JP2002308692A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のブリッヂマン法で製造した単結晶より
格子欠陥が極めて少なく、かつ複合組成物の単結晶を製
造する場合においても偏析の少ない単結晶を製造する方
法を提供すること。 【解決手段】 製造する単結晶の融点より低い温度に維
持されている融液の中に、先端部に種結晶を付け、その
上に単結晶原料の融液を入れた単結晶成長用容器を入れ
て先端部より単結晶原料の融液を順次固化させることを
特徴とする単結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単結晶の製造方
法、詳細には熱浴を用いるブリッヂマン法(引下げ法)
による単結晶の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られたブリッヂマン法は、先端部
に種結晶を付け、その上に単結晶の原料を充填したルツ
ボを、単結晶の原料が入っている部分が電気炉の単結晶
の融点より若干高い温度に保持された部分にあるように
入れ、単結晶の原料を溶解し、炉内の温度勾配が有る部
分を通過させて単結晶の融点より低い温度に保持された
部分までルツボを降下し、ルツボの先端部より融液を順
次固化させて単結晶を製造方法である。
【0003】この方法は、電気炉内が単結晶の融点より
若干高い温度に維持されている部分と単結晶の融点より
低い温度に保持された部分とが温度勾配を有する部分を
挟ん区別されているため、単結晶を製造するルツボも冷
却されている部分と冷却されていない部分が明確に区分
されないので、ルツボの下部ばかりでなくその周囲から
も冷却されることになる。またこの方法では下から上へ
の空気対流が激しく、この対流により空気がルツボ表面
に多量に衝突するため、ルツボ表面の上下方向に結晶成
長に必要でかつ十分な温度勾配が得られなく、またこの
空気の対流が熱的揺らぎを発生して温度が不安定になる
ため、ルツボ壁の温度と直接関係にある結晶成長も不安
定となった。その結果良質の単結晶が得られなかった。
【0004】また、複合組成物の偏析を防止するために
は、融液の深さを浅くかつ一定なるように、連続的に原
料を上部から供給しながら結晶を成長させる必要がある
が、結晶が成長している位置が漠然としているため、こ
の方法を実施することができなかった。
【0005】近年、新素材の開発が盛んになり、単結晶
の商品化への要求が著しくなっている。この中でもブリ
ッヂマン法は、この方法でしかできない多くの単結晶が
あるので、より格子欠陥の少ない単結晶を製造する方法
の開発が期待されているが、この要求に十分対応できな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
ブリッヂマン法によって製造した単結晶より格子欠陥が
極めて少なく、かつ複合組成物でも偏析の少ない単結晶
を製造する方法を提供することを課題とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、ブリッヂマン法について鋭意研究を重
ねた結果、先端部に種結晶を付け、その上に単結晶原料
の融液を入れた単結晶成長用容器を、電気炉に入れて気
体により冷却する代わりに、製造する単結晶の融点より
低い温度に維持されている融液の中に入れて冷却すれ
ば、冷却されている部分と冷却されていない部分が明確
に区分されるため、すなわち単結晶の融点より低い温度
に維持されている融液に接している部分のみから冷却さ
れるため、容器の下部から単結晶が成長し、格子欠陥の
極めて少ない単結晶が製造できること、また製造する単
結晶の融点より低い温度に維持されている融液として溶
融ガラス又は溶融フラックスを用いれば、溶融ガラス又
は溶融フラックスは高温においても安定であり、かつ熱
容量が大きく、粘性も大きいため対流が抑えられ、温度
の安定性が極めて向上するので、安定して冷却をするこ
とができること等の知見を得た。 本発明は、これらの
知見に基づいて発明をされたものである。
