JP2002307563A - 熱可塑性樹脂被覆frp製幅止め材の製造方法 - Google Patents
熱可塑性樹脂被覆frp製幅止め材の製造方法Info
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Abstract
法において、作業効率を格段に向上させ、かつ、製造上
のコストを格段に低減する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂11を含浸させた繊維芯材
12の外周面を、熱可塑性樹脂13で被覆して熱可塑性
樹脂被覆FRP線10を複数本作製し、これを螺旋状に
撚り合わせて(八つ打ち)FRPロープ20を作製す
る。次いで、この(八つ打ち)FRPロープ20を硬化
治具50に巻き付け硬化させて矩形状ループ30を成形
する。続いて、この矩形状ループ30の一組の相互に対
向した2辺のほぼ中央部を切断して、熱可塑性樹脂被覆
FRP製幅止め材40を得る。
Description
FRP製幅止め材の製造方法に関し、特に、作業効率を
向上させ、かつ、製造上のコストを低減することができ
る熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の製造方法に関す
る。
強筋が、鉄筋の代わりに種々のコンクリート構造物に内
蔵されている。例えば、トンネルを構築する際に採用さ
れているNOMST(Novel Material Shield-cuttable
Tunnel-wall)工法においては、シールドの発進位置と
到達位置にケーソンを埋設して立坑を築造し、この立坑
を直接シールドで開削するが、このケーソンにはFRP
製の主筋、帯筋、せん断筋が内蔵されている。
坑築造位置へと搬送され、埋設されるが、前記ケーソン
製造の際に、このケーソン内部で前記FRP製の主筋同
士および帯筋同士の間隔を保持・固定するため、主筋間
または帯筋間に、所定の「幅止め材」が配置される。
ば、図5に示したようなFRPロッド材100が挙げら
れる。このFRPロッド材100は、FRP芯材110
に、FRP外周線120を螺旋状に巻き付けて製造した
ものである。
ッド材100を製造するには、人手または巻き付け装置
によって、直線部111とフック部112からなるFR
P芯材110の外周に、FRP外周線120を巻き付け
るという方法によっていたため、作業効率が悪い上に人
件費が嵩んでいた。
製幅止め材の製造方法において、作業効率を格段に向上
させ、かつ、製造上のコストを格段に低減することであ
る。
め、請求項1記載の熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材
の製造方法は、例えば、図1から図3に示すように、熱
硬化性樹脂11を含浸させた繊維芯材12の外周面を、
熱可塑性樹脂13で被覆した熱可塑性樹脂被覆FRP線
10を複数本作製する工程と、少なくとも1本の前記熱
可塑性樹脂被覆FRP線10の外周に、6本の前記熱可
塑性樹脂被覆FRP線10を螺旋状に撚り合わせてFR
Pロープ20aを作製する工程と、前記FRPロープ2
0aを硬化治具50に巻き付け硬化させて矩形状ループ
30を成形する工程と、前記矩形状ループ30の一組の
相互に対向した2辺のほぼ中央部を切断する工程とを経
ることを特徴とする。
筋を製造するための既存設備を有効活用してFRPロー
プの作製や矩形状ループの成形を行い、この矩形状ルー
プの所定位置を切断するだけで熱可塑性樹脂被覆FRP
製の幅止め材を得ることができるため、製造工程をほぼ
全て自動化・機械化することができ、余分な人件費がか
からず、製造上のコストを格段に低減することができ
る。
た熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、鉄筋と比較し
てきわめて軽量となり、施工性が良好である上に、シー
ルドのカッタービットによって容易に切断することがで
きる。この結果、NOMST工法に用いられる立坑用ケ
ーソンの幅止め材として好適に使用することができる。
れた熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、熱可塑性樹
脂で被覆されたFRP線によって構成されているため、
きわめて耐食性に優れ、劣悪な腐食性環境下においても
補強筋としての役割を完遂することができる。従って、
かぶりの浅いコンクリート構造物の補強筋として、ま
た、海岸などの腐食性環境下において、好適に使用する
