JP2002309167A - カチオン電着塗料 - Google Patents

カチオン電着塗料

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JP2002309167A
JP2002309167A JP2001114165A JP2001114165A JP2002309167A JP 2002309167 A JP2002309167 A JP 2002309167A JP 2001114165 A JP2001114165 A JP 2001114165A JP 2001114165 A JP2001114165 A JP 2001114165A JP 2002309167 A JP2002309167 A JP 2002309167A
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Japan
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curing agent
cationic electrodeposition
amino group
resin
unsaturated monomer
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JP2001114165A
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English (en)
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Jiro Nishiguchi
滋朗 西口
Hidenori Sawada
英典 澤田
Koji Kamikado
神門  孝司
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車ボディの塗膜形成において、低温硬化
性、仕上がり性、安定性良好なカチオン電着塗料を開発
すること。 【解決手段】 エポキシ当量が400〜3000のエポ
キシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加させてなるアミノ
基含有エポキシ樹脂(I)を基体樹脂とし、硬化剤(I
I)を架橋成分とするカチオン電着塗料において、硬化
剤(II)が水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)、
及びその他のエチレン性不飽和単量体(b)を触媒的連
鎖移動重合法により共重合してなる1分子中に平均3個
以上の水酸基を含むビニル共重合体樹脂(A)と、全て
のイソシアネート基のうち一部分をブロック剤によりブ
ロックした部分ブロック化ポリイソシアネート(B)と
を反応させた、数平均分子量が1000〜4000であ
る硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はカチオン電着塗料
組成物に関し、詳しくは仕上がり外観、つきまわり性、
防錆鋼板適性、防食性に優れた硬化塗膜を形成し得るカ
チオン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 カチ
オン電着塗料組成物は、主に電着塗料として自動車下塗
り用を始め幅広い用途に使用されており、従来から種々
の特性を有するものが開発されている。
【0003】アミン付加エポキシ樹脂とブロックポリイ
ソシアネートを反応させ、熱硬化させてなるカチオン電
着塗料組成物において架橋剤として用いるブロックポリ
イソシアネート化合物には、ポリイソシアネート化合物
とブロック化剤が包含される。
【0004】このポリイソシアネート化合物としては、
例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シイアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘ
キサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、イ
ソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネー
ト、ジフェニルジイソシアネートなどの芳香族、脂環
族、脂肪族のポリイソシアネート化合物が挙げられる。
【0005】一方、ブロック化剤はポリイソシアネート
化合物のイソシアネート基に付加してブロックするもの
であり、そして付加によって生成するブロックイソシア
ネート化合物は、常温において安定で、かつ通常約10
0〜約200℃の範囲内の温度に加熱した際にブロック
化剤を解離して遊離のイソシアネート基を再生しうるも
のであることが重要である。
【0006】このような要件を満たすブロック剤として
は、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム
などのラクタム化合物;メチルエチルケトオキシム、シ
クロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合物;フェ
ノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾールなど
のフェノール系化合物;n−ブタノール、2−エチルヘ
キサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニルカルビ
ノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳香族アル