【0008】すなわち、本発明の単結晶の製造方法にお
いては、製造される単結晶の融点より低い温度に維持さ
れている融液の中に、先端部に種結晶を付け、その上に
単結晶原料の融液を入れた単結晶成長用ルツボ等の単結
晶成長用容器を入れて先端部より単結晶原料の融液を順
次固化させることである。
【0009】さらに、本発明の単結晶の製造方法におい
ては、製造する単結晶の融点より低い温度に維持されて
いる融液の中に、先端部に種結晶を付け、その上に単結
晶原料の融液を入れた単結晶成長用容器を入れ、この単
結晶成長用容器中の単結晶原料の融液の固液界面の高さ
を、上記製造する単結晶の融点より低い温度に維持され
ている融液の表面の高さとほぼ一致させて先端部より単
結晶原料の融液を順次固化させることである。また、本
発明の単結晶の製造方法においては、上記製造する単結
晶の融点より低い温度に維持されている融液の温度を製
造する単結晶の融点の90%以上で100%未満にし、
この融液を溶融ガラス、溶融フラックス等とすることで
ある。
【0010】
【作用】本発明の単結晶の製造方法は、先端部に種結晶
を付け、その上に単結晶原料の融液を入れた単結晶成長
用容器を、製造する単結晶の融点より低い温度に維持さ
れている融液の中に入れるので、単結晶の融点より低い
温度に維持されている融液に接している部分のみから冷
却されるため、単結晶成長用容器の下部から単結晶が成
長し、格子欠陥の極めて少ない単結晶を製造することが
できる。さらに、上記単結晶成長用容器に入れた単結晶
原料の融液の固液界面の高さを、上記単結晶成長用容器
を入れる上記製造する単結晶の融点より低い温度に維持
されている融液の表面の高さとほぼ一致させるているの
で、単結晶原料の融液の固液界面の温度勾配が大きくと
れ、格子欠陥の少ない単結晶を製造することができる。
【0011】また、単結晶が成長している位置が熱浴用
容器中の融液と接している部分となるので、単結晶が成
長している位置が明確になるため、単結晶成長用容器中
の融液の深さを浅くかつ一定なるように、連続的に原料
を上部から供給しながら結晶を成長させることもできる
ので、複合組成物においても偏析の少ない単結晶を製造
することができる。また、融液を溶融ガラス、溶融フラ
ックス等にしているので、融液が高温においても化学的
に安定であり、かつ熱容量が大きく、かつ粘性が大きい
ため対流が抑えられ、安定して冷却することができる。
そのため、単結晶の成長が安定し、格子欠陥の極めて少
ない単結晶を製造することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の単結晶の製造方法
について図面を参考にして詳細に説明する。図1は、本
発明の単結晶の製造方法を実施するための装置の一例を
示す概念図、図2は、本発明の単結晶の製造方法を説明
するための説明図及び図3は、本発明の単結晶の製造方
法を実施する場合の熱浴用容器中の融液の温度と単結晶
成長用容器中の単結晶原料の融液の温度との関係を説明
するための説明図である。
【0013】本発明の単結晶の製造方法において、製造
する単結晶の融点より低い温度に維持されている融液
は、格子欠陥等の少ない単結晶の成長に適した条件で単
結晶成長用容器を下部から冷却するためのもので、その
原料は、B2 3 、SiO2 、GeO2 、Sb2 3
As2 3 、Nb2 5 、P2 3 、V2 5 、硫化
物、セレン化物、ハロゲン化物、カルユゲナイト等のガ
ラス、これらに色々の物質を混ぜて必要な温度での粘性
を調整したもの、PbO、Bi2 3 、Na2 0、Pb
2 、LiF、KF、LiCl、CaCl2 、KCl等
のフラックス又はソルベント(融剤)等である。
【0014】この融液の温度は、製造する単結晶の融点
の90%以上で100%未満、好ましくは97%以下の
温度にするのが好ましい。90%より低いと単結晶成長
用容器中の単結晶原料の融液の冷却が早過ぎて格子欠陥
の多い単結晶になるからであり、また高過ぎると冷却が
遅れ、単結晶成長用容器の下降速度に伴う単結晶の成長
が行われなくるので、97%以下が好ましい。