ことができる。
幅止め材の製造方法は、例えば、図2から図4に示すよ
うに、熱硬化性樹脂11を含浸させた繊維芯材12の外
周面を、熱可塑性樹脂13で被覆した熱可塑性樹脂被覆
FRP線10を複数本作製する工程と、8本の前記熱可
塑性樹脂被覆FRP線10を八つ打ちロープ状に編組み
して八つ打ちFRPロープ20bを作製する工程と、前
記八つ打ちFRPロープ20bを硬化治具に巻き付け硬
化させて矩形状ループ30を成形する工程と、前記矩形
状ループ30の一組の相互に対向した2辺のほぼ中央部
を切断する工程とを経ることを特徴とする。
載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
幅止め材の製造方法は、請求項1または2記載の発明に
おいて、前記矩形状ループ30のコーナー部の半径を、
前記FRPロープの外径の2倍〜5倍とすることを特徴
とする。
塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、そのコーナー部の半
径を前記範囲内とすることにより、主筋や帯筋に掛止し
易くなる。また、コーナー部の半径が前記範囲内であれ
ば、コーナー部の強度が低くなることがない。この結
果、製造上のコストを低減しながら、より高品質の幅止
め材を得ることができる。
幅止め材の製造方法は、請求項1、2または3記載の発
明において、前記FRPロープ20aまたは前記八つ打
ちFRPロープ20bから前記矩形状ループ30を成形
する際に、硬化時張力T(g)/(補強繊維11の総重
量(g/m)×9000)により定義される硬化時張力係数
cを0.005以上0.025以下の範囲とすることを特
徴とする。
可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、硬化時張力係数を
前記範囲とすることにより、引張力が負荷しても過剰に
伸びたり歪んだりすることがなく、引張強度が高い。こ
の結果、製造上のコストを低減しながら、より高品質の
幅止め材を得ることができる。
施の形態について説明する。なお、この実施の形態にお
いて使用した材料は、以下の通りである。
会社製)」、12000フィラメント、880dte
x、12本(繊維含有率=55.4vol%) 熱硬化性樹脂1:商品名「エスターH2000HV
(三井化学株式会社製)」、80部 熱硬化性樹脂2:商品名「NKエステル3G(新中村
化学株式会社製)」、20部 触媒1:商品名「カドックスB−CH50(化薬アク
ゾ株式会社製)」、4部 触媒2:商品名「カヤブチルB(化薬アクゾ株式会社
製)」、0.5部 熱可塑性樹脂:ナイロン12(80℃一昼夜乾燥)
熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の製造方法を、図1
から図3によって説明する。まず、前記材料を使用し
て、図1に示したFRPロープ20aを作製する。図1
(a)はその断面図、(b)はその側面図である。FR
Pロープ20aは、図1から明らかなように、1本の熱
可塑性樹脂被覆FRP線10の外周に、6本の熱可塑性
樹脂被覆FRP線10を螺旋状に撚り合わせて作製した
ものである。
硬化性樹脂11を含浸させた繊維芯材12の外周面を、
熱可塑性樹脂13で被覆して成形したものである。な
お、繊維芯材12の径は3.5mm、熱可塑性樹脂被覆
FRP線10の径は4mm、熱可塑性樹脂13の被覆厚
さは0.25mmとした。
線10を螺旋状に撚り合わせて、この熱可塑性樹脂被覆
FRP線10の外周面の熱可塑性樹脂13同士を融合さ
せた状態を示しているが、図1の(c)に示すように、
前記熱可塑性樹脂13同士が融合しない程度に撚り合わ
せてもよい。
程を具体的に説明する。まず、前記繊維を供給するロー
ビングスタンドを配置し、繊維ガイドを介して未硬化状
熱硬化性樹脂が貯留された樹脂槽に前記繊維を通して熱
硬化性樹脂11を含浸させる。次いで、この樹脂含浸繊
維を、余分な樹脂を所定の繊維含有率まで絞りながら引
き揃えて繊維芯材12とする。この繊維芯材12をクロ
スヘッドダイ内に通し、溶融させた熱可塑性樹脂13を
外周面に被覆して、未硬化状の熱可塑性樹脂被覆FRP
線10とする。
P線10を巻き取ったポビン7巻をクリールスタンドに
固定し、このクリールスタンドから供給される熱可塑性
樹脂被覆FRP線10を、例えば回転巻き取り機などの
撚り機で螺旋状に撚り合わせて、未硬化状の7本撚りF
RPロープ20aを作製する。ここで、撚りピッチは8