キルアルコール類;エチレングリコールモノブチルエー
テルなどのエーテルアルコール系化合物等が挙げられ
る。
【0007】芳香族系のポリイソシアネート化合物にブ
ロック化剤としてエーテルアルコール系化合物が用いた
場合、塗料の安定性や塗面の仕上がり性、防食性に優れ
るものの、焼き付け温度が150℃以下の低温硬化性が
劣る傾向があった。
【0008】また、芳香族系のポリイソシアネート化合
物にブロック剤としてオキシム系化合物を用いた場合
は、焼き付け温度が150℃以下の低温硬化性に優れる
ものの塗料の安定性や塗面の仕上がり性が不十分であっ
た。
【0009】一方、脂環族、脂肪族のポリイソシアネー
ト化合物にブロック剤としてオキシム系化合物を用いた
場合は、焼き付け温度が150℃以下での低温硬化性、
塗料の安定性や塗面の仕上がり性に優れるものの、防食
性が不十分であるという問題点をかかえていた。このこ
とから、焼き付け温度が150℃以下で塗膜が硬化する
低温硬化性を有する、防食性、仕上がり性、かつ塗料安
定性良好な硬化剤が求められていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記問
題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒的連鎖移
動剤である金属錯体及びラジカル重合開始剤の存在下に
特定のモノマー成分を共重合してなるビニル系共重合体
樹脂と、一部未ブロックのイソシアネート基を有するブ
ロック化ポリイソシアネート化合物とを反応させてなる
1分子中に3個以上の水酸基を有する硬化剤をカチオン
電着塗料中に架橋成分として配合することにより達成
し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は、 1.エポキシ当量が400〜3000のエポキシ樹脂に
アミノ基含有化合物を付加させてなるアミノ基含有エポ
キシ樹脂(I)を基体樹脂とし、硬化剤(II)を架橋成
分とするカチオン電着塗料において、硬化剤(II)が水
酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)、及びその他の
エチレン性不飽和単量体(b)を触媒的連鎖移動重合法
により共重合してなる1分子中に平均3個以上の水酸基
を含むビニル共重合体樹脂(A)と、全てのイソシアネ
ート基のうち一部分をブロック剤によりブロックした部
分ブロック化ポリイソシアネート(B)とを反応させ
た、数平均分子量が1000〜4000である硬化剤
(II)を含有するカチオン電着塗料、 2.ビニル共重合体樹脂(A)が、水酸基含有エチレン
性不飽和単量体(a)、及びその他のエチレン性不飽和
単量体(b)を触媒的連鎖移動剤である金属錯体、及び
必要に応じてラジカル重合開始剤の存在下で共重合して
得られる、1分子中に平均3個以上の水酸基を含むビニ
ル共重合体樹脂(A)である1項に記載のカチオン電着
塗料、 3.ビニル共重合体樹脂(A)を構成する単量体組成
が、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)を20〜
50重量%、その他のエチレン性不飽和単量体(b)を
80〜50重量%である1項、又は2項に記載のカチオ
ン電着塗料、 4.カチオン電着塗料が、エポキシ当量が400〜30
00のエポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加させて
なるアミノ基含有エポキシ樹脂(I)、及び硬化剤(I
I)を架橋成分とし、アミノ基含有エポキシ樹脂(I)
と硬化剤(II)の固形分総合計量に対して、アミノ基含
有エポキシ樹脂(I)が40〜80重量%、硬化剤(I
I)が20〜60重量%である1乃至3項のいずれか1
項に記載のカチオン電着塗料、 に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明について詳細に
説明する。本発明は、ビニル共重合体樹脂(A)と、部
分ブロック化ポリイソシアネート(B)を反応させてな
る硬化剤(II)をカチオン電着塗料の架橋成分として用
いることにより、従来のブロック化ポリイソシアネート
による硬化剤に比べ、低温硬化性、耐食性、仕上がり
性、塗料安定性が良好なカチオン電着塗料を見出したこ
とである。
【0013】ビニル共重合体樹脂(A)は、触媒的連鎖
移動重合法(Catalytic Cain Transfer Polymerizatio
n、以下、CCTP法と略す場合あり。)を用いて製造
することができ、数平均分子量が1000〜4000、
好ましくは1000〜3000の範囲である。
【0014】ビニル共重合体樹脂(A)に用いられる水
酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)は、例えば、ヒ
ドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレートなどのアクリル酸、またはメ
タクリル酸と炭素数2〜10のグリコール類とのモノエ
ステル類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート
とカプロラクトンとの付加生成物、(例えば、ダイセル
化学工業株式会社製の商品名として、プラクセルFA、
プラクセルFM2、プラクセルFM3等のFMシリー
ズ)などが挙げられ、これらは1種または2種以上が使
用できる。
【0015】その他のエチレン性不飽和単量体(b)
は、水酸基を有していない化合物であり、具体的には、