【0015】上記製造する単結晶の融点より低い温度に
維持されている融液を入れる熱浴用容器2は、通常ルツ
ボであり、その材料としては黒鉛、セラミックス、白
金、イリジウム等が適当である。この熱浴用容器は、中
に入っている融液を所定の温度に維持するために外部に
設けた加熱装置により加熱されるので、加熱できるもの
である必要があるが、侵食されて融液を汚染しても製造
される単結晶に直接的な影響がないので、白金でなくて
もよい。この熱浴用容器2を加熱する装置としては、上
下の温度勾配を任意に設定できる赤外線積層型電気炉が
適当である。またこの熱浴用容器の容量は、大きいほう
が単結晶成長用容器4を入れても液面の上昇が少ないと
共に、温度の変化も少ないので好ましい。
【0016】この熱浴用容器2に単結晶成長用容器4を
入れることによって融液3の液面レベルが上昇する場合
には、単結晶成長用容器4が入るに伴って熱浴用容器2
を下げるか、熱浴用容器2を二重にし、内側の容器の上
端または途中に設けた孔の高さを融液3の必要な液面レ
ベルと一致させておき、内側の容器の上端または途中に
設けた孔まで入れた融液を単結晶成長用容器4が入るに
伴ってオーバーフローさせて外側の容器で受け取るよう
にする等により液面レベルを一定の高さに保つことが必
要である。
【0017】上記単結晶成長用容器6は、通常ルツボで
あり、その材料は中に入る単結晶原料の融液を汚染しな
いものであり、単結晶原料の溶解及びその融液の温度を
所定の温度に保つために加熱されるので、加熱すること
ができるものである必要がある。これらの条件を満たす
ものとしては高温用では白金、イリジウム、低温用では
銀、金等で製造したものが適当である。この単結晶成長
用容器を加熱する装置としては上下の温度勾配を任意に
設定できる上記赤外線積層型電気炉が適当である。
【0018】次に、本発明の単結晶の製造方法は、単結
晶成長用容器に入れた単結晶原料の融液の固液界面の高
さを、製造する単結晶の融点より低い温度に維持されて
いる融液の表面の高さとほぼ一致させているが、その理
由を説明する。単結晶成長用容器に入れた単結晶原料の
融液の固液界面の高さを、上記単結晶成長用容器を入れ
るための製造する単結晶の融点より低い温度に維持され
ている融液の表面とほぼ一致させていると、下方のみか
ら冷却されるために温度勾配が大きくとれるので、格子
欠陥の少ない単結晶が得られるからである。
【0019】これに対して、単結晶成長用容器に入れた
単結晶原料の融液の固液界面の高さが、製造する単結晶
の融点より低い温度に維持されている融液の表面より高
い場合(製造する単結晶の融点より低い温度に維持され
ている融液に単結晶成長用容器を入れる速度が遅いか、
製造する単結晶の融点より低い温度に維持されている融
液の温度が低過ぎるか、又は単結晶成長用容器に入れた
単結晶原料の融液の温度が低過ぎる場合)には、下方か
ら十分冷却されないために結晶原料の融液の固液界面の
温度勾配が大きくとれないので、格子欠陥の少ない単結
晶が得られないからである。
【0020】また、単結晶成長用容器に入れた単結晶原
料の融液の固液界面の高さが製造する単結晶の融点より
低い温度に維持されている融液の表面より低い場合(製
造する単結晶の融点より低い温度に維持されている融液
に単結晶成長用容器を入れる速度が速いか、製造する単
結晶の融点より低い温度に維持されている融液の温度が
高過ぎるか、又は単結晶成長用容器に入れた単結晶原料
の融液の温度が高過ぎる場合)には、下方ばかりでなく
周囲からも冷却されるために単結晶原料の融液の固液界
面の温度勾配が大きくとれないので、格子欠陥の少ない
単結晶が得られないからである。
【0021】次に、本発明の単結晶の製造方法の一例を
図面を参考にして説明する。図2及び図3のaに示すよ
うに熱浴用容器2の中に入っている、製造する単結晶の
融点より低い温度に維持されている融液3の中に、先端
部に種結晶5を付け、その上に単結晶原料を入れた単結
晶成長用容器4の種結晶5の部分を入れ、単結晶原料の
温度をその融点より50℃高い温度に加熱して単結晶原
料を完全に溶融し、かつ気泡のない状態にする。