0mmとし、撚り張力は中央の1本を1.1kg、周囲
の6本を1kgとした。この撚り張力はクリールスタン
ドが備えるブレーキによって調整することができる。
ープ20aを、図2に示す硬化治具50により矩形螺旋
状に巻き取って硬化させ、図3(a)に示した矩形状ル
ープ30を複数成形する。その後、図3(b)に示すよ
うに、この矩形状ループ30の一組の相互に対向した2
辺のほぼ中央部を切断して、最終的に、図3(c)に示
した熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材40を製造す
る。
コーナー部の半径を、FRPロープ20の外径の3倍と
した。この矩形状ループ30のコーナー部の半径は、小
さくするほど主筋や帯筋に掛止し易くなるが、小さすぎ
るとこのコーナー部の強度が著しく低下するため、FR
Pロープ20aの外径の2倍〜5倍程度とするのが好ま
しいのは前記したとおりである。
gの重錘を垂下させ、硬化時張力を10kgとした。こ
の硬化時張力Tは、以下の計算式により得られる範囲内
とするのが好ましいのは前記したとおりである。 T(g)=繊維芯材の総重量(g/m)×9000×c 0.005≦c≦0.025
いと、熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材40のコーナ
ー部41が扁平になり、引張強度が低下するので好まし
くない。また、逆に前記範囲の下限値より小さいと熱可
塑性樹脂被覆FRP線10の弛みが残って使用時に伸び
や歪みが大きくなるので好ましくない。
辺の長さは、所望のサイズの熱可塑性樹脂被覆FRP製
幅止め材40を製造することができるように適宜設定す
る。例えば、直線部42の長さが1000mm、フック
部43の長さが200mmの熱可塑性樹脂被覆FRP製
幅止め材40を製造する場合には、矩形状ループ30の
長辺を1000mm、短辺(切断する辺)を400mm
とする。
に係る熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の製造方法
を、図4によって説明する。この第2実施の形態は、第
1実施の形態において、FRPロープ20aを作製する
工程を、八つ打ちFRPロープ20bを作製する工程に
変更したものであるので、重複する部分は説明を省略す
る。
可塑性樹脂被覆FRP線10を、第1実施の形態と同様
の手順で8本作製し、これらを用いて、編網機によっ
て、(未硬化状の)八つ打ちFRPロープ20bを作製
する。この八つ打ちFRPロープ20bの断面図および
側面図を、図4(a)および(b)に示した。なお、第
1実施の形態の図1(c)と同様に、熱可塑性樹脂13
同士が融合しない程度に熱可塑性樹脂被覆FRP線10
の外周の撚り合わせた場合のFRPロープ20bの断面
図を、図4(c)に示した。
1実施の形態と同様の手順で、図2に示した硬化治具5
0を用いて矩形状ループ30を成形し、この矩形状ルー
プ30の一組の相互に対向した2辺のほぼ中央部を切断
して、最終的に熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材40
を製造した。なお、この際の硬化張力Tを11.5kg
(c=0.022)とした。
いては、繊維芯材を構成する繊維としてカーボン繊維を
使用したが、このカーボン繊維よりも安価なアラミド繊
維やガラス繊維を使用することもでき、これらカーボン
繊維、アラミド繊維、ガラス繊維を組み合わせて使用す
ることもできる。また、図2に示した硬化治具50のロ
ーラー51は、FRPロープ20の外径に応じてその半
径を適宜変更可能な可変径式ローラーとすることもでき
る。
覆FRP製幅止め材の製造方法によれば、作業効率を格
段に向上させることができる上に、余分な人件費がかか
らず製造上のコストを格段に低減することができる。
て得られた熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、軽量
で施工性が良好であり、かつ、シールドのカッタービッ
トによって容易に切断することができる。従って、NO
MST工法に用いられる立坑用ケーソンの幅止め材とし
て好適に使用することができる。
って得られた熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材は、金
属製幅止め材の代替部材として、医療関連やIT関連の
建造物の構築に好適に使用することができる。