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルア
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレ
ート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、
ブチルメタクリレート、ペンチルアクリレート、ペンチ
ルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメ
タクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート
およびラウリルメタクリレートなどのアクリル酸、又は
メタクリル酸の炭素数1〜24のモノアルコール類とモ
ノエステル類、グリシジルアクリレート、及びグリシジ
ル基を含有する不飽和単量体、アクリロニトリル、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド
およびジメチルアミノエチルメタクリレートなどの含窒
素不飽和単量体、スチレン、フェニルエチル(メタ)ア
クリレート、酢酸ビニル、塩化ビニルが挙げられる。こ
れらは単独、もしくは2種以上の組み合わせで使用する
ことができる。他にアリルメタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート等の架橋性モノマーを一
部使用してもよい。
【0016】また、硬化剤(II)をカチオン電着塗料中
に配合した場合、150℃以下での低温焼き付けで硬化
塗膜を形成するために、硬化剤(II)におけるビニル共
重合体樹脂(A)は、水酸基が一分子中に平均3個以
上、好ましくは3.5個以上含有することが必要であ
る。
【0017】このようなビニル共重合体樹脂(A)にお
ける水酸基が一分子中に平均3個未満であると、カチオ
ン電着塗料の低温硬化性、防食性、仕上がり性などが不
十分である。
【0018】ビニル共重合体樹脂(A)は、CCTP法
を用いて製造するが、CCTP法は、例えば、特公平6
−23209号公報、特公平7−35411号公報、特
表平9−501457号公報、特開平9−176256
号公報、Macromolecules,1996,29,8083〜
8089などに記載されており、本発明においてビニル
共重合体樹脂(A)は、従来から知られたCCTP法を
用いて得ることができる。
【0019】すなわち、触媒的連鎖移動重合を行う場合
には、重合性不飽和モノマーを、触媒的連鎖移動剤であ
る金属錯体及びラジカル重合開始剤の存在下で、有機溶
液中での溶液重合法、水中でのエマルション重合などの
方法を触媒的連鎖移動重合させることができる。
【0020】触媒的連鎖移動重合に際して使用される金
属錯体としては、例えば、コバルト錯体、鉄錯体、ニッ
ケル錯体、ルテニウム錯体、ロジウム錯体、パラジウム
錯体、レニウム錯体、イリジウム錯体などが挙げられ、
これらのうちコバルト錯体が効率良く連鎖移動剤として
作用するので好ましい。
【0021】このようなコバルト錯体としては、例えば
特公平6−23209号公報、特公平7−35411号
公報、USP4526945、USP4694054、
USP4837326、USP4886861、USP
5324879、WO95/17435、特表平9−5
10499号公報などに記載された公知のものを使用す
ることができる。
【0022】具体例としては、ビス(ボロンジフルオロ
ジオキシイミノシクロヘキサン)Co(II)、ビス
(1,2-ジオキシイミノエタン)Co(II)、ビス(ボ
ロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co(I
I)、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシメ
イト)Co(II)、ビシナルイミノヒドロキシイミノ化
合物のコバルト(II)キレート、ジアザジヒドロキシイ
ミノジアルキルデカジエンのコバルト(II)キレート、
ジアザジヒドロキシイミノジアルキルデカジエンのコバ
ルト(II)キレート、ジアザジヒドロキシイミノジアル
キルウンデカジエンのコバルト(II)キレート、テトラ
アザテトラアルキルシクロテトラデカテトラエンのコバ
ルト(II)キレート、テトラアザテトラアルキルシクロ
テトラドデカテトラエンのコバルト(II)キレート、
N,N'−ビス(サリチリデン)エチレンジアミンのコ
バルト(II)キレート、ジアルキルジアザジオキソジア
ルキルドデカジエンのコバルト(II)キレート、ジアル
キルジアザジオキソジアルキルトリデカジエンのコバル
ト(II)キレート、コバルト(II)ポルフィリン錯体な
どを挙げることができる。
【0023】これらのうち特に容易に入手可能なビス
(ボロンジフルオロジメチルグリオキシメイト)Co
(II)、ビス(ボロンジフルオロジフェニルグリオキシ
メイト)Co(II)などを好適に用いることができる。
【0024】また、例えば特公平8−19172号公報
に記載されている、金属に直接ラジカル開裂が可能な基
が結合した金属錯体も前記金属錯体として使用すること
が可能である。金属としては、コバルト、レニウム及び
イリジウムなどが挙げられ、ラジカル開裂が可能な基と
しては、例えばアルキル基、アリール基、複素環式基な
どが挙げられる。上記金属に直接ラジカル開裂が可能な
基が結合した金属錯体を使用する系では、ラジカル重合
開始剤を併用しなくてもよい。
【0025】上記触媒的連鎖移動剤である金属錯体の使
用量は、特に限定されるものではないが、通常、水酸基
含有エチレン性不飽和単量体(a)、及びその他のエチ