【0022】その後、図2及び図3のbに示すように単
結晶原料の融液6の温度を融点より20℃高いところま
で降温させる。次いで、単結晶成長用容器4を引上げ、
種結晶5の3分の2が融液3から露出したところで停止
する。その後単結晶成長用容器4を所定の速度で熱浴用
容器2の中に降下する。この降下に伴い融液3の液面が
上昇するので、熱浴用容器2を下げる等により融液3の
液面のレベルを一定の高さに保つ必要がある。
【0023】その後、図2のcに示すように単結晶成長
用容器4が熱浴用容器2の中に入って行くに伴い、熱浴
用容器2からの冷却が大きくなるため、単結晶成長用容
器4の温度を上昇させなないと単結晶原料の融液6の温
度が低下してしまうので、単結晶成長用容器4の温度を
プログラムにしたがって図3のcに示すように昇温する
必要がある。その後、図2のdに示すようになったら、
単結晶成長用容器4の下降を停止し、これを熱浴用容器
2の設定温度と同じになるまで下げる。その後、単結晶
成長用容器4と熱浴用容器2を共に温度降下させ、熱浴
用容器2の融液3が凝固しない温度のうちに熱浴用容器
2だけを降下させ、単結晶成長用容器4を抜き出し、更
に温度を下げて単結晶成長用容器4を取り出す。これに
よって、結晶が成長した単結晶7は、その長手方向に対
し、結晶の成長が始まったときから結晶を取り出すま
で、常時一定温度が守られ、単結晶の熱的歪みを最小限
にすることができ、熱歪みによる格子欠陥の発生を防止
することができる。
【0024】実施例 図1に示すような赤外線積層型電気炉8の中に直径φ6
0mm×長さ80mmの熱浴用白金ルツボ2を入れ、こ
の中に酸化ホウ素(B2 3 、融点460℃)を入れ、
溶解し、1045℃に維持した。一方、先端部に種結晶
5を付け、その上に単結晶原料であるモリブデン酸鉛
(PbMoO4 、融点1065℃)を入れた直径φ15
mm×長さ70mmの単結晶成長用白金ルツボ4を準備
し、図1に示すように赤外線積層型電気炉8の中に入れ
た。この状態で赤外線積層型電気炉8により単結晶原料
であるモリブデン酸鉛を1115℃に加熱して単結晶原
料の融液6にした。
【0025】この状態から図2及び3のbに示すように
単結晶原料の融液6の温度を融点より20℃高い108
5℃まで降温させた。次いで、種結晶5の3分の2が融
液3から露出するまで単結晶成長用容器4を上昇し、こ
こで停止した。その後単結晶成長用容器4を時間当たり
2mmの速度で熱浴用白金ルツボ2の中に降下した。こ
の降下に伴い、熱浴用白金ルツボ2の液面が時間当たり
0.14mmの速度で上昇したので、7時間に1mm下
がるように熱浴用白金ルツボ降下装置9により熱浴用白
金ルツボ2を連続的に下降した。
【0026】また、この方法の実施中に熱浴用白金ルツ
ボ2の融液3中に単結晶成長用容器4が入って行ったこ
とによる冷却速度の増加分を補うため、単結晶成長用容
器4中の単結晶原料融液6の温度を時間当たり1℃ずつ
上昇した。30時間後に単結晶成長用白金ルツボ4の下
降を停止し、これを熱浴用白金ルツボ2の設定温度(1
045℃)と同じになるまで下げた。その後、単結晶成
長用白金ルツボ4と熱浴用白金ルツボ2を共に温度降下
させ、熱浴用白金ルツボ2の融液3が凝固しない温度の
うちに熱浴用白金ルツボ2だけを降下させ、単結晶成長
用白金ルツボ4を抜き出し、更に温度を下げて単結晶成
長用白金ルツボ4を取り出した。この様にして製造した
単結晶の格子欠陥は、1cm2 当たり104 個以下であ
った。これに対して上記従来のブリッヂマン法によって
製造した単結晶の格子欠陥は、1cm2 当たり105
以上であった。
【0027】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の単結晶の
製造方法は、上記構成にすることにより、次のような優
れた効果を奏する。 (1)熱浴用容器の中の融液によって、単結晶成長用容
器の壁は空気対流から液体対流に変わり、液体の粘性と
熱容量の影響によって、融液内の熱対流を極度に抑制す
ることが可能となり、単結晶成長時の温度が著しく安定
