JP2002307731A - カラープリンタの記録方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 長尺用紙に対して記録情報を分割して記録す
る際に、各分割記録の境界部分におけるインクの重なり
やステッチングの発生を防止して、記録画像の画質を向
上させることのできるカラープリンタの記録方法を提供
する。 【解決手段】 長尺用紙に対して記録するための記録情
報を１頁分ずつに分割し、１分割目の記録情報に基づく
各色のインクによる記録は、最終端において上段に位置
するインクを記録する際にその下段のインクがわずかに
露出するように順次階段状にずらして記録され、２分割
目の記録情報に基づく各色のインクによる記録は、１分
割目の各色のインクによる記録の最終端から続けて記録
されるようにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はカラープリンタの記
録方法に係り、特に、長尺用紙に対して、記録情報を分
割してこの分割した記録情報に基づいてカラー記録を行
なうカラープリンタの記録方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、高記録品質、低騒音、低コス
ト、メンテナンスの容易性等の理由により、コンピュー
タ、ワードプロセッサ等の出力装置として熱転写プリン
タが多く用いられている。

【０００３】このような一般的な熱転写プリンタにおい
ては、プラテンに沿って往復動自在とされたキャリッジ
を配設し、このキャリッジにサーマルヘッドを搭載する
とともに、内部に所望の色のインクリボンが収容された
リボンカセットを着脱自在に装着して構成されている。
そして、前記キャリッジをプラテンに沿って往復動作さ
せるとともに、リボンカセットのインクリボンを巻取り
ながら、記録情報に基づいて前記サーマルヘッドを駆動
することにより、前記プラテンと前記サーマルヘッドと
の間に搬送される記録用紙に対して所望の画像記録を行
なうようになっている。

【０００４】そして、近年、このような熱転写プリンタ
においては、例えば、シアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、
イエロー（Ｙ）およびブラック（Ｋ）の４色のインクリ
ボンがそれぞれ収容されたリボンカセットを用いて、フ
ルカラー画像の記録を行なうことができるようになって
いる。

【０００５】このような熱転写プリンタにおいては、ま
ず、記録情報に基づいてサーマルヘッドを駆動すること
により、シアンのインクを用いて記録用紙に記録を行な
い、１行分の記録が終了したら記録用紙を１行分搬送
し、次の行の記録を行なう。この動作を繰り返すことに
より、１頁分の記録が終了したら、記録用紙を逆方向に
搬送して元の位置に戻し、マゼンタのインクを用いて記
録用紙に記録を行なう。同様に、イエローのインク、ブ
ラックのインクを用いて順次記録を行なうことにより、
フルカラー画像の記録を行なうようになっている。

【０００６】この場合、従来から、各色による各行の記
録を記録用紙の搬送方向に少しずつずらして記録するこ
とにより、各行における各インクの境界部分を目立たな
くするようになっている。

【０００７】一方、従来から、通常の記録用紙に対して
長尺に形成された長尺用紙に対して記録を行なう場合、
制御装置のメモリ容量との関係で、すべての記録情報を
読み込むことができない。そのため、記録情報を１頁分
ずつに分割し、この分割された１分割目の記録情報をメ
モリに読み込んでこの記録情報に基づいて１頁分の記録
を行なった後、次の２分割目の記録情報をメモリに読み
込んでこの記録情報に基づいて記録を行なうようになっ
ている。

【０００８】図４および図５はこのような分割記録を行
なう場合の例を示したもので、各色のインクにおける１
分割目の最終行をｎとすると、シアンのインクにより最
終行（ｎ）までの記録が終了したら、続いて、マゼンタ
のインクにより最終行（ｎ）の次の行（ｎ＋１）の途中
までの記録を行ない、同様に、イエローのインクおよび
ブラックのインクにより最終行（ｎ）の次の行（ｎ＋
１）の途中までの記録を行なうようになっており、これ
により、各色のインクを少しずつずらして積層記録する
ようになっている。

【０００９】そして、図４に示すように、１分割目の記
録が終了した場合、各色のインクは記録用紙に対してす
べて同一位置で終了していた。

【００１０】続いて、２分割目の記録を行なう場合は、
図５に示すように、１分割目の記録情報の続きの記録情
報に基づいて、各色のインクにより順次記録するように
なっていた。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の記
録方法においては、記録用紙の搬送を行なう際に、用紙
搬送ローラの外径のばらつきや用紙搬送ローラの偏心、
あるいは用紙搬送ローラへの回転伝達機構の精度のばら
つき等により、用紙搬送量にばらつきが生じることがあ
る。そのため、１分割目の記録と２分割目の記録との境
界部分に、インクの重なりが生じたり、あるいはインク
の間隔による白すじ（いわゆるステッチング）が発生し
てしまい、記録画像の画質が劣化してしまうという問題
を有している。