レン性不飽和単量体(b)から選ばれる少なくとも1種
の共重合性モノマーとの合計量100重量部に基いて、
通常1×10-6〜1重量部、好ましくは1×10-4
0.5重量部の範囲内にあることが適している。
【0026】また、金属錯体の反応性の調整や溶解性を
よくするために、既知の配位化合物を必要に応じて配合
することもできる。かかる配位化合物としては、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンの
ようなリン化合物:ピリジン、トリブチルアミンのよう
なアミン化合物などを挙げることができる。
【0027】CCTP法で用いうる重合開始剤として
は、例えばシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,
5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチ
ルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキ
サイド類;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス
(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチ
ル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレー
ト等のパーオキシケタール類;クメンハイドロパーオキ
サイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイド
ロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;3−
ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベ
ンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチル
パーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオ
キサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等のジア
ルキルパーオキサイド類;デカノイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキサイド類;ビス(tert−ブチルシクロヘ
キシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカー
ボネート類;tert−ブチルパーオキシベンゾエー2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキ
サン等のパーオキシエステル類等の有機過酸化物系重合
開始剤並びに2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、アゾクメン2,2'−アゾビスメチルバレロニト
リル、4,4´−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のア
ゾ系重合開始剤を挙げることができる。
【0028】これらのラジカル重合開始剤の使用量は、
特に限定されるものではないが、通常、共重合性単量体
の合計量100重量部に基いて、0.1〜15重量部、
特に0.3〜8重量部の範囲内であることが望ましい。
【0029】ビニル共重合体樹脂(A)は、付加開裂型
連鎖移動剤を用いて製造することもできる。付加開裂型
連鎖移動剤を用いる場合には、ラジカル的付加開裂型連
鎖移動重合によって共重合反応が行われる。付加開裂型
連鎖移動剤としては、例えば、2,4−ジフェニル−4
−メチル−1−ペンテン(「α−メチルスチレンダイマ
ー」と略称される)などを挙げることができる。付加開
裂型連鎖移動剤の配合量は、特に限定されるものではな
いが、共重合性単量体の合計量100重量部に基いて、
通常、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の範
囲内であることが適当である。
【0030】また、ビニル共重合体樹脂(A)は1分子
中に平均3個以上の水酸基、好ましくは3.5個以上の
水酸基があることが好ましい。この水酸基のモル数と、
次に述べる部分ブロック化ポリイソシアネート(B)に
おける残存イソシアネート基のモル数との比率は、OH
基が過剰であれば問題ないが、水酸基/残存イソシアネ
ート基=1/1〜10/1の範囲の比率であることが好
ましい。
【0031】次に、部分ブロック化ポリイソシアネート
(B)は、ブロック化率が40〜95重量%、好ましく
は55〜90重量%の範囲である。部分ブロック化ポリ
イソシアネート(B)のイソシアネート基の数/イソシ
アネートブロック化剤の活性水素の比が100/40〜
100/95、好ましくは100/55〜100/90
となるような割合で反応させることにより得られる。
【0032】ここでブロック化率とは、ポリイソシアネ
ート化合物のイソシアネート基をブロック剤の活性水素
と反応させた場合、初期にあった全イソシアネート基の
数に対するブロックされたイソシアネート基の数の割合
をいう。
【0033】またブロック化率が40重量%未満では、
ビニル共重合体樹脂(A)と部分ブロック化ポリイソシ
アネート(B)との反応時にゲル化を生じたり、また得
られた硬化剤(II)をカチオン電着塗料に配合した場
合、塗面の仕上がり性が低下するなどの不具合を生じ
る。またブロック化率が95重量%を越えると焼き付け