する。また熱浴用容器の中の融液として、溶融ガラス、
溶融フラックス等を選択することによって、熱容量が大
きく、融液の粘性が高くなるため対流が抑えられ、更に
温度の安定性を増大することができる。その結果格子欠
陥の少ない良質の単結晶を製造することができる。
【0028】(2)熱浴用容器の中の融液の表面とこれ
に接する空気の界面を単結晶の成長位置としているの
で、この位置での温度勾配は確実に作られる。また、単
結晶成長時の温度勾配は、熱浴用容器の中の融液の温度
と単結晶成長用容器との温度差を調節することによっ
て、任意の温度勾配中での結晶の成長が可能である。 (3)単結晶の成長位置が、熱浴用容器の中の融液の表
面と同じレベルにあるので、単結晶の成長位置が明確で
ある。したがって、単結晶成長用容器の下降速度と単結
晶の成長速度が一致し、縦方向に等速で順次に単結晶化
することが可能である。
【0029】(4)複合組成物の単結晶を成長させる場
合、組成物の種類によってその程度に差があるが、成長
した単結晶の先端部と上部に組成偏析ができることが知
られている。これを解決する方法として、単結晶成長用
容器中の単結晶原料の融液の深さを浅くかつ一定なるよ
うに、連続的に原料を上部から供給しながら結晶を成長
させる方法があるが、従来の方法では単結晶の成長位置
が漠然としているため、この方法を実施することができ
なかった。しかし、本発明の単結晶の製造方法では可能
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単結晶の製造方法を実施するための装
置の一例の概念図である。
【図2】本発明の単結晶の製造方法を説明するための説
明図である。
【図3】本発明の単結晶の製造方法を実施する場合の熱
浴用容器中の融液の温度と単結晶成長用容器中の単結晶
原料の融液の温度との関係を説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
1 単結晶製造装置 2 熱浴用容器 熱浴用白金ルツボ 3 融液 4 単結晶成長用容器 単結晶成長用白金ルツボ 5 種結晶 6 単結晶原料の融液 7 単結晶 8 赤外線積層型電気炉 9 熱浴用白金ルツボ降下装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造する単結晶の融点より低い温度に維
    持されている融液の中に、先端部に種結晶を付け、その
    上に単結晶原料の融液を入れた単結晶成長用容器を入れ
    て先端部より単結晶原料の融液を順次固化させることを
    特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 製造する単結晶の融点より低い温度に維
    持されている融液の中に、先端部に種結晶を付け、その
    上に単結晶原料の融液を入れた単結晶成長用容器を入
    れ、この単結晶成長用容器中の単結晶原料の融液の固液
    界面の高さを、上記製造する単結晶の融点より低い温度
    に維持されている融液の表面の高さとほぼ一致させて先
    端部より単結晶原料の融液を順次固化させることを特徴
    とする単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記製造する単結晶の融点より低い温度
    に維持されている融液が製造する単結晶の融点の90%
    以上で100%未満の温度に維持されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項2記載の単結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記製造する単結晶の融点より低い温度
    に維持されている融液が溶融ガラス又は溶融フラックス
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいず
    れか1項記載の単結晶の製造方法。
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