【００１２】本発明は前記した点に鑑みてなされたもの
で、長尺用紙に対して記録情報を分割して記録する際
に、各分割記録の境界部分におけるインクの重なりやス
テッチングの発生を防止して、記録画像の画質を向上さ
せることのできるカラープリンタの記録方法を提供する
ことを目的とするものである。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明に係るカラープリンタの記録方法は、長尺用紙に
対して記録するための記録情報を１頁分ずつに分割し、
この分割された１分割目の記録情報に基づいて記録ヘッ
ドを駆動して各色のインクを積層して１頁分の記録を行
なった後、２分割目の記録情報に基づいて記録ヘッドを
駆動して各色のインクを積層して記録を行なうようにし
てなるカラープリンタの記録方法であって、前記１分割
目の記録情報に基づく各色のインクによる記録は、最終
端において上段に位置するインクを記録する際にその下
段のインクがわずかに露出するように順次階段状にずら
して記録され、２分割目の記録情報に基づく各色のイン
クによる記録は、１分割目の各色のインクによる記録の
最終端から続けて記録されるようにしたことを特徴とす
る。

【００１４】この発明によれば、１分割目の記録情報に
基づく各色のインクによる記録は、最終端において上段
に位置するインクを記録する際にその下段のインクがわ
ずかに露出するように順次階段状にずらして記録され、
２分割目の記録情報に基づく各色のインクによる記録
は、１分割目の各色のインクによる記録の最終端から続
けて記録されるようにしているので、１分割目の記録と
２分割目の記録との境界部分がインクの色毎にずれるよ
うになり、その結果、用紙搬送機構にばらつきがあって
も、１分割目の記録と２分割目の記録との境界部分にお
けるインクの重なりやステッチング等の発生を確実に防
止することができ、良好な品質のカラー記録を行なうこ
とができる。

【００１５】また、他の発明は、請求項１において、最
終端において下段のインクがわずかに露出するように順
次階段状にずらす際に、記録情報に基づく１行分の記録
単位でずらすようにしたことを特徴とする。

【００１６】この発明によれば、最終端において下段の
インクがわずかに露出するように順次階段状にずらす際
に、記録情報に基づく１行分の記録単位でずらすように
しているので、記録情報の管理が容易となる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図１か
ら図３を参照して説明する。

【００１８】図１は本発明に係るカラープリンタの記録
方法を実施するための制御装置の実施の一形態を示した
もので、この制御装置１は、プリンタ全体の制御を行な
うマイクロプロセッサ等のＣＰＵ２を有しており、この
制御装置１には、制御動作を実行するための制御プログ
ラム等を記憶するためのメモリ３が設けられている。ま
た、このメモリ３には、コンピュータ等から出力される
記録情報をシアン（Ｃ）、マゼンタ（Ｍ）、イエロー
（Ｙ）、ブラック（Ｂ）の各色ごとに分けて格納するた
めのバッファ４がそれぞれ設けられており、これら各バ
ッファ４は、各記録用紙の１頁分の記憶容量とされてい
る。

【００１９】また、前記ＣＰＵ２は、バッファ４に格納
された画像情報に基づいて、ヘッド駆動回路５を動作さ
せてカラープリンタの記録ヘッドの各発熱素子６を駆動
したり、キャリッジ駆動回路７および用紙搬送駆動回路
８をそれぞれ動作させてキャリッジ９および用紙搬送機
構１０を駆動して所望の記録動作を行なうようになって
いる。

【００２０】次に、前述した制御装置１を用いたカラー
プリンタの記録方法について、図２および図３を参照し
て説明する。

【００２１】まず、長尺用紙に対して記録を行なう場
合、コンピュータ等から所定の記録情報が入力された
ら、この記録情報を１頁ずつに分割し、この１分割目の
記録情報をシアン、マゼンタ、シアン、ブラックの各色
の記録情報に分けて、メモリ３の各色に対応したバッフ
ァ４に格納する。

【００２２】そして、図２に示すように、まず最初に、
バッファ４からシアンの色の記録情報を取り出し、この
記録情報に基づいて、ＣＰＵ２によりヘッド駆動回路５
を動作させて記録ヘッドの各発熱素子６を駆動するとと
もに、キャリッジ駆動回路７によりキャリッジ９を往復
動作させ、用紙搬送駆動回路８により用紙搬送機構１０
を駆動して記録用紙を所定量ずつ搬送しながら、シアン
のインクによる記録を行なう。

【００２３】ここで、例えば、１分割目の最初の行を
１、最終行をｎとすると、シアンのインクにより最終行
（ｎ）までの記録を行なう。ここで、図２および図３
中、（１，ｎ）とあるのは、「１」分割目の「ｎ」行目
の記録であることを示している。

【００２４】続いて、バッファ４からマゼンタの色の記
録情報を取り出し、この記録情報に基づいて、ＣＰＵ２
により、マゼンタのインクにより最終行（ｎ）までの記
録を行なう。同様に、バッファ４からイエローの色の記
録情報を取り出し、この記録情報に基づいて、イエロー
のインクにより最終行の１行前の行（ｎ−１）までの記
録を行ない、ブラックのインクにより最終行（ｎ）の２
行前の行（ｎ−２）までの記録を行なうようになってい
る。