温度が、150℃未満での低温硬化性が不十分である。
【0034】この反応は通常、無溶媒または反応に不活
性な溶媒中にて約10〜約150℃の温度で行うことが
でき、ポリイソシアネート化合物、もしくはポリイソシ
アネート化合物を不活性溶媒に溶解した溶液に、20〜
110℃でブロック化剤もしくは、その成分の不活性溶
剤溶液を滴下しつつ反応させることが部分ブロック化ポ
リイソシアネート(B)の品質及び反応制御の点から好
ましい。
【0035】上記、ポリイソシアネート化合物として
は、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソ
シアネートのような脂肪族もしくは脂環族ポリイソシア
ネート化合物;トリレンジイソシアネート、ジフェニル
メタン−4,4'−ジイソシアネートなどの芳香族ポリ
イソシアネートが挙げられ、これらは単独又は2種類以
上組み合わせて使用することができる。これらのうち、
芳香族ポリイソシアネートが防食性の面から好ましい。
【0036】一方、ブロック化剤はポリイソシアネート
化合物のイソシアネート基に付加してブロックするもの
であり、そして付加によって生成するブロックポリイソ
シアネート化合物は常温において安定で、かつ約100
〜200℃に加熱した際、ブロック剤を解離して遊離の
イソシアネート基を再生しうるものであることが望まし
い。
【0037】このような要件を満たすブロック化剤とし
ては、例えば、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタ
ムなどのラクタム系化合物;メチルエチルケトオキシ
ム、シクロヘキサノンオキシムなどのオキシム系化合
物;フェノール、パラ−t−ブチルフェノール、クレゾ
ールなどのフェノール系化合物;n−ブタノール、2−
エチルヘキサノールなどの脂肪族アルコール類;フェニ
ルカルビノール、メチルフェニルカルビノールなどの芳
香族アルキルアルコール類;エチレングリコールモノブ
チルエーテルなどのエーテルアルコール系化合物等を挙
げることができる。
【0038】硬化剤(II)の製造であるが、まずポリイ
ソシアネート化合物とブロック化剤を反応させ部分ブロ
ック化ポリイソシアネート化合物(B)を作成した後、
次に、ビニル共重合体樹脂(A)を反応させることによ
り得られる。この場合、必要に応じて活性水素を持たな
い有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤を用いて反応させる
ことができる。
【0039】本発明のカチオン電着塗料には基体樹脂と
して、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系、リブタジエン
系、アルキド樹脂系、ポリエステル系などのいずれの樹
脂でも使用することができるが、エポキシ樹脂にアミノ
基含有化合物を付加したアミノ基含有エポキシ樹脂
(I)を用いることが防食性の面からも好ましい。
【0040】上記、アミノ基含有エポキシ樹脂(I)と
しては、例えば、:ポリエポキシ化合物と1級モノ
−、及びポリアミン、2級モノ−及びポリアミン又は
1、2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許
第3,984,299号明細書参照)、 :ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミ
ノ基を有する2級モノ−及びポリアミンとの付加物(例
えば、米国特許第4,017,438号 明細書参照)、 :ポリエポキシド化合物とケチミン化された1級アミ
ノ基を有するヒドロキシ化合物とのエーテル化により得
られる反応物(例えば、特開昭59−43013号公報
参照)等を挙げることができる。
【0041】上記、アミノ基含有エポキシ樹脂の製造に
使用されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分
子中に2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも
200、好ましくは400〜4000、更に好ましくは
800〜2000の範囲内の数平均分子量を有するもの
が適しており、特にポリフェノール化合物とエピクロル
ヒドリンとの反応によって得られるものが好ましい。
【0042】該ポリエポキシド化合物の形成のために用
い得るポリフェノール化合物としては、例えば、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−1,1−エタン、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキ
シ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、ビ
ス(2−ヒドロキシナフチル)メタン、テトラ(4−ヒ
ドロキシフェニル)−1,1,2,2−エタン、4,4
−ジヒドロキシジフェニルスルホン、フェノールノボラ
ック、クレゾールノボラック等を挙げることができる。
【0043】該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
化合物などと一部反応させたものであってもよい。
【0044】アミノ基含有化合物は、これらエポキシ基
と反応させて、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4
級アンモニウム塩基などのカチオン性基を導入してカチ
オン化樹脂とする。具体的には、第1級アミン化合物と