によって得られた熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材
は、熱可塑性樹脂で被覆されたFRP線によって構成さ
れているため、きわめて耐食性に優れ、劣悪な腐食性環
境下においても補強筋としての役割を完遂することがで
きる。従って、かぶりの浅いコンクリート構造物の補強
筋として好適に使用することができるし、海岸などの腐
食性環境下においても好適に使用することができる。
を備え、かつ、主筋や帯筋に掛止し易いコーナー部を有
する熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材を製造すること
ができる。すなわち、製造上のコストを低減しながら、
より高品質の熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材を得る
ことができる。
荷しても過剰に伸びたり歪んだりすることがなく、か
つ、引張強度の高い熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材
を製造することができる。すなわち、製造上のコストを
低減しながら、より高品質の熱可塑性樹脂被覆FRP製
幅止め材を得ることができる。
覆FRP製幅止め材を構成するFRPロープを示し、
(a)および(c)はその断面図、(b)はその側面図
である。
る。
樹脂被覆FRP製幅止め材を得る際の工程図である。
覆FRP製幅止め材を構成する八つ打ちFRPロープを
示し、(a)および(c)はその断面図、(b)はその
側面図である。
視図である。
ー部 42:(熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の)直線部 43:(熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の)フック
部 50:硬化治具 51:ローラー 100:FRPロッド材 110:FRP芯材 111:(FRP芯材の)直線部 112:(FRP芯材の)フック部 120:FRP外周線
Claims (4)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の製造
方法において、 熱硬化性樹脂を含浸させた繊維芯材の外周面を、熱可塑
性樹脂で被覆して熱可塑性樹脂被覆FRP線を複数本作
製する工程と、 少なくとも1本の前記熱可塑性樹脂被覆FRP線の外周
に、6本の前記熱可塑性樹脂被覆FRP線を螺旋状に撚
り合わせてFRPロープを作製する工程と、 前記FRPロープを硬化治具に巻き付け硬化させて矩形
状ループを成形する工程と、 前記矩形状ループの一組の相互に対向する2辺のほぼ中
央部を切断する工程とを経ることを特徴とする熱可塑性
樹脂被覆FRP製幅止め材の製造方法。 - 【請求項2】熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め材の製造
方法において、 熱硬化性樹脂を含浸させた繊維芯材の外周面を、熱可塑
性樹脂で被覆して熱可塑性樹脂被覆FRP線を複数本作
製する工程と、 8本の前記熱可塑性樹脂被覆FRP線を八つ打ちロープ
状に編組みして八つ打ちFRPロープを作製する工程
と、 前記八つ打ちFRPロープを硬化治具に巻き付け硬化さ
せて矩形状ループを成形する工程と、 前記矩形状ループの一組の相互に対向する2辺のほぼ中
央部を切断する工程とを経ることを特徴とする熱可塑性
樹脂被覆FRP製幅止め材の製造方法。 - 【請求項3】前記矩形状ループのコーナー部半径を、前
記FRPロープ外径の2倍〜5倍とすることを特徴とす
る請求項1または2記載の熱可塑性樹脂被覆FRP製幅
止め材の製造方法。 - 【請求項4】前記FRPロープまたは前記八つ打ちFR
Pロープから前記矩形状ループを成形する際に、 硬化時張力(g)/(補強繊維の総重量(g/m)×900
0)により定義される硬化時張力係数を0.005以上
0.025以下の範囲とすることを特徴とする請求項
1、2または3記載の熱可塑性樹脂被覆FRP製幅止め
材の製造方法。
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JP2001108703A JP3669938B2 (ja) | 2001-04-06 | 2001-04-06 | 熱可塑性樹脂被覆frp製幅止め材の製造方法 |
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