【００２５】すなわち、本実施形態においては、各色の
インクを最下段に位置するシアンのインクによる記録の
最終端が分割位置の最終端に位置し、その上段に位置す
るマゼンタのインクは、シアンのインクがわずかに露出
するように記録行を戻すように制御し、さらにその上段
のイエローのインクおよびブラックのインクがそれぞれ
下段のインクがわずかに露出するように階段状にずらし
て記録するようになっている。

【００２６】次に、２分割目の記録を行なう場合は、図
３に示すように、２分割目の記録情報をシアン、マゼン
タ、シアン、ブラックの各色の記録情報に分けて、メモ
リ３の各色に対応したバッファ４に格納する。

【００２７】そして、同様に、バッファ４からシアンの
色の記録情報を取り出し、この記録情報に基づいて、Ｃ
ＰＵ２により記録ヘッドの各発熱素子６を駆動するとと
もに、キャリッジ駆動回路７によりキャリッジ９を往復
動作させ、搬送駆動回路により記録用紙を所定量ずつ搬
送することにより、２分割目の最初の行（１）からシア
ンのインクによる記録を行なう。

【００２８】続いて、マゼンタ、イエロー、ブラックに
ついても同様に記録を行ない、２分割目の各色の最初の
行（１）は、１分割目の記録による最終端に連続して記
録されるようになっている。

【００２９】したがって、本実施形態においては、１分
割目の記録は、各色のインクの上段に位置するインクを
下段のインクがわずかに露出するように階段状にずらし
て記録するようにしており、２分割目の記録は、１分割
目の記録の最終端に連続して行なうようにしているの
で、１分割目の記録と２分割目の記録との境界部分がイ
ンクの色毎にずれるようになり、その結果、用紙搬送機
構１０にばらつきがあっても、１分割目の記録と２分割
目の記録との境界部分におけるインクの重なりやステッ
チング等の発生を確実に防止することができ、良好な品
質のカラー記録を行なうことができる。

【００３０】なお、本発明は前述した実施形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて種々変更することが可
能である。

【００３１】

【発明の効果】以上述べたように本発明に係るカラープ
リンタの記録方法は、１分割目の記録情報に基づく各色
のインクによる記録は、最終端において上段に位置する
インクを記録する際にその下段のインクがわずかに露出
するように順次階段状にずらして記録され、２分割目の
記録情報に基づく各色のインクによる記録は、１分割目
の各色のインクによる記録の最終端から続けて記録され
るようにしているので、１分割目の記録と２分割目の記
録との境界部分がインクの色毎にずれるようになり、そ
の結果、用紙搬送機構にばらつきがあっても、１分割目
の記録と２分割目の記録との境界部分におけるインクの
重なりやステッチング等の発生を確実に防止することが
でき、良好な品質のカラー記録を行なうことができる。

【００３２】また、他の発明は、最終端において下段の
インクがわずかに露出するように順次階段状にずらす際
に、記録情報に基づく１行分の記録単位でずらすように
しているので、記録情報の管理が容易となる等効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るカラープリンタの記録方法を実
施するための制御装置の実施形態を示すブロック図

【図２】 本発明のカラープリンタ記録方法による１分
割目の記録状態の実施形態を示す説明図

【図３】 本発明のカラープリンタ記録方法による２分
割目の記録状態の実施形態を示す説明図

【図４】 従来のカラープリンタ記録方法による１分割
目の記録状態を示す説明図

【図５】 従来のカラープリンタ記録方法による２分割
目の記録状態を示す説明図

【符号の説明】

１ 制御装置 ２ ＣＰＵ ３ メモリ ４ バッファ ５ ヘッド駆動回路 ６ 発熱素子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 2C065 AA02 DC23 DC26 DC33

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長尺用紙に対して記録するための記録情
   報を１頁分ずつに分割し、この分割された１分割目の記
   録情報に基づいて記録ヘッドを駆動して各色のインクを
   積層して１頁分の記録を行なった後、２分割目の記録情
   報に基づいて記録ヘッドを駆動して各色のインクを積層
   して記録を行なうようにしてなるカラープリンタの記録
   方法であって、前記１分割目の記録情報に基づく各色の
   インクによる記録は、最終端において上段に位置するイ
   ンクを記録する際にその下段のインクがわずかに露出す
   るように順次階段状にずらして記録され、２分割目の記
   録情報に基づく各色のインクによる記録は、１分割目の
   各色のインクによる記録の最終端から続けて記録される
   ようにしたことを特徴とするカラープリンタの記録方
   法。
2. 【請求項２】 最終端において下段のインクがわずかに
   露出するように順次階段状にずらす際に、記録情報に基
   づく１行分の記録単位でずらすようにしたことを特徴と
   する請求項１に記載のカラープリンタの記録方法。