しては、例えばメチルアミン、エチルアミン、n−プロ
ピルアミン、イソプロピルアミン、モノエタノ−ルアミ
ン、n−プロパノ−ルアミン、イソプロパノ−ルアミン
等の第1級アミン化合物;第2級アミン化合物として
は、例えばジエチルアミン、ジエタノ−ルアミン、ジn
−プロパノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルアミン、N
−メチルエタノ−ルアミン、N−エチルエタノ−ルアミ
ン等の第2級アミン化合物;ポリアミンとしては、例え
ばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドロキ
シエチルアミノエチルアミン、エチルアミノエチルアミ
ン、メチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチ
ルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン等のポリアミ
ンを挙げることができる。
【0045】アミノ基含有エポキシ樹脂(I)には、硬
化剤(II)を配合することにより、熱硬化性のカチオン
電着塗料を得ることができる。配合比率としては、アミ
ノ基含有エポキシ樹脂(I)と硬化剤(II)の固形分総
合計量に対して、アミノ基含有エポキシ樹脂(I)が4
0〜80重量%、硬化剤(II)が20〜60重量%の割
合が好ましい。
【0046】アミノ基含有エポキシ樹脂(I)が40重
量%未満で、硬化剤(II)が60重量%を越えると塗料
の安定性が問題であり、またアミノ基含有エポキシ樹脂
(I)が80重量%を越え、硬化剤(II)が20重量%
未満であると150℃未満の低温での焼き付けで硬化性
が不十分である。
【0047】本発明のカチオン電着塗料は、アミノ基含
有エポキシ樹脂(I)、及び硬化剤(II)を配合後、十
分に混ぜ合わせ、水溶性酸、特に酢酸及び/又はギ酸な
どの酸で中和した後、水分散してエマルション化する。
また、酸として酢酸及び/又はギ酸を用いると、仕上が
り性、つきまわり性、低温硬化性、塗料の安定性などが
優れるので好ましい。
【0048】本発明のカチオン電着塗料組成物は、防錆
剤として低公害性の面から、鉛化合物やクロム化合物の
代わりにビスマス化合物を添加することが好ましい。ビ
スマス化合物としては特に限定しないが、酸化ビスマ
ス、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマ
ス、ケイ酸ビスマスなどが挙げられる。特にこれらの中
でも水酸化ビスマスが好ましい。
【0049】他に、有機酸ビスマス塩を使用することも
可能である。該有機酸ビスマス塩の製造に用いられる脂
肪族カルボン酸としては、例えばグリコール酸、グリセ
リン酸、乳酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロー
ル酪酸、ジメチロール吉草酸、酒石酸、リンゴ酸、ヒド
ロキシマロン酸、ジヒドロキシコハク酸、トリヒドロキ
シコハク酸、メチルマロン酸、安息香酸、クエン酸など
が挙げられる。
【0050】塗料組成物中でのビスマス化合物の含有量
は、厳密に規定されるものではなく、塗料に要求される
性能等に応じて広範囲にわたって変えることができる
が、通常、塗料中の樹脂固形分100重量部あたりのビ
スマス金属含有量が0〜10重量部、好ましくは0.0
5〜5重量部の範囲内となるようにするのが好適であ
る。
【0051】カチオン電着塗料は、上記した以外に、硬
化触媒として錫化合物を含有することができる。該錫化
合物としては、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオク
チル錫オキサイドなどの有機錫化合物;ジブチル錫ジラ
ウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジア
セテート、ジオクチル錫ベンゾエートオキシ、ジブチル
錫ベンゾエートオキシ、ジオクチル錫ジベンゾエート、
ジブチル錫ジベンゾエートなどのジアルキル錫の脂肪族
または芳香族カルボン酸塩等を挙げることができ、この
うち低温硬化性の点からジアルキル錫芳香族カルボン酸
塩などが好適である。
【0052】上記、錫化合物の含有量は、厳密に規定さ
れるものではなく、塗料に要求される性能等に応じて広
範囲にわたって変えることができるが、通常、塗料中の
樹脂固形分100重量部あたりの錫の金属含有量が0.
01〜8.0重量部、好ましくは0.05〜5.0重量
部の範囲内になるようにするのが好適である。
【0053】上記カチオン電着塗料には、さらに必要に
応じて、着色顔料、体質顔料、防錆顔料などの顔料、顔
料分散剤、可塑剤、キシレン樹脂、その他のエポキシ樹
脂、表面調整剤、界面活性剤、有機溶剤などの添加剤を
配合することができる。カチオン電着塗料は、電着塗装
によって所望の基材表面に塗装することができる。
【0054】電着塗装は、一般には、固形分濃度が約5
〜40重量%の範囲、好ましくは15〜25重量%の範
囲となるように脱イオン水などで希釈し、さらにpHを
5.5〜9.0の範囲内に調整し、本発明のカチオン電
着塗料からなる浴塗料を、通常、浴温15〜35℃に調
整し、負荷電圧100〜450Vの条件で行うことがで
きる。
【0055】電着塗膜の膜厚は、特に制限されるもので
はないが、一般的には、硬化塗膜に基づいて10〜45
μmの範囲内が好ましい。また、塗膜の焼き付け温度
は、被塗物表面で一般に120〜200℃の範囲、好ま
しくは140〜160℃温度が適しており、また150
℃未満での焼き付け温度で硬化性が十分得ることもでき
