕効率が低く、粗
大粒子を含んだ状態で焙焼される。したがって、焙焼に
おける焼結速度が遅く、焙焼の際に原料粒子が適度な大
きさまで成長しなかったと考えられる。
摩材製造において焙焼温度が比較的低温であっても焼結
可能な研摩材用原料を製造することができる。そして、
この研摩材用原料によれば、異常粒成長による粗大粒子
の混入もなく、高品位の研摩面を形成可能なセリウム系
研摩材を製造することができる。
示す図。
示す図。
材用原料粒子の変化を示す図。
Claims (9)
- 【請求項1】 セリウム系希土類炭酸塩を600℃〜9
00℃で仮焼するセリウム系研摩材用原料の製造方法。 - 【請求項2】 仮焼温度が600℃〜750℃である場
合の仮焼時間はy1時間〜y2時間であり、y1および
y2は次式により定まる請求項1に記載のセリウム系研
摩材用原料の製造方法。 【数1】 - 【請求項3】 仮焼温度は600℃〜750℃であり、
仮焼時間は4時間〜70時間である請求項1に記載のセ
リウム系研摩材用原料の製造方法。 - 【請求項4】 仮焼温度が750℃〜900℃である場
合の仮焼時間はy3時間〜y4時間であり、y3および
y4は次式により定まる請求項1に記載のセリウム系研
摩材用原料の製造方法。 【数2】 - 【請求項5】 仮焼温度は750℃〜900℃であり、
仮焼時間は1時間〜40時間である請求項1に記載のセ
リウム系研摩材用原料の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1から請求項5のいずれか一項に
記載の方法により製造されたものであって、1000℃
で1時間加熱した場合の強熱減量が0.05%〜5.0
%であるセリウム系研摩材用原料。 - 【請求項7】 請求項6に記載のセリウム系研摩材用原
料を粉砕し、フッ化処理を行った後、700℃〜100
0℃で焙焼する工程を有するセリウム系研摩材の製造方
法。 - 【請求項8】 フッ化処理をフッ化アンモニウムで行う
請求項7に記載のセリウム系研摩材の製造方法。 - 【請求項9】 請求項7または請求項8に記載の方法に
よって製造されるセリウム系研摩材。
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