る。焼き付け時間は5〜90分、好ましくは10〜30
分程度、被塗物表面が保持されることが好ましい。
【0056】なお本発明のカチオン性塗料組成物は上記
電着塗装以外に、溶剤型塗料として静電塗装、ロール塗
装等により鋼板の防食プライマーとして使用できる。ま
た、ブロック化ポリイソシアネート硬化剤の代わりに、
2液型常乾塗料又は接着剤として使用することも可能で
ある。
【0057】
【発明の効果】 アミノ基含有エポキシ樹脂(I)、及
びビニル共重合体樹脂(A)と部分ブロック化ポリイソ
シアネート(B)を反応させてなる硬化剤(II)からな
るカチオン電着塗料によって、焼き付け温度が150℃
未満の低温において硬化性、及び塗膜性能の向上が図れ
た。詳しくは、従来の脂肪族系・脂環族のイソシアネー
トにオキシム系のブロック化剤を用いた硬化剤を適用し
たカチオン電着塗料に比べ、仕上がり性及び塗料の安定
性を確保した上で、低温硬化性及び防食性の向上が図れ
る。そのことの理由として、イソシアネート種に防食性
良好な芳香族系を適用し、かつ水性塗料であるカチオン
電着塗料中でも、イソシアネートが加水分解することな
く安定性を確保できたことによるものと思われる。
【0058】
【実施例】 以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明する。本発明はこれによって限定されるものでは
ない。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量
%」を示す。
【0059】アミン付加エポキシ樹脂No.1の製造例 エピコート828EL(油化シェル社製、商品名、エポ
キシ樹脂)1010g、ビスフェノールA390g、ジ
メチルベンジルアミノ0.2gを加え、130℃でエポ
キシ当量800になるまで反応させた。次に、ε−カプ
ロラクトン260g、テトラブトキシチタン0.03g
を加え、170℃に昇温し、この温度を保ちながら経時
でサンプリングを行い、赤外吸収スペクトル測定におい
て未反応のε−カプロラクトン量を追跡し、反応率が9
8%以上になった時点で120℃に温度を下げた。次
に、ジエタノールアミン160g、ジエチレントリアミ
ンのメチルイソブチルジケチミン化物65gを加え、1
20℃で4時間反応させ、ブチルセルソルブ420gを
加え、アミン価58、樹脂固形分80%のアミノ基含有
エポキシ樹脂No.1を得た。
【0060】ビニル系樹脂Aの製造例 重合性不飽和モノマー及び有機溶剤を使用する前に、窒
素ガスを1時間通送することにより、脱気(脱酸素)を
行い、温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及
び滴下装置を備えた反応容器に溶剤としてメチルイソブ
チルケトン5部を仕込み、窒素ガスを通送しながら10
5℃に加熱した。この中に重合性不飽和モノマーとし
て、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39部、n−
ブチルメタクリレート61部、金属錯体としてビス(ボ
ロンジフルオロジメチルグリオキメイト)Co(II)
0.005部、ラジカル重合開始剤として2,2'−アゾ
ビス(2−メチルブチロニトリル)2.0部の混合物を
3時間かけて滴下した。その後、105℃で1時間放置
してから、さらに2,2'−アゾビス(2−メチルブチロ
ニトリル)0.5部、メチルイソブチルケトン5部を1時
間かけて滴下し、105℃で1時間放置してビニル系樹
脂A溶液を得た。得られたビニル系樹脂Aは、重量
平均分子量約3,000のを有していた。
【0061】ビニル系樹脂Aの製造例 ビニル系樹脂Aの製造例において、重合性不飽和モノ
マーを、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39部、
メチルメタクリレート61部、金属錯体としてビス(ボ
ロンジフルオロジメチルグリオキメイト)Co(II)
0.008部にする以外は同様の操作にて、固形分約6
6%のビニル系樹脂Aを得た。
【0062】硬化剤No.1の製造例 ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート(MDI)
250部、メチルイソブチルケトン50部を加え、70
℃に昇温した。ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル201部をゆっくり加えた後、90℃に昇温し2時間
保つことによって部分ブロックポリイソシアネートB
を得た。別に仕込んだビニル系樹脂Aを379部を7
0℃に昇温した後、部分ブロックポリイソシアネートB
をゆっくり加えた。70℃に保ちながら経時でサンプ
リングし、赤外吸収スペクトルにて未反応のイソシアネ
ートの吸収がなくなったことにより、固形分80%の硬
化剤No.1を得た。
【0063】硬化剤No.2の製造例 硬化剤No.1の製造例のビニル系樹脂Aに変えてビ
ニル系樹脂Aを用いる以外は、硬化剤No.1の製造
例と同様に硬化剤No.2を得た。
【0064】硬化剤No.3の製造例 イソホロンジイソシアネート(IPDI)を222部、
メチルイソブチルケトン99部を加え、50℃に昇温し
た。メチルエチルケトオキシム174部をゆっくり加え
た後、70℃に昇温した。この温度を保ちながら経時で
サンプリングし、赤外吸収スペクトル測定にて未反応の
イソシアネートの吸収がなくなったことにより、固形分
80%の硬化剤No.3を得た。
【0065】顔料分散ペーストの製造 60%の第4級塩化エポキシ樹脂5.83部、チタン白
14.5部、カーボンブラック0.4部、体質顔料7.
0部、水酸化ビスマス2.0部、脱イオン水20.1部
を加え、固形分55%の顔料分散ペーストを得た。
【0066】エマルション(a)の製造例 上記、製造例1で得られたビニル系樹脂A 87.5
部(樹脂固形分で70部)、及び硬化剤NO.1 3
3.3部(樹脂固形分で30部)、液状有機錫化合物
(三共有機合成社製、商品名、ジブチル錫ジベンゾエー
ト、固形分40%)2.5部、10%酢酸15部を配合
し、均一に攪拌した後、脱イオン152gを強く攪拌し
ながら約15分かけて滴下し、固形分34%のカチオン
電着用のエマルション(a)を得た。
【0067】エマルション(b)の製造例 エマルション(a)の製造例と同様に、表1のような配
合でエマルション(b)を得た。
【0068】エマルション(c)の製造例 エマルション(a)の製造例と同様に、表1のような配
合でエマルション(c)を得た。
【0069】
【表1】
【0070】実施例及び比較例 実施例1 エマルション(a)297部に、顔料分散ペーストを6
1.2部、及び脱イオン水315.3部を加え、固形分
20%の実施例1のカチオン電着塗料No.1を得た。
【0071】実施例2、及び比較例1 実施例1と同様の配合にて、固形分20%のカチオン電
着塗料No.2、カチオン電着塗料No.3を得た。配
合内容については表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】塗装試験 上記、実施例及び比較例で得た各カチオン電着塗料中
に、パルボンド#3020(日本パーカライジング社
製、商品名、リン酸亜鉛処理剤)で化成処理した亜鉛メ
ッキ鋼板(0.8×150×70mm)を浸漬し、これをカソー
ドとして電着塗装を行った。塗膜の焼き付け温度−時間
は、140℃−20分間、160℃−20分間として、
電気熱風乾燥機を用いて行った。得られた塗装板の試験
結果を表3に示す。性能試験は、下記の試験方法に従っ
て実施した。
【0074】
【表3】
【0075】(注1)硬化性:焼き付け温度、140℃
−20分、160℃−20分で焼き付けた電着塗膜表面
を、メチルイソブチルケトン(MIBK)を含浸させた
ガーゼを指先で強く往復20回払拭した後の外観を目視
評価した ○:表面に異常がなく、硬化性が良いもの △:わずかに表面に傷が認められ、硬化性が劣るもの ×:表面が溶解し、硬化性が著しく劣るもの。 (注2)防食性:焼き付け温度140℃−20分、16
0℃−20分で得られた各電着塗板に、素地に達するよ
うに電着塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これを
JISZ−2371に準じて840時間耐塩水噴霧試験を行
い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で
評価した。 ○:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm未満(片
側) △:錆、フクレの最大幅がカット部より2mm以上、3mm未
満(片側)でかつ塗面 全体にブリスターの発生がみら
れる ×:錆、フクレの最大幅がカット部より3mm以上でかつ
塗面全体にブリスターの発生がみられる。
【0076】(注3)仕上がり性:電着塗膜の外板面の
表面粗度を、サーフテスト301(MITSUTOYO社製、
商品名、表面粗度計)でRa値を測定した。 ○:Ra値が0.25未満 △:Ra値が0.25〜0.3未満 ×:Ra値が0.3以上。
【0077】(注4)塗料安定性:カチオン電着塗料を
開放缶に入れ30℃の浴温にて、攪拌羽根を用いて回転
(約800rpm/分)しながら、4週間後での濾過状
態をチェックした。濾過状態は、400メッシュの金網
を用いて塗料3Lを全量ろ過して評価した。 ○:残さ量が、10mg/L未満 △:残さ量が、10〜15mg/L ×:残さ量が、15mg/Lを越えるもの
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 DB281 DB391 DG002 DG302 GA11 KA03 NA01 NA03 NA24 PA04 PC02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ当量が400〜3000のエポ
    キシ樹脂にアミノ基含有化合物を付加させてなるアミノ
    基含有エポキシ樹脂(I)を基体樹脂とし、硬化剤(I
    I)を架橋成分とするカチオン電着塗料において、硬化
    剤(II)が水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)、
    及びその他のエチレン性不飽和単量体(b)を触媒的連
    鎖移動重合法により共重合してなる1分子中に平均3個
    以上の水酸基を含むビニル共重合体樹脂(A)と、全て
    のイソシアネート基のうち一部分をブロック剤によりブ
    ロックした部分ブロック化ポリイソシアネート(B)と
    を反応させた、数平均分子量が1000〜4000であ
    る硬化剤(II)を含有するカチオン電着塗料。
  2. 【請求項2】 ビニル共重合体樹脂(A)が、水酸基含
    有エチレン性不飽和単量体(a)、及びその他のエチレ
    ン性不飽和単量体(b)を触媒的連鎖移動剤である金属
    錯体、及び必要に応じてラジカル重合開始剤の存在下で
    共重合して得られる、1分子中に平均3個以上の水酸基
    を含むビニル共重合体樹脂(A)である請求項1記載の
    カチオン電着塗料。
  3. 【請求項3】 ビニル共重合体樹脂(A)を構成する単
    量体組成が、水酸基含有エチレン性不飽和単量体(a)
    を20〜50重量%、その他のエチレン性不飽和単量体
    (b)を80〜50重量%である請求項1、又は2に記
    載のカチオン電着塗料。
  4. 【請求項4】 カチオン電着塗料が、エポキシ当量が4
    00〜3000のエポキシ樹脂にアミノ基含有化合物を
    付加させてなるアミノ基含有エポキシ樹脂(I)、及び
    硬化剤(II)を架橋成分とし、アミノ基含有エポキシ樹
    脂(I)と硬化剤(II)の固形分総合計量に対して、ア
    ミノ基含有エポキシ樹脂(I)が40〜80重量%、硬
    化剤(II)が20〜60重量%である請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載のカチオン電着塗料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6775714B1 (ja) * 2019-02-08 2020-10-28 関西ペイント株式会社 水性塗料組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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